JP7246465B1 - 被膜の製造方法及び2液型の被膜形成用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い撥水性、滑水性、及び低摩擦性を発揮し、かつ、これらの効果が払拭を繰り返した際にも失われにくい、被膜の製造方法及び被膜形成用組成物を提供する。【解決手段】シラザン化合物、アルコキシシラン化合物、触媒、及び溶媒を含有するコーティング液1を基材に塗布し、基材上に多孔質被膜を形成する工程1と、シロキサン化合物、及び溶媒を含有するコーティング液2を前記多孔質被膜の上に塗布する工程2とを含む、被膜の製造方法。また、上記コーティング液1とコーティング液2とを含む2液型の被膜形成用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、被膜の製造方法に関する。より詳細には、基材上に塗布するコーティング液1と、コーティング液1により形成された基材上の多孔質被膜の上に塗布するコーティング液2とを用い、基材上に払拭耐久性に優れた被膜を製造する方法に関する。また、本発明は、コーティング液1とコーティング液2とを含む2液型の被膜形成用組成物に関する。
従来より、自動車や電車などの車両や航空機、建材や壁材、一般産業機器、道路標識などの表面に塗布するための、その美観を保護するための多数のコーティング剤が提供されている。特に車両に関しては、塗装の保護や艶を与えるため、ポリシラザンやシラン化合物からなるガラス系コーティング組成物が提供されている。例えば、特許文献1には、成膜したときの水接触角が70度以上の有機ポリシラザンと、硬化触媒と、分子中に少なくとも1つの反応性官能基を有する反応性シリコーンオイルとを含有する、各種産業製品の金属面、塗装面または樹脂面などに艶、光沢、撥水性、及び防汚性を与えるためのコーティング剤が記載されている。また、特許文献2には、特定の主骨格を有するポリシラザンと、変性シリコーンオイル及び/又は硬化性シリコーン樹脂とを含有し、変性シリコーンオイルはアミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーンなどから選択される少なくとも一種であり、硬化性シリコーンオイルは特定の平均組成式を有することを特徴とする、車両(自動車、電車等)の車体、航空機の機体、家具、建物の外壁等の塗装表面に長期にわたる防汚性、光沢、及び撥水性を付与するためのコーティング剤が記載されている。
特開2014-139301号公報 特開2012-153849号公報
上記の通り、ポリシラザンやシリコーンオイルなどのケイ素含有化合物を含むコーティング剤を用いて、車両の塗装面などに撥水性や防汚性を付与することは従来より報告されている。しかし、これらのコーティング剤により得られる被膜の耐久性、特に、洗車時など洗浄払拭を繰り返した際の耐久性(撥水性などの効果の持続性)については、十分とは言えない。
本発明は、たとえば車両の塗装面などの基材に適用することができ、高い撥水性、滑水性、及び低摩擦性を発揮し、かつ、これらの効果が払拭を繰り返した際にも失われにくい、被膜の製造方法及び被膜形成用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的に対して鋭意検討を行った結果、被膜形成用組成物を2液型(2種類のコーティング液を用意し、これらを順に塗布する方式)とし、基材に最初に塗布するコーティング液1としてシラザン化合物、アルコキシシラン化合物、触媒、及び溶媒を含有するものを用い、コーティング液1の塗布後に基材上に形成された多孔質被膜の上に、コーティング液2としてシロキサン化合物及び溶媒を含有するものを塗布することにより、高い撥水性、滑水性、及び低摩擦性を発揮することができ、また、払拭を繰り返した後でもこれらの効果が失われにくい(すなわち、払拭耐久性の高い)という利点を有する被膜が得られることを見出した。
