以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
本開示の第一実施形態による表示制御装置の機能は、図1~図3に示すHCU(Human Machine Interface Control Unit)100によって実現されている。HCU100は、車両Aにおいて用いられるHMI(Human Machine Interface)システム10を、ヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)20及びメータディスプレイ23等の車載表示デバイス等と共に構成している。加えてHMIシステム10は、操作デバイス26及びドライバステータスモニタ(以下、DSM)27等をさらに含む構成である。HMIシステム10は、車両Aの乗員(例えばドライバ等)によるユーザ操作を受け付ける入力インターフェース機能と、ドライバへ向けて情報を提示する出力インターフェース機能とを備えている。
HMIシステム10は、車両Aに搭載された車載ネットワーク1の通信バス99に通信可能に接続されている。HMIシステム10は、車載ネットワーク1に設けられた複数のノードのうちの一つである。車載ネットワーク1の通信バス99には、周辺監視センサ30、ロケータ40、DCM49、運転支援ECU(Electronic Control Unit)50、自動運転ECU52、及びナビゲーション装置55等がノードとして接続されている。通信バス99に接続されたこれらのノードは、相互に通信可能である。これら装置及び各ECUのうちの特定ノード同士は、相互に直接的に電気接続され、通信バス99を介することなく通信を実施可能であってよい。
尚、以下の説明における前後(図2 前方Ze及び後方Go参照)及び左右(図2 側方Yo参照)の各方向は、水平面上に静止させた車両Aを基準として規定される。具体的に、前後方向は、車両Aの長手方向(進行方向)に沿って規定される。また左右方向は、車両Aの幅方向に沿って規定される。さらに、上下(図2 上方Ue及び下方Si参照)の方向は、前後方向及び左右方向を規定した水平面の鉛直方向に沿って規定される。また、記載の簡略化のため、各方向を示す符号の記載を適宜省略する場合がある。
周辺監視センサ30は、車両Aの周辺環境を監視する自律センサである。周辺監視センサ30は、自車周囲の検出範囲から、歩行者、サイクリスト、人間以外の動物、及び他車両等の移動物体、さらに路上の落下物、ガードレール、縁石、道路標識、走行区画線等の路面表示、及び道路脇にある構造物等の静止物体、を検出可能である。周辺監視センサ30は、車両Aの周囲の物体を検出した検出情報を、通信バス99を通じて、運転支援ECU50及び自動運転ECU52等に提供する。
周辺監視センサ30は、物体検出のための検出構成として、フロントカメラ31及びミリ波レーダ32を有している。フロントカメラ31は、車両Aの前方範囲を撮影した撮像データ、及び撮像データの解析結果の少なくとも一方を、検出情報として出力する。ミリ波レーダ32は、例えば車両Aの前後の各バンパーに互いに間隔を開けて複数配置されている。ミリ波レーダ32は、ミリ波又は準ミリ波を、車両Aの前方範囲、前側方範囲、後方範囲及び後側方範囲等へ向けて照射する。ミリ波レーダ32は、移動物体及び静止物体等で反射された反射波を受信する処理により、検出情報を生成する。尚、ライダ及びソナー等の検出構成が、周辺監視センサ30に含まれていてもよい。
ロケータ40は、複数の取得情報を組み合わせる複合測位により、車両Aの高精度な位置情報等を生成する。ロケータ40は、例えば複数車線のうちで、車両Aが走行する車線を特定可能である。ロケータ40は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信器41、慣性センサ42、高精度地図データベース(以下、高精度地図DB)43、及びロケータECU44を含む構成である。
GNSS受信器41は、複数の人工衛星(測位衛星)から送信された測位信号を受信する。GNSS受信器41は、GPS、GLONASS、Galileo、IRNSS、QZSS、Beidou等の衛星測位システムのうちで、少なくとも一つの衛星測位システムの各測位衛星から、測位信号を受信可能である。
慣性センサ42は、例えばジャイロセンサ及び加速度センサを有している。高精度地図DB43は、不揮発性メモリを主体に構成されており、ナビゲーション装置55にて用いられる地図データよりも高精度な地図データ(以下、高精度地図データ)を記憶している。高精度地図データは、少なくとも高さ(z)方向の情報について、詳細な情報を保持している。高精度地図データには、道路の三次元形状情報、レーン数情報、各レーンに許容された進行方向を示す情報等、高度運転支援及び自動運転に利用可能な情報が含まれている。
ロケータECU44は、プロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えたマイクロコンピュータを主体として含む構成である。ロケータECU44は、GNSS受信器41で受信する測位信号、慣性センサ42の計測結果、及び通信バス99に出力された車速情報等を組み合わせ、車両Aの自車位置及び進行方向等を逐次測位する。ロケータECU44は、測位結果に基づく車両Aの位置情報及び方角情報を、通信バス99を通じて、ナビゲーション装置55、HCU100、運転支援ECU50及び自動運転ECU52等に提供する。加えてロケータECU44は、HCU100、運転支援ECU50及び自動運転ECU52等からの要求に応じて、該当する高精度地図データを高精度地図DB43から読み出し、要求元となるECUに提供する。
DCM(Data Communication Module)49は、車両Aに搭載される通信モジュールである。DCM49は、LTE(Long Term Evolution)及び5G等の通信規格に沿った無線通信により、車両Aの周囲の基地局との間で電波を送受信する。DCM49の搭載により、車両Aは、インターネットに接続可能なコネクテッドカーとなる。DCM49は、クラウド上に設けられたプローブサーバから、最新の高精度地図データを取得可能である。DCM49は、ロケータECU44と連携して、高精度地図DB43に格納された高精度地図データを、最新の情報に更新する。
運転支援ECU50及び自動運転ECU52は、それぞれプロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。運転支援ECU50は、ドライバの運転操作を支援する運転支援機能を備えている。自動運転ECU52は、ドライバの運転操作を代行可能な自動運転機能を備えている。一例として、米国自動車技術会の規定する自動運転レベルにおいて、運転支援ECU50は、レベル2以下の部分的な自動走行制御(高度運転支援)を可能にする。一方、自動運転ECU52は、レベル3以上の自動走行制御を可能にする。
運転支援ECU50及び自動運転ECU52は、それぞれ周辺監視センサ30から取得する検出情報に基づき、後述の運転制御のために車両Aの周囲の走行環境を認識する。各ECU50,52は、走行環境認識のために実施した検出情報の解析結果を、解析済みの検出情報として、HCU100に提供する。一例として、各ECU50,52は、走路の境界に関する境界情報として、車両Aが現在走行する車線(以下、「自車車線Lns」,図7参照)の左右の区画線又は道路端の相対位置及び形状を示す情報を、HCU100に提供可能である。ここで言う左右の方向は、上述したように、水平面上に静止した車両Aの幅方向と一致する方向であり、車両Aの進行方向を基準として設定される。
運転支援ECU50は、プロセッサによるプログラムの実行により、高度運転支援を実現する複数の機能部を有する。具体的に、運転支援ECU50は、ACC(Adaptive Cruise Control)制御部及び車線維持制御部51を有する。ACC制御部は、目標車速で車両Aを定速走行させるか、又は前走車との車間距離を維持しつつ車両Aを追従走行させるACCの機能を実現する機能部である。
車線維持制御部51は、LTA(Lane Tracing Assist)の機能を実現する機能部である。LTAは、LTC(Lane Trace Control)とも呼称される。車線維持制御部51は、フロントカメラ31の撮像データから抽出される区画線又は道路端の位置及び形状情報に基づき、車両Aの操舵輪の舵角を制御する。車線維持制御部51は、走行中の自車車線Lns(図7参照)の中央を車両Aが走行するように、当該自車車線Lnsに沿う形状の予定走行ラインPRL(図4参照)を生成する。車線維持制御部51は、ACC制御部と連携し、予定走行ラインPRLに従い、車両Aを自車車線Lns内で走行させる運転制御(以下、車線維持制御)を行う。
自動運転ECU52は、プロセッサによるプログラムの実行により、車両Aの自律走行を実現する複数の機能部を有する。自動運転ECU52は、ロケータ40より取得する高精度地図データ及び自車位置情報と、周辺監視センサ30より取得する検出情報とに基づき、予定走行ラインPRL(図4参照)を生成する。自動運転ECU52は、予定走行ラインPRLに沿って車両Aが走行するように、加減速制御及び操舵制御等を実行する。
以上の自動運転ECU52にて、運転支援ECU50の車線維持制御部51と実質的に同一の車線維持制御、即ち、自車車線Lns内で車両Aを走行させる機能部を、便宜的に車線維持制御部53とする。ユーザは、車線維持制御部51,53のうちの一方を排他的に利用可能である。
車線維持制御部51,53は、例えば操作デバイス26へのユーザ操作に基づいて車線維持制御が起動されると、車線維持制御に関連する車線維持制御情報を、通信バス99を通じて、HCU100に逐次提供する。車線維持制御情報には、車線維持制御の作動状態を示すステータス情報、及び予定走行ラインPRLの形状を示すライン形状情報が、少なくとも含まれている。
ステータス情報は、車線維持制御の機能について、オフ状態、待機状態、及び実行状態のいずれであるかを示す情報である。待機状態は、車線維持制御が起動しているものの、運動制御を実施していない場合である。一方で、実行状態は、実行条件の成立に基づき、運転制御がアクティブとされた状態である。実行条件は、例えば両側の区間線を認識できている等である。ライン形状情報には、予定走行ラインPRLの形状を規定する複数の特定点の三次元座標、並びに特定点を接続する仮想線の長さ及び曲率半径等が少なくとも含まれている。
尚、ライン形状情報は、多数の座標情報を含む内容とされてよい。各座標情報は、予定走行ラインPRL上に並ぶポイントを、所定の間隔で示す情報である。こうしたデータ形式のライン形状情報であっても、HCU100は、多数の座標情報から、予定走行ラインPRLの形状を復元可能となる。
ナビゲーション装置55は、HMIシステム10と連携し、乗員によって設定された目的地までのルート案内を実施する車載装置である。ナビゲーション装置55は、ナビゲーション用の地図データベース(以下、ナビ地図DB)56及びナビゲーションECU57等を含んでいる。ナビ地図DB56は、不揮発性メモリを主体に構成されており、高精度地図DB43よりも広範囲の地図データを網羅的に記憶している。ナビ地図DB56に格納されたナビ地図データには、道路についてのリンクデータ、ノードデータ、及び形状データ等が記載されている。
ナビゲーションECU57は、プロセッサ、RAM、記憶部、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えたマイクロコンピュータを主体として含む構成である。ナビゲーションECU57は、車両Aの位置情報及び方角情報を、通信バス99を通じてロケータECU44より取得する。ナビゲーションECU57は、操作デバイス26に入力された操作情報に基づき、ドライバ操作に基づく目的地を設定する。ナビゲーションECU57は、目的地までの複数経路を、例えば時間優先及び距離優先等の条件を満たすように探索する。探索された複数経路のうちの一つが選択されると、ナビゲーションECU57は、当該設定経路に基づく経路情報を、通信バス99を通じてHCU100に提供する。
