JP7256494B2 - 細胞組織作製方法および細胞組織作製セット - Google Patents

細胞組織作製方法および細胞組織作製セット Download PDF

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Description

本発明は細胞組織を作成する方法および該方法に適した細胞組織作製セットに関する。
近年、RFIDタグなどの微細な回路を印刷(塗布)方式で描画して形成するプリンテッドエレクトロニクス技術が急速に発展してきている。微細な回路のパターンや電極パターンを形成する方式としては、インクジェット方式、ディスペンサ方式などが一般的であるが、塗布ピンを用いた方式も広範囲の粘度の材料を用いて微細な塗布が可能な点で、注目されている。
このようなプリンテッドエレクトロニクス技術は、回路や電極の形成への応用のみでなく、細胞組織細胞の作成技術として応用するバイオプリンティング技術として研究されている(例えば、特許文献1)。
本出願人らは、プリンティング技術の1つとして、塗布ピンを用いる技術を有しており、塗布ピン技術をバイオプリンティング技術へ応用し、生体外で細胞の三次元組織を構築する技術を研究開発している(特願2017-213095号)。塗布ピンを用いて液体材料の微細な塗布を行なう方法としては、例えば、特許文献2に開示されている。このような塗布ユニットは、微細パターンの欠陥を修正することを目的とするもので、広範囲な粘度の塗布液を用いて微細な塗布を行なうことが可能である。塗布動作の際、塗布液を保持する塗布液容器の底部に形成された貫通孔から、1本の塗布ピンを突出させる。塗布ピンは、先端に付着している塗布液を被塗布物 に接触させて塗布を行なう。
上記塗布ピンを応用して、iPS由来心筋細胞をフィブリノーゲン溶液に分散させて塗布した後、トロンビン溶液に浸浸することでゲル化による組織固定を塗布方法が行われている。該方法においては、フィブリノーゲンを心筋細胞を塗布する際のゲル化剤として用いるにあたり、1液目に心筋細胞とフィブリノーゲンを分散させた塗布剤を塗布し、2液目にゲル化開始剤として塗布剤を覆うようにトロンビンを添加することで塗布を行っている。しかしながら、塗布工程を実行する前に、1液目内部の心筋細胞とフィブリノーゲン溶液に、意図しないゲル化が発生する現象が確認された。そのため、塗布液容器内部でゲル化した心筋細胞塊が目詰まりを起こす場合や、ゲル化した心筋細胞が塗布液容器に残り塗布できない場合があるという不具合が発生した。
特開2016-526910号公報 特許第4802027号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、上記のようなバイオプリンティング技術において、塗布工程を実行する前の塗布液容器内部でゲル化、それに伴う目詰まり等の不具合が生じないバイオプリンティング技術を提供する目的で行われた。
驚いたことに、上記目的を達成できるバイオプリンティング技術を用いれば、細胞の生存率を維持した上で、高密度かつ保形性の高い細胞組織を作成できることが見出された。
本発明は、塗布液容器内部でゲル化、それに伴う目詰まり等の不具合が生じず、しかも、細胞の生存率を維持した上で、高密度かつ保形性の高い細胞組織を作製できる細胞の組織作製方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、第1の塗布液を塗布対象物に塗布する第1塗布工程、および
前記第1塗布工程で塗布された第1の塗布液に、第2の塗布液を重ねて塗布し、第1溶液の塗布液の流動状態を維持しつつ、第1の塗布液と第2の塗布液の界面をゲル化する第2塗布工程、
を含むことを特徴とする細胞組織の作製方法を提供するものである。
本発明の方法に従えば、塗布ピン等のバイオプリンティング技術における塗布工程において、塗布工程実行前の塗布液容器内部でゲル化、それに伴う目詰まり等の不具合が生じない。
また、本発明の方法に従えば、細胞の生存率を維持した上で、高密度かつ保形性の高い細胞組織を作成できる。