本発明としては、以下に限定されないが、次のものが挙げられる。
(1)シラザン化合物、アルコキシシラン化合物、触媒、及び溶媒を含有するコーティング液1を基材に塗布し、基材上に多孔質被膜を形成する工程1と、
シロキサン化合物、及び溶媒を含有するコーティング液2を前記多孔質被膜の上に塗布する工程2と
を含む、被膜の製造方法。
(2)前記コーティング液1における触媒が、アミノ基を有するシリコーンオイルである、(1)に記載の方法。
(3)前記コーティング液1におけるアルコキシシラン化合物が、アルコキシシリル基を有するアルコキシシランオリゴマーである、(1)または(2)に記載の方法。
(4)前記コーティング液2におけるシロキサン化合物が、シラノール基を有するシリコーンオイルである、(1)~(3)のいずれか一項に記載の方法。
(5)前記コーティング液1におけるシラザン化合物が、ポリシラザンである、(1)~(4)のいずれか一項に記載の方法。
(6)前記コーティング液2における溶媒が、ジメチルシリコーンオイルである、(1)~(5)のいずれか一項に記載の方法。
(7)前記コーティング液2におけるシロキサン化合物と溶媒との混合割合が、質量比で、0.1:99.9~10.0:90.0である、(1)~(6)のいずれか一項に記載の方法。
(8)基材が、車両ボディの塗装面である、(1)~(7)のいずれか一項に記載の方法。
(9)工程1と工程2とが、常温下で行われる、(1)~(8)のいずれか一項に記載の方法。
(10)シラザン化合物、アルコキシシラン化合物、触媒、及び溶媒を含有するコーティング液1と、
シロキサン化合物、及び溶媒を含有するコーティング液2と
を含む2液型の被膜形成用組成物。
(11)ポリシラザン、アルコキシシリル基を有するアルコキシシランオリゴマー、アミノ基を有するシリコーンオイル、及び溶媒を含有するコーティング液1と、
シラノール基を有するシリコーンオイル、及びジメチルシリコーンオイルを含有するコーティング液2と
を含む2液型の被膜形成用組成物。
本発明の被膜の製造方法及び2液型の被膜形成用組成物により、高い撥水性、滑水性、及び低摩擦性を発揮し、かつ、これらの効果が払拭を繰り返した際にも失われにくい(すなわち、払拭耐久性の高い)被膜を製造することができる。例えば自動車の車体(ボディ)と塗装面に本発明の方法及び組成物を用いて被膜を形成させると、被膜の撥水性が高いことにより、雨水や水飛沫を弾く効果が得られる。また、被膜の滑水性が高いことにより、水滴が貼り付くことを防ぐことができる。また、被膜表面の摩擦が小さいことにより、洗車や払拭時に傷がつきにくくなるという利点が得られる。また、払拭を繰り返した後にも高い撥水性、滑水性、及び低摩擦性の効果が失われにくく、長期にわたり上記の効果を享受することができる。
本発明は、シラザン化合物、アルコキシシラン化合物、触媒、及び溶媒を含有するコーティング液1を基材に塗布し、基材上に多孔質被膜を形成する工程1と、シロキサン化合物、及び溶媒を含有するコーティング液2を前記多孔質被膜の上に塗布する工程2とを含む被膜の製造方法に関する。また、前記のコーティング液1とコーティング液2とを含む2液型の被膜形成用組成物に関する。
<コーティング液1を塗布する工程1>
本発明の方法においては、まず、コーティング液1を基材上に塗布して多孔質被膜を形成する。
コーティング液1は、シラザン化合物、アルコキシシラン化合物、触媒、及び溶媒を含有する。コーティング液1がこのような組成を有することにより、常温下での無機多孔質被膜の形成が可能となる。
