JP7247218B2 - 医療機器およびクリップユニットをリリースする方法 - Google Patents

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Description

本発明は、体内の標的組織を処置するための医療機器(より詳しくは結紮装置、さらに詳しくはクリップ装置)に関する。
従来、組織に形成された開口や血管などを結紮するために、内視鏡のチャンネルを経由して患者体内に導入される医療機器が用いられている。このような医療機器としては、例えば、特許文献1に記載された内視鏡処置具が知られている。
特許文献1に記載の内視鏡処置具は、クリップユニットと、処置具本体とを有している。
クリップユニットは、クリップ本体と、押さえ管と、つる巻きバネとを有している。クリップ本体は、第一アームおよび第二アームから構成されたアーム部材を有している。アーム部材は、自然状態において、第一アームの先端と第二アームの先端との間に距離を空けて離間している。
処置具本体は、外套管と、挿入部と、操作部材とを有している。挿入部は、外套管内に進退可能に挿通され、シースと、操作ワイヤと、連結部材とを有している。連結部材は、クリップ本体と操作ワイヤとを連結するために設けられている。操作部材は、挿入部の基端側に取付けられており、操作部本体と、スライダと、破断機構とを有している。スライダは、操作部本体のスリットに係合することで、操作部本体に対して、前進および後退することができる。破断機構は、操作部に内蔵されている。破断機構に作用する引張り力量が所定の引張強度以上に達すると、破断機構が破断する。
特許文献1に記載の内視鏡処置具によれば、操作者がスライダを先端側へ押し込むことにより、アーム部材が標的組織に向かって前進し、第一アームおよび第二アームの間の隙間に標的組織が位置する。そして、操作者は、内視鏡を用いて標的組織の周辺を観察しながら、スライダを基端側へ引くことにより、第一アームと第二アームとを閉じて、標的組織を把持することができる。操作者は、さらに操作ワイヤを基端側へ牽引し続けると、クリップ本体と押さえ管とが係合し、標的組織を把持したまま一体化した構成になる。この状態において、操作者がスライダをさらに基端側へ引くことにより、破断機構に作用する力量が所定の引張強度以上に達すると、破断機構が破断する。その結果、標的組織がクリップユニットに把持されたことを操作者に知らせると同時に、クリップユニットを体内に留置することができる。
日本国特許5750620号公報
特許文献1に記載された内視鏡処置具では、破断機構の所定の引張強度がアーム部材を閉じるために操作ワイヤを引き戻す力量以上に設定される必要がある。しかしながら、硬い標的組織を処置する際、標的組織が把持された際の反発力が大きくなるため、アーム部材を閉じるために必要な力量も増大する。このため、破断機構の所定の引張強度は、さらに大きく設定する必要がある。その結果、特許文献1に記載された内視鏡処置具の操作性が低下する。
また、蛇行した状態で体内に挿入された内視鏡のチャンネルを経由してクリップユニットを体内に挿入する際、操作ワイヤの力量伝達性の低下によって、操作者が操作ワイヤを引き戻すのに必要な力量がさらに増大する。このため、特許文献1に記載された内視鏡処置具では、破断機構の所定の引張強度は、格段に増大する可能性がある。その結果、特許文献1に記載された内視鏡処置具の操作性がさらに低下する可能性がある。
このため、特許文献1に記載された内視鏡処置具では、異なる物性(硬さ)の標的組織を把持して処置する場合、高い把持力および操作性の両方を維持することは難しい。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、異なる物性(硬さ)の標的組織に対して、高い把持力および操作性の両方を維持しながら処置することができる医療機器を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様に係る医療機器は、一対のアームから構成され、前記一対のアームが離間した開形態と前記一対のアームが閉じた閉形態とに遷移するクリップユニットと、前記クリップユニットを操作する操作ワイヤと、前記クリップユニットと前記操作ワイヤとを解除可能に連結するリンク部材と、前記操作ワイヤおよび前記リンク部材の少なくとも一部が挿通するシースと、を備え、前記シースは、前記クリップユニット側から前記操作ワイヤ側に向かって前記シースの内径が小さくなる方向に傾斜した内周面を有し、前記リンク部材は、前記シース内において第一の位置と、前記第一の位置よりも前記操作ワイヤ側の第二の位置と、を移動可能であり、前記リンク部材が前記第一の位置に配される時、前記テールは前記シースの前記内周面と離間し、前記クリップユニットは前記操作ワイヤと連結され、前記リンク部材が前記第二の位置に配される時、前記テールが前記シースの前記内周面に接触することにより、前記変形部が弾性変形し、前記変形部が弾性変形し、前記レッグが前記長手軸から離れる方向へ移動することにより、前記クリップユニットが前記操作ワイヤと連結解除される。
本発明の第二の態様によれば、上記第一の態様に係る医療機器において、前記クリップユニットが前記開形態にあるときに、前記リンク部材は、前記シースの前記内周面と離間した前記第一の位置に配置されてもよい。
本発明の第三の態様によれば、上記第二の態様に係る医療機器において、前記クリップユニットは、前記閉形態から前記開形態への遷移を規制するロック機構をさらに備え、前記ロック機構によって前記クリップユニットの前記閉形態から前記開形態への前記遷移が規制された状態において、前記リンク部材は、前記操作ワイヤによって移動されて前記シースと接触してもよい。
本発明の第四の態様によれば、上記第一の態様に係る医療機器において、前記クリップユニットと前記操作ワイヤは、互いに係合する係合形態と、互いの係合が解除されて離間する離間形態とを有し、
前記リンク部材は、前記テールが前記シースの前記内周面と接触することで、前記クリップユニットと前記操作ワイヤとを前記係合形態から前記離間形態へ遷移してもよい。
本発明の第五の態様によれば、上記第四の態様に係る医療機器において、前記リンク部材は、前記テールが前記シースの前記内周面に接触することにより、前記レッグが前記長手軸から離間する方向に移動し変形するよう構成されてもよい
本発明の第六の態様によれば、上記第四の態様に係る医療機器において、前記リンク部材は、前記テールが前記シースの前記内周面に当接する際、前記変形部が弾性変形し、前記レッグが前記長手軸から離れる方向へ移動し、前記テールが前記長手軸に向かって移動するよう構成されてもよい。
本発明の第七の態様によれば、上記第五の態様に係る医療機器において、前記シースは、前記内周面の一部がテーパー形状に形成され、前記テールがテーパー形状の前記内周面に接触することにより、前記レッグが前記長手軸から離間する方向に移動し変形してもよい。
本発明の第八の態様によれば、上記第四の態様に係る医療機器において、前記変形部は、前記レッグ及び前記テールの剛性よりも低い剛性を有してもよい。
本発明の第九の態様によれば、上記第四の態様に係る医療機器は、前記リンク部材に設けられ、前記操作ワイヤの前記長手軸に交差する方向において前記変形部と反対側に延びて形成された第二変形部と、前記リンク部材に設けられ、前記第二変形部から前記クリップユニット側に向かって延びて形成された第二レッグと、前記リンク部材に設けられ、前記第二変形部から前記操作ワイヤ側に向かって延びて形成された第二テールと、をさらに備え、前記リンク部材は、前記テール及び前記第二テールが前記シースの前記内周面に接触することにより、前記レッグ及び前記第二レッグが互いに離間する方向に移動して変形し、前記クリップユニットと前記操作ワイヤとを前記係合形態から前記離間形態へ遷移してもよい。
本発明の第十の態様によれば、上記第九の態様に係る医療機器において、前記リンク部材は、テーパー形状に形成された前記内周面における前記シースの最小内径と略同等の外径を有し、筒状に形成されたガイド部材をさらに備え、
前記ガイド部材が前記シース内に配置されることにより、前記テール及び前記第二テールがほぼ同時に前記シースの前記内周面に接触してもよい。
本発明の第十一の態様によれば、上記第四の態様に係る医療機器において、前記クリップユニットは、前記一対のアームが挿入される押さえ管と、前記一対のアームおよび前記押さえ管を係合させる弾性部材と、をさらに備え、前記弾性部材は、前記ロック機構によって前記クリップユニットの前記閉形態から前記開形態への前記遷移が規制された状態において、さらに弾性変形することができ、前記クリップユニットと前記操作ワイヤとが前記係合形態から前記離間形態へ遷移されると、前記弾性部材の弾性力により、前記長手軸に沿って前記クリップユニットを前記操作ワイヤから離間させてもよい。
本発明の第十二の態様によれば、上記第四の態様に係る医療機器において、前記リンク部材は、前記シースのテーパー形状の前記内周面に対向して形成された外周面を有し、前記リンク部材の前記外周面および前記長手軸が成す角度と、前記シースのテーパー形状の前記内周面および前記長手軸が成す角度とは異なる値であってもよい。
本発明の第十三の態様によれば、上記第四の態様に係る医療機器において、前記シースの前記内周面は、テーパー形状に形成され、前記テールは、前記テーパー形状に形成された前記シースの前記内周面に当接することにより、前記操作ワイヤと前記クリップユニットとの前記係合を解除するよう構成される外周面を備え、前記テールの前記外周面および前記長手軸がなす角と、前記シースの前記テーパー形状に形成された前記内周面および前記長手軸がなす角とは異なる値であってもよい。