本発明の細胞の組織作製方法として塗布ピンを使用した塗布方法と塗布後の細胞の沈降沈殿を説明するための概略模式図。 塗布装置の例を示す図。 塗布機構の例を示す図。 96ウェルプレート内の40ウェルに塗布を行った結果の塗布状態を示す写真。 細胞組織の位相差顕微鏡写真。 細胞組織の蛍光染色による厚さ測定結果を示す図。 細胞組織を蛍光染色により観察した位相差顕微鏡写真。 塗布容器内に心筋細胞を包埋したゲル状物質の形成を示す写真。 従来手法を用いて得られた細胞組織の位相差顕微鏡写真。
本発明の第1の側面は、細胞とゲル化開始剤を含む第1の塗布液を塗布対象物に塗布する第1塗布工程、および
前記第1塗布工程で塗布された第1の塗布液に、ゲル化剤を含む第2の塗布液を重ねて塗布しゲル化反応を開始させる第2塗布工程、
を含むことを特徴とする細胞の組織作製方法に関する。
本発明の第2の側面は、細胞とゲル化開始剤を含む第1の塗布液を含む第1の容器、およびゲル化剤を含む第2の塗布液を含む第2の容器を含む、細胞組織作製セットに関する。
まず、本発明の第1の側面である、
細胞とゲル化開始剤を含む第1の塗布液を塗布対象物に塗布する第1塗布工程、および
前記第1塗布工程で塗布された第1の塗布液に、ゲル化剤を含む第2の塗布液を重ねて塗布しゲル化反応を開始させる第2塗布工程、
を含むことを特徴とする細胞の組織作製方法について説明する。
第1塗布工程
本発明の方法が適用できる細胞は、特に限定されるものではないが、iPS細胞由来の心筋細胞、正常ヒト心臓線維芽細胞、正常ヒト線維芽細胞、ヒト血管内皮細胞、HePG2細胞等の細胞である。2種以上混合して使用してもよい。本発明は、これらの中でも、iPS細胞由来の心筋細胞、正常ヒト線維芽細胞、HepG2細胞、特に、iPS細胞由来の心筋細胞に適用することが好ましい。iPS細胞由来の心筋細胞を使用する場合、より生体の心臓の形態に近づけ、正常ヒト心臓線維芽細胞から発される因子によりiPS細胞由来の心筋細胞を成熟化させる理由で、通常、正常ヒト心臓線維芽細胞と混合して使用される。細胞としては、未修飾の細胞、またはタンパク質、糖鎖、核酸等で修飾された細胞、例えばフィブロネクチン、ゼラチン、コラーゲン、ラミニン、エラスチン、マトリゲス等の既に知られているコーティング剤、コーティング方法でコーティングされた細胞を用いることができる。
第1の塗布液に含ませるゲル化開始剤としては、トロンビン、塩化カルシウム、アルコール類、例えば、エチルアルコール、グリセリン等)を使用すればよい。これらのゲル化開始剤は、通常、第2溶液に含ませるゲル化剤の種類に応じて使い分けられている。これらの使い分けは、当業者に公知であり、そのような公知の組合せで使用すればよい。例えば、ゲル化開始剤とゲル化剤の使用の組合せ(ゲル化開始剤:ゲル化剤)としては、トロンビン:フィブリノーゲン(ゲル化開始剤:ゲル化剤)、塩化カルシウム:アルギン酸ナトリウム(ゲル化開始剤:ゲル化剤)、塩化カルシウム:カラギーナン(ゲル化開始剤:ゲル化剤)、アルコール類:タマリンドシードガム(ゲル化開始剤:ゲル化剤)等の組合せ使用が挙げられる。
細胞として、iPS細胞由来の心筋細胞を使用する場合は、トロンビン:フィブリノーゲン(ゲル化開始剤:ゲル化剤)の組合せ使用が好ましい。
第1の塗布液は、上記細胞とゲル化開始剤が、水性溶液に含まれるものである。
水性溶液としては、水、各種の生理食塩水、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、トリス緩衝生理食塩水等を使用するようにすればよい。他にも、細胞培養液として使用される培地、例えばDulbecco’s Modified Eagle Medium等を使用することができる。これらの水溶液は、通常、細胞の種類に応じて使い分けられている。これらの使い分けは、当業者に公知であり、そのような公知の組合せで使用すればよい。例えば、iPS細胞由来の心筋細胞であれば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、Dulbecco’s Modified Eagle Medium、各社専用培地、特に、リン酸緩衝生理食塩水を使用することが好ましい。
上記水性液に含ませる細胞の量は、特に、限定されるものではないが、1x105個/mL~1x109個/mL、好ましくは、1x106個/mL~1x108個/mL、より好ましくは、1x107個/mL~1x108個/mL程度の濃度で含有させるようにすればよい。多すぎると、溶液の調整が困難であり、少なすぎると、塗布量によっては細胞が含まれないものとなる。
