JP7255900B2 - 超音波接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波振動により金属、プラスチック等のワークを接合する超音波接合方法に関する。
従来、食品パック等に用いられるプラスチック、電池部品等の金属を接合するため、超音波接合(超音波溶接)が利用されている。一般的な超音波接合装置は、接合用チップの先端を超音波振動させ、接合対象物に繰り返し圧力を加えることにより接合する。
例えば、下記の特許文献の超音波振動による半導体装置の製造方法では、上面に金属板が設けられた絶縁層をワーク搬送して台座に載せる(ステップS1)。そして、金属板上に金属端子を載せ、超音波ツールをZ軸方向に下降する座標を決めるための認識工程を実施する(ステップS2)。
次に、超音波ツールをZ軸方向に下降させて金属端子に押し付けて加圧力を加えて金属端子と金属板を平行状態に固定し(ステップS3)、超音波ツールをZ軸方向に上昇させて金属端子から離す。次に、超音波ツールをZ軸方向に下降する座標を決めるための認識工程を再び実施する(ステップS4)。
さらに、超音波ツールをZ軸方向に下降させて金属端子に押し付けて加圧力を加えつつ超音波振動を加えて金属端子と金属板を超音波接合させる(ステップS5)。その後、超音波接合が終わった半導体装置をワーク搬送する。
特許文献1:特開2016-221527号公報
しかしながら、上記特許文献の製造方法では、超音波振動させた超音波ツールをワークに接触させるとワークが位置ずれを起こすことがあった。また、これを防止するため圧力を大きくするとワークが破断するおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、接合品質を向上させることができる超音波接合方法を提供することを目的とする。
本発明は、接合用チップと、当該接合用チップと対向する位置に配置されたアンビルとの間に重ねられた複数のワークを、当該接合用チップが押圧する方向に垂直な第1方向の振動成分と当該第1方向に直交する第2方向の振動成分とを複合させた超音波振動によって当該接合用チップを振動させることにより、当該複数のワークを接合する超音波接合方法であって、
前記接合用チップを介して前記複数のワークに圧力を加える加圧工程と、前記超音波振動によって前記接合用チップを振動させ、前記ワーク同士がずれないように仮止めするプレショット工程と、前記超音波振動によって前記接合用チップを振動させ、前記複数のワークを接合する3段階ステップからなる接合工程と、を備え、
前記接合工程において、前記複数のワークに加える圧力及び前記接合用チップの前記ワークに当接してからの変位量の少なくとも一方と、前記接合用チップの振動振幅とが連動するように変化し、前記3段階ステップは、前記ワーク表面の酸化被膜の除去、前記ワーク表面の摩擦、前記ワーク同士の固相接合であることを特徴とする。
本発明の超音波接合方法は、接合用チップとアンビルとの配置方向(水平方向、傾斜方向)に関係なく、加圧工程にて接合用チップで接合対象の複数のワークを押圧しつつ、当該押圧の方向に垂直な第1方向の振動成分と当該第1方向に垂直な第2方向の振動成分とを複合させた超音波振動により接合用チップを振動させる。また、プレショット工程にて接合用チップを超音波振動させ、ワーク同士がずれないように仮止めする。
また、接合用チップを超音波振動させ、ワークを接合する接合工程においては、ワークに加える圧力及び/又は接合用チップのワークに当接してからの変位量と、接合用チップの振動振幅とが連動するように変化させる。ここで、連動とは、当該圧力及び/又は当該変位量が振動振幅の変化に応じて、或いは振動振幅が当該圧力及び/又は当該変位量の変化に応じて同様に変化することを意味する。例えば、加える圧力を大きくしたとき振動振幅も大きくし、加える圧力を小さくしたとき振動振幅も小さくなるように変化させる。前記接合工程は3段階のステップからなり、それぞれワーク表面の酸化被膜の除去、ワーク表面の摩擦、ワーク同士の固相接合である。これにより、接合時にワークに与える超音波振動が安定し、接合品質を高めることができる。
