JP7251598B1 - 燃料供給制御装置および車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体状態のLNG燃料による部品の破損を防止できる燃料供給制御装置および車両を提供すること。【解決手段】燃料供給制御装置は、別々のタンクに貯留されているLNG燃料およびCNG燃料のいずれか一方を選択的にエンジンに供給する制御を行う燃料供給制御装置であって、エンジンが始動した後、エンジンの暖機が完了したか否かを判定する判定部と、エンジンの暖機が完了していない場合、CNG燃料をエンジンに供給するCNG燃料供給制御を行い、エンジンの暖機が完了した場合、気化したLNG燃料をエンジンに供給するLNG燃料供給制御を行う制御部と、を有する。【選択図】図2

Description

本開示は、燃料供給制御装置および車両に関する。
例えば車両等において、液化天然ガス(Liquefied Natural Gas:以下、LNG燃料という)をエンジンの燃料に用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。タンクに貯留されている液体状態のLNG燃料は、気化器によって気化された後、エンジンに供給される。
特開2021-92202号公報
LNG燃料には、沸点の異なる複数の成分(例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等)が含まれている。よって、エンジンの始動時では、沸点が高い成分(例えば、ブタン)が気化しないことにより、LNG燃料が液体状態のままエンジンに供給されることがありうる。その際、LNG燃料の供給路やエンジンに設けられた部品が破損し、ガス漏れ等の不具合が発生するおそれがある。
本開示の一態様の目的は、液体状態のLNG燃料による部品の破損を防止することができる燃料供給制御装置および車両を提供することである。
本開示の一態様に係る燃料供給制御装置は、別々のタンクに貯留されているLNG燃料およびCNG燃料を切り替えることで選択的にエンジンに供給する制御を行う燃料供給制御装置であって、前記LNG燃料が貯留される前記タンクからの前記LNG燃料を前記エンジンの冷却水によって気化させる気化器と、前記気化器よりも下流側に設けられ、気化した前記LNG燃料の温度を検知するガス温度センサと、前記気化したLNG燃料の温度が閾値以上である場合、前記エンジンの暖機が完了したと判定し、前記気化したLNG燃料の温度が前記閾値以上ではない場合、前記エンジンの暖機が完了していないと判定する判定部と、前記LNG燃料の温度が前記閾値以上ではない場合、前記CNG燃料を前記エンジンに供給するCNG燃料供給制御を行い、前記LNG燃料の温度が前記閾値以上である場合、気化した前記LNG燃料を前記エンジンに供給するLNG燃料供給制御を行う制御部と、を有する。
本開示の一態様に係る車両は、本開示の一態様に係る燃料供給制御装置を有する。
本開示によれば、液体状態のLNG燃料による部品の破損を防止することができる。
本開示の実施の形態に係るエンジンおよび燃料供給系統の一例を模式的に示す図 本開示の実施の形態に係る燃料供給制御装置の構成例を示すブロック図 本開示の実施の形態に係る燃料供給制御装置の動作例を示すフローチャート
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、図1を用いて、本実施の形態のエンジン1および燃料供給系統Sについて説明する。図1は、エンジン1および燃料供給系統Sの一例を模式的に示す図である。
図1に示すエンジン1および燃料供給系統Sは、例えば、図示しない車両(例えば、大型自動車)に搭載される。
燃料供給系統Sは、図1に示すように、LNG燃料をエンジン1に供給するためのLNG燃料供給系統2と、圧縮天然ガス(Compressed Natural Gas:以下、CNG燃料という)をエンジン1に供給するための燃料供給系統3と、を含む。
エンジン1は、車両の駆動源であり、気化したLNG燃料またはCNG燃料を点火により燃焼させる火花点火式内燃エンジンである。なお、図示は省略するが、エンジン1は、複数の気筒や、それらに燃料を噴射するインジェクタなどを有する。
