以下に、図面を参照して、本発明に係る荷卸し装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(荷卸し装置の構成)
まず、本発明の実施形態に係る荷卸し装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る荷卸し装置の一構成例を示す図である。図2は、図1に示す荷卸し装置の荷卸し領域の構成を搬送物の搬送方向から見た図である。図3は、図1に示す荷卸し装置の荷卸し領域の構成を上方から見た図である。図4は、図1に示す荷卸し装置の荷卸し領域の構成を搬送ベルトの幅方向から見た図である。図1~4では、本実施形態に係る荷卸し装置1の構成を説明し易くするために、一部構成の図示が適宜省略されている。図5は、本発明の実施形態に係る荷卸し装置の制御構成の一例を示す図である。
なお、本実施形態において、搬送方向D1は、荷卸し装置1の搬送ベルト2による搬送物の搬送方向である。この搬送方向D1は、搬送ベルト2の進行方向及び長手方向と同じ方向である。上下方向D2は、荷卸し装置1の上下の方向(例えば鉛直方向)である。幅方向D3は、荷卸し装置1の搬送ベルト2の平坦構造時の幅方向である。これらの搬送方向D1、上下方向D2及び幅方向D3は、互いに垂直な方向である。
図1~5に示すように、本実施形態に係る荷卸し装置1は、搬送ベルト2と、複数のトラフ型ローラ3と、ベルト支持部4と、昇降装置6と、スクレーパ7と、シュート8とを備える。また、荷卸し装置1は、搬送物検出部9と、上昇検出部10と、下降検出部11と、スクレーパ検出部12と、スクレーパ7用の調整ハンドル13a、13bと、入力部18と、表示部19と、制御部20とを備える。
搬送ベルト2は、搬送物を搬送するためのもの(コンベヤベルト)である。詳細には、搬送ベルト2は、弾性部材又は可撓性部材等の変形可能な部材によって構成される。搬送ベルト2は、荷卸し装置1の装置フレーム15に搬送方向D1に離間して設けられた一対の駆動ローラ(図示せず)に巻回されて回転するよう無端状に張設される。本実施形態において、搬送ベルト2は、複数のトラフ型ローラ3による下支えとベルト支持部4による下支えとに応じて変形しながら搬送方向D1に進行し、搬送物を荷卸し領域16に向けて順次搬送する。なお、搬送ベルト2によって搬送される搬送物としては、例えば、粒状体又は破砕体等、スクレーパ7によって払い出すことが可能なものが挙げられる。また、荷卸し領域16は、荷卸し装置1において搬送ベルト2から搬送物が荷卸しされる領域である。
トラフ型ローラ3は、搬送ベルト2をトラフ構造にして搬送方向D1に進行させるためのローラである。本実施形態において、例えば図2に示すように、トラフ型ローラ3は、水平ローラ31と、一対の傾斜ローラ32、33とによって構成される。
水平ローラ31は、搬送ベルト2の幅方向D3に平行な回転軸を有するローラである。水平ローラ31は、搬送ベルト2の幅方向D3の中央部分に位置するように、ローラ受け部3aによって回転自在に軸支される。傾斜ローラ32、33は、搬送ベルト2の幅方向D3に対して傾斜する回転軸を有するローラである。一方の傾斜ローラ32は、水平ローラ31の回転軸方向の一端側(図2では紙面左側)に位置し、水平ローラ31側から搬送ベルト2の幅方向D3の一端部側に向かって上方に傾斜するように、ローラ受け部3aによって回転自在に軸支される。他方の傾斜ローラ33は、水平ローラ31の回転軸方向の他端側(図2では紙面右側)に位置し、水平ローラ31側から搬送ベルト2の幅方向D3の他端部側に向かって上方に傾斜するように、ローラ受け部3aによって回転自在に軸支される。
このような構成を有するトラフ型ローラ3は、図1に示すように、搬送物の搬送方向D1に所定の間隔で離間するように複数設けられる。これら複数のトラフ型ローラ3の間隔は、トラフ型ローラ3間における搬送ベルト2の撓みが所定の許容範囲(安定した搬送ベルト2の進行を実現するために規定される許容範囲)内となるように、搬送ベルト2の幅寸法等に応じて設定される。本実施形態において、複数のトラフ型ローラ3は、搬送ベルト2を下方から支持して、搬送ベルト2をトラフ構造に形成するとともに、搬送物の搬送方向D1に搬送ベルト2を導く。
なお、トラフ構造は、搬送ベルト2の幅方向D3の両側部を持ち上げることによって形成される溝状(凹状)の構造である。例えば図2に示すように、トラフ構造は、水平ローラ31の下支えによって形成される平坦部分と、傾斜ローラ32、33の下支えによって各々形成される幅方向D3の両側の傾斜部分とによって構成される。
ベルト支持部4は、搬送ベルト2のうち搬送物が荷卸し(払い出し)される領域にあるベルト部分を平坦構造にしてスクレーパ7に近接させるためのものである。本実施形態では、図1に示すように、ベルト支持部4は、荷卸し装置1において搬送物が荷卸しされる領域である荷卸し領域16内に、搬送物の搬送方向D1に沿って複数(例えば2つ)設けられる。詳細には、図3、4に示すように、ベルト支持部4は、複数のトラフ型ローラ3の間に配置可能である。例えば、ベルト支持部4は、互いに搬送方向D1に離間する複数のトラフ型ローラ3間の三次元的な空間である離間領域17a、17b内に各々配置される。ベルト支持部4は、昇降装置6の作用により、離間領域17a、17b内で各々上下方向D2に昇降する。このようなベルト支持部4は、搬送ベルト2のうち搬送物が荷卸しされる荷卸し領域16に導かれた所定ベルト部分が平坦構造となるように、搬送ベルト2を下方から支持し得る。