本発明の超音波接合方法において、前記複数のワークに加える圧力が前記接合工程における初期圧力に到達したとき、前記接合用チップの前記超音波振動を開始することが好ましい。
接合工程では、接合時にワークに加える圧力が初期圧力に到達したとき、接合用チップの超音波振動を開始するようにする。これにより、接合工程おいて、接合に必要な圧力と振動振幅の条件が揃うと、その条件成立時から強度の高い接合を行うことができる。
また、本発明の超音波接合方法において、前記接合工程での前記圧力及び前記変位量の少なくとも一方と、前記振動振幅とは、段階的に変化することが好ましい。
接合工程において、当該圧力及び/又は当該変位量と、振動振幅とが段階的に変化するので、この工程で不純物、酸化被膜等の除去、ワーク表面の摩擦(塑性変形)、接合等、複数の目的を適切な条件で行うことができる。
また、本発明の超音波接合方法において、前記接合工程での前記圧力及び前記変位量の少なくとも一方と、前記振動振幅とは、対数関数的に変化することが好ましい。
重ねたワークがずれ易い場合等には、接合工程において、当該圧力及び/又は当該変位量と、振動振幅とを対数関数的に変化させるとよい。接合工程の初期段階でワークに加える圧力を高くして、接合するワークを押さえる(仮止めする)ことができるので、ずれを防止して安定した接合品質を確保することができる。
また、本発明の超音波接合方法において、前記接合工程での前記圧力及び前記変位量の少なくとも一方と、前記振動振幅とは、指数関数的に変化させてもよい。
ワーク表面を清浄化する場合等には、接合工程において、当該圧力及び/又は当該変位量と、振動振幅とを指数関数的に変化させるとよい。表面の清浄化のためには圧力、振動振幅は小さくてよく、その後の表面の塑性変形で圧力、振動振幅を上昇させる。これにより、安定した接合品質を確保することができる。
本発明の実施形態に係る超音波接合装置の全体構成を説明する図。 超音波接合装置による法音波接合方法の1ショットを説明する図。 接合工程の詳細を説明する図(理想)。 接合工程の詳細を説明する図(実際)。 接合工程の振動振幅の変化を示す図(従来)。 接合工程の振動振幅の変化を示す図。
以下では、本発明の超音波接合方法の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
初めに、図1を参照して、本発明の実施形態に係る超音波接合装置1の全体構成を説明する。超音波接合装置1は、金属板等の接合対象物(ワーク)を後述する超音波複合振動を利用して接合(溶接)する装置である。超音波接合装置1は、主にリチウムイオン電池、半導体素子等の電極、同種又は異種の金属の接合に用いられる。
超音波接合装置1は、超音波振動子2と、超音波拡大ホーン3と、超音波LT(Langevin Type)ホーン4と、ホーンチップ6と、アンビル7とで構成されている。また、発振装置8、加圧装置10、センサ12、制御装置13、表示装置14も超音波接合装置1の一部である。
電源(図示省略)から発振装置8に電源電圧を印加すると、超音波振動子2の+電極及び-電極に電圧信号が伝達され、超音波振動子2が振動し、超音波振動(約20KHz)が発生する。超音波振動子2で発生した超音波振動は、超音波振動子2の一端部に取り付けられた円筒状の超音波拡大ホーン3に伝達され、振動振幅が拡大される。さらに、超音波振動は、超音波拡大ホーン3の一端部(超音波振動子2のない側の端部)に取り付けられた円筒状の超音波LTホーン4に伝達される。