シラザン化合物は、シラザン結合-Si-N-Si-を持つ物質の総称である。シラザン化合物は、基材表面との密着性を確保すると同時に、ガラス質骨格を有する被膜を形成する役割を果たす。シラザン化合物の例としてはポリシラザンを挙げることができ、本発明ではパーヒドロポリシラザンのような無機ポリシラザンとメチルヒドロポリシラザンやジメチルポリシラザンのような有機ポリシラザンのいずれも用いることができる。また、これらを組み合わせて用いてもよい。これらの中では、無機ポリシラザンが好ましく、パーヒドロポリシラザンがさらに好ましい。
コーティング液1はシラザン化合物を含有することにより、常温で硬質なガラス質の骨格を有する被膜が形成される。シラザン化合物におけるシラザン結合は、大気中の水分と反応して窒素原子をアンモニアとして排出し、シロキサン結合-Si-O-Si-に転じる(シリカ転化)。ポリシラザンは通常重量平均分子量が数千ほど(例えば1000~3000程度)の粘稠液体だが、シリカ転化により硬いガラス質に転化することができる。
シリカ転化は、加熱で促進されるが、常温下でも触媒により促進することができる。本発明ではコーティング液1にシラザン化合物に加えて触媒を含有させることにより、常温下での被膜の形成を可能としている。
触媒としては、アミノ基を有する触媒を用いることが好ましい。反応系中にアミノ基が存在すると、シラザン化合物の硬化を促進する触媒作用が得られる。触媒作用により、迅速なシリカ転化を実現することができる。また、触媒は、アミノ基を有するシリコーンオイルであることがより好ましく、少なくとも側鎖又は片末端、好ましくは両末端がアミノ基で変性されたシリコーンオイルを用いることがさらに好ましい。触媒がアミノ基を有するシリコーンオイルであると、払拭耐久性が向上するという利点が得られる。この理由は明らかではないが、アミノ基を有するシリコーンオイルを触媒として用いると、コーティング液2に含まれるシロキサン化合物との相溶性の高さから、コーティング液2を塗布した際にコーティング液2が弾かれにくくなり、空隙内部へと浸透しやすくなるのではないかと推測している。なお、アミノ基を有する触媒の中で、有機アミンは、ガラス質骨格中に異物として残留して破断を生じる起点となりうるので、好ましくない。
コーティング液1は、また、アルコキシシラン化合物を含有する。アルコキシシラン化合物は、アルコキシ基を有するシラン化合物の総称である。アルコキシシラン化合物は、基材との密着性を確保すると同時に、被膜のガラス質骨格を形成する役割の一部を担う。アルコキシシラン化合物単独で形成されるガラス質骨格はシラザン化合物単独で形成されるガラス質骨格より密度が低いため、摩擦に対する耐久性がやや低い。アルコキシシラン化合物とシラザン化合物とを混合することで、シラザン化合物単独またはアルコキシシラン化合物単独では得られないような適度な柔軟性と摩擦耐久性とを有する被膜を形成することができる。
アルコキシシラン化合物としては、アルコキシシリル基を有するアルコキシシランオリゴマーであることが好ましい。アルコキシシリル基としては、例えばメトキシシリル基、エトキシシリル基を挙げることができ、アルコキシシリル基としてメトキシシリル基のみを有するアルコキシシランオリゴマー、エトキシシリル基のみを有するオリゴマー、メトキシシリル基とエトキシシリル基の両方を有するオリゴマーのいずれも用いることができる。これらの中ではメトキシシリル基を有するアルコキシシランオリゴマー(メトキシシリル基含有シランオリゴマー)が特に好ましい。アルコキシシランオリゴマーは、アルコキシシラン化合物(単量体)が縮合重合して形成されたオリゴマーをいう。アルコキシシランオリゴマーは、シロキサン結合による連結構造を有するが、シリコーンオイルのような直鎖状の長鎖ポリシロキサンとは異なる分子形状を有する。したがって、アルコキシシランオリゴマーは、ポリシロキサンやシリコーンオイルとは異なる化合物として認識されるものである。