本発明の第十四の態様によれば、上記第四の態様に係る医療機器において、前記クリップユニットと前記操作ワイヤとを前記係合形態から前記離間形態へ遷移させるための力量は、前記クリップユニットが対象組織を把持し、かつ、前記閉形態から前記開形態への遷移が制限される状態において、前記クリップユニットを中空の押さえ管に係止するための力量よりも小さい値であってもよい
医療機器の上記各態様によれば、異なる物性(硬さ)の標的組織に対して、高い把持力および操作性の両方を維持しながら処置することができる。
本発明の一実施形態に係る医療機器の先端部を模式的に示す側面断面図である。 本実施形態に係る医療機器を模式的に示す平面断面図である。 本実施形態に係る医療機器の先端部を模式的に示す側面断面図である。 本実施形態に係る医療機器を模式的に示す平面断面図である。 本実施形態に係る医療機器の先端部を模式的に示す側面断面図である。 本実施形態に係る医療機器を模式的に示す平面断面図である。 本実施形態に係る医療機器の先端部を模式的に示す側面断面図である。 本実施形態に係る医療機器を模式的に示す平面断面図である。 図4Aにおける医療機器の先端部の一部の拡大図である。 本実施形態に係る医療機器の先端部を模式的に示す側面断面図である。 本実施形態に係る医療機器を模式的に示す平面断面図である。 図5Aにおける医療機器の先端部の一部の拡大図である。 本実施形態に係る医療機器の先端部を模式的に示す側面断面図である。 本実施形態に係る医療機器を模式的に示す平面断面図である。 本実施形態に係る医療機器の先端部を模式的に示す側面断面図である。 本実施形態に係る医療機器を模式的に示す平面断面図である。 本実施形態の一変形例に係る医療機器の先端部の一部を模式的に示す側面断面図である。 本変形例に係る医療機器の先端部の一部を模式的に示す側面断面図である。 本発明の医療機器と従来の内視鏡処置具との比較結果を示す図である。 本実施形態に係る医療機器のクリップユニットの一変形例を示す図である。 本実施形態に係る医療機器のクリップユニットの一変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る医療機器(結紮装置、クリップ装置)の構成を図1Aから図7Bを参照し説明する。
本実施形態に係る医療機器1は、図示しない内視鏡に形成されたチャンネルを通して患者の体内に挿入されて使用される。本明細書において、操作者が内視鏡を操作するための内視鏡操作部が位置する側を基端側と定義し、体内に挿入された内視鏡挿入部の先端部が位置する側を先端側と定義する。
図1Aおよび図1Bに示すように、医療機器1は、クリップユニット(以下、「クリップ」と略称する)10と、処置具本体(アプリケータ)40とを有して構成されている。クリップ10は、処置具本体40の先端部に着脱可能に連結されているが、これに限らない。例えば、本実施形態に係るクリップ10は、予め処置具本体40に連絡されており、処置具本体40の先端部から離脱可能に構成されてもよい。
図1Aおよび図1Bは、クリップ10の軸線(中心軸線)C1を通る平面による断面図である。図1Aに示すように、クリップ10の後述するアーム部材11の一対のアームが対向する対向方向X、クリップ10の軸線C1に平行な軸線方向Y、そして対向方向Xおよび軸線方向Yのそれぞれに直交する直交方向Zを定義する。
(クリップ10の構成)
クリップ10は、図1Aおよび図1Bに示すように、アーム部材11と、押さえ管31と、弾性部材(つる巻きバネ、バネ)36とを備えて構成されている。
押さえ管31は、筒状(好ましくは円筒状)に形成され、アーム部材11の基端部が進入できる内径を有する。すなわち、押さえ管31には、後述する第一アーム12および第二アーム13を有するアーム部材11が進入可能なルーメンが形成されている。弾性部材36は、押さえ管31のルーメン内部に配置されている。
アーム部材11は、第一アーム12と、第二アーム13と、中央部14とを有している。第一アーム12及び第二アーム13は、基端側から先端側に向けて延びるとともに互いに対向して配置されている。中央部14は、第一アーム12の基端部と第二アーム13の基端部との間に位置する。図1Bに示すように、第一アーム12と第二アーム13とは、軸線C1に対して線対称の位置に形成されている。
第一アーム12および第二アーム13は、自然状態において、互いに離間し、かつ、基端側から先端側に向かう方向に沿って、互いの間の距離が大きくなる。本明細書において、「自然状態」とは、アーム部材11に外力が作用しない状態を意味する。例えば、アーム部材11の第一アーム12および第二アーム13に押さえ管31の内壁による力が作用しない状態は、自然状態である。第一アーム12の先端部には、第二アーム13側に向かって延びる爪が形成されている。第二アーム13の先端部には、第一アーム12側に向かって延びる爪が形成されている。
第一アーム12および第二アーム13は、先端側における長手方向に直交する断面形状が、円弧状となり、丸みをもった形状に形成されている。より詳しくは、第一アーム12および第二アーム13の外面における後述する直交方向Zの中央部が、外側に向かって凸部となる曲面状に形成されている。
第一アーム12および第二アーム13は、このように構成されることで、曲げに対する強度が向上するとともに、後述する外套管50に対する摩擦抵抗を減少し、スムーズに進退することができる。
図1Aに示すように、第一アーム12の基端部には、二つの第一被係止部16、17が設けられている。第一被係止部16、17は、軸線C1に平行な基準面上を、第一アーム12の側面から直交方向Zに突出して設けられている。第一被係止部16、17は、互いに逆となる向きに突出している。図1Aに示すように、第一被係止部16と第一被係止部17とは、軸線C1に対して線対称である。
図1Aに示すように、第一被係止部16の基端面は、先端側に向かうにしたがって第一アーム12(中心軸線C1)から離間し、傾斜している。第一被係止部16の先端面は、軸線方向Yに直交している。第一被係止部17の基端面と第一被係止部16の基端面とは、軸線C1に対して線対称である。第一被係止部17の先端面と第一被係止部16の先端面とは、軸線C1に対して線対称である。
図1Aおよび図1Bに示すように、第一アーム12における第一被係止部16、17よりも先端側には、二つの突部18、19が設けられている。図1Aに示すように、突部18、19は、第一アーム12の側面から直交方向Zに突出している。突部18と突部19とは、側面視において軸線C1に対して線対称である。突部18、19が第一アーム12から突出する長さは、第一被係止部16、17が第一アーム12から直交方向Zに突出する長さよりも長くてもよい。
図1Bに示すように、第二アーム13には、第一アーム12の第一被係止部16、17、突部18、19と同様に形成された第二被係止部21、22、突部23、24が設けられている(第二被係止部22および突部24は非図示)。すなわち、第二被係止部21、22は、第二アーム13の側面から第一アーム12に対して離間する方向である直交方向Zに突出している。突部23、24は、第二アーム13における第二被係止部21、22よりも先端側に、第二アーム13の側面から直交方向Zに突出する。第二被係止部21、22、並びに突部23、24と、第一被係止部16、17並びに突部18、19とは、対向方向Xにそれぞれ並べて配置されている。図1Aに示すように、第二被係止部21、22がそれぞれ第一被係止部16、17に重なり、突部23、24がそれぞれ突部18、19に重なる。
アーム部材11を含め、クリップ10を構成するこれらの部材は、例えばコバルトクロム合金やチタン、ステンレス鋼などの材料から形成されている。クリップ10は、MRI(核磁気共鳴画像法)透視下で観察できる。
アーム部材11は、例えば、コバルトクロム合金などで形成された板材を、第一アーム12および第二アーム13、中央部14、第一被係止部16、17、第二被係止部21、22、突部18、19、23、24を平面状に展開した形状に打抜くことで形成される。図1Bに示すように、アーム部材11は、この打抜いた部材を、第一アーム12と中央部14との接続部、および第二アーム13と中央部14との接続部で折り曲げて、平面視でC字状となり、一体に形成される。
アーム部材11の第一アーム12と第二アーム13とは、それぞれの先端が互いに離間する方向、すなわち、アーム部材11が開く方向へ移動する弾性復元力を有する。
図1Aおよび図1Bに示すように、押さえ管31の基端部の内壁には、全周にわたり係止部32が突出している。係止部32内には、第一アーム12における突部18、19よりも基端側の部分、第二アーム13における突部23、24よりも基端側の部分、および中央部14が挿通可能である。
本実施形態において、アーム部材11の第一被係止部16、17および第二被係止部21、22と、押さえ管31の係止部32とは、後述するように、クリップ10の閉形態から開形態への遷移を規制するロック機構である。
図1Aおよび図1Bに示すように、押さえ管31の先端部の内壁には、テーパー面31aが全周にわたり形成されている。テーパー面31aは、先端側に向かうにしたがって拡径している。
