JP7262601B2 - 感放射線性樹脂組成物の製造方法、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 - Google Patents
感放射線性樹脂組成物の製造方法、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7262601B2 JP7262601B2 JP2021548832A JP2021548832A JP7262601B2 JP 7262601 B2 JP7262601 B2 JP 7262601B2 JP 2021548832 A JP2021548832 A JP 2021548832A JP 2021548832 A JP2021548832 A JP 2021548832A JP 7262601 B2 JP7262601 B2 JP 7262601B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- solvent
- radiation
- resin composition
- sensitive resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/004—Photosensitive materials
- G03F7/038—Macromolecular compounds which are rendered insoluble or differentially wettable
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/004—Photosensitive materials
- G03F7/039—Macromolecular compounds which are photodegradable, e.g. positive electron resists
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/20—Exposure; Apparatus therefor
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/26—Processing photosensitive materials; Apparatus therefor
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
Description
リソグラフィーの方法としては、感放射線性樹脂組成物によりレジスト膜を形成した後、得られた膜を露光して、その後、現像する方法が挙げられる。
感放射線性樹脂組成物は所定期間保管した後に用いられる場合が多い。
そこで、本発明者らは、特許文献1を参考にして所定の溶剤で洗浄した製造装置を用いて感放射線性樹脂組成物を製造して、その特性について検討を行ったところ、長期間保管した後の感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたパターンにおいて、欠陥の発生が観察され、更なる改良の余地があることを知見した。
また、本発明は、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法を提供することも課題とする。
感放射線性樹脂組成物の製造装置を、SP値が18.5MPa1/2以上25.5MPa1/2以下の溶剤Aを用いて洗浄する工程1と、
工程1の後、感放射線性樹脂組成物の製造装置を、工程1で使用した溶剤AよりもSP値が高く、SP値が30.0MPa1/2以下の溶剤Bを用いて洗浄する工程2と、
工程2の後、感放射線性樹脂組成物の製造装置で感放射線性樹脂組成物を製造する工程3と、を有する、感放射線性樹脂組成物の製造方法。
(2) 溶剤AのSP値が18.5MPa1/2以上23.0MPa1/2以下である、(1)に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
(3) 溶剤A及び溶剤Bの一方又は両方が、ケトン系溶剤、又は、グリコールエーテル系溶剤を含む、(1)又は(2)に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
(4) 工程1の前に、溶剤Aをフィルターでろ過する工程Xを有する、(1)~(3)のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
(5) 工程2の前に、溶剤Bをフィルターでろ過する工程Yを有する、(1)~(4)のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
(6) フィルターがフッ素樹脂を含む、(4)又は(5)に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
(7) 工程2と工程3との間に、感放射線性樹脂組成物の製造装置を、溶剤Cを用いて洗浄する工程4を更に有する、(1)~(6)のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
(8) 溶剤CのSP値が14.5MPa1/2以上18.5MPa1/2未満である、(7)に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
(9) 溶剤Cが、エステル系溶剤又は脂肪族炭化水素系溶剤を含む、(7)又は(8)に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
(10) 工程4の前に、溶剤Cをフィルターでろ過する工程Zを有する、(7)~(9)のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
(11) フィルターがフッ素樹脂を含む、(10)に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
(12) 感放射線性樹脂組成物が、樹脂を含み、
樹脂は、ケイ素原子を有する繰り返し単位を有さず、
樹脂は、(メタ)アクリル基を有するモノマー由来の繰り返し単位を有する、(1)~(11)のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
(13) (1)~(12)のいずれかに記載の製造方法より製造される感放射線性樹脂組成物を用いて、基板上にレジスト膜を形成する工程と、
レジスト膜を露光する工程と、
現像液を用いて、露光されたレジスト膜を現像し、パターンを形成する工程と、を有する、パターン形成方法。
(14) (13)に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
また、本発明によれば、パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法を提供できる。
本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換又は無置換を記していない表記は、置換基を有していない基と共に置換基を有する基をも含む。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも含む。
本明細書における、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを含む総称であり、「アクリル及びメタクリルの少なくとも1種」を意味する。同様に「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸を含む総称であり、「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
また、本明細書中のpKaは、上述した通り「水溶液中でのpKa」を指すが、水溶液中でのpKaが算出できない場合には、「ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液中でのpKa」を採用するものとする。
本発明者らは、形成されるパターンの欠陥が発生する原因として、製造装置に付着していた感放射線性樹脂組成物に由来する残渣物が影響していることを見出している。通常、感放射線性樹脂組成物を製造する際には、所定の製造装置を繰り返し使用する。そのため、製造装置を用いて感放射線性樹脂組成物を製造する際には、製造装置に付着している感放射線性樹脂組成物の残渣物が新たに製造される感放射線性樹脂組成物に混入しないように、することが望ましい。本発明では、まず、感放射線性樹脂組成物の主成分である樹脂(例えば、酸の作用により極性が増大する樹脂)及び光酸発生剤と比較的相溶しやすい所定のSP値の溶剤Aを用いて製造装置を洗浄して、付着物の大部分を除去する。次に、溶剤AよりもSP値の高い溶剤Bを用いて、光酸発生剤等の高極性の成分を除去する。光酸発生剤等の高極性の成分は一旦凝集してしまうと、溶剤に溶解し難く、欠陥の原因となりやすい。そのため、溶剤Aの後に、溶剤Bを用いた洗浄を実施する。仮に、溶剤Aの後に溶剤AよりもSP値の低い溶剤で洗浄した場合、光酸発生剤等の高極性の成分が凝集してしまい、その後の手順で除去し難い不純物となり、形成されるパターンの欠陥が発生しやすくなる。
工程1:感放射線性樹脂組成物の製造装置を、SP値(溶解度パラメータ)が18.5~25.5MPa1/2の溶剤Aを用いて洗浄する工程
工程2:工程1の後、感放射線性樹脂組成物の製造装置を、工程1で使用した溶剤AよりもSP値が高く、SP値が30MPa1/2以下の溶剤Bを用いて洗浄する工程
工程3:工程2の後、感放射線性樹脂組成物の製造装置で感放射線性樹脂組成物を製造する工程
以下、各工程の手順について詳述する。
なお、本発明の製造方法は、クリーンルーム内で実施することが好ましい。クリーン度としては、国際統一規格ISO 14644-1におけるクラス6以下が好ましく、クラス5以下がより好ましく、クラス4以下が更に好ましい。
また、上記工程1~工程3は、感放射線性樹脂組成物の製造に用いられた製造装置に対して実施することが好ましい。言い換えれば、工程1を実施する前に、感放射線性樹脂組成物の製造装置を用いて、感放射線性樹脂組成物を製造する工程0を実施した後、工程1を実施することが好ましい。なお、上記感放射線性樹脂組成物を製造する工程の手順としては、後述する工程3と同様の手順が挙げられる。
なお、工程0にて製造される感放射線性樹脂組成物の固形分濃度が10質量%以上の場合、本発明の効果が顕著に発揮される。
更に、上記工程1~工程3は、2回以上繰り返して実施してもよい。
工程1は、感放射線性樹脂組成物の製造装置を、SP値が18.5~25.5MPa1/2の溶剤Aを用いて洗浄する工程である。上述したように、本工程を実施することにより、製造装置に付着している感放射線性樹脂組成物由来の残渣物(例えば、樹脂由来の残渣物、及び、光酸発生剤由来の残渣物)の大部分を除去することができる。
製造装置100は、撹拌槽10と、撹拌槽10内に回転可能に取り付けられた撹拌軸12と、撹拌軸12に取り付けられた撹拌翼14と、撹拌槽10の底部と一端が連結し、他端が撹拌槽10の上部に連結している循環配管16と、循環配管16の途中に配置されたフィルター18と、循環配管16と連結した排出配管20と、排出配管20の端部に配置された排出ノズル22とを有する。
装置内の接液部(液と接する個所)は、フッ素樹脂等でライニング、又は、コーティングされていることが好ましい。
撹拌槽10の底部の形状は特に制限されず、皿形鏡板形状、半楕円鏡板形状、平鏡板形状、及び、円錐鏡板形状が挙げられ、皿型鏡板形状、又は、半楕円鏡板形状が好ましい。
撹拌槽10内には、撹拌効率を高めるために、邪魔板を設置してもよい。
邪魔板の枚数は特に制限されず、2~8枚が好ましい。
攪拌層10の水平方向における邪魔板の幅は特に制限されず、撹拌槽の径の1/8~1/2が好ましい。
撹拌槽の高さ方向における邪魔板の長さは特に制限されないが、撹拌槽の底部から投入される成分の液面までの高さの1/2以上が好ましく、2/3以上がより好ましく、3/4以上が更に好ましい。
撹拌翼14の形状は特に制限されないが、例えば、パドル翼、プロペラ翼、及び、タービン翼が挙げられる。
また、撹拌槽10は、その内部に気体を導入するための気体導入口を有していてもよい。
また、撹拌槽10は、その内部の気体を撹拌槽外に排出するための気体排出口を有していてもよい。
また、撹拌槽内には、槽上部に洗浄ノズル(例えば、スプレーボール)が配置されていてもよい。
スプレーボールとしては、後述する溶剤Aが流れると、スプレーボールが回転し、撹拌槽内を均一に洗浄できるタイプのスプレーボールが好ましい。
本発明のSP値は、「Properties of Polymers、第二番、1976出版」に記載のFedors法を用いて計算されたものである。用いた計算式及び各置換基のパラメーターを以下の表1に示す。
SP値(Fedors法)=[(各置換基の凝集エネルギーの和)/(各置換基の体積の和)]0.5
具体例を以下の表2及び3に示す。
また、製造装置を洗浄する際には、溶剤Aを循環させながら洗浄してもよい。つまり、いわゆる循環洗浄を行ってもよい。
循環洗浄を実施する際、溶剤Aが通液する途中にフィルターを配置してもよい。フィルターを配置することにより、洗浄中に不溶物を除去することができる。
なお、上記で使用されるフィルターとしては、後述する工程Xで使用されるフィルターが挙げられる。
例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの引火点は42℃であるため、上記プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの使用時の液温は、20~35℃が好ましく、25~35℃がより好ましく、30~35℃が更に好ましい。
液温の制御方法は特に制限されず、あらかじめ加温しておいた溶剤を設備に投入する手法、及び、調合設備に備え付けた温度調節機器を使用する手法が挙げられる。
使用されるフィルターの種類は特に制限されず、公知のフィルターが用いられる。
フィルターの孔径(ポアサイズ)としては、0.20μm以下が好ましく、0.10μm以下がより好ましく、0.05μm以下がより好ましい。
工程Xで用いられるフィルターは、フッ素樹脂を含むことが好ましい。
フィルターの材質としては、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー、ポリビニリデンフルオライド、及び、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー等のフッ素樹脂、ポリプロピレン、及び、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ナイロン6及びナイロン66等のポリアミド樹脂、並びに、ポリイミド樹脂(ポリイミドフィルターとしては、例えば、特開2017-064711号公報、特開2017-064712号公報に記載されるポリイミドフィルターが挙げられる。)が好ましい。
フィルターは、有機溶剤で予め洗浄したものを用いてもよい。
フィルターでろ過する際には、複数のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数のフィルターを用いる場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用してもよい。また、フィルターでろ過する際には、循環ろ過を実施してもよい。循環ろ過の方法としては、例えば、特開2002-062667号公報に開示されるような手法が好ましい。
フィルターとしては、特開2016-201426号公報に開示されるような溶出物が低減されたものが好ましい。
なお、上記フィルターろ過の後、更に、吸着材による不純物の除去を行ってもよい。
工程2は、工程1の後、感放射線性樹脂組成物の製造装置を、工程1で使用した溶剤AよりもSP値が高く、SP値が30.0MPa1/2以下の溶剤Bを用いて洗浄する工程である。本工程を実施することにより、光酸発生剤等の高極性の成分を洗浄除去することができる。
溶剤BのSP値の上限は30.0MPa1/2以下である。
溶剤BのSP値は、溶剤Aよりも高く、30.0MPa1/2以下であればよいが、本発明の効果がより優れる点で、20.0~30.0Pa1/2が好ましい。
溶剤Bの具体例としては、溶剤Aで例示した具体例が挙げられる。また、溶剤Aで例示した具体例以外にも、表4に示す溶剤が挙げられる。
また、製造装置を洗浄する際には、溶剤Bを循環させながら洗浄してもよい。つまり、いわゆる循環洗浄を行ってもよい。
循環洗浄を実施する際、溶剤Bが通液する途中にフィルターを配置してもよい。フィルターを配置することにより、洗浄中に不溶物を除去することができる。
なお、上記で使用されるフィルターとしては、上述した工程Xで使用されるフィルターが挙げられる。
使用されるフィルターとしては、工程Xで説明したフィルターが挙げられる。
工程Yで用いられるフィルターは、フッ素樹脂を含むことが好ましい。
工程Yの手順としては、工程Xで説明した手順が挙げられる。
工程3は、工程2の後、感放射線性樹脂組成物の製造装置で感放射線性樹脂組成物を製造する工程である。
工程3の手順は特に制限されないが、製造装置に感放射線性樹脂組成物を構成する各種成分を加えて、これらを混合して、感放射線性樹脂組成物を製造する方法が挙げられる。
撹拌槽に上記成分を投入する手順は特に制限されない。
