JP7255974B2 - 樹脂シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
1つの実施形態においては、上記樹脂シートは接着剤層および/または粘着剤層を含む。
1つの実施形態においては、上記樹脂シートは偏光子を含む。
本発明の別の局面によれば、上記樹脂シートの製造方法が提供される。この製造方法は、該樹脂シートを複数枚重ねてワークを形成すること;および、該ワークの積層方向に延びる回転軸と該回転軸を中心として回転する本体の最外径として構成された切削刃とを有する切削手段の該切削刃を該ワークの外周面に当接させて、該ワークの外周面を切削すること;を含む。
1つの実施形態においては、該切削刃のHV硬度は7000以上であり、該切削手段の送り速度Fと該切削刃の接触回数Tとの比F/Tは0.012以上である。この場合、切削刃は焼結ダイヤモンドを含む。
別の実施形態においては、該切削刃のHV硬度は2000以上であり、該切削手段の送り速度Fと該切削刃の接触回数Tとの比F/Tは0.015以上である。この場合、切削刃は超硬合金で構成されている。
樹脂シートとしては、切削加工が必要とされる用途に用いられ得る任意の適切な樹脂シートが挙げられる。樹脂シートは、単一層で構成されるフィルムであってもよく、積層体であってもよい。樹脂シートの具体例としては、光学フィルムが挙げられる。光学フィルムの具体例としては、偏光子、位相差フィルム、偏光板(代表的には、偏光子と保護フィルムとの積層体)、タッチパネル用導電性フィルム、表面処理フィルム、ならびに、これらを目的に応じて適切に積層した積層体(例えば、反射防止用円偏光板、タッチパネル用導電層付偏光板)が挙げられる。本発明の実施形態によれば、特に、偏光子のような収縮しやすい光学フィルムを含む樹脂フィルムにおいてクラックを顕著に抑制することができる。1つの実施形態においては、樹脂シートは、接着剤層および/または粘着剤層を含む。本発明の実施形態によれば、接着剤層および/または粘着剤層を含む樹脂シートを切削加工した場合であっても、クラック(特に、ヒートサイクル試験後のクラック)を抑制することができる。
正反射率RR=SCI-SCE
拡散反射率DR=SCE
図4は、切削加工を説明するための概略斜視図であり、本図にワーク1が示されている。図4に示すように、樹脂シートを複数枚重ねたワーク1が形成される。樹脂シートは、ワーク形成に際し、代表的には任意の適切な形状に切断されている。具体的には、樹脂シートは矩形形状に切断されていてもよく、矩形形状に類似する形状に切断されていてもよく、目的に応じた適切な形状(例えば、円形)に切断されていてもよい。図示例では、光学積層体は矩形形状に切断されており、ワーク1は、互いに対向する外周面(切削面)1a、1bおよびそれらと直交する外周面(切削面)1c、1dを有している。ワーク1は、好ましくは、クランプ手段(図示せず)により上下からクランプされている。ワークの総厚みは、好ましくは8mm~20mmであり、より好ましくは9mm~15mmであり、さらに好ましくは約10mmである。このような厚みであれば、クランプ手段による押圧または切削加工時の衝撃による損傷を防止し得る。樹脂シートは、ワークがこのような総厚みとなるように重ねられる。ワークを構成する樹脂シートの枚数は、例えば10枚~50枚であり得る。クランプ手段(例えば、治具)は、軟質材料で構成されてもよく硬質材料で構成されてもよい。軟質材料で構成される場合、その硬度(JIS A)は、好ましくは60°~80°である。硬度が高すぎると、クランプ手段による押し跡が残る場合がある。硬度が低すぎると、治具の変形により位置ずれが生じ、切削精度が不十分となる場合がある。
次に、ワーク1の外周面を、切削手段20により切削する。切削は、切削手段の切削刃をワーク1の外周面に当接させることにより行われる。切削は、ワークの外周面の全周にわたって行ってもよく、所定の位置のみに行ってもよい。図3に示すような平面形状の樹脂シートを作製する場合、切削は、代表的にはワークの外周面の全周にわたって行われる。切削加工は、代表的には図4~図6に示すように、いわゆるエンドミル加工である。すなわち、切削手段(エンドミル)20の側面を用いて、ワーク1の外周面を切削する。切削手段(エンドミル)20としては、代表的にはストレートエンドミルが用いられ得る。
実施例および比較例で得られた異なる複数のワークから偏光板をランダムに選び出し、選出した偏光板を積層して厚み約15mmの束を作製した。作製した束の測定面を面一とした状態で、束の測定面方向の両端部から10mmの位置(2か所)に輪ゴム(アイ・ジー・オー社製、#7)を巻いて束を拘束した。拘束した束の測定面について、分光測色計(コニカミノルタ社製「CM-2600d」)を用いてSCIおよびSCEを測定し、以下の式から正反射率RRおよび拡散反射率DRを求めた。
正反射率RR=SCI-SCE
拡散反射率DR=SCE
(2)クラック