また、エンジン1には、エンジン1の冷却に用いられる冷却水の温度を検知する水温センサ13が設けられている。水温センサ13は、後述する燃料供給制御装置100(図2参照)と電気的に接続されている。水温センサ13は、随時、冷却水の温度を検知し、その温度を示す情報(以下、水温情報という)を燃料供給制御装置100へ出力する。
LNG燃料供給系統2は、図1に示すように、液体状態のLNG燃料を貯留するLNGタンク4と、LNG燃料供給路5と、LNG燃料を気化させる気化器6と、LNG燃料供給路5を開閉する遮断弁7と、気化器6で気化されたLNG燃料を減圧するLNG用レギュレータ8と、を有する。
LNG燃料供給路5の一端はLNGタンク4に接続されており、LNG燃料供給路5の他端はエンジン1に接続されている。また、LNG燃料供給路5には、その上流側から順に、気化器6、遮断弁7、LNG用レギュレータ8が設けられている。
気化器6は、LNGタンク4からのLNG燃料を、上述した冷却水によって気化させる。図示は省略するが、気化器6には、エンジン1から延伸した冷却水流路(不図示)が接続されている。
遮断弁7は、後述する燃料供給制御装置100(図2参照)と電気的に接続されており、燃料供給制御装置100によって開状態または閉状態に制御される。
CNG燃料供給系統3は、図1に示すように、CNG燃料を貯留するCNGタンク9と、CNG燃料供給路10と、CNG燃料供給路10を開閉する遮断弁11と、CNG燃料を減圧するCNG用レギュレータ12と、を有する。
CNG燃料供給路10の一端はCNGタンク9に接続されており、CNG燃料供給路10の他端はエンジン1に接続されている。また、CNG燃料供給路10には、その上流側から順に、遮断弁11、CNG用レギュレータ12が設けられている。
遮断弁11は、後述する燃料供給制御装置100(図2参照)と電気的に接続されており、燃料供給制御装置100によって開状態または閉状態に制御される。
次に、図2を用いて、本実施の形態の燃料供給制御装置100の構成について説明する。図2は、燃料供給制御装置100の構成例を示すブロック図である。
図2に示す燃料供給制御装置100は、エンジン1および燃料供給系統Sを搭載した車両に搭載される。
燃料供給制御装置100は、別々に貯留されているLNG燃料およびCNG燃料のいずれか一方を選択的にエンジン1に供給する制御を行う装置である。
図示は省略するが、燃料供給制御装置100は、ハードウェアとして、例えば、CPU(Central Processing Unit)、コンピュータプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、作業用メモリであるRAM(Random Access Memory)、入力ポート、出力ポート等を有する。以下に説明する燃料供給制御装置100の各機能は、CPUがROMから読み出したコンピュータプログラムをRAMにて実行することにより実現される。燃料供給制御装置100は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)によって実現されてもよい。
図2に示すように、燃料供給制御装置100は、判定部110および制御部120を有する。
判定部110は、エンジン1が始動した場合、エンジン1の暖機が完了したか否かを判定する。
例えば、まず、判定部110は、エンジン1の始動後、水温センサ13から水温情報を取得する。
そして、判定部110は、水温情報に示される冷却水の温度が閾値以上である場合、エンジン1の暖機が完了したと判定する。
一方、判定部110は、水温情報に示される冷却水の温度が閾値以上ではない場合、エンジン1の暖機が完了していないと判定する。その場合、判定部110は、新たに水温情報を取得し、その水温情報に示される冷却水の温度と閾値との比較に基づいて、エンジン1の暖機が完了したか否かを判定する。この判定は、水温情報に示される冷却水の温度が閾値以上になるまで繰り返される。
上記閾値(第1閾値の一例)は、例えば、LNG燃料が完全に気化したとみなすことができる水温である。この第1閾値は、シミュレーションまたは実験などの結果に基づいて予め設定される。
制御部120は、判定部110によりエンジン1の暖機が完了していないと判定された場合、CNG燃料をエンジン1に供給するための制御(以下、CNG燃料供給制御という)を行う。