例えば、撹拌槽の材料投入口から、各種成分を投入する方法が挙げられる。各種成分を投入する際には、成分を順次投入してもよいし、一括して投入してもよい。また、1種の成分を投入する際、複数回に分けて投入してもよい。
また、撹拌槽内に各成分を順次投入する場合、投入順番は特に制限されない。
また、溶剤を撹拌槽内に投入する際には、溶剤をフィルターろ過した後、撹拌槽内に投入してもよい。上記で使用されるフィルターとしては、上述した工程Xで使用されるフィルターが挙げられる。
上記成分を溶解させた溶液中の成分濃度は特に制限されないが、溶液全質量に対して、10~50質量%が好ましい。
なお、上記混合物の占有率は、以下の式(1)によって求められる。
式(1):占有率={(撹拌槽内の混合物の体積/撹拌槽の容器体積)}×100
また、撹拌槽内における空隙率(空間(空隙)が占める割合)は、5~50体積%が好ましく、10~20体積%がより好ましい。
上記空隙率は、以下の式(2)によって求められる。
式(2):空隙率={1-(撹拌槽内の混合物の体積/撹拌槽の容器体積)}×100
撹拌混合の方法は特に制限されないが、上述した撹拌翼によって実施することが好ましい。なお、撹拌混合を行う際には、液が十分に撹拌されるよう、撹拌翼の形状、大きさ、設置箇所、及び、撹拌回転数等を考慮し、撹拌を行うことが好ましい。
撹拌混合する感放射線性樹脂組成物を構成する成分を含む混合物の温度は特に制限されないが、15~32℃が好ましく、20~24℃がより好ましい。
また、撹拌混合する際には混合物の温度は一定に保たれていることが好ましく、設定温度から±10℃以内が好ましく、±5℃以内がより好ましく、±1℃以内が更に好ましい。
撹拌混合時間は特に制限されないが、得られる感放射線性樹脂組成物の均一性、及び、生産性のバランスの点から、1~48時間が好ましく、15~24時間がより好ましい。
撹拌混合の際の撹拌翼の回転速度は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、20~500rpmが好ましく、40~350rpmがより好ましく、50~300rpmが更に好ましい。
なお、撹拌混合を停止する際には、各種成分が溶剤に溶解していること確認することが好ましい。
撹拌混合時には、混合物に超音波をかけてもよい。
感放射線性樹脂組成物を容器へ充填する際の充填速度は、例えば容量0.75L以上5L未満の容器の場合、0.3~3.0L/minが好ましく、0.4~2.0L/minがより好ましく、0.5~1.5L/minが更に好ましい。
排出ノズルは、充填効率を上げるために、並列に複数並べ、同時に充填してもよい。
容器としては、例えば、ブルーム処理されたガラス容器、及び、接液部がフッ素樹脂となるよう処理された容器が挙げられる。
容器内に感放射線性樹脂組成物を収容した場合、容器内の空間部(感放射線性樹脂組成物が占有していない容器内の領域)を所定のガスで置換してもよい。ガスとしては感放射線性樹脂組成物に対して不活性又は非反応性のガスが好ましく、例えば、窒素、並びに、ヘリウム及びアルゴン等の希ガスが挙げられる。
なお、容器中に感放射線性樹脂組成物を収容する前に、感放射線性樹脂組成物中の溶存ガスを除去するための脱気処理を実施してもよい。脱気方法としては、超音波処理、及び、脱泡処理が挙げられる。
感放射線性樹脂組成物中における水分の含有量の測定方法としては、カールフィッシャー水分測定装置を用いる方法が挙げられる。
本発明の製造方法は、上述した工程1~工程3以外の他の工程を有していてもよい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、本発明の製造方法は、工程2と工程3との間に、感放射線性樹脂組成物の製造装置を、溶剤Cを用いて洗浄する工程4を更に有することが好ましい。
なかでも、上述した所定のSP値の範囲である溶剤Cとしては、以下の表5及び6に記載の溶剤が挙げられる。
また、製造装置を洗浄する際には、溶剤Cを循環させながら洗浄してもよい。つまり、いわゆる循環洗浄を行ってもよい。
循環洗浄を実施する際、溶剤Cが通液する途中にフィルターを配置してもよい。フィルターを配置することにより、洗浄中に不溶物を除去することができる。
なお、上記で使用されるフィルターとしては、上述した工程Xで使用されるフィルターが挙げられる。
使用されるフィルターとしては、工程Xで説明したフィルターが挙げられる。
工程Zで用いられるフィルターは、フッ素樹脂を含むことが好ましい。
確認手法は特に制限されず、特定したい不純物によって手法を選択する。
例えば、GC(ガスクロマトグラフィー)による残存溶剤の評価、UV(紫外線)照射評価による低分子成分の残存物量の評価、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によるポリマー残存物量の評価、液中パーティクルカウンターによる含有パーティクル数の評価、ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計)によるメタル含有量の評価、及び、洗浄溶剤をウェハ上に塗布して欠陥検査を行う評価が挙げられる。
例えば、図1に示す製造装置100においては、撹拌槽10内に製造された感放射線性樹脂組成物を循環配管16に送液し、フィルター18でろ過する方法が挙げられる。なお、撹拌槽10から循環配管16に感放射線性樹脂組成物を送液する際には、図示しないバルブを開放して、感放射線性樹脂組成物を循環配管16内に送液することが好ましい。
上記循環ろ過は、複数回連続して実施してもよい。つまり、感放射線性樹脂組成物を連続して循環配管に送液して、フィルター18を複数回通液させてもよい。
撹拌槽10から循環配管16に感放射線性樹脂組成物を送液する方法は特に制限されず、重力を利用した送液方法、感放射線性樹脂組成物の液面側から圧力を加える方法、循環配管16側を負圧にする方法、及び、これらを2つ以上組み合わせた方法が挙げられる。
感放射線性樹脂組成物の液面側から圧力を加える方法の場合、送液で生じる流液圧を利用する方法、及び、ガスを加圧する方法が挙げられる。
流液圧は、例えば、ポンプ(送液ポンプ、及び、循環ポンプ等)等により発生させることが好ましい。ポンプとしては、ロータリーポンプ、ダイヤフラムポンプ、定量ポンプ、ケミカルポンプ、プランジャーポンプ、ベローズポンプ、ギアポンプ、真空ポンプ、エアーポンプ、及び、液体ポンプの使用が挙げられ、そのほかにも適宜、市販のポンプが挙げられる。ポンプが配置される位置は特に制限されない。
加圧に用いるガスとしては、感放射線性樹脂組成物に対して不活性又は非反応性のガスが好ましく、具体的には、窒素、並びに、ヘリウム及びアルゴン等の希ガス等が挙げられる。なお、循環配管16側は減圧せず、大気圧であることが好ましい。
フィルター18にかかる差圧(上流側と下流側との圧力差)は200kPa以下が好ましく、100kPa以下がより好ましい。
また、フィルター18でろ過する際には、ろ過中における差圧の変化が少ないことが好ましい。フィルターに通液を開始した時点から、ろ過される溶液の90質量%の通液が終了する時点までの、ろ過前後の差圧を、通液を開始した時点のろ過前後の差圧の±50kPa以内に維持することが好ましく、±20kPa以内に維持することがより好ましい。
フィルター18でろ過する際には、線速度は3~150L/(hr・m2)の範囲が好ましく、5~120L/(hr・m2)がより好ましく、10~100L/(hr・m2)が更に好ましい。
なお、図1に記載の装置10には、フィルター18の下流側にろ過された感放射線性樹脂組成物が貯留されるバッファタンクが配置されていてもよい。
上述した製造方法によって製造された感放射線性樹脂組成物は、パターン形成に用いられる。
より具体的には、本発明の組成物を用いたパターン形成方法の手順は特に制限されないが、以下の工程を有することが好ましい。
工程A:本発明の組成物を用いて、基板上にレジスト膜を形成する工程
工程B:レジスト膜を露光する工程
工程C:現像液を用いて、露光されたレジスト膜を現像し、パターンを形成する工程
以下、上記それぞれの工程の手順について詳述する。
工程Aは、本発明の組成物を用いて、基板上にレジスト膜を形成する工程である。
本発明の組成物については、上述のとおりである。
なお、塗布前に組成物を必要に応じてフィルターろ過することが好ましい。フィルターのポアサイズとしては、0.1μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましく、0.03μm以下が更に好ましい。また、フィルターは、ポリテトラフルオロエチレン製、ポリエチレン製、又は、ナイロン製が好ましい。
組成物の塗布後、基板を乾燥し、レジスト膜を形成してもよい。なお、必要により、レジスト膜の下層に、各種下地膜(無機膜、有機膜、又は、反射防止膜)を形成してもよい。
加熱温度は80~150℃が好ましく、80~140℃がより好ましい。
加熱時間は30~1000秒間が好ましく、40~800秒間がより好ましい。
また、ArF露光用又はEUV露光用のレジスト膜の場合、30~700nmが好ましく、40~400nmがより好ましく、40~200nmがさらに好ましい。
トップコート組成物は、レジスト膜と混合せず、更にレジスト膜上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートの膜厚は、10~200nmが好ましく、20~100nmがより好ましい。
トップコートについては、特に制限されず、従来公知のトップコートを、従来公知の方法によって形成でき、例えば、特開2014-059543号公報の段落0072~0082の記載に基づいてトップコートを形成できる。
工程Bは、レジスト膜を露光する工程である。
露光の方法としては、形成したレジスト膜に所定のマスクを通して放射線を照射する方法が挙げられる。
放射線としては、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、極紫外光、X線、及び、EB(Electron Beam)が挙げられ、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下、更に好ましくは1~200nmの波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、EUV(13nm)、X線、及び、EBが挙げられる。
加熱温度は80~150℃が好ましく、80~140℃がより好ましい。
加熱時間は10~1000秒間が好ましく、10~180秒間がより好ましい。
加熱は通常の露光機、及び/又は現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
この工程は露光後ベークとも記載する。
工程Cは、現像液を用いて、露光されたレジスト膜を現像し、パターンを形成する工程である。
また、現像を行う工程の後に、他の溶剤に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
現像時間は未露光部の樹脂が十分に溶解する時間であれば特に制限はなく、10~300秒間が好ましく、20~120秒間がより好ましい。
現像液の温度は0~50℃が好ましく、15~35℃がより好ましい。
アルカリ現像液としては、アルカリを含むアルカリ水溶液を用いることが好ましい。中でも、アルカリ現像液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)に代表される4級アンモニウム塩の水溶液であることが好ましい。アルカリ現像液には、アルコール類、界面活性剤等を適当量添加してもよい。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常、0.1~20質量%である。また、アルカリ現像液のpHは、通常、10.0~15.0である。
有機溶剤現像液に用いられる有機溶剤としては、公知の有機溶剤が挙げられ、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、及び、炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記パターン形成方法は、工程Cの後に、リンス液を用いて洗浄する工程を含むことが好ましい。
現像液を用いて現像する工程の後のリンス工程に用いるリンス液としては、例えば、純水が挙げられる。なお、純水には、界面活性剤を適当量添加してもよい。
リンス液には、界面活性剤を適当量添加してもよい。
基板(又は、下層膜及び基板)の加工方法は特に制限されないが、工程Cで形成されたパターンをマスクとして、基板(又は、下層膜及び基板)に対してドライエッチングを行うことにより、基板にパターンを形成する方法が好ましい。
ドライエッチングは、1段のエッチングであっても、複数段からなるエッチングであってもよい。エッチングが複数段からなるエッチングである場合、各段のエッチングは同一の処理であっても異なる処理であってもよい。
エッチングは、公知の方法をいずれも用いることができ、各種条件等は、基板の種類又は用途等に応じて、適宜、決定される。例えば、国際光工学会紀要(Proc.of SPIE)Vol.6924,692420(2008)、特開2009-267112号公報等に準じて、エッチングを実施できる。また、「半導体プロセス教本 第四版 2007年刊行 発行人:SEMIジャパン」の「第4章 エッチング」に記載の方法に準ずることもできる。
中でも、ドライエッチングとしては、酸素プラズマエッチングが好ましい。
フィルターの材質としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)等のフッ素樹脂、ポリプロピレン及びポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ナイロン6及びナイロン66等のポリアミド樹脂が好ましい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルターろ過工程では、複数又は複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用してもよい。また、各種材料を複数回ろ過してもよく、複数回ろ過する工程が循環ろ過工程であってもよい。循環ろ過工程としては、例えば、特開2002-62667号公報に開示されるような手法が好ましい。
フィルターとしては、特開2016-201426号公報に開示されるような溶出物が低減されたものが好ましい。
フィルターろ過のほか、吸着材による不純物の除去を行ってもよく、フィルターろ過と吸着材とを組み合わせて使用してもよい。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲル若しくはゼオライト等の無機系吸着材、又は、活性炭等の有機系吸着材を使用できる。金属吸着剤としては、例えば、特開2016-206500号公報に開示されるものが挙げられる。
また、上記各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、各種材料を構成する原料に対してフィルターろ過を行う、又は、装置内をフッ素樹脂等でライニング若しくはコーティングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法が挙げられる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルターろ過における好ましい条件は、上記した条件と同様である。
上記の各種材料は、不純物の混入を防止するために、米国特許出願公開第2015/0227049号明細書、特開2015-123351号公報、特開2017-13804号公報等に記載された容器に保存されることが好ましい。
各種材料は組成物に使用する溶剤により希釈し、使用してもよい。
以下、感放射線性樹脂組成物に含まれる成分について詳述する。
感放射線性樹脂組成物は、樹脂を含んでいてもよい。
樹脂としては、酸の作用により極性が増大する樹脂(以下、単に「樹脂(A)」とも記載する。)が好ましい。
なお、樹脂は、ケイ素原子を有する繰り返し単位を有さず、(メタ)アクリル基を有するモノマー由来の繰り返し単位を有することが好ましい。
酸分解性基とは、酸の作用により分解し、極性基を生じる基をいう。酸分解性基は、酸の作用により脱離する脱離基で極性基が保護された構造を有することが好ましい。つまり、樹脂(A)は、酸の作用により分解し、極性基を生じる基を有する繰り返し単位(A-a)を有する。この繰り返し単位(A-a)を有する樹脂は、酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解度が増大し、有機溶剤に対する溶解度が減少する。
中でも、極性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、又は、スルホン酸基が好ましい。
式(Y1):-C(Rx1)(Rx2)(Rx3)
式(Y2):-C(=O)OC(Rx1)(Rx2)(Rx3)
式(Y3):-C(R36)(R37)(OR38)
式(Y4):-C(Rn)(H)(Ar)
中でも、Rx1~Rx3は、それぞれ独立に、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表すことが好ましく、Rx1~Rx3は、それぞれ独立に、直鎖状のアルキル基を表すことがより好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して、単環又は多環を形成してもよい。