ここまで、超音波振動子2で発生した超音波振動は、超音波拡大ホーン3と超音波LTホーン4の長軸方向に伝達されたが(超音波の縦振動)、超音波LTホーン4の複数の斜めスリット4aにより、縦振動から横振動に変換した振動成分が生じる。そして、超音波振動(複合振動)は、超音波LTホーン4の一端部(超音波拡大ホーン3のない側の端部)にネジ止めされたホーンチップ6(本発明の「接合用チップ」及び「第1部材」に相当)に伝達される。
ホーンチップ6は、円錐台状の基体部6aと、接合時にワークWと接触する先端部6bとからなる。すなわち、発振装置8で超音波振動の位相を調整することにより、超音波LTホーン4の一端部で複合振動(例えば、楕円振動)が生じ、ホーンチップ6の先端部6bがワークWの表面を楕円軌道を描いて振動する。この振動はワークWの表面の不純物を排除し、さらにワークWの表面の塑性変形を促進する。なお、ホーンチップ6は様々な形状があり、ワークWの種類に応じて交換して使用することができる。
複合振動について補足すると、これは、ホーンチップ6の先端部6b(端面6c)がワークWを押圧したとき、押圧の方向に垂直な第1方向の振動成分と、第1方向に直交する第2方向の振動成分とを複合させた振動である。第1方向の振動成分と第2方向の振動成分が1:1であれば円形振動、2:1ならば楕円振動となる。
また、超音波拡大ホーン3のフランジ部3aに剛性の高い加圧用ブロック(図示省略)が接触している。このため、制御装置13により加圧装置10を制御し、昇降動作する加圧用ブロックを介して超音波接合装置1を垂直方向に移動させることができる。そして、台座であるアンビル7(本発明の「第2部材」の一例)上にワークWを載置しておくことで、ホーンチップ6の先端部6bがワークWに接触して静圧力(接合時は200~800N)が加わるようになっている。
さらに、加圧用ブロックの変位を検出するセンサ(ストロークセンサ)12があり、ホーンチップ6のワークWの押し込み量を取得している。センサ12は、接合時のホーンチップ6の垂直方向の座標変化を制御装置13にフィードバック(破線は帰還信号)することで、押し込み量が一定に保持される。このため、加圧装置10には、応答速度が速いアクチュエータが用いられている。
押し込み量は、表示装置14から作業者が設定することができる。また、センサ12に加えて圧力センサを備え、静圧力を一定に保持するように制御してもよい。このように、ワークWの接合時には、押し込み量又は静圧力を調整しながら複合振動を与えることで確実に接合(固相接合)が促進される。
ここで、固相接合について補足すると、例えば、金属原子は、その表面が油脂、酸化被膜等で覆われ、原子同士の接近が妨げられた状態となっている。超音波接合では、金属に超音波振動を与えて、金属表面に強力な摩擦力を発生させる。これにより、金属表面の酸化被膜等が除去され、接合面に清浄かつ活性化した金属原子が現れる。
この状態で、さらに金属表面に超音波振動を与えることにより、摩擦熱による温度上昇で原子の運動が活発となり、原子間の相互引力が発生し、固相接合の状態が生成される。
次に、図2を参照して、超音波接合装置1の1ショットを説明する。なお、図中の縦軸は、ホーンチップ6(先端)のZ軸方向の位置を示している。
まず、図示する下降工程では、ホーンチップ6を初期位置から徐々に下降させて、ホーンチップ6の下方に位置する接合対象物(ワークW)に接近させる。以降の工程についても、制御装置13が加圧装置10を制御し、加圧用ブロックを介してホーンチップ6のZ軸方向の位置を制御する(図1参照)。
下降工程の後、プレバースト工程に進む。ワークWが電極等である場合、下降中のホーンチップ6が電極から延び出ている巻き線などに引っかかることがある。これを防止するため、本工程では、ホーンチップ6を超音波振動させる。これによりホーンチップ6が巻き線に接触しても振動によって巻き線が離れるため、引っかかりを防止することができる。
プレバースト工程の後、除降工程に進む。徐降工程では、ホーンチップ6の下降速度を遅くする。これにより、ホーンチップ6がワークWに接触して、圧力を加えるときの衝撃を緩和することができる。
