JP7249836B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
特許文献1に開示されているステアリング装置は、図7、図8、図9に示すようにその軸方向に伸縮自在に嵌合されているアッパージャケット202及びロアージャケット204を有するコラムジャケット200を有している。また、アッパージャケット202には、軸方向に並ぶ複数の穴を有するロックプレート206が固定されている。ロアージャケット204には、ロック部材208と、カム210とが回動自在に軸支されている。
ロック部材208は、ロックプレート206の軸方向に並設された複数の穴207に対して、カム210の回動に連動して選択的に係合または退避する。ロック部材208のツース209がロックプレート206の選択された穴207に対して係合することで、アッパージャケット202の軸方向における移動が制限され、すなわち、ロックされるようにしている。また、ロック部材208が取り付けられた支軸211には図示しないが脆弱部を有していて、2次衝突があった場合に、該脆弱部が破断してツース209が穴207から離脱することにより、ロックが解除されるようにしている。
コラムジャケット200内には、コラムシャフト220が配置されている。コラムシャフト220は、ロアージャケット204に対して軸心の回りで相対回動自在に支持されたロアーシャフト222と、アッパージャケット202に対して軸心の回りで相対回動自在に支持されたアッパーシャフト224とを有している。アッパーシャフト224は、図示しないハンドルの操作により、軸心の回りで回転される。
アッパーシャフト224とロアーシャフト222とは、スプライン嵌合やセレーション嵌合によって嵌合されていて、アッパーシャフト224はロアーシャフト222に対して、一体回転可能であるとともに、軸方向に沿って相対移動可能となっている。アッパーシャフト224が軸方向に移動する際、アッパージャケット202も同方向に一体に移動するように連結されている。このため、コラムシャフト220は、ロック部材208のロックが解除された状態では軸方向に伸縮可能となったテレスコピック機能を有している。
また、ロアージャケット204には、長孔226が軸方向に沿って形成されている。長孔226において、アッパージャケット202寄りの一部は、ロアージャケット204の内周面に凹設されているとともに、残りは、外周面において開口部227を有している。
アッパージャケット202において、ロアージャケット204内に摺動自在に挿入された基端部には、取付孔228が透設されていて、取付孔228にはストッパ230が嵌合されている。ストッパ230は、取付孔228に嵌入した基部232と、基部232に対して一体に形成されて、長孔226内に位置するとともに、四方へ張り出したフランジ233には当接部234を有している。ストッパ230は、アッパージャケット202がロアージャケット204に対して伸張する際に、長孔226の車体の後方側端部226Aに当接部234が当接することにより、アッパージャケット202(アッパーシャフト224)の必要以上の車体側への相対移動を規制する。また、ストッパ230は、アッパージャケット202がロアージャケット204に対して収縮する際に、長孔226の車体前方側端部(図示しない)に当接部234が当接することにより、アッパージャケット202(アッパーシャフト224)の必要以上の車体前方側への相対移動を規制する。
図8に示すように、ストッパ230は当接部234と、アッパージャケット202との間には、緩衝材240が配置されている。緩衝材240は、ストッパ230及びアッパージャケット202よりも軟質の合成樹脂からなる。図10(c)に示すように、緩衝材240は、コラムシャフト220の軸方向に延出した一対のアーム242と両アーム242の基端間を連結する連結部244とによりコ字状に形成された枠体246と、各アーム242において、下方及び上方へそれぞれ延出された爪247、248とを有している。アーム242と連結部244の高さは同じとしている。
図10(a)及び図10(b)に示すように、爪247は基部232に形成された凹溝249に嵌合された状態で取付孔228に挿入されて該取付孔228の内周縁に係止されている。図10(a)及び図10(b)に示すように、爪248はフランジ233に形成された凹部235を介して当接部234の上面に掛け止められている。緩衝材240は、爪247及び爪248が凹溝249及び凹部235にそれぞれ規制されて、前記軸方向において、車体及びへの移動が規制される。また、緩衝材240は、爪247が、凹溝249に規制されて、軸方向Aにおいて、車体後方への移動が規制される。
上記ステアリング装置では、テレスコピック機能によりハンドル位置の調整が可能となっているとともに、衝突時の安全性を確保するためにステアリングコラムは回転トルクを伝える以外に、軸方向へ摺動する機能を有するようにしている。すなわち、車体衝突時にドライバーの膝がコラムジャケット200に当たる2次衝突があると支軸211の脆弱部が破断してロックが解除されることにより、コラムジャケット200及びコラムシャフト220が収縮する。
特開2018-144810号公報
ところで、2次衝突の試験をダミー人形で行った結果、2次衝突によるアッパージャケット202が車体前方向への移動以外に、短時間(すなわち、コラムジャケット200及びコラムシャフト220が収縮する時間)でアッパージャケット202の軸心回りの回転方向の振動が生じていることが観測された。
