以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
本開示の第一実施形態による表示制御装置の機能は、図1及び図2に示すHCU(Human Machine Interface Control Unit)100によって実現されている。HCU100は、車両Aにおいて用いられるHMI(Human Machine Interface)システム10を、ヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)20等と共に構成している。HMIシステム10には、操作デバイス26及びドライバステータスモニタ(以下、DSM)27等がさらに含まれている。HMIシステム10は、車両Aの乗員(例えばドライバ等)によるユーザ操作を受け付ける入力インターフェース機能と、ドライバへ向けて情報を提示する出力インターフェース機能とを備えている。
HMIシステム10は、車両Aに搭載された車載ネットワーク1の通信バス99に通信可能に接続されている。HMIシステム10は、車載ネットワーク1に設けられた複数のノードのうちの一つである。車載ネットワーク1の通信バス99には、周辺監視センサ30、ロケータ40、運転支援ECU(Electronic Control Unit)50及び自動運転ECU52等がノードとして接続されている。通信バス99に接続されたこれらのノードは、相互に通信可能である。これら装置及び各ECUのうちの特定ノード同士は、相互に直接的に電気接続され、通信バス99を介することなく通信を実施可能であってよい。
尚、以下の説明における前後(図2 前方Ze及び後方Go参照)及び左右(図2 側方Yo参照)の各方向は、水平面上に静止させた車両Aを基準として規定される。具体的に、前後方向は、車両Aの長手方向(進行方向)に沿って規定される。また左右方向は、車両Aの幅方向に沿って規定される。さらに、上下(図2 上方Ue及び下方Si参照)の方向は、前後方向及び左右方向を規定した水平面の鉛直方向に沿って規定される。また、記載の簡略化のため、各方向を示す符号の記載を適宜省略する場合がある。
周辺監視センサ30は、車両Aの周辺環境を監視する自律センサである。周辺監視センサ30は、自車周囲の検出範囲から、歩行者、サイクリスト、人間以外の動物、及び他車両等の移動物体、さらに路上の落下物、ガードレール、縁石、道路標識、道路区画線等の路面標示及び道路脇にある構造物等の静止物体、を検出可能である。周辺監視センサ30は、車両Aの周囲の物体を検出した検出情報を、運転支援ECU50等に提供する。
周辺監視センサ30は、物体検出のための検出構成として、フロントカメラ31を有している。フロントカメラ31は、車両Aの前方範囲を撮影した撮像データ、及び撮像データの解析結果の少なくとも一方を、検出情報として出力する。周辺監視センサ30は、フロントカメラ31と共に、ミリ波レーダ、ライダ及びソナー等の検出構成を有していてもよい。
ロケータ40は、複数の取得情報を組み合わせる複合測位により、車両Aの高精度な自車の位置情報等を生成する。ロケータ40は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信器41、慣性センサ42、高精度地図データベース(以下、高精度地図DB)43、及びロケータECU44を含む構成である。
GNSS受信器41は、複数の人工衛星(測位衛星)から送信された測位信号を受信する。慣性センサ42は、例えばジャイロセンサ及び加速度センサを含んでいる。高精度地図DB43は、不揮発性メモリを主体に構成されており、高精度な地図データ(以下、高精度地図データ)を記憶している。高精度地図データは、経路案内に用いられるナビゲーション用の地図データ(以下、ナビ地図データ)よりも高精度な地図データである。高精度地図データは、高度運転支援及び自動運転に利用可能な地図データである。高精度地図データには、道路の三次元形状情報、レーン数情報、各レーンに許容された進行方向を示す情報等が含まれている。さらに、高精度地図データには、例えば白線等の道路標示の位置を特定可能なノード点の情報が含まれている。
ロケータECU44は、プロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えたマイクロコンピュータを主体として含む構成である。ロケータECU44は、GNSS受信器41で受信する測位信号、慣性センサ42の計測結果、及び通信バス99に出力された車速情報等を組み合わせ、車両Aの自車位置及び進行方向等を逐次測位する。ロケータECU44は、測位結果に基づく車両Aの位置情報及び方角情報を、通信バス99を通じて、HCU100、運転支援ECU50及び自動運転ECU52等に提供する。加えてロケータECU44は、運転支援ECU50及び自動運転ECU52等からの要求に応じて、要求された高精度地図データを要求元のECUに提供可能である。
運転支援ECU50及び自動運転ECU52は、それぞれプロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。運転支援ECU50及び自動運転ECU52は、HCU100等と共に、車両側にて必要とされる演算の大部分を処理する車載システム110を構築している。
運転支援ECU50は、ドライバの運転操作を支援する運転支援機能を備えている。自動運転ECU52は、ドライバの運転操作を代行可能な自動運転機能を備えている。一例として、米国自動車技術会の規定する自動運転レベルにおいて、運転支援ECU50は、レベル2以下の部分的な自動走行制御(高度運転支援)を可能にする。一方、自動運転ECU52は、レベル3以上の自動走行制御を可能にする。
運転支援ECU50及び自動運転ECU52は、それぞれ周辺監視センサ30から取得する検出情報に基づき、後述の運転制御のため、車両Aの周囲の走行環境を認識する。各ECU50,52は、走行環境認識のために実施した検出情報の解析結果を、HCU100に提供する。
具体的に、各ECU50,52は、前方範囲の路面に関する路面情報を、検出情報に基づく解析結果の一つとして生成し、HCU100に提供可能である。路面情報には、車両Aが現在走行する車線(以下、自車車線Lns,図4参照)、言い替えれば、自車の走路を特定するための情報が含まれている。具体的には、左右の区画線Ll又は道路端Er(共に図4参照)の相対位置及び形状を示す情報が、路面情報には含まれている。道路端Erは、例えば縁石、ガードレール、道路脇の壁に書かれた線、車線外の積雪、パイロン、ポールコーン、並びに区画線Llに近い路肩壁、ダート及び草等の認識に基づき、特定される。
各ECU50,52は、区画線Ll及び道路端Erのそれぞれを特定する処理を併行実施している。各ECU50,52は、左右それぞれについて、区画線Llを特定できている場合には、区画線Llに関する情報を出力し、道路端Erに関する情報の出力を中断する。各ECU50,52は、左右いずれかの側に区画線Llの途切れた区間(以下、途切れ区間Sl,図4参照)が発生した場合、区画線Llに関する情報に替えて、道路端Erに関する情報を出力する。こうした途切れ区間Slにおいても、区画線Llが存在している側(図4では右側)については、区画線Llに関する情報の出力が継続される。
尚、本実施形態における前後及び左右の各方向は、上述したように、水平面上に静止させた車両Aを基準として規定される。具体的に、前後方向は、水平面上に静止した車両Aの長手方向に沿って規定される。また左右方向は、水平面上に静止した車両Aの幅方向に沿って規定される。
運転支援ECU50は、プロセッサによるプログラムの実行により、高度運転支援を実現する複数の機能部を有する。具体的に、運転支援ECU50は、上述の走行環境を認識する機能部に加えて、ACC(Adaptive Cruise Control)制御部及び車線維持制御部51を有する。ACC制御部は、目標車速で車両Aを定速走行させるか、又は前走車との車間距離を維持しつつ車両Aを前走車に追従走行させるACCの機能を実現する機能部である。
車線維持制御部51は、車両Aの車線内走行を制御するLTA(Lane Tracing Assist)の機能を実現する機能部である。LTAは、LTC(Lane Trace Control)とも呼称される。車線維持制御部51は、走行環境認識によってフロントカメラ31の撮像データから抽出される区画線Ll又は道路端Erの位置及び形状情報に基づき、車両Aの操舵輪の舵角を制御する。車線維持制御部51は、走行中の走路である自車車線Lns内での走行が継続されるよう、当該自車車線Lnsに沿う形状の予定走行ラインPRLを生成する。車線維持制御部51は、左右の制御対象Tcから概ね等距離となる自車車線Lnsの中央位置に予定走行ラインPRLを規定する。そのため、左右一方の制御対象Tcが区画線Llから道路端Erに変化する(切り替わる)場合、自車の予定走行ラインPRLは、制御対象Tcとなる道路端Erに近づくように緩やかにオフセットする(図4参照)。また、左右一方の制御対象Tcから道路端Erから区画線Llに変化する(切り替わる)場合、車線維持制御部51は、道路端Erから離れるように、予定走行ラインPRLのオフセットを解除する。車線維持制御部51は、ACC制御部と連携し、予定走行ラインPRLに従い、自車車線Lnsの概ね中央に車両Aを位置させる運転制御(車線維持制御又は車線追従制御)を行う。
