JP7250560B2 - 紫外線発光装置 - Google Patents
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Description
[1]
基体と、前記基体上に配置された紫外線発光素子と、を含む紫外線発光装置であって
前記紫外線発光装置の一部が、下記式(1)で表される環状シラノール(A1)及びその脱水縮合物(A2)を含む樹脂組成物から形成されている紫外線発光装置。
[2]
前記樹脂組成物が、前記基体と前記紫外線発光素子との間に存在する、上記[1]記載の紫外線発光装置。
[3]
前記樹脂組成物が前記紫外線発光素子の側面又は上面の少なくとも一部を覆っている、上記[1]又は[2]のいずれかに記載の紫外線発光装置。
[4]
前記紫外線発光装置は保護素子をさらに含み、前記樹脂組成物が前記基体と前記保護素子との間に存在する、上記[1]~[3]のいずれかに記載の紫外線発光装置。
[5]
前記基体はキャビティ構造を有し、基体の上部には保護部材が存在し、前記基体の壁部の上面と前記保護部材との間に前記樹脂組成物が存在する、上記[1]~[4]のいずれかに記載の紫外線発光装置。
[6]
前記式(1)で表される環状シラノール(A1)が、下記式(10)で表される環状シラノール(A10)である、
上記[1]~[5]のいずれかに記載の紫外線発光装置。
[7]
前記環状シラノール(A10)が、下記式(2)~(5)で表される環状シラノール(B1)~(B4)であり、前記環状シラノール(B1)~(B4)の総量に対する前記環状シラノール(B2)の割合(モル%)をbとしたとき、0<b≦20を満たす、
上記[6]に記載の紫外線発光装置。
本実施形態の紫外線発光装置は、
基体と、前記基体上に配置された紫外線発光素子と、を含む紫外線発光装置であって
前記紫外線発光装置の一部が、下記式(1)で表される環状シラノール(A1)及びその脱水縮合物(A2)を含む樹脂組成物から形成されている。
第1実施形態の紫外線発光装置1は、樹脂組成物2が、基体3と紫外線発光素子4との間に存在する形態である。図1中、符号5は電極を、符号6は金属バンプを示す。この場合、図1に示すとおり、樹脂組成物は、基体と紫外線発光素子の間に存在することで、機械的強度の向上や、耐湿度性の強化等のアンダーフィルとしての機能を有する。
紫外線発光素子が実装された基体に対して、樹脂組成物を紫外線発光素子の近傍に塗布し、毛細管現象を利用して紫外線発光素子と基体との間の隙間に樹脂組成物を満たす。低温で1段目の加熱をした後、次いで高温で2段目の加熱をする。1段目の加熱は溶媒の揮発を穏やかに進行させ、樹脂中に空孔等が生成するのを防ぐことを主な目的としており、2段目の加熱は溶媒を完全に蒸発させるとともに、樹脂組成物を硬化してアンダーフィルの強度および緻密性を高めることを主な目的としている。以上により、樹脂組成物が、基体と紫外線発光素子の間に存在する紫外線発光装置を製造することができる。
第2実施形態の紫外線発光装置1は、樹脂組成物2が紫外線発光素子4の側面又は上面の少なくとも一部を覆っている形態である。樹脂組成物2は、紫外線発光素子4の側面のみを覆っていても、上面のみを覆っていても、或いはその両面を覆っていてもよい。図2中、符号5は電極を、符号6は金属バンプを示す。この場合、図2に示すとおり、樹脂組成物は、紫外線発光素子の周囲に存在することで、耐湿度性の強化等の被覆層としての機能を有する。
第2実施形態においては紫外線発光素子の周囲を覆っている樹脂組成物が、紫外線照射に対する優れた耐クラック性を有しているため、耐湿度性や出力の低下を防止することができる。
紫外線発光素子が実装された基体に対して、樹脂組成物を紫外線発光素子上に塗布し、紫外線発光素子の上面と側面を樹脂組成物で満たす。次いで、第1実施形態と同様に、1段目及び2段目の加熱を実施する。以上により、樹脂組成物が紫外線発光素子の側面又は上面の少なくとも一部を覆っている形態の紫外線発光装置を製造することができる。
なお、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせる場合、第2実施形態における「紫外線発光素子周囲への被覆層形成」における1段目及び2段目の加熱は、第1実施形態における「アンダーフィル形成」における1段目及び2段目の加熱と同時に行ってもよい。つまり、「紫外線発光素子周囲への被覆層形成」における加熱工程を行う場合、上述した「アンダーフィル形成」における加熱工程を省略してもよい。