ゲル化開始剤の含有量は、特に限定されるものではなく、通常、ゲル化の速さを考慮し、適宜その含有量を設定するようにすればよい。その量が、少なすぎると、ゲル化の速さが遅くなり、1液目の保形性が低下する。例えば、トロンビンを用いる場合、その濃度は、1 unit/mL~1000 unit/mL、好ましくは10 unit/mL~1000 unit/mL、より好ましくは、100 unit/mL~800 unit/mL程度の濃度で含有させるようにすればよい。
第1の塗布液には、細胞が安定して接着・増殖できる環境を与えるために、フィブロネクチン、ゼラチン、コラーゲン、ラミニン、エラスチン、マトリゲル等の細胞外マトリックス成分、線維芽細胞増殖因子や血小板由来成長因子等の細胞増殖因子、その他、血管内皮細胞やリンパ管内皮細胞、各種幹細胞等の添加剤を含ませてもよい。
第1塗布溶液には、添加剤としてさらに増粘剤を添加してもよい。増粘剤としては、増粘多糖類、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウムを使用することができる。
増粘剤は、第1の塗布溶液に保形性を付与するために含ませるものであり、特に、増粘多糖類は、保形性の高い三次元細胞組織の作成に効果がある。
増粘剤を含ませる場合、その量は、第1の塗布液の保形性、使用する塗布装置の可能な粘度範囲、コスト、取り扱い性等を考慮し適宜設定するようにすればよい。例えば、塗布ピン法では1mPa・s~1×10mPa・s、好ましくは、3×10mPa・s~1×10mPa・s、より好ましくは、1×10mPa・s~5×10mPa・sの粘度になるように増粘剤を含ませるようにすればよい。その粘度が低すぎると第1の塗布溶液の保形性が低下する。なお、塗布液の粘度は、回転粘度法により25℃で測定された値を用いている。
細胞外マトリックスは、細胞の成長を促し、細胞と細胞、あるいは細胞と基質の接着を促すために含ませるものである。細胞外マトリックスを含ませる場合、その量は特に制限はない。作製したい組織に合わせてその種類、濃度を指定するようにすればよい。
本発明の第1塗布工程においては、第1の塗布液を塗布対象物に塗布する。
使用される塗布対象物は、特に限定されず、細胞増殖のために通常使用されている、基板、プレート、例えば、6から384のような多ウェルプレート、ディッシュ、シャーレ、セルデスク(商標、住友ベークライト)等を使用することができる。
塗布方法は、特に限定されるものではなく、例えば、公知のバイオプリンティング技術、例えば、インクジェット方式、ディスペンサ方式、レーザーアシスト方式等を使用することができる。
溶液の粘度が高い場合は、塗布ピン法が好適に使用できる。塗布ピン法を用いて溶液、液体の塗布を行う方法については、例えば、特許第4802027号公報明細書(第0001段~第0050段)、図面(図1~図5)、および特願2017-213095号明細書(第0001段~第0082段)、図面(図1~図15)に開示、記載されている。それらの明細書、図面に開示、記載されている全内容を本願明細書の記載内容の一部としてここに引用する。
塗布ピン法は、広範囲な粘度の塗布液を用いて微細な塗布を行なうことが可能である。塗布動作の際、塗布液を保持する塗布液容器の底部に形成された貫通孔から、1本の塗布ピンを突出させる。塗布ピン法は、先端に付着している塗布液を被塗布物に接触させて塗布を行なうものである。
塗布ピン法においては、先端に極微量な塗布液を付着させた針(塗布針)を対象物(基板等)に接触させることにより、数pL(ピコリットル)から数100μL(マイクロリットル)の塗布量となる液滴を高い配置精度、例えば±15μm以下、好ましくは±3μm以下の配置精度で塗布することができる。また、塗布液の粘度としては、1×10mPa・sまでの材料を塗布することが可能であり、高粘度の細胞分散液の塗布が可能となる。このように、塗布ピン法によれば、高粘度の細胞分散液を対象物(基板等)に対して所定の位置に精密塗布することが可能である。特に、粘度として、3×103mPa・s程度以上の塗布溶液を使用することにより、塗布液を立体的に、詳しくは、立体的ドーム状に塗布することができ、第2塗布工程までの間にその立体的形状を保つことができる。本発明においてはこの特性を「保形性」という。
塗布量は、所望の量に応じて塗布方法の条件を適宜設定すればよい。塗布ピン法においては、塗布ピンの直径、塗布回数等により調整可能である。
