JP7256964B2 - クランプ - Google Patents

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    • A61M39/00Tubes, tube connectors, tube couplings, valves, access sites or the like, specially adapted for medical use
    • A61M39/22Valves or arrangement of valves
    • A61M39/28Clamping means for squeezing flexible tubes, e.g. roller clamps

Description

本発明は、可撓性を有する輸液チューブの流路を開閉するために使用されるクランプに関する。
医療の分野において、薬剤や、栄養成分、電解質などを患者の静脈に投与する輸液が広く行われている。患者に投与される輸液を貯留した容器(以下「輸液バッグ」という)と患者の静脈に穿刺した針とは、柔軟な輸液チューブ(以下「チューブ」という)でつながれる。輸液を所望する速度やタイミングで患者に投与するために、輸液ポンプが使用される。輸液ポンプは、一般に、送液機構が設けられたポンプ本体と、ポンプ本体に対して開閉可能なドアとを備える。送液機構としては、例えば、複数のフィンガがチューブを直径方向に順次押し潰す蠕動式や、ローラがチューブを直径方向に押し潰しながらチューブの長手方向に沿って移動するローラ式が知られている。ドアを開いて、チューブをポンプ本体に固定する。ドアを閉じると、チューブは送液機構(例えばフィンガ又はローラ)とドアとの間に挟まれて直径方向に押し潰される。この状態で送液機構を駆動すると、送液が開始される(例えば特許文献1参照)。
チューブが輸液ポンプに装着されていない場合や、輸液ポンプにチューブを装着した状態でドアを開いた場合、輸液バッグ内の輸液が、重力によりチューブを通って患者に流れてしまう(これを「フリーフロー」という)。これを防止するために、一般に、チューブには、チューブの流路を開閉するためのローラ式クレンメが設けられている。しかしながら、クレンメでチューブの流路を閉塞する操作を忘れると、上記のフリーフローが生じてしまう。
特許文献2には、フリーフローを防止する(即ち、アンチフリーフロー)ために、チューブに装着して使用されるクランプが記載されている。クランプは、主基部、弾性変形部、及び、弾性部を備える。弾性部は、主基部に対して弾性変形部が揺動可能なように主基部と弾性変形部とをつなぐ。主基部の弾性部とは反対側端には主基部から弾性変形可能に延設された副基部が設けられている。弾性変形部の先端には、第1係合部及び第2係合部が設けられている。副基部には、第1溝部及び第2溝部が設けられている。自然状態では、第1及び第2係合部は第1及び第2溝部に係合せず、チューブに対してクランプを着脱可能である。チューブを主基部と弾性変形部との間に挿入し、第2係合部を第2溝部に係合させると、チューブは、その流路が確保された状態(開状態)で、クランプから分離することができなくなる。更に、第1係合部を第1溝部に係合させると、主基部と弾性変形部とがチューブの流路を閉塞した閉塞状態となる。
第1係合部が第1溝部に係合した状態(チューブが閉塞状態)でクランプ及びチューブを輸液ポンプのポンプ本体に固定する。ドアを閉めると、これに連動して、第1係合部と第1溝部との係合が解除され、代わりに、第2係合部が第2溝部に係合し、チューブは輸液ポンプによる送液が可能な開状態となる。その後、ドアを開くと、これに連動して、第2係合部と第2溝部との係合が解除され、代わりに、第1係合部が第1溝部に係合し、チューブは閉塞状態に切り替わる。チューブ及びクランプは、チューブが閉塞状態のままでポンプ本体から取り外すことができる。
以上のように、クランプは、チューブが輸液ポンプのポンプ本体に装着され、且つ、ドアが閉められた状態のときにのみチューブを開状態にさせるので、上記のフリーフローを防止することが可能である。
特開2007-167316号公報 特開2004-073822号公報(第2の実施形態、図11~図15)
特許文献2のクランプでは、開状態を維持するための係合構造(第2係合部と第2溝部)と、閉塞状態を維持するための係合構造(第1係合部と第1溝部)とが、別個に設けられている。このため、クランプの構造が複雑である。
本発明は、輸液チューブに装着された状態で輸液チューブの流路を開状態と閉塞状態との間で切り替えることができるクランプであって、構造が簡単なクランプを提供することを目的とする。
本発明のクランプは、輸液チューブに装着された状態で前記輸液チューブの流路を開閉することができる。前記クランプは、前記輸液チューブの流路を閉塞するための第1アーム及び第2アームと、前記第2アームに対して前記第1アームが揺動可能なように前記第1アームと前記第2アームとを連結する、弾性的に曲げ変形可能な第1弾性部と、前記第1アームの前記第1弾性部とは反対側端に、弾性的に変形可能な第2弾性部を介して、前記第1アームに対して変位可能に設けられた操作部と、前記操作部に設けられた係合凸部と、前記第2アームの前記第1弾性部とは反対側端に設けられた、前記係合凸部が係合可能な係合構造とを備える。前記係合凸部が前記係合構造に係合した状態で、前記係合凸部の前記係合構造に対する係合位置を、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞しない第1位置と、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞する第2位置とに切り替えることができる。
本発明のクランプは、第1アーム側の係合凸部と第2アーム側の係合構造とを備える。クランプを輸液チューブに装着し且つ係合凸部が係合構造に係合した状態で、係合凸部の係合構造に対する係合位置を、第1位置と第2位置とに切り替えることにより、チューブの流路を開閉することができる。本発明によれば、簡単な構造でチューブの流路を開閉することができる。
図1は、自然状態にある本発明の実施形態1にかかるクランプの斜視図である。 図2Aは、自然状態にある本発明の実施形態1にかかるクランプの右側面図である。 図2Bは、自然状態にある本発明の実施形態1にかかるクランプの左側面図である。 図3は、自然状態にある本発明の実施形態1にかかるクランプの断面図である。 図4は、図2Aの4-4線を含む面での、本発明の実施形態1にかかるクランプの矢視断面図である。 図5は、係合凸部が溝に嵌入した直後の、本発明の実施形態1にかかるクランプの右側面図である。 図6は、係合凸部が第1位置にて溝に係合した、本発明の実施形態1にかかるクランプの右側面図である。 図7は、係合凸部が第2位置にて溝に係合した、本発明の実施形態1にかかるクランプの右側面図である。 図8Aは、本発明の実施形態1にかかるクランプの右側面図であり、クランプはチューブに装着され且つ自然状態にある。図8Bは、本発明の実施形態1にかかるクランプの右側面図であり、クランプはチューブに装着され且つ係合凸部は第1位置にて溝に係合している。図8Cは、本発明の実施形態1にかかるクランプの右側面図であり、クランプはチューブに装着され且つ係合凸部は第2位置にて溝に係合している。 図9は、自然状態にある本発明の実施形態2にかかるクランプの斜視図である。 図10は、自然状態にある本発明の実施形態2にかかるクランプの側面図である。 図11は、自然状態にある本発明の実施形態2にかかるクランプの断面図である。 図12は、自然状態にある本発明の実施形態3にかかるクランプの斜視図である。 図13は、自然状態にある本発明の実施形態3にかかるクランプの、係合凸部及び案内溝を通る面での断面図である。 図14は、自然状態にある本発明の実施形態4にかかるクランプの斜視図である。 図15は、自然状態にある本発明の実施形態4にかかるクランプの側面図である。 図16は、自然状態にある本発明の実施形態4にかかるクランプの断面図である。 図17は、自然状態にある本発明の実施形態5にかかるクランプの斜視図である。 図18は、自然状態にある本発明の実施形態5にかかるクランプの、係合凸部及び案内溝を通る面での断面図である。 図19は、自然状態にある本発明の実施形態6にかかるクランプの斜視図である。 図20は、自然状態にある本発明の実施形態6にかかるクランプの、係合凸部及び案内溝を通る面での断面図である。 図21は、自然状態にある本発明の実施形態7にかかるクランプの斜視図である。 図22は、自然状態にある本発明の実施形態7にかかるクランプの、係合凸部及び傾斜面を通る面での断面図である。 図23は、自然状態にある本発明の実施形態8にかかるクランプの側面図である。 図24は、自然状態にある本発明の実施形態9にかかるクランプの側面図である。 図25は、自然状態にある本発明の実施形態10にかかるクランプの斜視図である。 図26は、自然状態にある本発明の実施形態10にかかるクランプの側面図である。 図27は、自然状態にある本発明の実施形態11にかかるクランプの斜視図である。 図28は、自然状態にある本発明の実施形態11にかかるクランプの側面図である。
上記の本発明のクランプにおいて、前記係合凸部が前記係合構造に係合していない状態で、前記輸液チューブを前記第1アームと前記第2アームとの間に対して挿抜することができてもよい。かかる態様は、輸液チューブに対するクランプの着脱を容易にする。
前記係合凸部が前記第2位置で前記係合構造に係合しているときに前記係合凸部が前記第2位置から離れるように前記操作部を変位させると、前記第1弾性部の弾性復元力が、前記第1アームを前記第2アームから離間させ、前記係合凸部を前記第1位置に移動させてもよい。かかる態様によれば、操作部を押して変位させるという簡単な操作で、チューブの流路を閉塞状態から開状態に切り替えることができる。これは、輸液ポンプのドアを閉めると、ドアが操作部を変位させ、チューブが閉塞状態から開状態に切り替わる構成の実現を容易にする。このため、クランプは、輸液ポンプに対する適合性が高い。
前記係合凸部は前記係合構造に対して不可逆的に係合してもよい。かかる態様によれば、チューブにクランプを装着し且つ係合凸部を係合構造に係合させた後は、クランプをチューブから取り外すことが困難になる。例えば、使用者は、クランプ付きのチューブ(例えば輸液セット)が、当該クランプが適合する輸液ポンプの専用品であることを容易に認識することができる。
本発明のクランプは、前記第1アームが揺動する面に対して垂直な方向に前記係合凸部を変位させないかぎり、前記係合凸部を前記係合構造に対して係合することができないように構成されていてもよい。かかる態様によれば、係合凸部が係合構造に対して不可逆的に係合するクランプを簡単な構造で実現することができる。