すなわち、前記アッパージャケット202の車体前方への移動中に、この回転方向の振動により、ストッパ230が長孔226の内側面に当たる毎に長孔226の内側面に対する傾きと浮き上がり量が増加して、取付孔228からストッパ230が抜け出ることが観測された。
この振動の原因は、定かではないが、アッパージャケット202に対して、ダミー人形の膝により時計回り及び反時計回り方向へ回転力が複数回加わること、ストッパ230が長孔226の内側面に当たり、その時の反動が生じていることが絡み合っているのではないかと推測される。図9に示すように従来例では、長孔226において、ロアージャケット204の外周面に形成された開口部227において、ストッパ230が抜け出たことが観測されている。
このように、ストッパ230がアッパージャケット202から抜け出た状態では、1次衝突及び2次衝突後に当該車体を操舵する場合であって、ハンドルを車体の後方へ摺動させたとき、アッパーシャフトがロアーシャフトから抜けてしまい、操舵が不能になる虞がある。
本発明の目的は、2次衝突におけるアッパージャケットからのストッパの抜けを防止するステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明のステアリング装置は、軸方向に伸縮可能なコラムシャフトを内包した状態で回転自在に支持するコラムジャケットであって、車体に支持されるロアージャケットと、前記ロアージャケットに対して軸方向に移動可能に内嵌された筒状のアッパージャケットを有するコラムジャケットと、前記アッパージャケットの周面に設けられた取付孔に取り付けられたストッパであって、前記取付孔に嵌入された基部と、前記基部に一体に設けられたフランジとを有し、前記アッパージャケットが移動時に該ロアージャケットに軸方向に延びる長孔の両端部に前記フランジの当接部がそれぞれ当接するストッパと、前記フランジと前記アッパージャケットとの間に配置された介在物と、前記コラムシャフトの伸縮の位置調節が可能なロック解除状態とその位置を保持するロック状態の遷移を可能とし、かつ2次衝突時に前記ロック状態を解除するロック機構と、を有したステアリング装置において、L<0としたものである。
ただし、L=(a+d)・sinθ+B(1-cosθ)-(B-C-t)であり、Bは基部の高さ、Cは介在物の高さ、tは取付孔の深さ、aは軸方向に直交する基部の長さ、bは軸方向に直交する取付孔の長さ、dはフランジとアッパージャケット間に存する介在物の幅、θは取付孔に対するストッパの傾斜角である。
上記の構成により、2次衝突時において、短時間でアッパージャケットの軸心回りの回転方向の振動が生じた場合において、ストッパの傾きを最小で維持でき、ストッパの抜けを防止できる。
また、前記ストッパは金属製であり、前記介在物は、前記金属製よりも軟質の緩衝材であることが好ましい。
上記の構成により、ストッパが金属製であって、介在物が軟質の緩衝材からなるため、アッパージャケットの移動時にストッパからの金属音の発生が抑制される。
また、本発明のステアリング装置は、軸方向に伸縮可能なコラムシャフトを内包した状態で回転自在に支持するコラムジャケットであって、車体に支持されるロアージャケットと、前記ロアージャケットに対して軸方向に移動可能に内嵌された筒状のアッパージャケットを有するコラムジャケットと、前記アッパージャケットの周面に設けられた取付孔に取り付けられたストッパであって、前記取付孔に嵌入された基部と、前記基部に一体に設けられたフランジとを有し、前記アッパージャケットが移動時に該ロアージャケットに軸方向に延びる長孔の両端部に前記フランジの当接部がそれぞれ当接するストッパと、前記コラムシャフトの伸縮の位置調節が可能なロック解除状態とその位置を保持するロック状態の遷移を可能とし、かつ2次衝突時に前記ロック状態を解除するロック機構と、を有したステアリング装置において、L<0としたものである。
ただし、L=(a+d)・sinθ+B(1-cosθ)-(B-t)であり、Bは基部の高さ、tは取付孔の深さ、aは軸方向に直交する基部の長さ、bは軸方向に直交する取付孔の長さ、dはフランジの張出し長さ、θは取付孔に対するストッパの傾斜角である。
上記の構成により、2次衝突時において、短時間でアッパージャケットの軸心回りの回転方向の振動が生じた場合において、ストッパの傾きを最小で維持でき、ストッパの抜けを防止できる。
本発明によれば、2次衝突におけるアッパージャケットからのストッパの抜けを防止することができる効果を奏する。
ステアリング装置を電動パワーステアリング装置に具体化した一実施形態の概略構成を示した断面図。 図1の2-2線断面図。 図1の3-3線横断面図。 ステアリング装置の要部縦断面図。 (a)はストッパと緩衝材の組立斜視図、(b)はストッパの斜視図、(c)は緩衝材の斜視図。 (a)~(c)はストッパとアッパージャケットに対する取付の状態の説明図、(d)はストッパの傾斜角と、ストッパの基部の端部と取付孔との距離の関係を示す特性図。 従来例のステアリング装置の要部縦断面図。 従来例のステアリング装置の横断面図。 ステアリング装置の横断面図。 (a)は従来例のストッパと緩衝材の組立斜視図、(b)は従来例のストッパの斜視図、(c)は従来例の緩衝材の斜視図。
以下、ステアリング装置を電動パワーステアリング装置(以下「EPS」という。)に具体化した一実施形態を説明する。
図1に示すように、EPS10は、運転者の操舵部材としてのステアリングホイール12の操作により転舵輪13、13を転舵させる操舵機構15、及び運転者のステアリングホイール12の操作を補助するアシスト機構16を有している。また、EPS10は、操舵機構15の一部を車体17に支持するステアリングコラム装置18、及びステアリングホイール12のテレスコピック機構及びチルト機構をロックするロック機構19を備えている。