具体的には、制御部120は、図1に示した遮断弁7を閉状態に制御し、かつ、図1に示した遮断弁11を開状態に制御する。これにより、CNGタンク9に貯留されているCNG燃料がCNG燃料供給路10を流れ、CNG用レギュレータ12で減圧されてエンジン1に供給される。
上述したCNG燃料供給制御は、エンジン1の暖機が完了するまで(冷却水の温度が閾値以上になるまで)の間、実行されることになる。
一方、制御部120は、判定部110によりエンジン1の暖機が完了したと判定された場合、LNG燃料をエンジン1に供給するための制御(以下、LNG燃料供給制御という)を行う。
具体的には、制御部120は、図1に示した遮断弁7を開状態に制御し、かつ、図1に示した遮断弁11を閉状態に制御する。これにより、LNGタンク4に貯留されているLNG燃料がLNG燃料供給路5を流れ、気化器6により気化された後、LNG用レギュレータ8で減圧されてエンジン1に供給される。
次に、燃料供給制御装置100の動作について、図3を用いて説明する。図3は、燃料供給制御装置100の動作例を示すフローチャートである。
図3のフローは、エンジンの始動時に開始される。なお、LNGタンク4内のLNG燃料の残量およびCNGタンク9内のCNG燃料の残量はともに、エンジン1を駆動するのに十分な量であるとする。
まず、判定部110は、水温センサ13から水温情報を取得する(ステップS11)。
次に、判定部110は、水温情報に示される冷却水の温度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS12)。
冷却水の温度が閾値以上ではない場合(ステップS12:NO)、判定部110は、エンジン1の暖機が完了していないと判定する。
その場合、制御部120は、上述したCNG燃料供給制御を実行する(ステップS13)。その後、フローは、ステップS11へ戻る。
一方、冷却水の温度が閾値以上である場合(ステップS12:YES)、判定部110は、エンジン1の暖機が完了したと判定する。
その場合、制御部120は、上述したLNG燃料供給制御を実行する(ステップS14)。これにより、フローは、終了する。
以上説明したように、本実施の形態の燃料供給制御装置100は、別々のタンクに貯留されているLNG燃料およびCNG燃料のいずれか一方を選択的にエンジン1に供給する制御を行う装置であって、エンジン1が始動した後、エンジン1の暖機が完了したか否かを判定する判定部110と、エンジン1の暖機が完了していない場合、CNG燃料をエンジン1に供給するCNG燃料供給制御を行い、エンジン1の暖機が完了した場合、気化したLNG燃料をエンジン1に供給するLNG燃料供給制御を行う制御部120と、を有することを特徴とする。
この特徴により、エンジン1の始動時にはCNG燃料によりエンジン1を駆動し、エンジン1の暖機が完了するまではLNG燃料をエンジン1に供給しないようにできる。
よって、液体状態のLNG燃料によって、エンジン1やLNG燃料供給路5に設けられた部品(具体的には、部品に用いられているゴム製の部分)の破損を防止できる。その結果、ガス漏れ等の不具合を防止でき、安全性を向上させることができる。
また、液体状態のLNG燃料を使用してのエンジン始動にならないため、始動不良(例えば、始動時間の遅れやラフアイドル等)を防止することができる。
また、既存の水温センサ13や遮断弁7、11の開閉制御を用いるため、コストがかからない。
なお、本開示は、上記実施の形態の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下、変形例について説明する。
[変形例1]
実施の形態では、判定部110が冷却水の温度に基づいてエンジン1の暖機が完了したか否かを判定する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、判定部110は、図示しないガス温度センサの検知結果に基づいて、エンジン1の暖機が完了したか否かを判定してもよい。
ガス温度センサは、気化器6よりも下流側に設けられ、気化したLNG燃料の温度を検知するセンサである。ガス温度センサは、燃料供給制御装置100と電気的に接続されており、随時、気化したLNG燃料の温度を検知し、その温度を示す情報(以下、ガス温度情報という)を燃料供給制御装置100へ出力する。