より具体的には、塗布ピン法は、
第1の塗布液を所定量貯留する塗布液溜りを有する塗布液容器と、
前記第1の塗布液が貯留された前記塗布液溜りを貫通可能な塗布針と、を含む塗布ユニットを備えた微細塗布装置を用い、
前記塗布液溜りに充填された前記第1の塗布液に前記塗布針の先端を浸漬させる待機工程、
前記塗布針の先端が前記塗布液溜りを貫通して、前記第1の塗布液が付着された前記塗布針の先端を下降させる下降工程、
前記第1の塗布液が付着された前記塗布針の先端を塗布対象物に接触させて、前記第1の塗布液を前記塗布対象物に塗布して液滴スポットを形成する塗布工程、および
前記塗布針の先端を上昇させて、前記塗布針の先端を前記塗布液溜りに収容する収容工程、
を含んで実行される。
塗布ピン法以外のバイオプリンティング技術を使用する場合においても、塗布条件を適宜設定することにより塗布ピンと同様の塗布物が得られるように適宜塗布条件を調整して塗布を行えばよい。
第2塗布工程
第2塗布工程において使用される第2の塗布液は、ゲル化剤が、水性溶液に含まれるものである。
第2の塗布液に含ませるゲル化剤としては、フィブリノーゲン、アルギン酸ナトリウム等を使用すればよい。これらのゲル化剤は、通常、第1溶液に含ませるゲル化開始剤の種類に応じて使い分けられている。これらの使い分け、組合わせは、上記第1溶液において説明した。
第2の塗布液に含ませるゲル化剤として、ゲル化開始剤なしで硬化するゲル化剤を使用してもよい。このようなゲル化剤を使用する場合は、第1の塗布液にゲル化開始剤を含ませる必要はない。このようなゲル化剤として、コラーゲン、ゼラチン、寒天(アガロース)等が挙げられる。例えば、コラーゲンは加熱することによりゲル化し、ゼラチンは冷却することによりゲル化する。このようなゲル化剤を含有する第2の塗布液を使用した場合は、第2の塗布液を塗布した後、コラーゲンを含む場合は加熱操作が、ゼラチンを含む場合は冷却操作を行いゲル化反応する必要がある。
第2塗布液に含まれる水性溶液は、上記した第1の塗布液で使用する同様の水性溶液を使用することができ、第1塗布液で使用されている同一の水性溶液でもよいし、異なる種類の水性溶液を使用してもよい。
上記水性液に含ませるゲル化剤の量は、特に限定されるものではなく、ゲル化の速さ、ゲル化剤の濃度、ゲルの硬さ等を考慮し、適宜その含有量を設定するようにすればよい。少なすぎると、ゲル化の速さが遅くなる。例えば、フィブリノーゲンを用いる場合、その濃度は0.1mg/mL~100mg/mL、好ましくは、1mg/mL~80mg/mL、より好ましくは、1mg/mL~30mg/mLの濃度になるようにすればよい。
第2の塗布液には、増粘剤等の成分(さらなる添加剤)が含まれてもよい。
増粘剤は、塗布済の第1の塗布液の保形の観点から含ませるもので、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等を使用することができる。増粘剤を含ませる場合、その量は、塗布済の第1の塗布液の保形性、使用する塗布装置の可能な粘度範囲、コスト、取り扱い性等を考慮し適宜設定するようにすればよい。例えば、塗布ピン法では、5×10mPa・s~1×10mPa・s、好ましくは、5×10mPa・s~1×10mPa・s、より好ましくは、5×10mPa・s~5×10mPa・sの粘度になるように増粘剤を含ませるようにすればよい。その量が少なく、粘度が低すぎると、塗布済の第1の塗布液の保形性が保てなくなる。なお、塗布液の粘度は、回転粘度法により25℃で測定された値を用いている。
第2の塗布液は、第1塗布工程で塗布された第1の塗布液に、第2の塗布液を重ねて塗布する。「重ねて」とは、「第1塗布工程で塗布された第1の溶液の塗布対象物(基板等)と接している面以外の面を覆うように」という意味である。
上記のように、第2の塗布液を、第1の塗布液に重ねて塗布することにより、塗布された第1の溶液と第2の溶液との界面がゲル化する。この時、このゲル化した界面の下に存在する第1の塗布液の内部はゲル化せず、第1の溶液の溶液状態(粘度)を保っている。そのため、第1の塗布溶液内部の細胞は、重力により沈降沈殿し、塗布溶液下部に凝集、堆積、積層する。
