JP7255560B2 - 乾燥システム、情報処理装置、およびプログラム - Google Patents
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Description
第一の情報は、典型的には、手の表面温度に関する情報であるが、ユーザの手の温度に関するものであれば、どのようなものであってもよい。また、第一のセンサは、例えば、非接触で温度測定が可能なセンサであることが好ましい。
乾燥媒体とは、典型的には温風であるが、水分を除去するための媒体であれば、どのようなものであってもよい。例えば、冷風、ペーパータオル、布タオルなどであってもよい。
手の温度とは、典型的には手の皮膚表面の温度である。なお、温度の測定点が複数ある場合、当該複数箇所の温度を用いて演算した値を用いて判定を行ってもよい。
また、前記制御部は、前記手の温度分布から算出された評価値が所定の閾値を満たす場合に、前記乾燥媒体の提供を行うと判定することを特徴としてもよい。
手の温度分布を取得することで、手全体に水が行き渡ったかを判定することができる。
このように、第二のセンサを利用して、手洗いの前後におけるユーザの手の温度分布の変化を取得することで、より精度のよい判定を行うことが可能になる。
記憶部には、例えば、得られた温度分布がどのような条件を満たした場合に乾燥媒体を提供するか、または、温度分布がどのように変化した場合に乾燥媒体を提供するかといった基準を記憶させることができる。
手洗いを行った後の手の温度は、手洗いに利用される水の水温に影響される。そこで、手洗いに利用される水の水温を取得し、基準を補正することで、水温の影響を低減することができる。例えば、冷水を利用する場合、温水を利用する場合と比較して、基準となる温度が低くなるよう補正を行うことができる。
例えば、石鹸の供給タイミングから水の供給タイミングまでの時間を計測することで、石鹸による十分な手洗いが行われたかを推定することができる。これを併用することで、判定の精度をより向上させることができる。
第一の実施形態に係る乾燥システムの概要について、図1を参照しながら説明する。本実施形態に係る乾燥システムは、乾燥機10を含む。乾燥機10は、化粧室等に併設された手洗い場に設置された、温風によって手を乾燥させるための装置(ハンドドライヤー)である。
乾燥機10は、マイコン100、センサ200、乾燥部300、および入出力部400を含んで構成される。
制御部101は、マイコン100が行う制御を司る演算装置である。制御部101は、CPUなどの演算処理装置によって実現することができる。
制御部101は、温度分布取得部1011と、乾燥制御部1012の2つの機能モジュールを有して構成される。各機能モジュールは、記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
算出データは、温度分布取得部1011が取得した温度分布に基づいて、評価値を算出
するためのデータである。また、基準データは、算出した評価値と比較を行うための閾値を含む。例えば、算出された評価値が、基準データによって定義された閾値を上回っている場合、手指の温度が十分に低下していると判定することができる。
ユーザが乾燥機10に手を挿入すると、センサ200が、手が挿入されたことを検知するとともに、その温度分布を算出するためのセンサデータ(遠赤外線の強度を表すビットマップ)を生成する。生成されたセンサデータは、温度分布取得部1011によって取得され、所定の方法によって手の温度分布が算出される。
よって、「表面温度が低下した範囲」と、「表面温度が低下した度合い」という二つの評価基準によって、十分な手洗いが行われたか否かを評価することができる。前者を第一の評価基準と称し、後者を第二の評価基準と称する。
表面温度、T(x,y)は対応するピクセル(x,y)において観測された表面温度である。
評価値E=Σ(Tstd-T(x,y))・・・式(1)
例示した方法によると、手洗いの前後で手の表面温度が低下しているほど大きい評価値が得られ、表面温度が低下している面積が広いほど大きい評価値が得られる。すなわち、得られた評価値が大きいほど、より入念に手洗いが行われたことが推定できる。
一の評価基準に対応する評価値となる。また、手全体の表面温度の代表値を求め、Tstd
との差分を求めてもよい。これは、第二の評価基準に対応する評価値となる。さらに、これらの評価値に所定の演算を行い、最終的な評価値Eを求めてもよい。
なお、手の大きさの個人差による影響を抑えるため、センサデータであるビットマップの大きさを正規化するようにしてもよい。
まず、ステップS11で、温度分布取得部1011が、センサ200から送信されたセンサデータを取得し、手の表面の温度分布を算出する。算出された温度分布は、乾燥制御部1012へ送信される。
次に、ステップS13で、乾燥制御部1012が、基準データを利用して、ステップS12で算出した評価値が基準を満たしているか否かを判定する。