前記係合凸部を前記係合構造に導くための案内構造が、前記第2アームに設けられていてもよい。かかる態様は、係合凸部を係合構造に係合させる作業を容易にするのに有利である。
前記案内構造は傾斜面を含んでいてもよい。前記係合凸部が前記係合構造に向かって前記傾斜面を摺動するとき、前記傾斜面は前記第1アームが揺動する面に対して垂直な方向に前記係合凸部を変位させてもよい。かかる態様によれば、係合凸部を係合構造に係合させる作業を容易にする案内構造を、簡単な構成で容易に実現できる。
前記案内構造は、前記係合凸部が移動する案内溝を含んでいてもよい。この態様では、係合凸部を、案内溝を通過させずに、係合構造に係合させることは、相対的に困難である。このため、係合凸部が係合構造に係合していない自然状態において、外力等によって係合凸部が係合構造に係合してしまうという事態が意図せずに発生するのを防止することができる。
前記第2アームは、その両側面に、一対の前記案内構造を備えていてもよい。前記一対の案内構造は対称であってもよい。かかる態様は、係合凸部を係合構造に係合させる作業を容易にするのに有利である。また、当該作業中にクランプが捩られることによってクランプが破損してしまう可能性を低減するのに有利である。
あるいは、前記一対の案内構造は非対称であってもよい。かかる態様は、係合凸部と係合構造との係合を解除することを困難にするのに有利である。
前記係合凸部は、前記操作部の前記第1弾性部から最も離間した遠位端よりも前記第1弾性部側に位置していてもよい。かかる態様は、係合凸部と係合構造との係合を解除することを困難にするのに有利である。
前記係合凸部は、前記第1アームが揺動する面に平行に延びた板材に設けられていてもよい。板材は、高強度であるので、変形させることが相対的に困難である。このため、上記の態様は、係合凸部と係合構造との係合を解除することを困難にするのに有利である。
あるいは、前記係合凸部は、細長い棒状のバーに設けられていてもよい。バーは、低強度であるので、変形させることが相対的に容易である。このため、上記の態様は、係合凸部を係合構造に係合させる作業を容易にするのに有利である。
前記操作部は、一対の前記係合凸部を備えていてもよい。前記一対の係合凸部は、互いに離間し且つ対向していてもよい。かかる態様は、係合凸部を係合構造に係合させる作業を容易にするのに有利である。また、当該作業中にクランプが捩られることによってクランプが破損してしまう可能性を低減するのに有利である。
前記係合凸部が前記係合構造に係合していない自然状態での前記係合凸部の位置と、前記第1位置と、前記第2位置とは、前記第1アームの揺動中心と同心の共通する円弧上に位置していてもよい。かかる態様は、係合凸部が第1位置又は第2位置で係合構造に係合した状態でクランプが長期間放置されても、第2弾性部の弾性力を劣化させることなく維持するのに有利である。
前記係合凸部が前記係合構造に係合した状態で、前記係合凸部の前記係合構造に対する係合位置を、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を半閉塞させる第3位置に更に切り替えることができてもよい。例えば、輸液の所望する流量に応じて第3位置を設定すれば、係合凸部を第3位置に移動させるだけで、輸液の流量を当該所望する流量に簡単に設定することが可能になる。
前記係合凸部が前記第3位置で前記係合構造に係合しているときに前記係合凸部が前記第3位置から離れるように前記操作部を変位させると、前記第1弾性部の弾性復元力が、前記第1アームを前記第2アームから離間させ、前記係合凸部を前記第1位置に移動させてもよい。かかる態様によれば、操作部を押して変位させるという簡単な操作で、チューブの流路を半閉塞状態から開状態に切り替えることができる。
前記係合凸部が前記係合構造に係合していない自然状態での前記係合凸部の位置と、前記第3位置とは、前記第1アームの揺動中心と同心の共通する円弧上に位置してもよい。かかる態様は、係合凸部が第3位置で係合構造に係合した状態でクランプが長期間放置されても、第2弾性部の弾性力を劣化させることなく維持するのに有利である。
前記係合構造は、前記係合凸部が嵌入し且つ移動することができる係合溝を含んでいてもよい。かかる態様によれば、係合凸部が係合する係合構造を簡単な構成で実現できる。係合凸部及び係合溝は、いずれも鋭利な先端を有している必要がないので、耐久性及び信頼性に優れ、製造が容易である。
前記係合溝は、楔形状または略「V」字形状を有していてもよい。かかる態様は、係合凸部が第2位置で係合構造に係合している状態において、外力等によって係合凸部が第2位置から第1位置に移動してしまうという事態が意図せずに発生するのを防止するのに有利である。
あるいは、前記係合溝は、略「U」字形状を有していてもよい。かかる態様によれば、わずかな力で係合凸部の位置を第1位置と第2位置との間で切り替えることが可能な構成を容易に実現できる。また、繰り返しの切り替えに対する第2弾性部の耐久性が向上する。
前記係合構造は、前記係合凸部が係合し且つ摺動することができる少なくとも一つのリブを含んでいてもよい。かかる態様によれば、係合凸部が係合する係合構造を簡単な構成で実現できる。係合凸部及びリブは、いずれも鋭利な先端を有している必要がないので、耐久性及び信頼性に優れ、製造が容易である。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する主要な要素(または部材)を簡略化して示したものである。従って、本発明の範囲内において、図面に示されていない任意の要素を追加したり、あるいは、図面に示された任意の要素を変更もしくは省略したりしてもよい。各実施形態の説明において引用する図面において、先行する実施形態で引用した図面に示された要素に対応する要素には、当該先行する実施形態の図面で付された符号と同じ符号が付してある。そのような要素については、重複する説明が省略されており、先行する実施形態の説明を適宜参酌すべきである。
(実施形態1)
図1は、自然状態にある本発明の実施形態1にかかるクランプ1aの斜視図である。図2A及び図2Bはクランプ1aの右側面図及び左側面図である。図3はクランプ1aの、厚さ方向の中央位置を含む面に沿った断面図である。クランプ1aは、第1アーム10と第2アーム20とを備える。第1アーム10及び第2アーム20は、それぞれ略直線状に延びている。第1アーム10の長手方向の一端(第1端)と第2アーム20の長手方向の一端(第1端)とが、円弧状(または略「C」字状)に湾曲した第1弾性部51を介して連結されている。クランプ1aに外力が加えられていない自然状態では、第1弾性部51から離れるにしたがって第1アーム10と第2アーム20との間の間隔が拡大するように、第1アーム10と第2アーム20とは第1弾性部51を介して略楔状(略「V」字状)に連結されている。第2アーム20に対して第1アーム10が相対的に揺動(または回動)可能なように、第1弾性部51は弾性的に曲げ変形可能である。第1アーム10の揺動中心(図示せず)は、第1弾性部51又はその近傍に位置する。本発明では、第2アーム20に対して第1アーム10が揺動する面を「揺動面」と呼ぶ。図3の断面は、揺動面に平行である。揺動面に垂直な方向を「厚さ方向」と呼ぶ。なお、「揺動」は第1アーム10及び第2アーム20のうちの一方に対する他方の相対的な運動であり、「第2アーム20に対する第1アーム10の揺動」、及び、「第1アーム10に対する第2アーム20の揺動」のいずれにも表現しうるが、本発明では前者にて表現することにする。また、第1アーム10の揺動中心(または第1弾性部51)を基準としてこれに近い側を「近位側」、これから遠い側を「遠位側」という。ある部材(または要素)の「遠位端」及び「近位端」とは、それぞれ当該部材のうち揺動中心から最も遠い部分及び最も近い部分を指す。
第1アーム10は、第2アーム20に向かって突出した第1閉塞部11を備える。第2アーム20は、第1アーム10に向かって突出した第2閉塞部21を備える。第1及び第2閉塞部11,21は、それぞれ第1及び第2アーム10,20の長手方向に沿って延びたリブ状の突起である。自然状態では、第1閉塞部11と第2閉塞部21とは互いに離間し且つそれぞれ相手方に対して傾斜している。第1アーム10及び第2アーム20に、第1アーム10と第2アーム20とが接近する向きの力F11,F21(図2A参照)をそれぞれ加えると、第1弾性部51が曲げ変形し、第1閉塞部11と第2閉塞部21とを接近させることができる。
第1アーム10は、第1閉塞部11の長手方向の両端に、第1閉塞部11よりも更に第2アーム20に向かって突出した規制突起12,13を備える。同様に、第2アーム20は、第2閉塞部21の長手方向の両端に、第2閉塞部21よりも更に第1アーム10に向かって突出した規制突起22,23を備える。規制突起12,13,22,23は、チューブが第1閉塞部11と第2閉塞部21との間に位置するように、クランプ1aに対するチューブの位置を規制するためのものである(後述する図8A及び図8B参照)。本発明では、規制突起12,13,22,23のうちの一部又は全部を省略してもよい。
第1アーム10の第1弾性部51とは反対側端(第2端)に、円弧状(または略「C」字状)に湾曲した第2弾性部52を介して操作部30が設けられている。操作部30は、揺動面に平行な2枚の板材31で構成される。2枚の板材31は、互いに厚さ方向に離間し且つ対向している。2枚の板材31は、第2弾性部52及び連結部32を介して連結されている。連結部32は、操作部30の遠位端(即ち、操作部30のうち、第1弾性部51から最も遠い部分)に設けられている。2枚の板材31のそれぞれの相手方に対向する内面から、対向する板材31に向かって、略円柱形状の係合凸部33が突出している。一対の係合凸部33は互いに厚さ方向に離間し且つ対向している。係合凸部33を含む2枚の板材31は、対称である。係合凸部33は、板材31の、第2アーム20(特にその係合部40)に近い端縁又はその近傍に位置している。係合凸部33は、第2弾性部52及び連結部32のいずれからも遠い。したがって、2枚の板材31を弾性的に曲げ変形させることにより、一対の係合凸部33間の間隔を拡大させることが可能である。
なお、一対の係合凸部33間の間隔を拡大させることが可能である限り、連結部32の位置や形状は、本実施形態に限定されず、任意に変更しうる。例えば、連結部32が、第2弾性部52に連続していてもよい。また、連結部32を省略することもできる。