第1塗布工程終了から、第2の塗布工程開始までの時間間隔は、できる限り短いことが望ましい。その、時間間隔が長すぎると、第1の塗布液が乾燥し、含有される細胞が死滅するという問題が生じる。
第2の塗布液の塗布量は、第1の塗布液の塗布量、ゲル化の速さ等を考慮して、第2の塗布液が第1の塗布液に重ねて塗布されるように適宜設定される。
塗布方法は、特に限定されるものではなく、例えば、手作業による塗布、例えば、注射器、スポイト等による液滴塗布、公知のバイオプリンティング技術、例えば、塗布ピン法、インクジェット法、ディスペンサ法等を使用することができる。
第2の溶液を塗布後、第1の溶液と第2の溶液の接触面(界面)のみがゲル化し、ゲル化した界面の下に存在する第1の溶液内部は硬化開始剤が液体として存在し、第1の溶液の溶液状態(粘度)を保っており、時間の経過に従って、細胞が沈降沈殿し、溶液下部に凝集、堆積、積層することにより、複雑な製造工程を介さず高密度かつ保形性の高い三次元細胞組織が形成される。
塗布直後の細胞組織の外周部である第1の溶液と第2の溶液の接触面がゲル化し、第1溶液の内部は液体の状態で保持されるため、細胞組織の乾燥も抑制できる。
細胞の培養は、第1塗布工程および第2塗布工程で塗布された塗布物を培地中に浸しておこなう。このとき、塗布対象物(基板)と共に培地に浸してもよい。培地としては、細胞との関係で、通常使用される培地を使用すればよく、例えば、細胞にiPS細胞由来心筋細胞を含む場合は、Dulbecco’s Modified Eagle Medium、各社市販専用培地が使用される。
図1に、本発明で実施した細胞の組織作製方法の概略、塗布後の細胞の三次元集積の形態を模式図で表した。
細胞とゲル化開始剤とを懸濁含有する第1の塗布液を用意し、該第1の塗布液を塗布容器に充填する。塗布ピンにより基板に第1の塗布液を塗布する(1液目)。次に、ゲル化剤を含む第2の塗布液(2液目)を、1液目を覆うように塗布する。1液目と2液目の接触面から外周までがゲル化した後、培地を添加する。1液目の第1の塗布液内部は、流動性が保たれた液体状態が保持されてドーム構造となっているため、時間経過とともに細胞が沈降沈殿し、塗布溶液下部に凝集、堆積、積層する。その結果、高密度の三次元細胞組織を作成することができる。
本発明において、「高密度」とは、細胞間にフィブリンゲル等が存在せず、細胞が集積している状態を意味し、細胞密度として数値的に表すと、1×10個/mL~1×109個/mL程度の密度を有する場合を意味している。
本発明の第2の側面は、少なくとも、細胞とゲル化開始剤を含む第1の塗布液を含む第1の容器、およびゲル化剤を含む第2の塗布液を含む第2の容器を含む、細胞組織作製セットに関する。
該セットは、上記した本発明の細胞の組織作製方法への使用に適している。
上記細胞組織作製セットに規定する第1の塗布液および第2の塗布液は、上記した本発明の細胞の組織作製方法で説明した第1の塗布液および第2の塗布液と同義である。
以下、具体的に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はそれらの実施例に限定的に解釈されるべきでなく、本発明の概念に接した当業者が想到し、実施可能であると観念するであろうあらゆる技術的思想、その具体的態様が本発明に含まれるものとして理解されるべきものである
実施例1
(1)塗布方法
(1-1)第1の溶液の塗布
本実施例で使用した第1の溶液の塗布装置(塗布ピン法)を図2、塗布機構を図3に示す。
XYZステージに支持された塗布機構4は、カム43の動作により、可動部46と塗布ピン20がZ方向に往復動作を行い、塗布液容器21に貫通可能に支持された塗布ピン24が同様のZ方向往復動作を行う。この動作により、針表面に付着した塗布材料容器21内の塗布材が対象物に塗布される。
制御部は、モニタ9、制御用コンピュータ10、操作パネル8からなる。操作パネルから塗布速度指令値を入力し、制御用コンピュータ10の記憶装置に保管する。塗布動作時には塗布速度指令値を記憶装置から読みだして塗布機構の制御プログラムに送る。制御プログラムは塗布速度指令値に基づいて塗布機構のモータ41の回転速度を決定し、所定の速度で塗布ピンを上下動させて塗布動作を行う。制御用コンピュータが上位の制御システム(図示せず)と通信している場合には、塗布速度指令値を上位の制御システムから受け取ってもよい。また、塗布液の種類に応じたパラメータを記憶部に保管し、指定された塗布液の種類と塗布量または塗布寸法に応じて塗布速度指令値を算出してもよい。