本実施形態に係るクリップ10のアーム部11は、第一アーム12と第二アーム13とのそれぞれの先端が互いに離間する方向へ移動する弾性復元力を有する。そのため、図示していないが、外套管50が基端側へ移動し、クリップ10の第一アーム12および第二アーム13が外套管50の内壁に当接する状態を解除すると、第一アーム12および第二アーム13が押さえ管31の先端部の内壁に設けられたテーパー面31aに当接しながら開き幅が増大し、開く状態になる。その結果、第一アーム12と第二アーム13との弾性復元力により、アーム部11は押さえ管31から突出する方向に付勢される。すなわち、第一アーム12と第二アーム13との弾性復元力には、アーム部11を先端側へ移動させる作用がある。
押さえ管31および係止部32は、例えば64チタン合金(Ti-6AL-4V)、コバルトクロム合金などの材料で一体に形成されている。
図3Aに示すように、弾性部材36の先端部には、座巻き部36bが設けられている。座巻き部36bは、弾性部材36の他の部分よりも内径が小さく形成されている。
弾性部材36は、押さえ管31内に収容された状態で、先端部が突部18、19、23、24に係止されるとともに基端部が係止部32に係止されている。弾性部材36の基端部と係止部32とは、溶着などにより固定してもよい。
弾性部材36内には、第一アーム12における突部18、19よりも基端側の部分、第二アーム13における突部23、24よりも基端側の部分、および中央部14が挿通可能である。突部18、19、23、24が基端側に移動したときに、突部18、19、23、24は、弾性部材36の座巻き部36bに係止される。一方、突部18、19、23、24が基端側に移動したときに、弾性部材36は、軸線方向Yにおいて、突部18、19、23、24によって圧縮される。弾性部材36が圧縮されると、軸線方向Yにおいて、アーム部材11を押さえ管31内から押し出す弾性力が発生する。
弾性部材36が座巻き部36bを備えない場合でも、弾性部材36の先端にワッシャなどの別部材を取付けることで同様の効果が得られる。
(処置具本体40の構成)
続いて、処置具本体40の構成を説明する。
図1Aおよび図1Bに示すように、処置具本体40は、外套管50と、挿入部60と、操作部100とを有している。挿入部60は、外套管50内に進退可能である。操作部100は、挿入部60の基端部に取付けられている。
外套管50は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)といったフッ素樹脂や、HDPE(高密度ポリエチレン)等の樹脂材料で形成することができる。
処置具本体40の挿入部60は、シース部61(シース)と、動力伝達部材(操作ワイヤ、ワイヤ)62と、リンク部材63と、ガイド部材64とを備えている。動力伝達部材62は、シース部61内に進退可能に挿通されている。リンク部材63は、動力伝達部材62の先端部に接続されている。
シース部61は、コイルシース66と、コイルシース66の先端部に固定された先端部材67とを有している。コイルシース66は、例えば耐圧縮強度の高いSUS301などのステンレス鋼から形成される。コイルシース66は、素線を軸線方向Yに密巻きに巻回して形成したコイルを用いることができる。コイルシース66は、可撓性を有するとともに、軸線方向Yの圧縮力に強い。コイルシース66の内径は、弾性部材36の内径にほぼ等しい。
先端部材67は、例えばステンレス鋼などで筒状(好ましくは円筒状)に形成される。先端部材67は、先端部67a、斜面部67b、基端部67c、および支持部67dから構成されている。本実施形態において、先端部67aの外径は、押さえ管31の外径よりも大きくてもよい。また、基端部67cの外径は、コイルシース66の内径よりも小さくてもよい。斜面部67bは、先端部67aおよび基端部67cを連結し、かつ、先端側から基端側へ順次内径が縮径されて形成されている。すなわち、斜面部67bには、先端側から基端側へ傾斜し、軸線C1との距離が小さくなるテーパー形状の内周面(斜面)67eが形成されている。すなわち、斜面部67bの内部に形成されたルーメンは、先端側から基端側へ向かって、内径が次第に減少する。
本実施形態において、先端部材67の先端部67aの内部に形成されたルーメンは、少なくともリンク部材63の一部が挿入できる内径を有する。テーパー形状の内周面67eが形成されている先端部材67の斜面部67bは、後述するように、リンク部材63の一対のテール63cに当接することにより、リンク部材63の一対のレッグ63aが閉じている状態を解除できる。すなわち、先端部材67の斜面部67bは、リンク部材63とクリップ10との係合を解除する(リリースする)リリース機構である。
本実施形態において、基端部67cは、先端部材67の斜面部67bよりも基端側に位置して形成されている。基端部67cの内部に形成されたルーメンの内径は、斜面部67bの内部に形成されたルーメンの基端の内径、すなわち、斜面部67bの内部に形成されたルーメンの最小内径と同じであってもよい。本実施形態において、先端部材67の基端部67cの外周面にコイルシース66の先端を係合させた状態で、先端部材67とコイルシース66とがレーザー溶接などにより固定されている。
先端部材67の先端部67aの内径は、後述するようにクリップ10が係止状態になったときに、先端部材67が第一被係止部16、17、第二被係止部21、22とかみ合うことが無い程度に大きくてもよい。また、後述するように、先端部材67aの内径は、リンク部材63の一対のレッグ63aが開いた状態において、一対のレッグ63aのそれぞれの外周面が先端部材67の内周面に当接しない程度の大きさを有してもよい。
先端部材67の先端側の内周面には、全周にわたり段差が形成されている。この段差においては、先端側を向く面が先端支持面(先端面)である。また、先端支持面よりも先端側に位置するのが支持部67dである。本実施形態において、支持部67dにおける内径は、押さえ管31の外径よりもわずかに大きい。このため、先端部材67の支持部67dの内径は、押さえ管31の基端を受容(受け入れる)可能である。この際、先端部材67の先端支持面は、押さえ管31の基端面に当接可能である。支持部67dは、先端支持面に当接した押さえ管31の外周面を支持することができる。
これらの構成により、支持部67dに対するクリップ10のぐらつきを極力小さく抑えることができる。また、支持部67dに対するクリップ10のある程度の傾きが生じた場合でも、クリップ10が支持部67dに接触することにより、クリップ10がそれ以上傾かないように支持部67dによって支持される。すなわち、クリップ10が支持部67dに対して微小に傾くことができる。このため、内視鏡のチャンネルなどの屈曲形状に対してもスムーズに医療機器1を挿入することができる。
本実施形態において、動力伝達部材62は、例えば金属製の単線や撚線で形成された操作ワイヤであってもよい。ただし、動力伝達部材62は、この構成に限定されない。例えば、動力伝達部材62は、剛性を有してロッド状に形成されてもよい。動力伝達部材62は、先端が拡径部72の基端部に接続されている。拡径部72の先端部には、接続部材72aが接続されている。
拡径部72は、例えば金属などで円筒状に形成されている。拡径部72の外径は、コイルシース66の内径よりも小さく、先端部材67の基端部67cの内径よりも大きい。
本実施形態において、接続部材72aは、拡径部72とリンク部材63とを接続するために設けられている。接続部材72aは、例えば、動力伝達部材62と同じ構成を有してもよい。例えば、一本のワイヤにより接続部材72aを形成する場合、先端および基端がそれぞれリンク部材63の基端および拡径部72の先端にロウ付けや抵抗溶接などにより固定されていてもよい。
図1Aおよび図1Bに示すように、リンク部材63は、先端側に一対の開閉可能なレッグ63aと、軸線C1に交差する方向に延びて形成される一対の変形部(支点部)63bと、基端側に傾斜面が形成された一対のテール63cとを有して形成されている。本実施形態において、リンク部材63は、金属材料、例えば、ステンレス鋼によって一体的に形成されてもよい。
リンク部材63の一対のレッグ63aは、変形部63bから先端側、すなわち、クリップ10側に向かって延びて形成されている。リンク部材63が自然状態、すなわち、リンク部材63に外力が作用しない状態において、一対のレッグ63aの先端が互いに接触あるいは接近する状態になる。また、一対のレッグ63aの基端側の部分は、互いに一定の距離を開けて離間し、内部空間が形成されている。この状態において、アーム部材11の中央部14が一対のレッグ63aの内部空間に位置し、且つ一対のレッグ63aの先端側に形成された折り返し部63eがアーム部材11の中央部14に係合する。これにより、図1Aおよび図1Bに示すように、クリップ10と挿入部60のリンク部材63とを連結することができる。
変形部63bは、リンク部材63において、レッグ63aおよびテール63cの間に形成されている。本実施形態において、変形部63bは、例えば、動力伝達部材62の長手軸に交差する方向に延びて形成されてもよい。リンク部材63において、変形部63bは、レッグ63aおよびテール63cよりも剛性が低く形成されている。本実施形態において、例えば、変形部63bがリンク部材63において、肉厚が最も薄く形成されていてもよい。後述するように、変形部63bがこのように形成されることで、一対のテール63cが先端部材67の斜面部67bに係合(当接)した状態で、リンク部材63に基端側へ引く力量を加えると、リンク部材63の変形部63bにおいて、弾性変形が起きる。すなわち、リンク部材63は、変形部63bを支点として、一対のレッグ63aのそれぞれが軸線C1より外側へ回動し、開く状態になる。