自動運転ECU52は、プロセッサによるプログラムの実行により、車両Aの自律走行を実現する複数の機能部を有する。自動運転ECU52は、ロケータ40より取得する高精度地図データ及び自車位置情報と、周辺監視センサ30より取得する検出情報とに基づき、予定走行ラインPRLを生成する。自動運転ECU52は、予定走行ラインPRLに沿って車両Aが走行するように、加減速制御及び操舵制御等を実行する。
以上の自動運転ECU52にて、運転支援ECU50の車線維持制御部51と実質的に同一の車線維持制御、即ち、自車車線Lns内での走行が継続されるよう車両Aの運転制御を行う機能部を、便宜的に車線維持制御部53とする。車両Aのドライバは、車線維持制御部51,53のうちの一方を排他的に利用可能である。
車線維持制御部51,53は、車線維持制御の作動状態を、オフ状態、待機状態、及び実行状態のうちで切り替える。オフ状態は、車線維持制御部51,53が起動されていない状態である。待機状態は、車線維持制御部51,53が起動されているものの、車線維持制御を実施していない状態である。実行状態は、左右両側の区画線Ll又は道路端Erを認識できている等の実行条件の成立に基づき、車線維持制御がアクティブとなり、走路内走行が実施されている状態である。
車線維持制御部51,53は、車線維持制御が待機状態又は実行状態にある場合、車線維持制御に関連する制御情報を、HCU100に逐次提供する。制御情報には、車線維持制御の作動状態を示すステータス情報、及び予定走行ラインPRLの形状を規定するライン形状情報が少なくとも含まれている。ステータス情報は、車線維持制御の作動状態を示す情報であり、具体的には、車線維持制御が実行状態にあるか否かを示す情報である。ライン形状情報は、主要な地点の座標情報、地点間の距離及び曲率半径等を含むことにより、取得側にて予定走行ラインPRLの形状を再現可能な情報とされている。
次に、HMIシステム10に含まれる操作デバイス26、DSM27、HUD20及びHCU100の各詳細を順に説明する。
操作デバイス26は、ドライバ等によるユーザ操作を受け付ける入力部である。操作デバイス26には、例えば運転支援機能又は自動運転機能等に関連するユーザ操作が入力される。具体的には、ステアリングホイールのスポーク部に設けられたステアスイッチ、ステアリングコラム部8に設けられた操作レバー、及びドライバの発話を検出する音声入力装置等が、操作デバイス26に含まれる。
DSM27は、近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニットとを含む構成である。DSM27は、運転席のヘッドレスト部分に近赤外カメラを向けた姿勢にて、例えばステアリングコラム部8の上面又はインスツルメントパネル9の上面等に設置されている。DSM27は、近赤外光源によって近赤外光を照射されたドライバの頭部を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによる撮像画像は、制御ユニットによって画像解析される。制御ユニットは、アイポイントEPの位置及び視線方向等の情報を撮像画像から抽出し、抽出した状態情報をHCU100へ向けて逐次出力する。
HUD20は、HCU100と電気的に接続されており、HCU100によって生成された映像データを逐次取得する。HUD20は、映像データに基づき、例えば運転支援機能又は自動運転機能等、車載機能に関連する種々の情報を、虚像Viを用いてドライバに提示する。
HUD20は、ウィンドシールドWSの下方にて、インスツルメントパネル9内の収容空間に収容されている。HUD20は、虚像Viとして結像される光を、ウィンドシールドWSの投影範囲PAへ向けて投影する。ウィンドシールドWSに投影された光は、投影範囲PAにおいて運転席側へ反射され、ドライバによって知覚される。ドライバは、投影範囲PAを通して見える前景に、虚像Viが重畳された表示を視認する。
HUD20は、プロジェクタ21及び拡大光学系22を備えている。プロジェクタ21は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル及びバックライトを有している。プロジェクタ21は、LCDパネルの表示面を拡大光学系22へ向けた姿勢にて、HUD20の筐体に固定されている。プロジェクタ21は、映像データの各フレーム画像をLCDパネルの表示面に表示し、当該表示面をバックライトによって透過照明することで、虚像Viとして結像される光を拡大光学系22へ向けて射出する。拡大光学系22は、凹面鏡等の光学素子を、少なくとも一つ含む構成である。拡大光学系22は、プロジェクタ21から射出された光を反射によって広げつつ、上方の投影範囲PAに投影する。
HUD20には、画角VAが設定される。HUD20にて虚像Viを結像可能な空間中の仮想範囲を結像面ISとすると、画角VAは、ドライバのアイポイントEPと結像面ISの外縁とを結ぶ仮想線に基づき規定される視野角である。画角VAは、アイポイントEPから見て、ドライバが虚像Viを視認できる角度範囲となる。HUD20では、垂直方向における垂直画角(例えば4~5°程度)よりも、水平方向における水平画角(例えば10~12°程度)の方が大きくされている。アイポイントEPから見たとき、結像面ISと重なる前方範囲(例えば十数m~100m程度の範囲)が画角VA内の範囲となる。
HUD20は、重畳コンテンツCTs(図5参照)及び非重畳コンテンツCTn(図8参照)を、虚像Viとして表示する。重畳コンテンツCTsは、拡張現実(Augmented Reality,以下、AR)表示に用いられるAR表示物である。重畳コンテンツCTsの表示位置は、例えば路面の特定位置、前方車両、歩行者及び道路標識等、前景に存在する特定の重畳対象に関連付けられている。重畳コンテンツCTsは、前景中にある特定の重畳対象(例えば自車車線Lnsの路面,図4参照)に重畳表示され、当該重畳対象に相対固定されているように、重畳対象を追って、ドライバの見た目上で移動可能である。即ち、ドライバのアイポイントEPと、前景中の重畳対象と、重畳コンテンツCTsとの相対的な位置関係は、継続的に維持される。そのため、重畳コンテンツCTsの形状は、重畳対象の相対位置及び形状に合わせて、所定の周期で更新され続ける。重畳コンテンツCTsは、非重畳コンテンツCTnよりも水平に近い姿勢で表示され、例えばドライバから見た奥行き方向(進行方向,前方Ze)に延伸した表示形状とされる。
非重畳コンテンツCTnは、前景に重畳表示される表示物のうちで、重畳コンテンツCTsを除いた非AR表示物である。非重畳コンテンツCTnの表示位置は、投影範囲PA(画角VA)内の特定位置とされる。故に、非重畳コンテンツCTnは、ウィンドシールドWS等の車両構成に相対固定されているように表示される。こうした非重畳コンテンツCTnの形状は、実質的に一定とされる。尚、車両Aと重畳対象との位置関係に起因し、非重畳コンテンツCTnであっても、重畳コンテンツCTsの重畳対象に重畳表示されるタイミングが発生してもよい。
HCU100は、HMIシステム10において、メータディスプレイ及びHUD20等の車載表示デバイスによる表示を統合的に制御する電子制御装置である。HCU100及びHUD20等は、虚像表示システムを構成している。
HCU100は、処理部11、RAM12、記憶部13、入出力インターフェース14、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。処理部11は、RAM12と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部11は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。処理部11は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、NPU(Neural network Processing Unit)及び他の専用機能を備えたIPコア等をさらに含む構成であってよい。RAM12は、映像生成のためのビデオRAMを含む構成であってよい。処理部11は、RAM12へのアクセスにより、本開示の表示制御方法を実現するための種々の処理を実行する。記憶部13は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部13には、処理部11によって実行される種々のプログラム(表示制御プログラム等)が格納されている。
図1~図3に示すHCU100は、記憶部13に記憶された表示制御プログラムを処理部11によって実行することで、HUD20によるコンテンツの重畳表示を制御する複数の機能部を有する。具体的に、HCU100には、視点位置特定部71、制御情報取得部72、ロケータ情報取得部73及び表示生成部74等の機能部が構築される。
視点位置特定部71は、DSM27から取得する状態情報に基づき、運転席に着座しているドライバのアイポイントEPの位置を特定する。視点位置特定部71は、アイポイントEPの位置を示す三次元の座標(以下、アイポイント座標)を生成し、生成したアイポイント座標を、表示生成部74に逐次提供する。
制御情報取得部72は、車両Aの制御状態を示す情報を、主に通信バス99を通じて取得する。具体的に、制御情報取得部72は、各ECU50,52より出力される路面情報を取得する。制御情報取得部72は、路面情報の内容から、車線維持制御に用いられる前方路面上の制御対象Tcを示す対象情報をさらに取得する。対象情報は、制御対象Tcとして車線維持制御に利用される物標の種別を示す情報であり、具体的には、制御対象Tcが区画線Llであるのか又は道路端Erであるのかを示す情報である。制御情報取得部72は、種別を特定した制御対象Tcについて、の車両A(自車)に対する相対位置を示す対象位置情報、及び路面上での形状を示す対象形状情報をさらに取得する。