塗布ピンは塗布材料容器の底面に設けられた先端穴から突出して塗布動作を行う。塗布ピン先端が塗布材料容器の底面から突き出す時に、塗布ピン先端部に塗布材料が付着して容器外に出る。この時、表面張力によって塗布材料が上方に引き上げられ、塗布ピン先端にはほぼ一定量の塗布材料が残される。残された塗布材料を塗布対象に転写することで、再現性のある塗布を実現できる。
(1-2)第2の溶液の塗布
第2の溶液の塗布は、マイクロピペットを用いて手動で滴下することにより行った。
(2)塗布条件
・ピン径: φ1000μm
・ピン形状: ストレート
・塗布回数: 10回
・第1の塗布液の塗布量: 数100 nL/10回
・第2の塗布液の塗布量: 15 μL/1回
・塗布容器内待機時間: 1020 ms
・ピン降下後待機時間: 0ms
・上昇時間: 5μm/1回
・2液目添加までの所要時間: 5s以内
・培地添加までの所要時間: 4個作成後まとめて、マイクロピペットにて手動で添加
(3)塗布液
(3-1)第1の塗布液(1液目)
・iPS細胞由来心筋細胞: ヒト心臓線維芽細胞 = 3:1
・細胞数: 8x10/mL
・ヒアルロン酸ナトリウム: 13mg/mL
・トロンビン: 800unit/mL
・PBS
・粘度: 1.5×104mPa・s)
(3-2)第2の塗布液(2液目)
・添加量: 15μL
・ヒアルロン酸ナトリウム: 0.5 mg/mL
・フィブリノーゲン: 10 mg/mL
・PBS
・粘度: 1×103mPa・s
(4)結果考察
(4-1)作製方法
上記塗布条件で繰返し塗布を行い、1液目容器内の心筋細胞とゲル化開始剤のトロンビンを残らず塗布できることを確認した。また塗布終了後、容器内部を目視したところ、ゲルの発生は確認されなかった。
上記の条件にて96ウェルプレート内の40ウェルに塗布を行った結果の塗布状態を、プレート上方から撮影した写真を、図4(倍率2倍)に示す。図4に示されているように、多数回塗布しても、概ね細胞数にばらつきはなかった。
(4-2)組織観察
(4-2-1)密度
塗布1時間後に得られた細胞組織を、位相差顕微鏡を用いて顕微鏡観察した。該顕微鏡観察は、塗布液(図1の右下に描いたゲルドームと記載された状態)を上から観察したものである。その写真を図5に示す。
図5からわかるように、細胞と細胞との間に細胞間マトリックスがほとんど存在せず、高密度の三次元細胞組織が作製されたことが解る。密度は3.5×10個/mLであった。
なお、培養は、温度 37℃、CO 5%の環境下、7日間行った。
(4-2-2)厚さ
培養後に得られた細胞組織の厚さを、細胞核および細胞質をヘマトキシリン・エオジン(HE)染色により測定した。ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色測定結果を図6に示す。
図6より、この組織の厚さは、50μm程度の厚さであった。
(4-2-3)細胞組織
細胞核、アクチン、トロポニン染色を行った。
その蛍光染色の結果を図7に示す。
この写真は、本来カラー写真であり、細胞核が青で、アクチンが赤で、心筋トロポニンTが緑で写し出されている。図7より、心筋細胞に特徴的な心筋トロポニンTの横紋構造の発現を確認した。また拍動数は成人の心臓に近い50~60拍動/分であった。
(4-3)考察
1液目に心筋細胞とゲル化開始剤のトロンビンを分散させた塗布液を塗布し、2液目にゲル化剤であるフィブリノーゲンを含む塗布液を、1液目の塗布液を覆うように添加する塗布方法により、高密度かつ保形性の高い三次元細胞組織を、複雑な製造工程を介さず、細胞生存率を維持し、簡易に作成することができた。
比較例1
(1)実施例1で使用した同じ塗布装置を使用して、下記塗布条件で、塗布液を塗布した。
比較例においては、ゲル化剤(フィブリノーゲン)が第1の溶液に、ゲル化開始剤(トロンビン)が第2の溶液に入っている点が、実施例1と大きく異なる点である。
(2)塗布条件
・ピン径: φ1000μm
・ピン形状: ストレート
・塗布回数: 10回
・第1の塗布液の塗布量: 数nL/10回
・第2の塗布液の塗布量: 15 μL/1回
・塗布容器内待機時間: 1020 ms
・ピン降下後待機時間: 0ms
・上昇時間: 5μm/1回
・2液目添加までの所要時間: 5s以内