一対のテール63cは、リンク部材63の基端側において、基端側、すなわち、動力伝達部材62側へ向かって突出して形成されている。一対のテール63cの基端面63dは、基端側に向かうに従って、軸線C1に接近して傾斜している。
本実施形態において、リンク部材63の幅は、自然状態にあるリンク部材63の軸線C1に直交する方向の外径である。リンク部材63の幅は、弾性部材36の内径、押さえ管31の係止部32の内径、および先端部材67の先端部67aの内径よりも小さい。一方、リンク部材63の幅は、先端部材67の基端部67cの内径よりも大きくてもよい。
ガイド部材64は、動力伝達部材62の先端部およびリンク部材63の基端部を連結して構成されている。ガイド部材64は、外径が押さえ管31の係止部32の内径より小さく形成されているため、押さえ管31の係止部32に引っ掛かることがなく通過することが可能である。また、ガイド部材64は、外径が後述する先端部材67の基端部67cの内径よりわずかに小さく形成されているため、先端部材67の基端部67cに通過する際、基端部67cの内周面に対してぐらつきが極力抑えることができる。ガイド部材64は、例えば、金属材料で形成されたパイプ状の部材であってもよい。本実施形態において、溶接等の方法によりリンク部材63とガイド部材64とを連結し、一体化した構成であってもよい。
操作部100は、図1Bに示すように、操作部本体(ハンドル)101およびスライダ102を有している。
操作部本体101は、コイルシース66の基端部に取付けられている。操作部本体101は、軸線方向Yに延びる棒状に形成され、基端部に指掛け部101aが設けられている。操作部本体101には、軸線方向Yに延びるスリット101bが形成されている。
スライダ102は、操作部本体101に挿通されて設けられている。スライダ102は、操作部本体101に対して軸線方向Yにスライド(前進および後退移動)可能である。スライダ102には、動力伝達部材62の基端が接続されている。本実施形態に係るクリップ10において、スライダ102が軸線方向Yにおいて、前進あるいは後退操作されることにより、動力伝達部材62が前進あるいは後退される。動力伝達部材62の先端側に設けられている拡径部72、リンク部材63、およびクリップ10のアーム部材11は、動力伝達部材62の前進あるいは後退により、前進あるいは後退される。その結果、アーム部材11の一対の第一アーム12および第二アーム13が開くあるいは閉じることが可能である。
スライダ102は、円筒状に形成されている。スライダ102の外周面には、全周にわたり凹部102aが形成されている。スライダ102には、軸線方向Yにおける先端側から基端側への順で、鍔部102b、凹部102a、および鍔部102cがこの順で形成されている。一対の鍔部102b、102cは、軸線方向Yに見たときに楕円形状となっている。これにより、スライダ102が握りやすくなり、医療機器1の操作部100を梱包するときに省スペース化が図れる。スライダ102は、操作部本体101のスリット101bに係合することで、操作部本体101に対するスライダ102の軸線方向Yの移動範囲が制限されている。
次に、以上の構成を有する医療機器1を用いて、標的組織Tを結紮する手技について説明する。具体的に、本実施形態に係る医療機器1を用いて、クリップ10を体内に留置する操作を中心に説明する。
(医療機器1の初期状態)
本実施形態において、詳細な説明を省略するが、操作者は、例えば、体内に挿入した内視鏡のチャンネルを経由して、医療機器1を標的組織Tの近傍に導入し、内視鏡の先端からクリップ10のアーム部材11を突出させることができる。そして、操作者は、アーム部材11を開いた状態で標的組織Tに向かって押し込むことにより、標的組織Tをアーム部材11の第一アーム12および第二アーム13の間に位置させることができる。本実施形態において、標的組織Tが開形態にあるアーム部材11の第一アーム12および第二アーム13の間に位置する状態を、医療機器1の初期状態と称する。
図1Aおよび図1Bには、本実施形態に係る医療機器1のクリップ10のアーム部材11が最大開き幅で開いている初期状態が示されている。この初期状態において、動力伝達部材62の先端に連結された拡径部72が先端部材67の基端部67cに当接しているので、これ以上先端側へ移動することはできない。この際、アーム部材11の第一アーム12および第二アーム13は、ほぼ押さえ管31より突出している状態になる。この状態において、アーム部材11の第一アーム12および第二アーム13は、押さえ管31の先端側のテーパー面31aによって拘束されることがないため、アーム部材11は、開き幅が最大ある開形態になる。
本実施形態において、アーム部材11の開き幅が最大である状態を開形態の一例として説明するが、開形態はこれに限定されない。所定の標的組織Tを好適に処置するために、クリップ10のアーム部材11が標的組織Tのサイズに合わせて適宜な幅で開いた状態は、本実施形態における「開形態」に含まれる。
この状態において、押さえ管31内には、リンク部材63の一対のレッグ63aが閉じた状態で配置されている。このため、アーム部材11の基端側の中央部14がリンク部材63の一対のレッグ63aによって挟み込まれることにより、アーム部材11とリンク部材63とが連結されている。本実施形態において、クリップ10のアーム部材11が開形態になる際、リンク部材63の一対のレッグ63aが閉じる状態で所在する位置を、リンク部材63の第一の位置と定義する。なお、本実施形態において、アーム部材10とリンク部材63とが連結(係合)されている状態を、クリップ10と動力伝達部材62とが互いに係合する係合形態と称する。これに対して、後述するように、アーム部材10とリンク部材63との係合が解除された状態を、クリップ10と動力伝達部材62との係合が解除され、互いに離間する離間形態と称する。
リンク部材63が第一の位置にあるときに、リンク部材63と先端部材67の斜面部67bとが一定の距離を開けて離間している。押さえ管31内において、弾性部材36は、例えば、軸線方向Yに隣り合う素線36aが互いに離間し、ほぼ圧縮されていない状態であってもよい。すなわち、弾性部材36は、略自然長であってもよい。このとき、アーム部材11の第一被係止部16、17、第二被係止部21、22は、押さえ管31の係止部32に接触していない。
クリップ10のアーム部材11が開形態になると、操作者は、クリップ10を用いて標的組織Tを把持することができる。そして、操作者は、基端側に設けられた操作部100のスライダ102を引き戻すと、図2Aおよび図2Bに示すように、動力伝達部材62を通じて、標的組織Tを把持した状態のアーム部材11を押さえ管31に対して基端側へ引くことができる。
(医療機器1の接触状態)
図2Aおよび図2Bには、操作者がスライダ102を基端側へ引く(後退させる)操作において、アーム部材11の第一被係止部16、17、第二被係止部21、22が押さえ管31の係止部32に接触し、係止部32を乗越えようとする際の状態が示されている。
図2Aに示すように、この状態において、リンク部材63は、押さえ管31の係止部32を乗越えて先端部材67の内部に移動されている。なお、リンク部材63の一対のレッグ63aとアーム部材11の中央部14との係合が維持されている。すなわち、クリップ10と動力伝達部材62とが互いに係合する係合形態が維持されている。このとき、リンク部材63の基端側に連結されているガイド部材64は、先端部材67の内部に位置し、先端側から基端部67c内に進入しようとしている状態にあってもよい。
リンク部材63と係合しているアーム部材11は、図2Bに示すように、突部18、19によって、弾性部材36が一部圧縮された状態になる。また、アーム部材11の第一アーム12および第二アーム13は、押さえ管31の先端側の内周面に形成されたテーパー面31aに当接している。この状態において、第一アーム12および第二アーム13は、テーパー面31aに当接しながら基端側へ引き戻されると、テーパー面31aによって互いの距離が近くなる。すなわち、アーム部材11の開き幅が減少し、標的組織Tの根元をより強く緊縛している。この際、アーム部材11の第一アーム12および第二アーム13は、互いに接触する状態、あるいは互いの距離が略ゼロである状態であってもよい。本実施形態において、アーム部材11の第一アーム12および第二アーム13は、互いに接触する状態、あるいは互いの距離が略ゼロである状態を、アーム部材11の閉形態と定義する。
この状態において、押さえ管31内において、弾性部材36は、軸線Y方向に圧縮されるが、隣り合う素線36aが一定の距離を開けて離間する状態である。
アーム部材11の第一被係止部16、17、第二被係止部21、22が押さえ管31の係止部32に接触し、係止部32を乗越えようとする際の状態までスライダ102が引き戻される過程において、操作者がスライダ102を再び先端側へ押し込むと、圧縮された弾性部材36が伸びる。このため、先端部材の支持部67dと押さえ管31とが当接した状態で、アーム部材11が押さえ管31に対して先端側に移動する。
その結果、操作者がアーム部材11の第一アーム12および第二アーム13を再び開形態へ戻すことができる。すなわち、上述の接触状態までスライダ102が引き戻される過程において、操作者が内視鏡を操作することにより、改めてクリップ10を用いて、標的組織Tにクリップ10を掴み直すことができる。
(医療機器1の乗り越え状態)
上述の医療機器1の接触状態から、操作者がさらにスライダ102を引戻すと、アーム部材11の第一アーム12および第二アーム13は、さらに基端側へ移動される。その際、図3Aおよび図3Bに示すように、第一アーム12および第二アーム13は、互いに接近する方向に弾性変形し、係止部32内に挿入される。具体的に、第一アーム12の第一被係止部16、17は、弾性変形した状態で係止部32内を挿入される。