第1アーム10に対して操作部30が相対的に揺動(変位)可能なように、第2弾性部52は弾性的に曲げ変形可能である。操作部30の遠位端(連結部32又はその近傍)に第1アーム10の長手方向に略平行な力F31(図2A参照)を加えると、第2弾性部52が曲げ変形し、操作部30及び係合凸部33を第1弾性部51に向かって移動させることができる。
第2アーム20は、第1弾性部51とは反対側端(第2端)に、係合部40を備える。係合部40は、揺動面に略平行な板状体である。係合部40に溝(係合溝)45が設けられている。溝45は、係合部40を厚さ方向に貫通する貫通孔(開口)である。溝45は、直線状の第1溝部45aと直線状の第2溝部45bとを備える。第1溝部45aと第2溝部45bとは、溝45の最も第1弾性部51に近い最内部45iから放射状に延びている。溝45は全体として略楔形状(または略「V」字形状)を有する。第1溝部45aは、最内部45iから離れるにしたがって操作部30に接近するように、第2アーム20の長手方向に対して傾斜している。第2溝部45bは、第2アーム20の長手方向に略平行であり、また、第2アーム20に対して第1アーム10が揺動する揺動中心から放射状(または半径方向)に延びる直線に略沿っている。第1溝部45aは第2溝部45bよりも操作部30側に配置されている。図2A及び図2Bの二点鎖線で示した円P1及び円P2は、係合凸部33が溝45に安定的に係止される第1位置及び第2位置を示す(詳細は後述する)。
溝45の第1溝部45aと、係合凸部33の自然状態での位置とを結ぶ直線に略沿って、案内溝(案内構造)43が係合部40の両側面に設けられている。図4は、案内溝43及び係合凸部33を通る図2Aの4-4線を含む面でのクランプ1aの矢視断面図である。2つの案内溝43は対称形状を有している。案内溝43の底面は、係合部40の外周端縁から溝45に向かって、第1平坦面43a、傾斜面43c、第2平坦面43bをこの順に互いに隣接して有している。第1平坦面43a及び第2平坦面43bは、揺動面に対して略平行である。傾斜面43cは、案内溝43での係合部40の厚さが溝45に向かって厚くなるように傾斜している。一対の係合凸部33間の間隔は、第1平坦面43aでの係合部40の厚さと同じかこれよりわずかに大きく、第2平坦面43bでの係合部40の厚さより小さい。
クランプ1aは、樹脂材料のような硬質材料からなる。例えば、クランプ1aは、樹脂材料を射出成形することにより全体を一部品として一体的に製造されることが好ましい。使用できる樹脂材料は、制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、スチレンエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンスチレンブロック共重合体などを例示することができる。第1及び第2弾性部51,52及び板材31が弾性曲げ変形されることを考慮すると、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。
図1~図4は、クランプ1aに外力が加えられておらず、また、クランプ1aのいずれの部分も弾性変形していない、クランプ1aの自然状態(または初期状態)を示している。自然状態では、操作部30と係合部40とが互いに離間し、また、第1閉塞部11と第2閉塞部21とが互いに離間している。チューブを操作部30と係合部40との間の開口部53を通過させることにより、チューブに対してクランプ1aを着脱することができる(後述する図8A参照)。
自然状態のクランプ1aを変形させて、係合凸部33を溝45に係合させることができる。即ち、第1アーム10及び第2アーム20に力F11及び力F21(図2A参照)を加え、第1弾性部51を曲げ変形させて、第1アーム10と第2アーム20とを接近させる。これと並行して、操作部30に力F31(図2A参照)を加え、第2弾性部52を曲げ変形させて、操作部30及び係合凸部33を第1弾性部51に向かってわずかに移動させる。係合凸部33を係合部40に設けられた案内溝43(特にその第1平坦面43aに対応する部分)に嵌入させる。第1アーム10(または操作部30)を第2アーム20(または係合部40)に向かって強く押すと、一対の係合凸部33は、傾斜面43c上を摺動しながらその間隔が拡大され、更に第2平坦面43b上を摺動し、その後、溝45(第1溝部45a)内に嵌入する。必要に応じて、何らかの工具を用いて、一対の係合凸部33間の間隔が拡大するように板材31を変形させてもよい。図5は、係合凸部33が溝45に嵌入した直後のクランプ1aの右側面図である。
その後、上記力F11,F21,F31を解除する。図6は、この状態のクランプ1aの右側面図である。図6のクランプ1aは、図5の状態からわずかに変形している。より詳細には、第1弾性部51の弾性回復力によって、第1アーム10と第2アーム20とが図5よりも互いにわずかに離間している。また、操作部30が図5よりも第1弾性部51から離れる向きにわずかに移動している。係合凸部33は、第1溝部45aの終端(第1弾性部51から最も遠い位置、第1溝部45aの遠位端)またはその近傍に位置している。図6に示した係合凸部33の位置を「第1位置P1」という。第1弾性部51が第1アーム10を第2アーム20から離間する向きに(即ち、図2Aに示した自然状態に復帰するように)付勢しながら、係合凸部33は溝45に第1位置P1にて安定的に係合される。係合凸部33が第1位置P1にあるとき、第2弾性部52は、図2Aに示した自然状態に実質的に弾性回復している。第1アーム10の第1閉塞部11の先端と、第2アーム20の第2閉塞部21の先端とは、互いに離間し且つ相手方に対して傾斜している。
溝45の側面(即ち、溝45の幅を規定する面)45s(図1、図4参照)は、厚さ方向に平行である。このため、一旦、係合凸部33が溝45に嵌入し係合すると、その後、係合凸部33を溝45から脱出させることは困難である。即ち、係合凸部33は溝45に対して不可逆的に係合する。
図6の状態において、第1アーム10及び第2アーム20に、これらが更に接近する向きに力F12,F22を加えることができる。必要に応じて、操作部30に、第1弾性部51に向かう力F32を加えてもよい。第1アーム10が第2アーム20に接近し、これと並行して、係合凸部33は、第1溝部45a内を第1位置P1から最内部45iに向かって移動する。これにともない、第1弾性部51は更に弾性曲げ変形し、第2弾性部52も弾性曲げ変形する。係合凸部33が最内部45iに到達した後、力F32を解除すると、第2弾性部52の弾性回復力によって、係合部40は第1弾性部51から離れる向きに移動する。係合凸部33は第2溝部45b内を最内部45iから離れる向きに移動する。
その後、上記力F12,F22を解除する。図7は、この状態のクランプ1aの右側面図である。係合凸部33は、第2溝部45bの終端(第1弾性部51から最も遠い位置、第2溝部45bの遠位端)またはその近傍に位置している。図7に示した係合凸部33の位置を「第2位置P2」という。第1弾性部51が第1アーム10を第2アーム20から離間する向きに(即ち、図2Aに示した自然状態に復帰するように)付勢しながら、係合凸部33は溝45に第2位置P2にて安定的に係合される。係合凸部33が第2位置P2にあるとき、第2弾性部52は、図2Aに示した自然状態に実質的に弾性回復している。第1アーム10の第1閉塞部11の先端と、第2アーム20の第2閉塞部21の先端とは、互いに接近し且つ略平行である。
図7の状態において、操作部30に、第1弾性部51に向かう力F33を加えることができる。係合凸部33は、第2溝部45b内を第2位置P2から最内部45iに向かって移動する。これにともない、第2弾性部52は弾性曲げ変形する。係合凸部33が第2溝部45bを脱出したとき(または、最内部45iに到達したとき)、力F33を解除する。第1弾性部51の弾性回復力が、第1アーム10を、第2アーム20から離れるように揺動させる。これと並行して、係合凸部33は第1溝部45a内を最内部45iから第1位置P1に向かって移動する。クランプ1aは、係合凸部33が第1位置P1で溝45に係合した図6の状態に戻る。
以後、上記と同様にして、係合凸部33が第1位置P1で溝45に係合した状態(図6)と、係合凸部33が第2位置P2で溝45に係合した状態(図7)との間で、クランプ1aの状態を何度でも切り替えることができる。
クランプ1aは、輸液を貯留した容器(輸液バッグ)と患者の静脈に穿刺される針とをつなぐ、柔軟な輸液チューブ(以下、単に「チューブ」という)に装着され、チューブの流路を開閉するための使用される。クランプ1aの使用方法の一例を以下に説明する。
図8Aは、チューブ90に装着した自然状態(図1~図4参照)にあるクランプ1aを示す。図8Aでは、チューブ90は、クランプ1aの揺動面に平行な面での断面図で示されている。チューブ90は、第1閉塞部11と第2閉塞部21との間に位置している。クランプ1aの開口部53にチューブ90を通過させることより、クランプ1aをチューブ90に装着することができる。チューブ90を開口部53に通過させる際に、必要に応じてチューブ90を直径方向に圧縮変形させ、あるいは、第1弾性部51を変形させて操作部30と係合部40との間の間隔(即ち、開口部53)を拡大させてもよい。自然状態での規制突起12と規制突起22との間の間隔はチューブ90の外径より小さいので、一旦、クランプ1aをチューブ90に装着すると、振動や外力等が加えられてもクランプ1aがチューブ90から意図せずに外れることがない。また、自然状態での規制突起13と規制突起23との間の間隔はチューブ90の外径より小さいので、チューブ90が第1閉塞部11と第2閉塞部21との間から第1弾性部51内へ移動することもない。
次いで、図8Bに示すように、係合凸部33を、第1位置P1にて溝45に係合させる(図6参照)。この状態では、チューブ90は実質的に変形しておらず、その流路は開状態にある。
次いで、図8Cに示すように、係合凸部33を、第2位置P2に移動させる(図7参照)。チューブ90は、第1閉塞部11と第2閉塞部21とによって直径方向に圧縮され、チューブ90の流路は閉塞される。
係合凸部33の位置を、上述したように第1位置P1(図8B参照)と第2位置P2(図8C参照)との間で切り替えることにより、クランプ1がチューブ90に装着された状態でチューブ90の流路を開閉することができる。
