JP2022046151A - モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】接続板への端子の装着の作業性を向上する。【解決手段】モータ(1)は、コイル(30)から引き出された導線(31)の突出部分である端子と、接続板(20)として機能する基板を備える。前記基板は、前記端子と係合するスリット(22)と、配線(21)と、を有する。前記スリット(22)に係合した前記端子の一部分は前記配線(21)と電気接続しており、前記スリット(22)は周方向に延在している。【選択図】図1
Description
本発明は、モータに関する。
モータのステータコアにコイルを巻き回させてステータを組む際に、コイルから引き出された導線を、基板等の接続板に設けられた接続部に電気的に接続する技術が知られている。その際、各コイルの巻き始め及び巻き終わりの巻線を、接続板に接続する技術が知られている。
しかし、接続板に巻線を挿入することが難しい場合がある。作業性を向上するために接続板の挿入孔を拡げると、モータの振動により巻線等が接続板から外れやすくなる。
一つの側面では、接続板への巻線の装着の作業性を向上できるモータを提供することを目的とする。
一つの態様において、モータは、端子と、基板とを備える。前記基板は、前記端子と係合するスリットと、配線と、を有する。前記スリットに係合した前記端子の一部分は前記配線と電気接続しており、前記スリットは周方向に延在している。
一つの態様によれば、接続板への端子の装着の作業性を向上できる。
以下、実施形態に係るモータについて図面を参照して説明する。なお、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。各図面において、説明を分かりやすくするために、モータ1における軸方向、径方向及び周方向のうち、少なくともいずれかを含む座標系を図示する場合がある。
図1は、第1の実施形態におけるモータの一例を示す斜視図である。図1に示すように、実施形態におけるモータ1は、例えば、ステータ2と、フレーム3と、ロータ4と、回転軸(シャフト)5とを含む。ステータ2は、例えば、フレーム3の内部に収容される。なお、実施形態で説明するステータ2は、インナーロータ型のブラシレスモータにおけるステータであり、例えば、ステータ2の内周側には、マグネットを構成部品として持つロータ4が配置されており、さらにこのロータ4には回転軸(シャフト)5が結合している。
ステータ2は、ステータコア2aと、インシュレータ2bと、コイル30とを含む。ステータコア2aは、例えば、ケイ素鋼板等の磁性体で形成された鋼板のコアが、所定枚数、軸方向に積み重ねられて構成されている。ステータコア2aは、径方向において環状部からロータ4に向かって延在する複数のティース2cを有する。本実施形態では、ステータコア2aは、例えば、12個のティース2cを有しているが、その数は特に限定されない。各ティース2cは、環状部の周方向において等角度間隔で配置されており、各ティース2cそれぞれの先端は、周方向に広がる先端部(磁極部)を有している。
インシュレータ2bは、ステータ2を覆うように、後述するステータコア2aを軸方向の両側から覆っている。インシュレータ2bは、例えば、絶縁性樹脂を用いた射出成形によって形成される。インシュレータ2bには、接続板20が配置される。
図1に示すように、各ティース2cには、インシュレータ2bを介して、コイル30が巻き回される。また、コイル30から引き出された導線31は、上側(軸方向の正方向)に延在し、後に説明するように、接続板20に形成されるスリット22から引き出される。本実施形態において、導線31を覆う絶縁用被覆として、例えばポリイミドなどの耐熱性樹脂が用いられる。本実施形態における導線31は、例えば太さが1mm以上の銅製の丸線である。
本実施形態における導線31は、例えば図2に示すようなインシュレータ2bを用いることにより、軸方向の上側に延在する。図2は、第1の実施形態における端子が接続された接続板の一例を示す斜視図である。なお、図2においては、導線31の一部及びコイル30の図示を省略している。図2に示すように、コイル30から引き出された導線31は、係合部14に係合される。係合部14は、例えば、インシュレータ2bの外周部11の回転軸方向の上側(正方向)の端面17に形成された、凹部状の空間である。また、導線31は、支持部13に支持されることにより、回転軸方向の上側(正方向)に延在する。この支持部13に支持されて、支持部13からさらに突出した導線31の一部は外力に対して所定の曲げ剛性を有し、いわゆる端子として機能する。この端子として機能する導線31の一部は曲げ剛性を有することで、回転軸方向の上側に延在する形状を維持している。すわなち、導線31の一部は自立した形状を有する。また、インシュレータ2bには、後に説明するネジ穴51(51p,51q,51r)が形成されていてもよい。