第3実施形態の紫外線発光装置1は、保護素子7をさらに含み、樹脂組成物2が基体3と保護素子7との間に存在する形態である。図3中、符号5は電極を、符号8は金錫体を示す。この場合、図3に示すとおり、樹脂組成物は、基体と保護素子の間に存在することで、機械的強度の向上や、耐湿度性の強化等のアンダーフィルとしての機能を有する。
第3実施形態においては、基体と保護素子の間に設けられた樹脂組成物が、紫外線照射に対する優れた耐クラック性を有しているため、アンダーフィルの機能低下を防止することができる。
保護素子が実装された基体に対して、樹脂組成物を保護素子の近傍に塗布し、毛細管現象を利用して、保護素子と基体との間の隙間に樹脂組成物を満たす。次いで、第1実施形態と同様に、1段目及び2段目の加熱を実施する。以上により、樹脂組成物が、基体と保護素子の間に存在する紫外線発光装置を製造することができる。
第4実施形態の紫外線発光装置1は、基体3がキャビティ構造であり、基体3の上部には保護部材9が存在し、基体の壁部の上面と保護部材との間に樹脂組成物2が存在する形態である。図4中、符号5は電極を、符号6は金属バンプを示す。この場合、図4に示すとおり、樹脂組成物は、基体と保護部材の間に存在することで、接着剤としての機能を有する。
紫外線発光素子が実装されたキャビティ構造の基体に対して、基体の壁部の上面に樹脂組成物を塗布し、保護部材を樹脂組成物の上から載せる。次いで、第1実施形態と同様に、1段目及び2段目の加熱を実施する。以上により、基体がキャビティ構造を有し、基体の上部には保護部材が存在し、基体の壁部の上面と保護部材との間に樹脂組成物が存在する紫外線発光装置を製造することができる。
本実施形態における紫外線発光装置は、基体と、前記基体上に配置された紫外線発光素子と、を含む紫外線発光装置であって
前記紫外線発光装置の一部が、下記式(1)で表される環状シラノール(A1)及びその脱水縮合物(A2)を含む樹脂組成物から形成されている。
なお、以下の化合物における、環状シラノール骨格に対するヒドロキシ基(-OH)及びR基の配向は制限されない。また、以下の化合物におけるRは、各々独立して式(10)におけるR1~R4のいずれかである。さらに、以下の化合物におけるRの好ましい基としては、R1~R4基と同様の好ましい基を挙げることができる。
酸化剤としては、例えば、ペルオキシド類等を使用することができる。ペルオキシド類としては、いずれも使用することができ、例えば、ジメチルジオキシランのようなオキシラン類等が挙げられる。
ヒドロシラン化合物を酸化する方法としては、反応性、及び反応後の触媒除去が容易であるとの観点から、Pd/炭素を用いることが好ましい。
前記式(8)で表される環状ヒドロシラン化合物は、クロロシランの加水分解や、ポリメチルシロキサンの平衡化重合反応により得られるが、シス、トランスに由来する異性体の割合を制御することは困難であるため、環状ヒドロシラン化合物中には様々なシス、トランスに由来した異性体が混在する。本実施形態における環状ヒドロシラン化合物のシス及びトランスとは、それぞれ、隣接する2つのヒドロキシ基又は隣接する2つのR基が環状シロキサン骨格に対し同じ配向であること(シス)、隣接する2つのヒドロキシ基又は隣接する2つのR基が環状シロキサン骨格に対し異なる配向であること(トランス)を指す。
環状シラノール(B1)の割合を抑える方法としては、例えば、再結晶操作と結晶の除去とを組み合わせる方法等が挙げられる。
より具体的には、環状シラノールの合成で得られた生成物の良溶媒溶液に、貧溶媒を添加することにより、環状シラノール(B1)が結晶として析出する。析出した環状シラノール(B1)を除去し、可溶部の溶液を濃縮することにより、シラノール組成物中の環状シラノール(B1)の割合を抑え、透明性の高いシラノール組成物を得ることができる。
貧溶媒としては、例えば、トルエン、クロロホルム、ヘキサン、ジクロロメタン、キシレン等が挙げられる。これらの貧溶媒は一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、シラノール組成物中にシリカ粒子を均一に分散させる観点から、シラノール組成物を溶解することができる有機溶媒を選択することが好ましい。
前記シリカ粒子の含有量が10質量%以上であることにより、得られる硬化物の耐摩耗性が優れる傾向にある。また、前記シリカ粒子の含有量が80質量%以下であることにより、得られる硬化物の透明性が優れる傾向にある。
ここで、樹脂組成物中の固形分の全量は、好ましくは環状シラノール(A1)と前記シリカ粒子との合計量である。
また、前記式(6)で表される両末端シラノール変性シロキサンの分子量は、揮発を抑制する観点から、好ましくは200以上であり、より好ましくは300以上であり、さらに好ましくは400以上である。前記式(6)で表される両末端シラノール変性シロキサンの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