Rx1~Rx3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及び、t-ブチル基等の炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
Rx1~Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、並びに、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1~Rx3のアリール基としては、炭素数6~10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントリル基等が挙げられる。
Rx1~Rx3のアルケニル基としては、ビニル基が好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、並びに、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5~6の単環のシクロアルキル基がより好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
式(Y1)又は式(Y2)で表される基は、例えば、Rx1がメチル基又はエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
本発明の組成物が、例えば、EUV露光用レジスト組成物である場合、Rx1~Rx3で表されるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、及び、Rx1~Rx3の2つが結合して形成される環は、更に、置換基として、フッ素原子又はヨウ素原子を有しているのも好ましい。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、ヘテロ原子を有していてもよいアルキル基、ヘテロ原子を有していてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を有していてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基、アルデヒド基、又は、これらを組み合わせた基(例えば、アルキル基とシクロアルキル基とを組み合わせた基)を表す。
アルキル基及びシクロアルキル基は、例えば、メチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
なお、L1及びL2のうち一方は水素原子であり、他方はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アルキレン基とアリール基とを組み合わせた基であることが好ましい。
Q、M、及び、L1の少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員又は6員環)を形成してもよい。
パターンの微細化の点では、L2が2級又は3級アルキル基であることが好ましく、3級アルキル基であることがより好ましい。2級アルキル基としては、イソプロピル基、シクロヘキシル基、及び、ノルボルニル基が挙げられ、3級アルキル基としては、tert-ブチル基、及び、アダマンタン環基が挙げられる。これらの態様では、Tg(ガラス転移温度)及び活性化エネルギーが高くなるため、膜強度の担保に加え、かぶりの抑制ができる。
L1は、フッ素原子又はヨウ素原子を有していてもよい2価の連結基を表す。フッ素原子又はヨウ素原子を有していてもよい2価の連結基としては、-CO-、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、フッ素原子又はヨウ素原子を有していてもよい炭化水素基(例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基等)、及び、これらの複数が連結した連結基等が挙げられる。中でも、本発明の効果がより優れる点で、L1としては、-CO-、又は、-アリーレン基-フッ素原子もしくはヨウ素原子を有するアルキレン基-が好ましい。
アリーレン基としては、フェニレン基が好ましい。
アルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。アルキレン基の炭素数は特に制限されないが、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
フッ素原子又はヨウ素原子を有するアルキレン基に含まれるフッ素原子及びヨウ素原子の合計数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、2以上が好ましく、2~10がより好ましく、3~6が更に好ましい。
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。アルキル基の炭素数は特に制限されないが、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
フッ素原子又はヨウ素原子を有するアルキル基に含まれるフッ素原子及びヨウ素原子の合計数は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1以上が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が更に好ましい。
上記アルキル基は、ハロゲン原子以外の酸素原子等のヘテロ原子を有していてもよい。
脱離基としては、式(Z1)~(Z4)で表される基が挙げられる。
式(Z1):-C(Rx11)(Rx12)(Rx13)
式(Z2):-C(=O)OC(Rx11)(Rx12)(Rx13)
式(Z3):-C(R136)(R137)(OR138)
式(Z4):-C(Rn1)(H)(Ar1)
Rx11~Rx13は、フッ素原子又はヨウ素原子を有していてもよい点以外は、上述した式(Y1)及び式(Y2)中のRx1~Rx3と同じであり、アルキル基及びシクロアルキル基の定義及び好適範囲と同じである。
なお、上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び、アラルキル基には、フッ素原子及びヨウ素原子以外に、酸素原子等のヘテロ原子が含まれていてもよい。つまり、上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び、アラルキル基は、例えば、メチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
M1は、単結合又は2価の連結基を表す。
Q1は、フッ素原子、ヨウ素原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を有していてもよいアルキル基;フッ素原子、ヨウ素原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を有していてもよいシクロアルキル基;フッ素原子、ヨウ素原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を有していてもよいアリール基;アミノ基;アンモニウム基;メルカプト基;シアノ基;アルデヒド基;又は、これらを組み合わせた基(例えば、フッ素原子、ヨウ素原子及び酸素原子からなる群より選択されるヘテロ原子を有していてもよい、アルキル基とシクロアルキル基とを組み合わせた基)を表す。
Xa1は、水素原子、又は、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
Tは、単結合、又は、2価の連結基を表す。
Rx1~Rx3は、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖状、又は、分岐鎖状)、シクロアルキル基(単環、又は、多環)、アルケニル基(直鎖状若しくは分岐鎖状)、又はアリール(単環若しくは多環)基を表す。ただし、Rx1~Rx3の全てがアルキル基(直鎖状、又は、分岐鎖状)である場合、Rx1~Rx3のうち少なくとも2つはメチル基であることが好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して、シクロアルキル基(単環もしくは多環)を形成してもよい。
Tは、単結合又は-COO-Rt-基が好ましい。Tが-COO-Rt-基を表す場合、Rtは、炭素数1~5のアルキレン基が好ましく、-CH2-基、-(CH2)2-基、又は、-(CH2)3-基がより好ましい。
Rx1~Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1~Rx3のアリール基としては、炭素数6~10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントリル基等が挙げられる。
Rx1~Rx3のアルケニル基としては、ビニル基が好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基が好ましく、その他にも、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、炭素数5~6の単環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
一般式(AI)で表される繰り返し単位は、例えば、Rx1がメチル基又はエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
繰り返し単位(A-a)の含有量(2種以上の繰り返し単位(A-a)が存在する場合は合計含有量)は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、15~80モル%が好ましく、20~70モル%がより好ましい。
一般式(A-IX)中、R6及びR7は、それぞれ独立に、1価の置換基を表す。1価の置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基等が挙げられる。
一般式(A-X)中、pは1~5を表し、1又は2が好ましい。
一般式(A-X)~(A-XII)中、R8は、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、R9は、炭素数1~3のアルキル基を表す。
一般式(A-XII)中、R10は、炭素数1~3のアルキル基又はアダマンチル基を表す。
樹脂(A)は、酸基を有する繰り返し単位を有してもよい。
酸基としては、pKaが13以下の酸基が好ましい。上記酸基の酸解離定数は、上記のように、13以下が好ましく、3~13がより好ましく、5~10が更に好ましい。
酸分解性樹脂が、pKaが13以下の酸基を有する場合、酸分解性樹脂中における酸基の含有量は特に制限されないが、0.2~6.0mmol/gの場合が多い。なかでも、0.8~6.0mmol/gが好ましく、1.2~5.0mmol/gがより好ましく、1.6~4.0mmol/gが更に好ましい。酸基の含有量が上記範囲内であれば、現像が良好に進行し、形成されるパターン形状に優れ、解像性にも優れる。
酸基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、スルホン酸基、又はスルホンアミド基等が好ましい。
また、上記ヘキサフルオロイソプロパノール基において、フッ素原子の1つ以上(好ましくは1~2つ)がフッ素原子以外の基で置換されてなる基も酸基として好ましい。このような基としては、例えば、-C(CF3)(OH)-CF2-を含む基が挙げられる。なお、上記-C(CF3)(OH)-CF2-を含む基は、-C(CF3)(OH)-CF2-を含む環基であってもよい。
酸基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(B)で表される繰り返し単位が好ましい。
L3は、(n+m+1)価の芳香族炭化水素環基、又は、(n+m+1)価の脂環式炭化水素環基を表す。芳香族炭化水素環基としては、ベンゼン環基、及び、ナフタレン環基が挙げられる。脂環式炭化水素環基としては、単環であっても、多環であってもよく、例えば、シクロアルキル環基が挙げられる。
R6は、水酸基、又は、フッ素化アルコール基(好ましくは、ヘキサフルオロイソプロパノール基)を表す。なお、R6が水酸基の場合、L3は(n+m+1)価の芳香族炭化水素環基であることが好ましい。
R7は、ハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられる。
mは、1以上の整数を表す。mは、1~3の整数が好ましく、1~2の整数がより好ましい。
nは、0又は1以上の整数を表す。nは、1~4の整数が好ましい。
なお、(n+m+1)は、1~5の整数が好ましい。
R41、R42及びR43は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R42はAr4と結合して環を形成していてもよく、その場合のR42は単結合又はアルキレン基を表す。
X4は、単結合、-COO-、又は-CONR64-を表し、R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
L4は、単結合又はアルキレン基を表す。
Ar4は、(n+1)価の芳香環基を表し、R42と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
nは、1~5の整数を表す。
一般式(I)におけるR41、R42、及び、R43のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
一般式(I)におけるR41、R42、及び、R43のアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R41、R42、R43におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
X4により表わされる-CONR64-(R64は、水素原子又はアルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、及び、ドデシル基等の炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、炭素数8以下のアルキル基が好ましい。
X4としては、単結合、-COO-、又は、-CONH-が好ましく、単結合、又は、-COO-がより好ましい。
Ar4としては、炭素数6~18の芳香環基が好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、及び、ビフェニレン環基がより好ましい。
樹脂(A)は、酸基を有する繰り返し単位として、ヒドロキシスチレンに由来する繰り返し単位(A-1)を有することが好ましい。
ヒドロキシスチレンに由来する繰り返し単位(A-1)としては、下記一般式(1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。
Rは、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を表し、複数個ある場合には同じであっても異なっていてもよい。複数のRを有する場合には、互いに共同して環を形成していてもよい。Rとしては水素原子が好ましい。
aは1~3の整数を表し、bは0~(5-a)の整数を表す。
樹脂(A)は、ラクトン構造、カーボネート構造、スルトン構造、及びヒドロキシアダマンタン構造からなる群より選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位(A-2)を有していてもよい。
ラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位としては、WO2016/136354号の段落0094~0107に記載の繰り返し単位が挙げられる。
カーボネート構造を有する繰り返し単位としては、WO2019/054311号の段落0106~0108に記載の繰り返し単位が挙げられる。
樹脂(A)は、フッ素原子又はヨウ素原子を有する繰り返し単位を有していてもよい。
フッ素原子又はヨウ素原子を有する繰り返し単位としては、特開2019-045864号公報の段落0080~0081に記載の繰り返し単位が挙げられる。
樹脂(A)は、上記以外の繰り返し単位として、放射線の照射により酸を発生する基を有する繰り返し単位を有していてもよい。
このような繰り返し単位としては、例えば、下記式(4)で表される繰り返し単位が挙げられる。
光酸発生基を有する繰り返し単位を以下に例示する。
光酸発生基を有する繰り返し単位としては、特開2019-045864号公報の段落0092~0096に記載の繰り返し単位が挙げられる。
樹脂(A)は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有していてもよい。
アルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、及び、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール基(例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基が好ましい。