本実施形態において、「複数のトラフ型ローラ3間の三次元的な空間」とは、例えば図3に示すように上下方向D2から複数のトラフ型ローラ3を平面視した場合に、これら複数のトラフ型ローラ3の間に位置する領域である。このような領域には、複数のトラフ型ローラ3の間に挟まれた領域は勿論、この挟まれた領域に上下方向D2から面する領域(複数のトラフ型ローラ3の間に挟まれていない領域)も含まれる。すなわち、トラフ型ローラ3間の離間領域17a、17bは、図3、4に示すように、トラフ型ローラ3間において搬送方向D1と上下方向D2と幅方向D3とに広がりを有する三次元的な空間である。
昇降装置6は、ベルト支持部4を、複数のトラフ型ローラ3間を通って上下方向D2に直線的に昇降させる装置である。詳細には、図1に示すように、昇降装置6は、例えば、パンタグラフ式の昇降装置である。本実施形態では、図4に示すように、昇降装置6は、複数のベルト支持部4に対応して、複数の昇降機構(例えば2つの昇降機構61、62)と、複数のベルト支持部4の昇降の駆動力を発生させる昇降駆動部63と、これら複数の昇降機構を連動させる連動部64とを備える。
例えば、図4に示すように、昇降機構61、62は、2つのベルト支持部4を各々上下方向に直線的に昇降させるパンタグラフ式の昇降機構である。昇降機構61の上下方向D2の上部には、2つのベルト支持部4のうちの一方(搬送方向D1の上流側のベルト支持部)が設けられる。昇降機構61の上下方向D2の下部には、ベルト支持部4を昇降させる際の昇降機構61の伸縮動作に伴い回動するアーム部61aが設けられる。また、昇降機構62の上下方向D2の上部には、2つのベルト支持部4のうちの他方(搬送方向D1の下流側のベルト支持部)が設けられる。昇降機構62の上下方向D2の下部には、ベルト支持部4を昇降させる際の昇降機構62の伸縮動作に伴い回動するアーム部62aが設けられる。昇降駆動部63は、例えば、電動式又は油圧式のパワーシリンダであり、2つのベルト支持部4の昇降に要する駆動力を発生させる。昇降駆動部63のシリンダ部には、図4に示すように、連動部64が設けられている。連動部64には、図4に示すように、昇降機構61のアーム部61aと昇降機構62のアーム部62aとが回動自在に取り付けられている。連動部64は、昇降駆動部63からの駆動力によって搬送方向D1に往復動作し、これにより、互いに同じ昇降動作を行うように複数(例えば2つ)の昇降機構61、62を連動させる。
このような構成を有する昇降装置6は、一方のベルト支持部4を離間領域17a内で直線的に上昇させるとともに、他方のベルト支持部4を離間領域17b内で直線的に上昇させる。この際、昇降装置6は、複数のトラフ型ローラ3の上端部とスクレーパ7の下端部との間の上昇完了位置P1まで、これらのベルト支持部4を上昇させる。これにより、搬送ベルト2のうちベルト支持部4によって支持された所定ベルト部分は、トラフ構造から平坦構造に変形して上昇完了位置P1に存在する。また、昇降装置6は、上昇した状態にある一方のベルト支持部4を離間領域17a内で直線的に下降させるとともに、上昇した状態にある他方のベルト支持部4を離間領域17b内で直線的に下降させる。この際、昇降装置6は、搬送ベルト2のうち平坦構造となっていた所定ベルト部分が複数のトラフ型ローラ3によってトラフ構造に変形するように、これらのベルト支持部4を下降完了位置P2まで下降させる。上昇完了位置P1は、昇降装置6がベルト支持部4の上端部を上昇し終える上下方向位置である。例えば、図4に示すように、上昇完了位置P1は、複数のトラフ型ローラ3の上端部とスクレーパ7の下端部との間における上下方向位置である。下降完了位置P2は、昇降装置6がベルト支持部4の上端部を下降し終える上下方向位置である。例えば、図4に示すように、下降完了位置P2は、複数のトラフ型ローラ3によってトラフ構造をなす搬送ベルト2の下端部に比べて同じ又は下方の上下方向位置である。
スクレーパ7は、搬送ベルト2によって搬送される搬送物を、荷卸しすべく搬送ベルト2の側方に払い出すためのものである。図1~4に示すように、スクレーパ7は、例えば、荷卸し領域16における搬送物の入側に稜部を向けて搬送物の搬送方向D1の順方向(負側から正側への方向)に幅広となる構造体であり、搬送ベルト2の上方に配置される。詳細には、スクレーパ7は、荷卸し装置1の装置フレーム15のうち、荷卸し領域16に位置するフレーム上部15aに設けられる。これにより、スクレーパ7は、複数のトラフ型ローラ3の上端部よりも上方に配置される。スクレーパ7は、搬送ベルト2によって搬送されながら接近してきた搬送物と接触(交差)して、この搬送物を、図3中の破線矢印で示されるように、搬送ベルト2の幅方向D3の両側に払い出す。