制御情報取得部72は、各車線維持制御部51,53より出力されるステータス情報及びライン形状情報を取得する。ライン形状情報は、車線維持制御のために生成される車両Aの予想軌跡(予定走行ラインPRL)を示す情報である。加えて制御情報取得部72は、例えば走行制御ECU等によって通信バス99に出力される車速情報及びトルク情報を取得する。さらに、制御情報取得部72は、車両Aの姿勢を示す情報として、ハイトセンサの出力に基づくハイト情報を取得する。
ロケータ情報取得部73は、車両Aについての最新の位置情報及び方角情報を、自車位置情報としてロケータECU44から取得する。加えてロケータ情報取得部73は、車両Aの周辺範囲の高精度地図データを、ロケータECU44から取得する。ロケータ情報取得部73は、高精度地図データが未整備の道路範囲にて、経路案内に用いられるナビ地図データを、高精度地図データの代替地図データとして取得可能である。ナビ地図データは、例えば車両Aに搭載されたナビゲーション装置、又はHMIシステム10に接続されたユーザ端末等により、ロケータ情報取得部73に提供される。ロケータ情報取得部73は、例えば重畳コンテンツCTsの重畳表示に必要な範囲(一例として、車両Aの周囲50m~200m程度)の高精度地図データ又はナビ地図データを、ロケータECU44又はナビゲーション装置等から取得する。
表示生成部74は、HUD20に逐次出力される映像データを生成することで、HUD20によるドライバへの情報提示を制御する。表示生成部74は、虚像Viとして表示される各コンテンツの元画像を、HUD20へ向けて出力する映像データの個々のフレーム画像に描画する。
表示生成部74は、重畳コンテンツCTs(図5参照)の元画像をフレーム画像に描画する場合、3Dモデルを構築する。3Dモデルの構築には、制御情報取得部72及びロケータ情報取得部73にて取得される重畳対象、例えば、前方路面、及び区画線Ll又は道路端Er等に関する情報等が用いられる。表示生成部74は、構築した3Dモデルを、自車位置を基準として、仮想空間に配置する。3Dモデルの配置には、ロケータ情報取得部73にて取得される自車位置情報が用いられる。
表示生成部74は、3Dモデルを配置した仮想空間に、仮想のカメラ位置及び仮想の拡大光学系22(又は結像面IS)の位置を設定する。表示生成部74は、視点変換処理により、仮想のカメラ位置から見た3Dモデルの形状を演算する。仮想のカメラ位置は、ドライバのアイポイントEPの位置に対応しており、視点位置特定部71にて取得されるアイポイント座標に基づき補正される。さらに、仮想のカメラ位置及び光学系位置は、制御情報取得部72にて取得されるハイト情報及びトルク情報に基づき、車両Aの姿勢変化を反映した位置にそれぞれ補正される。
表示生成部74は、仮想のカメラ位置から見た3Dモデルの形状に従い、元画像の基準データを描画する。表示生成部74は、拡大光学系22及びウィンドシールドWSでの反射に伴う光像の歪みが相殺されるように、元画像の基準データに、予め規定された変形を付与する。表示生成部74は、歪み補正の適用された元画像を各フレーム画像に含んでなる映像データを生成する。表示生成部74は、生成した映像データを、予め規定された映像フォーマットで、プロジェクタ21へ向けて連続的に出力する。
表示生成部74は、重畳コンテンツCTsの一つとして、LTAコンテンツCTltを表示させる。以下、図4及び図5に基づき、図1~図3を参照しつつ、LTAコンテンツCTltの詳細を説明する。
LTAコンテンツCTltは、車線維持制御部51,53にて車線維持制御が実行状態にある場合に表示される。LTAコンテンツCTltは、自車の走路を強調することで、車両Aの予定走行ラインPRLを示す重畳コンテンツCTsである。LTAコンテンツCTltは、路面に貼り付いたような様態での表示により、仮想の道路ペイントのようにドライバに視認される。表示生成部74は、制御情報取得部72及びロケータ情報取得部73の取得情報に基づき、車両Aの走行に合わせて、アイポイントEP(図2参照)から見える路面形状に適合するように、所定の更新周期で、LTAコンテンツCTltの描画形状を更新する。
LTAコンテンツCTltは、前方走路等の路面に重畳表示される一対の区画線強調画像部LPl,LPrを含んだ2本線状を呈している(図5上段 区画線表示を参照)。表示生成部74は、区画線Llに関する対象位置情報及び対象形状情報に基づき区画線強調画像部LPl,LPrを描画することで、制御対象Tcとされた区画線Llに関連づけて区画線強調画像部LPl,LPrを表示させる。
各区画線強調画像部LPl,LPrは、自車車線Lnsに沿って細帯状に延伸する形状であり、自車車線Lnsの路面のうちで、左右の各区画線Llの近傍に重畳表示される。各区画線強調画像部LPl,LPrは、左右の区画線Llよりも僅かに内側(自車車線Lnsの中央側)の路面に重畳される。自車左側の区画線強調画像部LPlは、ドライバから見て、自車左側の区画線Llよりも僅かに右側に視認される。一方、自車右側の区画線強調画像部LPrは、ドライバから見て、自車右側の区画線Llよりも僅かに左側に視認される。
表示生成部74は、左右の区画線Llがそれぞれ認識されている区間において、左右の区画線強調画像部LPl,LPrを重畳表示させる。一方で、区画線Llが消失している途切れ区間Slでは、特に開始点Sls及び終了点Sleの間にて、区画線強調画像部LPlは、一時的に非表示とされる。こうした途切れ区間Slのうちで道路端Erの特定が可能な区間では、表示生成部74は、非表示とした区画線強調画像部LPlに替えて、道路端強調画像部LPeを重畳表示させる。
道路端強調画像部LPeは、各区画線強調画像部LPl,LPrと同様に、自車車線Lnsに沿って細帯状に延伸する形状である。表示生成部74は、道路端Erに関する対象位置情報及び対象形状情報に基づき道路端強調画像部LPeを描画することで、制御対象Tcとされた道路端Erに関連づけて道路端強調画像部LPeを表示させる。一例として、自車左側の制御対象Tcが道路端Erである場合、道路端強調画像部LPeは、自車左側の道路端Erに対し、走路の中央側(右側)となる路面に重畳表示される。道路端強調画像部LPeは、途切れた区画線Llの前端(開始点Sls)を前方に延長させたと仮定した仮想延長線よりも、自車車線Lnsの外側に視認されるように表示される。
表示生成部74は、道路端Er及び道路端強調画像部LPe間の間隔Dieを、区画線Ll及び区画線強調画像部LPl間の間隔Dilよりも広く設定する。この場合の間隔Die,Dilとは、仮想の道路ペイントとして路面に描かれたと仮定した場合の路面上での距離であり、言い換えれば、仮想空間での3Dモデルの配置の際に設定される距離値である。
加えて表示生成部74は、各区画線強調画像部LPl,LPrとは異なる様態で、道路端強調画像部LPeを表示させる。一例として、道路端強調画像部LPeは、各区画線強調画像部LPl,LPrよりも線幅が太くなるよう描画される。さらに、道路端強調画像部LPeは、各区画線強調画像部LPl,LPrとは異なる輝度又は表示色にて表示される。具体的には、道路端強調画像部LPeは、各区画線強調画像部LPl,LPrよりも高輝度に表示されるか、又は誘目性の高い表示色にて表示される。
以上のように、表示生成部74は、車線維持制御において制御対象Tcとされる物標の種別に応じて、LTAコンテンツCTltに含ませる画像部を、各強調画像部LPl,LPr,LPeのうちで入れ替え、制御対象Tcに関連付けて前方路面に重畳表示させる。故に、車線維持制御に用いられる制御対象Tcの種別が変わる場合、表示生成部74は、各強調画像部LPl,LPr,LPeの入れ替えによるLTAコンテンツCTltの様態の変更により、制御対象Tcの変化をドライバに示すことができる。
一例として、自車左側の区画線Llが途切れるシーン(図4参照)では、車線維持制御に用いられる制御対象Tcが、区画線Llから道路端Erに切り替わる。表示生成部74は、制御情報取得部72にて取得される対象情報を参照し、制御対象Tcの移行予定の有無と、制御対象Tcの移行位置となる途切れ区間Slの開始点Slsまでの距離を把握する。表示生成部74は、の開始点Slsが画角VA内に入ると、各区画線強調画像部LPl,LPrに加えて、道路端強調画像部LPeをさらに表示させる(図5中段 道路端表示を参照)。
道路端強調画像部LPeは、区画線強調画像部LPlの上方に表示され、ドライバの見た目上では、自車左側の区画線強調画像部LPlよりも前方の路面に重畳される。道路端強調画像部LPeは、開始点Slsの僅かに左側の位置から、前方へ向かって延伸する形状とされる。道路端強調画像部LPeは、区画線強調画像部LPlとつなげられていない。即ち、道路端強調画像部LPeの下端(後端)は、区画線強調画像部LPlの上端(前端)から離れている。道路端強調画像部LPeは、区画線強調画像部LPlに対して外側にオフセットした表示とされ、区画線Llから道路端Erへの制御対象Tcの切り替わりを示す。
自車左側の区画線強調画像部LPlの上端及び道路端強調画像部LPeの下端は、前景中を下方に移動する開始点Slsを追って、画角VAの下縁へ向けて移動する。その結果、区画線強調画像部LPlは、徐々に短くなり、画角VA外にフレームアウトする。一方、道路端強調画像部LPeは、画角VAの左下方へ延伸し、画角VA内を斜めに横切るように表示される。