実施例および比較例で得られた偏光板について、-40℃~85℃で200サイクルのヒートサイクル(ヒートショック)試験を行った。試験後のクラックの発生状況について、光学顕微鏡で拡大した画像を用いてクラックの長さを測定した。観測されたクラックの最大長さを評価の指標とした。具体的には、クラックの最大長さが150μm未満である場合を「良好」、150μm以上である場合を「不良」と評価した。
常法により、視認側から順に表面保護フィルム(48μm)/ハードコート層(5μm)/シクロオレフィン系保護フィルム(47μm)/偏光子(5μm)/シクロオレフィン系保護フィルム(24μm)/粘着剤層(20μm)/セパレーターの構成を有する視認側偏光板を作製した。得られた偏光板を図3に類似した形状(概略サイズ142.0mm×66.8mmで四隅のR6.25mm)に打ち抜き、打ち抜いた偏光板を複数枚重ねてワーク(総厚み約10mm)とした。得られたワークをクランプ(治具)で挟んだ状態で、エンドミル加工により周縁部を切削し、図3に示すような切削加工された偏光板を得た。エンドミルの切削刃は焼結ダイヤモンドを用いたものであり、HV硬度は10000であった。また、エンドミルの刃数は2枚、ねじれ角は0°であった。また、エンドミルの送り速度(直線部を切削する際の送り速度)は1500mm/分であり、回転数は15000rpmであり、切削回数は2回(1回目0.1mm、2回目0.2mmの切削しろ0.3mm)であった。
切削加工の条件を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、図3に示すような切削加工された偏光板を得た。得られた偏光板を上記(1)および(2)の評価に供した。結果を表1に示す。
エンドミルの切削刃として超硬合金製のもの(HV硬度:2050)を用いたこと、および、切削加工の条件を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、図3に示すような切削加工された偏光板を得た。得られた偏光板を上記(1)および(2)の評価に供した。結果を表1に示す。
切削加工の条件を表1に示すように変更したこと以外は参考例9と同様にして、図3に示すような切削加工された偏光板を得た。得られた偏光板を上記(1)および(2)の評価に供した。結果を表1に示す。
常法により、背面側から順に表面保護フィルム(48μm)/輝度向上フィルム(30μm)/粘着剤層(12μm)/偏光子(5μm)/アクリル系保護フィルム(20μm)/粘着剤層(20μm)/セパレーターの構成を有する背面側偏光板を作製した。この偏光板を用いたこと、および、切削加工の条件を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、図3に示すような切削加工された偏光板を得た。得られた偏光板を上記(1)および(2)の評価に供した。結果を表1に示す。
切削加工の条件を表1に示すように変更したこと以外は参考例17と同様にして、図3に示すような切削加工された偏光板を得た。得られた偏光板を上記(1)および(2)の評価に供した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の実施例によれば、ヒートサイクル試験後のクラックが抑制されていることがわかる。
20 切削手段
Claims (7)
- 切削加工された樹脂シートであって、
矩形以外の異形状を有し、
切削端面における正反射率RRと拡散反射率DRとの比RR/DRが0.18以上0.30以下である、
樹脂シート。 - 前記樹脂シートが接着剤層および/または粘着剤層を含む、請求項1に記載の樹脂シート。
- 前記樹脂シートが偏光子を含む、請求項1に記載の樹脂シート。
- 請求項1から3のいずれかに記載の樹脂シートの製造方法であって、
該樹脂シートを複数枚重ねてワークを形成すること;および、該ワークの積層方向に延びる回転軸と該回転軸を中心として回転する本体の最外径として構成された切削刃とを有する切削手段の該切削刃を該ワークの外周面に当接させて、該ワークの外周面を切削して、該ワークを矩形以外の異形状に加工すること;を含み、
該切削刃のHV硬度が7000以上であり、
該切削刃の直径が3mm~20mmであり、
該切削手段の送り速度Fと該切削刃の接触回数Tとの比F/Tが0.012以上0.07以下である、
方法。 - 前記切削刃が焼結ダイヤモンドを含む、請求項4に記載の製造方法。
- 請求項1から3のいずれかに記載の樹脂シートの製造方法であって、
該樹脂シートを複数枚重ねてワークを形成すること;および、該ワークの積層方向に延びる回転軸と該回転軸を中心として回転する本体の最外径として構成された切削刃とを有する切削手段の該切削刃を該ワークの外周面に当接させて、該ワークの外周面を切削して、該ワークを矩形以外の異形状に加工すること;を含み、
該切削刃のHV硬度が2000以上2350以下であり、
該切削刃の直径が3mm~20mmであり、
該切削手段の送り速度Fと該切削刃の接触回数Tとの比F/Tが0.015以上0.07以下である、
方法。 - 前記切削刃が超硬合金で構成されている、請求項6に記載の製造方法。
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