両末端シラノール変性シロキサンは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
式(1)で表される環状シラノール(A1)及びその脱水縮合物(A2)を含む樹脂組成物の硬化物は、当該樹脂組成物から形成される。上記硬化物は、硬化させること、すなわち、樹脂組成物に含まれるシラノール基(-Si-OH)の脱水縮合反応により、シロキサン結合(-Si-O-Si-)を形成させることにより得られ、テトラヒドロフラン、トルエン等の溶媒に不溶なものである。
本実施形態における紫外線発光素子は、光取り出し効率の観点から、210nm以上300nm未満の深紫外光を発光する深紫外光発光素子であることが好ましい。紫外線発光装置を殺菌装置として用いる場合、紫外線発光素子の波長は、殺菌効率の観点から、好ましくは230~290nmであり、より好ましくは250~280nmであり、さらに好ましくは260~270nmである。
基体は、市販の発光素子パッケージに用いられるものを使用することができ、放熱性の観点から窒化アルミニウム焼結体や、アルミナ、金属製のものであることが好ましい。
基体上に紫外線発光素子をフリップチップマウントし、基体表面に設けられた端子と紫外線発光素子に設けられた端子とを超音波により電気的に接続する。超音波を用いて電気的に接合する方法としてはGGI(Gold to Gold Interconnection)法を用いることができる。この接続方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法を採用することができる。
日本電子株式会社製ECZ400S、プローブはTFHプローブを用いて、以下のようにしてNMR測定を行った。
例えば、テトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサン及びその重合体のイソプロパノール溶液の場合は、テトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサン及びその重合体のイソプロパノール溶液0.1gに重アセトン1gを添加したサンプルを用いて、1H-NMRを測定した。なお、重溶媒の基準ピークを2.05ppmとし、積算回数は64回で測定を行った。
テトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサン及びその重合体の重量パーセント濃度は近似的に以下式にて算出できる。
テトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサン及びその重合体の重量パーセント濃度=(-0.1-0.3ppmの領域のSiに結合するメチル基のピーク積分比/12×304.51)/{(-0.1-0.3ppmの領域のSiに結合するメチル基のピーク積分比/12×304.51)+(3.7-4.1ppmの領域のイソプロパノールの炭素に結合する水素のピーク積分値/1×60.1)}
なお、前記式中、304.51はテトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサンの分子量、60.1はイソプロパノールの分子量を意味する。
ヘイズは濁度計NDH5000W(日本電色工業製)を用い、JISK7136に基づき測定を行った。以下に具体的操作を示す。
シラノール組成物のヘイズは素ガラス基板5cm×5cm×0.7mm厚(テクノプリント社製)にシラノール組成物42wt%イソプロパノール溶液をバーコーターNo.40(アズワン製)にて塗布後、60℃1時間にて減圧下で乾燥し、ヘイズを測定した。なお、ヘイズ測定のブランクは素ガラス基板5cm×5cm×0.7mm厚(テクノプリント社製)のみを用いた。
硬化物のヘイズはシラノール組成物のヘイズ測定で作製したサンプルを常圧にて100℃2時間加熱することにより得られたサンプルを用いて測定した。
膜厚はヘイズの測定用に作製したサンプルを表面形状測定機計(製造所名:(株)小坂研究所型式:ET4000AK31製)にて測定し、膜厚を算出した。
シラノール組成物0.03gに対して、1.5mLの割合でテトラヒドロフランに溶解した溶液を測定試料とした。
この測定試料を用いて、東ソー社製HLC-8220GPCで測定した。
カラムは東ソー社製のTSKガードカラムSuperH-H、TSKgel SuperHM-H、TSKgel SuperHM-H、TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH1000を直列に連結して使用し、テトラヒドロフランを移動相として0.35ml/分の速度で分析した。