さらに、途切れ区間Slの終了点Sleに車両Aが接近すると、車線維持制御に用いられる制御対象Tcは、道路端Erから区画線Llに戻される。表示生成部74は、途切れ区間Slの終了点Sleが画角VA内に入ると、自車左側の区画線強調画像部LPlを再表示させる(図5下段 区画線再表示を参照)。区画線強調画像部LPlは、道路端強調画像部LPeに対して内側にオフセットした表示とされ、道路端Erから区画線Llへの制御対象Tcの切り替わりを示す。
道路端強調画像部LPeの上端及び区画線強調画像部LPlの下端は、前景中を下方に移動する終了点Sleを追って、画角VAの下縁へ向けて移動する。その結果、道路端強調画像部LPeは、徐々に短くなり、画角VA外にフレームアウトする。一方、区画線強調画像部LPlは、画角VAの左下方へ向けて延伸し、自車右側の区画線強調画像部LPrと同様に、画角VA内を斜めに横切るように表示される。
以上のようなコンテンツ表示を実現する表示制御方法の詳細を、図6に示すフローチャートに基づき、図1及び図3~図5を参照しつつ、以下説明する。図6に示す表示制御処理は、例えば車両電源のオン状態への切り替えにより、起動処理等を終えたHCU100により、繰り返し開始される。
S101では、制御情報取得部72によるステータス情報の取得を開始し、S102に進む。S102では、車線維持制御部51,53のいずれかにて車線維持制御がオン状態にあるか否かを判定し、車線維持制御の起動を待機する。一例として、ステータス情報の取得が可能な場合、S102では、車線維持制御がオン状態にあると判定する。S102にて、車線維持制御がオン状態であると判定すると、S103に進む。
S103では、車線維持制御部51,53のいずれかにて、車線維持制御が実行状態にあるか否かを判定する。車線維持制御が待機状態である場合、S103の判定を繰り返す。一方で、S103にて、車線維持制御が実行状態にあると判定した場合、S104に進む。
S104では、制御情報取得部72にて最新の対象情報を取得し、S105に進む。S105では、S104にて取得した対象情報に基づき、フロントカメラ31の検出可能な前方範囲にて、制御対象Tcの種別の変化があるか否かを判定する。具体的に、S105では、途切れ区間Slの開始点Slsを検出したか否か、又は途切れ区間Slの終了点Sleを検出したか否かを判定する。
S105にて、開始点Sls及び終了点Sleのいずれも非検出であり、制御対象Tcの種別の変化がないと判定した場合、S106に進む。S106では、現在の左右の制御対象Tcを強調するLTAコンテンツCTltの表示を継続させて、S109に進む。例えば、左右両側に区画線Llが存在する区間では、区画線強調画像部LPl,LPrを含むLTAコンテンツCTltの通常表示が継続される(図5 上段参照)。また、途切れ区間Slでは、左側の区画線強調画像部LPlに替えて道路端強調画像部LPeを含むLTAコンテンツCTltの表示が継続される。
一方、S105にて、開始点Sls又は終了点Sleを検出しており、制御対象Tcの種別が変化すると判定した場合、S107に進む。S107では、開始点Sls又は終了点Sle、即ち、制御対象Tcの移行位置が画角VA内であるか否かを判定する。S107にて、移行位置が画角VA外であると判定した場合、S106に進み、現在の様態でのLTAコンテンツCTltの表示を継続させる。
対して、S107にて、移行位置が画角VA内であると判定した場合、S108に進む。S108では、制御対象Tcの切り替わりを示すオフセット表示を実施し、S109に進む。具体的に、S108では、自車右側の区画線強調画像部LPrと共に、自車左側の区画線強調画像部LPl及び道路端強調画像部LPeを互いにつなげない分断状態で表示させる(図5 中断及び下段参照)。
S109では、最新のステータス情報を参照し、車線維持制御の実行状態が継続されているか否かを判定する。S109にて、車線維持制御が依然として実行状態であると判定した場合、S104に戻る。一方、S109にて、車線維持制御が実行状態ではなくなったと判定した場合、S110に進む。S110では、LTAコンテンツCTltの表示を終了し、表示制御処理を一旦終了する。尚、LTAコンテンツCTltを除く他のコンテンツの表示は、そのまま継続されてよい。
ここまで説明した第一実施形態では、車線維持制御に用いられる路面上の制御対象Tcが変わると、こうした制御対象Tcの変化を示すLTAコンテンツCTltが表示される。そのためドライバは、車線維持制御の制御対象Tcの変化を、LTAコンテンツCTltを見ることで予め認識できる。したがって、車両Aの挙動に変化が生じたとしても、こうした挙動変化に対するドライバの不安は、抑制され得る。
加えて第一実施形態のLTAコンテンツCTltは、制御対象Tcの相対位置を示す対象位置情報に基づき、制御対象Tcに関連づけられて前方路面に重畳表示される。その結果、ドライバから見て前後方向に並ぶ区画線強調画像部LPl及び道路端強調画像部LPeが左右方向にずれたオフセット表示により、制御対象Tcの切り替わりがドライバに明示される。こうした重畳表示によれば、LTAコンテンツCTltは、制御対象Tcの変化をドライバに分かり易く通知し得る。その結果、ドライバの不安を抑制する効果も、いっそう発揮され易くなる。
また第一実施形態では、道路端Er及び道路端強調画像部LPe間の間隔Dieが、区画線Ll及び区画線強調画像部LPl間の間隔Dilよりも広くされる。以上のように、制御対象Tcが区画線Llとは異なる場合に、道路端Erから比較的離れた位置に道路端強調画像部LPeが重畳されていれば、ドライバは、道路端Erに自車が過度に接近しないことを認識し得る。その結果、区画線Llの消失に起因するドライバの不安の増加を抑えることが可能になる。
さらに第一実施形態では、区画線Ll及び道路端Erの一方から他方へと制御対象Tcが切り替わる場合、道路端強調画像部LPe及び区画線強調画像部LPlは、互いにつなげられることなく、路面に重畳表示される。以上のように、制御対象Tcとなる物標を強調する各強調画像部LPe,LPlを分断表示すれば、ドライバは、制御対象Tcが切り替わるポイントを容易に把握できるようになる。
加えて第一実施形態では、制御対象Tcとされる物標の種別に応じて、LTAコンテンツCTltの様態が変更される。具体的には、道路端Erを強調する道路端強調画像部LPeは、区画線Llを強調する区画線強調画像部LPlよりも高輝度又は高誘目とされる。こうしたLTAコンテンツCTltの様態変更によれば、ドライバは、制御対象Tcの切り替わり予定を見落とし難くなる。その結果、ドライバの不安を抑制する効果が、いっそう発揮され易くなる。
尚、第一実施形態において、LTAコンテンツCTltが「制御対象コンテンツ」に相当し、区画線強調画像部LPlが「画像部」及び「第一画像部」に相当し、道路端強調画像部LPeが「画像部」及び「第二画像部」に相当する。また、区画線Ll及び道路端Erのうちの一方が「第一対象」に相当し、その他方が「第二対象」に相当し、開始点Sls及び終了点Sleが「移行位置」に相当する。制御情報取得部72が「情報取得部」に相当し、表示生成部74が「表示制御部」に相当し、HCU100が「表示制御装置」に相当する。
(第二実施形態)
図7及び図8に示す本開示の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態の表示制御処理では、開始点Sls及び終了点Sle(図4参照)等の移行位置が画角VA外である場合(図7 S207:NO)、予告アイコンCTniを表示する処理が実施される(図7 S208)。予告アイコンCTniは、制御対象Tcの変化する予定位置が画角VA外である場合に、LTAコンテンツCTltとは別に表示される非重畳コンテンツCTnである。予告アイコンCTniは、画角VAの概ね中央に表示される(図8 上段参照)。予告アイコンCTniは、クランク状に描画された画像部を含むことで、車両Aに横方向の移動が発生予定であることをドライバに示唆する。
表示生成部74(図3参照)は、移行位置である開始点Slsが画角VA内に入るタイミングで、予告アイコンCTni及び区画線強調画像部LPlを用いた切り替えアニメーションを表示させる。切り替えアニメーションにおいて、予告アイコンCTniは、非重畳コンテンツCTnから重畳コンテンツCTsへと変化しつつ、画角VAの中央から前景中の開始点Slsへ向けて移動する。予告アイコンCTniは、開始点Slsへの移動に伴い、徐々の表示サイズを縮小される。こうした移動及び縮小により、予告アイコンCTniは、開始点Slsの上方(前方)に重畳表示される(図8 中上段参照)。
予告アイコンCTniは、開始点Slsの近傍への移動後、所定時間の経過に伴い非表示とされる。表示生成部74は、予告アイコンCTniが消失した後、切り替えアニメーションとして、自車左側の区画線強調画像部LPlを、道路端Erに沿って進行方向に延伸させるアニメーションを表示させる(図8 中下段参照)。具体的に、区画線強調画像部LPlは、区画線Llの内側にある先端(上端,前端)を、道路端Erへ向かって外側(左側)に延伸させる。さらに、区画線強調画像部LPlは、道路端Erの内側近傍にて先端を進行方向に屈曲させ、道路端Erに沿って進行方向にさらに延伸させる。表示生成部74は、区画線強調画像部LPlを延伸させるアニメーションを、所定回数繰り返す。区画線強調画像部LPlの延伸部分LEPは、切り替えアニメーションの期間中、例えば破線状に描画される。