また、図1、4に示すように、スクレーパ7には、調整ハンドル13a、13bが設けられている。調整ハンドル13a、13bは、スクレーパ7の上下方向D2の位置(上下方向位置)を調整する調整ねじを手動操作するための手動ハンドルである。例えば、スクレーパ7の上下方向位置は、搬送物の荷卸しが行われる場合、調整ハンドル13a、13bの手動操作によって荷卸し可能位置(図1、4に示されるスクレーパ7の上下方向位置)に調整される。一方、荷卸し装置1の試運転(例えばスクレーパ7の下方に位置する昇降装置6の試運転)やメンテナンス等が行われる場合、スクレーパ7の上下方向位置は、調整ハンドル13a、13bの手動操作によって、上記荷卸し可能位置よりも上方の位置である荷卸し開放位置に調整される。
シュート8は、搬送ベルト2から払い出された搬送物を受け入れて荷卸しするためのものである。図1~3に示すように、シュート8は、搬送ベルト2の幅方向D3の両側から搬送物を受け入れできるように、荷卸し装置1の装置フレーム15のうち荷卸し領域16内のフレーム部分に設けられる。本実施形態では、図2に示すように、シュート8は、上下方向D2に昇降可能な可動シュート81、82と、荷卸し領域16に固定配置される固定シュート83、84とを備える。
図2、3に示すように、可動シュート81、82は、搬送ベルト2から払い出された搬送物を受け入れるための開口部81a、82aを各々有する。一方の可動シュート81は、搬送ベルト2の幅方向D3の一端部に開口部81aを向けた態様で、ベルト支持部4の幅方向D3の一端部(図2では右側端部)に固定される。他方の可動シュート82は、搬送ベルト2の幅方向D3の他端部に開口部82aを向けた態様で、ベルト支持部4の幅方向D3の他端部(図2では左側端部)に固定される。これらの可動シュート81、82は、ベルト支持部4とともに昇降し、スクレーパ7によって搬送ベルト2から払い出された搬送物を、開口部81a、82aから各々受け入れる。固定シュート83、84は、図2に示すように、可動シュート81、82の各出口端を各々挿入し得るように構成され、可動シュート81、82の下方に各々固定配置される。一方の固定シュート83は可動シュート81を通じて搬送物を受け入れ、他方の固定シュート84は可動シュート82を通じて搬送物を受け入れる。これらの固定シュート83、84は、受け入れた搬送物を所定の場所に各々誘導する。
搬送物検出部9は、搬送ベルト2によって搬送される搬送物の有無を検出するためのセンサである。図1に示すように、搬送物検出部9は、搬送ベルト2の幅方向D3に平行な軸周りに回動可能な検出子9aを有する。搬送物検出部9は、例えば、搬送ベルト2上に搬送物が流入(投入)される位置(荷卸し装置1の搬送経路の入側端部)の近傍に配置される。以下、この位置は、基準搬送位置と称する。すなわち、搬送物検出部9は、搬送ベルト2によって搬送される搬送物の、基準搬送位置における有無を検出する。基準搬送位置に搬送物が搬送されていない場合、搬送物検出部9の検出子9aは、搬送物と接触していないことから、上下方向D2に吊り下がった状態になる。この場合、搬送物検出部9は、搬送ベルト2によって搬送される搬送物が基準搬送位置に無いことを検出した状態、すなわち、オフ状態になり、検出信号を出力しない。一方、基準搬送位置に搬送物が搬送されている場合、搬送物検出部9の検出子9aは、搬送物と接触して、上下方向D2に対して所定の角度以上傾斜した状態に回動する。この場合、搬送物検出部9は、搬送ベルト2によって搬送される搬送物が基準搬送位置に有ることを検出した状態、すなわち、オン状態になる。搬送物検出部9は、このオン状態となった場合、基準搬送位置の搬送物を検出したことを示す検出信号(搬送物検出信号)を出力する。
上昇検出部10は、昇降装置6がベルト支持部4を上昇させたことを検出するためのセンサである。図4に示すように、上昇検出部10は、搬送ベルト2の幅方向D3に平行な軸周りに回動可能な検出子10aを有する。上昇検出部10は、荷卸し装置1の装置フレーム15の所定位置に設けられ、昇降機構61、62のアーム部(本実施形態では昇降機構61のアーム部61a)と検出子10aとが接触することで、ベルト支持部4が適正な位置に上昇完了したことを検出する。上昇検出部10の検出子10aが昇降機構61のアーム部61aと接触していない場合(図4参照)、上昇検出部10はオフ状態になる。この場合、上昇検出部10から検出信号は出力されない。一方、上昇検出部10の検出子10aが昇降機構61のアーム部61aと接触して所定の角度以上回動した場合、上昇検出部10は、昇降装置6の作用によってベルト支持部4が上昇して上昇完了位置P1に到達したことを検出した状態、すなわち、オン状態になる。上昇検出部10は、このオン状態となった場合、上記ベルト支持部4の上昇を検出したことを示す検出信号(上昇検出信号)を出力する。
下降検出部11は、昇降装置6がベルト支持部4を下降させたことを検出するためのセンサである。図4に示すように、下降検出部11は、搬送ベルト2の幅方向D3に平行な軸周りに回動可能な検出子11aを有する。下降検出部11は、荷卸し装置1の装置フレーム15の所定位置に設けられ、昇降機構61、62のアーム部(本実施形態では昇降機構61のアーム部61a)と検出子11aとが接触することで、ベルト支持部4が適正な位置に下降完了したことを検出する。下降検出部11の検出子11aが昇降機構61のアーム部61aと接触していない場合、下降検出部11はオフ状態になる。この場合、下降検出部11から検出信号は出力されない。一方、下降検出部11の検出子11aが昇降機構61のアーム部61aと接触して所定の角度以上回動した場合(図4参照)、下降検出部11は、昇降装置6の作用によってベルト支持部4が下降して下降完了位置P2に到達したことを検出した状態、すなわち、オン状態になる。下降検出部11は、このオン状態となった場合、上記ベルト支持部4の下降を検出したことを示す検出信号(下降検出信号)を出力する。