樹脂(A)がアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有することにより、コンタクトホール用途での解像性が増す。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸及びメタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、又は、連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位が挙げられる。なお、連結基は、単環又は多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸又はメタクリル酸による繰り返し単位が好ましい。
樹脂(A)は、更に、酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位を有してもよい。酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位は、脂環式炭化水素を有することが好ましい。
樹脂(A)としては、繰り返し単位のすべてが、エチレン性不飽和結合を有する化合物に由来する繰り返し単位で構成されることが好ましい。特に、樹脂(A)としては、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系モノマー((メタ)アクリル基を有するモノマー)に由来する繰り返し単位で構成されることが好ましい。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系モノマーに由来するもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系モノマーに由来するもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系モノマー及びアクリレート系モノマーに由来するもののいずれの樹脂でも用いることができる。アクリレート系モノマーに由来する繰り返し単位が、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して50モル%以下であることが好ましい。
また、組成物がArF露光用であるとき、樹脂(A)は、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することが好ましく、また、フッ素原子及び珪素原子のいずれも含まないことが好ましい。
フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては、上記ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位(A-1)、及び、ヒドロキシスチレン(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を挙げることができる。
また、組成物が、KrF露光用、EB露光用又はEUV露光用であるとき、樹脂(A)は、フェノール性水酸基の水素原子が酸の作用により分解し脱離する基(脱離基)で保護された構造を有する繰り返し単位を有することも好ましい。
組成物が、KrF露光用、EB露光用又はEUV露光用であるとき、樹脂(A)に含まれる芳香族炭化水素基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、30~100モル%が好ましく、40~100モル%がより好ましく、50~100モル%が更に好ましい。
樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、1,000~200,000が好ましく、3,000~20,000がより好ましく、5,000~15,000が更に好ましい。樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)を、1,000~200,000とすることにより、耐熱性及びドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、更に、現像性の劣化、及び、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。なお、樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、上述のGPC法により測定されたポリスチレン換算値である。
樹脂(A)の分散度(分子量分布)は、通常1~5であり、1~3が好ましく、1.1~2.0がより好ましい。分散度が小さいものほど、解像度、及び、レジスト形状が優れ、更に、パターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
また、樹脂(A)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において、固形分とは溶剤を除いたレジスト膜を構成し得る成分を意味する。上記成分の性状が液状であっても、固形分として扱う。
本発明の組成物は、光酸発生剤(P)を含んでいてもよい。光酸発生剤(P)は、放射線の照射により酸を発生する化合物であれば特に制限されない。
光酸発生剤(P)は、低分子化合物の形態であってもよく、重合体の一部に組み込まれた形態であってもよい。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用してもよい。
光酸発生剤(P)が、低分子化合物の形態である場合、重量平均分子量(Mw)が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
光酸発生剤(P)が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、樹脂(A)の一部に組み込まれてもよく、樹脂(A)とは異なる樹脂に組み込まれてもよい。
本発明において、光酸発生剤(P)は、低分子化合物の形態であることが好ましい。
光酸発生剤(P)としては、公知のものであれば特に制限されないが、放射線の照射により、有機酸を発生する化合物が好ましく、分子中にフッ素原子又はヨウ素原子を有する光酸発生剤がより好ましい。
上記有機酸として、例えば、スルホン酸(脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸、及び、カンファースルホン酸等)、カルボン酸(脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、及び、アラルキルカルボン酸等)、カルボニルスルホニルイミド酸、ビス(アルキルスルホニル)イミド酸、及び、トリス(アルキルスルホニル)メチド酸等が挙げられる。
上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求める。上記体積の値の計算にあたっては、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM(Molecular Mechanics)3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM(Parameterized Model number)3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessible volume」を計算できる。
極性基としては、例えば、エーテル基、エステル基、アミド基、アシル基、スルホ基、スルホニルオキシ基、スルホンアミド基、チオエーテル基、チオエステル基、ウレア基、カーボネート基、カーバメート基、ヒドロキシル基、及び、メルカプト基が挙げられる。
発生する酸が有する極性基の数は特に制限されず、1個以上であることが好ましく、2個以上であることがより好ましい。ただし、過剰な現像を抑制する観点から、極性基の数は、6個未満であることが好ましく、4個未満であることがより好ましい。
光酸発生剤(P)としては、特開2019-045864号公報の段落0144~0173に記載の光酸発生剤が挙げられる。
光酸発生剤(P)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。光酸発生剤(P)を2種以上併用する場合は、その合計量が上記範囲内であることが好ましい。
化合物(I)は、1つ以上の下記構造部位X及び1つ以上の下記構造部位Yを有する化合物であって、活性光線又は放射線の照射によって、下記構造部位Xに由来する下記第1の酸性部位と下記構造部位Yに由来する下記第2の酸性部位とを含む酸を発生する化合物である。
構造部位X:アニオン部位A1 -とカチオン部位M1 +とからなり、且つ活性光線又は放射線の照射によってHA1で表される第1の酸性部位を形成する構造部位
構造部位Y:アニオン部位A2 -とカチオン部位M2 +とからなり、且つ活性光線又は放射線の照射によってHA2で表される第2の酸性部位を形成する構造部位
但し、化合物(I)は、下記条件Iを満たす。
化合物(I)が、例えば、上記構造部位Xに由来する上記第1の酸性部位を1つと、上記構造部位Yに由来する上記第2の酸性部位を1つ有する酸を発生する化合物である場合、化合物PIは「HA1とHA2を有する化合物」に該当する。
このような化合物PIの酸解離定数a1及び酸解離定数a2とは、より具体的に説明すると、化合物PIの酸解離定数を求めた場合において、化合物PIが「A1 -とHA2を有する化合物」となる際のpKaが酸解離定数a1であり、上記「A1 -とHA2を有する化合物」が「A1 -とA2 -を有する化合物」となる際のpKaが酸解離定数a2である。
このような化合物PIの酸解離定数を求めた場合、化合物PIが「1つのA1 -と1つのHA1と1つのHA2とを有する化合物」となる際の酸解離定数、及び「1つのA1 -と1つのHA1と1つのHA2とを有する化合物」が「2つのA1 -と1つのHA2とを有する化合物」となる際の酸解離定数が、上述の酸解離定数a1に該当する。また、「2つのA1 -と1つのHA2とを有する化合物」が「2つのA1 -とA2 -を有する化合物」となる際の酸解離定数が酸解離定数a2に該当する。つまり、このような化合物PIの場合、上記構造部位X中の上記カチオン部位M1 +をH+に置き換えてなるHA1で表される酸性部位に由来する酸解離定数を複数有する場合、複数の酸解離定数a1のうち最も大きい値よりも、酸解離定数a2の値の方が大きい。なお、化合物PIが「1つのA1 -と1つのHA1と1つのHA2とを有する化合物」となる際の酸解離定数をaaとし、「1つのA1 -と1つのHA1と1つのHA2とを有する化合物」が「2つのA1 -と1つのHA2とを有する化合物」となる際の酸解離定数をabとしたとき、aa及びabの関係は、aa<abを満たす。
上記化合物PIとは、化合物(I)に活性光線又は放射線を照射した場合に、発生する酸に該当する。
化合物(I)が2つ以上の構造部位Xを有する場合、構造部位Xは、各々同一であっても異なっていてもよい。また、2つ以上の上記A1 -、及び2つ以上の上記M1 +は、各々同一であっても異なっていてもよい。
また、化合物(I)中、上記A1 -及び上記A2 -、並びに、上記M1 +及び上記M2 +は、各々同一であっても異なっていてもよいが、上記A1 -及び上記A2 -は、各々異なっているのが好ましい。
式(AA-2)中、RAは、1価の有機基を表す。RAで表される1価の有機基としては、シアノ基、トリフルオロメチル基、及びメタンスルホニル基等が挙げられる。
以下において、まず、式(Ia-1)で表される化合物について述べる。式(Ia-1)で表される化合物は以下のとおりである。
A11 -及びA12 -は、各々独立に、1価のアニオン性官能基を表す。
L1は、2価の連結基を表す。
M11 +及びM12 +は、各々同一であっても異なっていてもよい。
A11 -及びA12 -は、各々同一であっても異なっていてもよいが、互いに異なっているのが好ましい。
但し、上記式(Ia-1)において、M11 +及びM12 +で表される有機カチオンをH+に置き換えてなる化合物PIa(HA11-L1-A12H)において、A12Hで表される酸性部位に由来する酸解離定数a2は、HA11で表される酸性部位に由来する酸解離定数a1よりも大きい。なお、酸解離定数a1と酸解離定数a2の好適値については、上述した通りである。また、化合物PIaと、活性光線又は放射線の照射によって式(Ia-1)で表される化合物から発生する酸は同じである。
また、M11 +、M12 +、A11 -、A12 -、及びL1の少なくとも1つが、置換基として、酸分解性基を有していてもよい。
A11 -及びA12 -で表される1価のアニオン性官能基としては、上述した式(AA-1)~(AA-3)及び式(BB-1)~(BB-6)のいずれかのアニオン部位を含む1価のアニオン性官能基であるのが好ましく、式(AX-1)~(AX-3)、及び式(BX-1)~(BX-7)からなる群から選ばれる1価のアニオン性官能基であるのがより好ましい。A11 -で表される1価のアニオン性官能基としては、なかでも、式(AX-1)~(AX-3)のいずれかで表される1価のアニオン性官能基であるのが好ましい。また、A12 -で表される1価のアニオン性官能基としては、なかでも、式(BX-1)~(BX-7)のいずれかで表される1価のアニオン性官能基が好ましく、式(BX-1)~(BX-6)のいずれかで表される1価のアニオン性官能基がより好ましい。
上記アルキル基の炭素数は1~15が好ましく、1~10がより好ましく、1~6が更に好ましい。
上記アルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、フッ素原子又はシアノ基が好ましく、フッ素原子がより好ましい。上記アルキル基が置換基としてフッ素原子を有する場合、パーフルオロアルキル基であってもよい。
上記アリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、フッ素原子、ヨウ素原子、パーフルオロアルキル基(例えば、炭素数1~10が好ましく、炭素数1~6がより好ましい。)、又はシアノ基が好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、又はパーフルオロアルキル基がより好ましい。
RBで表される1価の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基、又はアリール基が好ましい。
上記アルキル基の炭素数は1~15が好ましく、1~10がより好ましく、1~6が更に好ましい。
上記アルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基として特に制限されないが、置換基としては、フッ素原子又はシアノ基が好ましく、フッ素原子がより好ましい。上記アルキル基が置換基としてフッ素原子を有する場合、パーフルオロアルキル基であってもよい。
なお、アルキル基において結合位置となる炭素原子(例えば、式(BX-1)及び(BX-4)の場合、アルキル基中の式中に明示される-CO-と直接結合する炭素原子が該当し、式(BX-2)及び(BX-3)の場合、アルキル基中の式中に明示される-SO2-と直接結合する炭素原子が該当し、式(BX-6)の場合、アルキル基中の式中に明示されるN-と直接結合する炭素原子が該当する。)が置換基を有する場合、フッ素原子又はシアノ基以外の置換基であるのも好ましい。
また、上記アルキル基は、炭素原子がカルボニル炭素で置換されていてもよい。
上記アリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、フッ素原子、ヨウ素原子、パーフルオロアルキル基(例えば、炭素数1~10が好ましく、炭素数1~6がより好ましい。)、シアノ基、アルキル基(例えば、炭素数1~10が好ましく、炭素数1~6がより好ましい。)、アルコキシ基(例えば、炭素数1~10が好ましく、炭素数1~6がより好ましい。)、又はアルコキシカルボニル基(例えば、炭素数2~10が好ましく、炭素数2~6がより好ましい。)が好ましく、フッ素原子、ヨウ素原子、パーフルオロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基がより好ましい。
また、上記アルキレン基、上記シクロアルキレン基、上記アルケニレン基、上記2価の脂肪族複素環基、2価の芳香族複素環基、及び2価の芳香族炭化水素環基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が挙げられる。
L111で表される2価の連結基としては特に制限されず、例えば、-CO-、-NH-、-O-、-SO-、-SO2-、置換基を有していてもよいアルキレン基(好ましくは炭素数1~6がより好ましい。直鎖状及び分岐鎖状のいずれでもよい)、置換基を有していてもよいシクロアルキレン基(好ましくは炭素数3~15)、置換基を有していてもよいアリール(好ましくは炭素数6~10)、及びこれらの複数を組み合わせた2価の連結基が挙げられる。置換基としては特に制限されず、例えば、ハロゲン原子等が挙げられる。
pは、0~3の整数を表し、1~3の整数を表すのが好ましい。
vは、0又は1の整数を表す。
Xf1は、各々独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。このアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~4がより好ましい。また、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基としては、パーフルオロアルキル基が好ましい。