判定部110は、エンジン1の始動後、ガス温度センサからガス温度情報を取得する。そして、判定部110は、ガス温度情報に示される温度と閾値との比較により、エンジン1の暖機が完了したか否かを判定する。
上記閾値(第2閾値の一例)は、例えば、LNG燃料が完全に気化したとみなすことができるガスの温度である。この第2閾値は、シミュレーションまたは実験などの結果に基づいて予め設定される。
判定部110は、ガス温度情報に示される温度が閾値以上である場合、エンジン1の暖機が完了したと判定する。一方、判定部110は、ガス温度情報に示される温度が閾値以上ではない場合、エンジン1の暖機が完了していないと判定する。
[変形例2]
実施の形態において、制御部120は、CNG燃料供給制御からLNG燃料供給制御へ切り替えた場合、その旨の通知を行うように、図示しない通知装置を制御してもよい。
通知装置としては、例えば、車室内に設けられた、表示ランプ、ディスプレイ、またはスピーカ等が挙げられる。
例えば、通知装置が表示ランプである場合、制御部120は、CNG燃料が供給中であることを示すランプを消灯し、LNG燃料が供給中であることを示すランプを点灯させてもよい。
また、例えば、通知装置がディスプレイである場合、制御部120は、CNG燃料からLNG燃料に切り替わった旨を示す画像をディスプレイに表示させてもよい。
また、例えば、通知装置がスピーカである場合、制御部120は、CNG燃料からLNG燃料に切り替わった旨を示す音声をスピーカから出力させてもよい。
上述した通知により、ユーザ(例えば、車両の乗員)は、CNG燃料からLNG燃料へ切り替わったことを容易に認識することができる。
また、制御部120は、エンジン1の暖機が完了するまでの間、エンジン1の暖機が完了していない旨の通知を行うように通知装置を制御してもよい。これにより、ユーザは、エンジン1の暖機が完了していないことを容易に認識できる。
[変形例3]
実施の形態では、燃料供給制御装置100が車両に搭載される場合を例に挙げたが、これに限定されない。燃料供給制御装置100は、車両以外の移動体(例えば、船舶等)、または、定置式エンジンを備えた機械などに搭載されてもよい。
本開示の燃料供給制御装置および車両は、エンジンの燃料として、沸点が互いに異なる複数の成分を含む液化天然ガスを用いる場合に有用である。
S 燃料供給系統
1 エンジン
2 LNG燃料供給系統
3 CNG燃料供給系統
4 LNGタンク
5 LNG燃料供給路
6 気化器
7 遮断弁
8 LNG用レギュレータ
9 CNGタンク
10 CNG燃料供給路
11 遮断弁
12 CNG用レギュレータ
13 水温センサ
100 燃料供給制御装置
110 判定部
120 制御部

Claims (3)

  1. 別々のタンクに貯留されているLNG燃料およびCNG燃料を切り替えることで選択的にエンジンに供給する制御を行う燃料供給制御装置であって、
    前記LNG燃料が貯留される前記タンクからの前記LNG燃料を前記エンジンの冷却水によって気化させる気化器と、
    前記気化器よりも下流側に設けられ、気化した前記LNG燃料の温度を検知するガス温度センサと、
    前記気化したLNG燃料の温度が閾値以上である場合、前記エンジンの暖機が完了したと判定し、前記気化したLNG燃料の温度が前記閾値以上ではない場合、前記エンジンの暖機が完了していないと判定する判定部と、
    前記LNG燃料の温度が前記閾値以上ではない場合、前記CNG燃料を前記エンジンに供給するCNG燃料供給制御を行い、前記LNG燃料の温度が前記閾値以上である場合、気化した前記LNG燃料を前記エンジンに供給するLNG燃料供給制御を行う制御部と、を有する、
    燃料供給制御装置。
  2. 前記制御部は、
    前記CNG燃料供給制御から前記LNG燃料供給制御へ切り替えた場合、その旨の通知を行うように通知装置を制御する、
    請求項1に記載の燃料供給制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の燃料供給制御装置を備える、車両。
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