その結果、図3Aに示すように、第一アーム12の第一被係止部16、17が係止部32を通過すると、第一被係止部16の先端部と、第一被係止部17の先端部との両方とも、係止部32に当接する。アーム部材11は、第一被係止部16、17および第二被係止部21、22が係止部32を乗越えた乗り越え状態になる。このとき、アーム部材11の第一アーム12および第二アーム13は、閉形態を維持したままである。また、クリップ10と動力伝達部材62とが互いに係合する係合形態は、維持されている。
(医療機器1の係止状態)
アーム部材11を押さえ管31の基端側に移動させようとする力量、すなわち、スライダ102を基端側へ引き戻す力量を解除すると、弾性部材36の弾性力によって、アーム部材11の第一被係止部16、17および第二被係止部21、22が係止部32に対して先端側に係止され、医療機器1が係止状態になる。
操作者がスライダ102を基端側へ引き戻し、アーム部材11の係止状態に到達するまでの過程において、操作者は、前述と同様に、スライダ102を先端側へ押し込むと、アーム部材11を先端側に移動させることができる。このため、アーム部材11の第一アーム12および第二アーム13を閉形態から開形態へ変化させることができる。すなわち、アーム部材11が乗り越え状態に到達するまでに、標的組織Tを掴み直すことができる。
医療機器1の係止状態において、図3Aに示すように、リンク部材63は、先端部材67の内部に位置する。ただし、この際、リンク部材63は、未だに先端部材67の斜面部67bに接触していない。リンク部材63の一対のレッグ63aとアーム部材11の中央部14との係合は維持されている。リンク部材63の基端側に連結されているガイド部材64は、例えば、一部が先端部材67の基端部67cに進入してもよい。
前述したように、ガイド部材64は、外径が先端部材67の基端部67cの内径よりわずかに小さく形成されている。このため、ガイド部材64が先端部材67の基端部67cに進入する際、基端部67cに対するぐらつきが殆どない状態で軸線Y方向に沿って移動することができる。その結果、操作者がスライダ102を基端側へ引き戻す際、ガイド部材64の先端側に連結されたリンク部材63も、先端部材67内において、殆どぐらつきがない状態で軸線Y方向に沿って基端側へ移動することができる。
この際、押さえ管31内において、弾性部材36は、軸線Y方向に圧縮されるが、隣り合う素線36aが一定の距離を開けて離間する状態である。すなわち、弾性部材36は、さらに圧縮されることが可能である。
医療機器1が係止状態になると、操作者がスライダ102を押し込むことにより、アーム部材11を押さえ管31に対して先端側に移動させることができなくなる。すなわち、操作者は、クリップ10を用いて、標的組織Tにクリップ10を掴み直すことができなくなる。このため、この状態において、標的組織Tの根元がクリップ10によって緊縛された状態が維持される。また、クリップ10と動力伝達部材62とが互いに係合する係合形態は、維持されている。
その後、操作者は、以下の手順でスライダ102を操作することにより、リンク部材63とクリップ10との係合を解除し、クリップ10を留置することができる。
(クリップ10のリリース操作)
操作者は、スライダ102をさらに基端側へ引き戻すと、クリップ10のアーム部材11の第一被係止部16、17および第二被係止部21、22が係止部32に係止する状態が解除され、アーム部材11がさらに基端側へ移動される。言い換えると、アーム部材11の基端側への移動に伴い、第一被係止部16、17および第二被係止部21、22が同様に基端側へ移動し、係止部32から離間する。なお、押さえ管31内において、弾性部材36がさらに圧縮される。
この際、図4Aに示すように、リンク部材63は、先端部材67内において、リンク部材63の一対のテール63cが先端部材67の斜面部67bに当接するまで、基端側へ移動される。なお、前述したように、リンク部材63が先端部材67内に移動する際のぐらつきは、ガイド部材64によって防げる。このため、リンク部材63は、先端部材67内において、ほぼ軸線Y方向に沿って基端側へ移動することができる。その結果、リンク部材63の一対のテール63cは、ほぼ同時に先端部材67の斜面部67bに当接する。この過程において、クリップ10と動力伝達部材62とが互いに係合する係合形態は、維持されている。
図4Cには、リンク部材63の一対のテール63cが先端部材67の斜面部67bに当接する状態が示されている。本実施形態において、例えば、リンク部材63の一対のテール63cのそれぞれの基端面63dと、先端部材67の斜面部67bの対応する内周面67eとは、交差するように構成されてもよい。すなわち、リンク部材63の一対のテール63cの基端面63dと、対向する先端部材67の斜面部67bの内周面67eとは、平行でない。言い換えれば、テール63cの基端面63dと軸線C1とがなす角度と、先端部材67の斜面部67bの内周面67eと軸線C1とがなす角度とは異なる値であってもよい。
本実施形態に係る医療機器1は上述の構成を有するため、リンク部材63の一対のテール63cが斜面部67bに当接する際、基端面63dと内周面67eとの二つの面が完全に接触することがない。図4Cに示すように、例えば、基端面63dの先端の一点のみが内周面67eに接触してもよい。
本実施形態において、基端面63dの先端の一点のみが内周面67eに接触することを例として説明するが、リンク部材63の一対のテール63cと先端部材67の斜面部67bとが当接する形態は、これに限定されない。例えば、一対のテール63cと先端部材67とが対向する部分において、いずれか一方のみにおいて斜面が形成され、もう一方において突起などが形成されてもよい。
次に、リンク部材63の一対のテール63cが先端部材67の斜面部67bに当接した状態で、操作者は、さらにスライダ102を基端側へ引き戻すと、テール63cの基端面63dの先端が内周面67eに当接しながら、内周面67eに沿って基端側へ移動する。
この過程において、テール63cと内周面67eとの接触部分において、テール63cと斜面部67bとが互いに押圧している。このため、基端側へ引き戻す力量と、テール63cと内周面67eとの接触部分においてテール63cが斜面部67bから受ける押圧力と、の二つの力量は、リンク部材63に作用している。なお、この二つの力量の作用線は一致していないため、リンク部材63には、この二つの力量によるモーメントが作用している。
前述したように、リンク部材63において、軸線C1に交差する方向に延びて形成される一対の変形部(支点部)63bは、肉厚が最も薄い部分である。このため、本実施形態において、上記のモーメントがリンク部材63に作用すると、リンク部材63のその他の部分に比べ、変形部63bにおいて大きな弾性変形が起きる。変形部63bが弾性変形すると、図5Cに示すように、リンク部材63の一対のレッグ63aは、それぞれ弾性変形した変形部63bを支点として、軸線C1から離間する方向、すなわち、リンク部材63の長手軸方向から外側へ回転する。一方、リンク部材63の一対のテール63cは、先端が斜面部67bの内周面67eに当接しながら内周面67eに沿って基端側へ移動する。つまり、リンク部材63の一対のテール63cは、軸線C1に接近する方向、すなわち、リンク部材63の長手軸方向の内側へ回転する。その結果、リンク部材63は、一対のレッグ63aがその長手軸方向から外側へ開いて変形する。
本実施形態において、ガイド部材64の外径が先端部材67の基端部67cの内径よりわずかに小さいため、ガイド部材64の先端側に連結されたリンク部材63は、殆どぐらつきがない状態で軸線Y方向に沿って基端側へ移動する。このため、一対のテール63cは、ほぼ同じタイミングで先端部材67の斜面部67bの内周面67eに当接する。また、一対のテール63cは、ほぼ同じタイミングで内周面67eに当接しながら基端側へ移動するため、一対の変形部63bに作用するモーメントも略同一である。このため、一対のレッグ63aは、ほぼ同時にリンク部材63の長手軸方向の外側へ回転することができる。その結果、モーメントが一対のレッグ63aのいずれか一方のみに集中することを防げることにより、リンク部材63とアーム部材11との係合は、スムーズに解除されることができる。
リンク部材63とアーム部材11との係合が解除されると、図5Aおよび図5Bに示すように、押さえ管31内において、弾性部材36はさらに圧縮される状態になる。この状態において、例えば、弾性部材36は、軸線方向Yに隣り合う素線36aが互いに密着した状態で圧縮されてもよい。
また、図5Bに示すように、標的組織Tがアーム部材11の第一アーム12および第二アーム13の間に把持された状態で、アーム部材11の閉形態が維持されている。クリップ10と動力伝達部材62とは、係合形態から離間形態に遷移される。
本実施形態において、閉形態にあるアーム部材11によって標的組織Tが把持された状態において、リンク部材63の一対のテール63cが先端部材67の斜面部67bに当接し、一対のレッグ63aが開く状態で所在する位置を、リンク部材63の第二の位置と定義する。すなわち、本実施形態において、リンク部材が動力伝達部材62によって第二の位置まで移動されると、クリップ10と動力伝達部材62とは、係合形態から離間形態に遷移される。