表示生成部74は、切り替えアニメーションの表示を終了させると、延伸部分LEPを実線状の描画形状に変化させる(図8 下段参照)。以上により、区画線強調画像部LPlは、全体としてクランク状に屈曲した描画形状、言い換えれば、道路端強調画像部LPe(図5参照)と一体化された描画形状となる。こうした区画線強調画像部LPlにおいても、道路端Er及び延伸部分LEP間の間隔Die(図4参照)は、区画線Ll及び本体部分間の間隔Dil(図4参照)よりも広く確保される。
ここまで説明した第二実施形態のLTAコンテンツCTltは、区画線強調画像部LPlを延伸させるアニメーション表示により、制御対象Tcの変化をドライバに通知できる。そのためドライバは、車線維持制御の制御対象Tcの変化を予め認識できる。したがって、制御対象Tcの切り替わりに起因する挙動変化へのドライバの不安は、抑制され得る。
加えて第二実施形態では、HUD20の画角VAよりも前方に開始点Slsがある場合でも、予告アイコンCTniの表示により、制御対象Tcの変化がドライバに予告される。以上によれば、ドライバは、制御対象Tcの変化予定、ひいては、横移動の発生の可能性を、早期に認識できる。その結果、ドライバの不安を抑制する効果が、いっそう発揮され易くなる。
尚、第二実施形態の表示制御処理におけるS201~S206及びS209~S211の処理の内容は、第一実施形態のS101~S106及びS108~S110の処理の内容と実質的に同一である。
(第三実施形態)
図9に示す本開示の第三実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。第三実施形態において、表示生成部74(図3参照)は、進行方向に途切れ区間Slを検出すると、軌跡表示を実施する(図9 上段参照)。軌跡表示では、予想軌跡コンテンツCTpが、LTAコンテンツCTltと共に表示される。予想軌跡コンテンツCTpは、制御情報取得部72(図3参照)にて取得されるライン形状情報に基づき描画され、自車車線Lnsの路面の概ね中央に重畳表示される重畳コンテンツCTsである。予想軌跡コンテンツCTpは、車線維持制御部51,53(図1参照)にて生成される予定走行ラインPRL(図4参照)の形状をドライバに通知する。
表示生成部74は、途切れ区間Slの開始点Slsが画角VA内となると、自車左側の区画線強調画像部LPlを外側(左側)に屈曲させる(図9 中段参照)。区画線強調画像部LPlは、途切れた区画線Llの上方にて、当該区画線Llの内側から道路端Erの近傍まで延伸し、さらに進行方向に屈曲した描画形状とされる。言い換えれば、区画線強調画像部LPlは、区画線Llの内側に重畳される線状画像部の前端と、道路端Erの内側に重畳される線状画像部の後端とをつなげた描画形状で表示される。
加えて表示生成部74は、予想軌跡コンテンツCTpを、区画線強調画像部LPlと同様に、左側に屈曲させる。予想軌跡コンテンツCTpの横方向への屈曲は、実際の予定走行ラインPRLの横方向への屈曲に対し強調されていてもよい。以上のオフセット開始表示により、LTAコンテンツCTlt及び予想軌跡コンテンツCTpは、横移動の発生可能性を、ドライバに予告する。
表示生成部74は、途切れ区間Slの終了点Sleが画角VA内となると、自車左側の区画線強調画像部LPlを内側(右側)に屈曲させる(図9 下段参照)。区画線強調画像部LPlは、再出現した区画線Llの下方にて、道路端Erの近傍から区画線Llの内側まで延伸し、さらに進行方向に屈曲した描画形状とされる。加えて表示生成部74は、予想軌跡コンテンツCTpを、区画線強調画像部LPlと同様に右側(中央側)に屈曲させ、再び自車車線Lnsの中央に重畳させる。以上のオフセット解除表示により、LTAコンテンツCTlt及び予想軌跡コンテンツCTpは、再度の横移動の発生可能性を、ドライバに予告する。
ここまで説明した第三実施形態でも、予定された制御対象Tcの変化がドライバに通知される。故に、制御対象Tcの切り替わりに起因する挙動変化へのドライバの不安は、抑制され得る。
加えて第三実施形態では、ライン形状情報に基づき、車線維持制御される車両Aの予定走行ラインPRLを示す予想軌跡コンテンツCTpが、LTAコンテンツCTltと共に重畳表示される。以上によれば、車線維持制御に用いられる制御対象Tcの変化が、二つの重畳コンテンツCTsの様態変化の連携により、ドライバに分かり易く示される。その結果、ドライバは、制御対象Tcが切り替わるポイントを容易に把握できるようになる。尚、第三実施形態では、ライン形状情報が「軌跡情報」に相当する。
(第四実施形態)
図10に示す本開示の第四実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第四実施形態では、途切れ区間Slの開始点Slsが画角VA内に入るタイミングで、仮想区画線画像部LPvが表示される。仮想区画線画像部LPvは、第一実施形態の道路端強調画像部LPe(図5参照)に相当する画像部であり、途切れ区間Slの開始点Slsから終了点Sle(図4参照)までにおいて、区画線強調画像部LPlに替わる画像部として限定的に表示される。
仮想区画線画像部LPvは、区画線強調画像部LPlの延長上に表示され、道路端Er及び自車右側の区画線強調画像部LPrに沿って線状に延伸している。仮想区画線画像部LPvは、途切れた自車左側の区画線Llを補完し、自車右側の区画線強調画像部LPrと共に仮想の自車車線Lnsを画角VA内に浮かび上がらせる。仮想区画線画像部LPvは、区画線強調画像部LPlと概ね同一の輝度及び表示色にて表示される。以上により、仮想区画線画像部LPvは、区画線強調画像部LPlとの連続性を有す画像部として、ドライバに視認され得る。
一方で、仮想区画線画像部LPvは、区画線強調画像部LPlとは異なる描画形状とされており、具体的には、破線状に描画されている。こうした描画形状により、仮想区画線画像部LPvは、区画線Ll及び道路端Erの一方から他方への制御対象Tcの切り替わりを、ドライバに明示する。
ここまで説明した第四実施形態でも、途切れ区間Slが存在する場合に、LTAコンテンツCTltは、仮想区画線画像部LPvを含む様態に変化することで、制御対象Tcの変化をドライバに予告できる。したがって、第四実施形態でも、制御対象Tcの切り替わりに起因する挙動変化へのドライバの不安は、抑制され得る。
加えて第四実施形態では、区画線強調画像部LPlの延長上に、仮想区画線画像部LPvが重畳表示される。以上によれば、道路端Erの近傍に表示された線状の画像部が、道路端Erの近くを走行するような誤解をドライバに与える事態は、生じ難くなる。このように、道路端Erから離れた中央側の位置にあえて仮想区画線画像部LPvを表示させるLTAコンテンツCTltは、ドライバの不安感の低減に寄与できる。
(第五実施形態)
図11に示す本開示の第五実施形態は、第二実施形態の変形例である。第五実施形態のLTAコンテンツCTltは、二つの区画線強調画像部LPl,LPr(図7参照)に替えて、中央強調画像部LPcを含んでいる。中央強調画像部LPcは、各区画線強調画像部LPl,LPrと同様に、自車車線Lnsに沿って線状に延伸する画像部である。中央強調画像部LPcは、自車車線Lnsの概ね中央に重畳表示される。中央強調画像部LPcは、第三実施形態の予想軌跡コンテンツCTp(図9参照)と同様に、ライン形状情報に基づき描画され、予定走行ラインPRL(図4参照)の形状をドライバに通知する。
表示生成部74は、第二実施形態と同様に、途切れ区間Slの把握に基づき、非重畳コンテンツCTn(図8参照)としての予告アイコンCTniを表示させる。予告アイコンCTniは、中央強調画像部LPcと重ならないように、中央強調画像部LPcに対して途切れる区画線Ll側に表示される。
表示生成部74は、開始点Slsの画角VA内への進入に合わせて、予告アイコンCTniを開始点Slsへ向けて移動させ、開始点Slsの上方(前方)の路面に重畳表示させる。自車左側の区画線Llの延長上に移動した予告アイコンCTniは、中央強調画像部LPcと共にLTAコンテンツCTltを構成する重畳コンテンツCTsとなる。
加えて表示生成部74は、開始点Slsが画角VA内に入ると、中央強調画像部LPcを、道路端Er側へ向けて屈曲する形状に変化させる。その結果、LTAコンテンツCTltは、予告アイコンCTniの追加表示と中央強調画像部LPcの屈曲表示とを組み合わせた様態変化により、制御対象Tcの切り替わりをドライバに通知する。
ここまで説明した第五実施形態でも、第二実施形態と同様に、LTAコンテンツCTltは、制御対象Tcの変化をドライバに予告できる。したがって、制御対象Tcの切り替わりに起因する挙動変化へのドライバの不安は、抑制され得る。
(第六実施形態)
図12~図19に示す本開示の第六実施形態は、第三実施形態の変形例である。第六実施形態の表示生成部74(図3参照)は、第三実施形態と同様に、車線維持制御部51,53の制御状態に応じて、予想軌跡コンテンツCTp及び対象強調コンテンツCTetを表示する(図14及び図15参照)。予想軌跡コンテンツCTpは、車両Aの予定走行ラインPRLを示す重畳コンテンツCTsである。対象強調コンテンツCTetは、制御対象Tcとされる区画線Ll又は道路端Erを強調する重畳コンテンツCTsである。対象強調コンテンツCTetは、第一実施形態のLTAコンテンツCTlt(図5参照)に相当し、制御対象Tcの変化を示すことができる。