接続板20は、例えば、コイル30から引き出された導線31を、相互に電気的に接続させるための基板である。図3は、第1の実施形態における接続板の一例を示す上面図である。図3に示すように、接続板20には、配線21と、スリット22とが設けられる。配線21は、スリット22に接続される複数の導線31間を相互に電気的に接続する配線であり、例えば銅箔により形成される。スリット22は、コイル30から引き出された導線31が通過する孔部である。なお、接続板20は、基板の一例である。
本実施形態における接続板20は、例えば、ティース2cに巻き回されたコイル30の数と同数のスリット12を備える。図1に示すように、本実施形態における接続板20は、12個のスリット22を備える。なお、以下において、12個のスリット22を区別して表記する場合に、スリット22a乃至22lと表記する場合がある。12個のスリット22a乃至22lは、12個のティース2cに対応するように、周方向に並んで配置される。なお、スリット22の数は一例であり、例えば1つのインシュレータ2bに2つ以上の端子31が設けられる場合等、接続板20がティース2cの数よりも多くのスリットを備えるような構成であってもよい。
図3に示されるように、各スリット22a乃至22lは、配線21により相互に電気的に接続される。例えば、スリット22aは、スリット22dと、配線21pを介して相互に電気的に接続される。また、スリット22bは、スリット22cと、配線21xを介して相互に電気的に接続される。同様に、配線21q、21r、21y及び21zも、それぞれ2つのスリットを相互に電気的に接続する。なお、各配線21と各スリット22の接続関係は一例であり、例えば1つの配線21が3つ以上のスリット22に接続されるような構成であってもよい。また、接続板20が回転軸方向に積み重なった複数の層を備え、配線21が各層に形成されるような構成であってもよい。
スリット22は、図4に示すように、第1の孔部24と、第2の孔部23とを備える。図4は、第1の実施形態における接続板の接続孔の一例を示す拡大平面図である。図4は、図1及び図3の領域Fで示される部分の拡大図である。図4に示すように、第2の孔部23は、第1の孔部24よりも大きくなるように形成される。また、第2の孔部23は、配線21と電気的に接続される位置に形成される。本実施形態において、第2の孔部23は、第1の孔部24よりも反時計回り方向側に位置するように形成される。なお、第1の孔部24は、第1の端部の一例であり、第2の孔部23は、第2の端部の一例である。
本実施形態におけるスリット22は、接続板20の周方向に延在している。図4に示すように、スリット22は、周方向における長さL2が、径方向における長さL1よりも長くなるように形成される。
本実施形態において、スリット22の第1の孔部24の径方向における長さは、例えば、導線31の太さと略同一に形成される。また、導線31は、配線21と電気的に接続される第1の孔部24に挿入された後に、例えば、高電流を流して発熱させることにより、絶縁性を有する被覆が導線31の導体から剥がされ、導体が露出される。又は、剥離機を用いて、機械的に被覆が導線31の導体から剥がされ、導体が導出される。また、導線31の導体は、第1の孔部24に半田付けされる。これにより、導線31は、配線21と電気的に接続される。
次に、本実施形態における接続板20に、端子31を固定させる構成について、図5乃至図7を用いて説明する。図5乃至図7は、第1の実施形態におけるモータの端子の接続状態の一例を示す斜視図である。なお、以下の図面では、シャフト5の図示を省略している。図5は、フレーム3に収容されたステータ2に、接続板20が軸方向の上側から設置されることにより、接続板20の各スリット22a乃至22lから、ステータ2から延在する複数の端子31a乃至31lが突出した状態を示す。図5に示すように、端子31aは、接続板20のスリット22aの第2の孔部23に挿入される。同様に、その他の端子31b乃至31lも、接続板20のスリット22b乃至22lの第2の孔部23b乃至23lに、それぞれ挿入される。