リンク部材63とアーム部材11との係合が解除されると、圧縮された弾性部材36の弾性力によって、アーム部材11は、先端側へ移動する。このため、図6Aおよび図6Bに示すように、アーム部材11は、第一被係止部16、17および第二被係止部21、22が係止部32に対して先端側に係止される係止状態に戻る。すなわち、アーム部材11の中央部14は、軸線Y方向に沿って、リンク部材63の一対のレッグ63aの間から先端側へ移動する。この状態において、リンク部材63の一対のレッグ63aが再度閉じたとしても、アーム部材11の中央部14を挟み込むことはできない。
クリップ10と動力伝達部材62とが離間形態に遷移されると、圧縮された弾性部材36の弾性力と釣り合う力量がないため、図7Aおよび図7Bに示すように、押さえ管31と先端部材67の支持部67dとの係合は解除される。このため、標的組織Tがアーム部材11によって把持された状態で、押さえ管31を含むクリップ10全体が先端側へ移動する。言い換えると、クリップ10が処置具本体40から離脱する。
その結果、標的組織Tが把持された状態で、クリップ10を体内に留置することができる。
その後、操作者は、スライダ102を少し先端側へ押し込むことにより、リンク部材63の一対のテール63cと先端部材67の斜面部67bとの係合を解除すると、一対のレッグ63aが再び閉じることになる。この状態において、操作者は、医療機器1を体内から抜去し、再度クリップ10を装着して処置を行うことができる。
以上で、本実施形態に係る医療機器1を用いて、標的組織Tを結紮する手技が終了する。
(医療機器1の作用)
本実施形態に係る医療機器1によれば、操作部100のスライダ102を引き戻すことにより、クリップ10のアーム部材11が開形態になる際、リンク部材63の第一の位置から、クリップ10のアーム部材11が閉形態になる際、リンク部材63が先端部材67に当接する第二の位置まで、リンク部材63とアーム部材11とを一緒に移動させると、リンク部材63とアーム部材11との係合を解除することができる。
本実施形態において、リンク部材63の第一の位置は、処置対象である標的組織Tがアーム部材11の第一アーム12および第二アーム13の間にあるときに、リンク部材63が配置される位置であってもよい。リンク部材63の第二の位置は、リンク部材63と先端部材67とが当接する位置であってもよい。このため、操作者がスライダ102を操作し、動力伝達部材62を引き戻す過程において、操作者が操作部100のスライダ102を引き戻す操作に必要な最大力量は、アーム部材11の第一被係止部16,17および第二被係止部21,22が係止部32を乗越えるための力量である。
すなわち、本実施形態に係る医療機器1によれば、リンク部材63の第一の位置から第二の位置までのストロークを確保し、スライダ102を操作し動力伝達部材62の基端側への引き戻す量を制御するのみで、より容易にクリップ10を留置することができる。
以上、リンク部材63が一対のレッグ63aを備える例を説明したが、本実施形態に係る医療機器1の構成は、これに限らない。医療機器1は、例えば、リンク部材63が一対のレッグ63aのいずれか一方のみを備える構成であってもよい。すなわち、本実施形態に係る医療機器1において、リンク部材63は、一体的に形成されたレッグ63a、変形部63b、およびテール63cを1組のみを有して構成されてもよい。
この場合、医療機器1は、リンク部材63の折り返し部63eがフックなどの形状を有し、アーム部材11の中央部14に引っ掛かることにより、アーム部材11とリンク部材63とが互いに係合される。また、リンク部材63は、レッグ63aと一体的に形成されたテール63cが先端部材67の斜面67eに当接することにより、同様に変形部63bが大きく弾性変形することができる。その結果、リンク部材63のレッグ63aは、軸線C1から離間する方向、すなわち、リンク部材63の長手軸方向から外側へ回転する。このとき、リンク部材63の折り返し部63eとアーム部材11の中央部14との係合が解除されることにより、リンク部材63とアーム部材11との係合が解除される。
リンク部材63が一つのレッグ63aのみを備える医療機器1は、一対のテール63cを備えてもよい。この医療機器1において、ガイド部材64により、クリップ10が軸線C1に沿って基端側へ引き戻され、一対のテール63cがほぼ同時に先端部材67の斜面67eに当接することができる。しかしながら、一対のテール63cのうち、レッグ63aと一体的に形成されたテール63cのみが変形部63bの弾性変形によって回転でき、もう一方のテール63cが斜面67eに当接した状態が維持される。その結果、医療機器1において、レッグ63aが同様上述の実施形態同様に軸線C1から離間する方向において安定して回転することができる。
また、アーム部材11の中央部14がリンク部材63の一対のレッグ63aによって挟まれ、すなわち、アーム部材11とリンク部材63とが直接係合される例を説明したが、本実施形態に係る医療機器1の構成は、これに限らない。例えば、アーム部材11とリンク部材63との間に、その他の部材をさらに配置してもよい。
(医療機器1の変形例)
次に、本実施形態に係る医療機器1の一変形例を説明する。以下、本実施形態に係る医療機器1と同じ構成の説明を省略し、本実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の変形例に係る医療機器1A(結紮装置、クリップ装置)は、上記の実施形態に係るリンク部材63の代わりに、リンク部材73を有して構成されている。
図8Aおよび図8Bに示すように、リンク部材73は、先端側に一対の開閉可能なレッグ73aと、一対の変形部(支点部)73bと、基端側に傾斜面が形成された一対のテール73cとを有して形成されている。本実施形態において、リンク部材73は、例えば、ステンレス鋼のような金属材料によって一体化で形成されてもよい。
本変形例に係るリンク部材73は、上記の実施形態に係るリンク部材63に比べ、変形部73bが異なる形状で形成されている。具体的に、図8Aおよび図8Bに示すように、例えば、本変形例に係るリンク部材73の変形部73bは、軸線C1に略平行し、ガイド部材64に連結する部分に形成されてもよい。変形部73bの軸線C1に直交する方向の幅は、特に制限されないが、例えば、変形部73bが繰り返し弾性変形できる程度の幅を有してもよい。
本変形例に係る医療機器1Aは、その他の構成は上記実施形態に係る医療機器1の構成と同様であってもよい。
本変形例に係る医療機器1Aによれば、図8Bに示すように、操作者がスライダ102を基端側へ引き戻すことにより、リンク部材73の一対のテール73cが先端部材67の斜面部67bに当接する。この際、上記実施形態に係る医療機器1同様に、リンク部材73の変形部73bを支点として、一対のレッグ73aのそれぞれが軸線C1から離間する方向、すなわち、リンク部材73の長手軸方向から外側へ回転する。一方、リンク部材73の一対のテール73cは、斜面部67bの内周面67eに当接しながら内周面67eに沿って基端側へ移動する。つまり、リンク部材73の一対のテール73cは、軸線C1に接近する方向、すなわち、リンク部材63の長手軸方向の内側へ回転する。その結果、リンク部材73は、一対のレッグ73aがその長手軸方向から外側へ開いて変形する。
その結果、リンク部材73とアーム部材11との係合状態が解除され、押さえ管31内に設けられた弾性部材36の弾性力によって、アーム部材11を含むクリップ10が先端側へ移動される。このように、上記実施形態に係る医療機器1同様に、本変形例に係る医療機器1Aのクリップ10は、体内に留置されることができる。
本変形例に係る医療機器1Aによれば、上記の実施形態に係る医療機器1同様の効果を有する。また、本変形例に係る医療機器1Aによれば、リンク部材73における変形部73bは、上記実施形態に係るリンク部材63における変形部63bに比べると、力量を受ける範囲が大きくなるため、力量の集中を防ぐことができる。そのため、本変形例に係る医療機器1Aは、より高い耐久性を有し、繰り返し処置を行うことができる。
(医療機器1の作用)
以下、本発明に係るクリップ装置を用いて、クリップを体内に留置する操作を行う際、操作者がスライダ102を引き戻す量とスライダ102を引き戻すのに必要な操作力量との関係の観点から、再度本発明に係るクリップ装置の作用を説明する。
図9には、本発明に係る医療機器1あるいは医療機器1Aと、従来の内視鏡処置具(例えば、特許文献1に記載された内視鏡処置具)とのそれぞれを用いて、クリップ10を体内に留置する際の各段階における操作力量の変化が示されている。
図9において、横軸が操作者によるスライダ102を基端側へ引き戻す量を示し、縦軸がスライダ102を引き戻す際必要な力量を示している。また、図9において、実線は本発明に係る医療機器1あるいは医療機器1Aを示し、破断線は従来の内視鏡処置具を示している。
なお、以下の説明では、上記実施形態に係る医療機器1の例を説明するが、上記変形例に係る医療機器1Aについては、同様な効果を有する。
図9に示す領域R1において、上記実施形態に係る医療機器1の初期状態(アーム部材11が開形態にある)からアーム部材11が閉形態に遷移させるまでの操作が示されている。図9に示す領域R1は、操作者がスライダ102を引き戻すことにより、医療機器1のアーム部材11が開形態(図1B参照)から閉形態(図2B参照)に遷移させる操作に相当する。この領域R1において、アーム部材11の第一アーム12および第二アーム13は、その間に位置する標的組織Tの抵抗に抗して、標的組織Tの根元を緊縛する。アーム部材11の第一アーム12および第二アーム12の間の距離が小さくなればなるほど、標的組織Tの抵抗が大きくなるため、操作者がスライダ102を引き戻すのに必要な力量も順次大きくなる。