Xf2は、各々独立に、水素原子、置換基としてフッ素原子を有していてもよいアルキル基、又はフッ素原子を表す。このアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~4がより好ましい。Xf2としては、なかでも、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表すのが好ましく、フッ素原子、又はパーフルオロアルキル基がより好ましい。
なかでも、Xf1及びXf2としては、各々独立に、フッ素原子又は炭素数1~4のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、フッ素原子又はCF3であることがより好ましい。特に、Xf1及びXf2が、いずれもフッ素原子であることが更に好ましい。
*は結合位置を表す。
式(Ia-1)中のL11が式(L1)で表される2価の連結基を表す場合、式(L1)中のL111側の結合手(*)が、式(Ia-1)中のA12 -と結合するのが好ましい。
M11 +及びM12 +で表される有機カチオンは、各々独立に、式(ZaI)で表される有機カチオン(カチオン(ZaI))又は式(ZaII)で表される有機カチオン(カチオン(ZaII))が好ましい。
R201、R202、及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202、及びR203としての有機基の炭素数は、通常1~30であり、1~20が好ましい。また、R201~R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル基、アミド基、又はカルボニル基を含んでいてもよい。R201~R203の内の2つが結合して形成する基としては、例えば、アルキレン基(例えば、ブチレン基及びペンチレン基)、及び-CH2-CH2-O-CH2-CH2-が挙げられる。
カチオン(ZaI-1)は、上記式(ZaI)のR201~R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウムカチオンである。
アリールスルホニウムカチオンは、R201~R203の全てがアリール基でもよいし、R201~R203の一部がアリール基であり、残りがアルキル基又はシクロアルキル基であってもよい。
また、R201~R203のうちの1つがアリール基であり、R201~R203のうちの残りの2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル基、アミド基、又はカルボニル基を含んでいてもよい。R201~R203のうちの2つが結合して形成する基としては、例えば、1つ以上のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、エステル基、アミド基、及び/又はカルボニル基で置換されていてもよいアルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基、又は-CH2-CH2-O-CH2-CH2-)が挙げられる。
アリールスルホニウムカチオンとしては、例えば、トリアリールスルホニウムカチオン、ジアリールアルキルスルホニウムカチオン、アリールジアルキルスルホニウムカチオン、ジアリールシクロアルキルスルホニウムカチオン、及びアリールジシクロアルキルスルホニウムカチオンが挙げられる。
アリールスルホニウムカチオンが必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1~15の直鎖状アルキル基、炭素数3~15の分岐鎖状アルキル基、又は炭素数3~15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、及びシクロヘキシル基等がより好ましい。
上記置換基は可能な場合更に置換基を有していてもよく、例えば、上記アルキル基が置換基としてハロゲン原子を有して、トリフルオロメチル基などのハロゲン化アルキル基となっていることも好ましい。
また、上記置換基は任意の組み合わせにより、酸分解性基を形成することも好ましい。
なお、酸分解性基とは、酸の作用により分解して酸基を生じる基を意図し、酸の作用により脱離する脱離基で酸基が保護された構造であるのが好ましい。上記の酸基及び脱離基としては、既述のとおりである。
カチオン(ZaI-2)は、式(ZaI)におけるR201~R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表すカチオンである。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含む芳香族環も包含する。
R201~R203としての芳香環を有さない有機基は、一般的に炭素数1~30であり、炭素数1~20が好ましい。
R201~R203は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状の2-オキソアルキル基、2-オキソシクロアルキル基、又はアルコキシカルボニルメチル基がより好ましく、直鎖状又は分岐鎖状の2-オキソアルキル基が更に好ましい。
R201~R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1~5)、水酸基、シアノ基、又はニトロ基によって更に置換されていてもよい。
また、R201~R203の置換基は、各々独立に、置換基の任意の組み合わせにより、酸分解性基を形成することも好ましい。
カチオン(ZaI-3b)は、下記式(ZaI-3b)で表されるカチオンである。
R1c~R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルキルチオ基、又はアリールチオ基を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基(t-ブチル基等)、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアリール基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2-オキソアルキル基、2-オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
また、R1c~R7c、並びに、Rx及びRyの置換基は、各々独立に、置換基の任意の組み合わせにより、酸分解性基を形成することも好ましい。
上記環としては、芳香族又は非芳香族の炭化水素環、芳香族又は非芳香族のヘテロ環、及びこれらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環が挙げられる。環としては、3~10員環が挙げられ、4~8員環が好ましく、5又は6員環がより好ましい。
R5cとR6c、及びR5cとRxが結合して形成する基としては、単結合又はアルキレン基が好ましい。アルキレン基としては、メチレン基及びエチレン基等が挙げられる。
カチオン(ZaI-4b)は、下記式(ZaI-4b)で表されるカチオンである。
lは0~2の整数を表す。
rは0~8の整数を表す。
R13は、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、ヨウ素原子等)、水酸基、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、又はシクロアルキル基を有する基(シクロアルキル基そのものであってもよく、シクロアルキル基を一部に含む基であってもよい)を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
R14は、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又はシクロアルキル基を有する基(シクロアルキル基そのものであってもよく、シクロアルキル基を一部に含む基であってもよい)を表す。これらの基は置換基を有してもよい。R14は、複数存在する場合は各々独立して、水酸基等の上記基を表す。
R15は、各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、又はナフチル基を表す。2つのR15が互いに結合して環を形成してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成するとき、環骨格内に、酸素原子、又は窒素原子等のヘテロ原子を含んでもよい。一態様において、2つのR15がアルキレン基であり、互いに結合して環構造を形成するのが好ましい。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、及び上記ナフチル基、並びに、2つのR15が互いに結合して形成する環は置換基を有してもよい。
また、R13~R15、並びに、Rx及びRyの各置換基は、各々独立に、置換基の任意の組み合わせにより、酸分解性基を形成するのも好ましい。
式(ZaII)中、R204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204及びR205のアリール基は、フェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R204及びR205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等を有するヘテロ環を有するアリール基であってもよい。ヘテロ環を有するアリール基の骨格としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、及びベンゾチオフェン等が挙げられる。
R204及びR205のアルキル基及びシクロアルキル基は、炭素数1~10の直鎖状アルキル基又は炭素数3~10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基)、又は炭素数3~10のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、又はノルボルニル基)が好ましい。
A22 -は、2価のアニオン性官能基を表す。ここで、A22 -で表される2価のアニオン性官能基とは、上述したアニオン部位A2 -を含む2価の基を意図する。A22 -で表される2価のアニオン性官能基としては、例えば、以下に示す式(BX-8)~(BX-11)で表される2価のアニオン性官能基等が挙げられる。
L21及びL22は、各々独立に、2価の有機基を表す。
なお、A21a -及びA21b -は、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、M21a +、M21b +、及びM22 +は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、M21a +、M21b +、M22 +、A21a -、A21b -、L21、及びL22の少なくとも1つが、の少なくとも1つが、置換基として、酸分解性基を有していてもよい。
A32 -で表される1価のアニオン性官能基は、上述したアニオン部位A2 -を含む1価の基を意図する。A32 -で表される1価のアニオン性官能基としては特に制限されないが、例えば、上述の式(BX-1)~(BX-7)からなる群から選ばれる1価のアニオン性官能基等が挙げられる。
A31b -は、2価のアニオン性官能基を表す。ここで、A31b -で表される2価のアニオン性官能基とは、上述したアニオン部位A1 -を含む2価の基を意図する。A31b -で表される2価のアニオン性官能基としては、例えば、以下に示す式(AX-4)で表される2価のアニオン性官能基等が挙げられる。
L31及びL32は、各々独立に、2価の有機基を表す。
なお、A31a -及びA32 -は、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、M31a +、M31b +、及びM32 +は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、M31a +、M31b +、M32 +、A31a -、A32 -、L31、及びL32の少なくとも1つが、置換基として、酸分解性基を有していてもよい。
M41a +、M41b +、及びM42 +は、各々独立に、有機カチオンを表す。
L41は、3価の有機基を表す。
なお、A41a -、A41b -、及びA42 -は、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、M41a +、M41b +、及びM42 +は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、M41a +、M41b +、M42 +、A41a -、A41b -、A42 -、及びL41の少なくとも1つが、置換基として、酸分解性基を有していてもよい。
また、上記アルキレン基、上記シクロアルキレン基、上記アルケニレン基、上記2価の脂肪族複素環基、2価の芳香族複素環基、及び2価の芳香族炭化水素環基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が挙げられる。
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。このアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~4がより好ましい。また、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基としては、パーフルオロアルキル基が好ましい。
Xfは、フッ素原子又は炭素数1~4のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、フッ素原子又はCF3であることがより好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが更に好ましい。
LAで表される2価の連結基としては特に制限されず、例えば、-CO-、-O-、-SO-、-SO2-、アルキレン基(好ましくは炭素数1~6。直鎖状でも分岐鎖状でもよい)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3~15)、2価の芳香族炭化水素環基(6~10員環が好ましく、6員環が更に好ましい。)、及びこれらの複数を組み合わせた2価の連結基が挙げられる。
また、上記アルキレン基、上記シクロアルキレン基、及び2価の芳香族炭化水素環基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が挙げられる。
式(Ia-2)中のL21及びL22が式(L2)で表される2価の有機基を表す場合、式(L2)中のLA側の結合手(*)が、式(Ia-2)中のA21a -及びA21b -と結合するのが好ましい。
また、式(Ia-3)中のL31及びL32が式(L2)で表される2価の有機基を表す場合、式(L2)中のLA側の結合手(*)が、式(Ia-3)中のA31a -及びA32 -と結合するのが好ましい。
LBとしては、なかでも、3価の炭化水素環基が好ましく、ベンゼン環基又はアダマンタン環基がより好ましい。ベンゼン環基又はアダマンタン環基は、置換基を有していてもよい。置換基としては特に制限されないが、例えば、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が挙げられる。
また、上記アルキレン基、上記シクロアルキレン基、上記アルケニレン基、上記2価の脂肪族複素環基、2価の芳香族複素環基、及び2価の芳香族炭化水素環基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が挙げられる。
LB1~LB3で表される2価の連結基としては、上記のなかでも、-CO-、-NR-、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、置換基を有していてもよいアルキレン基、及びこれらの複数を組み合わせた2価の連結基が好ましい。
LB11で表される2価の連結基としては特に制限されず、例えば、-CO-、-O-、-SO-、-SO2-、置換基を有していてもよいアルキレン基(好ましくは炭素数1~6。直鎖状でも分岐鎖状でもよい)、及びこれらの複数を組み合わせた2価の連結基が挙げられる。置換基としては特に制限されず、例えば、ハロゲン原子等が挙げられる。
rは、1~3の整数を表す。
Xfは、上述した式(L2)中のXfと同義であり、好適態様も同じである。
*は結合位置を表す。
式(Ia-4)中のL41が式(L3-1)で表される2価の有機基を含み、且つ、式(L3-1)で表される2価の有機基とA42 -とが結合する場合、式(L3-1)中に明示される炭素原子側の結合手(*)が、式(Ia-4)中のA42 -と結合するのが好ましい。
A51a -、A51b -、及びA51c -で表される1価のアニオン性官能基としては特に制限されないが、例えば、上述の式(AX-1)~(AX-3)からなる群から選ばれる1価のアニオン性官能基等が挙げられる。
A52a -及びA52b -は、2価のアニオン性官能基を表す。ここで、A52a -及びA52b -で表される2価のアニオン性官能基とは、上述したアニオン部位A2 -を含む2価の基を意図する。A22 -で表される2価のアニオン性官能基としては、例えば、例えば、上述の式(BX-8)~(BX-11)からなる群から選ばれる2価のアニオン性官能基等が挙げられる。
L51及びL53は、各々独立に、2価の有機基を表す。L51及びL53で表される2価の有機基としては、上述した式(Ia-2)中のL21及びL22と同義であり、好適態様も同じである。