スクレーパ検出部12は、上述した荷卸し可能位置のスクレーパ7を検出するためのセンサである。図4に示すように、スクレーパ検出部12は、搬送ベルト2の幅方向D3に平行な軸周りに回動可能な検出子12aを有する。また、スクレーパ7には、スクレーパ検出部12側に延在する検出片7aが設けられている。スクレーパ検出部12は、荷卸し可能位置に調整されたスクレーパ7の検出片7aと検出子12aとが接触し得るように、荷卸し装置1の装置フレーム15の所定位置(詳細にはフレーム上部15aの所定位置)に設けられる。スクレーパ7が荷卸し開放位置に調整される等して荷卸し可能位置に調整されていない場合、スクレーパ検出部12の検出子12aは、スクレーパ7の検出片7aと接触しない。この場合、スクレーパ検出部12は、オフ状態になり、検出信号を出力しない。一方、スクレーパ7が荷卸し可能位置に調整された場合、スクレーパ検出部12の検出子12aは、スクレーパ7の検出片7aと接触して所定の角度以上回動する(図4参照)。この場合、スクレーパ検出部12は、荷卸し可能位置のスクレーパ7を検出した状態、すなわち、オン状態になる。スクレーパ検出部12は、このオン状態となった場合、上記荷卸し可能位置のスクレーパ7を検出したことを示す検出信号(スクレーパ検出信号)を出力する。
入力部18は、図5に示すように、作業者の入力操作に応じて、入力情報を示す信号を制御部20に入力し得るように構成される。入力部18によって入力される情報としては、例えば、荷卸し装置1の動作開始又は動作停止を指示する情報等、荷卸し装置1の操作に関する情報が挙げられる。
表示部19は、図5に示すように、制御部20によって入力された制御信号に基づいて情報を表示するように構成される。表示部19によって表示される情報としては、例えば、入力部18による入力情報や荷卸し装置1の動作状態等、荷卸し装置1の動作に関する情報が挙げられる。
制御部20は、荷卸し装置1の動作を制御するものである。図5に示すように、制御部20は、搬送物検出部9、上昇検出部10、下降検出部11及びスクレーパ検出部12から検出信号を受信し、入力部18から入力信号を受信し、表示部19及び昇降駆動部63に制御信号を送信し得るように構成される。例えば、制御部20は、スクレーパ検出部12からの検出信号(スクレーパ検出信号)をもとに、スクレーパ7が荷卸し可能位置に配置(調整)されたことを把握する。また、制御部20は、上昇検出部10による検出結果(すなわち上昇検出信号)をもとに、ベルト支持部4が搬送ベルト2のうちの所定ベルト部分のトラフ構造を平坦構造に変形させ得る上下方向位置に上昇し終えたことを把握する。制御部20は、下降検出部11による検出結果(すなわち下降検出信号)をもとに、ベルト支持部4が搬送ベルト2のうちの所定ベルト部分の平坦構造をトラフ構造に変形させ得る上下方向位置に下降し終えたことを把握する。
また、制御部20は、搬送物検出部9からの検出信号(搬送物検出信号)をもとに、昇降装置6の昇降駆動部63を制御する。すなわち、制御部20は、搬送物が荷卸しされる場合、搬送ベルト2のうちの所定ベルト部分をトラフ構造から平坦構造に変形するために下方から支持しながら持ち上げるべく、ベルト支持部4を上昇させるように昇降装置6を制御する。一方、搬送物が荷卸しされない場合、制御部20は、平坦構造となっている上記所定ベルト部分を複数のトラフ型ローラ3でトラフ構造に変形すべく、ベルト支持部4を下降させるように、昇降装置6を制御する。
(ベルト支持部の構成)
つぎに、本発明の実施形態におけるベルト支持部4の構成について説明する。図6は、本発明の実施形態におけるベルト支持部の一構成例を示す図である。図6に示すように、ベルト支持部4は、複数のローラ41と、複数の蓋部42と、軸支部43とを備える。
複数のローラ41は、上述した搬送ベルト2の幅方向D3に平行な回転軸を有する水平ローラであり、搬送物の搬送方向D1に並ぶように軸支部43に設けられる。この際、複数のローラ41の各々は、軸支部43によって回転自在に軸支される。軸支部43は、これら複数のローラ41を回転自在に軸支した状態で収容する箱型の構造体である。複数の蓋部42は、軸支部43に収容された状態にある複数のローラ41の間に各々設けられ、これら複数のローラ41の各上部を露出させて軸支部43を閉じる。これにより、複数の蓋部42は、複数のローラ41の回転を阻害することなく、軸支部43からの意図せぬローラ41の脱離を防止する。また、これら複数の蓋部42の各上端部は、図6に示すように平坦状に形成される。
また、複数のローラ41の各々は、幅方向D3について複数に分割されたローラ(図3参照)であることが好ましい。これにより、複数のローラ41の各々の撓みを抑制することができる。