例えば、チューブ90及びクランプ1aは、チューブ90にクランプ1aが装着された「輸液セット」として、病院等の医療機関に納品されうる。係合凸部33は第1位置P1(図8B参照)にある。医療機関では、輸液の準備時に、係合凸部33を第2位置P2(図8C参照)に移動させる。あるいは、輸液セットは、係合凸部33が第2位置P2にある状態(図8C参照)で医療機関に納品されてもよい。係合凸部33が第2位置P2にある状態で、チューブ90の上流端を、輸液を貯留した輸液バッグに接続し、チューブ90の下流端に設けられた針を患者の静脈に穿刺する。クランプ1aの係合凸部33を、第2位置P2(図8C参照)から第1位置P1(図8B参照)に切り替えると、輸液を開始することができる。その後、係合凸部33を、第1位置(図8B参照)から第2位置(図8C参照)に切り替えると、輸液を停止することができる。
クランプ1aは、特許文献2のクランプと同様に、輸液ポンプに装着して使用されてもよい。この場合、輸液ポンプのドアの開閉に連動して、係合凸部33の位置が第1位置P1と第2位置P2とで切り替わるように構成されてもよい。例えば、係合凸部33が第2位置P2(図8C参照)にあり、チューブ90の流路が閉塞状態にある輸液セットを準備する。輸液ポンプのドアを開き、クランプ1a及びチューブ90を輸液ポンプのポンプ本体に装着する。ドアを閉じると、ドアが操作部30を押し(図7の力F33)、係合凸部33は第1位置P1(図8B参照)に移動し、チューブ90は開状態に切り替わる。輸液ポンプを駆動して、輸液を行う。輸液を終了し、ドアを開くと、これに連動してクランプ1aに力(図6の力F12,F22)が加えられ、第1アーム10が第2アーム20に向かって移動し、係合凸部33は第2位置P2(図8C参照)に移動し、チューブ90は閉塞状態に切り替わる。チューブ90及びクランプ1aを輸液ポンプからから取り外しても、重力により輸液が患者に流れるフリーフローは起こらない。
以上のように、本実施形態1のクランプ1aでは、第1アーム10側の操作部30に係合凸部33が設けられ、第2アーム20側の係合部40に溝45が設けられている。係合凸部33を溝45に係合させた状態で、係合凸部33の位置を、チューブ90を開状態にする第1位置P1(図8B参照)と、チューブ90を閉塞状態にする第2位置P2(図8C参照)との間で切り替える。チューブ90の開状態及び閉塞状態のいずれでも係合凸部33は溝45に係合している。溝45内で係合凸部33を第1位置P1と第2位置P2との間で移動させるだけで、チューブ90を開閉することができる。係合凸部33と、係合凸部33が移動可能な溝45という簡単な構造でチューブ90の開閉を行うことができる。
上述した特許文献2の従来のクランプでは、第1及び第2係合部は鋭利な先端を有している。このため、第1及び第2溝部に対する第1及び第2係合部の係合及びその解除を繰り返すと、当該先端が摩耗や欠損して、開状態及び閉塞状態を安定的に維持することが困難になる。また、このような鋭利な先端を所定の精度で形成する必要があるので、クランプの製造が困難である。
これに対して、本実施形態1では、係合凸部33は、溝45から脱出することなく、第1位置(図8B参照)と第2位置(図8C参照)との間で移動できればよい。係合凸部33及び溝45は、上記従来のクランプの第1及び第2係合部のような鋭利な先端を有しないので、欠損や摩耗が生じにくい。係合凸部33の位置を第1位置P1と第2位置P2との間で繰り返し切り替えても、チューブ90を安定的に開閉させることができる。従って、クランプ1aは、耐久性と信頼性に優れる。更に、係合凸部33及び溝45の精度が比較的緩くても、係合凸部33を第1位置P1及び第2位置P2に安定的に係合させることができるので、チューブ90の開閉動作を行うことが可能である。従って、クランプ1aは製造が容易である。
係合凸部33が第2位置P2で溝45に係合している状態(図7、図8C参照)で、係合凸部33が第2位置P2から離れるように操作部30を第1弾性部51に向かって変位させることができる。係合凸部33が第2溝部45bから脱出すると直ちに、第1弾性部51の弾性復元力が、第1アーム10を第2アーム20から離間させ、係合凸部33を第1位置P1(図6、図8B参照)に移動させる。このように操作部30を押して(図7の力F33参照)変位させるという簡単な操作で、チューブ90を閉塞状態から開状態に切り替えることができる。これは、輸液ポンプのドアを閉めたとき、当該ドアが操作部30を押し、チューブ90が閉塞状態から開状態に切り替わる構成を容易に実現可能にする。このため、クランプ1aは、輸液ポンプに対する適合性が高い。
係合凸部33が第1位置(図8B参照)及び第2位置(図8C参照)のいずれにあっても、操作部30は係合部40よりも遠位側に突出している。このため、操作部30に対する力F32,F33の印加が容易である。この点でも、クランプ1aは、輸液ポンプに対する適合性が高い。
係合凸部33を第2位置P2から開放するのに必要な力F33及び係合凸部33(または操作部30)の移動量を、第2位置P2から最内部45iまでの距離(または第2溝部45bの長さ)を変えることにより任意に調整することができる。第2溝部45bが、係合凸部33を単に係止できる程度の浅い凹み(例えば半円形の凹み)ではなく、所定長さを有しており、第2位置P2がそのような第2溝部45bの終端またはその近傍に設けられているので、クランプ1a(特にその操作部30)が周囲の物体に衝突したとしても、係合凸部33が第2位置から第1位置に移動して、チューブ90の流路が閉塞状態から開状態に切り替わってしまうという意図しない事態が起こる可能性が低い。第2位置P2から最内部45iまでの距離(または第2溝部45bの長さ)は、任意であるが、係合凸部33の外径の1倍以上、更には1.5倍以上、特に2倍以上であることが好ましい。
係合凸部30は溝45に不可逆的に係合する。即ち、係合凸部33が溝45に係合した後は、その係合を解除することは困難である。例えば、チューブ90にクランプ1aが装着され且つ係合凸部30が溝45に係合した状態(図8Bまたは図8C)の輸液セットが医療機関に納品されると、医療機関ではクランプ1aをチューブ90から取り外すことが実質的に不可能である。チューブ90にクランプ1aが不可逆的に装着されていることは、使用者に、当該輸液セットは、クランプ1aが適合する輸液ポンプ以外の輸液ポンプには使用すべきでないと認識させるのに有利である。
係合凸部33は操作部30の遠位端から第1弾性部51側(即ち、第1アーム10側)に離れて配置されている。これは、使用者が一対の係合凸部33にアクセスするのを困難にする。また、操作部30の遠位端又はその近傍で、連結部32が2枚の板材31を連結している。これは、使用者が2枚の板材31の間隔を拡大させることを困難にする。これらの結果、使用者が、一対の係合凸部33を互いに離間するように変位させることは困難である。これは、係合凸部33と溝45との係合を解除することを困難にするのに有利である。
係合凸部33を溝45へ案内するための案内溝43が第2アーム20(特にその係合部40)に設けられている。係合凸部33を案内溝43に通過させない限り、係合凸部33を溝45に係合させることは困難である。このため、係合凸部33が溝45に係合していない自然状態(図1~図4参照)において、外力等によって係合凸部33が溝45に意図せずに係合してしまう可能性を低減できる。
自然状態のクランプ1aにおいて操作部30に力F31(図2A参照)を加えて係合凸部33を第1弾性部51に向かってわずかに移動させないと、係合凸部33を案内溝43に嵌入させることができない。このことも、自然状態(図1~図4参照)において、外力等によって係合凸部33が溝45に意図せずに係合してしまう可能性を低減するのに有利である。もちろん、本発明のクランプは、力F31を加えることなく、単に第1アーム10を第2アーム20に向かって揺動させれば、係合凸部33が案内溝43に嵌入するように構成されていてもよい。
案内溝43の底面には、溝45に近づくにしたがって係合凸部33を厚さ方向により変位させるように傾斜した傾斜面43cが設けられている。これは、係合凸部33を溝45に係合させる作業を容易にするのに有利である。本実施形態1では、傾斜面43cに隣接して第1及び第2平坦面43a,43bが設けられているが、これらの一方又は両方を省略してもよい。
操作部30に一対の係合凸部33が設けられ、係合部40に一対の案内溝43が設けられている。一対の係合凸部33及び一対の案内溝43は、いずれも対称である。このため、係合凸部33を溝45に係合させる過程では、揺動面に沿って第1アーム10を第2アーム20に向かって単に揺動させればよい。後述する実施形態3とは異なり、第1アーム10と第2アーム20とを厚さ方向に互いに逆向きに変位させるような力をクランプ1aに加える必要はない。これは、係合凸部33を溝45に係合させる作業を容易にするのに有利であり、また、当該作業中にクランプ1aが捩られることによってクランプ1aが破損してしまう可能性を低減するのに有利である。
図2Aの二点鎖線の円弧55は、第1弾性部51が変形することによって第2アーム20に対して第1アーム10が揺動する揺動中心と同心である。クランプ1aが自然状態にあるときの係合凸部33の位置、係合凸部33の第1位置P1、係合凸部33の第2位置P2は、いずれもこの共通する円弧55上に位置する。このため、係合凸部33が第1位置P1(図6、図8B参照)及び第2位置P2(図7、図8C参照)にあるときに、第2弾性部52は実質的に変形しない。これは、係合凸部33が第1位置P1又は第2位置P2で溝45に係合した状態でクランプ1aが長期間放置されても、第2弾性部52の弾性力を劣化させることなく維持するのに有利である。例えば第2弾性部52の弾性力を第1弾性部51に比べて低下させることが可能になり、これよって、第2弾性部52を小型化又は薄肉化してクランプ1a全体を小型化することができる。
上記の例では、溝45は、係合部40を貫通する貫通孔であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、非貫通の溝を、係合部40の両側面に対称に設けてもよい。
(実施形態2)
図9は、自然状態にある本発明の実施形態2にかかるクランプ1bの斜視図である。図10及び図11は、自然状態にあるクランプ1bの側面図及び断面図である。
本実施形態2の操作部30bは、互いに厚さ方向に離間し且つ対向する2枚の板材31bを含む。各板材31bの第2アーム20(特にその係合部40)側の楔状の端縁を、対向する板材31bに向かって湾曲させて係合凸部33bを構成している。実施形態1では板材31と係合凸部33とを明確に識別できるが、本実施形態3では板材31bと係合凸部33bとの境界があいまいで、板材31bから係合凸部33bへ形状が連続的に変化している。図示を省略するが、実施形態1と同様に、本実施形態2のクランプ1bは、係合凸部33bの溝45に対する係合位置を第1位置及び第2位置とに切り替えることにより、チューブ90の流路を開閉させることができる。