コーティング液1にアルコキシシラン化合物を混合することにより、被膜の払拭耐久性が向上する。アルコキシシラン化合物の混合により払拭耐久性が向上する理由は明らかではないが、アルコキシシラン化合物により、コーティング液1による多孔質被膜にゴム的な粘弾挙動や柔軟性が付与されたためと推測している。アルコキシシラン化合物は、コーティング液2に含まれるシロキサン化合物を定着させる「化学結合の手」の役割を示し、また、ゴム加硫を行う場合のようにシラザン化合物の分子鎖同士を架橋してより強固な被膜を形成する役割も示すと考えられる。
コーティング液1には上述したシラザン化合物、触媒、及びアルコキシシラン化合物に加えて、溶媒が含まれている。コーティング液1における溶媒の種類は、特に限定されず、公知の溶媒の中から上記の化合物との親和性がよいものを適宜選択すればよい。例えば、石油系溶剤(例えば、パラフィン系炭化水素溶剤やナフテン系炭化水素溶剤など)やエーテル系溶剤(例えば、ジブチルエーテルなど)を用いることができる。
コーティング液1におけるシラザン化合物、アルコキシシラン化合物、触媒、及び溶媒の含有量は、シラザン化合物を0.10~1.00wt%、アルコキシシラン化合物を0.05~0.30wt%、触媒を0.001~0.10wt%程度とし、残りが溶媒であることが好ましく、シラザン化合物を0.20~0.60wt%、アルコキシシラン化合物を0.07~0.25wt%、触媒を0.005~0.07wt%程度とし、残りが溶媒であることがさらに好ましい。
コーティング液1を塗布する基材の種類は特に限定されず、一般には、撥水性や滑水性、また、低摩擦による防汚性などが求められるものであり、例えば、自動車や電車などの車両や航空機の車体及び機体の表面、建材や壁材、一般産業機器、道路標識などを挙げることができる。特に、自動車車体(ボディ)の塗装面が好ましい。本発明により形成される被膜は、高い撥水性、滑水性、及び低摩擦性を発揮し、かつ、これらの効果が払拭を繰り返した際にも失われにくい(すなわち、払拭耐久性の高い)という利点を有する。本発明により、例えば自動車ボディの塗装表面上に被膜を形成させた際には、被膜の撥水性が高いことにより、雨水や水飛沫を弾く効果が得られる。また、被膜の滑水性が高いことにより、水滴が貼り付くことを防ぐことができる。また、被膜表面の摩擦が小さいことにより、洗車や払拭時に傷がつきにくくなるという利点が得られる。また、払拭を繰り返した後にも高い撥水性、滑水性、及び低摩擦性の効果が失われにくく、長期にわたり上記の効果を享受することができる。
コーティング液1の塗布方法は、特に限定されず、慣用される方法、例えば、スポンジ塗り、ディップコート、スピンコート、刷毛塗り等を用いることができる。コーティング液1は塗布後に10~30分ほど静置して溶媒を乾燥させる。溶媒の乾燥後、残存した有効成分をマイクロファイバークロス等の乾布で塗り延ばす(レベリングする)ことが好ましいが、塗り延ばしを行わずに次のコーティング液2の塗布を行ってもよい。塗布及び乾燥時の温度は特に限定されない。
コーティング液1は、複数回塗り重ねて骨格被膜を厚く強固に形成するようにしてもよい。例えば、コーティング液1を塗布して所定の時間静置した後、半乾きの骨格被膜の上にコーティング液1を再度重ねて塗布してもよい。また、コーティング液1の組成に該当する液を2種類以上用意し、それらを塗り重ねることで骨格被膜を形成してもよい。
コーティング液1の塗布により、基材上に多孔質被膜が形成される。コーティング液1により多孔質被膜が形成されるメカニズムは明らかではないが、シリカ転化時に副生成物のアンモニアが発生し、これが基材に塗布された直後の塗布液中で発泡して蒸発することにより、塗布被膜中に細孔が形成されると考えられる。すなわち、シリカ転化による硬質化と発泡による空孔形成が同時に進行して多孔質被膜が形成されると考えられる。また、本発明では触媒も併用するため、シリカ転化が迅速化され、また、アンモニアによる発泡も激しくなるため、緻密な孔が無数に形成された多孔質の被膜が得られると考えられる。