上述したような構成を有するベルト支持部4は、複数のローラ41によって搬送ベルト2を下方から支持するとともに、これら複数のローラ41間に位置する搬送ベルト2の部分を複数の蓋部42の平坦な上端部によって下方から支持する。これにより、ベルト支持部4は、搬送ベルト2のうちの支持した部分(所定ベルト部分)を容易に平坦構造に形成するとともに、搬送ベルト2を搬送方向D1に円滑に進行させることができる。
(荷卸し装置の動作)
つぎに、本発明の実施形態に係る荷卸し装置1の動作について説明する。図7は、本発明の実施形態に係る荷卸し装置におけるベルト支持部の昇降動作を説明する図である。図8は、本発明の実施形態に係る荷卸し装置における搬送物の搬送及び荷卸しの動作を説明する図である。図9は、本発明の実施形態に係る荷卸し装置の動作制御を説明する図である。本実施形態に係る荷卸し装置1は、搬送ベルト2によって搬送される搬送物21を、搬送ベルト2の上方に配置されるスクレーパ7によって搬送ベルト2の側方に払い出して荷卸しする。
詳細には、まず、準備工程として、図7に示す状態ST1のように、昇降装置6は、昇降駆動部63の駆動力によって連動部64とともにアーム部61a、62aを搬送方向D1の負側に回動させ、これにより、昇降機構61、62を上下方向D2の負側(下方)に縮ませた状態にする。この場合、ベルト支持部4は、搬送ベルト2をトラフ構造にし得る上下方向位置に下降した状態となる。ベルト支持部4は、複数のトラフ型ローラ3によってトラフ構造をなす搬送ベルト2の下端部(すなわち図8に示す水平ローラ31の上端部)に比べて同じ又は下方の位置にベルト支持部4の上端部が存在するように、下降完了位置P2に下降した状態となる。
このような準備工程において、複数のトラフ型ローラ3は、搬送ベルト2を下方から支持してトラフ構造にする。また、上昇検出部10はオフ状態であり、下降検出部11はオン状態である。制御部20は、このオン状態の下降検出部11から下降検出信号を受信し、この下降検出信号をもとに、ベルト支持部4が下降完了位置P2に下降した状態であることを把握する。また、制御部20は、スクレーパ検出部12からスクレーパ検出信号を受信し、このスクレーパ検出信号をもとに、スクレーパ7が荷卸し可能位置に調整されていることを把握する。
上述した準備工程が完了した後、制御部20は、作業者の入力操作に応じて入力部18から動作開始の入力信号を受信し、この入力信号に基づいて、荷卸し装置1の動作を開始させる。詳細には、搬送ベルト2は、搬送方向D1への進行を開始して、所定の搬入装置(図示せず)から投入された搬送物21を搬送方向D1に搬送し始める。この場合、搬送ベルト2は、図7、8に示す状態ST1のように、トラフ構造となっており、搬送物21を溢さずに搬送し続ける。
搬送物21が搬送ベルト2によって基準搬送位置に搬送されてきた場合、搬送物検出部9の検出子9aは、図9に示すように、搬送物21と接触して搬送方向D1の正側に回動する。この場合、搬送物検出部9は、オン状態となって搬送物検出信号を制御部20に送信する。制御部20は、この搬送物検出部9からの搬送物検出信号をもとに、昇降装置6によるベルト支持部4の昇降動作を制御する。
詳細には、制御部20は、この搬送物検出信号を受信した時点から、搬送物21が搬送ベルト2によって基準搬送位置から荷卸し領域16に搬送されるまでの間に、搬送ベルト2の所定ベルト部分2aを持ち上げて平坦構造にすべく、ベルト支持部4を上昇完了位置P1へ上昇させるように昇降装置6を制御する。本実施形態において、上昇完了位置P1は、図7に示すように、複数のトラフ型ローラ3の上端部とスクレーパ7の下端部との間の上下方向位置である。
例えば、制御部20は、この搬送物検出信号を受信した時点から図9に示す時間t2が経過するまでの期間内に、ベルト支持部4を下降完了位置P2から上昇完了位置P1まで上昇させ終わるように昇降装置6を制御する。ここで、時間t2は、搬送物21が搬送ベルト2によって基準搬送位置から荷卸し領域16に搬送されるまでに要する時間である。この時間t2は、搬送物検出部9が配置されている位置(基準搬送位置)と荷卸し装置1の荷卸し領域16の入側位置との距離と、搬送ベルト2による搬送物21の搬送速度(すなわち搬送ベルト2の搬送方向D1への進行速度)とをもとに、算出することが可能である。また、昇降装置6は、ベルト支持部4を下降完了位置P2から上昇完了位置P1まで上昇させるために時間t1を要する。制御部20は、上昇検出部10からの上昇検出信号をもとにベルト支持部4が上昇完了位置P1に上昇し終えたことを把握するために時間αを要する。制御部20は、これらの時間t1、t2、αが以下の式(1)を満足するように、ベルト支持部4の上昇動作を開始するように昇降装置6を制御する。
t2>(t1+α) ・・・(1)