実施形態1のクランプ1aでは、板材31と係合凸部33との境界に応力が集中しやすく、当該境界にクラック等の破損が生じる可能性を完全に否定できない。本実施形態2のクランプ1bでは、板材31bから係合凸部33bへ形状が連続的に変化しているので、応力が集中する箇所が存在しない。このため、クランプ1bは、更に耐久性に優れる。
係合凸部33bから離れた位置に、2枚の板材31bを連結する、実施形態1の連結部32と同様の連結部を設けてもよい。
本実施形態2は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明が本実施形態2にも適用される。
(実施形態3)
図12は、自然状態にある本発明の実施形態3にかかるクランプ1cの斜視図である。本実施形態3の操作部30cでは、係合凸部33cが、対向する2枚の板材131a,131bのうちの一方の板材131aのみに設けられている。図13は、係合凸部33c及び案内溝43を通る面でのクランプ1cの断面図である。図13の断面は、図4の断面に相当する。
本実施形態3の係合凸部33cは、実施形態1の係合凸部33に比べて、板材131aからより長く突出している。係合凸部33cを溝45に係合させるためには、第1アーム10と第2アーム20とを厚さ方向に沿って逆向きに変位させる必要がある。このため、係合凸部33cを溝45に係合させる作業は実施形態1より困難である。また、一旦、係合凸部33cを溝45に係合させた後に、その係合を解除することも実施形態1より困難である。
図示を省略するが、実施形態1と同様に、本実施形態3のクランプ1cは、係合凸部33cの溝45に対する係合位置を第1位置及び第2位置とに切り替えることにより、チューブ90の流路を開閉させることができる。
係合凸部33cの突出長さは、任意に変更しうる。係合凸部33cの突出長さが短いほど、係合凸部33cを溝45に係合させる作業は容易になる。
係合部40の両側面に設けられた案内溝43のうち、係合凸部33cが設けられていない側の案内溝43を省略してもよい。この場合、係合凸部33cが設けられた側の案内溝43が深いほど、係合凸部33cを溝45に係合させる作業は容易になる。
係合凸部33cが設けられていない板材131bに、係合凸部33cが対向する部分が切り欠かれて切り欠き131cが設けられている。これは、係合凸部33cを成形するための金型形状に起因する。係合凸部33cを成形できるのであれば、切り欠き131cを省略してもよい。
2枚の板材131a,131bのうち、係合凸部33cが設けられていない板材131bを省略してもよい。
実施形態2と同様に、板材131aの第2アーム20(特にその係合部40)側の端縁を、対向する板材131bに向かって湾曲させて、係合凸部33cを構成してもよい。
本実施形態3は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明が本実施形態3にも適用される。
(実施形態4)
図14は、自然状態にある本発明の実施形態4にかかるクランプ1dの斜視図である。図15及び図16は、自然状態にあるクランプ1dの側面図及び断面図である。
第1アーム10に、第2弾性部52を介して操作部30dが設けられる。操作部30dは、第2弾性部52から延びた一定幅の細長い板材である細板35と、細板35から延びた一対のバー36と、一対のバー36の先端に設けられた一対の係合凸部33とを備える。一対のバー36は、互いに厚さ方向に離間し且つ対向している。係合凸部33を含む一対のバー36は対称である。
バー35は、細長い棒状の部材からなる。バー35は、相対的に低強度であり、実施形態1の板材31に比べて変形が容易である。このため、係合凸部33は案内溝43の傾斜面43c及び第2平坦面43bを比較的容易に乗り越えることができる。従って、係合凸部33を溝45に係合させる作業が容易である。
第2弾性部52から細板35が遠位側に向かって延び、一対のバー36は、細板35の遠位端から近位側に折り返すように延びている。このため、使用者が、一対の係合凸部33を互いに離間するように変位させることは困難である。これは、係合凸部33と溝45との係合を解除することを困難にするのに有利である。
細板35が、操作部30dの遠位端(即ち、操作部30bのうち、第1弾性部51から最も遠い部分)またはその近傍にまで延びている。これは、係合凸部33を、第2位置から第1位置へ移動させるための力(図7の力F33)を、一対のバー36ではなく、相対的に高強度の細板35に加えることを可能にするので、チューブ90の流路を閉塞状態から開状態に切り替える操作の信頼性が向上する。
なお、本実施形態4において、第2弾性部52と係合凸部33との間の細板35とバー36との長さ比は任意に変更しうる。細板35に比べてバー36が相対的に長いほど、係合凸部33の変位は容易になる。細板35を省略し、第2弾性部52から一対のバー36が延びていてもよい。
実施形態2と同様に、バー36の先端を対向するバー36に向かって湾曲させて係合凸部33を構成してもよい。
実施形態3と同様に、係合凸部33を、一対のバー36のうちの一方のみに設けてもよい。この場合、他方のバー36を省略してもよい。また、係合部40の両側面に設けられた案内溝43のうち、係合凸部33が設けられない側の案内溝43を省略してもよい。
本実施形態4は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明が本実施形態4にも適用される。
(実施形態5)
図17は、自然状態にある本発明の実施形態5にかかるクランプ1eの斜視図である。図18は、係合凸部33及び案内溝43,143を通る面でのクランプ1eの断面図である。図18の断面は、図4の断面に相当する。
実施形態1と同様に、係合部40の両側面に案内溝43,143が形成されている。但し、実施形態1と異なり、案内溝43と案内溝143とは非対称である。図18に示されているように、案内溝143の底面は、係合部40の外周端縁から溝45に向かって、第1平坦面43a、傾斜面43c、第2平坦面143bをこの順に互いに隣接して有している。案内溝143の第1平坦面43a及び傾斜面43cは、案内溝43のそれらと略対称である。第2平坦面143bは、傾斜面43cの頂部(厚さ方向に最も突出した部分)よりも案内溝43側に変位している。このため、傾斜面43cと第2平坦面143bとの間に厚さ方向の段差に起因する段差面143sが形成されている。
本実施形態5では、係合部40の両側面に設けられた案内溝43と案内溝143とが非対称であるので、係合凸部33が溝45に係合した後は、その係合を解除することが一層困難である。2つの係合凸部33を溝45から脱出させるためには、最初に案内溝43側の係合凸部33を第2平坦面43b上に乗り上げさせて(第1ステップ)、次いで、案内溝143側の係合凸部33を傾斜面43c上に乗り上げさせなければならない(第2ステップ)。2つの係合凸部33を同時に2つの第2平坦面43b上に乗り上げさせればよい実施形態1(図4参照)に比べると、本実施形態5はより多くのステップが必要である。
係合凸部33が溝45(特のその第1溝部45a)に係合した状態で、操作部30(または第1アーム10)と係合部40(または第2アーム20)とを強引に引き離そうとこれらに力を加えると、一対の係合凸部33のうち案内溝43側の係合凸部33が溝45の側面45sに衝突する。更に大きな力を加えると、操作部30が傾いて、案内溝143側の係合凸部33が段差面143sに衝突する。操作部30が傾いた場合には、操作部30が傾いていない場合に比べて、一対の係合凸部33を溝45から脱出させるために一対の係合凸部33を互いにより大きく離間させなければならない。この点からも、本実施形態5は実施形態1に比べて、係合凸部33と溝45との係合を解除することが困難である。
係合凸部33と溝45との係合解除の困難性が実施形態1と同等で足りるのであれば、本実施形態5では、案内溝43,143での係合部40の最大厚さを小さくすることが可能である。これは、係合凸部33を溝45に係合させる作業を容易にする。
本実施形態5は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明が本実施形態5にも適用される。
本実施形態5の非対称な案内溝43,143を、実施形態2~4に適用してもよい。
(実施形態6)
図19は、自然状態にある本発明の実施形態6にかかるクランプ1fの斜視図である。図20は、係合凸部33及び案内溝243を通る面でのクランプ1fの断面図である。図20の断面は、図4の断面に相当する。
本実施形態6では、案内溝243の底面に、実施形態1で設けられていた傾斜面43c(図4参照)が設けられていない。案内溝243の底面は、単一の平坦面243aで構成される。平坦面243aでの係合部40の厚さは、実施形態1の第2平坦面43bでの係合部40の厚さと略同じである。本実施形態6では、傾斜面43cを備えないので、係合凸部33を溝45に係合させる際に、一対の係合凸部33間の間隔を拡大させるために何らかの工具が必要である。一方で、係合凸部33が溝45に係合していない自然状態(図19、図20参照)において、外力等によって係合凸部33が溝45に意図せずに係合してしまう可能性を低減できる。例えば、多数の自然状態のクランプ1fを共通する箱に収納して搬送等した場合に、振動等による外力によって係合凸部33が溝45に係合してしまうのを防止できる。このように、本実施形態6では、自然状態のクランプ1fの取り扱い性が向上する。
なお、本実施形態6の案内溝243は、傾斜面43c(図4参照)を備えていなければよく、その底面が単一の平坦面243aで構成されることは必須ではない。例えば、実施形態1の案内溝43(図4参照)において傾斜面43cを省略し、第1平坦面43aと第2平坦面43bとが階段状に隣接していてもよい。
案内溝243での係合部40の最大厚さは、任意に変更しうる。
本実施形態6において、案内溝243を省略してもよい。即ち、係合部40の両側面のそれぞれが単一の平坦面で構成されていてもよい。
本実施形態6は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明が本実施形態6にも適用される。
本実施形態6の、傾斜面43cを備えない案内溝243を、実施形態2~5に適用してもよい。
(実施形態7)
図21は、自然状態にある本発明の実施形態7にかかるクランプ1gの斜視図である。図22は、係合凸部33及び傾斜面(案内構造)343を通る面でのクランプ1gの断面図である。図22の断面は、図4の断面に相当する。
本実施形態7では、係合部40の操作部30側の端縁に沿って傾斜面343が設けられている。傾斜面343は、係合部40の両側面に対称に設けられている。実施形態1の案内溝43は、本実施形態7では設けられていない。傾斜面343は、係合部40の厚さが溝45に向かって厚くなるように傾斜している。傾斜面343の操作部30側端での係合部40の厚さは、一対の係合凸部33間の間隔と同じかこれよりわずかに薄いことが好ましい。