加えてナビゲーションECU57は、設定経路に含まれた右左折を行う交差点及び分岐ポイント等の案内地点GPに車両Aが接近すると、案内実施要求及び誘導実施要求を、HCU100へ向けて順次出力する。案内地点GPは、一例として交差点区間及び分岐可能区間の各中央に設定される。尚、案内地点GPは、交差点区間及び分岐可能区間の各手前側又は各奥側に設定されてもよい。
案内実施要求及び誘導実施要求は、ドライバへの経路案内に用いられる案内情報であり、具体的には、案内地点GPの位置情報と、案内地点GPにて車両Aが進むべき方向を示す情報とを含んでいる。案内実施要求は、車両Aから案内地点GPまでの残距離Lr(図4参照)が第一の距離(例えば700m程度)未満となったタイミングで出力される。誘導実施要求は、案内地点GPまでの残距離Lrが第二の距離(例えば300m程度)未満となったタイミングで出力される。HCU100は、ナビゲーションECU57からの案内実施要求及び誘導実施要求の取得に基づき、経路案内に関連した情報提示を実施する。尚、画角内距離は、案内地点GPがHUD20の画角VA(後述する)内に入る距離か、又は当該距離よりも僅かに長い程度の距離に設定される。
次に、HMIシステム10に含まれる操作デバイス26、DSM27、メータディスプレイ23、HUD20及びHCU100の各詳細を順に説明する。
操作デバイス26は、ドライバ等によるユーザ操作を受け付ける入力部である。操作デバイス26には、例えば運転支援機能及び自動運転機能等について、起動及び停止の切り替えを行うユーザ操作が入力される。具体的には、ステアリングホイールのスポーク部に設けられたステアスイッチ、ステアリングコラム部8に設けられた操作レバー、及びドライバの発話を検出する音声入力装置等が、操作デバイス26に含まれる。
DSM27は、近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニットとを含む構成である。DSM27は、運転席のヘッドレスト部に近赤外カメラを向けた姿勢にて、例えばステアリングコラム部8の上面又はインスツルメントパネル9の上面等に設置されている。DSM27は、近赤外光源によって近赤外光を照射されたドライバの頭部を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによる撮像画像は、制御ユニットによって画像解析される。制御ユニットは、アイポイントEPの位置及び視線方向等の情報を撮像画像から抽出し、抽出した状態情報をHCU100へ向けて逐次出力する。
メータディスプレイ23は、運転席の正面に設置された車載表示デバイスである。メータディスプレイ23は、液晶ディスプレイ又はOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等を主体とする構成である。メータディスプレイ23は、HCU100と電気的に接続されており、HCU100によって生成された映像データを逐次取得する。メータディスプレイ23は、映像データに基づき、車両Aに関連する種々の情報を、表示画面に表示させた種々の画像によってドライバに提示する。
HUD20は、メータディスプレイ23及びセンタインフォメーションディスプレイ等と共に、複数の車載表示デバイスの一つとして、車両Aに搭載されている。HUD20は、HCU100と電気的に接続されており、HCU100によって生成された映像データを逐次取得する。HUD20は、映像データに基づき、例えばルート情報、標識情報、及び各車載機能の制御情報等、車両Aに関連する種々の情報を、虚像Viを用いてドライバに提示する。
HUD20は、ウィンドシールドWSの下方にて、インスツルメントパネル9内の収容空間に収容されている。HUD20は、虚像Viとして結像される光を、ウィンドシールドWSの投影範囲PAへ向けて投影する。ウィンドシールドWSに投影された光は、投影範囲PAにおいて運転席側へ反射され、ドライバによって知覚される。ドライバは、投影範囲PAを通して見える前景に、虚像Viが重畳された表示を視認する。
HUD20は、プロジェクタ21及び拡大光学系22を備えている。プロジェクタ21は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル及びバックライトを有している。プロジェクタ21は、LCDパネルの表示面を拡大光学系22へ向けた姿勢にて、HUD20の筐体に固定されている。プロジェクタ21は、映像データの各フレーム画像をLCDパネルの表示面に表示し、当該表示面をバックライトによって透過照明することで、虚像Viとして結像される光を拡大光学系22へ向けて射出する。拡大光学系22は、合成樹脂又はガラス等からなる基材の表面にアルミニウム等の金属を蒸着させた凹面鏡を、少なくとも一つ含む構成である。拡大光学系22は、プロジェクタ21から射出された光を反射によって広げつつ、上方の投影範囲PAに投影する。
以上のHUD20には、画角VAが設定される。HUD20にて虚像Viを結像可能な空間中の仮想範囲を結像面ISとすると、画角VAは、運転者のアイポイントEPと結像面ISの外縁とを結ぶ仮想線に基づき規定される視野角である。画角VAは、アイポイントEPから見て、運転者が虚像Viを視認できる角度範囲となる。HUD20では、垂直方向における垂直画角(例えば4~5°程度)よりも、水平方向における水平画角(例えば10~12°程度)の方が大きくされている。アイポイントEPから見たとき、結像面ISと重なる前方範囲(例えば十数m~100m程度の範囲)が画角VA内の範囲となる。
HUD20は、重畳コンテンツCTs(図7等参照)及び非重畳コンテンツCTn(図8等参照)を、虚像Viとして表示する。重畳コンテンツCTsは、拡張現実(Augmented Reality,以下、AR)表示に用いられるAR表示物である。重畳コンテンツCTsの表示位置は、例えば路面の特定位置、前方車両、歩行者及び道路標識等、前景に存在する特定の重畳対象に関連付けられている。重畳コンテンツCTsは、前景中にある特定の重畳対象に重畳表示され、当該重畳対象に相対固定されているように、重畳対象を追って、ドライバの見た目上で移動可能である。即ち、ドライバのアイポイントEPと、前景中の重畳対象と、重畳コンテンツCTsとの相対的な位置関係は、継続的に維持される。そのため、重畳コンテンツCTsの形状は、重畳対象の相対位置及び形状に合わせて、所定の周期で更新され続ける。重畳コンテンツCTsは、非重畳コンテンツCTnよりも水平に近い姿勢で表示され、例えばドライバから見た奥行き方向に延伸した表示形状とされる。
非重畳コンテンツCTnは、前景に重畳表示される表示物のうちで、重畳コンテンツCTsを除いた非AR表示物である。非重畳コンテンツCTnは、重畳コンテンツCTsとは異なり、重畳対象を特定されないで、前景に重畳表示される。非重畳コンテンツCTnの表示位置は、特定の重畳対象に関連付けられていない。非重畳コンテンツCTnの表示位置は、投影範囲PA(上述の画角VA)内の決まった位置とされる。故に、非重畳コンテンツCTnは、ウィンドシールドWS等の車両構成に相対固定されているように表示される。加えて非重畳コンテンツCTnの形状は、実質的に一定とされる。尚、車両Aと重畳対象との位置関係に起因し、非重畳コンテンツCTnであっても、重畳コンテンツCTsの重畳対象に重畳表示されてよい。
HCU100は、HMIシステム10において、HUD20を含む複数の車載表示デバイスによる表示を統合的に制御する電子制御装置である。HCU100及びHUD20等は、虚像表示システムを構成している。
HCU100は、処理部11、RAM12、記憶部13、入出力インターフェース14、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。処理部11は、RAM12と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部11は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。処理部11は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、NPU(Neural network Processing Unit)及び他の専用機能を備えたIPコア等をさらに含む構成であってよい。RAM12は、映像生成のためのビデオRAMを含む構成であってよい。処理部11は、RAM12へのアクセスにより、後述する各機能部の機能を実現するための種々の処理を実行する。記憶部13は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部13には、処理部11によって実行される種々のプログラム(表示制御プログラム等)が格納されている。
HCU100は、記憶部13に記憶された表示制御プログラムを処理部11によって実行することで、HUD20によるコンテンツの重畳表示を制御するための複数の機能部を有する。具体的に、HCU100には、視点位置特定部71、案内情報取得部72、ロケータ情報取得部73、制御情報取得部74及び表示生成部76等の機能部が構築される。
視点位置特定部71は、DSM27から取得する状態情報に基づき、運転席に着座しているドライバのアイポイントEPの位置を特定する。視点位置特定部71は、アイポイントEPの位置を示す三次元の座標(以下、アイポイント座標)を生成し、生成したアイポイント座標を、表示生成部76に逐次提供する。
案内情報取得部72は、ナビゲーション装置55に目的地が設定されている場合に、目的地までのルート案内に用いられる経路情報を取得する。加えて案内情報取得部72は、案内地点GPへの接近に伴い、ナビゲーションECU57によって出力される案内実施要求及び誘導実施要求を取得する。
ロケータ情報取得部73は、車両Aについての最新の位置情報及び方角情報を、自車位置情報としてロケータECU44から取得する。加えてロケータ情報取得部73は、車両Aの周辺範囲の高精度地図データを、ロケータECU44から取得する。ロケータ情報取得部73は、取得した自車位置情報及び高精度地図データを、表示生成部76に逐次提供する。尚、車両Aの周辺範囲の高精度地図データをロケータ情報取得部73が取得できない場合、案内情報取得部72は、ナビ地図データをナビ地図DB56から取得してもよい。
制御情報取得部74は、各車線維持制御部51,53によって通信バス99に出力されるステータス情報及びライン形状情報を取得する。加えて制御情報取得部74は、運転支援ECU50及び自動運転ECU52の少なくとも一方から、自車車線Lnsの境界情報を取得する。制御情報取得部74は、ステータス情報、ライン形状情報及び境界情報を表示生成部76に逐次提供する。
尚、制御情報取得部74は、運転支援ECU50又は自動運転ECU52から取得する解析結果としての境界情報に替えて、フロントカメラ31の撮像データを取得してもよい。この場合、制御情報取得部74は、自車車線Lnsの左右の区画線又は道路端を、撮像データから抽出する処理により、境界情報を取得する。
表示生成部76は、HUD20に逐次出力される映像データを生成することで、HUD20によるドライバへの情報提示を制御する。表示生成部76は、虚像Viとして表示される各コンテンツの元画像を、映像データを構成する個々のフレーム画像に描画する。表示生成部76は、重畳コンテンツCTs(図7等参照)の元画像をフレーム画像に描画する場合、アイポイントEP及び重畳対象の各位置に応じて、フレーム画像における元画像の描画位置及び描画形状を補正する。以上により、重畳コンテンツCTsは、アイポイントEPから見たとき、重畳対象に正しく重畳される位置及び形状で表示されるようになる。