・培地添加までの所要時間: 4個作成後まとめて、マイクロピペットにて手動で添加
(3)塗布液
(3-1)第1の塗布液(1液目)
・iPS細胞由来心筋細胞: ヒト心臓線維芽細胞 = 3:1
・細胞数: 8x10/mL
・ヒアルロン酸ナトリウム: 13mg/mL
・フィブリノーゲン: 10 mg/mL
・PBS
・粘度:1.5×104mPa・s)
(3-2)第2の塗布液(2液目)
・添加量 15μL
・ヒアルロン酸ナトリウム 0.5 mg/mL
・トロンビン: 800unit/mL
・PBS
・粘度: 1×103mPa・s
(4)結果考察
(4-1)組織観察
(4-1-1)密度
塗布直後に得られた細胞組織を、位相差顕微鏡を用いて顕微鏡観察を行った。その、写真を図9に示す。
図9においては、略球状の細胞と細胞の間に、細胞間マトリックスが存在していることが解る。塗布直後の細胞が沈殿する前の状態において、図5と比較すると図9では細胞密度が低いことが分かる。これは、1液目にゲル化剤を混合することにより細胞は疎の状態で固定化されてしまい、沈殿が起こらないためと考えている。
(4-2)作製方法
1液目に心筋細胞とフィブリノーゲンを分散させた場合、15分経過した後、塗布容器内に心筋細胞を包埋したゲル状物質を確認した(図8)。
図8(a)は、貫通可能に支持された塗布ピンと塗布容器を示しており、図8(b)は、塗布容器貫通部の周囲に形成された細胞包埋フィブリルゲルを示している。図8(c)は、塗布容器から取り出した細胞包埋フィブリルゲルを、図8(d)は、図8(c)の拡大図を示している。
本比較例の作製方法においては、塗布容器内に細胞が残留し、塗布液内の細胞数のバラツキが発生した。
(4-3)考察
1液目に心筋細胞とフィブリノーゲンを分散させた塗布液を塗布し、2液目にゲル化開始剤として1液目塗布液を覆うようにトロンビンを含む塗布液を塗布する本比較例においては、心筋細胞を包埋する形でフィブリノーゲンがゲル化するため、心筋細胞がゲル内で疎に分散し、高密度かつ保形性の高い三次元心筋細胞組織を、細胞生存率を維持し、簡易に作成することが困難となる不具合が発生した。
また、1液目に心筋細胞とフィブリノーゲンを分散させた塗布液を、繰り返し塗布を繰り返すか、塗布容器内に塗布液を長時間保持ししていると、容器内で第1溶液のゲル化が生じ、そのため、塗布液容器内部でゲル化した心筋細胞塊が目詰まりを起こす場合や、ゲル化した心筋細胞が塗布液容器に残り塗布できない場合があるという不具合が発生した。
以上開示事項から、本発明の第1の側面に係る発明のより具体的な態様として、例えば、下記のものが提供される。
(1)第1の塗布液を塗布対象物に塗布する第1塗布工程、および
前記第1塗布工程で塗布された第1の塗布液に、第2の塗布液を重ねて塗布し、第1溶液の塗布液の流動状態を維持しつつ、第1の塗布液と第2の塗布液の界面をゲル化する第2塗布工程、
を含むことを特徴とする細胞の組織作製方法。
(2)第1の塗布溶液が細胞およびゲル化開始剤を含む、上記(1)に記載の細胞組織の作製方法。
(3)第2の塗布溶液がゲル化剤を含む、上記(1)または上記(2)に記載の細胞組織の作製方法。
(4)細胞とゲル化開始剤を含む第1の塗布液を塗布対象物に塗布する第1塗布工程、および
前記第1塗布工程で塗布された第1の塗布液に、ゲル化剤を含む第2の塗布液を重ねて塗布し、第1の塗布液と第2の塗布液の界面でゲル化反応を開始させる第2塗布工程、
を含むことを特徴とする細胞組織の作製方法。
(5)第1の塗布液および第2の塗布液が塗布された塗布対象物を培地中に浸浸し、細胞を培養する工程を含む、上記(1)~上記(4)いずれかに記載の細胞組織の作製方法。
(6)第1の塗布溶液が増粘多糖類を含む、上記(1)~(5)いずれかに記載の細胞組織の作製方法。
(7)第2の塗布溶液が増粘多糖類を含む、上記(1)~(6)いずれかに記載の細胞組織の作製方法。
(8)ゲル化開始剤がトロンビンである、上記(2)~(7)いずれかに記載の細胞組織の作製方法。
(9)ゲル化剤がフィブリノーゲン、コラーゲン、ゼラチンまたはそれらの2種以上の混合物である、上記(3)~(8)いずれかに記載の細胞組織の作製方法。
(10)増粘多糖類が、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウムまたはそれらの混合物であり、上記(6)~(9)いずれかに記載の細胞組織の作製方法。