操舵機構15は、ステアリングシャフト20、及びラックシャフト21を備えている。ラックシャフト21は、その外周面にラック歯が設けられている。ステアリングシャフト20は、コラムシャフト22、インターミディエイトシャフト23、及びピニオンシャフト24を有している。コラムシャフト22は、中空状のアッパーシャフト25、及び軸状のロアーシャフト26を有している。アッパーシャフト25の上端部には、ステアリングホイール12が連結されている。ロアーシャフト26は、アッパーシャフト25に対してスプライン嵌合されることによって、当該アッパーシャフト25に対して軸方向Aに沿った相対的な移動が可能であって、且つ当該アッパーシャフト25と一体回転可能である。ロアーシャフト26の下端部にはインターミディエイトシャフト23を介してピニオンシャフト24が連結されている。ピニオンシャフト24の下端部には、ピニオン歯が設けられている。ピニオン歯は、ラックシャフト21のラック歯と噛み合っている。
従って、ステアリングシャフト20の回転運動は、ピニオンシャフト24のピニオン歯が設けられた部分及びラックシャフト21のラック歯が設けられた部分からなるラックアンドピニオン機構14を介してラックシャフト21の軸方向Aの往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラックシャフト21の両軸端部にそれぞれ連結されたタイロッド11を介して、車体左右方向の転舵輪13、13にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪13、13の転舵角が変化する。
アシスト機構16は、ラックシャフト21の周囲に設けられている。アシスト機構16は、アシストトルクの発生源であるモータ、及びモータの回転力をラックシャフト21の軸方向Aに沿った方向の力に変換する減速機構を有している。このラックシャフト21に付与される軸方向Aの力がアシスト力となり、運転者のステアリングホイール12の操作を補助する。なお、前記アシスト機構16の構成は一例であり、アシスト機構16の設置位置については適宜変更してもよい。
ステアリングコラム装置18は、車体17に対して、ステアリングシャフト20を回転可能に支持する。ステアリングコラム装置18は、コラムシャフト22を回転可能に収容するコラムジャケット30と、コラムジャケット30を車体17に固定するロアーブラケット31及びアッパーブラケット32と、を有している。EPS10が車体に搭載された状態において、ステアリングシャフト20は、コラムシャフト22が設けられた車体前方側の端部が、ステアリングホイール12が設けられた車体後方側の端部よりも鉛直方向下側に位置するように傾斜した状態で、車体17に支持されている。
図1に示すように、コラムジャケット30は、円筒状のアッパージャケット33と円筒状のロアージャケット34とを有している。アッパージャケット33は、ロアージャケット34に内嵌されていて、ロアージャケット34に対してその軸方向Aに相対的に摺動可能である。このため、コラムジャケット30は、アッパージャケット33及びロアージャケット34の軸方向Aにおける相対的な摺動を通じて、その軸方向Aにおいて伸縮可能である。アッパージャケット33は、軸受35を介してアッパーシャフト25を回転可能に支持するとともに、アッパーシャフト25と一体的に軸方向Aへ移動する。ロアージャケット34は、金属製であって、軸受36を介してロアーシャフト26を回転可能に、且つ軸方向Aへの移動を規制した状態で収容している。
そのため、コラムジャケット30の伸縮に伴い、コラムシャフト22も伸縮する。ここで、コラムシャフト22及びコラムジャケット30を伸縮させるための二重筒構造をテレスコピック構造という。コラムシャフト22及びコラムジャケット30を伸縮させることにより、ステアリングホイール12の軸方向Aの位置の調整が可能となっている。
アッパージャケット33において、ロアージャケット34が外嵌されている部分の外周面の一部には、略直方体形状のストッパ40が取り付けられている。
ロアージャケット34のステアリングホイール12と反対側(車体前方側)の端部(図1中の左端部)には、支持部46が設けられている。支持部46は、車体前方側へ向けて突出している。ロアージャケット34は、支持部46を介して車体17に対して回転可能に支持されている。具体的には、車体17には、ロアーブラケット31が固定されている。ロアーブラケット31には、ロアージャケット34の軸方向Aに対して直交して車体左右方向に延びるチルト支軸47を介して支持部46が連結されている。そのため、コラムジャケット30は、コラムシャフト22を伴って、チルト支軸47を中心にその周方向に沿って回動する。コラムジャケット30をコラムシャフト22を伴って回動させることにより、ステアリングホイール12の傾斜角度を調整可能となっている。このようにEPS10は、コラムジャケット30を回動可能に支持してステアリングホイール12の傾斜角度を調整するチルト機構を備えている。
図2に示すように、ロアージャケット34は、軸方向Aに直交する面に沿って切断したときの断面が略U字形状をなしている。ロアージャケット34は、一対の腕部37及びこれらの腕部37を連結する頂部38を有している。ロアージャケット34の頂部38(U字頂点)の内面には、軸方向Aに沿って延出された長孔39が設けられている(図1参照)。