検出器はRIディテクターを使用し、American Polymer Standards Corporation製ポリメタクリル酸メチル標準試料(分子量:2100000、322000、87800、20850、2000、670000、130000、46300、11800、860)、及び1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン(分子量240.5、東京化成製)を標準物質として、数平均分子量及び重量平均分子量を求め、p=0及び、p≧1のピークを特定し、環状シラノール(A1)及び脱水縮合物(A2)それぞれのピークの面積比を算出した。
ヒドロシロキサン酸化反応物にフッ硝酸を加えて密閉加圧酸分解後、試料をテフロン(登録商標)ビーカーに移し、加熱乾固させた。その後、試料に王水を加え、完全溶解した溶解液を20mLに定容し、ICP質量分析装置(Themo Fisher Scientifi社製 iCAP Qc)による試料中の金属割合の定量分析を行った。
日本電子株式会社製ECZ400S、プローブはTFHプローブを用いて、以下のようにしてNMR測定を行った。
得られたシラノール組成物に生成物0.1g、及び重アセトン1gを添加し、1H-NMRを測定した。なお、重溶媒の基準ピークを2.05ppmとし、積算回数は64回で測定を行った。
ヒドロシラン化合物としてテトラメチルテトラシクロシロキサンを原料に用いて酸化させた場合、得られるテトラヒドロキシテトラメチルテトラシクロシロキサンの1H-NMRでは、0.04-0.95ppmの領域に4種類の異性体に由来する6種類のSiに結合するメチル基のピークが観測された。
メチル基の水素は、高磁場側から、all-cis型(0.057ppm)、trans-trans-cis型(0.064ppm)、trans-trans-cis型(0.067ppm)、cis-trans-cis型(0.074ppm)、all-trans型(0.080ppm)、trans-trans-cis型(0.087ppm)の順に観測された。Delta5.2.1(日本電子製)を用いて前記6つのピークに関してローレンツ変換による波形分離を行い、これらの水素のピーク強度から、環状シラノールのそれぞれの立体異性体割合を算出した。
・all-cis体(環状シラノール(B1))
Inorganic Chemistry Vol.49, No.2,2010の合成例に従って合成した。
・cis-trans-cis体(環状シラノール(B2))
実施例1にて得られた再結晶物を用いた。
・all-trans体(環状シラノール(B4))
実施例1にて作製したシラノール10wt%のテトラヒドロフラン及びジクロロメタン混合溶液をさらに濃縮し、シラノール20wt%となるまで濃縮した溶液を用いて、液体クロマトグラフィーを用いて立体異性体の分取を行った。
<液体クロマトグラフィーの条件>
装置 GLサイエンス製液体クロマトグラフィー
ポンプ :PU715
カラムオーブン :CO705
フラクションコレクラー :FC204YMC-PackSIL-06 φ30mm×250mm
溶離液 :Cyclohexane/EtoAc =60/40
流速 :40mL/min
注入量 :5mL
温度 :40℃
検出 :得られたフラクションをELSD測定にて評価し、検出した。
得られたall-trans体の溶離液を静置することでall-trans体の結晶が得られたため、濾別により回収した。
・trans-trans-cis体(環状シラノール(B3))
all-trans体と同様の方法にて得られた溶離液を濃縮後イソプロパノールに置換することで得た。
(シラノール組成物の調製)
反応容器に、蒸溜水28g、テトラヒドロフラン(THF、和光純薬製)960mL、Pd/C(10%パラジウム-炭素、エヌ・イー ケムキャット社製)3.7gを入れて混合した後、反応容器の温度を5℃に維持した。
前記反応容器に1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン81g(東京化成製、D4Hとも記載する)を徐々に加え、2時間撹拌後、1H-NMRにてSiH基が消失するまでPd/C(10%パラジウム/炭素)1.8gずつ3回に分け、計17時間反応を行った。SiH基の消失は、反応液を、日本電子製NMR(ECZ400S)を用いて反応液1wt%濃度の重アセトン溶液で1H-NMRを測定し4~5ppmのSiH基の消失を確認した。