表示生成部76は、上述の映像データの生成機能を実現するため、仮想レイアウト機能及びコンテンツ選定機能をさらに有している。仮想レイアウト機能は、表示生成部76に提供される種々の情報に基づき、重畳コンテンツCTsの表示レイアウトをシミュレーションする機能である。表示生成部76は、いずれかの車線維持制御部51,53の車線維持制御がオン状態となったことを示すステータス情報を取得した場合に、自車位置情報、高精度地図データ及び検出情報等に基づき、車両Aの現在の走行環境を仮想空間中に再現する。
詳記すると、図2~図4に示すように、表示生成部76は、仮想の三次元空間の基準位置に自車オブジェクトAOを設定する。表示生成部76は、高精度地図データの示す形状の道路モデルを、自車位置情報に基づき、自車オブジェクトAOに関連付けて、三次元空間にマッピングする。表示生成部76は、ライン形状情報に基づく形状の予定走行ラインPRLを、道路モデル上に設定する。
加えて表示生成部76は、自車オブジェクトAOに関連付けて、仮想カメラ位置CP及び重畳範囲SAを設定する。仮想カメラ位置CPは、運転者のアイポイントEPに対応する仮想位置である。表示生成部76は、視点位置特定部71にて取得される最新のアイポイント座標に基づき、自車オブジェクトAOに対する仮想カメラ位置CPを逐次補正する。重畳範囲SAは、虚像Viの重畳表示が可能となる範囲である。表示生成部76は、仮想カメラ位置CPと、記憶部13(図1参照)等に予め記憶された結像面ISの外縁位置(座標)情報とに基づき、仮想カメラ位置CPから前方を見たときに結像面ISの内側となる前方範囲を、重畳範囲SAとして設定する。重畳範囲SAは、HUD20の画角VAに対応している。
さらに表示生成部76は、三次元空間の道路モデルの路面上に、第一仮想オブジェクトVO1及び第二仮想オブジェクトVO2を配置可能である。第一仮想オブジェクトVO1は、後述する予想軌跡コンテンツCTp(図10参照)の形状を規定するオブジェクトである。第一仮想オブジェクトVO1は、予想軌跡コンテンツCTpを虚像表示させる場合に、仮想空間中に設定される。第一仮想オブジェクトVO1は、境界情報に基づき、予定走行ラインPRLが敷かれた走路の左右境界の内側となる各位置に、帯状に延伸する形状で、一つずつ配置される。
第二仮想オブジェクトVO2は、後述する経路案内コンテンツCTgs(図10参照)の形状を規定するオブジェクトである。第二仮想オブジェクトVO2は、経路案内コンテンツCTgsを虚像表示させる場合に、仮想空間中に設定される。第二仮想オブジェクトVO2は、第一仮想オブジェクトVO1と同様に、仮想空間中に一対設けられる。各第二仮想オブジェクトVO2は、第一仮想オブジェクトVO1の各内側を基端とし、経路情報の示す方向へ向けて、帯状に延伸する。以上の各仮想オブジェクトVO1,VO2を仮想カメラ位置CPから見た形状が、アイポイントEPから視認される各コンテンツCTp,CTgsの虚像形状となる。
コンテンツ選定機能は、情報提示に用いるコンテンツを選定する機能である。表示生成部76は、例えば車線維持制御の機能がアクティブとされると、表示レイアウトのシミュレーション結果に基づき、映像データに描画するコンテンツを選択する。表示生成部76は、重畳コンテンツCTs及び非重畳コンテンツCTnを使い分け、車線維持制御及び経路案内の各関連情報をドライバに提示する。
具体的に、表示生成部76は、図5及び図6に示すタイミングにて、予想軌跡表示DP1(図7及び図13参照)、経路予告表示DP2(図8及び図9参照)、経路誘導表示DP3(図10参照)等を提示する。さらに、表示生成部76は、ドライバが経路案内に従わない場合には、地点通過表示DP4(図11参照)等を提示し、ドライバが経路案内に従った場合には、車線変更実行中表示(以下、LC実行中表示DP5,図12参照)等を提示する。これらの表示DP1~DP5には、予想軌跡コンテンツCTp(図7~図11及び図13参照)、経路案内アイコンCTgn(図8及び図9参照)及び経路案内コンテンツCTgs(図8,図10~図12参照)等の虚像Viが含まれている。
図7に示す予想軌跡表示DP1は、車線維持制御部51,53のいずれかにて、車線維持制御がアクティブな状態であることを示す表示である。予想軌跡表示DP1には、予想軌跡コンテンツCTpが含まれている。予想軌跡コンテンツCTpは、前景中の自車車線Lnsの路面に重畳表示される重畳コンテンツCTsである。予想軌跡コンテンツCTpは、自車車線Lnsの両縁近傍が重畳対象とされた左境界ラインCTpl及び右境界ラインCTprを含んでいる。
左境界ラインCTpl及び右境界ラインCTprは、上述の各第一仮想オブジェクトVO1(図4参照)に基づき、それぞれ描画位置及び描画形状を決定される。左境界ラインCTplは、自車車線Lnsの左側の区画線に沿って、自車側から進行方向へ向けて細帯状に延伸する形状となる。右境界ラインCTprは、自車車線Lnsの右側の区画線に沿って、自車側から進行方向へ向けて細帯状に延伸する形状となる。各境界ラインCTpl,CTprは、仮想の道路ペイントのように、路面に沿った姿勢にて路面に貼り付くように表示される。各境界ラインCTpl,CTprは、自車車線Lnsが直線状である場合には直線状となり、自車車線Lnsがカーブ状である場合には、カーブ形状に沿った湾曲形状となる。各境界ラインCTpl,CTprは、車両Aの走行に合わせて、アイポイントEP(図2参照)から見える路面形状に適合するように、所定の更新周期で描画形状を更新される。
以上の予想軌跡コンテンツCTpは、区画線に沿って延伸する各境界ラインCTpl,CTprの表示により、車線維持制御部51,53が車両Aの走行位置を自車車線Lns内に制御していることを示す。加えて予想軌跡コンテンツCTpは、車線維持制御によって走行する車両Aの予想軌跡と、車線維持制御部51,53にて走行可能と認識されている範囲(以下、走行可能範囲)とを示すことができる。
表示生成部76は、車線維持制御がアクティブな状態にて、HUD20によって予想軌跡コンテンツCTpを表示させると共に、メータディスプレイ23によってLTAインジケータItcを表示させる。LTAインジケータItcは、車線維持制御の動作状態を示す画像部である。一例として、LTAインジケータItcは、自車の左右の区画線を模した区画線画像を含むことで、車線維持制御が正常に動作していることを示す。第一実施形態において、LTAインジケータItcの表示及び非表示の切り替えは、予想軌跡コンテンツCTpと同期している(図5及び図6参照)。
図8及び図9に示す経路予告表示DP2は、案内地点GPの接近をドライバ等に前もって通知する表示である。表示生成部76は、案内情報取得部72による案内実施要求の取得に基づき、案内地点GPが画角VA外となっているタイミングで、予想軌跡表示DP1(図7参照)から経路予告表示DP2への切り替えを実施する(図5及び図6参照)。具体的に、経路予告表示DP2への表示遷移は、案内情報取得部72による案内実施要求の取得後、車両Aから案内地点GPまでの残距離Lrが特定距離(以下、案内開始距離,700~300m程度,一例として300m)となったタイミングで実施される。車線維持制御がアクティブな状態で案内地点GPが車両Aに接近した場合、経路予告表示DP2には、上述の予想軌跡コンテンツCTpに加えて、経路案内アイコンCTgn及び経路案内コンテンツCTgsが含まれる(図8参照)。尚、経路案内アイコンCTgn及び経路案内コンテンツCTgsのうちで、経路案内アイコンCTgnのみが予想軌跡コンテンツCTpと共に表示される経路予告表示DP2が実施されてもよい(図9参照)。言い換えれば、経路予告表示DP2に経路案内コンテンツCTgsが含まれなくてもよい。
経路案内アイコンCTgnは、非重畳コンテンツCTnである。経路案内アイコンCTgnは、例えば画角VA内の中央に表示され、主に走路の路面に重畳された状態で、ドライバに視認される。経路案内アイコンCTgnは、ドライバに対して正対するように、予想軌跡コンテンツCTpよりも路面に対して起きた姿勢で表示される。経路案内アイコンCTgnは、矢印状画像部及び外周画像部を含んでいる。矢印状画像部は、案内情報に基づき、案内地点GPにて車両Aが向かうべき方向を指し示す。外周画像部は、矢印形画像部の周囲を円環状に囲んでいる。経路案内アイコンCTgnは、経路予告表示DP2にて主要な役割を果たすコンテンツであり、案内地点GPにて車両Aが進むべき経路を案内する。
経路案内コンテンツCTgsは、重畳コンテンツCTsであって、前景中の自車車線Lnsの路面において、予想軌跡コンテンツCTpの内側に重畳表示される。経路案内コンテンツCTgsは、自車車線Lnsの両縁近傍が重畳対象とされた左案内ラインCTgl及び右案内ラインCTgrを含んでいる。左案内ラインCTgl及び右案内ラインCTgrは、上述の各第二仮想オブジェクトVO2(図4参照)に基づき、それぞれ描画形状を決定される。各案内ラインCTgl,CTgrは、経路情報に基づく移動先方向へ向けて、自車側から細帯状に延伸する形状とされる。各案内ラインCTgl,CTgrは、路面に沿った姿勢で、路面に貼り付くように表示される。案内地点GPが画角VA外となる経路予告表示DP2において、各案内ラインCTgl,CTgrは、各境界ラインCTpl,CTprと並ぶ配置にて、走路である自車車線Lnsに沿って進行方向に延伸する形状となっている。表示生成部76は、自車側から進行方向へ向けて各案内ラインCTgl,CTgrが繰り返し伸びるアニメーション、又は自車側から進行方向へ向けて各案内ラインCTgl,CTgrが繰り返し流れるアニメーションを表示させてもよい。
以上の経路案内アイコンCTgn及び経路案内コンテンツCTgsは、予想軌跡コンテンツCTpとは異なる様態で表示される。具体的に、経路案内アイコンCTgn及び経路案内コンテンツCTgsの表示色及び表示輝度の少なくとも一方は、予想軌跡コンテンツCTpとは異なっている。一例として、経路案内アイコンCTgn及び経路案内コンテンツCTgsは、白色及び青色の一方にて表示され、予想軌跡コンテンツCTpは、白色及び青色の他方にて表示される。また別の一例として、経路案内アイコンCTgn及び経路案内コンテンツCTgsは、予想軌跡コンテンツCTpよりも高い表示輝度で表示される。さらに、経路案内アイコンCTgnは、点滅表示されてもよい。
図10に示す経路誘導表示DP3は、案内地点GPにおける操舵操作の実施を、ドライバに促す表示である。表示生成部76は、案内情報取得部72による誘導実施要求の取得に基づき、案内地点GPが画角VA内に移動する直前のタイミングで、経路予告表示DP2(図8参照)から経路誘導表示DP3への切り替えを実施する(図5及び図6参照)。具体的に、経路誘導表示DP3への表示遷移は、案内情報取得部72による誘導実施要求の取得後、車両Aから案内地点GPまでの残距離Lrが特定距離(以下、画角内距離,300~150m程度,一例として150m)となったタイミングで実施される。車線維持制御がアクティブな状態で案内地点GPに到達した場合、経路誘導表示DP3には、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsが共に含まれている。
予想軌跡コンテンツCTpは、予想軌跡表示DP1(図7参照)及び経路予告表示DP2(図8参照)に含まれる場合と同様に、左右の区画線に沿って延伸する各境界ラインCTpl,CTprを含んでいる。予想軌跡コンテンツCTpは、車線維持制御部51,53のいずれかによって運転制御された車両Aの将来の予想軌跡を示している。
経路案内コンテンツCTgsは、案内情報に基づき、案内地点GPにて車両Aが進むべき経路を案内する重畳コンテンツCTsである。ここで、案内地点GPにて車両Aが進むべき方向は、運転制御された状態で車両Aがこのまま走行する方向とは異なっている。故に、経路案内コンテンツCTgsは、各案内ラインCTgl,CTgrを、各境界ラインCTpl,CTprとは異なる方向へ向けて延伸させている。