第一の実施形態では、取得した手の温度分布を、人の標準的な手の表面温度と比較した。しかし、手の表面温度には個人差があり、さらに、環境的な要因(気温や室温など)に
よっても左右される。第二の実施形態は、これに対応するため、手洗いを行う前の手の表面温度を取得し、比較に利用する実施形態である。
また、第二の実施形態に係る乾燥機10(制御部101)は、ユーザ追跡部1013をさらに有して構成される。温度分布取得部1011Aおよび乾燥制御部1012Aの機能の相違点については、以下で説明する。
第二センサ500が取得したセンサデータは、制御部101(温度分布取得部1011A(後述))へ送信される。
乾燥制御部1012Aは、第一の実施形態と同様に、手指の温度が十分に低下していると判定した場合に、乾燥部300を制御し、乾燥動作を開始させる。
一時的に記憶される。
次に、ステップS12Aで、温度分布取得部1011Aが、記憶された第一センサデータおよび第二センサデータに基づいて、評価を実行する。
式(2)は、第二の実施形態における評価値Eの算出式の例である。式(2)において、Tbefore (x,y)は、手洗い前における手の表面温度を表し、Tafter (x,y)は、手洗い
後における手の表面温度を表す。
評価値E=Σ(Tbefore (x,y)-Tafter (x,y))・・・式(2)
評価値Eが基準を満たすか否かの判定方法は、第一の実施形態と同様である。
第一および第二の実施形態では、水流による手洗いが十分に行われたかを判定することができる。しかし、石鹸を使用していない場合、または、石鹸による十分なこすり洗いが行われていない場合、十分な手洗いが行われたと評価すべきではない。第三の実施形態は、水および石鹸の供給をセンシングすることで、判定の精度を向上させる実施形態である。
図10は、供給センサ700が出力するタイミングデータを説明する図である。タイミングデータは、図示したように、石鹸が供給されたタイミングと、水が供給されたタイミングを含む。例えば、符号1101で表した区間が所定の閾値よりも短い場合、または、当該区間が存在しない場合、石鹸による十分な手洗いが行われていないことが推定される。
第三の実施形態では、乾燥制御部1012Bが、ステップS13の処理を終えた後、ユーザが利用した洗面台に対応する供給センサ700から、過去の所定の期間におけるタイミングデータを取得する(ステップS16)。また、タイミングデータに基づいて、石鹸を供給したタイミングと、水を供給したタイミングが十分に離れているか(すなわち、石鹸で十分に手を洗える時間が確保されているか)を判定する(ステップS17)。ここで、基準を満たしていた場合、ステップS14へ遷移し、乾燥動作を開始する。基準を満たしていなかった場合、ステップS15へ遷移し、入出力部400を介して、基準を満たさない旨の案内を出力する。なお、ステップS13とステップS17において、どちらかが基準を満たさなかった場合、当該満たされていない基準を通知してもよい。例えば、「手の表面温度が十分に低下していない」旨や、「石鹸による手洗い時間が不足している」旨を通知してもよい。他のステップについては、第二の実施形態と同様である。
手洗いによって手の表面温度がどの程度低下するかは、水温に依存する。例えば、温水を利用した場合、冷水を利用した場合と比較して、手の表面温度の低下量は小さくなる。従って、水温によっては、十分な手洗いが行われたかを正しく評価できないケースが生じうる。第四の実施形態は、これに対応するため、手洗いが十分に行われたか否かを、水温を考慮して判定する実施形態である。
第四の実施形態における乾燥制御部1012Cは、水温に基づいて基準データを補正する機能をさらに有するという点において、第一の実施形態における乾燥制御部1012と相違する。
基準データの補正は、例えば、ステップS12において行うことができる。例えば、手洗いに温水が利用される場合、冷水を利用する場合と比較して、ステップS13で利用される閾値がより小さくなるよう補正を行う。また、手洗いに冷水が利用される場合、温水を利用する場合と比較して、当該閾値がより大きくなるよう補正を行う。補正を行うためのデータ(例えば、水温と、閾値の補正量との関係を表した数式やテーブル)は、記憶部102に予め記憶されていてもよい。
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
また、実施形態の説明では、乾燥媒体として温風を例示したが、乾燥媒体は風以外であってもよい。例えば、乾燥部300の代わりに、ペーパータオルを供給する機構や、布タオルを供給する機構などを採用することもできる。
101・・・制御部
102・・・記憶部
200・・・センサ
300・・・乾燥部
Claims (20)
- 手洗いを行った後のユーザの手をセンシングする第一のセンサと、
前記第一のセンサから取得したデータに基づいて、前記手洗いを行った後の前記ユーザの手の温度に関する第一の情報を取得することと、
前記第一の情報に基づいて、前記ユーザに対する乾燥媒体の提供の是非を判定することと、
を実行する制御部と、