反応液に硫酸マグネシウム75gを添加し、5℃で30分撹拌後、セライトNo.545(和光純薬製)450gを、テトラヒドロフランを用いて漏斗へ充填した。続いて、反応液を、当該セライトを通過させ、テトラヒドロフラン1.5Lによってセライトを洗浄し、1,3,5,7-テトラヒドロキシ-1,3,5,7-テトラメチルテトラシクロシロキサン(以下、D4OHとも記載する)含有THF溶液2057gを得た。この溶液をエバポレーターで水浴15℃にて残量587g(649mL)となるまで濃縮し、テトラヒドロフラン217mLとジクロロメタン4.4Lとの混合溶媒中へ投じた。混合液を5℃で4時間静置後、析出した不溶物を減圧濾過し、結晶固体を22g回収した。可溶部のろ液6169gを減圧下で濃縮し、D4OH濃縮物(すなわち、ヒドロシロキサン酸化反応物)89gを得た。
さらに、D4OH濃縮物:両末端シラノール変性シロキサン:テトラヒドロフランが、質量比で、8:2:90となるように、D4OH濃縮物に両末端シラノール変性シロキサン(信越化学製X21-5841、分子量1000)及びテトラヒドロフランを添加し、テトラヒドロフランをエバポレーターで留去後、シラノール組成物を得た。
得られたシラノール組成物を用いて、前記(ヘイズの測定)の方法にしたがってヘイズを測定した。また、all-trans型及びcis-trans-cis型の環状シラノールの割合を1H-NMRにより算出した。
さらに、上述のようにして、遷移金属Pdの含有量を算出した。
前記(シラノール組成物の作製)で得られたシラノール組成物を、石英ガラス上にバーコーターNo.2を用いて3μm厚となるように塗布し、石英ガラスを載せ、80℃6時間、180℃6時間の温度プログラムで硬化させた。
硬化後に片方のガラス板のみを持ち上げ、ガラスが接着していることを確認後、得られた硬化物のヘイズを測定した。
D4OH濃縮物:両末端シラノール変性シロキサン:テトラヒドロフランが、質量比で、6:4:90となるようにしたこと以外は、製造例1と同様にしてシラノール組成物を得て、同様に実験を行った。
両末端シラノール変性シロキサン(信越化学製X21-5841、分子量1000)を、両末端シラノール変性シロキサン(信越化学製KF-9701、分子量3000)に替えたこと以外は、製造例1と同様にしてシラノール組成物を得て、同様に実験を行った。
両末端シラノール変性シロキサン(信越化学製X21-5841、分子量1000)を、両末端シラノール変性シロキサン(信越化学製KF-9701、分子量3000)に替え、且つ、D4OH濃縮物:両末端シラノール変性シロキサン:テトラヒドロフランが、質量比で、6:4:90となるようにしたこと以外は、製造例1と同様にしてシラノール組成物を得て、同様に実験を行った。
両末端シラノール変性シロキサン(信越化学製X21-5841、分子量1000)を、両末端シラノール変性シロキサン(Gelest製DMS-S15、分子量2000~3500)に替えたこと以外は、製造例1と同様にしてシラノール組成物を得て、同様に実験を行った。
両末端シラノール変性シロキサン(信越化学製X21-5841、分子量1000)を、両末端シラノール変性シロキサン(Gelest製DMS-S15、分子量2000~3500)に替え、且つ、D4OH濃縮物:両末端シラノール変性シロキサン:テトラヒドロフランが、質量比で、6:4:90となるようにしたこと以外は、製造例1と同様にしてシラノール組成物を得て、同様に実験を行った。
(シラノール組成物の作製)
反応容器に、蒸溜水28g、テトラヒドロフラン(THF、和光純薬製)960mL、Pd/C(10%パラジウム-炭素、エヌ・イー ケムキャット社製)3.7gを入れて混合した後、反応容器の温度を5℃に維持した。
前記反応容器に、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン81g(東京化成製、D4Hとも記載する。)を徐々に加え、2時間撹拌後、1H-NMRにてSiH基が消失するまで前記Pd/C(10%パラジウム-炭素)を1.8gずつ3回に分けて加し、合計17時間反応を行った。
反応液を、日本電子製NMR(ECZ400S)を用いて反応液1質量%濃度の重アセトン溶液で1H-NMRを測定し、4~5ppmのSiH基の消失を確認した。
反応液に硫酸マグネシウム75gを添加し、5℃で30分撹拌後、セライトNo.545(和光純薬製)450gを、テトラヒドロフランを用いて漏斗へ充填した。続いて、反応液を、当該セライトを通過させ、テトラヒドロフラン1.5Lによってセライトを洗浄し、1,3,5,7-テトラヒドロキシ-1,3,5,7-テトラメチルテトラシクロシロキサン(以下、D4OHとも記載する。)含有THF溶液2057gを得た。