L52は、3価の有機基を表す。L52で表される3価の有機基としては、上述した式(Ia-4)中のL41と同義であり、好適態様も同じである。
なお、A51a -、A51b -、及びA51c -は、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、A52a -及びA52b -は、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、M51a +、M51b +、M51c +、M52a +、及びM52b +は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、M51b +、M51c +、M52a +、M52b +、A51a -、A51b -、A51c -、L51、L52、及びL53の少なくとも1つが、置換基として、酸分解性基を有していてもよい。
化合物(II)は、2つ以上の上記構造部位X及び1つ以上の下記構造部位Zを有する化合物であって、活性光線又は放射線の照射によって、上記構造部位Xに由来する上記第1の酸性部位を2つ以上と上記構造部位Zとを含む酸を発生する化合物とを含む酸を発生する化合物である。
構造部位Z:酸を中和可能な非イオン性の部位
なお、化合物(II)が、例えば、上記構造部位Xに由来する上記第1の酸性部位を2つと上記構造部位Zとを有する酸を発生する化合物である場合、化合物PIIは「2つのHA1を有する化合物」に該当する。この化合物PIIの酸解離定数を求めた場合、化合物PIIが「1つのA1 -と1つのHA1とを有する化合物」となる際の酸解離定数、及び「1つのA1 -と1つのHA1とを有する化合物」が「2つのA1 -を有する化合物」となる際の酸解離定数が、酸解離定数a1に該当する。
上記化合物PIIとは、化合物(II)に活性光線又は放射線を照射した場合に、発生する酸に該当する。
なお、上記2つ以上の構造部位Xは、各々同一であっても異なっていてもよい。また、2つ以上の上記A1 -、及び2つ以上の上記M1 +は、各々同一であっても異なっていてもよい。
プロトンと静電的に相互作用し得る基又は電子を有する官能基としては、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基、又はπ共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基等が挙げられる。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記式に示す部分構造を有する窒素原子である。
上記式(IIa-1)中、L61及びL62は、各々上述した式(Ia-1)中のL1と同義であり、好適態様も同じである。
また、上記アルキレン基、上記シクロアルキレン基、及び上記アルケニレン基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、特に制限されないが、例えば、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が挙げられる。
なお、上記化合物(IIa-1)において上記構造部位X中の上記カチオン部位M61a +及びM61b +をH+に置き換えてなる化合物PIIa-1は、HA61a-L61-N(R2X)-L62-A61bHが該当する。また、化合物PIIa-1と、活性光線又は放射線の照射によって式(IIa-1)で表される化合物から発生する酸は同じである。
また、M61a +、M61b +、A61a -、A61b -、L61、L62、及びR2Xの少なくとも1つが、置換基として、酸分解性基を有していてもよい。
上記式(IIa-2)中、L71、L72、及びL73は、各々上述した式(Ia-1)中のL1と同義であり、好適態様も同じである。
なお、上記化合物(IIa-1)において上記構造部位X中の上記カチオン部位M71a +、M71b +、M71c +をH+に置き換えてなる化合物PIIa-2は、HA71a-L71-N(L73-A71cH)-L72-A71bHが該当する。また、化合物PIIa-2と、活性光線又は放射線の照射によって式(IIa-2)で表される化合物から発生する酸は同じである。
また、M71a +、M71b +、M71c +、A71a -、A71b -、A71c -、L71、L72、及びL73の少なくとも1つが、置換基として、酸分解性基を有していてもよい。
上記有機カチオンは、例えば、式(Ia-1)~式(Ia-5)で表される化合物における、M11 +、M12 +、M21a +、M21b +、M22 +、M31a +、M31b +、M32 +、M41a +、M41b +、M42 +でM51a +、M51b +、M51c +、M52a +、又はM52b +として使用できる。
上記それ以外の部位とは、例えば、式(Ia-1)~式(Ia-5)で表される化合物における、M11 +、M12 +、M21a +、M21b +、M22 +、M31a +、M31b +、M32 +、M41a +、M41b +、M42 +でM51a +、M51b +、M51c +、M52a +、及びM52b +以外の部分として使用できる。
以下に示す有機カチオン及びそれ以外の部位を適宜組み合わせて、特定光酸発生剤として使用できる。
特定光酸発生剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。2種以上使用する場合は、その合計含有量が、上記好適含有量の範囲内であるのが好ましい。
本発明の組成物は、光酸発生剤(P)として、下記化合物(III)を有してもよい。
化合物(III)は、2つ以上の下記構造部位Xを有する化合物であって、活性光線又は放射線の照射によって、下記構造部位Xに由来する2つの酸性部位を発生する化合物である。
構造部位X:アニオン部位A1 -とカチオン部位M1 +とからなり、且つ活性光線又は放射線の照射によってHA1で表される酸性部位を形成する構造部位
上記有機カチオンは、上述した式(ZaI)で表されるカチオン(カチオン(ZaI))又は上述した式(ZaII)で表されるカチオン(カチオン(ZaII))が好ましい。
本発明の組成物は、酸拡散制御剤(Q)を含んでいてもよい。
酸拡散制御剤(Q)は、露光時に光酸発生剤(P)等から発生する酸をトラップし、余分な発生酸による、未露光部における酸分解性樹脂の反応を抑制するクエンチャーとして作用するものである。酸拡散制御剤(Q)としては、例えば、塩基性化合物(DA)、放射線の照射により塩基性が低下又は消失する塩基性化合物(DB)、光酸発生剤(P)に対して相対的に弱酸となるオニウム塩(DC)、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(DD)、及び、カチオン部に窒素原子を有するオニウム塩化合物(DE)等が使用できる。
本発明の組成物においては、公知の酸拡散制御剤を適宜使用できる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167号明細書の段落[0627]~[0664]、米国特許出願公開2015/0004544号明細書の段落[0095]~[0187]、米国特許出願公開2016/0237190号明細書の段落[0403]~[0423]、及び、米国特許出願公開2016/0274458号明細書の段落[0259]~[0328]に開示された公知の化合物を、酸拡散制御剤(Q)として好適に使用できる。
光酸発生剤(P)と、光酸発生剤(P)から生じた酸に対して相対的に弱酸である酸を発生するオニウム塩とを混合して用いた場合、活性光線性又は放射線の照射により光酸発生剤(P)から生じた酸が未反応の弱酸アニオンを有するオニウム塩と衝突すると、塩交換により弱酸を放出して強酸アニオンを有するオニウム塩を生じる。この過程で強酸がより触媒能の低い弱酸に交換されるため、見かけ上、酸が失活して酸拡散を制御できる。
本発明の組成物において、酸拡散制御剤(Q)は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、疎水性樹脂(E)として、上記樹脂(A)とは異なる疎水性の樹脂を含んでいてもよい。
疎水性樹脂(E)は、レジスト膜の表面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性物質及び非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂(E)を添加することの効果として、水に対するレジスト膜表面の静的及び動的な接触角の制御、並びに、アウトガスの抑制等が挙げられる。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1~10、より好ましくは炭素数1~4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、及び、ナフチル基等のアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子又は珪素原子を有する繰り返し単位の例としては、US2012/0251948の段落0519に例示されたものが挙げられる。
ここで、疎水性樹脂中の側鎖部分が有するCH3部分構造は、エチル基、及び、プロピル基等を有するCH3部分構造を含む。
一方、疎水性樹脂(E)の主鎖に直接結合しているメチル基(例えば、メタクリル酸構造を有する繰り返し単位のα-メチル基)は、主鎖の影響により疎水性樹脂(E)の表面偏在化への寄与が小さいため、本発明におけるCH3部分構造に含まれないものとする。
本発明の組成物は、溶剤(F)を含んでいてもよい。
本発明の組成物がEUV用の感放射線性樹脂組成物である場合、溶剤(F)は、(M1)プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、並びに、(M2)プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル、酢酸エステル、アルコキシプロピオン酸エステル、鎖状ケトン、環状ケトン、ラクトン、及び、アルキレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも1つの少なくとも一方を含むことが好ましい。この場合の溶剤は、成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含んでいてもよい。
成分(M1)又は(M2)を含む溶剤は、上述した樹脂(A)とを組み合わせて用いると、組成物の塗布性が向上すると共に、現像欠陥数の少ないパターンが形成可能となるため、好ましい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、固形分濃度は10質量%以上であることが好ましい。
本発明の組成物は、界面活性剤(H)を含んでいてもよい。界面活性剤(H)を含むことにより、密着性により優れ、現像欠陥のより少ないパターンを形成できる。
界面活性剤(H)としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落0276に記載の界面活性剤が挙げられる。また、エフトップEF301又はEF303(新秋田化成(株)製);フロラードFC430、431又は4430(住友スリーエム(株)製);メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120又はR08(DIC(株)製);サーフロンS-382、SC101、102、103、104、105又は106(旭硝子(株)製);トロイゾルS-366(トロイケミカル(株)製);GF-300又はGF-150(東亞合成化学(株)製)、サーフロンS-393(セイミケミカル(株)製);エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802又はEF601((株)ジェムコ製);PF636、PF656、PF6320又はPF6520(OMNOVA社製);KH-20(旭化成(株)製);FTX-204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D又は222D((株)ネオス製)を用いてもよい。なお、ポリシロキサンポリマーKP-341(信越化学工業(株)製)も、シリコン系界面活性剤として用いることができる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、及び、ポリ(オキシブチレン)基が挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)等同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。更に、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマー、及び、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)等を同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤としては、メガファックF178、F-470、F-473、F-475、F-476、F-472(DIC(株)製)、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C3F7基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体が挙げられる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落[0280]に記載されているフッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。
EUV光は波長13.5nmであり、ArF(波長193nm)光等に比べて、より短波長であるため、同じ感度で露光された際の入射フォトン数が少ない。そのため、確率的にフォトンの数がばらつく“フォトンショットノイズ”の影響が大きく、LERの悪化およびブリッジ欠陥を招く。フォトンショットノイズを減らすには、露光量を大きくして入射フォトン数を増やす方法があるが、高感度化の要求とトレードオフとなる。
式(1):A=([H]×0.04+[C]×1.0+[N]×2.1+[O]×3.6+[F]×5.6+[S]×1.5+[I]×39.5)/([H]×1+[C]×12+[N]×14+[O]×16+[F]×19+[S]×32+[I]×127)
A値は0.120以上が好ましい。上限は特に制限されないが、A値が大きすぎる場合、レジスト膜のEUV光及び電子線透過率が低下し、レジスト膜中の光学像プロファイルが劣化し、結果として良好なパターン形状が得られにくくなるため、0.240以下が好ましく、0.220以下がより好ましい。
例えば、組成物が酸の作用により極性が増大する樹脂(酸分解性樹脂)、光酸発生剤、酸拡散制御剤、及び溶剤を含む場合、上記樹脂、上記光酸発生剤、及び上記酸拡散制御剤が固形分に該当する。つまり、全固形分の全原子とは、上記樹脂由来の全原子、上記光酸発生剤由来の全原子、及び上記酸拡散制御剤由来の全原子の合計に該当する。例えば、[H]は、全固形分の全原子に対する、全固形分由来の水素原子のモル比率を表し、上記例に基づいて説明すると、[H]は、上記樹脂由来の全原子、上記光酸発生剤由来の全原子、及び上記酸拡散制御剤由来の全原子の合計に対する、上記樹脂由来の水素原子、上記光酸発生剤由来の水素原子、及び上記酸拡散制御剤由来の水素原子の合計のモル比率を表すことになる。
本発明の組成物は、架橋剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び/又は、現像液に対する溶解性を促進させる化合物を更に含んでいてもよい。
実施例及び比較例において、樹脂(A)として、以下に例示する樹脂A-1~A-61を用いた。樹脂A-1~A-61はいずれも、公知技術に基づいて合成したものを用いた。
表7に、樹脂(A)中の各繰り返し単位の組成比(モル比;左から順に対応)、重量平均分子量(Mw)、及び、分散度(Mw/Mn)を示す。
なお、樹脂A-1~A-61の重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)は、上述のGPC法(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))により測定したポリスチレン換算値である。また、樹脂中の繰り返し単位の組成比(モル%比)は、13C-NMR(nuclear magnetic resonance)により測定した。
実施例及び比較例において光酸発生剤として使用した化合物P-1~P-63の構造を以下に示す。
実施例及び比較例において酸拡散制御剤として使用した化合物Q-1~Q-23の構造を以下に示す。
実施例及び比較例において疎水性樹脂(E)として使用した樹脂E-1~E-17の構造を以下に示す。樹脂E-1~E-17はいずれも、公知技術に基づいて合成したものを用いた。
表8に、疎水性樹脂(E)中の各繰り返し単位の組成比(モル比;左から順に対応)、重量平均分子量(Mw)、及び、分散度(Mw/Mn)を示す。
なお、樹脂E-1~E-17の重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)は、上述のGPC法(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))により測定したポリスチレン換算値である。また、樹脂中の繰り返し単位の組成比(モル%比)は、13C-NMR(nuclear magnetic resonance)により測定した。