を有する、乾燥システム。 - 前記制御部は、前記手の温度が所定の値よりも低い場合に、前記乾燥媒体を提供すると判定する、
請求項1に記載の乾燥システム。 - 前記第一のセンサは、前記手の温度分布を取得可能なセンサであり、
前記第一の情報は、前記手の温度分布を表す情報であり、
前記制御部は、前記手の温度分布に基づいて、前記乾燥媒体の提供の是非を判定する、
請求項1に記載の乾燥システム。 - 前記制御部は、前記手の温度分布から算出された評価値が所定の閾値を満たす場合に、前記乾燥媒体の提供を行うと判定する、
請求項3に記載の乾燥システム。 - 前記手洗いを行う前のユーザの手をセンシングする第二のセンサをさらに含み、
前記制御部は、
前記第二のセンサから取得したデータに基づいて、前記手洗いを行う前の前記ユーザの手の温度に関する第二の情報を取得し、
前記第一の情報と、前記第二の情報の双方に基づいて、前記乾燥媒体の提供の是非を判定する、
請求項1に記載の乾燥システム。 - 前記第一および第二のセンサは、前記手の温度分布を取得可能なセンサであり、
前記第一および第二の情報は、前記手の温度分布を表す情報であり、
前記制御部は、前記手の温度分布の変化に基づいて、前記乾燥媒体の提供の是非を判定する、
請求項5に記載の乾燥システム。 - 前記乾燥媒体の提供の是非を判定する際の基準を記憶する記憶部をさらに有する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の乾燥システム。 - 前記手洗いに利用される水の水温を取得する第三のセンサをさらに有し、
前記制御部は、前記水温に基づいて、前記基準を補正する、
請求項7に記載の乾燥システム。 - 前記手洗いを行った際の、水および石鹸の供給タイミングを表すタイミングデータを生成する第四のセンサをさらに有し、
前記制御部は、前記タイミングデータにさらに基づいて、前記乾燥媒体の提供の是非を判定する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の乾燥システム。 - 手洗いを行った後のユーザの手をセンシングする第一のセンサから取得したデータに基づいて、前記手洗いを行った後の前記ユーザの手の温度に関する第一の情報を取得することと、
前記第一の情報に基づいて、前記ユーザに対する乾燥媒体の提供の是非を判定することと、
を実行する制御部を有する、情報処理装置。 - 前記制御部は、前記手の温度が所定の値よりも低い場合に、前記乾燥媒体を提供すると判定する、
請求項10に記載の情報処理装置。 - 前記第一のセンサは、前記手の温度分布を取得可能なセンサであり、
前記第一の情報は、前記手の温度分布を表す情報であり、
前記制御部は、前記手の温度分布に基づいて、前記乾燥媒体の提供の是非を判定する、
請求項10に記載の情報処理装置。 - 前記制御部は、前記手の温度分布から算出された評価値が所定の閾値を満たす場合に、前記乾燥媒体の提供を行うと判定する、
請求項12に記載の情報処理装置。 - 前記制御部は、
前記手洗いを行う前のユーザの手をセンシングする第二のセンサから取得したデータに基づいて、前記手洗いを行う前の前記ユーザの手の温度に関する第二の情報を取得し、
前記第一の情報と、前記第二の情報の双方に基づいて、前記乾燥媒体の提供の是非を判定する、
請求項10に記載の情報処理装置。 - 前記第一および第二のセンサは、前記手の温度分布を取得可能なセンサであり、
前記第一および第二の情報は、前記手の温度分布を表す情報であり、
前記制御部は、前記手の温度分布の変化に基づいて、前記乾燥媒体の提供の是非を判定する、
請求項14に記載の情報処理装置。 - 前記乾燥媒体の提供の是非を判定する際の基準を記憶する記憶部をさらに有する、
請求項10から15のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記制御部は、前記手洗いに利用される水の水温をさらに取得し、前記水温に基づいて、前記基準を補正する、
請求項16に記載の情報処理装置。 - 前記制御部は、前記手洗いを行った際の、水および石鹸の供給タイミングを表すタイミングデータをさらに取得し、
前記制御部は、前記タイミングデータにさらに基づいて、前記乾燥媒体の提供の是非を判定する、
請求項10から17のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 手洗いを行った後のユーザの手をセンシングする第一のセンサから取得したデータに基づいて、前記手洗いを行った後の前記ユーザの手の温度に関する第一の情報を取得することと、
前記第一の情報に基づいて、前記ユーザに対する乾燥媒体の提供の是非を判定すること
と、
を情報処理装置に実行させるためのプログラム。 - 前記第一のセンサは、前記手の温度分布を取得可能なセンサであり、
前記第一の情報は、前記手の温度分布を表す情報であり、
前記手の温度分布に基づいて、前記乾燥媒体の提供の是非を判定させる、
請求項19に記載のプログラム。
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