実施形態1のクランプ1aでは、係合凸部33を溝45に係合させるためには、まず最初に係合凸部33を案内溝43に嵌入させる必要がある。即ち、係合凸部33の第1アーム10の長手方向に沿った位置を、案内溝43に合致するように調整する必要がある。本実施形態7ではこのような調整が不要である。単に、第1アーム10を第2アーム20に接近させ、係合凸部33を傾斜面343に当接させればよい。その後は、実施形態1と同様に、第1アーム10(または操作部30)を第2アーム20(または係合部40)に向かって強く押す。一対の係合凸部33は、傾斜面343上を摺動しながらその間隔が拡大され、その後、溝45(第1溝部45a)内に嵌入する。本実施形態7では、係合凸部33を溝45に係合させる作業が容易である。
傾斜面343よりも操作部30側に、実施形態1の第1平坦面43aと同様の平坦面が設けられていてもよい。
本実施形態7は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明が本実施形態7にも適用される。
本実施形態7の傾斜面343を、実施形態2~6に適用してもよい。
(実施形態8)
図23は、自然状態にある本発明の実施形態8にかかるクランプ1hの側面図である。本実施形態8では、溝145が、第1溝部45a及び第2溝部45bに加えて、更に直線状の第3溝部45cを有する。第1、第2及び第3溝部45a,45b,45cは最内部45iから略放射状に延びている。第3溝部45cは、第1溝部45aと第2溝部45bとの間に配置され、最内部45iから離れるにしたがって操作部30に接近するように、第2アーム20の長手方向に対して傾斜している。
二点鎖線で示した円P3は、係合凸部33が溝145に安定的に係止される第3位置を示す。第3位置P3は、第3溝部45cの終端(第1弾性部51から最も遠い位置、第3溝部45cの遠位端)またはその近傍に位置している。本実施形態8では、係合凸部33の溝145に対する係合位置を、第1位置P1、第2位置P2、及び、第3位置P3の間で切り替えることができる。
図示を省略するが、係合凸部33が第3位置P3にて溝145に係合しているとき、第1アーム10の第1閉塞部11の先端と、第2アーム20の第2閉塞部21の先端とは、互いにわずかに離間する。第1アーム10(特にその第1閉塞部11)と第2アーム20(特にその第2閉塞部21)との間チューブ90は、直径方向にわずかに圧縮されて、その流路は半閉塞される。本発明において「半閉塞」とは、チューブ90の流路の断面積が、開状態(図8B参照)の正確に半分であることを意味せず、開状態(図8B参照)と閉塞状態(図8C参照)との間であることを意味する。開状態のチューブ90の流路断面積に対する、半閉塞されたチューブ90の流路断面積の比(開率)は、第3溝部45cの傾き(または、第3位置P3の位置)に応じて変更できる。例えば、輸液の所望する流量に応じて第3位置P3の位置を設定すれば、係合凸部33を第3位置P3に移動させるだけで、輸液の流量を当該所望する流量に簡単に設定することができる。
係合凸部33が第3位置P3にて溝145に係合しているとき、第1弾性部51は第1アーム10を第2アーム20から離間する向きに(即ち、図23に示した自然状態に復帰するように)付勢する。この状態で、係合凸部33が第3位置P3から離れるように操作部30を第1弾性部51に向かって変位させることができる。係合凸部33が第3溝部45cから脱出すると直ちに、第1弾性部51の弾性回復力が、第1アーム10を第2アーム20から離間させ、係合凸部33を第1位置P1に移動させる。このように操作部30を押して変位させるという簡単な操作で、チューブ90を半閉塞状態から開状態に切り替えることができる。
第3位置P3は、クランプ1hが自然状態にあるときの係合凸部33の位置、第1位置P1、及び第2位置P2が位置する共通の円弧55上に位置している。円弧55は、第2アーム20に対して第1アーム10が揺動する揺動中心と同心である。このため、係合凸部33が第3位置P3にあるとき、第2弾性部52は、図23に示した自然状態に実質的に弾性回復し、実質的に変形しない。これは、係合凸部33が第3位置P3で溝145に係合した状態でクランプ1hが長期間放置されても、第2弾性部52の弾性力を劣化させることなく維持するのに有利である。
第3位置P3が、所定の長さを有する第3溝部45cの終端またはその近傍に設けられているので、クランプ1a(特にその操作部30)が周囲の物体に衝突したとしても、係合凸部33が第3位置P3から第1位P1置に移動して、チューブ90の流路が半閉塞状態から開状態に切り替わってしまうという意図しない事態が起こる可能性は低い。第3位置P3から最内部45iまでの距離(または第3溝部45cの長さ)は、任意であるが、係合凸部33の外径の1倍以上、更には1.5倍以上、特に2倍以上であることが好ましい。
溝145が、第1溝部45aと第2溝部45bとの間に、第3溝部45cに加えて、係合凸部33が安定的に係止される係止位置(第4位置P4、第5位置P5、・・・)を有する溝部(第4溝部、第5溝部、・・・)を更に備えていてもよい。
本実施形態8は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明が本実施形態8にも適用される。
本実施形態8の溝145を、実施形態2~7に適用してもよい。
(実施形態9)
図24は、自然状態にある本発明の実施形態9にかかるクランプ1iの側面図である。本実施形態9では、係合部40に、略「U」字形状を有する溝245が設けられている。溝245は、係合部40を厚さ方向に貫通する貫通孔(開口)である。溝245は、第1溝部245aと、第2溝部245bと、これらを連結する連結溝部245cとを備える。第1溝部245a及び第2溝部245bは、第2アーム20に対して第1アーム10が揺動する揺動中心から放射状(または半径方向)に延びる直線に略沿っている。第1溝部245aは第2溝部245bよりも操作部30側に配置されている。連結溝部245cは、第1アーム10の揺動中心と同心の円弧またはその接線に略沿っている。連結溝部245cの両端から、第1溝部245a及び第2溝部245bが、第1弾性部51とは反対側に向かって延びている。
図示を省略するが、係合凸部33は、第1溝部245aの終端(第1弾性部51から最も遠い位置、第1溝部245aの遠位端)またはその近傍の第1位置P1、及び、第2溝部245bの終端(第1弾性部51から最も遠い位置、第2溝部245bの遠位端)またはその近傍の第2位置P2で、溝245に安定的に係止される。実施形態1と同様に、係合凸部33が第1位置P1にあるとき、チューブ90は実質的に変形されず、その流路は開状態にある。係合凸部33が第2位置P2にあるとき、チューブ90は、第1閉塞部11と第2閉塞部21とによって直径方向に圧縮され、チューブ90の流路は閉塞される。クランプ1iが自然状態にあるときの係合凸部33の位置、第1位置P1、及び第2位置P2は、第1アーム10の揺動中心と同心の共通する円弧55上に位置している。
本実施形態9では、第1及び第2溝部245a,245bを、実施形態1の第1及び第2溝部45a,45bに比べて短くすることが容易である。第1及び第2溝部245a,245bが短い場合、第1及び第2溝部245a,245bから係合凸部33を脱出させるために必要な係合凸部33の移動距離は短くなる。このため、実施形態1に比べて、比較的小さな力をクランプ1iに加えるだけで、係合凸部33の位置を、第1位置P1と第2位置P2との間で切り替えることができる。また、係合凸部33の位置を第1位置P1と第2位置P2との間で切り替える際の第2弾性部52の変形量は比較的小さいので、第1位置P1と第2位置P2との間での繰り返しの切り替えに対する第2弾性部52の耐久性が向上する。
第1溝部245aの傾きによっては、係合凸部33を第1位置P1から第2位置P2へ移動させるために、最初に係合凸部33を第1位置P1から第1溝部245aに沿って連結溝部245cまで移動させることが必要となる場合がある。この場合、操作部30に、第1溝部245aに略平行(即ち、第1アーム10の長手方向に略平行)な力を加える必要がある。実施形態1に比べると、チューブ90を開状態から閉塞状態に切り替えるためにより多くの手順が必要である。これは、使用者がこの切り替えを手作業で行う場合に、より慎重な操作を使用者に強いることになるので、誤操作の防止に有利である。
溝245が、全体として略「E」字形状を有するように、第1溝部245aと第2溝部245bとの間に第3溝部を備えていてもよい。この場合、実施形態8と同様に、第3溝部の終端(連結溝部245cから最も遠い位置、第3溝部の遠位端)またはその近傍の第3位置P3に係合凸部33を係止させてチューブ90の流路を半閉塞させることができる。
本実施形態9は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明が本実施形態9にも適用される。
本実施形態9の溝245を、実施形態2~7に適用してもよい。
(実施形態10)
図25は、自然状態にある本発明の実施形態10にかかるクランプ1jの斜視図である。図26はクランプ1jの側面図である。本実施形態10では、係合部40に、実施形態1の溝45に代えて、リブ(係合リブ)345,346が形成されている。リブ345,346は、係合部40から厚さ方向に突出した突起である。第1リブ345は、第1弾性部51から離れるにしたがって操作部30に接近するように、第2アーム20の長手方向に対して傾斜している。第2リブ346は、第2アーム20の長手方向に略平行であり、また、第2アーム20に対して第1アーム10が揺動する揺動中心から放射状(または半径方向)に延びる直線に略沿っている。第1リブ345は第2リブ346に対して、離間し且つ操作部30側に配置されている。リブ345,346の遠位端(第1弾性部51から最も遠い部分)は、円弧状に湾曲している。この円弧状の湾曲部分に沿った円P1及び円P2が、係合凸部33が安定的に係止される第1位置及び第2位置となる。第1リブ345(特にその円弧状の湾曲部分)の上側(操作部30側)の端縁に、傾斜面(案内構造)443が形成されている。係合凸部33を第1リブ345に係合させる際に、係合凸部33は傾斜面443上を摺動する。係合凸部33が第1リブ345に係合した後は、その係合を解除することは困難である。図示を省略するが、リブ345,346は、係合部40の両側面に対称に設けられている。