長孔39において、軸受36側には、外部に開放された開口部41が形成されている。ストッパ40は、ロアージャケット34外部から開口部41を通過させて、アッパージャケット33に対して取り付けられている。
図5(a)、図5(b)に示すように、ストッパ40は、金属製であって、略直方体状の基部42と、基部42の上部に一体に連結されて基部42から軸方向Aに含まれる2方向、及び軸方向Aと直交する2方向に張出し形成されたフランジ44を有する。また、フランジ44において、軸方向Aに向かう部位は当接部43としている。基部42の先端には、四方周囲が面取りされて基部42の横断面積よりも横断面積が狭い面取り部42aが設けられている。基部42の長手方向は、軸方向Aと一致している。
アッパージャケット33の基端外周には軸方向Aに沿って延出して透設された長方形状の取付孔45が形成されている。図6(a)に示す取付孔45はその中心線Mがロアーシャフト26の軸心と直交するように配置されている。ストッパ40の基部42は、図1、図2に示すように、取付孔45に対して後述する凹溝56及びガイド溝54を除く外側面が摺接するように嵌合され、その先端部がアッパージャケット33内に突出するように配置されている。
図2に示すように、ストッパ40のフランジ44と、アッパージャケット33との間には、介在物としての緩衝材48が配置されている。緩衝材48は、ストッパ40及びアッパージャケット33よりも軟質の合成樹脂からなる。図5(c)に示すように、緩衝材48は、軸方向Aに延出した一対のアーム49と両アーム49の基端間を連結する連結部50とによりコ字状に形成された枠体51と、各アーム49において、下方及び上方へそれぞれ延出された爪52、53とを有している。アーム49と連結部50の高さは同じとしている。
図2、図3に示すように、爪52は取付孔45に挿入されて取付孔45の内周縁に係止されている。図5(a)及び図5(b)に示すように、爪53はフランジ44に形成されたガイド溝54を介してストッパ40の上面に掛け止められている。
また、両アーム49において、相対する面には、四角柱状の規制片55が爪52と同方向へ延出されている。図5(b)に示すように、基部42の長手方向に延びる両側面には、ストッパ40に対して枠体51を取付けるときに爪52をガイドするガイド溝54と、凹溝56が設けられている。緩衝材48は、爪52及び規制片55が、ガイド溝54及び凹溝56にそれぞれ規制されて、軸方向Aにおいて、車体前方への移動が規制される。また、緩衝材48は、爪52が、ガイド溝54に規制されて、軸方向Aにおいて、車体後方への移動が規制される。
ここで、ストッパ40と、緩衝材48と、取付孔45のそれぞれの所定の部位の寸法及び傾斜角との関係について説明する。
図6(b)に示すように、傾斜していない状態のストッパ40において、基部42の高さ(中心線Mに沿う方向の長さ)をBとし、フランジ44とアッパージャケット33との間に存する緩衝材48(アーム49及び連結部50)の高さをCとし、アーム49の幅(図6(b)において、左右方向の長さ)をdとする。
ここで、図6(c)に示すように、ロアーシャフト26の軸心と直交する仮想平面に含まれて取付孔45の中心線Mと平行な軸をY軸とし、前記仮想平面に含まれてY軸に直交する軸をX軸とする座標軸を想定する。この座標軸において、取付孔45のロアーシャフト26側の縁部Q(以下、ポイントQという)と、基部42の先端縁部P(以下、ポイントPという)との距離において、Y軸成分の距離をLとする。
また、図6(a)に示すように、基部42の車体左右方向の長さをaとし、取付孔45の車体左右方向の長さをbとする。
また、図6(a)に示すように取付孔45に対するストッパ40の傾斜角をθとする。なお、説明の便宜上、図6(a)では、取付孔45の車体左右方向の内面は、取付孔45の中心線Mと平行となるように形成されており、このため、この内面に含まれる直線M1と基部42の相対する側面との角度をθで図示している。
正しくは、傾斜角θは、ストッパ40が取付孔45に対して取り付けられている状態で、取付孔45の中心線Mがアッパージャケット33の軸心に直交するように形成していることを前提として、その中心線Mに対するストッパ40の中心線の傾き角度である。従って、両中心線が合致する場合は、ストッパ40は取付孔45に対して傾きがない場合であってθ=0である。
上記Y軸成分の距離Lと、基部42の高さB、緩衝材48の高さC、取付孔45の深さt及び傾斜角θとの関係は、下式であらわすことができる。
θ=arcsin((-at’+b√(t'^2-a^2+b^2))/t'^2+b^2)
ここで、t'はL≦0のとき、t'=tであり、L>0のとき、t'=t-Lである。なお、式中、「^」はべき乗を示している。ここでL>0のときは、ポイントPがポイントQより上になったことを意味している。そして、Lの変化量ΔLが浮き上がり量となる。
また、距離Lは、下記式であらわすことができる。
L=(a+d)・sinθ+B(1-cosθ)-(B-C-t)
本実施形態では、上記の距離LがL<0となるように、基部42の高さB、緩衝材48の高さC、取付孔45の深さt、基部42の車体左右方向(すなわち、軸方向Aに直交する方向)の長さa、取付孔45の車体左右方向(軸方向Aに直交する方向)の長さb、及びアーム49の幅dの寸法が設定されている。
図1に示すように、アッパージャケット33は、ストッパ40が軸方向Aにおいて、長孔39の車体前方側の端部に当接する位置と、長孔39の車体後方側の端部に当接する位置との間の範囲でロアージャケット34に対して相対移動が可能である。ここで、長孔39の軸方向Aにおける長さは、後述する車体衝突時の衝撃荷重を吸収するためのアッパージャケット33の最大移動量を考慮して設定されている。