実施例及び比較例において使用した溶剤を以下に示す。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
EL:エチルラクテート
BA:酢酸ブチル
MAK:2-ヘプタノン
MMP:3-メトキシプロピオン酸メチル
γ-BL:γ-ブチロラクトン
CyHx:シクロヘキサノン
実施例及び比較例において使用した界面活性剤を以下に示す。
H-1:メガファックR-41(DIC(株)製)
H-2:メガファックF176(DIC(株)製)
H-3:メガファックR08(DIC(株)製)
実施例及び比較例において使用した添加剤を以下に示す。
X-6:KF-53(信越化学工業株式会社製)
X-7:サリチル酸
温度22.0℃、湿度58%、気圧102.6kPaである、クラス6(国際統一規格ISO 14644-1のクラス表記)のクリーンルーム内において以下の操作を実施した。
具体的には、表13~18に示す「洗浄前製造レジスト」欄に示す表9~11に示すような感放射線性樹脂組成物(以下、「レジスト組成物」ともいう。)を図1に示す製造装置にて製造した。その後、レジスト組成物を可能な限り製造装置から抜き出した。その後、表13~18に示す「洗浄法」欄で実施される洗浄法にて使用される溶剤A(表12に示す「溶剤A」欄に記載の溶剤)を孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターに通してろ過した後、製造装置の撹拌槽内にフィルターろ過された溶剤A(25kg)を投入した。その後、図1に示す撹拌槽と循環配管とを通って溶剤Aが循環するように、溶剤Aを所定時間循環させて、循環ろ過を実施した。なお、表13~18に示す「洗浄後製造レジスト」欄が表9中のレジスト組成物(レジスト1~15)である場合には、循環時間は2時間であり、表13~18に示す「洗浄後製造レジスト」欄が表10~11中のレジスト組成物(レジスト16~64)である場合には、循環時間は0.5時間であった。なお、循環ろ過を実施する際には、図1に示すフィルター18として、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターを用いた。また、循環ろ過の際、撹拌槽に戻ってきた溶剤Aは、スプレーボールを用いて撹拌槽の上部や壁面に向けて均一に吐出される。所定時間の循環ろ過が終了した後、溶剤Aを製造装置から除去した。
次に、表13~18に示す「洗浄法」欄で実施される洗浄法にて溶剤B(表12に示す「溶剤B」欄に記載の溶剤)が用いられる場合には、溶剤Aを用いた後に、溶剤Bを用いて、上記溶剤Aと同様の手順に従って、製造装置を洗浄して、溶剤Bを製造装置から除去した。
次に、表13~18に示す「洗浄法」欄で実施される洗浄法にて溶剤C(表12に示す「溶剤C」欄に記載の溶剤)が用いられる場合には、溶剤Bを用いた後に、溶剤Cを用いて、上記溶剤Aと同様の手順に従って、製造装置を洗浄して、溶剤Cを製造装置から除去した。
上記洗浄が終了した製造装置を用いて、表13~18に示す「洗浄後製造レジスト」欄に示す表9~11に示すようなレジスト組成物を製造した。
製造したレジスト組成物を35℃の恒温槽で1か月保管し、後述する欠陥評価を実施した。
クリーンルーム内に配置された撹拌槽(容量200L)に、表9~11に記載のレジスト組成物(レジスト1~64)の組成となるように、各成分を投入した。その際、溶剤の投入に関しては、溶剤をポアサイズ0.01μmのポリエチレンフィルターに通液させて、撹拌槽に投入した。また、溶剤以外の成分の投入に関しては、まず、各レジスト組成物の調製に使用される溶剤の一部をポアサイズ0.01μmのポリエチレンフィルターに通液させ、通液された溶剤に各成分を予め溶解させて希釈溶液をそれぞれ調製した。その後、得られた希釈溶液をフィルターを通液させて、撹拌槽に投入した。
各成分が投入された後の撹拌槽内の空隙率(空間(空隙)が占める割合)は15体積%であった。言い換えれば、撹拌槽内の混合物の占有率は85体積%であった。
なお、上記希釈溶液の希釈濃度及びフィルターの種類は、調製するレジスト組成物に応じて変更した。
具体的には、表9中のレジスト組成物(レジスト1~15)を調製する際には、樹脂を溶解させた希釈溶液の希釈濃度は50質量%であり、その他の材料(光酸発生剤、酸拡散制御剤、添加剤1、添加剤2)を溶解させた希釈溶液の希釈濃度は20質量%であり、樹脂を溶解させた希釈溶液に対して用いるフィルターとしてはポアサイズ0.1μmのポリエチレンフィルターを、その他の材料(光酸発生剤、酸拡散制御剤、添加剤1、添加剤2)を溶解させた希釈溶液に対して用いるフィルターとしてはポアサイズ0.05μmのポリエチレンフィルターを用いた。なお、後述するように、レジスト1~15は、KrF露光用に用いた。
表10中のレジスト組成物(レジスト16~31)を調製する際には、希釈濃度は10質量%であり、フィルターとしてはポアサイズ0.02μmのポリエチレンフィルターを用いた。なお、後述するように、レジスト16~31は、ArF露光用に用いた。
表11(表11(1)および(2))中のレジスト組成物(レジスト32~64)を調製する際には、希釈濃度は5質量%であり、フィルターとしてはポアサイズ0.01μmのポリエチレンフィルターを用いた。なお、後述するように、レジスト32~48は、EUV露光用に用いた。
なお、表9中のレジスト組成物(レジスト1~15)を調製する際には、撹拌翼の回転速度は300rpmであった。また、表10中のレジスト組成物(レジスト16~31)を調製する際には、撹拌翼の回転速度は60rpmであった。また、表11中のレジスト組成物(レジスト32~64)を調製する際には、撹拌翼の回転速度は60rpmであった。
なお、上記フィルターの種類は、調製するレジスト組成物に応じて変更した。
具体的には、表9中のレジスト組成物(レジスト1~15)を調製する際には、ポアサイズ0.02μmのナイロン66からなるフィルターと、ポアサイズ0.01μmのポリエチレンフィルターとから構成される2段フィルターを用いた。
表10中のレジスト組成物(レジスト16~31)を調製する際には、ポアサイズ0.01μmのナイロン6からなるフィルターと、ポアサイズ0.003μmのポリエチレンフィルターとから構成される2段フィルターを用いた。
表11中のレジスト組成物(レジスト32~64)を調製する際には、ポアサイズ0.005μmのナイロン6からなるフィルターと、ポアサイズ0.003μmのポリエチレンフィルターとから構成される2段フィルターを用いた。
「現像液」欄の「TMAH(1.00%)」は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの含有量が1.00質量%である水溶液を表す。
「現像液」欄の「TMAH(3.00%)」は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの含有量が3.00質量%である水溶液を意味する。
「現像液」欄の「nBA」は、酢酸ブチルを表す。
表9~11中、各成分の「含有量」欄は、各成分のレジスト組成物中の全固形分に対する含有量(質量%)を表す。
表9~11中、「溶剤」欄の数値は、各成分の含有質量比を表す。
表9~11中、「固形分」欄は、レジスト組成物中の全固形分濃度(質量%)を表す。
表12中、「溶剤の事前ろ過」欄の「有」は、溶剤A~溶剤Cの全てにおいて使用する前に各溶剤のフィルターろ過を実施したことを意味し、「溶剤C」は溶剤Cのみ使用する前のフィルターろ過を実施したことを意味し、「溶剤B、溶剤C」は溶剤B及び溶剤Cについて使用する前のフィルターろ過を実施したことを意味し、「無」は溶剤A~溶剤Cの全てにおいて使用する前のフィルターろ過を実施しなかったことを意味する。なお、使用したフィルターは、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターであった。
(パターン形成1)
東京エレクトロン製スピンコーター「ACT-8」を用いて、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を施したシリコンウエハ(8インチ口径)上に、反射防止膜を設けることなく、表13~14の「洗浄後製造レジスト」欄に記載の調製したレジスト組成物(レジスト1~15)をそれぞれ塗布し、表9に示す各レジスト組成物に対応するPB条件でベークして、表9に示す各レジスト組成物に対応する膜厚のレジスト膜を形成した。
得られたレジスト膜に対して、KrFエキシマレーザースキャナー(ASML製;PAS5500/850C、波長248nm、NA=0.60、σ=0.75)を用いて、パターンのスペース幅が5μm、ピッチ幅が20μmとなるような、ラインアンドスペースパターンを有するマスクを介して、パターン露光を行った。
露光後のレジスト膜を表9に示す各レジスト組成物に対応するPEB条件でベークした後、表9に示す各レジスト組成物に対応する現像液で30秒間現像し、これをスピン乾燥してスペース幅が5μm、ピッチ幅が20μmの孤立スペースパターンを得た。
なお、パターンサイズの測定は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製9380II)を用いた。
KLA2360(ケー・エル・エー・テンコール社製)を用いて、シリコンウエハ上における欠陥分布を検出し、SEMVisionG3(AMAT社製)を用いて、欠陥の形状を観察した。観察した欠陥の内、パターン部に凹みがあるモード及びパターンエッジ部分が欠けているモードの欠陥の数をカウントし、欠陥検査の走査面積で割った欠陥の発生密度(count/cm2)で集計し、下記基準に従って評価した。結果を表13~14に示す。
A:欠陥の発生密度が0.2count/cm2未満。
B:欠陥の発生密度が0.2count/cm2以上0.3count/cm2未満。
C:欠陥の発生密度が0.3count/cm2以上0.4count/cm2未満。
D:欠陥の発生密度が0.4count/cm2以上0.5count/cm2未満。
E:欠陥の発生密度が0.5count/cm2以上。
なかでも、実施例K-1~K-8の比較より、溶剤AのSP値が18.5~23.0MPa1/2であるより優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例K-1~K-13の比較より、工程4を実施する場合、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例K-9~K-13の比較より、溶剤CのSP値が14.5MPa1/2以上18.5MPa1/2未満の場合、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例K-14~K-17の比較より、工程X~工程Zを実施する場合、より優れた効果が得られることが確認された。
(パターン形成2)
東京エレクトロン製スピンコーター「ACT-12」を用いて、シリコンウエハ(12インチ口径)上に有機反射防止膜形成用組成物ARC29SR(Brewer Science社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークして、膜厚98nmの反射防止膜を形成した。
得られた反射防止膜上に、同装置を用いて表15~16の「洗浄後製造レジスト」欄に記載の調製したレジスト組成物(レジスト16~31)を塗布し、表10に示す各レジスト組成物に対応するPB条件でベークして、表10に示す各レジスト組成物に対応する膜厚のレジスト膜を形成した。
得られたレジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、C-Quad、アウターシグマ0.900、インナーシグマ0.812、XY偏向)を用いて、ホール部分が45nmであり且つホール間のピッチが90nmである正方配列の6%ハーフトーンマスクを介して、パターン露光を行った。液浸液は、超純水を使用した。
露光後のレジスト膜を表10に示す各レジスト組成物に対応するPEB条件でベークした後、表10に示す各レジスト組成物に対応する現像液で30秒間現像し、次いで純水で30秒間リンスした。その後、これをスピン乾燥して孔径45nmのホールパターンを得た。
なお、パターンサイズの測定は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製9380II)を用いた。
UVision5(AMAT社製)を用いて、シリコンウエハ上における欠陥分布を検出し、SEMVisionG4(AMAT社製)を用いて、欠陥の形状を観察した。観察した欠陥の内、ホールパターンの形状が正常ではなく、隣接するホールとつながったものや、目的のパターンサイズよりも大きいものの数をカウントし、欠陥検査の走査面積で割った欠陥の発生密度(count/cm2)で集計し、下記基準に従って評価した。結果を表15~16に示す。
A:欠陥の発生密度が0.2count/cm2未満。
B:欠陥の発生密度が0.2count/cm2以上0.3count/cm2未満。
C:欠陥の発生密度が0.3count/cm2以上0.4count/cm2未満。
D:欠陥の発生密度が0.4count/cm2以上0.5count/cm2未満。
E:欠陥の発生密度が0.5count/cm2以上。
なかでも、実施例A-1~A-8の比較より、溶剤AのSP値が18.5~23.0MPa1/2であるより優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例A-1~A-13の比較より、工程4を実施する場合、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例A-9~A-13の比較より、溶剤CのSP値が14.5MPa1/2以上18.5MPa1/2未満の場合、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例A-14~A-17の比較より、工程X~工程Zを実施する場合、より優れた効果が得られることが確認された。
(パターン形成3)
東京エレクトロン製スピンコーター「ACT-12」を用いて、シリコンウエハ(12インチ口径)上に有機反射防止膜形成用組成物AL412(Brewer Science社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークして、膜厚200nmの反射防止膜を形成した。
得られた反射防止膜上に、同装置を用いて表17~18(表17、表18(1)および表18(2))の「洗浄後製造レジスト」欄に記載の調製したレジスト組成物(レジスト32~64)を塗布し、表11に示す各レジスト組成物に対応するPB条件でベークして、表11に示す各レジスト組成物に対応する膜厚のレジスト膜を形成した。
得られたレジスト膜に対して、EUV露光装置(Exitech社製、Micro Exposure Tool、NA0.3、Quadrupole、アウターシグマ0.68、インナーシグマ0.36)を用いて、ホール部分が28nmであり且つホール間のピッチが55nmである正方配列のマスクを介して、パターン露光を行った。
露光後のレジスト膜を表11に示す各レジスト組成物に対応するPEB条件でベークした後、表11に示す各レジスト組成物に対応する現像液で30秒間現像し、次いで純水で30秒間リンスした。その後、これをスピン乾燥して孔径28nmのホールパターンを得た。
なお、パターンサイズの測定は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製9380II)を用いた。
UVision5(AMAT社製)を用いて、シリコンウエハ上における欠陥分布を検出し、SEMVisionG4(AMAT社製)を用いて、欠陥の形状を観察した。観察した欠陥の内、ホールパターンの形状が正常ではなく、隣接するホールとつながったものや、目的のパターンサイズよりも大きいものの数をカウントし、欠陥検査の走査面積で割った欠陥の発生密度(count/cm2)で集計し、下記基準に従って評価した。結果を表17~18に示す。
A:欠陥の発生密度が0.2count/cm2未満。
B:欠陥の発生密度が0.2count/cm2以上0.3count/cm2未満。
C:欠陥の発生密度が0.3count/cm2以上0.4count/cm2未満。
D:欠陥の発生密度が0.4count/cm2以上0.5count/cm2未満。
E:欠陥の発生密度が0.5count/cm2以上。
なかでも、実施例E-1~E-8の比較より、溶剤AのSP値が18.5~23.0MPa1/2であるより優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例E-1~E-13の比較より、工程4を実施する場合、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例E-9~E-13の比較より、溶剤CのSP値が14.5MPa1/2以上18.5MPa1/2未満の場合、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例E-14~E-17の比較より、工程X~工程Zを実施する場合、より優れた効果が得られることが確認された。
12 撹拌軸
14 撹拌翼
16 循環配管
18 フィルター
20 排出配管
22 排出ノズル
100 製造装置
Claims (14)
- 感放射線性樹脂組成物の製造装置を用いて感放射線性樹脂組成物を製造する、感放射線性樹脂組成物の製造方法であって、