係合凸部33を第1位置P1から第2位置P2に移動させるためには、操作部30に第1弾性部51に向かう力を加えながら、第1アーム10を第2アーム20に接近させる。係合凸部33は第1リブ345の側面を摺動しながら第1リブ345の近位端に向かって移動する。係合凸部33が第1リブ345の近位端またはその近傍に到達したとき操作部30に対する力を解除すると、係合凸部33を第2リブ346に係合させることができる。その後、係合凸部33は第2位置P2に移動する。
係合凸部33を第2位置P2から第1位置P1に移動させるためには、操作部30に第1弾性部51に向かう力を加える。係合凸部33は第2リブ346の側面を摺動しながら第2リブ346の近位端に向かって移動する。係合凸部33が第2リブ346の近位端を超えると、第1弾性部51の弾性復元力が、第1アーム10を第2アーム20から離間させ、係合凸部33は第1リブ345に係合する。操作部30に対する力を解除すると、係合凸部33は第1位置P1に移動する。
本実施形態10のクランプ1jは、係合凸部33が係合する係合構造として、溝ではなく、リブ345,346を備える。この場合にも、係合凸部33の位置を第1位置P1と第2位置P2との間で切り替えることにより、チューブ90の流路を開閉することができる。リブ345,346は、簡単な構成を有し、耐久性に優れ、また製造が容易である。
第1リブ345の傾斜面443を省略してもよい。この場合、何らかの工具を用いて一対の係合凸部33間の間隔を拡大させることにより、係合凸部33を第1リブ345に係合させることができる。あるいは、係合凸部33を、第1リブ345の遠位端より遠位側に変位させることにより、係合凸部33を第1リブ345に係合させてもよい。
本実施形態10は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明が本実施形態10にも適用される。
本実施形態10の係合部40から突出したリブを、実施形態2~9に適用してもよい。その場合、リブの形状や数は適宜変更しうる。
(実施形態11)
図27は、自然状態にある本発明の実施形態11にかかるクランプ1kの斜視図である。図28は、自然状態にあるクランプ1kの側面図である。クランプ1kは、クランプ1kを輸液ポンプ(図示せず)に装着するための装着構造60を備える。装着構造60は、揺動面に平行な板材61を含む。板材61は、第2アーム20から、第1アーム10とは反対側に向かって突出している。板材61には、第2アーム20の長手方向と平行に延びたリブ(凸条)62a及び溝(凹条)62bと、突起63とを含む嵌合構造が設けられている。図示を省略するが、板材61の裏面にも同様の嵌合構造が設けられている。輸液ポンプのポンプ本体には、これらの嵌合構造と嵌合する構造が設けられている。
クランプ1kは、輸液セットのチューブに装着される。係合凸部33を第2位置P2に移動させ、クランプ1kでチューブの流路を閉塞する。輸液ポンプのドアを開き、第1弾性部51をポンプ本体に向けて、第2アーム20の長手方向に沿ってクランプ1kをポンプ本体に挿入する。装着構造60に設けられた嵌合構造が、ポンプ本体に嵌合する。クランプ1kは、その装着構造60にてポンプ本体にしっかりと固定される。続いて、ドアを閉めると、ドアの内面が操作部30を押す(図7の力F33)。第1アーム10が揺動し、係合凸部33は第1位置P1に移動し、チューブは開状態に切り替わる。輸液ポンプを駆動して、輸液を行う。その後、ドアを開くと、ドアに連動してクランプ1aに力(図6の力F12,F22)が加えられる。第1アーム10が揺動し、係合凸部33は第2位置P2に移動し、チューブは閉塞状態に切り替わる。クランプ1kがチューブを閉塞した状態で、チューブ及びクランプ1kをポンプ本体からから取り外すことができる。
このように、クランプ1kは、クランプ1kを輸液ポンプにしかりと固定するための装着構造60を備える。クランプ1kは輸液ポンプに対する高い適合性を有している。このため、輸液ポンプのドアの開閉に連動して、係合凸部33の位置が第1位置P1と第2位置P2との間で正確に切り替えられ、その結果、チューブは開状態と閉塞状態との間で変化する。チューブが開状態で輸液ポンプから取り外されるのが確実に防止される。これは、フリーフローの防止に有利である。
装着構造60が第2アーム20に設けられている。このため、第2アーム20はドアの開閉に関わらずポンプ本体に対して不動であるのに対して、第1アーム10はドアの開閉に連動して揺動する。操作部30も第1アーム10と一体的に揺動する。一実施例では、ドアの内面に突起が設けられる。係合凸部33が第2位置P2にある状態でドアを閉じると、当該突起がクランプ1kの操作部30を押す。第1アーム10が揺動し、係合凸部33は第1位置P1に移動する。操作部30は突起から離れ、第2弾性部52は、初期状態に復帰する。この実施例では、ドアが閉じられた状態が長時間継続しても、第2弾性部52は初期状態で維持されるので、第2弾性部52の弾性力は劣化しない。
もちろん、本実施形態とは異なり、装着構造60を第1アーム10に設けることもできる。この場合、第1アーム10はドアの開閉に関わらずポンプ本体に対して不動であるのに対して、第2アーム20はドアの開閉に連動して揺動することになる。
装着構造60の構成は本実施形態に限定されない。板材61、リブ62a、溝62b、突起63は例示に過ぎず、装着構造60は、これら以外の任意の構成を有していてもよい。本発明の装着構造は、クランプを輸液ポンプに装着するための任意の構成を含む。
クランプ1kを、輸液ポンプに装着せずに、チューブの流路を手動で開閉するために使用してもよい。
本実施形態11は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明が本実施形態11にも適用される。
本実施形態11の装着構造を、実施形態2~10に適用してもよい。
上記の実施形態1~11は例示に過ぎない。本発明は上記の実施形態1~11に限定されず、適宜変更することができる。
上記の実施形態1~11では、第1アーム10側の係合凸部は、第2アーム20側の係合構造(溝又はリブ)に不可逆的に係合するが、本発明はこれに限定されない。即ち、係合凸部を係合構造に係合させた後、何らかの工具を用いなくても、係合凸部と係合構造との係合を比較的容易に解除できるように構成されていてもよい。例えば、第2平坦部43bを、傾斜面43cとは逆向きに傾斜する傾斜面に置き換えてもよい。
本発明クランプは、輸液ポンプに装着して使用することができる。この場合、実施形態11で説明したように、輸液ポンプのドアの開閉に連動して係合凸部が第1位置P1と第2位置P2との間で移動してもよい。ドアの開閉と連動してクランプを変形させるための、輸液ポンプに設けられる機構は、任意である。当該機構に適合するように、クランプを設計しうる。本発明のクランプは、アンチフリーフローの実現に有利である。
また、本発明のクランプは、輸液ポンプに装着されず、チューブ90の流路を手動で開閉するために使用することもできる。簡単な操作で、チューブ90の流路を開閉することができる。
本発明は、医療分野において、輸液チューブの流路を開閉するためのクランプとして利用することができる。
1a~1k クランプ
10 第1アーム
20 第2アーム
30,30b,30c,30d 操作部
31,31b,131a,131b 板材
33,33b,33c 係合凸部
36 バー
40 係合部
43,143,243 案内溝(案内構造)
43c,343,443 傾斜面(案内構造)
45,145,245 溝(係合溝、係合構造)
345,346 リブ(係合構造)
51 第1弾性部
52 第2弾性部
55 円弧
90 輸液チューブ
P1 第1位置
P2 第2位置
P3 第3位置

Claims (25)

  1. 輸液チューブに装着された状態で前記輸液チューブの流路を開閉することができるクランプであって、
    前記クランプは、
    前記輸液チューブの流路を閉塞するための第1アーム及び第2アームと、
    前記第2アームに対して前記第1アームが揺動可能なように前記第1アームと前記第2アームとを連結する、弾性的に曲げ変形可能な第1弾性部と、
    前記第1アームの前記第1弾性部とは反対側端に、弾性的に変形可能な第2弾性部を介して、前記第1アームに対して変位可能に設けられた操作部と、
    前記操作部に設けられた係合凸部と、
    前記第2アームの前記第1弾性部とは反対側端に設けられた、前記係合凸部が係合可能な係合構造と
    を備え、
    前記係合凸部が前記係合構造に係合した状態で、前記係合凸部の前記係合構造に対する係合位置を、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞しない第1位置と、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞する第2位置とに切り替えることができ
    前記操作部は、一対の前記係合凸部を備え、
    前記一対の係合凸部は、互いに離間し且つ対向していることを特徴とするクランプ。
  2. 前記第1アームが揺動する面に対して垂直な方向に前記係合凸部を変位させないかぎり、前記係合凸部を前記係合構造に対して係合することができない請求項1に記載のクランプ。
  3. 輸液チューブに装着された状態で前記輸液チューブの流路を開閉することができるクランプであって、
    前記クランプは、
    前記輸液チューブの流路を閉塞するための第1アーム及び第2アームと、
    前記第2アームに対して前記第1アームが揺動可能なように前記第1アームと前記第2アームとを連結する、弾性的に曲げ変形可能な第1弾性部と、
    前記第1アームの前記第1弾性部とは反対側端に、弾性的に変形可能な第2弾性部を介して、前記第1アームに対して変位可能に設けられた操作部と、
    前記操作部に設けられた係合凸部と、
    前記第2アームの前記第1弾性部とは反対側端に設けられた、前記係合凸部が係合可能な係合構造と
    を備え、
    前記係合凸部が前記係合構造に係合した状態で、前記係合凸部の前記係合構造に対する係合位置を、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞しない第1位置と、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞する第2位置とに切り替えることができ、
    前記第1アームが揺動する面に対して垂直な方向に前記係合凸部を変位させないかぎり、前記係合凸部を前記係合構造に対して係合することができないことを特徴とするクランプ。
  4. 前記係合凸部を前記係合構造に導くための案内構造が、前記第2アームに設けられている請求項1~のいずれか一項に記載のクランプ。