以下、第六実施形態のコンテンツ表示を実現する表示制御方法の詳細を、図12及び図13に示すフローチャートに基づき、図3,図14及び図15を参照しつつ説明する。尚、第六実施形態の表示制御処理におけるS601~S604,S611,S620の処理の内容は、第一実施形態のS101~S104,S109,S110の処理の内容と実質的に同一である。
S605では、直前のS604にて取得した対象情報に基づき、左右のいずれか一方にて、区画線Llから道路端Erへの制御対象Tcの切り替わり予定があるか否かを判定する。S605にて、左右両側とも区画線Llを制御対象Tcとした車線維持制御が継続すると判定した場合、S606に進む。S606では、LTAの軌跡表示(図14 上段参照)を開始及び継続させて、S610に進む。
LTAの軌跡表示には、予想軌跡コンテンツCTpが含まれている。予想軌跡コンテンツCTpは、自車車線Lnsの前方路面の中央に1本線状に重畳され、予定走行ラインPRLを可視化する。予想軌跡コンテンツCTpは、左右両側の制御対象Tcから概ね等距離となる路面位置に重畳される。予想軌跡コンテンツCTpは、自車車線Lnsの延伸方向に沿って伸びる点線状(破線状)に描画される。こうした描画形状により、道路に対する重畳コンテンツのずれがドライバに認識され難くされている。予想軌跡コンテンツCTpは、車線維持制御が実行状態である期間であっても、常時表示されない。予想軌跡コンテンツCTpは、点滅表示により、所定の周期で表示状態と非表示状態とを繰り返す。一例として、予想軌跡コンテンツCTpは、表示状態を5秒間継続した後、非表示状態を5秒間継続して、再び表示状態となる。非表示状態の期間は、表示状態の期間より短くてもよく、又は長くてもよい。
S605にて、開始点Slsを検出しており、区画線Llから道路端Erへの制御対象Tcの種別変化が生じると判定した場合、S607に進む。S607では、制御対象Tcの移行位置(開始点Sls)が画角VA内であるか否かを判定する。S607にて、移行位置が画角VA外であると判定した場合、S608に進む。S608では、区画線Llから道路端Erへの制御対象Tcの切り替わりを予告するオフセット予告表示(図14 中段参照)を開始及び継続させて、S610に進む。
オフセット予告表示には、対象強調コンテンツCTetが含まれている。オフセット予告表示では、区画線強調画像部LPlが、対象強調コンテンツCTetとして路面に重畳表示される。区画線強調画像部LPlは、非検出となる一方(図14では左側)の区画線Llの対象位置情報に基づき、当該区画線Llに関連づけて表示される。区画線強調画像部LPlは、隣接する区画線Llに沿って伸びる実線状に描画される。区画線強調画像部LPlは、点滅されることなく、表示を継続される。
オフセット予告表示では、予想軌跡コンテンツCTp(図14 上段参照)が非表示とされる。予想軌跡コンテンツCTpは、区画線強調画像部LPlの表示の開始に合わせて、表示を終了される。予想軌跡コンテンツCTpの表示終了は、区画線強調画像部LPlの表示開始と実質同時であってもよく、或いは区画線強調画像部LPlの表示開始の直前又は直後であってもよい。区画線強調画像部LPlは、表示を終了される予想軌跡コンテンツCTpよりも高い輝度で表示される。区画線強調画像部LPlの表示色は、予想軌跡コンテンツCTpと実質同じであってよく、又は予想軌跡コンテンツCTpと異なっていてもよい。また、別の例として、区画線強調画像部LPlは、予想軌跡コンテンツCTpと実質同一の輝度で表示されてもよい。
S607にて、移行位置が画角VA内であると判定した場合、S609に進む。S609では、区画線Llから道路端Erへの制御対象Tcの切り替わりを示すオフセット開始表示(図14 下段参照)を開始及び継続させて、S610に進む。
オフセット開始表示には、対象強調コンテンツCTet及び予想軌跡コンテンツCTpが含まれている。対象強調コンテンツCTetは、区画線強調画像部LPl及び道路端強調画像部LPeを有している。表示生成部74は、区画線Llから道路端Erへと制御対象Tcが変わる場合、区画線Llに関連付けて区画線強調画像部LPlを重畳表示させつつ、区画線強調画像部LPlとつなげた様態で道路端Erに関連付けて道路端強調画像部LPeを重畳表示させる。オフセット予告表示からオフセット開始表示に遷移する場合、表示生成部74は、道路端Erの対象位置情報に基づき、区画線強調画像部LPlの奥側の端部を道路端Erへ向けて延伸させる。さらに表示生成部74は、道路端Erの近傍に達した区画線強調画像部LPlの端部を、道路端Erに沿って延伸させることにより、道路端強調画像部LPeの表示を開始させる。
加えて表示生成部74は、オフセット予告表示からオフセット開始表示に遷移する場合、区画線強調画像部LPlの道路端Erへの延伸を開始させるタイミングに合わせて、予想軌跡コンテンツCTpを再表示させる。予想軌跡コンテンツCTpは、車線維持制御部51,53によるオフセットの実施を示すように、対象強調コンテンツCTet側(左側)へ向けて湾曲又は屈曲した形状となる。オフセット開始表示において、予想軌跡コンテンツCTpの点滅は、中断される。予想軌跡コンテンツCTpは、車両Aの横移動が完了するまで表示を継続される。
S610では、オフセット制御に伴う横移動が完了したか否かを判定する。S610にて、横移動が完了していないと判定した場合、S611に進む。制御対象Tcの変化が無い場合でも、S610からS611に進む。S611では、車線維持制御の実行状態が終了したか否かを判定する。S611にて、車線維持制御の実行状態が継続していると判定した場合、S604に戻る。一方で、S611にて、車線維持制御がオフ状態に遷移したと判定した場合、S620に進み、LTA関連のコンテンツ表示を終了させる。
一方、S610にて、オフセット制御の横移動が完了したと判定した場合、S612に進む。S612では、S604と同様に、制御対象Tcの対象情報を取得し、S613に進む。S613では、区画線Llの再検出の有無を判定する。S613にて、区画線Llが未検出のままであると判定した場合、S614に進む。S614では、オフセット制御の継続を示すオフセット継続表示(図15 上段参照)を開始及び継続させて、S618に進む。
オフセット継続表示には、対象強調コンテンツCTet及び予想軌跡コンテンツCTpが含まれている。オフセット継続表示では、道路端強調画像部LPeが対象強調コンテンツCTetとして、道路端Erの内側に継続して表示される。道路端強調画像部LPeは、オフセットのための自車の横移動の完了後、所定の時間(例えば5秒程度)が継続したタイミングで、表示を終了される。
予想軌跡コンテンツCTpは、自車の横移動の完了後、所定の時間(例えば5秒程度)が継続したタイミングで、非表示とされる。予想軌跡コンテンツCTpは、自車が途切れ区間Slを走行中、通常の軌跡表示(図14 上段参照)と同様に、点滅表示される(図15 破線参照)。一例として、予想軌跡コンテンツCTpは、一旦非表示とされた後に、例えば5秒間の非表示継続と、5秒間の表示継続とを繰り返す。
S613にて、区画線Llが再検出されたと判定した場合、S615に進む。S615では、区画線Llの再検出位置(終了点Sle)が画角VA内であるか否かを判定する。S615にて、途切れ区間Slの終了点Sleが画角VA外であると判定した場合、S616に進む。S616では、道路端Erから区画線Llへの制御対象Tcの切り替わり、言い替えれば、オフセット制御の解除、を予告する解除予告表示(図15 中段参照)を開始及び継続させて、S618に進む。
解除予告表示には、対象強調コンテンツCTet及び予想軌跡コンテンツCTpが含まれている。解除予告表示では、仮想区画線画像部LPv2が対象強調コンテンツCTetとして、道路端Erの内側に表示される。仮想区画線画像部LPv2は、再検出された画角VA外の区画線Llの端部(終了点Sle)を、道路端Erに沿って自車側に延長した延長上に重畳表示される実線状の画像部である。仮想区画線画像部LPv2は、見た目上にて、画角VA外の区画線Llと連続するように延伸している。仮想区画線画像部LPv2は、予想軌跡コンテンツCTpよりも高い輝度で表示される。仮想区画線画像部LPv2は、予想軌跡コンテンツCTp又は道路端強調画像部LPeとは異なる表示色で表示されてもよく、或いは予想軌跡コンテンツCTp又は道路端強調画像部LPeと同一の表示色で表示されてもよい。予想軌跡コンテンツCTpは、点滅を中断され、表示された状態に維持される。
S615にて、途切れ区間Slの終了点Sleが画角VA内であると判定した場合、S617に進む。S617では、道路端Erから区画線Llへの制御対象Tcの切り替わりを示すオフセット解除表示(図15 下段参照)を開始及び継続させて、S618に進む。
オフセット解除表示でも、対象強調コンテンツCTet及び予想軌跡コンテンツCTpの表示が継続される。対象強調コンテンツCTetとして表示される仮想区画線画像部LPv2は、実際の区画線Llと重ならないように、当該区画線Llの自車側に重畳表示される。仮想区画線画像部LPv2は、途切れ区間Slの終了点Sleのフレームアウトによって表示を終了される。予想軌跡コンテンツCTpは、車線維持制御部51,53によるオフセットの解除を示すように、対象強調コンテンツCTetの反対側(右側)へ向けて湾曲又は屈曲した形状となる。オフセット解除表示においても、予想軌跡コンテンツCTpは、横移動が完了するまで、点滅されることなく表示を継続される。