除降工程の後、加圧工程に進む。加圧工程は、ホーンチップ6がワークWに接触し、適正な静圧力を加える工程である。加圧工程は、後述するプレショット工程(仮止め)のための準備加圧と、後述する接合工程と同じ加圧(2回接合の1回目)との2種類の目的がある。適正な静圧力とは、目的に応じた圧力を意味し、例えば、加圧工程を1回目の接合工程と位置付けた場合、接合時の静圧力(200~800N)が適正な静圧力となる。
加圧工程の後、プレショット工程に進む。プレショット工程では、ワークWに静圧力を加えた状態で、ホーンチップ6が後述する接合工程よりも弱い超音波振動をするようにする。これにより、重なった状態で載置されたワークWがずれないように仮止めすることができる。
プレショット工程の後、与圧工程に進む。与圧工程は、後述する接合工程の準備加圧の段階であり、ホーンチップ6の超音波振動を一旦停止し、ワークWに静圧力だけを加える工程である。
与圧工程の後、接合工程に進む。接合工程は、ワークWを接合するために必要な静圧力と、超音波振動を発生させる工程である。接合工程の詳細については後述するが、ワークWに加える静圧力とホーンチップ6の振動振幅は、一方が他方に連動するように変化する。
接合工程において静圧力の解放した後、冷却工程に進む。冷却工程は、ホーンチップ6の超音波振動を停止し、ワークWを冷却する工程である。
冷却工程の後、アフターバースト工程に進む。ホーンチップ6を上昇させてワークWから離す際、静圧力によりホーンチップ6とワークWが密着した状態となることがある。本工程で、ホーンチップ6を超音波振動させることにより、両者を引き離すことができる。なお、アフターバースト工程における超音波振動は、接合工程よりも弱い振動である。
アフターバースト工程の後、上昇工程に進む。上昇工程は、ホーンチップ6を上昇させ、初期位置に復帰させる工程である。以上、超音波接合装置1の1ショットを構成する各工程について説明した。なお、ワークの種類によるが、1ショットは、0.6~3.0秒となっている。
次に、図3A、図3Bを参照して、本発明の超音波接合方法の接合工程の詳細について説明する。
図3Aは、図2の接合工程(50~100ms)におけるワークWに加える静圧力と、ホーンチップ6の振動振幅の様子を示している。図示するように、接合工程の前段階である与圧工程では、超音波振動が休止状態(振動振幅が0)であり、静圧力も接合のための下限静圧力Pよりも小さい圧力に設定されている。
接合工程に移行して、静圧力が下限静圧力Pに到達したとき、ホーンチップ6の超音波振動(発振)が開始する(フォーストリガ方式)。ここでは、静圧力と振動振幅とが連動した3段階のステップとなっている。
各段階での動作は、例えば、超音波接合において重要とされる「ワーク表面の酸化被膜の除去」、「振動摩擦によるワークの温度」及び「固相接合」であり、作業者が、それぞれ最適な条件、時間を設定することができるようになっている。
実際、静圧力と振動振幅は、設定値に到達するまでの立ち上がり時間(タイムラグ)があるため、図3Bに示すようになる。図示するように、接合工程において、振動振幅が0から1段階目の設定値に到達するまで経時的に変化する。
与圧工程において、ホーンチップ6の先端がワークWに接触している分、よりソフトな状態でワークWに超音波振動を与えることができる。また、接合工程における比較的強い超音波振動により、ワークWの位置ずれ又はホーンチップ6の先端とワークWの滑りを防止することができる。
実際は、ワークWに対して静圧力を加えた後に振動振幅を上昇させるため、振動振幅は静圧力に僅かに遅れて変化する。静圧力と振動振幅の位相差は、作業者が設定(スケジューリング)することができ、ワークWの種類により変更する。
振動振幅が静圧力に追従するように、又は静圧力が振動振幅に追従するようにフィードバック制御してもよい。なお、振動振幅と静圧力とをフィードフォワードで制御することも可能である。