経路案内コンテンツCTgsは、予想軌跡コンテンツCTpとは異なる様態であって、予想軌跡コンテンツCTpに対して強調された様態で表示される。具体的に、各案内ラインCTgl,CTgrのそれぞれには、複数の指示部AHが加えられる(図5及び図6のドット範囲参照)。指示部AHは、各案内ラインCTgl,CTgr上に、互いに間隔を開けて配置されている。指示部AHは、案内先車線Lndの方向を指し示す三角形状に描画されている。加えて、経路案内コンテンツCTgsは、ワイプ状のアニメーションとして表示され、具体的には、自車側から案内先車線Lndへ向かって繰り返し伸びる又は流れる表示とされる。さらに、経路案内コンテンツCTgsの表示輝度は、予想軌跡コンテンツCTpの表示輝度よりも高くされてよい。経路案内コンテンツCTgsは、ドライバの見かけ上にて、予想軌跡コンテンツCTpの上側に重ねられているように表示される。
図11に示す地点通過表示DP4は、案内地点GPの通過をドライバに通知する表示である。表示生成部76は、ロケータ情報取得部73にて取得される位置情報に基づき、案内先車線Lndへの移動等、案内地点GPでの移動行動が困難となったタイミングで、経路誘導表示DP3(図10参照)から地点通過表示DP4への切り替えを実施する。経路誘導表示DP3から地点通過表示DP4への遷移は、経路誘導表示DP3にて実施された経路案内にドライバが従わない場合に実施される。一例として、表示生成部76は、案内地点GPが画角VA外へ移動したタイミングで、地点通過表示DP4への遷移を実施する(図5参照)。ドライバによる運転操作が無い場合、車線維持制御のアクティブな状態が継続されるため、地点通過表示DP4には、経路案内コンテンツCTgsだけでなく、予想軌跡コンテンツCTpも含まれている。
経路案内コンテンツCTgsは、車両Aの案内地点GPへの接近及び通過に合わせて、案内先車線Lndへ移動する場合の移動軌跡を、各案内ラインCTgl,CTgrによって示し続ける。地点通過表示DP4での各案内ラインCTgl,CTgrは、経路誘導表示DP3よりも、急激に湾曲した形状に描画される。加えて地点通過表示DP4では、経路案内コンテンツCTgsのアニメーション表示は実施されない。経路案内コンテンツCTgsは、案内先車線Lndへ移動が実質的に不可能となったタイミングで、非表示とされる。
予想軌跡コンテンツCTpは、経路案内コンテンツCTgsとは異なる様態であって、経路案内コンテンツCTgsに対して強調された様態で表示される。具体的に、地点通過表示DP4では、各案内ラインCTgl,CTgrではなく、各境界ラインCTpl,CTprに、指示部AHが重ねられる(図5のドット範囲参照)。指示部AHは、自車車線Lnsに沿った進行方向を指し示す三角形状に描画されている。加えて、予想軌跡コンテンツCTpは、ワイプ状のアニメーションとして表示され、具体的には、自車側から進行方向へ向かって繰り返し伸びる又は流れる表示とされる。予想軌跡コンテンツCTpの表示輝度は、経路案内コンテンツCTgsの表示輝度よりも高くされてよい。予想軌跡コンテンツCTpは、ドライバの見かけ上にて、経路案内コンテンツCTgsの上側に重ねられているように表示される。
尚、表示生成部76は、地点通過表示DP4を所定時間(又は所定距離)継続させた後、地点通過表示DP4から予想軌跡表示DP1への表示遷移を実施する。地点通過表示DP4から予想軌跡表示DP1への表示遷移は、例えば車両Aが特定のノードを通過したタイミングで実施されてもよい。
図12に示すLC実行中表示DP5は、経路誘導表示DP3にて実施された経路案内に従い、ドライバが車線変更を実行した場合に提示される。表示生成部76は、ドライバによる方向指示器(ウィンカー)のオン操作の入力情報、又は自車車線Lns及び案内先車線Lndの間の区画線を自車が跨いだことの判定結果等に基づき、車線変更が実行されたと判定する。一例として、区画線を跨いだか否かの判定には、撮像データに基づく区画線の検出情報が用いられる。表示生成部76は、車線変更が実行されたと判定したタイミングで、経路誘導表示DP3(図10参照)からLC実行中表示DP5への切り替えを実施する(図6参照)。以上の方向指示器のオン操作(ウィンカー操作)又はドライバの操舵操作によれば、車線維持制御の動作状態は、実行状態から待機状態へと遷移する。故に、LC実行中表示DP5には、経路案内コンテンツCTgsが含まれる一方で、予想軌跡コンテンツCTpは、非表示となる。LC実行中表示DP5では、経路誘導表示DP3と同様に、経路案内コンテンツCTgsのアニメーション表示が継続される。
表示生成部76は、自車の車線変更が完了すると、LC実行中表示DP5から予想軌跡表示DP1(図13参照)への表示遷移を実施する。一例として、方向指示器のオフ状態への遷移、又は車線維持制御の実行状態への復帰に基づき、表示生成部76は、車線変更が完了したと判定する。予想軌跡表示DP1では、自車車線Lnsとなった旧案内先車線Lndの路面に、左境界ラインCTpl及び右境界ラインCTprを含む経路案内コンテンツCTgsが重畳表示される。経路案内コンテンツCTgsは、指示部AHを含んだ様態で、アニメーションによって強調表示される。表示生成部76は、車線変更の完了後、所定時間が経過したタイミング又は所定距離を走行したタイミングで、経路案内コンテンツCTgsを強調表示から通常表示へと遷移させる。
次に、表示制御プログラムに基づき、車線維持制御及び経路案内に関連した各表示を切り替える表示制御方法の詳細を、図14及び図15に示すフローチャートに基づき、図3及び図5~図13を参照しつつ、以下説明する。図14及び図15に示す表示制御処理は、例えば車両電源のオン状態への切り替えにより、起動処理等を終えたHCU100によって開始される。
S101では、制御情報取得部74にて取得される車線維持制御のステータス情報に基づき、車線維持制御部51,53のいずれかにて、車線維持制御がオン状態にあるか否かを判定する。S101にて、車線維持制御がオン状態に無いと判定した場合、S101の判定を繰り返し、待機状態を維持する。このとき、少なくとも車線維持制御に関連した虚像表示は、実施されない。そして、車線維持制御部51,53のいずれかにて、車線維持制御がオン状態に切り替えられた場合、S102に進む。
S102では、車線維持制御の実行条件が成立したか否かを判定する。S102にて、実行条件が不成立であると判定した場合、S101及びS102の判定を繰り返し、待機状態を維持する。そして、S102にて、実行条件が成立したと判定した場合、S103に進む。この場合、S103の判定に併行し、車線維持制御部51,53のいずれかでは、車線維持制御が起動状態から実行状態に遷移する。
ここで、各車線維持制御部51,53における車線維持制御の実行条件は、互いに異なっている。具体的に、車線維持制御部51における車線維持制御の実行条件は、自車車線Lnsを区画する二本の区画線(又は道路端)が認識可能なことである。一方、車線維持制御部53における車線維持制御の実行条件は、二本の区画線(又は道路端)が認識可能であり、且つ、高精度地図データが存在することである。
S103では、車線維持制御の実行状態を示す予想軌跡表示DP1(図7参照)を開始し、S104に進む。S103では、運転支援ECU50又は自動運転ECU52のうちで車線維持制御を開始した一方より制御情報取得部74が取得した境界情報を参照する。そして、境界情報に基づき、運転制御される車両Aの予想軌跡を示す予想軌跡コンテンツCTpを、走路となる自車車線Lnsの路面に重畳表示させる。
S104では、案内地点GPまでの残距離Lrが案内開始距離未満であるか否かを判定する。S104の判定には、案内情報取得部72にて取得される案内実施要求が用いられる。案内実施要求の取得が無い場合、S104では、残距離Lrが案内開始距離以上であるとみなす。この場合、S103に戻り、予想軌跡コンテンツCTpを含む予想軌跡表示DP1を継続させる。
一方、案内実施要求の取得があり、且つ、位置情報に基づく残距離Lrが案内開始距離未満となった場合、S104からS105に進む。S104では、案内実施要求の取得をもって、残距離Lrが案内開始距離未満となったと推定してもよい。S105では、予想軌跡コンテンツCTpに加えて、経路案内コンテンツCTgs及び経路案内アイコンCTgnを含んだ経路予告表示DP2(図8参照)を開始し、S106に進む。S105にて、経路案内コンテンツCTgsの表示を開始する場合、経路案内コンテンツCTgsは、アニメーション表示されてよい。
S106では、案内地点GPまでの残距離Lrが画角内距離未満であるか否かを判定する。S106の判定には、案内情報取得部72にて取得される誘導実施要求が用いられる。誘導実施要求の取得が無い場合、S106では、残距離Lrが画角内距離以上であるとみなす。この場合、S105に戻り、経路予告表示DP2を継続させる。
一方、誘導実施要求の取得があり、且つ、位置情報に基づく残距離Lrが画角内距離未満となった場合、S106からS107に進む。S106では、誘導実施要求の取得をもって、残距離Lrが画角内距離未満となったと推定してもよい。S107では、経路予告表示DP2から経路誘導表示DP3(図10参照)への切り替えを実施し、S121に進む。S107では、経路案内アイコンCTgnを非表示としつつ、経路案内コンテンツCTgsのアニメーション表示を開始させる。以上により、経路案内コンテンツCTgsは、予想軌跡コンテンツCTpとは別の様態とされる。
S121では、経路誘導表示DP3に基づく車線変更が実行されたか否かを判定する。S121にて、車線変更が実行されていないと判定した場合、S108に進む。S108では、案内地点GPと自車位置との比較に基づき、車両A(自車)が案内地点GPを通過したか否かを判定する。S108にて、車両Aが案内地点GPを通過していないと判定した場合、S107に戻り、経路誘導表示DP3を継続させる。対して、車線維持制御による車線内走行が継続された場合、S108にて、車両Aが案内地点GPを通過したと判定し、S109に進む。
S109では、経路誘導表示DP3から地点通過表示DP4(図11参照)への切り替えを実施し、S124に進む。S109では、予想軌跡コンテンツCTpのアニメーション表示を開始する。加えてS109によれば、経路案内コンテンツCTgsは、アニメーション表示を終了されて、通常の継続表示に戻される。
S124では、地点通過表示DP4の所定時間の継続を判定する。S124にて、地点通過表示DP4を所定時間継続したと判定すると、S125に進み、地点通過表示DP4から予想軌跡表示DP1への切り替えを実施する。以上により、案内先車線Lndが画角VA外となるタイミングにて、所定時間の経過に基づき、経路案内コンテンツCTgsは、非表示となる。
一方、経路誘導表示DP3による経路案内に従い、ドライバが案内先車線Lndへの車線変更を行う場合、車線維持制御は、一時的に解除され、待機状態となる。S121にて、経路案内に従う車線変更が実施されたと判定した場合、S122に進む。S122では、経路誘導表示DP3からLC実行中表示DP5(図12参照)への切り替えを実施し、S123に進む。例えばドラバによる方向指示器のオン操作が入力された場合に、LC実行中表示DP5への表示遷移に伴い、予想軌跡コンテンツCTpは、非表示となる。
S123では、車線変更が完了したか否かを判定する。S123にて、車線変更が継続していると判定した場合、S122に戻り、LC実行中表示DP5を継続させる。対して、S123にて、車線変更が完了したと判定した場合、S125に進み、LC実行中表示DP5から予想軌跡表示DP1(図13参照)への切り替えを実施する。以上により、車線維持制御の再開と共に、経路案内コンテンツCTgsは、非表示となる。
ここまで説明した第一実施形態において、予想軌跡コンテンツCTpと経路案内コンテンツCTgsは、共に表示される場合に、互い異なる様態とされる。故に、車両Aが運転制御された状態下、案内地点GPに到達して経路案内が行われるシーンにて、予想軌跡コンテンツCTpと経路案内コンテンツCTgsとが表示上で組み合わされても、個々のコンテンツCTp,CTgsは、ユーザによって区別され得る。したがって、複数のコンテンツを分かり易く表示させることが可能になる。