そして、S618では、S611と同様に、車線維持制御の実行状態が終了したか否かを判定する。S618にて、車線維持制御がオフ状態に遷移したと判定した場合、S620に進み、LTA関連のコンテンツ表示を終了させる。一方で、S618にて、車線維持制御の実行状態が継続していると判定した場合、S619に進む。
S619では、オフセット制御の解除に伴う横移動が完了したか否かを判定する。S619にて、横移動が完了していないと判定した場合、S612に戻る。一方(左側)の区画線Llの未検出状態が継続している場合でも、S619からS612に戻る。対して、S619にて、横移動が完了したと判定した場合、S604に戻る。
<大型車オフセット制御>
車線維持制御部51,53は、制御対象Tcが区画線Llから道路端Erに変化する場合に加えて、特定の対象物標(例えば、大型車AL等)を追い抜く場合にも、オフセット制御を実施する。具体的に、車線維持制御部51,53は、隣接車線を並走する大型車ALを追い抜くとき、この大型車ALから離れる方向に、自車車線Lns内での走行位置をオフセットさせる。車線維持制御部51,53は、こうした大型車オフセット制御に関連する制御情報を、HCU100に逐次提供する。
車線維持制御部51,53は、道路端Erへ向かうオフセット制御(以下、道路端オフセット制御)と、大型車オフセット制御との両方を併行実施できる。詳記すると、図16及び図17に示すように、車線維持制御部51,53は、途切れ区間Slにて道路端オフセット制御の実施中、自車が大型車ALを追い抜くとき、大型車オフセット制御をさらに実施する。以下、途切れ区間Slの走行中に大型車ALを追い抜くシーンでの表示遷移の詳細を、図16~図19に基づき、図3を参照しつつ説明する。
表示生成部74は、車線維持制御部51,53によって道路端オフセット制御が実施される場合(図16参照)、上述のオフセット開始表示(図14 下段参照)に相当する道路端オフセット表示(図18上段参照)を実施する。道路端オフセット表示には、対象強調コンテンツCTetと予想軌跡コンテンツCTpとが含まれている。対象強調コンテンツCTetは、区画線強調画像部LPr及び道路端強調画像部LPeを一体的に有しており、開始点Slsの奥側を横切るようにして、区画線Llの内側から道路端Erの内側に延伸している。予想軌跡コンテンツCTpは、開始点Slsの奥側にて道路端Er側(右側)に屈曲する形状を呈し、道路端オフセット制御における予定走行ラインPRLを前方路面に描き出す。
表示生成部74は、道路端オフセット制御での横移動の完了後、自車が大型車ALを追い抜く場合(図16参照)、上述のオフセット継続表示(図15 上段参照)に相当する大型車オフセット表示(図18 下段参照)を実施する。大型車オフセット表示には、対象強調コンテンツCTet(道路端強調画像部LPe)と、予想軌跡コンテンツCTpとが含まれている。道路端強調画像部LPeは、自車が道路端Erから外側に逸脱しないことをドライバに明示する。予想軌跡コンテンツCTpは、点滅されることなく表示を継続される。予想軌跡コンテンツCTpは、道路端強調画像部LPe側(右側)へ屈曲しつつ奥側に延伸する形状を呈し、大型車オフセット制御における予定走行ラインPRLを前方路面に描き出す。
車線維持制御部51,53は、自車が大型車ALを追い抜くと、大型車オフセット制御を解除しつつ、道路端オフセット制御を継続する(図17参照)。このとき表示生成部74は、大型車オフセット制御の解除予定を通知する大型車オフセット解除表示(図19 上段参照)を実施する。大型車オフセット解除表示にも、対象強調コンテンツCTet(道路端強調画像部LPe)と、予想軌跡コンテンツCTpとが含まれている。予想軌跡コンテンツCTpは、道路端強調画像部LPeの反対側(左型)へ屈曲しつつ奥側へ延伸する形状を呈し、大型車オフセット制御を解除する予定走行ラインPRLを前方路面に描き出す。
さらに、表示生成部74は、道路端オフセット制御が解除される場合、大型車オフセット制御の解除予定を通知する道路端オフセット解除表示(図19 下段参照)を実施する。道路端オフセット解除表示は、上述のオフセット解除表示(図15 下段参照)に相当する表示であり、対象強調コンテンツCTetとしての仮想区画線画像部LPv2と、予想軌跡コンテンツCTpとを含んでいる。予想軌跡コンテンツCTpは、再検出された一方の区画線Llの反対側(左側)へ屈曲しつつ奥側へ延伸する形状を呈し、道路端オフセット制御を解除する予定走行ラインPRLを前方路面に描き出す。
ここまで説明した第六実施形態でも、予定された制御対象Tcの変化がオフセット開始表示及びオフセット解除表示によってドライバに通知される。故に、制御対象Tcの切り替わりに起因する挙動変化へのドライバの不安は、抑制され得る。
加えて第六実施形態の表示生成部74は、区画線Llから道路端Erへの制御対象Tcの移行位置が画角VA外である場合、画角VA内に視認される区画線Llを強調する様態で対象強調コンテンツCTetを表示させる。こうした対象強調コンテンツCTetを含むオフセット予告表示(図14 中段参照)が、制御対象Tcの変化を予告する。以上によれば、制御対象Tcの切り替わりによる挙動変化が開始される以前に、ドライバは、十分な余裕をもって、挙動変化の実施予定を知ることができる。したがって、ドライバの不安は、いっそう抑制され得る。
また第六実施形態の表示生成部74は、区画線Llから道路端Erへと制御対象Tcが変わる場合、区画線強調画像部LPrとつなげた様態で道路端強調画像部LPeを重畳表示させる。このように、区画線Llを強調する区画線強調画像部LPrと、道路端Erを強調する道路端強調画像部LPeとを一体化させた対象強調コンテンツCTetを表示させることで、制御対象Tcの変化がドライバに分かり易く示され得る。
さらに第六実施形態の表示生成部74は、オフセット予告表示にて、対象強調コンテンツCTetを表示する場合に、予想軌跡コンテンツCTpを非表示にする。以上のように、画角VA内に表示させるコンテンツの数を制限する表示制御によれば、ドライバは、対象強調コンテンツCTetを認識し易くなる。その結果、制御対象Tcの変化がドライバに早期に把握されるようになり、ドライバの不安を抑制する効果がいっそう発揮され得る。
加えて第六実施形態では、道路端オフセット制御及び大型車オフセットが併行実施される場合でも、表示生成部74は、道路端オフセット表示及び大型車オフセット表示により各オフセット制御による自車の挙動変化を、ドライバに個別に報知できる。その結果、自車の挙動変化が繰り返されても、ドライバの不安を抑制する効果が発揮可能になる。
尚、第六実施形態において、対象強調コンテンツCTetが「制御対象コンテンツ」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態及び変形例について説明したが、本開示は、上記実施形態及び変形例に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記第一~第四実施形態のLTAコンテンツCTltは、2本線状を呈していた。また、上記第五実施形態のLTAコンテンツCTlt及び上記第六実施形態の対象強調コンテンツCTetは、1本線状を呈していた。以上のように、「制御対象コンテンツ」に相当するLTAコンテンツCTlt及び対象強調コンテンツCTetの描画形状等は、上記実施形態のものに限定されず、適宜変更されてよい。
例えば、上記実施形態の変形例1では、自車車線Lnsの路面のうちで、画角VA内となる範囲を全体的に塗り潰すような描画形状のLTAコンテンツCTltが表示される。また、上記実施形態の変形例2のLTAコンテンツCTltは、制御対象Tcに表示位置が関連付けられない非重畳コンテンツCTnとして表示される。
さらに、上記第六実施形態の変形例3では、検出が継続される他方(右側)の区画線Llを強調する区画線強調画像部LPrをさらに有する対象強調コンテンツCTetが、例えばオフセット開始表示及びオフセット解除表示等にて表示される。さらに、上記第六実施形態の変形例4では、オフセット予告表示における対象強調コンテンツCTetの表示が省略され、予想軌跡コンテンツCTpが、LTAコンテンツCTltとして制御対象の切り替り予定を報知する。
上記実施形態では、区画線Llに関連付けられる区画線強調画像部LPl,LPrと、道路端Erに関連付けられる道路端強調画像部LPeとは、互いに異なる様態で描画されていた。こうした各強調画像部の線幅、輝度及び表示色等は、互いに実質同一であってもよい。また、上記実施形態にて、補助的に実施されていた予告アイコンCTni及び予想軌跡コンテンツCTpの表示は、省略されてもよい。さらに、予想軌跡コンテンツCTpは、車線維持制御が実行状態である期間中、実質常に表示されてもよい。
上記第一~第五実施形態において、オフセット開始表示及びオフセット解除表示(オフセット終了表示)は、実質同一の内容とされていた。しかし、オフセット開始表示とオフセット解除表示は、互いに異なる内容とされてよい。一例として、予告アイコンCTni及び切り替えアニメーションは、オフセット開始表示にのみ表示され、オフセット解除表示では表示されなくてもよい。