次に、各端子31は、接続板20が反時計回りに回転することにより、第2の孔部23から第1の孔部24へと相対的に移動する。図6は、接続板20が回転した後の端子31の状態を示す。図6は、図5の領域Rで示される部分の拡大図である。図6に示すように、端子31aは、スリット22aの第2の孔部(第2の端部)23から、スリット22aの第1の孔部(第1の端部)24へと相対的に移動している。同様に、端子31b乃至31lも、各スリット22b乃至22lの第2の孔部23から第1の孔部24へと相対的に移動している。スリット22a乃至22lの第1の孔部24、第2の孔部23は、接続板20の周方向において、スリット22a乃至22lの第1の端部、第2の端部を形成している。
また、図6に示すように、接続板20が回転した後において、スリット22aの第2の孔部23aは、インシュレータ2bに形成されたネジ穴51pに重なる位置に移動する。同様に、接続板20が回転した後において、スリット22eの第2の孔部23eは、インシュレータ2bに形成されたネジ穴51qに重なる位置に移動する。本実施形態において、インシュレータ2bには、図5に示すスリット22iの第2の孔部23iに対応する位置にも、ネジ穴51rが形成される。すなわち、本実施形態において、ステータ2を構成するインシュレータ2bには、接続板20に形成された3つの配線21p、21q及び21rに対応して、3つのネジ穴51p、51q及び51rが形成される。
そして、各第1の孔部24に配置された各端子31は、例えば、半田付けにより、第1の孔部24と接する各配線21に電気的に接続される。図7は、各端子31が半田付けされた後の状態を示す。図7に示すように、端子31aは、半田Saにより、第1の孔部24aに接する配線21pに電気的に接続される。同様に、端子31b,31c,31d,31eは、それぞれ半田Sb,Sc,Sd,Seにより半田付けされる。この場合において、端子31aは、配線21pを介して、端子31dと電気的に接続される。また、端子31bは、配線21xを介して、端子31cと電気的に接続される。同様に、端子31e乃至31lも、その他の配線21を介して、その他の端子31と電気的に接続される。
なお、各端子31が半田付けされる際、接続板20は、ネジ50(50p,50q,50r)により、事前にステータ2にネジ止めされる。図6及び図7に示すように、接続板20のスリット22aの第2の孔部23aは、ネジ50pにより、ネジ穴51pにネジ止めされる。同様に、接続板20のスリット22eの第2の孔部23e、及びスリット22iの第2の孔部23iは、それぞれネジ50q及び50rにより、ネジ穴51q及び51rにネジ止めされる。これにより、接続板20は、フレーム3に収容されたステータ2に固定される。
以上説明したように、本実施形態におけるモータ1は、端子31と、基板20とを備える。基板20は、端子31と係合するスリット22と、配線21と、を有する。スリット22に係合した端子31の一部分は配線21と電気接続しており、スリット22は周方向に延在している。これにより、スリット22に、軸方向における下方向から端子31を挿入した後に、接続板20を回転させることで、複数の端子31をスリット22に容易に挿入させることができる。
また、本実施形態における接続板20において、周方向におけるスリット22の長さL2は、径方向におけるスリット22の長さL1に対して大きい。また、スリット22は、端子31の一部分が係合する第1の孔部24と、第1の孔部24より大きい第2の孔部23と、を備える。第2の孔部23を第1の孔部24よりも大きく形成することで、複数の端子31をスリット22に挿入させる際の作業性が向上する。また、端子31がスリット22の第1の孔部24に固定された後に、モータ1の振動等により接続板20の位置がずれる場合においても、端子31が第1の孔部24から第2の孔部23に逆戻りすることを抑制できる。
また、本実施形態の接続板20において、周方向において、第1の孔部24と、第2の孔部23とは並んで配置されている。また、モータ1は、端子31を含む、複数の端子31a乃至31lを備え、接続板20は、スリット22を含む、複数のスリット22a乃至22lを備え、また配線21を含む、複数の配線21p、21q、21r、21x、21y及び21zを備える。複数の端子31a乃至31lは、複数の配線21p、21q、21r、21x、21y及び21zを介して電気接続している。複数の端子31a乃至31l、前記複数のスリット22a乃至22l、及び複数の配線21p、21q、21r、21x、21y及び21zは、周方向に並んで配置されている。これにより、複数の端子31a乃至31lを一括して配線21p、21q、21r、21x、21y及び21zに接続させる際の作業性が向上する。