加えて第一実施形態では、予想軌跡コンテンツCTpの示す方向と、経路案内コンテンツCTgsの示す方向とが互いに異なっている。こうしたシーンにて、各コンテンツCTp,CTgsを区別可能に表示すれば、ユーザは、それぞれのコンテンツによって示された方向の意味を理解できる。したがって、ユーザの利便性に優れたコンテンツ表示が実現される。
また第一実施形態では、案内地点GPまでの残距離Lrが画角内距離を超えている場合に、非重畳コンテンツCTnである経路案内アイコンCTgnが、予想軌跡コンテンツCTpと共に表示される。こうした非重畳コンテンツCTnの利用によれば、案内地点GPが画角VA内に入る前のタイミングにて、案内地点GPの接近が、ユーザに前もって報知される。
さらに第一実施形態では、案内地点GPまでの距離が画角内距離未満となると、重畳コンテンツCTsである経路案内コンテンツCTgsが、案内地点GPの路面に重畳表示される。以上によれば、案内地点GPの近傍では、案内地点GPにて進むべき経路が、ユーザに分り易く案内される。
加えて第一実施形態では、ドライバによる方向指示器のオン操作又は案内先車線Lndへ向かう操舵操作が入力された場合に、予想軌跡コンテンツCTpが非表示となる。以上によれば、画角VA内に表示されるコンテンツの数を減らすことができるため、ドライバにとって分かり易い情報提示が実現される。
また第一実施形態では、経路予告表示DP2にて、経路案内コンテンツCTgsの表示を開始させる場合、この経路案内コンテンツCTgsは、アニメーション表示される。以上によれば、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内アイコンCTgnが共に表示されても、経路案内コンテンツCTgsへの誘目が可能になる。その結果、ドライバの注意を早期に経路案内に向けさせることができる。
尚、第一実施形態では、制御情報取得部74が「境界情報取得部」に相当し、表示生成部76が「表示制御部」に相当し、HCU100が「表示制御装置」に相当する。また、経路案内コンテンツCTgsに加えて経路案内アイコンCTgnも「経路案内コンテンツCTgs」に相当し、案内地点GPが「所定地点」に相当し、画角内距離が「特定距離」に相当し、自車車線Lnsが「走路」に相当する。
(第二実施形態)
図16~図19に示す本開示の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態では、車線維持制御及び経路案内に関連する各表示の内容が第一実施形態と異なっている。以下、第二実施形態での各パターンの表示の詳細を、図3及び図4を参照しつつ、順に説明する。
図16に示す予想軌跡表示DP1は、第一実施形態と同様に、車線維持制御が実行状態にある場合に提示される(図14 S102:YES参照)。この予想軌跡表示DP1に含まれる予想軌跡コンテンツCTpは、重畳コンテンツCTsであり、前景中の自車車線Lnsにおいて、路面の中央部に重畳表示される。予想軌跡コンテンツCTpは、予定走行ラインPRL、ひいてはライン形状情報を反映した描画形状とされる。予想軌跡コンテンツCTpは、自車車線Lnsの路面の中央部を辿るように、自車側から進行方向へ向けて細帯状に延伸する。こうした形状により、予想軌跡コンテンツCTpは、車線維持制御部51,53が車両Aの走行位置を自車車線Lnsの中央部に制御していることを示す。
図17に示す経路予告表示DP2は、第一実施形態と同様に、案内地点GP(例えば交差点)までの残距離Lrが案内開始距離未満となったタイミング(図14 S104:YES参照)で開始される。この経路予告表示DP2は、案内地点GPでの右左折の方向を示す経路案内アイコンCTgnを含んでいる。経路案内アイコンCTgnは、案内地点GPが画角VA内に進入する直前まで、概ね一定の形状で、画角VA内の所定位置に表示され続ける。
ここで第二実施形態では、予想軌跡は、経路案内よりも優先度の低い情報として位置づけられている。そのため、予想軌跡コンテンツCTp(図16参照)は、予想軌跡表示DP1から経路予告表示DP2への遷移に伴い、非表示とされる。表示生成部76は、HUD20の映像データへの予想軌跡コンテンツCTpの描画を中止する場合、HUD20以外の車載表示デバイスへ向けて出力する映像データに、予想軌跡コンテンツCTpを描画する。
具体的に、表示生成部76は、フロントカメラ31の撮像データを取得し、撮像データに写る自車車線Lnsに、予想軌跡コンテンツCTpの元画像を重ねた映像データ(前方映像)を生成する。表示生成部76は、予想軌跡コンテンツCTpを含む映像データを、メータディスプレイ23及びセンタインフォメーションディスプレイの少なくとも一方へ向けて出力する。以上により、予想軌跡コンテンツCTpの提示は、HUD20とは異なる車載表示デバイスによって継続される。尚、前方映像に替えて、LTAインジケータItc(図7参照)の表示が実施されてよい。
図18に示す経路誘導表示DP3は、第一実施形態と同様に、案内地点GP(例えば交差点)までの残距離Lrが画角内距離未満となったタイミング(図14 S106:YES参照)で開始される。この経路誘導表示DP3では、経路案内アイコンCTgn(図17参照)は、非表示とされる。そして、経路案内アイコンCTgnから経路案内コンテンツCTgsへと、表示コンテンツが切り替えられる。尚、経路予告表示DP2(図17参照)から経路誘導表示DP3へと遷移した後も、他の車載表示デバイスによる予想軌跡コンテンツCTp(図16参照)の表示は、継続される。
経路案内コンテンツCTgsは、左案内ラインCTgl及び右案内ラインCTgrを含んでいる。経路予告表示DP2から経路誘導表示DP3への表示遷移の直後、案内地点GPが画角VA外にあるタイミングにて、各案内ラインCTgl,CTgrは、自車車線Lnsの左右の区画線に沿って細帯状に延伸する描画形状とされる。そして、案内地点GPが画角VA内に進入すると、各案内ラインCTgl,CTgrは、右左折後の走路(以下、案内先車線Lnd)へ向かって、自車側から延伸する湾曲形状とされる。
以上の経路誘導表示DP3に従い、右折又は左折等の操舵操作をドライバが行った場合、案内先車線Lndを所定距離又は所定時間走行した後で、表示生成部76は、経路案内コンテンツCTgsの表示を終了させる。以上のように、案内地点GPが交差点である場合、方向指示器のオン操作及び操舵操作が入力された後も、経路案内コンテンツCTgsの表示が継続される。表示生成部76は、所定距離又は所定時間の走行後に、経路案内コンテンツCTgs(経路誘導表示DP3)から予想軌跡コンテンツCTp(予想軌跡表示DP1)への表示遷移を実施する。
図19に示す地点通過表示DP4は、自車が案内地点GPを通過し、案内先車線Lndへの右左折が実質不可能となったタイミング(図14 S108:YES参照)で開始される。地点通過表示DP4では、経路案内コンテンツCTgs(図18参照)の表示が終了される。そして、自車車線Lnsに重畳される予想軌跡コンテンツCTpの表示が再開される。このとき、他の車載表示デバイスによる予想軌跡コンテンツCTpの表示は、終了される。
ここまで説明した第二実施形態では、案内実施要求が案内情報取得部72にて取得された場合に、予想軌跡コンテンツCTpが非表示となる。具体的には、案内実施要求を取得した後に提示される経路予告表示DP2及び経路誘導表示DP3では、予想軌跡が提示されない。以上のように、画角VA内に表示させるコンテンツを減らす表示ロジックによれば、複数のコンテンツの同時表示に起因して、各コンテンツの意味理解が難しくなる事態は、回避され得る。したがって、複数のコンテンツを分かり易く表示させることが可能になる。
加えて第二実施形態では、メータディスプレイ23及びセンターディスプレイ等の車載表示デバイスにより、予想軌跡コンテンツCTpのユーザへの提示が継続される。故に、虚像Viによる表示が中止された後も、車両Aの予想軌跡を把握する手段が残される。したがって、ユーザの混乱を避けつつ、利便性を確保したコンテンツ表示が実現できる。尚、第二実施形態では、案内実施要求が「案内情報」に相当し、メータディスプレイ23が「表示器」に相当する。
(第三実施形態)
図20~図22に示す本開示の第三実施形態は、第二実施形態の変形例である。第三実施形態では、経路予告表示DP2、経路誘導表示DP3及び地点通過表示DP4の各内容が第二実施形態と異なっている。以下、第三実施形態での各パターンの表示の詳細を、順に説明する。尚、第三実施形態における予想軌跡表示DP1は、第二実施形態の予想軌跡表示DP1(図16参照)と実質同一である。
図20に示す経路予告表示DP2は、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内アイコンCTgnを含んでいる。予想軌跡コンテンツCTpは、第三実施形態において、予想軌跡表示DP1から経路予告表示DP2へと遷移しても、非表示とされない。予想軌跡コンテンツCTpは、予定走行ラインPRL(図4参照)の形状情報に基づき、自車車線Lnsの路面の中央部に重畳されて、車両Aの予想軌跡を提示し続ける。経路案内アイコンCTgnは、予想軌跡コンテンツCTpと重ならないように、予想軌跡コンテンツCTpの左右いずれか一方に表示位置を設定される。経路案内アイコンCTgnは、経路情報に基づき、案内地点GP(交差点)での右左折の方向を指し示す。
図21に示す経路誘導表示DP3では、経路案内アイコンCTgn(図20参照)に替えて、経路案内コンテンツCTgsが表示される。その結果、経路誘導表示DP3では、予想軌跡コンテンツCTpが、左案内ラインCTgl及び右案内ラインCTgrの間に挟まれた配置となる。経路誘導表示DP3への表示遷移の直後、案内地点GPが画角VA外にあるタイミングでは、予想軌跡コンテンツCTp及び各案内ラインCTgl,CTgrは、それぞれ自車側から進行方向へ向けて、細帯状に延伸する描画形状となる。
経路誘導表示DP3における予想軌跡コンテンツCTpは、表示範囲、言い換えれば、重畳される路面範囲を制限される。予想軌跡コンテンツCTpは、経路案内コンテンツCTgsと共に表示される場合、案内地点GPとなる交差点の手前側までに表示範囲を制限される。故に、予想軌跡コンテンツCTpは、車両Aの案内地点GPへの接近に伴い、徐々に短くなっていく。
各案内ラインCTgl,CTgrは、案内地点GPが画角VA内に位置すると、案内先車線Lndへ向かって、自車車線Lnsの自車側から延伸する湾曲形状とされる。案内地点GPが十字路等の交差点である場合、各案内ラインCTgl,CTgrは、交差点を通過するL字状の描画形状となる。予想軌跡コンテンツCTpの表示範囲が案内地点GPの手前側までに制限されているため、各案内ラインCTgl,CTgrは、予想軌跡コンテンツCTpと重ならない表示となる。
図22に示す地点通過表示DP4には、経路案内コンテンツCTgs及び予想軌跡コンテンツCTpが含まれている。車両Aが案内地点GPを通過する場合、案内地点GPの画角VA外への移動に伴い、経路案内コンテンツCTgsは、画角VAから徐々にフレームアウトし、非表示となる。予想軌跡コンテンツCTpは、経路誘導表示DP3と同様に、案内地点GPを含む交差点を避けるように表示範囲を設定される。車両Aが案内地点GPを通過する場合、予想軌跡コンテンツCTpは、交差点よりも先に位置する自車車線Lnsの中央部に重畳表示される。故に、地点通過表示DP4でも、予想軌跡コンテンツCTpは、経路案内コンテンツCTgsと重ならない表示となる。
ここまで説明した第三実施形態では、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsが共に表示される場合、予想軌跡コンテンツCTpの表示は、案内地点GPよりも手前側までに制限される。故に、予想軌跡コンテンツCTpと経路案内コンテンツCTgsとが表示上で組み合わされても、個々のコンテンツCTp,CTgsは、ユーザによって区別され得る。したがって、複数のコンテンツを分かり易く表示させることが可能になる。