  5. 前記案内構造は傾斜面を含み、
    前記係合凸部が前記係合構造に向かって前記傾斜面を摺動するとき、前記傾斜面は前記第1アームが揺動する面に対して垂直な方向に前記係合凸部を変位させる請求項4に記載のクランプ。
  6. 輸液チューブに装着された状態で前記輸液チューブの流路を開閉することができるクランプであって、
    前記クランプは、
    前記輸液チューブの流路を閉塞するための第1アーム及び第2アームと、
    前記第2アームに対して前記第1アームが揺動可能なように前記第1アームと前記第2アームとを連結する、弾性的に曲げ変形可能な第1弾性部と、
    前記第1アームの前記第1弾性部とは反対側端に、弾性的に変形可能な第2弾性部を介して、前記第1アームに対して変位可能に設けられた操作部と、
    前記操作部に設けられた係合凸部と、
    前記第2アームの前記第1弾性部とは反対側端に設けられた、前記係合凸部が係合可能な係合構造と
    を備え、
    前記係合凸部が前記係合構造に係合した状態で、前記係合凸部の前記係合構造に対する係合位置を、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞しない第1位置と、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞する第2位置とに切り替えることができ、
    前記係合凸部を前記係合構造に導くための案内構造が、前記第2アームに設けられており、
    前記案内構造は傾斜面を含み、
    前記係合凸部が前記係合構造に向かって前記傾斜面を摺動するとき、前記傾斜面は前記第1アームが揺動する面に対して垂直な方向に前記係合凸部を変位させることを特徴とするクランプ。
  7. 前記案内構造は、前記係合凸部が移動する案内溝を含む請求項4~6のいずれか一項に記載のクランプ。
  8. 前記第2アームは、その両側面に、一対の前記案内構造を備え、
    前記一対の案内構造は対称である請求項4~7のいずれか一項に記載のクランプ。
  9. 前記第2アームは、その両側面に、一対の前記案内構造を備え、
    前記一対の案内構造は非対称である請求項4~7のいずれか一項に記載のクランプ。
  10. 輸液チューブに装着された状態で前記輸液チューブの流路を開閉することができるクランプであって、
    前記クランプは、
    前記輸液チューブの流路を閉塞するための第1アーム及び第2アームと、
    前記第2アームに対して前記第1アームが揺動可能なように前記第1アームと前記第2アームとを連結する、弾性的に曲げ変形可能な第1弾性部と、
    前記第1アームの前記第1弾性部とは反対側端に、弾性的に変形可能な第2弾性部を介して、前記第1アームに対して変位可能に設けられた操作部と、
    前記操作部に設けられた係合凸部と、
    前記第2アームの前記第1弾性部とは反対側端に設けられた、前記係合凸部が係合可能な係合構造と
    を備え、
    前記係合凸部が前記係合構造に係合した状態で、前記係合凸部の前記係合構造に対する係合位置を、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞しない第1位置と、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞する第2位置とに切り替えることができ、
    前記係合凸部を前記係合構造に導くための案内構造が、前記第2アームに設けられており、
    前記第2アームは、その両側面に、一対の前記案内構造を備え、
    前記一対の案内構造は非対称であることを特徴とするクランプ。
  11. 前記係合凸部が前記係合構造に係合した状態で、前記係合凸部の前記係合構造に対する係合位置を、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を半閉塞させる第3位置に更に切り替えることができる請求項1~10のいずれか一項に記載のクランプ。
  12. 輸液チューブに装着された状態で前記輸液チューブの流路を開閉することができるクランプであって、
    前記クランプは、
    前記輸液チューブの流路を閉塞するための第1アーム及び第2アームと、
    前記第2アームに対して前記第1アームが揺動可能なように前記第1アームと前記第2アームとを連結する、弾性的に曲げ変形可能な第1弾性部と、
    前記第1アームの前記第1弾性部とは反対側端に、弾性的に変形可能な第2弾性部を介して、前記第1アームに対して変位可能に設けられた操作部と、
    前記操作部に設けられた係合凸部と、
    前記第2アームの前記第1弾性部とは反対側端に設けられた、前記係合凸部が係合可能な係合構造と
    を備え、
    前記係合凸部が前記係合構造に係合した状態で、前記係合凸部の前記係合構造に対する係合位置を、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞しない第1位置と、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞する第2位置とに切り替えることができ、
    前記係合凸部が前記係合構造に係合した状態で、前記係合凸部の前記係合構造に対する係合位置を、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を半閉塞させる第3位置に更に切り替えることができることを特徴とするクランプ。
  13. 前記係合凸部が前記第3位置で前記係合構造に係合しているときに前記係合凸部が前記第3位置から離れるように前記操作部を変位させると、前記第1弾性部の弾性復元力が、前記第1アームを前記第2アームから離間させ、前記係合凸部を前記第1位置に移動させる請求項11又は12に記載のクランプ。
  14. 前記係合凸部が前記係合構造に係合していない自然状態での前記係合凸部の位置と、前記第3位置とは、前記第1アームの揺動中心と同心の共通する円弧上に位置する請求項11~13のいずれか一項に記載のクランプ。
  15. 前記係合構造は、前記係合凸部が嵌入し且つ移動することができる係合溝を含む請求項1~14のいずれか一項に記載のクランプ。
  16. 前記係合溝は、楔形状もしくは略「V」字形状、または、略「U」字形状を有する請求項15に記載のクランプ。
  17. 輸液チューブに装着された状態で前記輸液チューブの流路を開閉することができるクランプであって、
    前記クランプは、
    前記輸液チューブの流路を閉塞するための第1アーム及び第2アームと、
    前記第2アームに対して前記第1アームが揺動可能なように前記第1アームと前記第2アームとを連結する、弾性的に曲げ変形可能な第1弾性部と、
    前記第1アームの前記第1弾性部とは反対側端に、弾性的に変形可能な第2弾性部を介して、前記第1アームに対して変位可能に設けられた操作部と、
    前記操作部に設けられた係合凸部と、
    前記第2アームの前記第1弾性部とは反対側端に設けられた、前記係合凸部が係合可能な係合構造と
    を備え、
    前記係合凸部が前記係合構造に係合した状態で、前記係合凸部の前記係合構造に対する係合位置を、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞しない第1位置と、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞する第2位置とに切り替えることができ、
    前記係合構造は、前記係合凸部が嵌入し且つ移動することができる係合溝を含み、
    前記係合溝は、楔形状もしくは略「V」字形状、または、略「U」字形状を有することを特徴とするクランプ。
  18. 前記係合構造は、前記係合凸部が係合し且つ摺動することができる少なくとも一つのリブを含む請求項1~14のいずれか一項に記載のクランプ。
  19. 輸液チューブに装着された状態で前記輸液チューブの流路を開閉することができるクランプであって、
    前記クランプは、
    前記輸液チューブの流路を閉塞するための第1アーム及び第2アームと、
    前記第2アームに対して前記第1アームが揺動可能なように前記第1アームと前記第2アームとを連結する、弾性的に曲げ変形可能な第1弾性部と、
    前記第1アームの前記第1弾性部とは反対側端に、弾性的に変形可能な第2弾性部を介して、前記第1アームに対して変位可能に設けられた操作部と、
    前記操作部に設けられた係合凸部と、
    前記第2アームの前記第1弾性部とは反対側端に設けられた、前記係合凸部が係合可能な係合構造と
    を備え、
    前記係合凸部が前記係合構造に係合した状態で、前記係合凸部の前記係合構造に対する係合位置を、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞しない第1位置と、前記第1アーム及び前記第2アームが前記輸液チューブの流路を閉塞する第2位置とに切り替えることができ、
    前記係合構造は、前記係合凸部が係合し且つ摺動することができる少なくとも一つのリブを含むことを特徴とするクランプ。
  20. 前記係合凸部が前記係合構造に係合していない状態で、前記輸液チューブを前記第1アームと前記第2アームとの間に対して挿抜することができる請求項1~19のいずれか一項に記載のクランプ。
  21. 前記係合凸部が前記第2位置で前記係合構造に係合しているときに前記係合凸部が前記第2位置から離れるように前記操作部を変位させると、前記第1弾性部の弾性復元力が、前記第1アームを前記第2アームから離間させ、前記係合凸部を前記第1位置に移動させる請求項1~20のいずれか一項に記載のクランプ。
  22. 前記係合凸部は前記係合構造に対して不可逆的に係合する請求項1~21のいずれか一項に記載のクランプ。
  23. 前記係合凸部は、前記操作部の前記第1弾性部から最も離間した遠位端よりも前記第1弾性部側に位置している請求項1~22のいずれか一項に記載のクランプ。
  24. 前記係合凸部は、前記第1アームが揺動する面に平行に延びた板材、または、細長い棒状のバーに設けられている請求項1~23のいずれか一項に記載のクランプ。
  25. 前記係合凸部が前記係合構造に係合していない自然状態での前記係合凸部の位置と、前記第1位置と、前記第2位置とは、前記第1アームの揺動中心と同心の共通する円弧上に位置する請求項1~24のいずれか一項に記載のクランプ。
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