また、本実施形態におけるモータ1は、ステータ2を備える。端子31はステータ2に設けられており、端子31はステータ2から接続板20に向けて延在している。また、端子31は、コイル30から引き出された導線31である。導線31は、例えば図2に示すようなインシュレータ2bを用いることにより、ステータ2から接続板20に向けて延在する。これにより、コイル30から引き出された導線31を、そのまま端子31として流用できるので、端子のための部品を別途用意する必要が無く、部品数を削減できる。
また、接続板20は、第2の孔部23を介してステータ2にねじ止めされることにより、モータ1に固定されてもよい。すなわち、例えば第2の孔部23等の第2の端部を、ネジ穴として用いても構わない。これにより、別途ネジ穴を形成する必要がないため、接続板20を製造する際の工数を省略できる。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、スリット22が大きさの異なる第1の孔部24及び第2の孔部23を備える構成について説明したが、これに限られず、径方向における第1の端部の長さが、径方向における第2の端部の長さに対して小さい形状であればよい。例えば、スリット22の径方向における長さL1が、第2の端部から第1の端部に向かって連続的に変化する、いわゆるくさび状に形成されるような構成であってもよい。
なお、インシュレータ2bに設けられるネジ穴51が、例えば、図2に示す支持部13と同様に突出した形状を有してもよい。これにより、図6に示すように、ネジ穴51と接続板20の第2の孔部23との距離が短くなるので、ネジ止め時の作業性が向上する。
なお、上述した実施形態では、コイル30から引き出された導線31そのものを端子として用いる構成について説明したが、これに限られず、別部材である端子に導線31が接続されて、導線31が端子を介して接続板20に接続されるような構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、モータ1が車載用に用いられるインナーロータ型のブラシレスモータである場合について説明したが、モータ1は、車載用以外に用いられるモータであってもよく、アウターロータ型のブラシレスモータであってもよく、またブラシ付きモータやステッピングモータなどの公知の他のモータであってもよい。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1 モータ、2 ステータ、2a ステータコア、2b インシュレータ、2c ティース、3 フレーム、4 ロータ、5 シャフト、20 接続板、21 配線、22 スリット、23 第2の孔部、24 第1の孔部、30 コイル、31 導線、50 ネジ、51 ネジ穴
Claims (9)
- 端子と、
前記端子と係合するスリットと、配線と、を有する基板と、
を備え、
前記スリットに係合した前記端子の一部分は前記配線と電気接続しており、
前記スリットは周方向に延在している、モータ。 - 周方向における前記スリットの長さは、径方向における当該スリットの長さに対して大きく、
前記スリットは、
前記端子の一部分が係合する第1の端部と、
前記第1の端部より大きい第2の端部と、を備える、請求項1に記載のモータ。 - ステータを備え、
前記基板は、前記第2の端部を介して前記ステータにねじ止めされて、前記モータに固定されている、請求項2に記載のモータ。 - 周方向において、前記第1の端部と、前記第2の端部とは並んで配置されている、
請求項2又は3に記載のモータ。 - 前記スリットは、
前記配線と接触する第1の端部と、
前記第1の端部と周方向において対向する第2の端部と、
を備え、
径方向における前記第1の端部の長さは、径方向における前記第2の端部の長さに対して小さい、請求項1に記載のモータ。 - 前記端子を含む、複数の端子を備え、
前記スリットを含む、複数のスリットを備え、
前記配線を含む、複数の配線を備え、
前記複数の端子は、前記複数の配線を介して電気接続している、請求項1乃至5のいずれか1つに記載のモータ。 - 前記複数の端子、前記複数のスリット、前記複数の配線は、周方向に並んで配置されている、請求項6に記載のモータ。
- ステータを備え、
前記端子は前記ステータに設けられており、
前記端子は前記ステータから前記基板に向けて延在している、請求項1乃至7のいずれか1つに記載のモータ。 - 前記ステータは、コイルを備え、
前記端子は、前記コイルから引き出された導線である、請求項8に記載のモータ。
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