前記感放射線性樹脂組成物の製造装置を、SP値が18.5MPa1/2以上25.5MPa1/2以下の溶剤Aを用いて洗浄する工程1と、
前記工程1の後、前記感放射線性樹脂組成物の製造装置を、前記工程1で使用した前記溶剤AよりもSP値が高く、SP値が30.0MPa1/2以下の溶剤Bを用いて洗浄する工程2と、
前記工程2の後、前記感放射線性樹脂組成物の製造装置で感放射線性樹脂組成物を製造する工程3と、を有し、
前記溶媒Bが、アミド系溶剤、エステル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、ケトン系溶剤、脂環式エーテル系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族エーテル系溶剤、及び、芳香族炭化水素系溶剤からなる群から選択される、感放射線性樹脂組成物の製造方法。 - 前記溶剤AのSP値が18.5MPa1/2以上23.0MPa1/2以下である、請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
- 前記溶剤A及び前記溶剤Bの一方又は両方が、ケトン系溶剤、又は、グリコールエーテル系溶剤を含む、請求項1又は2に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
- 前記工程1の前に、前記溶剤Aをフィルターでろ過する工程Xを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
- 前記工程2の前に、前記溶剤Bをフィルターでろ過する工程Yを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
- 前記フィルターがフッ素樹脂を含む、請求項4又は5に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
- 前記工程2と前記工程3との間に、前記感放射線性樹脂組成物の製造装置を、溶剤Cを用いて洗浄する工程4を更に有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
- 前記溶剤CのSP値が14.5MPa1/2以上18.5MPa1/2未満である、請求項7に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
- 前記溶剤Cが、エステル系溶剤又は脂肪族炭化水素系溶剤を含む、請求項7又は8に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
- 前記工程4の前に、前記溶剤Cをフィルターでろ過する工程Zを有する、請求項7~9のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
- 前記フィルターがフッ素樹脂を含む、請求項10に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。
- 前記感放射線性樹脂組成物が、樹脂を含み、
前記樹脂は、ケイ素原子を有する繰り返し単位を有さず、
前記樹脂は、(メタ)アクリル基を有するモノマー由来の繰り返し単位を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物の製造方法。 - 請求項1~12のいずれか1項に記載の製造方法より製造される感放射線性樹脂組成物を用いて、基板上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜を露光する工程と、
現像液を用いて、露光された前記レジスト膜を現像し、パターンを形成する工程と、を有する、パターン形成方法。 - 請求項13に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019176935 | 2019-09-27 | ||
JP2019176935 | 2019-09-27 | ||
JP2020149952 | 2020-09-07 | ||
JP2020149952 | 2020-09-07 | ||
PCT/JP2020/034893 WO2021060071A1 (ja) | 2019-09-27 | 2020-09-15 | 感放射線性樹脂組成物の製造方法、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2021060071A1 JPWO2021060071A1 (ja) | 2021-04-01 |
JP7262601B2 true JP7262601B2 (ja) | 2023-04-21 |
Family
ID=75166971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021548832A Active JP7262601B2 (ja) | 2019-09-27 | 2020-09-15 | 感放射線性樹脂組成物の製造方法、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7262601B2 (ja) |
TW (1) | TW202117445A (ja) |
WO (1) | WO2021060071A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023116251A (ja) * | 2022-02-09 | 2023-08-22 | Jsr株式会社 | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及び重合体 |
WO2023162762A1 (ja) * | 2022-02-28 | 2023-08-31 | 富士フイルム株式会社 | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001313242A (ja) | 2000-04-28 | 2001-11-09 | Shin Sti Technology Kk | レジスト塗布装置 |
JP2002311598A (ja) | 2001-04-13 | 2002-10-23 | Sumitomo Chem Co Ltd | フォトレジスト液製品の製造方法 |
JP2003114533A (ja) | 2001-05-11 | 2003-04-18 | Shipley Co Llc | 反射防止組成物 |
JP2004053887A (ja) | 2002-07-19 | 2004-02-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | 化学増幅系レジスト液の製造装置、及び該装置を用いる化学増幅系レジスト液の製造方法 |
JP2006209121A (ja) | 2005-01-25 | 2006-08-10 | Samsung Electronics Co Ltd | フォトレジストストリッパー組成物及びこれを用いた半導体素子の製造方法 |
JP2007072138A (ja) | 2005-09-06 | 2007-03-22 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | レジスト液製造方法及びこれを用いたレジスト膜 |
JP2014219506A (ja) | 2013-05-07 | 2014-11-20 | 信越化学工業株式会社 | レジスト組成物の製造方法 |
JP2015197646A (ja) | 2014-04-03 | 2015-11-09 | 信越化学工業株式会社 | レジスト組成物の製造方法及びパターン形成方法 |
JP2015197509A (ja) | 2014-03-31 | 2015-11-09 | 富士フイルム株式会社 | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の製造方法及び感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物 |
WO2019181440A1 (ja) | 2018-03-22 | 2019-09-26 | 富士フイルム株式会社 | ろ過装置、精製装置、及び、薬液の製造方法 |
-
2020
- 2020-09-15 WO PCT/JP2020/034893 patent/WO2021060071A1/ja active Application Filing
- 2020-09-15 JP JP2021548832A patent/JP7262601B2/ja active Active
- 2020-09-22 TW TW109132657A patent/TW202117445A/zh unknown
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001313242A (ja) | 2000-04-28 | 2001-11-09 | Shin Sti Technology Kk | レジスト塗布装置 |
JP2002311598A (ja) | 2001-04-13 | 2002-10-23 | Sumitomo Chem Co Ltd | フォトレジスト液製品の製造方法 |
JP2003114533A (ja) | 2001-05-11 | 2003-04-18 | Shipley Co Llc | 反射防止組成物 |
JP2004053887A (ja) | 2002-07-19 | 2004-02-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | 化学増幅系レジスト液の製造装置、及び該装置を用いる化学増幅系レジスト液の製造方法 |
JP2006209121A (ja) | 2005-01-25 | 2006-08-10 | Samsung Electronics Co Ltd | フォトレジストストリッパー組成物及びこれを用いた半導体素子の製造方法 |
JP2007072138A (ja) | 2005-09-06 | 2007-03-22 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | レジスト液製造方法及びこれを用いたレジスト膜 |
JP2014219506A (ja) | 2013-05-07 | 2014-11-20 | 信越化学工業株式会社 | レジスト組成物の製造方法 |
JP2015197509A (ja) | 2014-03-31 | 2015-11-09 | 富士フイルム株式会社 | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の製造方法及び感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物 |
JP2015197646A (ja) | 2014-04-03 | 2015-11-09 | 信越化学工業株式会社 | レジスト組成物の製造方法及びパターン形成方法 |
WO2019181440A1 (ja) | 2018-03-22 | 2019-09-26 | 富士フイルム株式会社 | ろ過装置、精製装置、及び、薬液の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2021060071A1 (ja) | 2021-04-01 |
WO2021060071A1 (ja) | 2021-04-01 |
TW202117445A (zh) | 2021-05-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI763703B (zh) | 感光化射線性或感放射線性樹脂組成物、圖案形成方法及電子元件的製造方法 | |
TW202001426A (zh) | 感光化射線性或感放射線性樹脂組成物、圖案形成方法、電子器件的製造方法、樹脂 | |
JP7176010B2 (ja) | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 | |
TWI801658B (zh) | 感光化射線性或感放射線性樹脂組成物、感光化射線性或感放射線性膜、圖案形成方法、電子器件之製造方法及化合物 | |
JP7313443B2 (ja) | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 | |
WO2021070590A1 (ja) | 感放射線性樹脂組成物の製造方法、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 | |
TW201927834A (zh) | 感光化射線性或感放射線性樹脂組成物、抗蝕劑膜、圖案形成方法、帶抗蝕劑膜的空白遮罩、光罩的製造方法、電子元件的製造方法 | |
JP7221308B2 (ja) | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 | |
JP7300055B2 (ja) | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の製造方法、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 | |
JP7262601B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物の製造方法、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 | |
TWI766074B (zh) | 感光化射線性或感放射線性樹脂組成物、抗蝕劑膜、圖案形成方法、電子元件的製造方法 | |
JP7138793B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物の製造方法 | |
KR20230124646A (ko) | 감활성광선성 또는 감방사선성 수지 조성물, 감활성광선성또는 감방사선성막, 패턴 형성 방법, 전자 디바이스의 제조 방법, 화합물, 및 수지 | |
JP7266093B2 (ja) | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の製造方法、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 | |
JP6633103B2 (ja) | パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 | |
JP6427684B2 (ja) | レジスト組成物、並びに、これを用いたレジスト膜、パターン形成方法及び電子デバイスの製造方法 | |
JP7336024B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物の製造方法、パターン形成方法 | |
TWI804673B (zh) | 感光化射線性或感放射線性樹脂組成物、感光化射線性或感放射線性膜、圖案形成方法、光罩、電子器件之製造方法及化合物 | |
JPWO2017056832A1 (ja) | 感活性光線又は感放射線性組成物、並びに、これを用いたレジスト膜、パターン形成方法及び電子デバイスの製造方法 | |
JP7310007B2 (ja) | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の製造方法、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 | |
WO2018061512A1 (ja) | パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び、感活性光線性又は感放射線性組成物 | |
JP7470803B2 (ja) | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の製造方法、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 | |
JP2022142378A (ja) | レジスト塗布装置の洗浄方法、レジスト組成物の品質検査方法、レジスト組成物の製造方法 | |
JP7463495B2 (ja) | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の製造方法、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 | |
JP7389911B2 (ja) | 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221129 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230123 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230322 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230411 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7262601 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |