図1は、実施形態に係るモータの斜視図である。
図2は、実施形態に係るモータの断面図である。
図3は、実施形態に係るモータの斜視図である。
図4Aは、実施形態に係るステータの斜視図である。
図4Bは、実施形態に係るステータの上面図である。
図5は、実施形態に係るステータの斜視図である。
図6は、実施形態に係るフレームの斜視図である。
図7は、実施形態に係るフレームの上面図である。
図8は、実施形態に係るフレームの断面図である。
図9は、実施形態に係る内部端子の斜視図である。
図10は、実施形態に係る内部端子の斜視図である。
図11は、実施形態に係るインシュレータの上面図である。
図12は、変形例に係る内部端子の斜視図である。
図13は、変形例に係る内部端子の斜視図である。
図14は、実施形態に係るインシュレータの斜視図である。
図15は、実施形態に係るインシュレータの上面図である。
図16は、変形例に係るインシュレータの斜視図である。
図17は、実施形態に係る導線の巻回方法を説明する図である。
図18Aは、実施形態に係る導線の配線を説明する図である。
図18Bは、実施形態に係る導線の配線を説明する図である。
以下、実施形態に係るモータについて図面を参照して説明する。なお、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。各図面において、説明を分かりやすくするために、モータ1における軸方向をZ軸正方向とする3次元の直交座標系を図示する場合がある。
また、以下の実施形態では、モータ1がインナーロータ型のブラシレスモータである場合について説明するが、モータ1が、アウターロータ型のブラシレスモータであってもよい。
まず、図1を用いて、実施形態に係るモータ1の外観について説明する。図1に示すように、モータ1は、回転軸2と、フレーム3と、複数の外部端子4a〜4cとを備える。モータ1は、例えば円柱状の形状を有し、外部端子4a〜4cを介して3相の交流電流が供給されることで回転する。
回転軸2は、モータ1における軸方向に延在し、後述するフレーム3から突出した一端(Z軸正方向側)には、例えばギア等の動力伝達機構が回転軸2とともに回転可能に設けられる。なお、以下では、Z軸方向であるモータ1における軸方向を回転軸方向と記載する場合がある。
フレーム3は、例えば鉄やアルミ等の金属材料を含む金属部材で形成され、ハウジング部3aと、蓋部3bと、底部3cと、を備える。ハウジング部3aは、筒状、詳細には円筒状であり、内部の空間には後述するステータやロータ等が収容される。
蓋部3bは、ハウジング部3aのZ軸正方向側の一端の開口を覆う蓋である。また、蓋部3bには、回転軸2および外部端子4a〜4cが通過する貫通孔が設けられる。
複数の外部端子4a〜4cは、例えば導電性の金属材料によって形成され、Z軸方向である回転軸方向に延在するとともに、フレーム3から突出している。これにより、外部電源から外部端子4a〜4cを介して3相の交流電流をモータ1に供給させることができる。
また、複数の外部端子4a〜4cは、フレーム3における蓋部3bの貫通孔を通過し、回転軸方向に突出している。3つの外部端子4a〜4cそれぞれは、3相交流(U相、V相、W相)の各相に対応する。なお、以下では、3つの外部端子4a〜4cをまとめて外部端子4と記載する場合がある。
次に、図2および図3を用いて、モータ1の内部構造について説明する。図2は、実施形態に係るモータ1の断面図である。図2には、図1に示すA−A線で切断したモータ1の断面を示す。図3は、実施形態に係るモータ1の斜視図である。図3では、見易さの観点からフレーム3を省略している。
図2および図3に示すように、モータ1は、内部端子5a,5b(内部端子5a,5bをまとめて内部端子5)と、ステータ6と、インシュレータ7aと、ロータ8と、軸受部11a,11bと、絶縁膜30とをさらに備える。
ステータ6は、筒状の磁性部材(磁性体の一例)を有する。磁性部材は、例えばケイ素鋼板、電磁鋼板等の軟磁性鋼板等の板状の金属部材によって形成される。具体的には、ステータ6は、この板状の金属部材が回転軸方向に複数積まれて形成される。
なお、ステータ6は、複数の金属部材が積まれて形成される場合に限定されず、1つの金属部材によって一体的に形成されてもよい。
また、図2に示すように、ステータ6は、フレーム3のハウジング部3aと対向する外周部6aと、内周部6bと、Z軸方向である回転軸方向において端面6c,6dとを有する。端面とは、Z軸方向において、外部に対向する天面、又は外部に対向する底面、最も端となる面も含まれる。
2つの端面6c,6dは、回転軸方向において、コイル10に対向する端面である。また、外周部6aは、フレーム3と対向する外周面である。また、内周部6bは、回転軸方向において、2つの端面6c,6dの間にある側面である。
また、ステータ6は、導線を有する。具体的には、ステータ6は、導線の一部が後述するインシュレータ7aを介して外周部6a側および内周部6b側に巻回される。
導線は、銅等の導電性の金属で形成された線材が絶縁部材により被覆された部材である。導線は、ステータ6の内周部6bにおいてコイル10を形成する。
コイル10は、ステータ6の磁性部材を囲む。具体的には、コイル10は、ステータ6の内周部6bにおいて、導線が後述するインシュレータ7aを介して、磁性部材(ティース)に時計回りまたは反時計回りで巻回されて形成される。
ロータ8は、モータ1における回転体であり、ヨーク8aと、マグネット8bとを備える。また、ロータ8は、ステータ6の内周部6bに沿って設けられる、いわゆるインナーロータ型である。なお、ロータ8は、インナーロータ型に限定されるものではなく、ステータ6の外周部6aに沿って設けられる、いわゆるアウターロータ型であってもよい。
ヨーク8aは、回転軸2が通過する貫通孔を有し、回転軸2と同心となる位置で回転軸2に固定される。マグネット8bは、筒状の永久磁石であり、マグネット8bの内周面がヨーク8aの外周面に固定され、マグネット8bの外周面がステータ6の内周部6bに対向する。また、モータ1の径方向において、マグネット8bとステータ6の内周部6bとの間には磁気ギャップが形成されている。これにより、ロータ8がステータ6で発生する磁界によって回転する。
インシュレータ7aは、例えば、樹脂等の絶縁性を有する材料で形成された、筒状の絶縁部材であり、ステータ6に設けられる。具体的には、インシュレータ7aは、ステータ6を覆う位置に設けられる。より具体的には、ステータ6の一方の端面6cの一部を覆う。なお、インシュレータ7aは、他方の端面6dに設けられてもよい。つまり、インシュレータ7aは、ステータ6の2つの端面6c,6dに設けられてもよい。
なお、インシュレータ7aとステータ6との間には、図示しない接着剤が設けられる。これにより、接着部材は、インシュレータ7aとコイル10とを固定する。
絶縁膜30は、例えば、絶縁性の樹脂部材等を紛体塗装によって形成される。絶縁膜30は、インシュレータ7aが設けられる端面6cとは反対側の端面6dに設けられる。つまり、ステータ6の2つの端面6c,6dのうち、一方の端面6cが、インシュレータ7aで覆われ、他方の端面6dが絶縁膜30で覆われる。
複数の内部端子5a,5bは、Z軸方向である回転軸方向に延在し、フレーム3のハウジング部3aに収容される。また、複数の内部端子5a,5bは、1つの導電性の部材によって一体的に形成されるが、かかる点については図9で後述する。
また、図3に示すように、複数の内部端子5は、インシュレータ7aに設けられる。具体的には、複数の内部端子5a,5bは、インシュレータ7aにおいてステータ6とは反対側(Z軸正方向側)に設けられる。言い換えると、複数の内部端子5a,5bは、他の部材(図3では、インシュレータ7a)を介してステータ6に設けられる。
また、図3に示すように、上記した外部端子4も内部端子5a,5bと同様に、インシュレータ7aに設けられる。具体的には、複数の内部端子5a,5bおよび複数の外部端子4a〜4cは、周方向に並べて配置される。なお、複数の内部端子5a,5bおよび複数の外部端子4a〜4cのより詳細な配置については図11で後述する。
なお、複数の内部端子5a,5bおよび複数の外部端子4a〜4cを総称して端子45と記載する場合がある。つまり、端子45は、インシュレータ7aに設けられる。
軸受部11a,11bは、回転軸2が通過する貫通孔を有し、回転軸2を支持するベアリングである。軸受部11aは、ロータ8のZ軸正方向側である外部端子4側に設けられ、軸受部11bは、軸受部11aとは反対側に設けられる。
次に、図4A〜図5を用いて、ステータ6について詳細に説明する。図4Aおよび図5は、実施形態に係るステータ6の斜視図である。図4Bは、実施形態に係るステータ6の上面図である。図4Aおよび図4Bには、ステータ6全体を示しており、図5には、ステータ6の一部を示している。また、図4Aには、Z軸正方向側から見た斜視図を示し、図5には、Z軸負方向側から見た斜視図を示す。
また、図4A〜図5には、ステータ6を構成する複数の金属部材のうち、外部端子4側(図2参照)の端部の金属部材610のみを示し、他の金属部材については一体的に示している。
図4Aに示すように、ステータ6は、筒状のコア61と、複数のティース62a〜62fとを備える。複数のティース62a〜62fは、コア61に対して周方向に配置されるとともに、径方向に延在する。より具体的には、複数のティース62a〜62fは、ロータ8の外側に、周方向に並べて配置されている。
また、複数のティース62a〜62fそれぞれは、径方向において、1つのティース62a〜62fと対向する。例えば、ティース62aおよびティース62dが対向し、ティース62bおよびティース62eが対向し、ティース62cおよびティース62fが対向する。
なお、図4Aにおいて、6つのティース62a〜62fを示したが、ティースの数は、2つでもよく、7つ以上でもよい。なお、以下では、複数のティース62a〜62fをまとめてティース62と記載する場合がある。
また、複数のティース62a〜62fそれぞれには、コイル10(図2参照)が設けられる。具体的には、コイル10は、インシュレータ7a(図3参照)を介して複数のティース62a〜62fを囲う。
また、図4Aに示すように、ステータ6は、外周部6aに1又は複数の凹部63が設けられる。具体的には、複数の凹部63は、周方向に複数配置されるとともに、回転軸方向に延在する。
つまり、凹部63は、周方向において、各金属部材の凹部が略同じ位置になるように積まれることで形成される。なお、凹部63は、後述するフレーム3の突出部と対向するが、かかる点については、図7を用いて後述する。
なお、凹部63は、ステータ6の外周部6aに必ずしも複数設けなくともよく、少なくとも1つ設けられればよい。また、凹部63は、必ずしも回転軸方向に真直ぐ延在する必要はなく、回転軸方向に曲線状に延在してもよい。また、凹部63はステータ6の一方の
端面6cから他方の端面6dまで連続的に形成されているが、一方の端面6cから他方の端面6dの間における中間の位置から一方の端面まで連続的に形成されていても構わない。
また、図4Bに示すように、絶縁膜30は、複数のティース62のうち、ロータ8と対向する側面620以外の側面(内周部6b)に設けられる。
具体的には、絶縁膜30は、回転軸方向において、ステータ6の2つの対向する端面6c、6d(図2参照)の間の側面である内周部6bを覆う。より具体的には、絶縁膜30は、ロータ8に対向するコア61の側面と、複数のティース62の側面(側面620を除く)を覆う。
また、インシュレータ7a(図21には図示せず)は、ステータ6のコア61の端面と、ティース62の端面の一部を覆う。具体的には、インシュレータ7aは、径方向において、ティース62の端面のうち、ロータ8側の端部以外の端面を覆う。
また、図5に示すように、ステータ6においては、外部端子4側の端部となる金属部材610が凹部63を塞いでいる。言い換えると、ステータ6において、複数の金属部材のうち、他の金属部材の外周部6aに凹部63が設けられており、他の金属部材は外部端子4と隣り合う金属部材610とは異なる。
凹部63は、外部端子4に最も近い金属部材610以外の他の金属部材に設けられる。なお、金属部材610は、フレーム3と接するが、かかる点については図8で後述する。
また、図5に示すように、金属部材610は、周方向において凹部63とは異なる位置に凹部63aが設けられている。つまり、金属部材610は、周方向において、他の金属部材とは所定角度だけ回転して設けられている。なお、回転する角度は、ティース62が重なる角度である。これにより、後述するティース62a、62b、62c、62d、62eが形成された複数の金属部材のうち、外部端子4に最も近くに配置する金属部材に凹部63aを形成し、他の金属部材には凹部63aとは異なる位置に凹部63を形成することができる。以上より、凹部63、63aを除いて、他の金属部材とは形状が異なる金属部材610を別途作成する必要がないため、コストを削減できる。
なお、図4Aでは、1つの金属部材610の凹部63aを他の金属部材の凹部63とは所定角度回転させた位置に設けたが、複数の金属部材にも同様に凹部63aを設けてもよい。すなわち、1つの金属部材610によって凹部63を塞いだが、複数の金属部材によって凹部63を塞いでもよい。
また、複数の金属部材のうち、外部端子4に最も近い金属部材610に凹部63aを設けたが、外部端子4側の金属部材であればよく、外部端子4に最も近い金属部材610に限定されるものではない。具体的には、複数の金属部材のうち、回転軸方向において、中央にある金属部材よりも外部端子4側にある金属部材に凹部63aを設けても構わない。
また、図4Aでは、ステータ6を構成する複数の金属部材のうち1つの金属部材610によって凹部63を塞いだが、ステータ6の金属部材とは別の部材によって凹部63を塞いでもよい。あるいは、インシュレータ7aによって凹部63を塞いでもよい。
次に、図6〜図8を用いて、フレーム3について説明する。図6は、実施形態に係るフレーム3の斜視図である。図7は、実施形態に係るフレーム3の上面図である。図8は、実施形態に係るフレーム3の断面図である。図8には、図7に示すB−B線で切断した断面図を示す。
図6に示すように、フレーム3は、内周部31に突出部31aを有する。具体的には、フレーム3の内周部31の一部は、径方向においてステータ6(図2参照)の外周部6aに向かって突出する突出部31aである。
突出部31aは、周方向における位置がステータ6の凹部63に対応し、回転軸方向における位置がステータ6の金属部材610に対応している。かかる点について図7および図8を用いて説明する。
図7および図8には、フレーム3(突出部31a)およびステータ6の位置関係を示している。図7に示すように、フレーム3には、複数の突出部31aa〜31acが設けられる。
具体的には、一方の側に突出部31aaが設けられ、他方の側に2つの突出部31ab,31acが設けられる。なお、突出部31aの数は、1以上あればよく、3つ以上であってもよい。
各突出部31aa〜31acは、ステータ6の外周部6aに接している。具体的には、各突出部31aa〜31acは、金属部材610に接している。つまり、ステータ6は、フレーム3の突出部31aa〜31acによって支持されている。
また、図7に示すように、各突出部31aa〜31acは、ステータ6の各凹部63と、径方向において対向する。より具体的には、突出部31aa〜31acは、凹部63の内部にある。かかる点について図8を用いて説明する。
図8には、回転軸方向におけるステータ6と突出部31aとの位置関係を示している。また、図8には、外部端子4(図2参照)に最も近い金属部材610と、他の金属部材611〜616を示している。
図8に示すように、突出部31aの端部は、径方向においてステータ6の外周部6aよりもX軸正方向側である内側に位置している。具体的には、複数の金属部材610〜616のうち、インシュレータ7aに隣接する金属部材610以外の他の金属部材611〜616によって形成された凹部63の内部に位置する。
また、突出部31aは、凹部63の内部において、インシュレータ7aに隣接する金属部材610と、回転軸方向において接する。ここで、インシュレータ7aには、外部端子4が設けられる(図2参照)。つまり、突出部31aは、外部端子4に隣り合う金属部材610に接する。
なお、突出部31aは、回転軸方向において金属部材610と接したが、これに限らず、X軸方向である径方向において金属部材610と接してもよい。かかる場合、突出部31aは、金属部材610の外周部6aと接するとともに、金属部材610を径方向へ押圧する機構を有すればよい。
なお、押圧する機構として、例えば、フレーム3の外周部から内周部31へ向かってネジ等を貫通させて締付けることで金属部材610を押圧するものが一例として挙げられる。
また、突出部31aは、ステータ6の金属部材610に接して支持したが、これに限らず、インシュレータ7aや、他の部材と接して支持してもよい。
次に、図9〜図11を用いて、内部端子5について詳細に説明する。図9は、実施形態に係る内部端子5の斜視図である。図10は、実施形態に係る内部端子5の底面図である。図11は、実施形態に係るインシュレータ7aの上面図である。
図9に示すように、複数の内部端子5a,5bは、例えば導電性を有する部材によって一体的に形成されている。ここで、「一体的に形成される」とは、例えば、複数の導電性を有する部材を連結して形成される場合や、単一の導電性を有する部材で形成される場合を含む。
図9に示すように、複数の内部端子5a,5bは、固定部51と、第1接続部52aと、第2接続部52bと、支持部53とを備える。また、内部端子5は、回転軸方向において、外周壁部に凹部54が形成されている。具体的には、凹部54は、内部に空間54aを有する。
固定部51は、インシュレータ7aに固定される部位である。より具体的には、固定部51は、インシュレータ7aに設けられた図示しない孔部に挿入されて固定される。
第1接続部52aおよび第2接続部52bは、導線が接続される部位である。また、第1接続部52aおよび第2接続部52bは、固定部51とは反対側に折り返されたフック状の鉤を有する。より具体的には、第1接続部52aおよび第2接続部52bの鉤は、径方向においてステータ6(図3参照)の内側へ屈曲した屈曲部52cを有する。
第1接続部52aおよび第2接続部52bは、鉤に導線が絡げられるとともに、鉤の先端部分が熱かしめにより溶着されて導線を固定する。また、導線は、被覆された絶縁部材が熱かしめにより溶けることで、導線の金属部分が第1接続部52aおよび第2接続部52bの金属部分に接する。これにより、導線は、コイル10(図3参照)と端子45とを電気的に接続する。
支持部53は、周方向において、固定部51と第1接続部52aとの間にある部分であり、ステータ6に対して絶縁部材を介して第1接続部52aを支持する部位である。より具体的には、支持部53は、インシュレータ7aの孔部に挿入されて固定される。
また、図10に示すように、内部端子5は、周方向において、第1接続部52aから固定部51までの長さW1が、第2接続部52bから固定部51までの長さW2より大きい。また、支持部53から第1接続部52aまでの長さW3は、固定部51から第2接続部52bまでの長さW2と略同じである。なお、図10には、長さW1、W2、W3が、始点となる部位(例:第2接続部52b、支持部53、固定部51)の中央から、終点となる部位(例:固定部51、第1接続部52a、第2接続部52b)の中央までとして、図示されている。
なお、支持部53は、固定部51と第1接続部52aとの間に設けられるが、これに限定されず、固定部51と第2接続部52bとの間にも支持部53が設けられてもよい。あるいは、支持部53と固定部51とを連結させた1つの部位が支持部53と固定部51とを兼ねてもよい。なお、支持部53の他の例については、図12および図13を用いて後述する。
次に、図11を用いて、内部端子5および外部端子4の配置について説明する。図11は、実施形態に係るインシュレータ7aの上面図である。図11に示すように、インシュレータ7aは、ステータ6のコア61(図4A参照)に設けられる筒状の第1絶縁部71aと、複数のティース62に設けられる第2絶縁部71bとを有する。
図11に示すように、外部端子4および内部端子5は、インシュレータ7aの第1絶縁部71aに設けられる。具体的には、複数の内部端子5が、第1絶縁部71aのX軸正方向側である一方側に設けられ、複数の外部端子4a〜4cが、第1絶縁部71aのX軸負方向側である他方側に設けられる。
また、各外部端子4a〜4cは、インシュレータ7aに固定される固定部41a〜41cを有する。外部端子4a〜4cのうち、径方向において互いに対向する2つの外部端子4a,4cは、固定部41a,41cが複数のティース62のうち、対応するティース62に対向する。
また、互いに対向する2つの外部端子4a,4cの間にある外部端子4bにおいて、固定部41bが、径方向において、複数のティース62の間に配置される。つまり、外部端子4bの固定部41bは、周方向において、複数のコイル10の間に配置されている。言い換えると、外部端子4bの固定部41bは、周方向において、複数のティース62と異なる位置にあるインシュレータ7aに設けられている。
また、外部端子4bと対向する内部端子5は、固定部51が、周方向において、複数のティース62の間に配置される。言い換えれば、内部端子5は、周方向において、コイル10に隣接して固定される。また、内部端子5の支持部53は、複数のティース62のいずれかと対向している。
次に、図12および図13を用いて、内部端子5の他の例について説明する。図12および図13は、変形例に係る内部端子5を示す図である。図12に示すように、内部端子5は、固定部51の一部と支持部53とが連結した部位を有する。具体的には、支持部53は、固定部51のうち、凹部54よりも第1接続部52a側にある一部と連結している。
つまり、固定部51は、凹部54を隔てて第1接続部52a側の部位が固定部51および支持部53の機能を兼ねており、第2接続部52b側の部位が固定部51単独の機能を有する。
また、図13に示すように、すべての固定部51と支持部53とが一体となった部位を有してもよい。かかる場合、図13に示すように、凹部54は、省略してもよく、内部端子5の他の部位に設けられてもよい。
なお、図9,12,13では、内部端子5は、支持部53を有したが、支持部53を省略してもよい。具体的には、内部端子5は、周方向において、第1接続部52aと第2接続部52bの間の略中央に固定部51を有する。つまり、内部端子5は、周方向において、第1接続部52aから固定部51までの長さW1(図9参照)と、第2接続部52bから固定部51までの長さW2(図9参照)とが略同じ長さとなる形状を有する。これにより、いずれか一方の長さW1,W2が極端に長くなることを防止できるため、振動による導線の断線を防止できる。
また、上述の構成により、モータ1が振動することによって端子45が振動し、第1接続部52aおよび第2接続部52bでの揺れが比較的大きくなり、第1接続部52aおよび第2接続部52bでの揺れに伴ってコイル10のテンションが変化することで、導線100が断線することを防止することができる。
次に、図14を用いて、インシュレータ7aの形状について説明する。図14は、実施形態に係るインシュレータ7aの斜視図である。図14には、外部端子4の接続部42に導線100が溶着された状態を示している。
図14に示すように、インシュレータ7aの第1絶縁部71aには、凹部72が設けられる。具体的には、インシュレータ7aは、径方向において、導線100に対向する第1絶縁部71aの一部に凹部72が形成される。
また、モータ1は、径方向において、凹部72と導線100との間に空間を有する。つまり、インシュレータ7aと導線100とは離間している。これにより、接続部42での溶着時の熱により、導線100と第1絶縁部71aとが溶着し、結果として導線100が断線することを防止できる。
また、図14に示すように、凹部72は、周方向において、複数のティース62の間に設けられる。また、凹部72は、回転軸方向において、ティース62と外部端子4の接続部42との間に設けられている。また、インシュレータ7aは、凹部72を複数有する。かかる点について、図15を用いて説明する。
図15は、インシュレータ7aの上面図である。図15に示すように、複数の凹部72a〜72eは、周方向において、内部端子5a,5bの第1接続部52aおよび第2接続部52bと、外部端子4a〜4cの接続部42a〜42cとに設けられる。
なお、図15では、第1絶縁部71aに凹部72を形成することで、導線100と第1絶縁部71aとの溶着を防止したが、例えば、凹部72に代えて突出部を形成してもよい。かかる点について、図16を用いて説明する。
図16は、変形例に係るインシュレータ7aの斜視図である。図16に示すように、インシュレータ7aは、回転軸方向に突出する突出部73a,73bを有する。突出部73aおよび突出部73bは、周方向において、所定の間隔を空けて配置される。
外部端子4の接続部42は、周方向において、突出部73a,73bの間に配置される。つまり、突出部73aおよび突出部73bは、周方向において、外部端子4の接続部42を挟み込むように配置される。
また、突出部73a,73bは、外部端子4の接続部42および導線100の一部を覆っている。具体的には、突出部73a,73bは、回転軸方向において、接続部42のうち、インシュレータ7a側の一部を覆っている。また、突出部73a,73bは、周方向において、導線100のうち、接続部42の内部および両端側の一部を覆っている。
また、突出部73a,73bは、外部端子4の接続部42に溶着されている。具体的には、突出部73a,73bは、接続部42の熱かしめ時の熱により溶着される。つまり、突出部73a,73bは、接続部42と接して固定される。
また、図16に示すように、突出部73a,73bは、周方向において、複数のティース62の間に設けられる。なお、突出部73a,73bは、上記した凹部72と同様に、複数の端子45それぞれに対して設けられる(図15参照)。
次に、図17を用いて、導線100の巻回方法について説明する。図17は、実施形態に係る導線100の巻回方法を説明する図である。図17に示すように、インシュレータ7aは、固定部74a,74bを有する。
具体的には、固定部74a,74bは、回転軸方向において、第1絶縁部71aから突出した部位である。また、固定部74a,74bは、周方向において、外部端子4の間に設けられる。
固定部74aおよび固定部74bそれぞれには、一筆書き状で配線された場合の導線100の巻き始めおよび巻き終わりに対応する端部が固定される。なお、一筆書き状の配線方法については、図18Aおよび図18Bで後述する。
また、図17に示すように、インシュレータ7aの外周部には、複数の溝75a,75b,75cが設けられている。各溝75a,75b,75cは、回転軸方向において、高さ位置がそれぞれ異なる。
例えば、溝75aは、回転軸方向において、インシュレータ7aの外周部の最上段に位置し、溝75bは、回転軸方向において、溝75aのZ軸負方向側である下側に隣接し、溝75cは、回転軸方向において、溝75bのZ軸負方向側である下側に隣接する。
そして、各溝75a,75b,75cには、導線100が巻回される。なお、各溝75a,75b,75cには、導線100が外周部に沿って1周もしくは半周以下で巻回される。
つまり、各溝75a,75b,75cにおいて、導線100同士が接触することはない。言い換えれば、インシュレータ7aの外周部に巻回された導線100の複数(図15では、3つ)の巻回位置は、回転軸方向において、互いに異なる。
なお、図17では、3つの溝75a,75b,75cを示したが、溝の数は、1つ又は2つでもよく、4つ以上でもよい。言い換えれば、溝の数は、インシュレータ7aの外周部に巻回される導線の巻回回数に応じた数であればよい。また、溝75a,75b,75cは必要に応じて設けなくても構わない。
また、図17に示すように、導線100は、第1部分101と、第2部分102とを有する。第1部分101と、第2部分102とは、接続部42を介して一繋ぎに繋がるとともに、接続部42から異なる2つの方向へ延在する。
第1部分101は、外部端子4の接続部42からティース62に向かって延在する。また、第1部分101は、ティース62において時計回りに巻回されることでコイル10を形成する。なお、第1部分101のコイル10を形成した後の配線手順については、図18Aおよび図18Bで後述する。
また、第2部分102は、コイル10を形成する第1部分101を迂回して引き回される。具体的には、第2部分102は、固定部74aからティース62に延在し、ティース62において反時計回りに半周程度巻回される。つまり、第2部分102は、引き回される方向(反時計回り)がコイル10を形成する第1部分101の巻回方向(時計回り)とは逆向きである。
また、第2部分102は、ティース62に引き回された後、接続部42に延在する。また、接続部42からティース62の間において、第1部分101は、第2部分102に対してコイル10側にある。つまり、第1部分101は、第2部分102よりもコイル10に近い位置に配置される。
具体的には、第1部分101は、接続部42(鉤)に対してコイル10側にあり、第2部分102は、接続部42に対して第1部分101とは反対側にある。
また、第1部分101と第2部分102とは、周方向において、離間している。つまり、接続部42からティース62の間において、第1部分101および第2部分102は互いに間隔を空けて配置される。
また、第2部分102は、ティース62において、コイル10に接している。つまり、第2部分102は、コイル10を形成する第1部分101と接する。なお、第1部分101と第2部分102とは、ティース62において、必ずしも接する必要はなく、第2部分102が迂回して引き回せられればよい。また、第2部分102は、ティース62以外の他の部材を迂回して引き回されてもよい。
また、図17では、第2部分102が残された場合を示しているが、コイル10を形成した後に、第2部分102を取り除いてもよい。
次に、図18Aおよび図18Bを用いて、導線100の配線について説明する。図18Aおよび図18Bは、実施形態に係る導線100の配線を説明する図である。図18Aには、インシュレータ7aを含む各部の上面図を示し、図18Bには、配線図を示す。なお、図18Aには、図18Bの配線図において導線100が通過する各部に符号を付すとともに、図18Bにも対応する箇所に同様の符号を付す。
つまり、図18Aに示すように、導線100は、複数のティース62a〜62fと、内部端子5a,5bの第1接続部52aおよび第2接続部52bと、外部端子4a,4b,4cの接続部42a,42b,42cと、インシュレータ7aの溝75a,75b,75cと、固定部74a,74bとを通過する。
これにより、対向する2つのティース62a,62dに巻回されたコイル10によってW相の磁気回路が形成され、対向する2つのティース62b,62eに巻回されたコイル10によってU相の磁気回路が形成され、対向する2つのティース62c,62fに巻回されたコイル10によってV相の磁気回路が形成される。
次に、図18Bを用いて、導線100の配線手順を説明する。図18Bに示すように、まず、導線100は、巻き始めの端部が固定部74aに固定され、周方向に隣接するティース62aに反時計回りで半周もしくは1周迂回して引き回される。
つづいて、導線100は、外部端子4cの接続部42cに周方向において反時計回りに絡げられ、接続部42cを出た後、ティース62aに時計回りで複数周巻かれてコイル10を形成する。
つづいて、導線100は、ティース62aに巻かれた後、インシュレータ7aの外周部に渡り、最下段の溝75cを周方向において、反時計回りにティース62dの位置まで巻かれる。
つづいて、導線100は、インシュレータ7aの外周部から内周部に渡り、ティース62dに時計回りで複数周巻かれてコイル10を形成し、内部端子5bの第2接続部52bに周方向において時計回りに絡げられる。
つづいて、導線100は、第2接続部52bを出た後、隣接する外部端子4aの接続部42aに周方向において、時計回りに絡げられ、ティース62eに時計回りで複数周巻かれてコイル10を形成する。
つづいて、導線100は、ティース62eに巻かれた後、インシュレータ7aの内周部から外周部に渡り、中段の溝75bを周方向において、反時計回りにティース62bの位置まで巻かれる。
つづいて、導線100は、インシュレータ7aの外周部から内周部に渡り、ティース62bに時計回りで複数周巻かれてコイル10を形成し、内部端子5aの第1接続部52aに周方向において時計回りに絡げられる。
つづいて、導線100は、第1接続部52aを出た後、隣接するティース62cに反時計回りで複数周巻かれてコイル10を形成する。つづいて、導線100は、内部端子5a,5bの凹部54を通過して、インシュレータ7aの内周部から外周部に渡り、最上段の溝75aを周方向において、時計回りにティース62fの位置まで巻かれる。
つづいて、導線100は、インシュレータ7aの外周部から内周部に渡り、ティース62fに反時計周りで複数周巻かれてコイル10を形成し、外部端子4bの接続部42bを周方向において、反時計回りに絡げられる。
つづいて、導線100は、接続部42bを出た後、固定部74bに固定され、配線を終了する。つまり、上記した配線手順にすることで、導線100は、一筆書き状に巻回される。言い換えれば、単一の導線100は、複数のコイル10を形成するとともに、インシュレータ7aの内周部および外周部に巻回される。
なお、上記した実施形態では、インシュレータ7aがステータ6の端面6c,6dおよび内周部6bを覆う場合(図2参照)について説明したが、これに限定されるものではなく、インシュレータ7aに代えて、ステータ6の内周部6bに絶縁膜を設けてもよい。かかる点について、図19〜図21を用いて説明する。
図19は、変形例に係るモータ1の斜視図である。図20は、変形例に係るモータ1の断面図である。上述した実施形態との相違点は、インシュレータ7aに代えて絶縁膜によってステータ6の一部を覆ったことである。
図19および図20に示すように、モータ1は、ステータ6のコイル10に対向する2つの端面6c,6dのうち、外部端子4側の一方の端面6cがインシュレータ7aで覆われている。
また、インシュレータ7aとステータ6の端面6cの間には、図示しない接着部材が設けられる。これにより、接着部材は、インシュレータ7aとコイル10とを固定する。そして、他方の端面6dおよび内周部6bには、絶縁膜30が設けられる。
絶縁膜30は、例えば、絶縁性の樹脂部材等を紛体塗装によって形成される。なお、上記した実施形態と同様に、端面6dには、絶縁膜30に代えてインシュレータ7aが設けられてもよい。
次に、図21を用いて、絶縁膜30についてさらに説明する。図21は、変形例に係るステータ6の上面図である。図21に示すように、絶縁膜30は、複数のティース62のうち、ロータ8と対向する側面620以外の側面(内周部6b)に設けられる。
具体的には、絶縁膜30は、回転軸方向において、ステータ6の2つの対向する端面6c、6dの間の側面である内周部6bを覆う。より具体的には、絶縁膜30は、ロータ8に対向するコア61の側面と、複数のティース62の側面(側面620を除く)を覆う。
また、インシュレータ7a(図21には図示せず)は、ステータ6のコア61の端面と、ティース62の端面の一部を覆う。具体的には、インシュレータ7aは、径方向において、ティース62の端面のうち、ロータ8側の端部以外の端面を覆う。
上述したように、実施形態に係るモータ1は、ステータ6と、絶縁部材(インシュレータ7a)と、端子45とを備える。ステータ6は、導線100を有する。絶縁部材は、ステータ6に設けられる。端子45は、絶縁部材に設けられる。また、端子45は、絶縁部材に固定される固定部41a〜41c,51と、導線100が接続される1または複数の接続部42,52を備える。また、端子45は、周方向において、固定部41a〜41c,51と接続部42,52との間にある部分には、ステータ6に対して支持する支持部53が設けられている。これにより、端子45の振動を抑制できるため、接続部42,52に接続された導線100が断線することを防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、端子45は、複数の接続部42,52を備え、周方向において、複数の接続部42,52のうち、第1接続部52aから固定部51までの長さW1は、第2接続部52bから固定部51までの長さW2より大きい。また、支持部53は、第1接続部52aから固定部51までの間にある部分に設けられる。これにより、内部端子5の第1接続部52aに接続された導線100が断線することを防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、支持部53から第1接続部52aまでの長さW3は、固定部51から第2接続部52bまでの長さW2と略同じである。これにより、第1接続部52aの振動を第2接続部52bの振動と同程度に抑制することができる。
また、実施形態に係るモータ1において、ステータ6は、周方向に配置された複数のティース62を有する。固定部51は、径方向において、複数のティース62の間に設けられる。これにより、径方向において、ティース62が設けられている側面を有するコア61の厚みT1を小さくできるため、ティース62を長くすることでコイル10の巻数を増加させることができる。また、径方向において、ティース62が設けられたコア61の側面を覆う絶縁部材の厚みT2を小さくできる。このため、コイル10の巻数を増加させることができる。
また、実施形態に係るモータ1において、支持部53は、径方向において、複数のティース62のいずれかと対向している。これにより、支持部53が安定するため、振動による影響を最小限に抑えることができる。また、径方向において、コイル10が巻き回されたティース62とは異なる位置に支持部53を配置することで、ティース62が設けられたコア61の側面を覆う絶縁部材の厚みT2を小さくできる。このため、コイル10の巻数を増加させることができる。
また、実施形態に係るモータ1は、磁性体と、絶縁部材(インシュレータ7a)と、端子45と、コイル10と、導線100とを備える。絶縁部材(インシュレータ7a)は、磁性体を覆う。端子45は、絶縁部材に設けられる。コイル10は、磁性体を囲む。導線100は、コイル10と端子45とを電気的に接続する。また、導線100は、端子45に溶着されており、径方向において、導線100に対向する絶縁部材の一部には凹部72がある。これにより、端子45と導線100とを熱かしめにより溶着する際に、コイル10に伝わった熱でインシュレータ7aが溶け、導線100とインシュレータ7aが固着することを防止できる。さらに、固着を防止することで、導線100に振動に伴うストレスが作用しなくなるため、断線を防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、凹部72と導線100との間に空間を有する。これにより、導線100とインシュレータ7aとの固着を確実に防ぐことができる。
また、実施形態に係るモータ1は、ステータ6を備える。ステータ6は、環状又は筒状であり、磁性体を有する。磁性体は、筒状のコア61と、径方向に延在する複数のティース62とを備える。複数のティース62は、コア61に対して周方向に配置される。絶縁部材は、ステータ6の端面6c,6dおよび内周部6bの一部を覆っている。端子45は、絶縁部材においてステータ6とは反対側に設けられており、ステータの端面6c側にあるインシュレータ7aの一部分に設けられている。また、コイル10を形成する導線100は、絶縁部材を介して複数のティース62に巻回されている。これにより、コイル10とインシュレータ7aが固着することを防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、凹部72は、周方向において、複数のティース62の間に設けられる。これにより、ティース62と端子45との間の導線100がインシュレータ7aに固着することを防止でき、結果、導線100の断線を防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、凹部72は、回転軸方向において、ティース62と端子45との間に設けられる。これにより、回転軸方向において、ティース62と端子45との間で固着が発生することを防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、絶縁部材は、ステータ6のコア61に設けられる筒状の第1絶縁部71aと、複数のティース62に設けられる第2絶縁部71bとを有する。また、端子45は、第1絶縁部71aに設けられている。これにより、第1絶縁部71aに導線100が固着することを防止できる。
また、第1絶縁部71aに導線100が固着すれば、導線100の長さが小さくなり(短くなり)、モータ1の振動に伴いテンションが導線100に作用しやすくなり、導線100が断線してしまうおそれがある。しかし、この固着を防止することで、導線100の長さを十分に確保でき、導線100に作用するテンションの作用を低減でき、断線の発生を防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、端子45は、回転軸方向に延在しており、径方向において、ステータ6の内側へ屈曲した屈曲部52cが端子45に設けられる。また、導線100は、屈曲部52cに溶着されている。これにより、径方向においてステータ6の内側で導線100が固定されるため、インシュレータ7aと固着することを確実に防止できる。
また、実施形態の変形例に係るモータ1において、絶縁部材は、回転軸方向に突出する突出部73a,73bを備える。突出部73a,73bは、端子45の一部および導線100の一部を覆っている。これにより、端子45と導線100とを熱かしめにより溶着する際に、導線100を介してコイル10に伝わった熱でインシュレータ7aが溶け、導線100と突出部73a,73b以外のインシュレータ7aとが固着することを防止できる。さらに、固着を防止することで、コイル10に対して振動によるストレスが導線100に作用することを防止できるため、断線を防止できる。
また、実施形態の変形例に係るモータ1において、突出部73a,73bは、端子45に溶着されている。これにより、突出部73a,73bが端子45の近くで溶着されるため、導線100に対する振動のストレスを抑えることができる。
また、実施形態の変形例に係るモータ1は、突出部73a,73bを一対備え、周方向において、端子45は一対の突出部73a,73bの間に設けられる。これにより、端子45を挟み込むことができるため、導線100の溶着が取れることを防止できる。
また、実施形態の変形例に係るモータ1において、突出部73a,73bは、周方向において、複数のティース62の間に設けられる。これにより、ティース62と端子45との間の導線100がインシュレータ7aに固着することを防止でき、結果、導線100の断線を防止できる。
また、実施形態に係るモータ1は、コイル10と、端子45と、導線100とを備える。端子45は、周方向において、コイル10に隣接する。導線100は、端子45に電気的に接続される。また、導線100は、端子45から異なる2つの方向へ延在する、第1部分101と第2部分102とを有する。第1部分101は、コイル10を形成する。第2部分102は、コイル10を形成する第1部分101を迂回して引き回されている。第1部分101は、第2部分102に対してコイル10側にある。これにより、モータ1の振動に伴って導線100に作用するストレスを低減できるため、導線100の断線を防止できる。また、接続部42近傍における導線100を曲げた角度(図示の例では鈍角)を大きくできるので、曲げられた導線100の一部分に、振動に伴うストレスの作用を低減できる。また、モータ1の振動に伴って接続部42と接触する導線100の一部分に、接続部42により作用するストレスを低減できるため、導線100の断線を防止できる。
また、コイル10と端子45とが周方向において位置ズレしているために、コイル10と端子45とを導線で繋ぐために、端子45の接続箇所において導線100を鋭角に曲げる場合がある。この導線100は端子45とコイル10とに繋がっているため、導線100にテンションが作用可能な状態になっており、かかる状態で、モータ1が振動することで、曲がった導線100の一部分にストレスがかかり、導線100が断線するおそれがある。しかし、上述のような構成にすることで、導線100の断線を防止することができる。
また、実施形態に係るモータ1において、コイル10は、複数ある。端子45は、周方向において、複数のコイル10の間に配置されている。これにより、複数のコイル10の間において導線100が断線することを防止できる。
また、実施形態に係るモータ1は、ステータ6と、絶縁部材(インシュレータ7a)とを備える。ステータ6は、筒状のコア61と、周方向に配置された複数のティース62とを有する。絶縁部材は、ステータ6に設けられる。端子45は、周方向において、複数のティース62と異なる位置にある絶縁部材に設けられている。絶縁部材は、導線100の一部が固定される固定部74a,74bが設けられている。第1部分101は、端子45からティース62に向かって延在している。第2部分102は、ティース62から固定部74a,74bに向かって延在している。これにより、導線100の巻き始めの部分において断線することを防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、端子45は、導線100が接続された鉤を備える。第1部分101は、鉤に対してコイル10側にある。第2部分102は、鉤に対して第1部分101とは反対側にある。これにより、導線100が端子45から外れることを防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、周方向において、導線100の第1部分101と導線100の第2部分102とが離間している。これにより、互いに接触し合う第1部分101と第2部分102とが振動による摩擦等で断線することを防止できる。また、導線100の第1部分101と導線100の第2部分102はともに、端子45からコイル10に向かって延在しており、交差した部分を備えていない。互いに交差し合う第1部分101と第2部分102が離間している、或いは接触している場合において、振動により接触し、接触に伴う摩擦等でより断線する場合がある。しかし、周方向において、第1部分101と第2部分102とが離間しており、ともに共通する端子45から共通するコイル10に向かって延在することで、交差した部分を備えないように引き回されているので、摩擦等による断線の発生を抑止できる。なお、第2部分102は、フレーム3の底部3cに対向するコイル10の端部に接している。
また、実施形態に係るモータ1において、絶縁部材は、第1部分101および第2部分102と対向する部分を備え、この絶縁部材の部分が凹部72であり、モータ1は、凹部72と第1部分101および第2部分102との間に空間を有する。これにより、第1部分101と第2部分102とがインシュレータ7aに固着することを防止できるため、導線100の断線を防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、第2部分102は、コイル10に接している。これにより、第2部分102は、ティース62に巻回されるため、第2部分102が占める導線100の割合を最小限に抑えることができるため、コストが嵩むことを防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、第2部分102の引き回される方向がコイル10を形成する第1部分101の巻回方向とは逆向きである。これにより、第1部分101と第2部分102とがティース62において混在することを防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、第2部分102は、導線100の端部を備え、端部が固定部74a,74bに固定されている。これにより、導線100の巻き始めを固定しながらティース62に絶縁部材を介して巻き回すことができ、緩みを低減できた、占有度の高いコイルを形成できる。
また、実施形態に係るモータ1は、回転軸2と、ステータ6と、フレーム3と、外部端子4とを備える。ステータ6は、外周部6aを有する。フレーム3は、ステータ6を囲む内周部31を有する。外部端子4は、回転軸方向に延在する。また、外部端子4は、ステータ6に設けられている。ステータ6において、回転軸方向において、外部端子4側にある外周部6aの一部がフレーム3の内周部31の一部に支持されている。これにより、ステータ6を構成する複数の金属部材の厚みに誤差が生じた場合であっても、外部端子4の突出する長さを所望の長さにすることができる。
また、フレーム3の他端側である底面に接触させることでロータ8やステータ6の高さの位置合わせをしている場合、外部端子4の突出する長さを精度良く定めることができないおそれがあった。具体的には、ステータ6を構成する金属部材の公差により、ステータ6の高さ位置がずれてしまい、結果、外部端子4の突出する長さがばらつくおそれがあった。しかし、上述のような構成にすることで、外部端子4の突出する長さを所望の長さに定めることができる。
また、実施形態に係るモータ1において、フレーム3の内周部31の一部は、径方向において、ステータ6の外周部6aに向かって突出する突出部31aである。これにより、ステータ6を回転軸方向において確実に固定することができる。
また、実施形態に係るモータ1において、ステータ6は、回転軸方向に積まれた複数の金属部材を備える。これら金属部材は電磁鋼板などの磁性体で形成されている。外部端子4は、複数の金属部材に他の部材を介して設けられる。突出部31aは、複数の金属部材のうち、外部端子4と隣り合う金属部材に接する。これにより、複数の金属部材の厚みに誤差が生じた場合であっても、外部端子4の突出する長さを精度良く定めることができる。
また、実施形態に係るモータ1において、ステータ6は、複数の金属部材のうち、外部端子4と隣り合う金属部材と異なる他の金属部材の外周部6aに凹部63が設けられる。凹部63は、径方向において、突出部31aと対向する。これにより、ステータ6をフレーム3に挿入する際に、凹部63がガイドの役割を果たすため、製造作業を容易化することができる。
また、実施形態に係るモータ1において、突出部31aは、径方向において、凹部63の内部にある。これにより、突出部31aが凹部63に引っかかるため、周方向又は回転軸方向における位置ズレを無くすことができる。
また、実施形態に係るモータ1において、外部端子4は、回転軸方向において、フレーム3から突出している。これにより、外部端子4のフレーム3から突出する長さを精度良く保つことができる。
また、実施形態に係るモータ1は、ステータ6と、端子45とを備える。ステータ6は、筒状である。端子45は、ステータ6に設けられ、周方向に複数並んでいる。複数の端子45は、導電性を有する部材によって一体的に形成され、回転軸方向において、導電性を有する部材の外周壁部には、凹部54が形成されている。導線100は、凹部54を通過してステータ6の内周部6bおよび外周部6aに巻回されている。これにより、部品点数を減らすことができるとともに、複数の内部端子同士を回路基板等で電気的に接続する必要がないため、簡素な回路構成でモータ1を構成できる。
また、複数の端子45がステータ6に設けられたモータ1において、複数の端子45は、それぞれが独立した別部材によって分けて配置した場合、端子45同士を電気的に接続するための回路基板が別途必要となるため、回路構成が複雑になる場合があった。上述によれば、簡素な回路構成でモータ1を構成できる。
また、実施形態に係るモータ1は、回転軸方向において、導線100と対応する凹部54の一部には絶縁部材(インシュレータ7a)が設けられている。これにより、導線100の絶縁性を有する被膜が凹部54との摩擦で剥れた場合であっても、内部端子5に誤って通電されることを防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、複数の端子45は、回転軸方向におけるステータ6の側面としての端面6cに設けられる複数の内部端子5および複数の外部端子4を備える。これら複数の内部端子5および複数の外部端子4は、回転軸方向に延在している。複数の内部端子5は、周方向において、ステータ6の端面6cの一方側に設けられ、複数の外部端子4は、ステータ6の端面6cの他方側に設けられる。これにより、導線100を効率良く巻くことができる。なお、ここでいう回転軸方向における端面とは、回転軸方向において最も端に位置する面ではなく、回転軸2の端部側にあり、フレーム3の蓋部3bに対向する面を意味する。
また、実施形態に係るモータ1において、単一の導線100が、ステータ6の内周部6bおよび外周部6aに巻回されており、複数のコイル10を形成している。これにより、各相の磁気回路毎に導線100を切断する必要がないため、製造工数を減らすことができる。
また、実施形態に係るモータ1において、ステータ6の内周部6bには、複数のコイル10と、複数のコイル10が設けられた複数の磁性体とを備える。単一の導線100は、複数のコイル10を形成している。これにより、各相の磁気回路毎に導線100を切断する必要がないため、製造工数を減らすことができ、また接続箇所が少なくなり、断線を防止することができる。
また、実施形態に係るモータ1において、外周部6aに巻回された導線100の巻回位置は、回転軸方向において、複数設けられており、これらの巻回位置は互いに異なる。これにより、ステータ6の外周部6aにおいて、導線100同士が摩擦によって断線することを防止できる。
また、実施形態に係るモータ1は、コイル10と、磁性体とを備える。磁性体は、コイル10に囲まれる。磁性体は、回転軸方向において、コイル10に対向する2つの端面6c,6dと、2つの端面6c,6dの間にある側面(内周部6b)とを備える。端面6c,6dは、絶縁部材(インシュレータ7a)で覆われている。側面は、絶縁膜30で覆われている。これにより、コイル10等から発生するジュール熱を、絶縁部材よりも絶縁膜から効率良くステータ6の外部へ放熱することができるため、モータ1の性能の低下を防止できる。また、ロータと、コイルに囲まれたステータとを有し、絶縁部材を介してステータにコイルが巻回されているモータに比べて、モータ1の方が性能の低下を防止できる。また、ロータと、コイルに囲まれたステータとを有し、絶縁部材を介してステータにコイルが巻回されたモータにおいて、モータの駆動時にコイルから発生する熱をステータの外部へ効率良く放熱できない場合があった。具体的には、絶縁部材がコイルからの熱を遮断することで、ステータ内に熱が籠ってしまう。このため、コイルの抵抗値が高くなり、モータの性能が低下するおそれがあった。しかし、上述のような構成により、モータ1の性能の低下を防止できる。
また、実施形態に係るモータ1は、ロータ8と、ステータ6とを備える。ステータ6は、磁性体を備える。磁性体は、筒状のコア61と、コア61からロータ8に向かって延在する複数のティース62とを備える。複数のティース62は、端面6c,6dと、側面とを備える。複数のティース62の端面の一部は、絶縁部材で覆われる。複数のティース62の側面は、絶縁膜30で覆われている。これにより、コイル10等から発生するジュール熱を絶縁部材よりも絶縁膜から効率良くステータ6の外部へ放熱することができるため、モータ1の性能の低下を防止できる。なお、このティース62の側面は、回転軸方向に延在する面である。
また、実施形態に係るモータ1において、ロータ8に対向するコア61の側面は、絶縁膜30で覆われている。これにより、ステータ6の外部への放熱効率を向上させることができる。このコア61の側面は、回転軸方向に延在する面である。
また、実施形態に係るモータ1において、端面6cを一方の端面6cとして、絶縁膜30は、他方の端面6dを覆っている。これにより、フレーム3の底面側(外部端子4とは反対側)に熱が籠ることを防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、複数のティース62は、ロータ8の外側に、周方向に並べて配置されている。これにより、インナーロータ型のモータ1において、コイル10等から発生するジュール熱を効率良くステータ6の外部へ放熱することができるため、モータ1の性能の低下を防止できる。
また、実施形態に係るモータ1において、絶縁部材には、端子45が設けられている。ステータ6は、磁性体の一部を囲むコイル10を備える。導線100は、端子45とコイル10とを電気的に接続する。径方向において、導線100と対向する絶縁部材の一部には凹部72があり、凹部72と導線100との間に空間がある。これにより、導線100とインシュレータ7aとが固着することを防止できるため、導線100の断線を防止できる。
また、実施形態に係るモータ1は、フレーム3と、外部端子4とを備える。外部端子4は、絶縁部材に設けられる。回転軸方向において、外部端子4側にあるステータ6の外周部6aの一部は、フレーム3の内周部31の一部に支持されている。これにより、外部端子4のフレーム3から突出する長さを精度良く定めることができる。
また、ロータ8と、コイル10に囲まれたステータ6とを有し、絶縁部材を介してステータ6にコイル10が巻回されているモータ1に比べて、モータ1の方が性能の低下を防止できる。
また、ロータ8と、コイル10に囲まれたステータ6とを有し、絶縁部材を介してステータ6にコイル10が巻回されたモータ1において、モータ1の駆動時にコイル10から発生する熱をステータ6の外部へ効率良く放熱できない場合があった。具体的には、絶縁部材がコイル10からの熱を遮断することで、ステータ6内に熱が籠ってしまう。このため、コイル10の抵抗値が高くなり、モータ1の性能が低下するおそれがあった。しかし、上述のような構成により、モータ1の性能の低下を防止できる。
また、実施形態に係るモータ1は、接着部材を備える。接着部材は、絶縁部材とコイル10とを固定する。これにより、インシュレータ7aとコイル10とが位置ズレすることを防止できる。
上述した実施形態では、モータ1がブラシレスモータである場合について説明したが、モータ1は、ブラシ付きモータやステッピングモータなどの公知の他のモータであってもよい。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。