図2に示すように、ロアージャケット34において、一対の腕部37は、車体左右方向において互いに対向している。一対の腕部37には、車体左右方向に貫通する貫通孔57が形成されている。両貫通孔57は、同一の軸線上に位置している。
図2に示すように、アッパーブラケット32は、車体上方側からコラムジャケット30の一部の外面を覆うように設けられている。アッパーブラケット32は、コラムジャケット30の軸方向Aに直交する向きに沿って切断したときの断面が略U字形状をなしている。アッパーブラケット32は、一対の側板58と、一対の側板58に対して直交して連結する連結板59とを有している。一対の側板58は、車体左右方向(図2中の左右方向)において、ロアージャケット34の一対の腕部37の外側面60を挟んで互いに対向している。連結板59は、車体上下方向(図2中の上下方向)において、ストッパ40と対向している。連結板59の車体左右方向における長さは、一対の側板58の配置間隔よりも長く設定されている。連結板59が車体17に取り付けられることにより、アッパーブラケット32は、車体17に固定されている。
一対の側板58には、側板58の厚み方向(軸方向Aに直交する方向)に貫通したチルト用長孔61が形成されている。
図1に示すように、チルト用長孔61は、チルト支軸47を中心軸としたコラムジャケット30の回転方向(図1中のD方向)に沿う円弧状に形成され、ロアージャケット34の貫通孔57に重畳されるように設けられている。
図4に示すように、ロック機構19は、操作レバー62、締付軸63、カム部材64、ロック部材65、付勢部材66、支持軸67、及びロックプレート68を有している。なお、ロック機構19は、説明の便宜上、初期状態を「ロック状態」として説明する。
図2に示すように、ロックプレート68は、アッパージャケット33の外周面におけるロアージャケット34の2つの腕部37の間の部分に設けられている。ロックプレート68は、軸方向Aに延びる板状をなしており、アッパージャケット33の外周面に沿って湾曲している。ロックプレート68は、アッパージャケット33に対して溶接等で固定されている。ロックプレート68は、アッパージャケット33とともにロアージャケット34に対して軸方向Aに相対移動可能である。
図4に示すように、ロックプレート68には、アッパージャケット33の周方向に沿って延びる複数の孔部69が、その軸方向Aに沿って等間隔に設けられている。各孔部69は、ロックプレート68の厚み方向に貫通している。ロックプレート68において、軸方向Aにおいて隣接する孔部69の間には仕切部70が形成されている。
図2に示すように、アッパーブラケット32において、両側板58のチルト用長孔61及びロアージャケット34において両腕部37の貫通孔57には、通しボルトからなる締付軸63が挿通されている。そのため、コラムジャケット30は、締付軸63がチルト用長孔61の上端に係合する位置と下端に係合する位置との間の範囲においてチルト支軸47を中心に回動可能である。締付軸63の先端には、ナット71が締め付けられている。ナット71と一方の側板58との間には、スラストワッシャー等が介在されている。締付軸63の頭部72と他方の側板58との間には、頭部72側から順に操作レバー62、第1カム73、及び第2カム74が介在されている。操作レバー62及び第1カム73は、締付軸63に対して一体回転可能に取り付けられている。第2カム74の第1カム73と反対側の端部は、チルト用長孔61を通過して腕部37の外側面60に当接している。
第2カム74は、締付軸63に対して相対回転可能に取り付けられている。第1カム73及び第2カム74は、それぞれ図示しないカム突起を有していて、操作レバー62の回転操作を通じて、第1カム73及び第2カム74のそれぞれのカム突起が互いに乗り上げている状態と当該乗り上げが解除された状態との間で切り替わる。操作レバー62がロック位置にあるとき、それぞれの突起は互いに乗り上げた状態となる。操作レバー62がロック解除位置にあるとき、それぞれの突起の乗り上げた状態が解除される。
第1カム73及び第2カム74のカム突起が互いに乗り上げたロック状態においては、第2カム74のフランジが締付軸63の軸方向におけるナット71側へ向けて押圧されて、一対の腕部37が締付軸63の頭部72側とナット71側とから締め付けられた状態に保たれている。これにより、一対の腕部37は、それらの間隔が狭くなるかたちで弾性変形するように締め付けられる。これに伴い、ロアージャケット34の内周部が縮径するかたちで弾性変形し、ロアージャケット34の内周部は、アッパージャケット33の外周部に圧接している。
一対の側板58とロアージャケット34との間の摩擦力により、コラムジャケット30のチルト支軸47を中心とする回動(チルト動作)が規制されている。また、アッパージャケット33及びロアージャケット34の間の摩擦力により、アッパージャケット33のロアージャケット34に対する軸方向Aへの移動(テレスコ動作)が規制されている。ロック機構19が、ロック状態に保たれることにより、ステアリングホイール12の傾斜角度及び軸方向Aにおける位置が固定されている。
図2及び図4に示すように、カム部材64は、ロアージャケット34の一対の腕部37の間において、締付軸63に嵌合されて一体回転可能とされている。図4に示すように、カム部材64は、車体上下方向において、ロックプレート68と対向している。カム部材64の基端は、締付軸63に対して嵌合されていて締付軸63と一体回動可能となっている。カム部材64は先端にカム部75が形成されている。図4に示すようにカム部75はカム部材64の基端から外側へ向けて細くなる略三角形状をなし、三角形外端の頂点が位置している。