加えて第三実施形態の予想軌跡コンテンツCTpは、経路案内コンテンツCTgsと重ならないように、表示範囲を制限される。以上のように、二つのコンテンツを互いに重ならないように表示させれば、ユーザによる区別の容易性は、いっそう確保され得る。その結果、さらに利便性にすぐれた情報提示が実現される。
(第四実施形態)
図23~図25に示す本開示の第四実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。第四実施形態では、経路予告表示DP2、経路誘導表示DP3及び地点通過表示DP4の各内容が第一実施形態と異なっている。以下、第四実施形態での各パターンの表示の詳細を、順に説明する。尚、第四実施形態における予想軌跡表示DP1は、第一実施形態の予想軌跡表示DP1(図7参照)と実質同一である。
図23に示す経路予告表示DP2は、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内アイコンCTgnを含んでいる。予想軌跡コンテンツCTpは、第一実施形態と同様に、左境界ラインCTpl及び右境界ラインCTprを含んでいる。経路案内アイコンCTgnは、画角VA内の中央に表示され、自車車線Lnsの左右区画線又は左右道路端に沿って延伸する各境界ラインCTpl,CTprの中間に位置する。
図24に示す経路誘導表示DP3では、経路案内アイコンCTgn(図23参照)に替えて、経路案内コンテンツCTgsが表示される。経路案内コンテンツCTgsは、左案内ラインCTgl及び右案内ラインCTgrを含んでいる。表示生成部76(図3参照)は、誘導実施要求の取得に基づき、画角内距離にて経路案内アイコンCTgnを非表示としたうえで、各案内ラインCTgl,CTgrを画角VA内に挿入するアニメーションの表示を開始させる。表示生成部76は、各境界ラインCTpl,CTprと重なるように、案内地点GP側から自車側へ向けて各案内ラインCTgl,CTgrを延伸させるアニメーションを表示させる。その結果、各案内ラインCTgl,CTgrは、各境界ラインCTpl,CTprを上書きするように、画角VA内に表示される。
以上により、案内地点GPが画角VA内に位置するタイミングでは、予想軌跡コンテンツCTpは、非表示となる。故に、経路誘導表示DP3は、第二実施形態と同様に、経路案内コンテンツCTgsを含み、予想軌跡コンテンツCTpを含まない内容となる。経路誘導表示DP3は、自車側から案内先車線Lndへ向けて延伸する各案内ラインCTgl,CTgrにより、案内地点GPにて車両Aが進むべき経路を案内する。尚、第四実施形態でも、予想軌跡コンテンツCTpの提示は、HUD20とは異なる車載表示デバイスによって継続される。
図25に示す地点通過表示DP4には、経路案内コンテンツCTgs及び予想軌跡コンテンツCTpが含まれている。経路案内コンテンツCTgsは、車両Aの案内地点GPの通過に伴い、画角VAから徐々にフレームアウトし、非表示となる。その結果、地点通過表示DP4から予想軌跡表示DP1へと表示状態が遷移する。地点通過表示DP4において、予想軌跡コンテンツCTpは、経路案内コンテンツCTgsの外側に表示される。換言すれば、予想軌跡コンテンツCTpの各境界ラインCTpl,CTprは、右案内ラインCTgrから進行方向へ向けて、自車車線Lnsに沿って延伸する。
ここまで説明した第四実施形態では、誘導実施要求が案内情報取得部72にて取得された場合に、予想軌跡コンテンツCTpは、非表示とされる。故に、経路誘導表示DP3では、予想軌跡が提示されない。こうした表示の切り替えによれば、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsの意味理解が難しくなる事態は、回避され得る。したがって、複数のコンテンツを分かり易く表示させることが可能になる。
加えて第四実施形態では、各案内ラインCTgl,CTgrを各境界ラインCTpl,CTprに重ねるアニメーションの表示により、予想軌跡コンテンツCTpは、経路案内コンテンツCTgsの表示後に、非表示となる。このようなアニメーションを用いた表示遷移によれば、ユーザは、コンテンツによって提示される情報が変更されたことを認識し易くなる。したがって、ユーザの混乱は、いっそう生じ難くなる。
また第四実施形態では、残距離Lrが画角内距離を超えている場合でも、経路案内アイコンCTgnが、予想軌跡コンテンツCTpと共に表示されて、案内地点GPの存在をドライバに通知する。こうした経路予告表示DP2によれば、案内地点GPが画角VA内に入る以前に、十分な余裕をもって、案内地点GPの接近をユーザに認識させることが可能になる。
さらに第四実施形態では、残距離Lrが画角内距離未満となると、予想軌跡コンテンツCTpの表示が終了されたうえで、経路案内コンテンツCTgsが表示される。故に、案内地点GPの近傍では、案内地点GPでの進むべき経路がユーザに分り易く案内されるようになる。尚、第四実施形態では、誘導実施要求が「案内情報」に相当する。
(第五実施形態)
図26及び図27に示す本開示の第五実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第五実施形態では、経路誘導表示DP3の内容が第一実施形態と異なっている。一方で、第五実施形態の予想軌跡表示DP1及び経路予告表示DP2は、第一実施形態の各表示(図7及び図8参照)と実質同一である。また第五実施形態の地点通過表示DP4は、第四実施形態の地点通過表示DP4(図25参照)と実質同一である。
第五実施形態の経路誘導表示DP3では、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsが共に表示される。図26に示す交差点での経路誘導表示DP3では、案内地点GPが画角VA外であるタイミングにて、各境界ラインCTpl,CTprの内側に、各案内ラインCTgl,CTgrが表示される。そして、案内地点GPが画角VA内に位置するタイミングにて、表示生成部76(図3参照)は、経路案内コンテンツCTgsと予想軌跡コンテンツCTpとの各様態が互いに異なるように表示させる。
経路案内コンテンツCTgsは、自車車線Lnsから案内先車線Lndへ向けて、各案内ラインCTgl,CTgrを、L字状に延伸させる。一方で、予想軌跡コンテンツCTpは、各境界ラインCTpl,CTprを、自車車線Lnsに沿って直線状に延伸させる。以上により、左境界ラインCTplの中間部分は、各案内ラインCTgl,CTgrと重なる部分となる。表示生成部76は、左境界ラインCTplのうちで、各案内ラインCTgl,CTgrと重なる中間部分の様態を変化させて、局所的に非表示とする。以上の結果、左境界ラインCTplは、案内地点GP(交差点)の手前側及び奥側に延伸する描画形状となる。
尚、左境界ラインCTplのうちで各案内ラインCTgl,CTgrと重なる中間部分とは、より正確には、基準形状の左境界ラインCTplを表示させた場合に、各案内ラインCTgl,CTgrと重なってしまう部分のことである。
また図27に示すように、分岐ポイントでの経路誘導表示DP3でも、自車車線Lnsに沿って延伸する左境界ラインCTplの中間部分は、各案内ラインCTgl,CTgrと重ならないように、局所的に非表示とされる。その結果、自車車線Lnsから案内先車線Lndへ向けて延伸する各案内ラインCTgl,CTgrは、予想軌跡コンテンツCTpよりも強調された様態となる。
以上の各案内ラインCTgl,CTgr及び各境界ラインCTpl,CTprは共に、自車側から進行方向へ向けて、繰り返し伸びるアニメーションとして表示されてよい。又は、各案内ラインCTgl,CTgrのみが、自車側から案内先車線Lndへ向けて、繰り返し伸びるアニメーションとして表示されてもよい。或いは、これらのアニメーションは、実施されなくてもよい。
ここまで説明した第五実施形態でも、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsを共に表示させる場合に、予想軌跡コンテンツCTpの様態が変更される。以上によれば、第一実施形態と同様の効果を奏し、ユーザは、個々のコンテンツCTp,CTgsを区別し易くなる。したがって、複数のコンテンツを分かり易く表示させることが可能になる。
加えて第五実施形では、経路案内コンテンツCTgsと重ならないように、予想軌跡コンテンツCTpの中間部分が局所的に非表示とされる。以上のように、互いに重ならないように各コンテンツCTp,CTgsの形状を制御すれば、ユーザによる区別の容易性は、いっそう確保され得る。その結果、さらに利便性に優れた情報提示が実現される。
(第六実施形態)
図28~図34に示す本開示の第六実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第六実施形態では、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsの様態が第一実施形態とは異なっている。加えて第六実施形態の各表示DP1~DP5では、予想軌跡コンテンツCTp、経路案内アイコンCTgn及び経路案内コンテンツCTgsのいずれか一つのみが画角VA内に表示される(図28及び図29参照)。以下、第六実施形態における各表示の詳細を、順に説明する。
予想軌跡表示DP1は、第二実施形態(図16参照)と同様に、自車車線Lnsの中央に表示される一本線状の予想軌跡コンテンツCTpを含んでいる。予想軌跡コンテンツCTpは、第二実施形態とは異なり、常時表示されない。表示生成部76は、車線維持制御が実行状態にある期間にて、所定の周期で予想軌跡コンテンツCTpの表示と非表示とを切り替える。予想軌跡コンテンツCTpの表示時間は、非表示の時間よりも短くされる。表示生成部76は、案内情報取得部72にて案内実施要求が取得された場合、残距離Lrが案内開始距離となる手前の地点(例えば、案内開始距離+100m程度の地点)にて、予想軌跡コンテンツCTpを常時表示にする。
ここで、第六実施形態でも、メータディスプレイ23によるLTAインジケータItc(図7参照)の表示が実施される。表示生成部76は、予想軌跡コンテンツCTpの表示及び非表示が繰り返される期間にて、LTAインジケータItcを常に表示させる。表示生成部76は、予想軌跡コンテンツCTpを常時表示に切り替えると、LTAインジケータItcの表示を中断させる。
予想軌跡表示DP1の実施中に、案内地点GPまでの残距離Lrが案内開始距離未満となると(図14 S104:YES)、予想軌跡表示DP1から経路予告表示DP2への表示遷移が実施される。経路予告表示DP2では、図30に示すように、予想軌跡コンテンツCTpが非表示とされ、経路案内アイコンCTgnが予想軌跡コンテンツCTpに替えて表示される。このときメータディスプレイ23によるLTAインジケータItcの表示が再開される。
経路予告表示DP2の提示中に残距離Lrが画角内距離未満となると(図14 S106:YES)、経路予告表示DP2から経路誘導表示DP3への表示遷移が実施される。経路誘導表示DP3では、図31に示すように、経路案内アイコンCTgnが非表示とされ、経路案内コンテンツCTgsが経路案内アイコンCTgnに替えて表示される。経路案内コンテンツCTgsは、案内先車線Lndの路面のうちで、画角VA内に含まれる範囲の全体を塗り潰すように表示される。経路案内コンテンツCTgsは、経路案内アイコンCTgnと関連する様態で表示される。一例として、経路案内コンテンツCTgsの表示色は、経路案内アイコンCTgnと実質同一とされる。