制御部20は、時間t1、t2、αが式(1)を満足するタイミングに、制御信号を昇降装置6の昇降駆動部63に送信する。昇降装置6において、図7に示す状態ST2のように、昇降駆動部63は、制御部20からの制御信号に基づいて動作を開始し、発生させた駆動力によって連動部64とともにアーム部61a、62aを搬送方向D1の正側に回動させる。これにより、昇降機構61、62は、上下方向D2の正側(上方)に伸びた状態となって、ベルト支持部4を下降完了位置P2から上昇完了位置P1まで直線的に上昇させる。この昇降機構61、62の作用により、ベルト支持部4は、搬送ベルト2のうち荷卸し領域16に導かれた所定ベルト部分2aを、下方から支持してトラフ構造から平坦構造に変形させながら、複数のトラフ型ローラ3の上端部とスクレーパ7の下端部との間に持ち上げる。この段階において、上昇検出部10の検出子10aは、アーム部61aとの接触によって回動する。この結果、上昇検出部10は、オン状態となって上昇検出信号を制御部20に送信する。一方、下降検出部11の検出子11aは、アーム部61aからの離間によって回動状態から元の状態に復帰する。この結果、下降検出部11は、オフ状態となる。制御部20は、上昇検出部10からの上昇検出信号をもとに、ベルト支持部4が上昇完了位置P1に上昇し終えたことを把握する。これに基づいて、制御部20は、昇降駆動部63に制御信号を送信して、動作を停止するように昇降駆動部63を制御する。
上述したように昇降装置6によってベルト支持部4を上昇させた結果、図9に示すように、搬送ベルト2が搬送物21を荷卸し領域16内に搬送する前に、搬送ベルト2のうち荷卸し領域16内の所定ベルト部分2aは、ベルト支持部4の作用によって、平坦構造となり、スクレーパ7の下端部に近接した状態となる。この際、搬送ベルト2のうち、所定ベルト部分2a以外の部分は、複数のトラフ型ローラ3によって下方から支持されてトラフ構造を維持している(図7の状態ST2参照)。
また、ベルト支持部4の上昇とともに、可動シュート81、82は、上下方向D2に直線的に上昇する。これにより、可動シュート81、82は、搬送ベルト2のうちベルト支持部4の作用によって平坦構造となっている所定ベルト部分2aの幅方向D3の両端部を開口部81a、82aに各々近接(好ましくは連続)させた状態となる(図8の状態ST2参照)。
一方、搬送ベルト2は、上述した昇降装置6によるベルト支持部4の上昇動作に並行して、搬送物21の搬送を継続して行っている。搬送物21は、荷卸し領域16に到達するまで、搬送ベルト2のうちトラフ構造をなす部分によって搬送され、その後、搬送ベルト2のうち平坦構造をなす所定ベルト部分2aによって荷卸し領域16内に搬送される。所定ベルト部分2aは、ベルト支持部4の作用によって、平坦構造を維持しながらスクレーパ7の下端部に近接した状態で搬送方向D1に順次進行する。所定ベルト部分2a上の搬送物21は、所定ベルト部分2aとともに進行する。
スクレーパ7は、上述のように所定ベルト部分2aとともに進行する搬送物21と接触(交差)する。これにより、スクレーパ7は、図8に示す状態ST2のように、所定ベルト部分2aの幅方向D3の両側へ搬送物21を掻き分けて払い出す。このように搬送ベルト2の所定ベルト部分2aから払い出された搬送物21は、可動シュート81、82の開口部81a、82aに流入する。可動シュート81、82は、各々、開口部81a、82aを通じて搬送物21を受け入れ、受け入れた搬送物を下方の固定シュート83、84に向けて誘導する。固定シュート83、84は、各々、可動シュート81、82から受け入れた搬送物21を所定の場所に誘導する。このようにして、搬送物21の荷卸しが行われる。
一方、搬送ベルト2への搬送物21の投入が終了した場合、搬送物21の搬送方向D1の尾端部(搬送方向D1の負側の端部)は、搬送ベルト2とともに搬送方向D1に進行し、ついには、搬送物検出部9の位置(すなわち基準搬送位置)を通過する。この場合、搬送物検出部9の検出子9aは、搬送物21との接触がなくなり、これにより、図9に示す回動した状態から元の状態(回動していないときの状態)に戻る。この結果、搬送物検出部9は、オフ状態となり、搬送物検出信号を出力しなくなる。制御部20は、この搬送物検出部9のオフ状態に応じて、昇降装置6によるベルト支持部4の昇降動作を制御する。
詳細には、制御部20は、搬送物検出部9がオフ状態になった時点(すなわち搬送物検出信号を受信しなくなった時点)から、搬送物21の尾端部が搬送ベルト2によって荷卸し領域16に搬送され、スクレーパ7によって払い出されるまでの間、上述した搬送物21が荷卸しされる状態を維持する。一方、制御部20は、搬送物21の尾端部がスクレーパ7によって払い出された後、すなわち、搬送物21の荷卸しが完了した後、搬送ベルト2の所定ベルト部分2aを平坦構造からトラフ構造に変形すべく、ベルト支持部4を下降完了位置P2へ下降させるように昇降装置6を制御する。
例えば、制御部20は、搬送物検出部9がオフ状態になった時点から図9に示す時間t3が経過した後に、ベルト支持部4を上昇完了位置P1から下降完了位置P2まで下降させるように昇降装置6を制御する。ここで、時間t3は、搬送物21の尾端部が搬送ベルト2によって基準搬送位置を通過してから荷卸し領域16のスクレーパ7によって払い出し終えるまでに要する時間である。この時間t3は、搬送物検出部9が配置されている位置(基準搬送位置)とスクレーパ7の出側端部(搬送方向D1の正側の端部)との距離と、搬送ベルト2による搬送物21の搬送速度とをもとに、算出することが可能である。例えば、制御部20は、搬送物検出部9がオフ状態になった時点から時間t3が経過したタイミングに、ベルト支持部4の下降動作を開始するように昇降装置6を制御する。