ワークWが薄肉又は弱い構造体の場合、接合工程で突如強い静圧力と超音波振動を与えてしまうと、表面に亀裂が入り破損するおそれがある。本発明では、接合工程にて、静圧力と振動振幅とを徐々に強めたり、途中で弱めたりする等、条件を設定して接合するので、破損を防ぐことが可能となる。
接合工程におけるステップは、2段階以上あればよい。例えば、ワークWの材質、状態等によっては、超音波振動による「バンプ形成」が必要となる場合がある。この場合は、以下の4段のステップが必要である。なお、「バンプ」とは、より線等を接合する際に、ホーンチップ6先端のディンプル(凹部)に収まらなかった金属(接合材料)の一部が接合面に移動したものである。
まず、低い静圧力と超音波振動に制御してワーク表面を擦り、各々のワーク表面の密着度を向上させる。そして、ワーク表面の酸化膜を除去して接合面を活性化し、表面に金属分子が現れるようにする(ステップ1)。なお、ワークの種類によっては、密着度の向上と金属分子の出現とを2つのステップに分離することもある。次に、ホーンチップ6の超音波振動によりワーク表面を擦り、ワーク表面にバンプを形成する(ステップ2)。
次に、ワーク表面が接合に適した状態になるように静圧力と振動振幅とを制御して、ワークを原子間接合に適した表面温度まで上昇させる(ステップ3)。次に、接合に適した静圧力と振動振幅に制御して、ワークを接合する(ステップ4)。なお、以上の各ステップは順番が前後したり、特定の、又は全体のステップが繰り返されたり、場合によっては不要なステップが削除されることがある。
上述の各ステップを行う場合、ゆっくりと立ち上がる指数関数で、静圧力と振動振幅とが連動するように制御することもできる。一方、ずれ易いワークの場合、初期段階からある程度静圧力を加えて押さえる(仮止めする)必要があるため、対数関数的に連動するように、静圧力と振動振幅を制御するとよい。
上記ステップ1~4は飽くまで一例であり、実際はワークWの種類、その形状、表面状態等に応じてステップの追加又は省略をすることができる。また、図3A、図3Bにおいては、静圧力と振動振幅とをステップ毎に増加させているが、ステップ毎に減少させることもある。
上述の接合工程のステップ間には、インターバルを設けていない。これにより、接合工程において、表面の酸化膜形成を防止する等、表面原子の活性化状態が変化してしまうことを防止することができる。
また、図4Aに示すように、接合工程の中で、振幅と静圧力を変化させることが可能な接合工程開始時に、設定した超音波の振動振幅をワーク表面にいきなり印加すると、静圧力が急激に低下することがある。
この現象は、静圧力を一定にしてチップ先端で上側のワークを押圧しても、すぐには食い込みが生じないことに起因する。その状態でワーク表面に超音波振動を与えると、ワーク表面とチップ先端に僅かな隙間ができたり、ワークとチップ先端との密着度が下がったりする。その場合、ワーク表面の接合強度が不十分となる。
一方、本発明の超音波接合方法では、図4Bの時間と圧力の関係に示すように、振動振幅を徐々に上昇させる。これは、チップ先端が上側のワークにしっかり食い込むまでは、振動振幅をある程度抑えておくためである。これにより、接合工程開始時において、静圧力の急激な低下を防止することができる。
チップ先端がワークに食い込んだ後は、振動振幅を大きくしてもチップとワークが一体となった状態で振動する。このため、水平方向のチップ、ワーク間の摩擦力はなくなり、ワーク同士を適切な静圧力で接合することができる。
また、チップ先端は、ワーク同士の接合により、沈み込むように変位する。図4Bに示す時間と変位量の関係(一点鎖線)は、このときの変位量(チップの沈み込み量:μm)を示している。図示するように、振動振幅が増加する過程では、当接した時点t=X以降の変位量の傾きが比較的大きく、振動振幅が一定になった時点t=Y(変曲点)を境に変位量の傾きが小さくなる。