領域R1において、従来の内視鏡処置具の場合、同等な操作が行われるため、操作者がスライダを引き戻す量が増大にしたがって、必要な力量が増大する。
図9に示す領域R2において、医療機器1のアーム部材11の閉形態を維持しながら、スライダ102を引き戻す操作により、医療機器1の接触状態を経て、医療機器1の係止状態までに遷移させる操作が示されている。
領域R2において、医療機器1の接触状態までの操作では、アーム部材11の閉形態を維持しながら、アーム部材11を基端側へ引き戻す操作のみであるため、操作者がスライダ102を引き戻す量に従って、必要な力量が一旦減少する。医療機器1の接触状態から医療機器1の係止状態までの操作では、アーム部材11は、第一被係止部16,17および第二被係止部21,22が係止部32に接触しながら基端側へ引き戻されるため、操作者がスライダ102を引き戻す量に従って、必要な力量が増大する。図9に示すクリップ10を乗り越え状態にするのに必要な力量F1は、例えば、20~50N(ニュートン)程度である。
領域R2において、従来の内視鏡処置具の場合、同等な操作が行われるため、操作者がスライダを引き戻す量と必要な力量との関係は、本実施形態に係る医療機器1と同等である。
図9に示す領域R3において、本実施形態に係る医療機器1のクリップ10を留置する(リリースする)操作が示されている。本実施形態に係る医療機器1によれば、操作者は、スライダ102を引き戻すことにより、図4Aおよび図4Bに示すように、医療機器1の係止状態が解除され、リンク部材63およびアーム部材11が基端側へ引き戻される。その際、押さえ管31内に設けられた弾性部材36が密巻き状態になるまでさらに圧縮されるため、操作者がスライダ102を引き戻す量に従って、必要な力量が増大する。その後、図5Aおよび図5Bに示すように、医療機器1のリンク部材63が先端部材67の斜面部67bに係合しながら基端側へ引き戻されることにより、リンク部材63とアーム部材11との係合が解除されるため、操作者がスライダ102を引き戻す量に従って、必要な力量が増大する。
ただし、図9に示すように、本実施形態に係る医療機器1によれば、リンク部材63とクリップ10との係合を解除するために必要な力量、すなわち、クリップ10を留置するために必要な力量は、クリップ10を乗り越え状態にするのに必要な力量F1よりも小さい。
また、領域R3において、領域R2に比べてスライダ102を引戻す単位移動量当たりのスライダ102を引戻す為に必要な力量の増加率が小さくなる。言い換えれば、領域R3では比較的勾配の緩やかな力量特性の変化を示すのに対し、係止部32に第一被係止部16、17、第二被係止部21、22が接触した領域R2では比較的勾配の急激な力量特性の変化を示している。
一方、従来の内視鏡処置具の場合、係止状態になると、押さえ管内に設けられたつる巻きバネがほぼ密巻き状態に圧縮されたため、これ以上圧縮されることはない。すなわち、従来の内視鏡処置具が係止状態になると、クリップが押さえ管に対して基端側に移動できない。ただし、操作者がスライダ102を引き戻すことにより、破断機構や動力伝達部材に作用する張力が徐々に増大する。
前述のように、従来の内視鏡処置具では、破断機構を破断させるために必要な力量は、処置対象の組織の物性(硬さ)によって、大きく設定する必要がある。このため、図9に示す領域R3′において、クリップと動力伝達部材との係合を解除するために必要な力量、すなわちクリップを留置するために必要な力量は、クリップ10を乗り越え状態にするのに必要な力量F1以上になる。その後、操作者がスライダを引き戻す力量が破断機構を破断させるために必要な力量に達すると、破断機構が破断し、クリップと動力伝達部材との係合を解除することができる。
上述のように、本実施に係る医療機器1または医療機器1Aによれば、医療機器1のアーム部材11が開形態にある状態からクリップ10を体内に留置する操作において、操作者がスライダ102を基端側へ引き戻すために必要な力量は、クリップ10を乗り越え状態に遷移させるのに必要な力量F1以下である。一方、従来の内視鏡処置具の場合、クリップを体内に留置する操作において、操作者がスライダを基端側へ引き戻すために必要な力量は、クリップを乗り越え状態に遷移させるのに必要な力量F1よりも大きい。
本実施形態に係る医療機器1によれば、クリップ10のアーム部材11が開形態であるときに配置される第一の位置から、クリップ10のアーム部材11が閉形態であるときに配置される第二の位置まで、リンク部材63を移動させることにより、リンク部材63とクリップ10との係合を解除できる。この処置過程において、クリップ10を体内に留置するために、操作者がスライダ102を基端側へ引き戻す操作に必要な力量は、クリップ10を乗り越え状態に遷移させるのに必要な力量F1以下である。本実施形態において、例えば、クリップ10を乗り越え状態に遷移させるのに必要な力量F1は、アーム部材11の第一被係止部16,17および第二被係止部21,22が係止部32を乗り越えるために必要な力量によって決められてもよい。
このため、本実施形態に係る医療機器1によれば、異なる物性(硬さ)の標的組織Tを処置しても、クリップ10を体内に留置するために必要な力量を所定の値以下に制御し、操作性の向上を図ることができる。
本実施形態に係る医療機器1によれば、リンク部材63が繰り返し弾性変形可能な剛性を有して構成されているため、複数のクリップ10を繰り返し体内に留置することが可能である。
本実施形態において、可撓性を有する内視鏡のチャンネルにクリップ装置を挿入する例を説明したが、本発明の構成はこれに限定されない。例えば、クリップ装置は、医療用マスタースレーブマニピュレータシステムのスレーブマニピュレータに適用することも可能である。この際、動力伝達部材は、例えば、スレーブマニピュレータに取り付けられるロッドであってもよい。
本実施形態において、標的組織Tを結紮するためのクリップを体内に留置する例を説明したが、本発明の構成はこれに限定されない。例えば、本発明のクリップ装置の構成を、ステントや、スネアなどを体内に留置されるための医療機器(より詳しくは結紮装置)に適用してもよい。
この場合、例えば、図10および図11に示すように、スネアループ81を有する処置具10Aを体内に留置するための医療機器(結紮装置)2が構成されている。図10に示すように、処置具10Aは、押さえ管31内に設けられ、筒状に形成された固定部材80と、押さえ管31の係止部32とが弾性部材36によって連結されている。スネアループ81は、固定部材80の先端側に連結されている。また、固定部材80の基端側には、第一被係止部16,17および中央部14を有する一対のアーム部材が連結されている。上述同様に、第一被係止部16,17は、押さえ管31の係止部32を乗り越えて係止部32に係止されることが可能である。図10に示すように、リンク部材63と処置具10Aとが係合された状態において、動力伝達部材62の前進および後退によって、スネアループ81と固定部材80とが一体的に前進および後退することができる。より具体的に、スネアループ81が前進するとき、自身が形成するループ形状の面積が増大し、スネアループ81が後退するとき、自身が形成するループ形状の面積が減少することができる。
図10に示すように、医療機器2において、スネアループ81が形成するループ形状の面積が最大となる状態、あるいはスネアループ81が形成するループ形状の面積が標的組織Tの範囲以上である状態を、スネアループ81の開形態と定義する。さらに、スネアループ81が開形態になる際、リンク部材63の一対のレッグ63aが閉じる状態で所在する位置を、リンク部材63の第一の位置と定義する。図10に示すように、処置具10Aの中央部14がリンク部材63の一対のレッグ63aの先端側に形成された折り返し部63eによって挟み込まれることにより、リンク部材63と処置具10Aとが互いに係合されている。すなわち、図10に示すように、リンク部材63が第一の位置にあるとき、リンク部材63と開形態にあるスネアループ81を有する処置具10Aとが係合形態にあると言える。
図11に示すように、医療機器2において、動力伝達部材62が基端側へ引き戻されるとき、スネアループ81が形成するループ形状の面積が減少し、標的組織Tの根元がスネアループ81によって緊縛される。スネアループ81が形成するループ形状の面積が減少し、標的組織Tの根元を緊縛する状態を、スネアループ81の閉形態と定義する。また、基端側へ引き戻される動力伝達部材62とともに移動するリンク部材63が先端部材67に当接するとき、より具体的に、一対のテール63cが先端部材67の斜面部67bに当接するとき、上述の医療機器1および医療機器1A同様に、変形部63bにおいて大きな弾性変形が起きる。ここで、一対のテール63cが斜面部67bに当接するとき、リンク部材63の位置をリンク部材63の第二の位置と定義する。図11に示すように、リンク部材63が第二の位置にあるとき、リンク部材63の一対のレッグ63aが軸線C1(リンク部材63の中心軸線)から外側へ開いて変形する。その結果、一対のレッグ63aの先端側に形成された折り返し部63eと、処置具10Aの中央部との係合が解除される。なお、このとき、処置具10Aの第一被係止部16、17が係止部32を通過し、係止部32に係止される。すなわち、図11に示すように、リンク部材63が第二の位置にあるとき、スネアループ81が閉形態を維持した状態で、リンク部材63と処置具10Aとの係合が解除される。その結果、標的組織Tの根元を緊縛したスネアループ81を有する処置具10Aは、所定の部位に留置される。図11に示すように、リンク部材63が第二の位置で先端部材67の斜面部67b(リリース機構)に当接すると、リンク部材63と閉形態にあるスネアループ81を有する処置具10Aとの係合形態が解除され、係合形態から離間形態に遷移される。