制御部20は、上記のように時間t3の経過後のタイミングに、制御信号を昇降装置6の昇降駆動部63に送信する。昇降装置6において、図7に示す状態ST1のように、昇降駆動部63は、制御部20からの制御信号に基づいて動作を開始し、発生させた駆動力によって連動部64とともにアーム部61a、62aを搬送方向D1の負側に回動させる。これにより、昇降機構61、62は、上下方向D2の負側(下方)に縮んだ状態となって、ベルト支持部4を上昇完了位置P1から下降完了位置P2まで直線的に下降させる。この昇降機構61、62の作用により、ベルト支持部4は、搬送ベルト2のうち平坦構造となっている所定ベルト部分2aを、下方から支持しながら、複数のトラフ型ローラ3で支持され得る上下方向位置に下げる。この結果、所定ベルト部分2aは、複数のトラフ型ローラ3の作用によって平坦構造からトラフ構造に変形する。この段階において、下降検出部11の検出子11aは、アーム部61aとの接触によって回動する。この結果、下降検出部11は、オン状態となって下降検出信号を制御部20に送信する。一方、上昇検出部10の検出子10aは、アーム部61aからの離間によって回動状態から元の状態に復帰する。この結果、上昇検出部10は、オフ状態となる。制御部20は、下降検出部11からの下降検出信号をもとに、ベルト支持部4が下降完了位置P2に下降し終えたことを把握する。これに基づいて、制御部20は、昇降駆動部63に制御信号を送信して、動作を停止するように昇降駆動部63を制御する。
上述したように昇降装置6によってベルト支持部4を下降させた結果、図9に示すように、搬送ベルト2が搬送物21を荷卸し領域16内に搬送し終えた後に、搬送ベルト2のうち荷卸し領域16内の所定ベルト部分2aは、ベルト支持部4の作用によって、トラフ構造となり、スクレーパ7の下端部から離間した状態となる。この段階において、搬送ベルト2は、所定ベルト部分2aを含め、複数のトラフ型ローラ3によって下方から支持されてトラフ構造となっている(図7の状態ST1参照)。
また、ベルト支持部4の下降とともに、可動シュート81、82は、上下方向D2に直線的に下降する。これにより、可動シュート81、82は、図8に示す状態ST1のように、固定シュート83、84内に下端部を各々挿入した状態となる。また、可動シュート81、82は、ベルト支持部4とともに昇降する期間、搬送ベルト2の幅方向D3の両端部に開口部81a、82aに各々向けた状態を維持している。
このようにして、荷卸し装置1は、搬送物21の荷卸しを完了する。荷卸し装置1は、搬送ベルト2に新たな搬送物が投入された場合、その都度、上述した搬送物21の場合と同様の荷卸し動作を繰り返し行う。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る荷卸し装置1では、搬送ベルト2をトラフ構造にして搬送物の搬送方向D1に導く複数のトラフ型ローラ3が、搬送物の搬送方向D1に離間して設けられ、搬送ベルト2のうち荷卸し領域16に導かれた所定ベルト部分2aが平坦構造となるように搬送ベルト2を下方から支持し得るベルト支持部4が、複数のトラフ型ローラ3間に配置され、複数のトラフ型ローラ3間を通ってベルト支持部4を上下方向D2に直線的に昇降させる昇降装置6が設けており、搬送物が荷卸しされる場合、搬送ベルト2の所定ベルト部分2aをトラフ構造から平坦構造に変形するために下方から支持しながら持ち上げるべく、ベルト支持部4を上昇させ、搬送物が荷卸しされない場合、搬送ベルト2のうち平坦構造となっている所定ベルト部分2aを複数のトラフ型ローラ3でトラフ構造に変形すべく、ベルト支持部4を下降させるように、制御部20によって昇降装置6を制御している。
このため、ベルト支持部4を上下方向D2に昇降させる際にベルト支持部4が通る軌跡を直線的なものにして、ベルト支持部4の昇降に要する空間の体積(特に搬送方向D1についての寸法)を、複数のトラフ型ローラ3間にベルト支持部4を傾動させる場合と比べて低減することができる。これに加え、搬送ベルト2による搬送物の搬送効率の向上を目的として搬送ベルト2を幅広化した場合であっても、ベルト支持部4の昇降に要する空間の搬送方向D1の寸法を増大させることなく、ベルト支持部4の幅方向D3の寸法を搬送ベルト2の幅寸法に応じて増大させることができる。したがって、搬送ベルト2の所定ベルト部分2aをトラフ構造と平坦構造とに可変に変形させるべく傾動するような可動ローラの駆動機構および制御構成を設ける必要が無く、さらには、当該可動ローラに対して相対的にスクレーパを昇降させるための駆動機構を設ける必要が無く、簡易な装置構成により、ベルト支持部4の上下方向D2の昇降に必要なトラフ型ローラ3同士の搬送方向D1の間隔を、搬送ベルト2の幅広化に応じて狭めることができる。これにより、複数のトラフ型ローラ3間に、昇降装置6によるベルト支持部4の上下方向D2の昇降に必要な間隔(搬送方向D1の離間距離)を簡易に確保するとともに、搬送ベルト2の幅寸法に応じて、複数のトラフ型ローラ3同士の間隔を簡易に調整することができる。この結果、搬送ベルト2による搬送物の高い搬送効率を、荷卸し装置1の簡易な装置構成によって実現することができる。さらには、複数のトラフ型ローラ3同士の間隔を縮小できることから、搬送物の高い搬送効率を図りつつ、荷卸し装置1の搬送方向D1について装置規模の小型化を促進することができる。
