JP7251734B2 - レゾルバのステータ巻線の端線固定構造 - Google Patents

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本発明は、レゾルバのステータ巻線の端線固定構造に関し、特に、ステータ巻線の端線を、外力による押さえ込みによる断線、もしくは、ワニス量の増加によるコスト増の問題もなく、確実に隙間を利用して固定し、浮線を防止することである。
従来のレゾルバのステータ巻線の端線固定構造としては、例えば、特許文献1の図3及び図4に示された構造を図4及び図5に開示することができる。
図4及び図5において、符号1で示されるものは輪状ステータであり、この輪状ステータ1の内面1aには、所定角度間隔で突出磁極2が内方に突出して設けられている。
前記輪状ステータ1には、この輪状ステータ1の外縁を残すと共に前記各突出磁極2を一部を残して全て覆うように、輪状絶縁カバー3が射出成形で一体に形成されている。
前記輪状絶縁カバー3の一部には、半径方向Pに沿って延設され、複数の端子ピン7を有する端子ピン保持部4が一体に設けられている。
前記端子ピン保持部4の一端面5aには、全周にわたり端子ピン保持部壁5が設けられていることにより、前記各端子ピン7を囲むように、ワニス10が溜められるワニス溜り用凹部6が形成されている。
前記端子ピン保持部4における前記ワニス溜り用凹部6の手前位置には、複数のガイドピン9が前記端子ピン7に並設されている。
前記各突出磁極2に巻回されたステータ巻線8の終端である端線8aは、前記ガイドピン9を介して前記各端子ピン7に巻回されている。
特開2009-27841号公報
従来のレゾルバのマグネットワイヤ固定構造は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
一般に、ステータ巻線から入出力用の端子ピンへの引出し部である端線の断線を防止するために、テンションを抜く工程が必要になり(配索時のみガイドピンを抜く等)、その際に発生する浮線はワニスによる固定を困難にし、耐振性を低下させていた。
また、他の従来例として、ワニスの中に端線を外力によって押えつけ、ワニスの量を増やすことを行っていたが、浮線を治具等によって押しつぶすことがあり、断線を発生させることがあった。
さらに、前述の特許文献1のように、端子ピン保持部に凹部を形成し、この凹部内に端子ピンを設けた構成においては、ワニス量が膨大となり、コスト上昇の一因となり、浮線に対する対策としては、信頼性に欠けるものであった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、ステータ巻線の端線を、外力による押さえ込みによる断線、もしくは、ワニス量の増加によるコスト増の問題もなく、確実に隙間を利用して固定し、浮線を防止することを目的とする。
本発明によるレゾルバのステータ巻線の端線固定構造は、内方に向けて所定角度間隔毎に形成された突出磁極を有する輪状ステータと、前記輪状ステータの両端面に設けられた輪状絶縁カバーと、前記各突出磁極に前記輪状絶縁カバーを介して巻回されたステータ巻線と、前記輪状絶縁カバーの一部に一体に形成され、上面を有する端子ピン保持部と、前記端子ピン保持部の最も外側部分に設けられた複数の端子ピンと、前記端子ピン保持部の前記端子ピンと前記突出磁極のステータ巻線との間の前記上面に設けられ、たるみピンを有する板状部材と、前記板状部材の下面と前記端子ピン保持部の上面との間に形成された隙間と、を備え、前記突出磁極に巻回された前記ステータ巻線の端線は前記板状部材の下面の前記隙間を経て前記端子ピンに巻き付けられている構成である。
また、前記板状部と前記たるみピンは、鳥居型、L字型、T字型の何れかよりなる構成であり、また、前記隙間内の前記端線には、ワニスが設けられている構成である。
本発明によるレゾルバのステータ巻線の端線固定構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、内方に向けて所定角度間隔毎に形成された突出磁極を有する輪状ステータと、前記輪状ステータの両端面に設けられた輪状絶縁カバーと、前記各突出磁極に前記輪状絶縁カバーを介して巻回されたステータ巻線と、前記輪状絶縁カバーの一部に一体に形成され、上面を有する端子ピン保持部と、前記端子ピン保持部の最も外側部分に設けられた複数の端子ピンと、前記端子ピン保持部の前記端子ピンと前記突出磁極のステータ巻線との間の前記上面に設けられ、たるみピンを有する板状部材と、前記板状部材の下面と前記端子ピン保持部の上面との間に形成された隙間と、を備え、前記突出磁極に巻回された前記ステータ巻線の端線は前記板状部材の下面の前記隙間を経て前記端子ピンに巻き付けられている構成からなるため、この隙間に端線が入り込むことによって、端線はたるみを有する状態で固定させることができる。
また、前記板状部と前記たるみピンは、鳥居型、L字型、T字型の何れかよりなる構成からなるため、端子ピン保持部の平らな上面において、安定して取付けることができる。
前記隙間内の前記端線には、ワニスが設けられている構成からなるため、従来のワニス量よりも圧倒的に少ないワニス量で、より強固に端線の固定を行うことができる。
本発明の一実施の形態によるレゾルバのステータ巻線の端線固定構造を示す斜視図である。 図1の要部の拡大斜視図である。 図1の端子ピンの一部の拡大平面図である。 従来の輪状ステータ構造を示す平面図である。 図4の断面図である。
本発明によるレゾルバのステータ巻線の端線固定構造は、ステータ巻線の端線を、外力による押え込みによる断線、もしくは、ワニス量の増加によるコスト増の問題もなく、確実に隙間を利用して固定し、浮線を防止することである。
以下、図面と共に本発明によるレゾルバのステータ巻線の端線固定構造の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分には同一符号を付して説明する。
図1において符号1で示されるものは、所定角度間隔毎に内方に向けて突出する多数の突出磁極2を有する輪状ステータであり、前記輪状ステータ1の第1端面1A,第2端面1B及び突出磁極2には、前記輪状ステータ1の外縁1Cを残した状態で射出成形による輪状絶縁カバー3が形成されている。
前記輪状ステータ1の一部には、前記輪状絶縁カバー3が半径方向Pに沿って延設されてなる端子ピン保持部4が形成されており、前記端子ピン保持部4の外側部分4bには、所定の間隔で直線状に複数個の端子ピン7が設けられている。
前記各突出磁極2の外周には、前記輪状絶縁カバー3を介してステータ巻線8が巻回されている。
前記端子ピン保持部4の前記各端子ピン7の内側には、たるみピン9(他の一般のピンでも可)が設けられ、このたるみピン9の上面に板状部材10が設けられている。
前記板状部材10の下面10aと端子ピン保持部4の上面4aとの間には、前記端線8aが挿入できる程度のわずかな隙間11が形成されている。
次に、以上の本発明によるレゾルバのステータ巻線の端線固定構造にステータ巻線8を巻回する場合について説明する。
まず、ステータ巻線8を巻くための自動巻線機(図示せず)に、ニードルの動作軌跡をプログラムし、所定の原点位置の突出磁極2から巻回をスタートさせ、各突出磁極2にステータ巻線8の巻回を行う際に、ステータ巻線8の端線8aは、図2で明確に示されるように、板状部材10の下面10aと端子ピン保持部4の上面4aとの間の隙間11において、前記たるみピン9の周囲に接して通り抜け、曲折した状態(従来のたるみ線のような形状)で端子ピン7に接触される。
前記隙間11が端線8aの直径に近いため、端線8aが端子ピン7に巻回された後には、すでに端線8aは隙間11に摩擦係合しているため、通常の使用状態では、ワニス等を用いて端線8aの固定を行うこともなく、実用可能である。
また、通常の自動車等よりも振動が多い、悪環境下で用いる場合には、前述の隙間11による係合に加えて、ワニスによる固定をすることもある。尚、たるみピン9と板状部材10は、図示の鳥居の形だけでなく、全体がL字形またはT字形とすることもできる。また、隙間11内の端線8aにわずか(従来使用量1/100)な量のワニスを供給すると、より一層端線8aの保持が強固となる。
本発明によるレゾルバのマグネットワイヤ固定構造は、端線を板状部材の下面と端子ピン保持部の上面との間の隙間で係合・固定しているため、簡単でかつ低コストで端線の固定ができる。
1 輪状ステータ
1A 第1端面
1B 第2端面
2 突出磁極
3 輪状絶縁カバー
4 端子ピン保持部
4a 上面
4b 外側部分
7 端子ピン
8 ステータ巻線
8a 端線
9 たるみピン
10 板状部材
10a 下面
11 隙間
P 半径方向