経路誘導表示DP3の提示中に自車が案内地点GPを通過すると(図14 S108:YES)、経路誘導表示DP3から地点通過表示DP4への表示遷移が実施される。地点通過表示DP4では、図32に示すように、経路案内コンテンツCTgsが非表示とされ、予想軌跡コンテンツCTpが経路案内コンテンツCTgsに替えて表示される。地点通過表示DP4でも、予想軌跡表示DP1と同様に、予想軌跡コンテンツCTpは、自車車線Lnsの中央部の路面に重畳表示される。表示生成部76は、予想軌跡コンテンツCTpの表示再開に合わせて、メータディスプレイ23によるLTAインジケータItcの表示を中断させる。
そして、案内地点GPの通過後、所定時間が経過した場合又は所定距離を走行した場合、地点通過表示DP4から予想軌跡表示DP1への表示遷移が実施される。その結果、予想軌跡コンテンツCTpの表示と非表示とが所定の周期で繰り返される。表示生成部76は、予想軌跡表示DP1への表示遷移に合わせて、メータディスプレイ23によるLTAインジケータItcの表示を再開させる。
一方で、案内地点GPを通過する以前に車線変更が実行されると(図14 S121:YES)、経路誘導表示DP3からLC実行中表示DP5への表示遷移が実施される。LC実行中表示DP5では、図33に示すように、経路案内コンテンツCTgsの表示が継続される。経路案内コンテンツCTgsの描画形状は、画角VAと重なる案内先車線Lndの路面形状に合わせて逐次更新される。またLC実行中表示DP5への表示遷移に合わせて、メータディスプレイ23によるLTAインジケータItcの表示が中断される。
自車の案内先車線Lndへの車線変更が完了すると、図34に示す予想軌跡表示DP1への表示遷移が実施される。車線変更後の予想軌跡表示DP1では、経路案内コンテンツCTgsが非表示とされ、予想軌跡コンテンツCTpが経路案内コンテンツCTgsに替えて表示される。予想軌跡コンテンツCTpの表示は、車線変更後に所定時間が経過するまで、又は所定距離を走行するまで継続される。そして、車線変更後に所定時間が経過した場合又は所定距離を走行した場合に、予想軌跡コンテンツCTpの表示及び非表示の繰り返しが開始される。このとき、LTAインジケータItcの表示が再開される。
ここまで説明した第六実施形態でも、案内実施要求の取得に基づき、経路案内コンテンツCTgsを表示させる場合に、予想軌跡コンテンツCTpが非表示とされる。このように、複数コンテンツの同時表示が回避されれば、ドライバにとって分かり易い情報提示が実現される。
加えて第六実施形態では、経路案内の実施期間において、経路案内及びLTA機能に関連するコンテンツは、画角VA内に一つだけ表示される。このように必要性の高いコンテンツを一つだけ表示させる表示ロジックによれば、ドライバによる分かり易さは、いっそう向上する。
また第六実施形態の予想軌跡表示DP1では、一定の間隔で予想軌跡コンテンツCTpの表示と非表示とが繰り返される。以上によれば、予想軌跡コンテンツCTpは、車線維持制御のステータス情報をドライバに報知する機能を失うことなく、ドライバに煩わしさを与え難い重畳コンテンツCTsとなり得る。
また第六実施形態では、経路案内アイコンCTgnによる経路案内の開始に伴い、LTA機能のステータス情報を通知するコンテンツは、画角VA内からメータディスプレイ23へと移動する。以上によれば、画角VA内の表示を分かり易くしたうえで、メータディスプレイ23を通じた情報把握も可能になる。よって、ドライバにとって利便性がさらに向上し得る。
(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態では、経路予告表示DP2から経路誘導表示DP3への表示遷移は、案内情報取得部72による誘導実施要求の取得に基づき、取得直後又は取得後の所定のタイミングで開始されていた。こうしたタイミングには、案内地点GPへの到達予想時間が利用可能である。到達予想時間は、自車の位置情報に基づく残距離Lrと、自車の車速情報とに基づき算出される。
上記実施形態の変形例1において、表示生成部76は、表示レイアウトのシミュレーション結果に基づき、経路予告表示DP2から経路誘導表示DP3への表示遷移を開始させる。詳記すると、表示生成部76は、案内地点GPまでの残距離Lrが画角内距離未満か否かの判定(図14 S106参照)に替えて、表示レイアウトのシミュレーション結果に基づき、案内地点GPが重畳範囲SA内か否かを判定する。以上により、案内地点GPが重畳範囲SAに入る以前では、表示生成部76は、経路予告表示DP2を実施させる。一方で、案内地点GPが重畳範囲SAに入った以降では、表示生成部76は、経路誘導表示DP3を実施させる。
以上の変形例1によれば、案内地点GPがHUD20の画角VA外である場合には、経路案内アイコンCTgnが、予想軌跡コンテンツCTpと共に表示される。そして、案内地点GPが画角VA内に移動した場合に、案内地点GPを重畳対象に含む経路案内コンテンツCTgsが、重畳表示される。その結果、表示生成部76は、経路案内アイコンCTgnから経路案内コンテンツCTgsへの切り替え、換言すれば、非重畳コンテンツCTnから重畳コンテンツCTsへの切り替えを、適切なタイミングで実施できる。
さらに表示生成部76は、案内地点GPが画角VA内に移動したタイミングにて、予想軌跡コンテンツCTpを非表示にできる。故に、予想軌跡の提示を中断するタイミングも、適切に制御可能となる。
図35に示す上記第三実施形態の変形例2において、予想軌跡コンテンツCTpは、各境界ラインCTpl,CTprを含んでいる。変形例2の経路誘導表示DP3において、各境界ラインCTpl,CTprは、経路案内コンテンツCTgsである二本の案内ラインCTgl,CTgrの左右両側に、それぞれ表示される。
そして、案内地点GPが画角VA内に移動すると、予想軌跡コンテンツCTpは、表示範囲を制限される。詳記すると、二本の境界ラインCTpl,CTprのうちで、案内先車線Lndに近接する左境界ラインCTplの表示が、案内地点GPの手前側までに制限される。以上により、各案内ラインCTgl,CTgrは、予想軌跡コンテンツCTpと重なることなく、自車車線Lnsから案内先車線Lndへ向けて、延伸する。尚、右境界ラインCTprは、表示範囲を制限されることなく、自車車線Lnsに沿った延伸形状を維持する。以上の変形例2でも、第三実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
図36に示す上記第三実施形態の変形例3では、二本の境界ラインCTpl,CTprの両方が、表示範囲を制限される。各境界ラインCTpl,CTprの表示は、案内地点GPとなる分岐ポイントの手前側までとされる。以上によれば、各案内ラインCTgl,CTgrよりなる経路案内コンテンツCTgsは、予想軌跡コンテンツCTpと重なることなく、自車車線Lnsから案内先車線Lndへ向けて延伸する形状となる。尚、変形例3でも、各案内ラインCTgl,CTgr及び各境界ラインCTpl,CTprは、自車側から進行方向へ向けて繰り返し伸びるアニメーションとして表示されてよい。
図37に示す上記第四実施形態の変形例4では、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsは、共に一本線状に描画される。変形例4の経路誘導表示DP3における経路案内コンテンツCTgsは、車両Aの案内地点GPへの接近に伴い、自車車線Lnsの中央部に重畳された予想軌跡コンテンツCTpに上書きされる。経路案内コンテンツCTgsは、案内地点GP側から自車側へ向けて延伸するアニメーションにより、予想軌跡コンテンツCTpと入れ替わる。以上により、経路誘導表示DP3は、自車車線Lnsから案内先車線Lndに延伸する経路案内コンテンツCTgsを用いて、案内地点GPでの経路案内のみに特化した表示内容となる。
図38及び図39にそれぞれ示す上記第五実施形態の変形例5及び変形例6では、案内地点GPでの経路誘導表示DP3において、案内先車線Lndに近い側となる一方の境界ラインは、中間部分だけではなく、全体を非表示とされる。その結果、変形例5及び変形例6の経路誘導表示DP3は、予想軌跡コンテンツCTpよりも経路案内コンテンツCTgsが強調された表示となる。
図38に示す変形例5の経路誘導表示DP3では、分岐ポイントにて左側に車線変更する場合、左境界ラインの全体が非表示とされる。一方で、右境界ラインCTprは、通常形状での表示を継続される。
図39に示す変形例6の経路誘導表示DP3では、交差点にて左折する場合、左境界ラインの全体が非表示とされる。この変形例6では、右境界ラインCTprも様態を変更される。詳記すると、変形例6では、右境界ラインCTprのうちで、交差点範囲に重畳される中間部分が、破線状の様態に変更される。このように、予想軌跡コンテンツCTpにおいて、経路案内コンテンツCTgsと重なる部分に適用される具体的な様態変更の内容は、適宜変更されてよい。
さらに、図40及び図41にそれぞれに示す上記第五実施形態の変形例7及び変形例8の経路誘導表示DP3では、左境界ラインCTpl及び右境界ラインCTprの両方の様態が変更される。詳記すると、図40に示す変形例7では、案内地点GPが交差点である場合、各境界ラインCTpl,CTprの両方について、交差点範囲に重畳される中間部分が、局所的に破線状とされる。故に、一方の境界ライン(左境界ラインCTpl)が各案内ラインCTgl,CTgrと重なっていても、経路案内コンテンツCTgsは、予想軌跡コンテンツCTpよりも強調された表示となる。また図41に示す変形例8では、各境界ラインCTpl,CTprの両方について、交差点範囲に重畳される中間部分は、局所的に非表示とされる。故に、各コンテンツCTp,CTgsは、互いに重なることなく、区別され易い状態を維持できる。
図42及び図43にそれぞれ示す上記第一実施形態の変形例9及び変形例10では、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsが、共に一本線状に描画される。案内地点GPでの経路誘導表示DP3において、経路案内コンテンツCTgsは、予想軌跡コンテンツCTpの基端部から分岐するように、案内先車線Lndへ向けて延伸する。経路誘導表示DP3において、共に表示される予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsは、互いに異なる様態とされる。
具体的に、図42に示す変形例9の経路案内コンテンツCTgsは、予想軌跡コンテンツCTpとは異なる表示色にて表示される。加えて経路案内コンテンツCTgsの表示輝度は、予想軌跡コンテンツCTpよりも高くされる。
また図43に示す変形例10の経路案内コンテンツCTgsには、案内先車線Lndの方向を指し示す複数の指示部AHが加えられる。さらに、経路案内コンテンツCTgsは、自車側から案内先車線Lndへ向けて繰り返し伸びるアニメーションとして表示される。
図44及び図45にそれぞれ示す上記第三実施形態の変形例11及び変形例12では、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsが、共に一本線状に描画される。案内地点GPでの経路誘導表示DP3において、経路案内コンテンツCTgsは、自車車線Lnsの中央部から案内先車線Lndへ向けて延伸する形状とされる。一方で、予想軌跡コンテンツCTpは、案内地点GPを含む分岐可能区間の手前側までに表示範囲を制限された短帯状を呈する。図44に示す変形例11では、予想軌跡コンテンツCTpは、経路案内コンテンツCTgsの基端部の側方に並べて配置される。また図45に示す変形例12では、予想軌跡コンテンツCTpは、経路案内コンテンツCTgsの基端部に重ねて表示される。
図46に示す上記第一実施形態の変形例13の経路誘導表示DP3では、予想軌跡コンテンツCTpは、一本線状に描画される。一方で、経路案内コンテンツCTgsは、各案内ラインCTgl,CTgrを含む二本線状に描画される。右案内ラインCTgrは、案内地点GPにて自車車線Lnsを横切るように延伸しており、見かけ上にて、予想軌跡コンテンツCTpに重ねられている。経路案内コンテンツCTgsは、自車側から進行方向へ向けて繰り返し伸びるアニメーションとして表示される。