この溶液をエバポレーターで水浴15℃にて残量587g(649mL)となるまで濃縮し、テトラヒドロフラン4.4Lとジクロロメタン217mLとの混合溶媒中へ投じた。混合液を5℃で4時間静置後、析出した不溶物を減圧濾過し、結晶固体を22g回収した。可溶部のろ液6169gを減圧下で濃縮し、D4OH濃縮物(すなわち、ヒドロシロキサン酸化反応物)89gを得た。
さらに、D4OH濃縮物:シリカを、質量比が50:50となるように、D4OH濃縮物にシリカ粒子(MEKST-40、日産化学社製、粒径40nm)を添加し、さらに固形分濃度16質量%となるようにイソプロパノールを加えることによりシラノール組成物(イソプロパノール溶液)を得た。
得られたシラノール組成物を用いて前記(ヘイズの測定)の方法にしたがってヘイズを測定し、GPCの微分分子量分布曲線におけるピーク面積の測定を行った。また、all-cis型及びcis-trans-cis型の環状シラノールの割合を1H-NMRにより算出した。
また、上述のようにして、遷移金属Pdの含有量を算出した。
前記(シラノール組成物の作製)で得られたシラノール組成物8.3gを、石英ガラス上にバーコーターNo.2を用いて3μm厚となるように塗布し、石英ガラスを載せ80℃6時間、180℃6時間の温度プログラムで硬化させた。
硬化後に片方のガラス板のみを持ち上げ、ガラスが接着していることを確認後、得られた硬化物のヘイズを測定した。
10cm角、厚さ1ミリのポリカーボネート板(タキロン1600)にプライマーSHP470FT2050(モメンティブ製)をバーコーターNo.16(アズワン製)で塗布後、30℃30分、120℃30分オーブンで硬化し、2μmのプライマーを塗布したポリカーボネート板を得た。
前記ポリカーボネート板に、前記(シラノール組成物の作製)で得られたシラノール組成物を、バーコーターNo.16で前記プライマーを塗布したポリカーボネート板に塗布した後、100℃で2時間、次いで120℃で2時間、オーブンにて硬化することにより硬化板を得た。
得られた硬化板を、摩耗輪にCALIBRASE CS-10F(TABER INDUSTRIES製)を取り付けた101 TABER TYPE ABRASION TESTER(Yasuda製)を用いて、回転速度60rpmにて500回のテーバー摩耗試験を行った。
なお、すべての測定用サンプルは、テーバー摩耗試験を行う前に、摩耗輪をST-11 REFACEING STONE(TABER INDUSTRIES製)を用いて回転速度60rpmにて25回研磨を行った。
テーバー摩耗試験後の測定用サンプルを、HAZE METER NDH 5000SP(NIPPON DENSHOKU製)を用いて、Hazeの測定を行い、テーバー摩耗試験前後のHazeの増加分(ΔHaze(%))を算出した。
D4OH濃縮物:シリカの質量比が75:25となるように(シリカ添加割合が25wt%である)シリカ粒子を添加したこと以外は、製造例7と同様の実験を行った。
(シラノール組成物の作製)
反応容器に、蒸溜水28g、テトラヒドロフラン(THF、和光純薬製)960mL、Pd/C(10%パラジウム/炭素、エヌ・イー ケムキャット社製)3.7gを入れて混合した後、反応容器の温度を5℃に維持した。
前記反応容器に、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン81g(東京化成製、D4Hとも記載する。)を徐々に加え、2時間撹拌後、1H-NMRにてSiH基が消失するまで前記Pd/C(10%パラジウム/炭素)を1.8gずつ3回に分けて添加し、合計17時間反応を行った。
反応液を、日本電子製NMR(ECZ400S)を用いて反応液1質量%濃度の重アセトン溶液で1H-NMRを測定し、4~5ppmのSiH基の消失を確認した。
反応液に硫酸マグネシウム75gを添加し、5℃で30分撹拌後、濾過助剤として、粉末セルロースKCフロックW50GK(日本製紙製)450gを、テトラヒドロフランを用いて漏斗へ充填した。続いて、反応液を、当該粉末セルロースを通過させ、テトラヒドロフラン1.5Lによって粉末セルロースを洗浄し、1,3,5,7-テトラヒドロキシ-1,3,5,7-テトラメチルテトラシクロシロキサン(以下、D4OHとも記載する。)含有THF溶液2057gを得た。
この溶液をエバポレーターで水浴15℃にて残量587g(649mL)となるまで濃縮し、テトラヒドロフラン4.4Lとジクロロメタン217mLとの混合溶媒中へ投じた。混合液を5℃で4時間静置後、析出した不溶物を減圧濾過し、結晶固体を22g回収した。可溶部のろ液6169gを減圧下で濃縮し、ヒドロシロキサン酸化反応物であるシラノール組成物(89g)を得た。