図1及び図4に示す支持軸67は、合成樹脂からなり、締付軸63よりも軸受36側に寄って締付軸63と平行に配置されて両腕部37間に回動自在に架設されている。なお、支持軸67には、2次衝突時に軸方向Aに向かう力が印加された場合、破断する脆弱部(図示しない)が形成されている。
図4に示すように支持軸67には、ロック部材65が一体に支持されている。カム部材64及びロック部材65は、軸方向Aにおいて、隣接している。ロック部材65は、車体上下方向(図4中の下側)において、ロックプレート68と対向している。ロック部材65は、支持軸67の軸方向からみて、カム部材64側(図4中の右側)へ向けて開口する略V字形状をなしている。
すなわち、ロック部材65は、カム部75に向かって延出されたカムフォロワ部76と、ロックプレート68側に配置されるようにカムフォロワ部76よりも上方に位置するように延出されたロック部77を有している。図4に示すようにロック部77の先端の一部分にはロックプレート68側へ突出するツース78が一体的に設けられている。カムフォロワ部76は、軸方向Aにおいて、カム部材64のカム部75に対向している。
図4に示すように、付勢部材66は、本実施形態ではねじりコイルばねで形成されているが、ねじりコイルばねに限定するものではない。付勢部材66は、ロック部材65の基端の筒部外周面に装着されている。付勢部材66の一端は、ロック部材65のカムフォロワ部76の外側面に係止されるように折り曲げられている。付勢部材66の他端は、カム部材64の基端の筒部の外周面にロックプレート68側から係止されている。ロック部材65は、付勢部材66の弾性力により、ツース78がロックプレート68に近接する方向(図4中の反時計方向)へ常に回転付勢される。
ロック機構19がロック状態であるとき、ロック部材65のツース78は、ロックプレート68の複数の孔部69内のいずれか1つに対して進出し、且つ係合された状態に維持されている。このとき、図4に示すようにカム部材64とロック部材65とは接触していないように配置されている。
このようにロック機構19がロック状態の場合、ロアージャケット34に対するアッパージャケット33の軸方向Aにおける相対移動が規制される。なお、テレスコ動作を規制するには、一対の腕部37の締め付けに伴うロアージャケット34とアッパージャケット33との間の摩擦力で必要十分とされており、ロック部材65のツース78がロックプレート68の孔部69に係合することによる効果は、次に説明する車体衝突(1次衝突)時の衝突荷重を軽減する際に発揮される。
図1に示すように、車体衝突(1次衝突)時には、ステアリングシャフト20及びコラムジャケット30には、いわゆる2次衝突による衝突荷重が軸方向Aにおける車体前方へ作用する。このとき、アッパージャケット33及びアッパーシャフト25が収縮しようとする。それに伴い、ロックプレート68の孔部69に係合しているロック部材65には、ツース78を介してステアリングホイール12側からの衝突荷重が作用する。尚、アッパージャケット33の位置によっては、ツース78が孔部69に係合せず、仕切部70に当接している状態もあり得るが、衝突荷重によってアッパージャケット33が軸方向Aに移動することで、直ちにツース78は孔部69に係合する。
これにより、図3に示すように、支持軸67が脆弱部(図示しない)において破断し、ロック部材65が支持軸67から脱落することにより、ロックプレート68の孔部69に係合していたツース78が、孔部69から離脱する。
図1に示すように、ロック部材65のツース78がロックプレート68の孔部69から離脱することによって、アッパージャケット33がロアージャケット34に対して、軸方向Aに沿って収縮するように移動する。このとき、アッパージャケット33は、ストッパ40がロアージャケット34の長孔39の内部を移動し、ストッパ40が長孔39の車体前方側(図1の左側)の端部に当接するまで移動する。したがって、支持軸67の破断と、アッパージャケット33の軸方向Aにおける移動とによって、2次衝突時の衝突荷重を軽減する。
図4に示すように、ロック機構19がロック状態では、カム部材64及びロック部材65は互いに当接していない。このロック状態からロック解除状態へ切りかえる場合について説明する。
図4に示すロック位置にある操作レバー62をロック解除位置へ向けて(図4の時計方向)回動させる。図2に示すように、操作レバー62の回動に応じて、第1カム73が第2カム74に対して相対的に回転し、操作レバー62がロック解除位置に至るタイミングで第1カム73及び第2カム74の図示しないカム突起が互いに乗り上げた状態が解除される。これにより、第2カム74とナット71との間における一対の側板58に対する締め付けが解除される。そのため、一対の側板58と一対の腕部37との間に生じる摩擦力、及びロアージャケット34とアッパージャケット33との間に生じる摩擦力がロック状態のときよりも小さくなる。
また、操作レバー62を回動させることに伴い、カム部材64が図4のE矢印方向へ回動してカムフォロワ部76に当接し、さらにカム部75がロック部材65に向けて回動すると、カム部75の先端がカムフォロワ部76を押し下げるようにしてこのカムフォロワ部76の内側(V字の内角側)に乗り上げる。この乗り上げに伴い、ロック部材65は、付勢部材66の弾性力に抗して、カムフォロワ部76がコラムジャケット30から離間する方向(図4におけるF矢印方向)へ向けて回転する。このロック部材65の回転に伴い、ロック部77のツース78がロックプレート68の孔部69から離脱する。