図47に示す上記第一実施形態の変形例14の経路誘導表示DP3では、予想軌跡コンテンツCTpは、各境界ラインCTpl,CTprを含む二本線状に描画される。一方で、経路案内コンテンツCTgsは、一本線状に描画される。経路案内コンテンツCTgsは、自車車線Lnsの中央部から案内先車線Lndへ向けて延伸しており、見かけ上にて、左境界ラインCTplに重ねられている。経路案内コンテンツCTgsは、自車側から進行方向へ向けて繰り返し伸びるアニメーションとして表示される。
図48に示す上記第一実施形態の変形例15の経路誘導表示DP3では、経路案内コンテンツCTgs及び予想軌跡コンテンツCTpの両方が表示される。経路案内コンテンツCTgsは、第六実施形態と同様に、案内先車線Lndの路面を塗り潰すように表示される重畳コンテンツCTsである。一方、予想軌跡コンテンツCTpは、左境界ラインCTpl及び右境界ラインCTprを含む重畳コンテンツCTsであり、自車車線Lnsの路面に重畳表示される。予想軌跡コンテンツCTpは、ドライバによる方向指示器のオン操作等に基づき、経路誘導表示DP3からLC実行中表示DP5への表示遷移が行われると、非表示とされる。
以上の変形例15のように、複数の重畳コンテンツCTsを同時に表示させる形態でも、重畳対象とする路面範囲が異なっていれば、コンテンツ同士の重なりは、回避される。その結果、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsを同時に表示させたとしても、ドライバは、各コンテンツを区別して認識し易くなる。
加えて変形例15では、車線変更を開始するタイミングで、予想軌跡コンテンツCTpは、非表示となる。このように、画角VA内のコンテンツを適宜減らす表示遷移によれば、ドライバによって分かり易い情報提示が実現される。
上記第四実施形態では、経路案内コンテンツCTgsの表示が開始された後に、経路案内コンテンツCTgsによって上書きされるかたちで、予想軌跡コンテンツCTpは、非表示とされていた。しかし、上記実施形態の変形例16の経路案内コンテンツCTgsは、各案内ラインCTgl,CTgrを、各境界ラインCTpl,CTprに対してずれた位置に挿入させる。以上により、経路予告表示DP2から経路誘導表示DP3への遷移直後、経路案内コンテンツCTgs及び予想軌跡コンテンツCTpの各全体を表示させた状態が一時的に形成される。そして、予想軌跡コンテンツCTpは、経路案内コンテンツCTgsの表示完了後に、非表示とされる。以上のように、予想軌跡コンテンツCTpを非表示にするタイミングは、経路案内コンテンツCTgsの少なくとも一部が表示された後であってもよく、経路案内コンテンツCTgsの全体が表示された後であってもよい。
上記第一,第五実施形態では、予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsが、互いに異なる様態にて、路面に重畳表示されていた。これら予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsは、表示色、表示輝度、基準となる表示形状等の静的な要素の少なくとも一つがドライバによって区別可能な程度に異なっていればよい。例えば、経路案内コンテンツCTgsが上記第一実施形態のような二本線状に描画される一方で、予想軌跡コンテンツCTpは、走路全体を塗りつぶすような描画形状とされてもよい。
また予想軌跡コンテンツCTp及び経路案内コンテンツCTgsは、点滅の有無、点滅の周期、アニメーションの有無、及びアニメーションの動作等、動的な要素の少なくとも一つがドライバによって区別可能な程度に異なっていてもよい。以上のように、静的又は動的な要素の少なくとも一つが異なっている場合、実行通知コンテンツ及び待機通知コンテンツは、互いに異なる様態であるとみなす。
上記実施形態及び変形例の説明にて情報提示を例示した走行シーンは、一例である。HCUは、上記のものとは異なる走行シーンにて、非重畳コンテンツ及び重畳コンテンツを併用した情報提示を実施できる。さらに、各コンテンツの形状、表示位置、表示色、表示輝度、及びアニメーションの有無等は、適宜変更されてよく、例えばドライバの嗜好に応じて変更可能であってもよい。
上記実施形態では、予想軌跡コンテンツCTpの表示が、所定地点としての案内地点GPよりも手前側に制限されていた。しかし、表示範囲の制限の基準となる所定地点は、例えばナビ地図データ及び高精度地図データにある交差点、分岐区間及び合流区間の座標情報に基づき、適宜変更されてよい。例えば、交差点及び分岐区間等の入口又は出口のノードが所定地点として設定されてよい。
上記実施形態では、案内地点GPが画角VA外となるタイミングで、予想軌跡表示DP1から経路予告表示DP2への表示遷移が実施されていた。しかし、上記実施形態の変形例17では、経路予告表示DP2が省略されている。変形例17の表示生成部は、誘導実施要求を取得したタイミング、又は案内地点GPが画角VA内となるタイミングにて、予想軌跡表示DP1から経路誘導表示DP3へと表示を遷移させる。
上記実施形態のHCUは、ドライバから見て重畳対象に重畳コンテンツがずれなく重畳されるように、DSMにて検出されるアイポイントの位置情報を用いて、重畳コンテンツCTsとして結像される虚像光の投影形状及び投影位置を逐次制御していた。しかし、上記実施形態の変形例18のHCUは、DSMの検出情報を用いることなく、予め設定された基準アイポイント中心の設定情報を用いて、重畳コンテンツとして結像される虚像光の投影形状及び投影位置を制御する。
変形例19のHUDのプロジェクタには、LCDパネル及びバックライトに替えて、EL(Electro Luminescence)パネルが設けられている。さらに、ELパネルに替えて、プラズマディスプレイパネル、ブラウン管及びLED等の表示器を用いたプロジェクタがHUDには採用可能である。
変形例20のHUDには、LCD及びバックライトに替えて、レーザモジュール(以下、LSM)及びスクリーンが設けられている。LSMは、例えばレーザ光源及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スキャナ等を含む構成である。スクリーンは、例えばマイクロミラーアレイ又はマイクロレンズアレイである。こうしたHUDでは、LSMから照射されるレーザ光の走査により、スクリーンに表示像が描画される。HUDは、スクリーンに描画された表示像を、拡大光学素子によってウィンドシールドに投影し、虚像Viを空中表示させる。
また変形例21のHUDには、DLP(Digital Light Processing,登録商標)プロジェクタが設けられている。DLPプロジェクタは、多数のマイクロミラーが設けられたデジタルミラーデバイス(以下、DMD)と、DMDに向けて光を投射する投射光源とを有している。DLPプロジェクタは、DMD及び投射光源を連携させた制御により、表示像をスクリーンに描画する。
さらに、変形例22のHUDでは、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)を用いたプロジェクタが採用されている。またさらに、変形例23のHUDには、虚像を空中表示させる光学系の一つに、ホログラフィック光学素子が採用されている。
上記実施形態の変形例24では、運転支援ECU50及び自動運転ECU52の一方のみが車両Aに搭載されている。このように、車線維持制御部は、車載システム側に複数設けられていなくてもよい。また上記実施形態の変形例25では、運転支援ECU50及び自動運転ECU52は、一つの車載ECUとして車両Aに搭載されている。
上記実施形態の変形例26では、フロントカメラ31の撮像データであって、自車の前景を撮像した撮像データを取得するカメラ画像取得部が、HCU100に設けられている。表示生成部76は、撮像データに基づく前景のリアル画像に、予想軌跡コンテンツCTp、経路案内アイコンCTgn、及び経路案内コンテンツCTgs等の元画像を重ねてなる映像データを生成する。こうした映像データに基づき、HUD20は、リアル画像に各コンテンツ及びアイコンを重ねた表示を、前景に虚像として投影する。以上の変形例26のように、HUD20の画角VAが十分でない場合、ARコンテンツが画角VAからは外れるシーン等において、AR表示に用いられるコンテンツ等の元画像をリアル画像に重ねた虚像表示が実施されてもよい。
上記実施形態の変形例27では、HCUとHUDとが一体的に構成されている。即ち、変形例27のHUDの制御回路には、HCUの処理機能が実装されている。こうした変形例では、HUDが、「表示制御装置」に相当する。さらに、メータECU、ナビゲーションECU及びディスプレイオーディオECUにHCUの処理機能が実装されていてもよい。こうした変形例では、メータ装置、ナビゲーション装置及びディスプレイオーディオ装置が「表示制御装置」に相当する。
上記実施形態にて、HCUによって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
また、上記の表示制御方法を実現可能なプログラム等を記憶する記憶媒体の形態も、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、HCUの制御回路に電気的に接続される構成であってよい。さらに、記憶媒体は、HCUへのプログラムのコピー基となる光学ディスク及びのハードディスクドライブ等であってもよい。
HMIシステムを搭載する車両は、一般的な自家用の乗用車に限定されず、レンタカー用の車両、有人タクシー用の車両、ライドシェア用の車両、貨物車両及びバス等であってもよい。さらに、モビリティサービスに用いられるドライバーレス車両に、HCUを含むHMIシステムが搭載されてもよい。
HMIシステムを搭載する車両は、右ハンドル車両であってもよく、又は左ハンドル車両であってもよい。さらに、車両が走行する交通環境は、左側通行を前提とした交通環境であってもよく、右側通行を前提とした交通環境であってもよい。本開示による車線維持制御及びその関連表示は、それぞれの国及び地域の道路交通法、さらに車両のハンドル位置等に応じて適宜最適化される。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
(付記1-1)
車両(A)において用いられ、ヘッドアップディスプレイ(20)による表示を制御する表示制御装置であって、
前記車両の運転制御のために認識される走路(Lns)の境界に関する境界情報を取得する境界情報取得部(74)と、
経路案内に用いられる案内情報を取得する案内情報取得部(72)と、
前記境界情報に基づき運転制御される前記車両の予想軌跡を示す予想軌跡コンテンツ(CTp)を路面に重畳表示させ、前記案内情報に基づき所定地点(GP)での経路を案内する経路案内コンテンツ(CTgn,CTgs)を表示させる表示制御部(76)と、を備え、
前記表示制御部は、前記予想軌跡コンテンツと前記経路案内コンテンツとを共に表示させる場合に、前記予想軌跡コンテンツと前記経路案内コンテンツとの各様態が互いに異なるように表示させる表示制御装置。
(付記1-12)
車両(A)において用いられ、ヘッドアップディスプレイ(20)による表示を制御する表示制御プログラムであって、
少なくとも一つの処理部(11)に、
前記車両の運転制御のために認識される走路(Lns)の境界に関する境界情報を取得し、当該境界情報に基づき、運転制御される前記車両の予想軌跡を示す予想軌跡コンテンツ(CTp)を路面に重畳表示させ(S103)、
経路案内に用いられる案内情報を取得し、当該案内情報に基づき、所定地点(GP)での経路を案内する経路案内コンテンツ(CTgn,CTgs)を表示させる(S105,S107)、ことを含む処理を実施させ、
前記予想軌跡コンテンツと前記経路案内コンテンツとを共に表示させる場合には、前記予想軌跡コンテンツと前記経路案内コンテンツとの各様態が互いに異なるように表示させる表示制御プログラム。