得られたシラノール組成物を用いて前記(ヘイズの測定)の方法にしたがってヘイズを測定し、GPCの微分分子量分布曲線におけるピーク面積の測定を行った。
また、all-trans型及びcis-trans-cis型の環状シラノールの割合を1H-NMRにより算出した。Na、Vの含有量、及び遷移金属(Pd)の含有量の測定を上記のようにして行った。
前記(シラノール組成物の調製)で得られたシラノール組成物8.3gを、石英ガラス上にバーコーターNo.2を用いて3μm厚となるように塗布し、これにさらに石英ガラスをのせ、80℃6時間、180℃6時間の温度プログラムで硬化させた。硬化後に片方のガラス板のみを持ち上げ、石英ガラスが接着していることを確認した。
(シラノール組成物の調製)
反応容器に、蒸溜水28g、テトラヒドロフラン(和光純薬製)960mL、Pd/C(10%パラジウム/炭素、エヌ・イー ケムキャット社製)3.7gを入れて混合した後、反応容器の温度を5℃に維持した。
前記反応容器に1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン81g(東京化成製、D4Hとも記載する)を徐々に加え、2時間撹拌後、1H-NMRにてSiH基が消失するまでPd/C(10%パラジウム/炭素)1.8gずつ3回に分け、計17時間反応を行った。SiH基の消失は、反応液を、日本電子製NMR(ECZ400S)を用いて反応液1wt%濃度の重アセトン溶液で1H-NMRを測定し、4~5ppmに存在するSiH基の消失を確認した。
反応液に硫酸マグネシウム75gを添加し、5℃で30分撹拌した。セライトNo.545(和光純薬製)450gを、テトラヒドロフランを用いて漏斗へ充填した。続いて、反応液を、当該セライトを通過させ、テトラヒドロフラン1.5Lによってセライトを洗浄し、1,3,5,7-テトラヒドロキシ-1,3,5,7-テトラメチルテトラシクロシロキサン(以下、D4OHとも記載する)含有THF溶液2057gを得た。この溶液をエバポレーターで水浴15℃にて残量587g(649mL)となるまで濃縮し、テトラヒドロフラン4.4Lとジクロロメタン217mLとの混合溶媒中へ投じた。混合液を5℃で4時間静置後、析出した不溶物を減圧濾過し、結晶固体を22g回収した。可溶部のろ液6169gを減圧下で濃縮し、シラノール組成物10wt%のテトラヒドロフラン及びジクロロメタン混合溶液となるまで濃縮した。シラノール組成物10wt%のテトラヒドロフラン及びジクロロメタン混合溶液10gを1gまで減圧下で濃縮後、再度100gのイソプロパノールを添加した。さらに、再度減圧下で濃縮を行い、所定の濃度のシラノール組成物(イソプロパノール溶液)を作製した。
得られたシラノール組成物を用いてヘイズ等の物性を評価した。また、環状シラノールの立体異性体割合を1H-NMRにより算出した。図11に1H-NMRスペクトルを示す。
製造例10にて作製したシラノール組成物(イソプロパノール溶液)に、前記(各立体異性体の調製)にて調製したall-trans体(環状シラノール(B4))を加え、all-trans体比率を43%としたこと以外は、製造例10と同様の実験を行った。
製造例10にて作製したシラノール組成物(イソプロパノール溶液)に、前記(各立体異性体の調製)にて調製したall-trans体(環状シラノール(B4))を加え、all-trans体比率を56%としたこと以外は、製造例10と同様の実験を行った。
製造例10にて作製したシラノール組成物(イソプロパノール溶液)に、前記(各立体異性体の調製)にて調製したall-cis体(環状シラノール(B1))を加え、all-cis体比率を31%としたこと以外は、製造例10と同様の実験を行った。
製造例10にて作製したシラノール組成物(イソプロパノール溶液)に、前記(各立体異性体の調製)にて調製したall-cis体(環状シラノール(B1))を加え、all-cis体比率を41%としたこと以外は、製造例10と同様の実験を行った。
製造例10にて作製したシラノール組成物(イソプロパノール溶液)に、前記(各立体異性体の調製)にて調製したtrans-trans-cis体(環状シラノール(B3))を加え、trans-trans-cis体比率を66%としたこと以外は、製造例10と同様の実験を行った。
製造例10の再結晶温度を-40℃としたこと以外は、製造例10と同様の実験を行った。図12に1H-NMRスペクトルを示す。
D4OH濃縮物に両末端シラノール変性シロキサン及びテトラヒドロフランを混合しなったこと以外は、製造例1と同様の実験を行った。
(構造A)