このように、接合工程においては、チップのワークに当接してからの変位量と、振動振幅とが連動するように変化する。変位量の傾きについて、変曲点の位置は、振動振幅が一定になる時点よりも後ろにずれることが望ましい。チップ先端を極めて短時間でワークに食い込ませようとすると、すぐに離れてしまうおそれがあるためである。
上記説明は、本発明の実施形態の一部であり、これ以外にも種々な実施形態が考えられる。特に、プレバースト工程及びアフターバースト工程は、ワークWの種類に応じて採用すればよい。
また、接合工程において、静圧力と振動振幅とは比例関係で連動してもよい。例えば、ワークWが薄肉、弱い構造体である場合、接合工程で突如強い静圧力と振動振幅を印可すると、ワークWに亀裂が入り破損するおそれがある。本発明では、接合工程の本発振中に徐々に静圧力、振動振幅を強めたり、途中で弱めたりする等、最低限の設定で接合するため、ワークの破損を防ぐことができる。
上述のホーンチップ6は、基体部6aの先端にワークWと接触する先端部6bが設けられた一体型であったが、基体部6aに長い棒状の先端部をネジ止めして取り付けることもできる。なお、この場合、先端部の取り付け位置が振動ノードとならないように注意する。
ホーンチップ6の押し込み量は、どのような方法で検出してもよい。例えば、加圧用ブロックを駆動するアクチュエータ(サーボモータ)にエンコーダを取り付け、基準位置からの変位により押し込み量を検出する方法がある。
1…超音波接合装置、2…超音波振動子、3…超音波拡大ホーン、3a…フランジ部、4…超音波LTホーン、4a…斜めスリット、6…ホーンチップ、6a…基体部、6b…先端部、6c…端面、7…アンビル、8…発振装置、10…加圧装置、12…センサ、13…制御装置、14…表示装置、W…ワーク。

Claims (5)

  1. 接合用チップと、当該接合用チップと対向する位置に配置されたアンビルとの間に重ねられた複数のワークを、当該接合用チップが押圧する方向に垂直な第1方向の振動成分と当該第1方向に直交する第2方向の振動成分とを複合させた超音波振動によって当該接合用チップを振動させることにより、当該複数のワークを接合する超音波接合方法であって、
    前記接合用チップを介して前記複数のワークに圧力を加える加圧工程と、
    前記超音波振動によって前記接合用チップを振動させ、前記ワーク同士がずれないように仮止めするプレショット工程と、
    前記超音波振動によって前記接合用チップを振動させ、前記複数のワークを接合する3段階ステップからなる接合工程と、を備え、
    前記接合工程において、前記複数のワークに加える圧力及び前記接合用チップの前記ワークに当接してからの変位量の少なくとも一方と、前記接合用チップの振動振幅とが連動するように変化し、
    前記3段階ステップは、前記ワーク表面の酸化被膜の除去、前記ワーク表面の摩擦、前記ワーク同士の固相接合であることを特徴とする超音波接合方法。
  2. 請求項1に記載の超音波接合方法において、
    前記複数のワークに加える圧力が前記接合工程における初期圧力に到達したとき、前記接合用チップの前記超音波振動を開始することを特徴とする超音波接合方法。
  3. 請求項1又は2に記載の超音波接合方法において、
    前記接合工程での前記圧力及び前記変位量の少なくとも一方と、前記振動振幅とは、段階的に変化することを特徴とする超音波接合方法。
  4. 請求項1又は2に記載の超音波接合方法において、
    前記接合工程での前記圧力及び前記変位量の少なくとも一方と、前記振動振幅とは、対数関数的に変化することを特徴とする超音波接合方法。
  5. 請求項1又は2に記載の超音波接合方法において、
    前記接合工程での前記圧力及び前記変位量の少なくとも一方と、前記振動振幅とは、指数関数的に変化することを特徴とする超音波接合方法。
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