このように、ロック部材65のツース78がロックプレート68の孔部69から離脱と、同時に行われる一対の腕部37の締め付けの解除とあいまって、ロアージャケット34に対するアッパージャケット33の軸方向Aにおける相対移動の規制が解除される。そして、操作レバー62のロック位置からロック解除位置への操作により、ロック機構19は、アッパージャケット33のロアージャケット34に対する軸方向Aへの移動、及びコラムジャケット30のチルト支軸47を中心とした回動が許容されるロック解除状態となる。
従って、ステアリングホイール12を軸方向Aに沿って移動させること、及びチルト支軸47を中心として回転させることが可能となる。これにより、ステアリングホイール12の軸方向Aにおける位置及び傾斜角度の調整が可能となる。
(実施形態の作用)
次に、上記のように構成されたEPS10の作用について説明する。
1次衝突後の2次衝突では、前述したように支持軸67が破断されて、ロック部材65のツース78がロックプレート68の孔部69から離脱することによって、アッパージャケット33がロアージャケット34に対して、軸方向Aに沿って車体前方へ収縮するように移動する。
このアッパージャケット33が車体前方向への移動以外に、短時間でアッパージャケット33の軸心回りの回転による振動(以下、回転振動という)が複数回あっても、取付孔45のポイントQとポイントPとの距離LをL<0未満としているため、ストッパ40が取付孔45から抜け出すことがない。
図6(d)は、シミュレーションで行った計測結果を示していて、回転振動があったときのストッパ40の傾斜角θと、ストッパ40の基部42の端部と取付孔45との距離Lの関係を示す特性図である。同図に示すように、距離L<0の場合は、回転振動があっても、傾斜角θは一定となっている。
すなわち、この距離L<0の領域では回転振動があっても、同図において、往復矢印Gで示すように傾斜角θが変化せず、θを最小に維持でき、従って、ストッパ40は取付孔45から抜け出すことがないことを意味している。
一方、同図に示すように、距離L≧0は、回転振動により、傾斜角θは距離Lの増加に応じて増加する領域となっている。すなわち、この距離L≧0の領域では回転振動毎に同図において、往復矢印Hで示すように傾斜角θが増加し、それに応じて距離Lも増加(発散)する。すなわち、この距離L≧0の領域ではストッパ40は取付孔45から抜け出す方向に移動し、その結果、ストッパは、取付孔45から抜け出てしまうことになる。
ここで、距離L≧0の領域では、一回目のストッパ40の浮き上がり時の距離L1は、図6(d)に示す特性図の関係では、
L1=(a+d)・sinθ+B(1-cosθ)-(B-C-t)
(θ=arcsin((-at’+b√(t'^2-a^2+b^2))/t'^2+b^2))
となる。
このため、L1<0となるようにすれば、距離Lが発散することがなくなる。
前記実施形態では、距離LをL<0としているため、ストッパ40が取付孔45から抜け出ることは決してないことになる。
したがって、本実施の形態にかかるEPS10によれば次の作用及び効果が得られる。
(1)本実施形態のEPS10は、軸方向Aに伸縮可能なコラムシャフト22を内包した状態で回転自在に支持するコラムジャケット30を有している。該コラムジャケット30は、車体17に支持されるロアージャケット34と、ロアージャケット34に対して軸方向に移動可能に内嵌された筒状のアッパージャケット33を有していて、コラムシャフト22と共に伸縮可能としている。
また、EPS10は、アッパージャケット33の周面に形成された取付孔45に取り付けられたストッパ40を有している。ストッパ40は、取付孔45に嵌入された基部42と、ロアージャケット34に軸方向に延出された長孔39に係入されたフランジ44とを一体に有している。ストッパ40は、アッパージャケット33が移動時にフランジ44の当接部43が長孔39の両端部にそれぞれ当接して、アッパージャケット33の移動範囲を規制する。また、EPS10は、ストッパ40とアッパージャケット33間には、当接部43をアッパージャケット33から離間させる緩衝材48(介在物)と、コラムシャフト22の伸縮の位置調節が可能なロック解除状態とその位置を保持するロック状態の遷移を可能とし、かつ2次衝突時に前記ロック状態を解除するロック機構19と、を有している。そして、取付孔45のポイントQと、基部42において、ポイントPとのY軸成分の距離をLとする。また、取付孔45に対するストッパ40の傾斜角をθとする。
そして、本実施形態では、距離Lが、L<0となるように基部42の高さB、緩衝材48の高さC、取付孔45の深さt、基部42の車体左右方向(すなわち、軸方向Aに直交する方向)の長さa、取付孔45の車体左右方向(軸方向Aに直交する方向)の長さb、及びアーム49の幅dの寸法が設定されている。
この結果、2次衝突におけるアッパージャケットからのストッパの抜けを防止できる効果を奏する。
(2)本実施形態では、ストッパ40は金属製であり、緩衝材48(介在物)は、前記金属製よりも軟質としている。この結果、ストッパが金属製であって、介在物が軟質の緩衝材からなるため、アッパージャケットの移動時にストッパからの金属音の発生が抑制される。
なお、本発明の実施形態は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更しても良い。
・前記実施形態において、緩衝材48を省略してもよい。
この場合、L<0とする。