紫外線発光素子を基体にフリップチップ実装した後、上記製造例1で得られた樹脂組成物を紫外線発光素子の近傍に塗布し、毛細管現象を利用して、紫外線発光素子と基体との間の隙間に樹脂組成物を満たした。60℃で加熱(1段目の加熱)し、次いで100℃で加熱(2段目の加熱)することで、図1で示される樹脂組成物が基体と紫外線発光素子との間に存在する紫外線発光装置を得た。
紫外線発光素子を基体にフリップチップ実装した後、上記製造例1で得られた樹脂組成物を紫外線発光素子上に塗布し、紫外線発光素子の上面と側面を樹脂組成物で満たした。60℃で加熱(1段目の加熱)し、次いで100℃で加熱(2段目の加熱)することで、図2で示される樹脂組成物が前記紫外線発光素子の側面及び上面を覆っている紫外線発光装置を得た。
紫外線発光素子を基体にフリップチップ実装した後、さらに保護素子を金錫体を介して基体に接続した。上記製造例1で得られた樹脂組成物を保護素子の近傍に塗布し、毛細管現象を利用して、保護素子と基体との間の隙間に樹脂組成物を満たした。60℃で加熱(1段目の加熱)し、次いで100℃で加熱(2段目の加熱)することで、図3で示される樹脂組成物が基体と保護素子との間に存在する紫外線発光装置を得た。
紫外線発光素子をキャビティ構造を有する基体にフリップチップ実装した後、上記製造例1で得られた樹脂組成物を基体の壁部の上面に塗布し、保護部材を樹脂組成物の上から載せた。60℃で加熱(1段目の加熱)し、次いで100℃で加熱(2段目の加熱)することで、図4で示される基体の壁部の上面と保護部材との間に樹脂組成物が存在する紫外線発光装置を得た。
発光素子の連続発光装置を用いて、環境温度25℃、電流値350mAにおいて、1000時間連続駆動させた。その後、樹脂組成物のクラック発生を断面SEMにて観察した。加速電圧は5kV、倍率は1000倍で観察した。500nm以上のクラックが見られなかったものを○、見られたものを×とした。
発光素子の連続発光装置を用いて、環境温度25℃、電流値350mAにおいて、1000時間連続駆動させた。その後、樹脂組成物のクラック発生を断面SEMにて観察した。加速電圧は5kV、倍率は1000倍で観察した。500nm以上のクラックが見られなかったものを○、見られたものを×とした。
発光素子の連続発光装置を用いて、環境温度25℃、電流値350mAにおいて、1000時間連続駆動させた。その後、上面から保護部材越しに樹脂組成物のクラック発生をマイクロスコープにて観察した。目視でクラックの有無を判断し、クラックが見られなかったものを〇、見られたものを×とした。
EIAJ-ED-4703に準拠して測定される剪断強度を接着シェア強度とした。接着シェア強度は、連続通電前および350mA1000時間の連続通電後について評価した。表中には、5デバイスの測定結果において、その最小値と最大値を記載した。
製造例1の樹脂組成物の代わりに製造例2~17の樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により紫外線発光装置を製造し、各評価を行った。評価結果を表1及び2に示す。
製造例1の樹脂組成物の代わりにエポキシ樹脂(協立化学産業ワールドロック社製 5921)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により紫外線発光装置を製造し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
製造例1の樹脂組成物の代わりにシリコーンゴム(信越シリコーン社製 KE-182)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により紫外線発光装置を製造し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
製造例1の樹脂組成物の代わりにフッ素エラストマー(信越化学社製 SIFEL)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により紫外線発光装置を製造し、各評価を行った。評価結果を表2に示す。
Claims (6)
- 前記紫外線発光装置は保護素子をさらに含み、前記樹脂組成物が前記基体と前記保護素子との間に存在する、請求項1又は2に記載の紫外線発光装置。
- 前記基体はキャビティ構造を有し、基体の上部には保護部材が存在し、前記基体の壁部の上面と前記保護部材との間に前記樹脂組成物が存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の紫外線発光装置。
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