(11)細胞が心筋細胞である、上記(2)~(10)いずれかに記載の細胞組織の作製方法。
また、本発明の第2の側面に係る発明のより具体的な態様として、例えば、下記のものが提供される。
(12)少なくとも、細胞とゲル化開始剤を含む第1の塗布液を含む第1の容器、およびゲル化剤を含む第2の塗布液を含む第2の容器を含む、細胞組織形成セット。
(13)第1の塗布溶液が増粘多糖類を含む、上記(12)に記載の細胞組織形成セット。
(14)第2の塗布溶液が増粘多糖類を含む、上記(12)~(13)いずれかに記載の細胞組織形成セット。
(15)ゲル化開始剤がトロンビンである、上記(12)~(14)いずれかに記載の細胞組織形成セット。
(16)ゲル化剤がフィブリノーゲン、コラーゲン、ゼラチンまたはそれらの2種以上の混合物である、上記(12)~(15)いずれかに記載の細胞組織形成セット。
(17)増粘多糖類が、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウムまたはそれらの混合物であり、上記(13)~(16)いずれかに記載の細胞組織形成セット。
(18)細胞が心筋細胞である、上記(12)~(17)いずれかに記載の細胞組織形成セット。
(19)上記(1)~上記(11)いずれかに記載の細胞組織の作製方法により作製された細胞組織。
(20)第1塗布工程を塗布ピン法を用いて行う、上記(1)~(11)いずれかに記載の細胞組織の作製方法。

Claims (13)

  1. 第1の塗布液を塗布対象物に塗布する第1塗布工程、および
    前記第1塗布工程で塗布された第1の塗布液に、第2の塗布液を重ねて塗布し、第1の塗布液の流動状態を維持しつつ、第1の塗布液と第2の塗布液の界面をゲル化する第2塗布工程、
    含み、
    第1の塗布液が、細胞と、ゲル化開始剤としてトロンビンとを含み、
    第2の塗布液が、ゲル化剤としてフィブリノーゲンを含む、
    ことを特徴とする細胞組織の作製方法。
  2. 細胞とゲル化開始剤を含む第1の塗布液を塗布対象物に塗布する第1塗布工程、および
    前記第1塗布工程で塗布された第1の塗布液に、ゲル化剤を含む第2の塗布液を重ねて塗布し、第1の塗布液と第2の塗布液の界面でゲル化反応を開始させる第2塗布工程、
    を含み、
    第1の塗布液が、細胞と、ゲル化開始剤としてトロンビンとを含み、
    第2の塗布液が、ゲル化剤としてフィブリノーゲンを含む、
    ことを特徴とする細胞組織の作製方法。
  3. 第1の塗布液および第2の塗布液が塗布された塗布対象物を培地中に浸浸し、細胞を培養する工程を含む、請求項1または2に記載の細胞組織の作製方法。
  4. 第1の塗布が増粘多糖類を含む、請求項1~3いずれかに記載の細胞組織の作製方法。
  5. 第2の塗布が増粘多糖類を含む、請求項1~4いずれかに記載の細胞組織の作製方法。
  6. 増粘多糖類が、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウムまたはそれらの混合物である、請求項4または5に記載の細胞組織の作製方法。
  7. 細胞が心筋細胞である、請求項1~6いずれかに記載の細胞組織の作製方法。
  8. 少なくとも、細胞とゲル化開始剤を含む第1の塗布液を含む第1の容器、およびゲル化剤を含む第2の塗布液を含む第2の容器を含み、
    ゲル化開始剤がトロンビンであり、
    ゲル化剤がフィブリノーゲンである、
    細胞組織形成セット。
  9. 第1の塗布が増粘多糖類を含む、請求項に記載の細胞組織形成セット。
  10. 第2の塗布が増粘多糖類を含む、請求項8または9に記載の細胞組織形成セット。
  11. 増粘多糖類が、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウムまたはそれらの混合物であ、請求項9または10に記載の細胞組織形成セット。
  12. 細胞が心筋細胞である、請求項8~11いずれかに記載の細胞組織形成セット。
  13. 第1塗布工程を塗布ピン法を用いて行う、請求項1~7いずれかに記載の細胞組織の作製方法。
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