以上を踏まえ、医療機器2において、動力伝達部材62によりリンク部材63が第一の位置から第二の位置まで移動すると、リンク部材63が先端部材67の斜面部67b(リリース機構)に当接することにより、動力伝達部材62と処置具10Aとが係合形態から離間形態に遷移させることができる。
以上で、医療機器2において、リンク部材63が一対のレッグ63aを有する構成の例を説明したが、この場合においても、上述同様に、リンク部材63が一つのレッグ63aのみを有してもよい。また、医療機器2において、リンク部材63と処置具10Aとは、他の部材を介して連結されてもよい。さらに、医療機器2において、スネアループ81の形状は、特に制限されない。例えば、スネアループ81は、六角形状に形成されてもよいし、半月形状に形成されてもよい。このように構成された医療機器2は、上述同様の効果を有する。
本実施形態において、コイルシースの先端側に固定される先端部材に斜面部(クリップリリース機構)を形成し、リンク部材が先端部材の斜面部に当接することにより、クリップとリンク部材との係合を解除する例を説明したが、本発明の構成はこれに限定されない。例えば、コイルシースの内周面において、リンク部材が当接可能な段差を有するクリップリリース機構を形成し、リンク部材がクリップリリース機構に当接することにより、クリップとリンク部材との係合を解除する構成であってもよい。
以上、本発明の各実施形態および変形例を説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各実施形態および変形例における構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
本発明の各態様によれば、異なる物性の標的組織に対して、高い把持力および操作性の両方を維持しながら処置することができる医療機器を提供することができる。
1,1A 医療機器(結紮装置、クリップ装置)
2 医療機器(結紮装置)
10 クリップユニット(クリップ)
10A 処置具
11 アーム部材
12 第一アーム
13 第二アーム
16,17 第一被係止部
18,19,23,24 突部
21,22 第二被係止部
31 押さえ管
32 係止部
36 弾性部材(つる巻きバネ、バネ)
36a 素線
40 処置具本体
50 外套管
60 挿入部
61 シース部(シース)
62 動力伝達部材(操作ワイヤ、ワイヤ)
63,73 リンク部材
63a,73a レッグ
63b,73b 変形部
63c,73c テール
63d,73d 基端面
63e,73e 折り返し部
64 ガイド部材
67 先端部材
67a 先端部
67b 斜面部
67c 基端部
67d 支持部
67e 内周面(斜面)
72 拡径部
72a 接続部材
80 固定部材
100 操作部
101 操作部本体(ハンドル)
102 スライダ
T 標的組織

Claims (14)

  1. 一対のアームから構成され、前記一対のアームが離間した開形態と前記一対のアームが閉じた閉形態とに遷移するクリップユニットと、
    前記クリップユニットを操作する操作ワイヤと、
    前記クリップユニットと前記操作ワイヤとを解除可能に連結するリンク部材と、
    前記操作ワイヤおよび前記リンク部材の少なくとも一部が挿通するシースと、
    を備え、
    前記リンク部材は、
    前記操作ワイヤの長手軸に交差する方向に延びる変形部と、
    前記変形部から前記クリップユニット側に向かって延びるレッグと、
    前記変形部から前記操作ワイヤ側に向かって延びるテールと、
    を備え
    前記シースは、前記クリップユニット側から前記操作ワイヤ側に向かって前記シースの内径が小さくなる方向に傾斜した内周面を有し、
    記リンク部材は、前記シース内において第一の位置と、前記第一の位置よりも前記操作ワイヤ側の第二の位置と、を移動可能であり、
    前記リンク部材が前記第一の位置に配される時、前記テールは前記シースの前記内周面と離間し、前記クリップユニットは前記操作ワイヤと連結され、
    前記リンク部材が前記第二の位置に配される時
    前記テールが前記シースの前記内周面に接触することにより、前記変形部が弾性変形し、
    前記変形部が弾性変形し、前記レッグが前記長手軸から離れる方向へ移動することにより、前記クリップユニットが前記操作ワイヤと連結解除される、
    医療機器。
  2. 前記クリップユニットが前記開形態にあるときに、前記リンク部材は、前記シースの前記内周面と離間した前記第一の位置に配置される請求項1に記載の医療機器。
  3. 前記クリップユニットは、前記閉形態から前記開形態への遷移を規制するロック機構をさらに備え、
    前記ロック機構によって前記クリップユニットの前記閉形態から前記開形態への前記遷移が規制された状態において、前記リンク部材は、前記操作ワイヤによって移動されて前記シースと接触する
    請求項2に記載の医療機器。
  4. 前記クリップユニットと前記操作ワイヤは、互いに係合する係合形態と、互いの係合が解除されて離間する離間形態とを有し、
    前記リンク部材は、前記テールが前記シースの前記内周面と接触することで、前記クリップユニットと前記操作ワイヤとを前記係合形態から前記離間形態へ遷移する
    請求項1に記載の医療機器。
  5. 前記リンク部材は、前記テールが前記シースの前記内周面に接触することにより、前記レッグが前記長手軸から離間する方向に移動し変形するよう構成される
    請求項4に記載の医療機器。
  6. 前記リンク部材は、前記テールが前記シースの前記内周面に当接する際、前記変形部が弾性変形し、前記レッグが前記長手軸から離れる方向へ移動し、前記テールが前記長手軸に向かって移動するよう構成される
    請求項4に記載の医療機器。
  7. 前記シースは、前記内周面の一部がテーパー形状に形成され、
    前記テールがテーパー形状の前記内周面に接触することにより、前記レッグが前記長手軸から離間する方向に移動し変形する
    請求項5に記載の医療機器。
  8. 前記変形部は、前記レッグ及び前記テールの剛性よりも低い剛性を有する請求項4に記載の医療機器。
  9. 前記リンク部材に設けられ、前記操作ワイヤの前記長手軸に交差する方向において前記変形部と反対側に延びて形成された第二変形部と、
    前記リンク部材に設けられ、前記第二変形部から前記クリップユニット側に向かって延びて形成された第二レッグと、
    前記リンク部材に設けられ、前記第二変形部から前記操作ワイヤ側に向かって延びて形成された第二テールと、をさらに備え、
    前記リンク部材は、前記テール及び前記第二テールが前記シースの前記内周面に接触することにより、前記レッグ及び前記第二レッグが互いに離間する方向に移動して変形し、前記クリップユニットと前記操作ワイヤとを前記係合形態から前記離間形態へ遷移する 請求項4に記載の医療機器。
  10. 前記リンク部材は、テーパー形状に形成された前記内周面における前記シースの最小内径と略同等の外径を有し、筒状に形成されたガイド部材をさらに備え、
    前記ガイド部材が前記シース内に配置されることにより、前記テール及び前記第二テールがほぼ同時に前記シースの前記内周面に接触する
    請求項9に記載の医療機器。
  11. 前記クリップユニットは、
    前記一対のアームが挿入される押さえ管と、
    前記一対のアームおよび前記押さえ管を係合させる弾性部材と、
    をさらに備え、
    前記弾性部材は、
    前記クリップユニットの前記閉形態から前記開形態への遷移が規制された状態において、さらに弾性変形することができ、
    前記クリップユニットと前記操作ワイヤとが前記係合形態から前記離間形態へ遷移されると、前記弾性部材の弾性力により、前記長手軸に沿って前記クリップユニットを前記操作ワイヤから離間させる
    請求項4に記載の医療機器。
  12. 前記リンク部材は、前記シースのテーパー形状の前記内周面に対向して形成された外周面を有し、
    前記リンク部材の前記外周面および前記長手軸が成す角度と、前記シースのテーパー形状の前記内周面および前記長手軸が成す角度とは異なる値である
    請求項4に記載の医療機器。
  13. 前記シースの前記内周面は、テーパー形状に形成され、
    前記テールは、前記テーパー形状に形成された前記シースの前記内周面に当接することにより、前記操作ワイヤと前記クリップユニットとの前記係合を解除するよう構成される外周面を備え、
    前記テールの前記外周面および前記長手軸がなす角と、前記シースの前記テーパー形状に形成された前記内周面および前記長手軸がなす角とは異なる値である
    請求項4に記載の医療機器。
  14. 前記クリップユニットと前記操作ワイヤとを前記係合形態から前記離間形態へ遷移させるための力量は、前記クリップユニットが対象組織を把持し、かつ、前記閉形態から前記開形態への遷移が制限される状態において、前記クリップユニットを中空の押さえ管に係止するための力量よりも小さい値である
    請求項4に記載の医療機器。
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