Claims (3)

  1. 内方に向けて所定角度間隔毎に形成された突出磁極(2)を有する輪状ステータ(1)と、前記輪状ステータ(1)の両端面(1A、1B)に設けられた輪状絶縁カバー(3)と、前記各突出磁極(2)に前記輪状絶縁カバー(3)を介して巻回されたステータ巻線(8)と、前記輪状絶縁カバー(3)の一部に一体に形成され、上面(4a)を有する端子ピン保持部(4)と、前記端子ピン保持部(4)の最も外側部分(4b)に設けられた複数の端子ピン(7)と、前記端子ピン保持部(4)の前記端子ピン(7)と前記突出磁極(2)の前記ステータ巻線(8)との間の前記上面(4a)に設けられ、たるみピン(9)を有する板状部材(10)と、前記板状部材(10)の下面(10a)と前記端子ピン保持部(4)の前記上面(4a)との間に形成された隙間(11)と、を備え、
    前記突出磁極(2)に巻回された前記ステータ巻線(8)の端線(8a)は前記板状部材(10)の下面(10a)の前記隙間(11)を経て前記端子ピン(7)に巻き付けられている構成からなるレゾルバのステータ巻線の端線固定構造。
  2. 前記板状部材(10)と前記たるみピン(9)は、鳥居型、L字型、T字型の何れかよりなることを特徴とする請求項1記載のレゾルバのステータ巻線の端線固定構造。
  3. 前記隙間(11)内の前記端線(8a)には、ワニスが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のレゾルバのステータ巻線の端線固定構造。
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JP2018046620A (ja) 2016-09-13 2018-03-22 多摩川精機株式会社 レゾルバステータ構造
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