ただし、L=(a+d)・sinθ+B(1-cosθ)-(B-t)とする。この場合、Bは基部の高さ、tは取付孔の深さ、aは軸方向に直交する基部42の長さ、bは軸方向に直交する取付孔の長さ、dはフランジ44の基部42からの張出し長さ、θは取付孔に対するストッパの傾斜角とする。
このようにすることにより介在物がない場合においても、前記実施形態と同様に2次衝突におけるアッパージャケットからのストッパの抜けを防止できる効果を奏する。
・前記実施形態では、ステアリング装置は電動パワーステアリング装置に具体化したが、油圧式パワーステアリング装置に具体化してもよく、或いはアシスト機能を有していない手動のステアリング装置に具体化してもよい。
・前記実施形態では、ストッパ40の基部42は、略直方体状としたが、立方体状等の他の形状であってもよい。この場合、取付孔45はその形状を嵌合する形状とすればよい。
10…EPS、11…タイロッド、12…ステアリングホイール、13…転舵輪、
14…ラックアンドピニオン機構、15…操舵機構、16…アシスト機構、
17…車体、18…ステアリングコラム装置、19…ロック機構、
20…ステアリングシャフト、21…ラックシャフト、22…コラムシャフト、
23…インターミディエイトシャフト、24…ピニオンシャフト、
25…アッパーシャフト、26…ロアーシャフト、30…コラムジャケット、
31…ロアーブラケット、32…アッパーブラケット、
33…アッパージャケット、34…ロアージャケット、35…軸受、
36…軸受、37…腕部、38…頂部、39…長孔、40…ストッパ、
41…開口部、42…基部、42a…面取り部、43…当接部、
44…フランジ、45…取付孔、46…支持部、47…チルト支軸、
48…緩衝材(介在物)、49…アーム、50…連結部、51…枠体、
52、53…爪、54…ガイド溝、55…規制片、56…凹溝、57…貫通孔、
58…側板、59…連結板、60…外側面、61…チルト用長孔、
62…操作レバー、63…締付軸、64…カム部材、65…ロック部材、
66…付勢部材、67…支持軸、68…ロックプレート、69…孔部、
70…仕切部、71…ナット、72…頭部、73…第1カム、74…第2カム、
75…カム部、76…カムフォロワ部、77…ロック部、78…ツース。

Claims (3)

  1. 軸方向に伸縮可能なコラムシャフトを内包した状態で回転自在に支持するコラムジャケットであって、車体に支持されるロアージャケットと、前記ロアージャケットに対して軸方向に移動可能に内嵌された筒状のアッパージャケットを有するコラムジャケットと、前記アッパージャケットの周面に設けられた取付孔に取り付けられたストッパであって、前記取付孔に嵌入された基部と、前記基部に一体に設けられたフランジとを有し、前記アッパージャケットが移動時に該ロアージャケットに軸方向に延びる長孔の両端部に前記フランジの当接部がそれぞれ当接するストッパと、前記フランジと前記アッパージャケットとの間に配置された介在物と、前記コラムシャフトの伸縮の位置調節が可能なロック解除状態とその位置を保持するロック状態の遷移を可能とし、かつ2次衝突時に前記ロック状態を解除するロック機構と、を有し
    前記ロック機構は、前記ロック解除状態と前記ロック状態とを切り替えるために操作される締付軸であって、軸方向に直交する方向に延び、前記ストッパを貫通しない位置にある締付軸を有し、
    軸方向に直交する方向の前記基部の長さが、軸方向に直交する方向の前記取付孔の長さよりも短いステアリング装置において、L<0としたステアリング装置。(ただし、L=(a+d)・sinθ+B(1-cosθ)-(B-C-t)、Bは基部の高さ、Cは介在物の高さ、tは取付孔の深さ、aは軸方向に直交する基部の長さ、bは軸方向に直交する取付孔の長さ、dはフランジとアッパージャケット間に存する介在物の幅、θは取付孔に対するストッパの傾斜角である。)
  2. 前記ストッパは金属製であり、前記介在物は、前記金属製よりも軟質の緩衝材からなる請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 軸方向に伸縮可能なコラムシャフトを内包した状態で回転自在に支持するコラムジャケットであって、車体に支持されるロアージャケットと、前記ロアージャケットに対して軸方向に移動可能に内嵌された筒状のアッパージャケットを有するコラムジャケットと、前記アッパージャケットの周面に設けられた取付孔に取り付けられたストッパであって、前記取付孔に嵌入された基部と、前記基部に一体に設けられたフランジとを有し、前記アッパージャケットが移動時に該ロアージャケットに軸方向に延びる長孔の両端部に前記フランジの当接部がそれぞれ当接するストッパと、前記コラムシャフトの伸縮の位置調節が可能なロック解除状態とその位置を保持するロック状態の遷移を可能とし、かつ2次衝突時に前記ロック状態を解除するロック機構と、を有し
    前記ロック機構は、前記ロック解除状態と前記ロック状態とを切り替えるために操作される締付軸であって、軸方向に直交する方向に延び、前記ストッパを貫通しない位置にある締付軸を有し、
    軸方向に直交する方向の前記基部の長さが、軸方向に直交する方向の前記取付孔の長さよりも短いステアリング装置において、L<0としたステアリング装置。(ただし、L=(a+d)・sinθ+B(1-cosθ)-(B-t)、Bは基部の高さ、tは取付孔の深さ、aは軸方向に直交する基部の長さ、bは軸方向に直交する取付孔の長さ、dはフランジの張出し長さ、θは取付孔に対するストッパの傾斜角である。)
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