また、本発明の実施形態に係る荷卸し装置1では、ベルト支持部4とともに昇降する可動シュート81、82と、荷卸し領域16に固定配置される固定シュート83、84とを備えるシュート8を設け、スクレーパ7によって搬送ベルト2から払い出された搬送物を可動シュート81、82によって受け入れ、受け入れた搬送物を、可動シュート81、82を通じて固定シュート83、84に誘導するようにしている。
このため、ベルト支持部4による搬送ベルト2の所定ベルト部分2aの持ち上げに伴い、可動シュート81、82の開口部81a、82aを所定ベルト部分2aの幅方向D3の両側端部に常に向けた状態に維持しながら、可動シュート81、82を所定ベルト部分2aの幅方向D3の両側端部に近接(好ましくは連続)させることができる。この構成により、可動シュート81、82を単独で昇降させる駆動機構を用いることなく、簡易な装置構成によって、ベルト支持部4とともに上下方向D2に直線的に昇降しながら、所定ベルト部分2aの幅方向D3の両側端部から流出する搬送物をこぼさず可動シュート81、82内に流入させることができる。これにより、可動シュート81、82の上下方向D2の昇降に必要な空間の増大を抑制するとともに、意図せず可動シュート81、82の開口部81a、82aから外れて無駄に搬送物がこぼれ落ちてしまう事態を防止することができる。この結果、搬送ベルト2から払い出された搬送物を、シュート8内に効率よく荷卸しすることができる。
なお、上述した実施形態では、ベルト支持部4を上下方向D2に直線的に昇降させる昇降装置6として、パンタグラフ式の昇降装置を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、昇降装置6は、上下方向D2に伸縮又は突没可能に延在する棒状部材やシリンダ機構によって構成される昇降機構等、パンタグラフ式以外のものであってもよい。
また、上述した実施形態では、昇降装置6を制御部20によって制御(自動制御)していたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、荷卸し装置1を操作するための情報を入力部18によって制御部20に入力し、この入力情報に基づいて、制御部20が昇降装置6を制御する、所謂、作業者の手動操作による制御(手動制御)が行われてもよい。
また、上述した実施形態では、搬送物の搬送方向D1(搬送ベルト2の長手方向)に沿って複数(例えば2つ)のベルト支持部4が荷卸し領域16内に配置されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、荷卸し領域16内のベルト支持部4の配置数は、1つであってもよいし、複数(2つ以上)であってもよい。また、荷卸し領域16内における複数のトラフ型ローラ3同士の間毎に、単一のベルト支持部4が設けられてもよいし、複数のベルト支持部4が設けられてもよい。
また、上述した実施形態では、2つのベルト支持部4を昇降させる昇降装置6を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、昇降装置6は、単一のベルト支持部4を上下方向D2に直線的に昇降させるものであってもよいし、複数(2以上)のベルト支持部4を上下方向D2に直線的に昇降させるものであってもよい。昇降装置6は、複数のベルト支持部4を昇降させるものである場合、これら複数のベルト支持部4の昇降を連動させる連動部64を備えていてもよいし、単一のベルト支持部4を昇降させるものである場合、連動部64を備えていなくてもよい。
また、上述した実施形態では、ベルト支持部4として、搬送物の搬送方向D1に並ぶ複数のローラ41を備えたものを例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、ベルト支持部4は、搬送ベルト2の下端面(搬送物が載置される搬送面の裏側の面)を支持して所定ベルト部分2aを平坦構造にし得る平板等の平坦状部材であってもよい。
また、上述した実施形態では、スクレーパ7によって搬送ベルト2から払い出された搬送物を受け入れるシュート8として、可動シュート81、82と固定シュート83、84とを備えるものを例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、シュート8は、荷卸し領域16内の所定の位置から搬送ベルト2の幅方向D3の両端部に開口部(搬送物を受け入れる受入口)を向けた状態で固定配置される固定型のシュートであってもよい。この場合、シュート8は、可動シュート81、82の代わりに、上部側がベルト支持部4に固定されておらず且つ下部側が固定シュート83、84に各々固定された状態のもの(上部シュート)を備えてもよい。
また、上述した実施形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明に含まれる。