車線維持制御部51,53にて実施される車線維持制御の内容は、適宜変更されてよい。例えば、車線維持制御部51,53は、途切れ区間Slにおいて、車両Aの横移動の発生を抑制するような予定走行ラインPRLを生成可能であってもよい。即ち、途切れ区間Slでの横方向への移動は、常に発生しなくてもよい。こうした形態であっても、横方向への移動を予め通知する効果は、発揮可能である。
一例として、車線維持制御部51,53は、途切れの発生していない区画線Llを基準として、当該区画線Llとの距離を維持するような車線維持制御を実施可能である。こうした車線維持制御において、車線維持制御部51,53は、自車左側の区画線Llに途切れが生じた場合、自車右側の区画線Llを基準として、それまでの右側区画線Llとの距離を維持しながら、走行を継続させることができる。こうした車線維持制御によれば、途切れ区間Slへの進入に伴う車両Aの横方向への移動は、発生し難くなる。
LTAコンテンツCTltによって切り替わりが通知される制御対象Tcは、路面上に形成され、路面に固定された道路標示に限定されてよい。即ち、路面上にある車両等、自力で移動可能な物標は、切り替わりを通知される制御対象Tcに含まれてなくてよい。
上記実施形態の車両Aには、運転支援ECU50及び自動運転ECU52の両方が搭載されていた。しかし、車線維持機能を有するECUは、1つのみであってもよい。上記実施形態の変形例5では、運転支援ECU50及び自動運転ECU52の両方の機能を備える1つのECUが設けられている。また上記実施形態の変形例6では、2つのECUのうちで運転支援ECU50のみが車両Aに搭載されている。さらに、上記実施形態の変形例7では、2つのECUのうちで自動運転ECU52のみが車両Aに搭載されている。
上記実施形態のLTAコンテンツCTltは、表示色、表示輝度、基準となる表示形状等の静的な要素、さらに、点滅の有無、点滅の周期、アニメーションの有無、及びアニメーションの動作等の動的な要素を適宜変更されてよい。また、LTAコンテンツCTltの静的又は動的な要素は、ドライバの嗜好に応じて変更可能であってよい。加えて、LTAコンテンツと異なる他のコンテンツが画角VA内に適宜表示されていてもよい。
上記実施形態のHCUは、ドライバから見て重畳対象に重畳コンテンツがずれなく重畳されるように、重畳コンテンツCTsとして結像される虚像光の投影形状及び投影位置を逐次制御していた。HCUは、こうした補正処理に、DSMにて検出されるアイポイントの位置情報と、通信バスに出力される車両の姿勢情報とを用いていた。しかし、HCUは、アイポイントの位置情報及び車両の姿勢情報のいずれか一方のみによって、虚像光の投影形状及び投影位置の補正制御を実施してもよい。またアイポイントの位置情報及び車両の姿勢情報を用いた虚像光の補正制御は、共に実施されなくてもよい。
HCUは、例えばHUDに設けられたジャイロセンサの検出情報をさらに用いて、重畳コンテンツとして結像される虚像光の投影形状及び投影位置を逐次制御してもよい。ジャイロセンサは、主に車両のピッチ方向の姿勢変化を検出する姿勢センサである。こうした姿勢センサの利用によれば、重畳コンテンツは、いっそう正確に重畳対象に重畳され得る。
変形例8のHUDのプロジェクタには、LCDパネル及びバックライトに替えて、EL(Electro Luminescence)パネルが設けられている。さらに、ELパネルに替えて、プラズマディスプレイパネル、ブラウン管及びLED等の表示器を用いたプロジェクタがHUD20には採用可能である。
変形例9のHUDには、LCD及びバックライトに替えて、レーザモジュール(以下、LSM)及びスクリーンが設けられている。LSMは、例えばレーザ光源及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スキャナ等を含む構成である。スクリーンは、例えばマイクロミラーアレイ又はマイクロレンズアレイである。こうしたHUDでは、LSMから照射されるレーザ光の走査により、スクリーンに表示像が描画される。HUDは、スクリーンに描画された表示像を、拡大光学素子によってウィンドシールドに投影し、虚像を空中表示させる。
変形例10のHUDには、DLP(Digital Light Processing,登録商標)プロジェクタが設けられている。DLPプロジェクタは、多数のマイクロミラーが設けられたデジタルミラーデバイス(以下、DMD)と、DMDに向けて光を投射する投射光源とを有している。DLPプロジェクタは、DMD及び投射光源を連携させた制御により、表示像をスクリーンに描画する。
さらに、変形例11のHUDでは、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)を用いたプロジェクタが採用されている。また変形例12のHUDには、虚像Viを空中表示させる光学系の一つに、ホログラフィック光学素子が採用されている。
上記実施形態の変形例13では、HCUとHUDとが一体的に構成されている。即ち、HUDの制御回路には、HCUの処理機能が実装されている。こうした変形例13では、HUDが、「表示制御装置」に相当する。また変形例14のHCUの処理機能は、メータECUに設けられている。こうしたメータECU以外にも、ナビゲーションECU及びディスプレイオーディオECU等に、HCUの処理機能が実装されてよい。こうした変形例14等では、メータ装置、ナビゲーション装置及びディスプレイオーディオ装置が「表示制御装置」に相当する。
上記第六実施形態等では、フロントカメラ31(周辺監視センサ30)の前方検出範囲が、アイポイントEPから見て画角VAと重なる前方路面範囲よりも車両前方に広くなっている。これにより、制御対象Tcの移行位置が画角VA内となる以前に、制御対象Tcの変化の予告が可能であった。しかし、変形例15のフロントカメラの前方検出範囲は、画角VAと重なる前方路面範囲より、自車側に狭く規定されていてもよい。こうした変形例15では、オフセット予告表示及び顔所予告表示は、省略される。
上記実施形態の変形例16では、フロントカメラ31の撮像データであって、自車の前景を撮像した撮像データを取得するカメラ画像取得部が、HCU100に設けられている。表示生成部74は、撮像データに基づく前景のリアル画像に、LTAコンテンツCTlt等の元画像を重ねてなる映像データを生成する。こうした映像データに基づき、HUD20は、リアル画像に各コンテンツを重ねた映像を、前景に虚像として表示させる。以上のように、HUD20の画角VAが十分でない場合、AR表示に用いられるコンテンツ等の元画像をリアル画像に重ねた虚像表示が実施されてもよい。
上記実施形態にて、HCUによって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
また、上記の表示制御方法を実現可能なプログラム(表示制御プログラム及び車両用プログラム)等を記憶する記憶媒体の形態も、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、HCUの制御回路に電気的に接続される構成であってよい。さらに、記憶媒体は、HCUへのプログラムのコピー基となる光学ディスク及びのハードディスクドライブ等であってもよい。
HMIシステムを搭載する車両は、一般的な自家用の乗用車に限定されず、レンタカー用の車両、有人タクシー用の車両、ライドシェア用の車両、貨物車両及びバス等であってもよい。
HMIシステムを搭載する車両は、右ハンドル車両であってもよく、又は左ハンドル車両であってもよい。さらに、車両が走行する交通環境は、左側通行を前提とした交通環境であってもよく、右側通行を前提とした交通環境であってもよい。本開示によるコンテンツ表示は、それぞれの国及び地域の道路交通法、さらに車両のハンドル位置等に応じて適宜最適化される。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(付記1-1)
路面情報に基づき特定される走路内での走行が継続されるよう運転制御を行う車線維持機能を備える車両(A)において用いられ、ヘッドアップディスプレイ(20)による表示を制御する表示制御装置であって、
前記運転制御に用いられる路面上の制御対象(Tc)を示す対象情報を取得する情報取得部(72)と、
前記運転制御に用いられる前記制御対象が変わる場合に、前記制御対象の変化を示す制御対象コンテンツ(CTlt,CTet)を表示させる表示制御部(74)と、
を備える表示制御装置。
(付記1-11)
路面情報に基づき特定される走路内での走行が継続されるよう運転制御を行う車線維持機能を備える車両(A)において用いられ、ヘッドアップディスプレイ(20)による表示を制御する表示制御プログラムであって、
少なくとも一つの処理部(11)に、
前記運転制御に用いられる路面上の制御対象(Tc)を示す対象情報を取得し(S104,S204)、
前記運転制御に用いられる前記制御対象が変わる場合に、前記制御対象の変化を示す制御対象コンテンツ(CTlt,CTet)を表示させる(S108,S209)、
ことを含む処理を実施させる表示制御プログラム。
(付記1-12)
車両(A)において用いられ、ヘッドアップディスプレイ(20)による表示を制御する車載システムであって、
路面情報に基づき特定される走路内での走行が継続されるよう運転制御を行う車線維持制御部(51,53)と、
前記運転制御に用いられる路面上の制御対象(Tc)を示す対象情報を取得する情報取得部(72)と、
前記運転制御に用いられる前記制御対象が変わる場合に、前記制御対象の変化を示す制御対象コンテンツ(CTlt,CTet)を表示させる表示制御部(74)と、
を備える車載システム。