コーティング液1の塗布により得られる多孔質被膜の膜厚は、特に限定されず、例えば10nm~1μm程度であり、例えば30~600nm程度であり、例えば50~200nm程度である。膜厚が適度な厚さを有することにより十分な耐久性が得られ、また、適度な薄さを有することにより、被膜の表層や深層を問わず、全体で同時かつ均一的に大気中の水分と反応し、内圧にほぼ差がないため生じるアンモニアの泡のサイズが一様となり、規則的な細孔が得られると考えられる。
シラザン化合物単独で形成された多孔質被膜は、撥水性などの機能性が低く、また、摩擦抵抗が高いため払拭時に高い負荷がかかり払拭耐久性が低い(脆い)。これに対し、本発明では、アルコキシシラン化合物と触媒とを、シラザン化合物に組み合わせて用い(コーティング液1)、さらに、後述するコーティング液2による塗布を上から重ねることにより、最終的に払拭耐久性が向上した被膜を得ることができる。
<コーティング液2を塗布する工程2>
コーティング液1を塗布して基材上に多孔質被膜を形成させた後、多孔質被膜上にコーティング液2を塗布する。コーティング液1により形成された多孔質被膜の上にコーティング液2を塗布して、コーティング液2に含まれる機能性成分を多孔質被膜の孔の内部に含浸及び/または孔の内壁に付着させ、さらに被膜最表層の凹凸を形成する骨格にも被覆させることにより、上述した払拭耐久性の高い被膜が得られる。
コーティング液2は、シロキサン化合物及び溶媒を含有する。シロキサン化合物は、シロキサン結合を有する化合物の総称である。シロキサン化合物は、コーティング液1による多孔質被膜の孔の内部に含浸及び/または孔の内壁に付着することにより、被膜に撥水性と滑水性の機能性を付与する役割を果たす。シロキサン化合物としては、シラノール基を有するシリコーンオイルであることが好ましく、少なくとも側鎖又は片末端、好ましくは両末端にシラノール基を有するシリコーンオイルが好ましい。コーティング液1による多孔質被膜の内壁には、アルコキシシラン化合物による結合の手と、シロキサン骨格とがあるため、コーティング液2のシロキサン化合物は、化学的にも物理的にも多孔質被膜中の細孔内に定着しやすくなっていると考えられる。また、実施例の結果に示されるように、コーティング液2にシロキサン化合物を混合して塗布することにより、後述する溶媒のみを塗布した場合に比べて、払拭耐久性が向上する効果も得られる。
溶媒としては、揮発性に優れるシリコーンオイルを用いることが好ましく、非変性のジメチルシリコーンオイルであることが好ましい。溶媒として用いるシリコーンオイルは、コーティング液1による多孔質被膜のシロキサン骨格との親和性が高いため、コーティング液2を多孔質被膜上に塗布した際に、弾かれにくく、また、機能性成分(コーティング液2のシロキサン化合物)を被膜の孔内に浸透させる役割を果たす。
コーティング液2におけるシロキサン化合物と溶媒との混合割合は、質量比で、0.1:99.9~10.0:90.0程度であることが好ましく、0.5~99.5:3.0~97.0程度であることがさらに好ましい。
コーティング液2はコーティング液1で形成した多孔質被膜の上にすぐに重ね塗りすることができる。コーティング液2の塗布方法は、特に限定されず、慣用される方法、例えば、スポンジ塗り、ディップコート、スピンコート、刷毛塗り等を用いることができる。コーティング液2は塗布後に10~30分ほど静置して溶媒を乾燥させた後、水を含むマイクロファイバークロス等で被膜を拭き上げて余剰成分除くことが好ましい。塗布及び乾燥時の温度は特に限定されない。コーティング液2は通常、重ね塗りする必要はなく、一度の塗布でよい。
コーティング液2をコーティング液1により形成された多孔質被膜上に塗布することにより、高い撥水性、滑水性、及び低摩擦性を発揮することができ、また、払拭を繰り返した後でもこれらの効果が失われにくい(すなわち、払拭耐久性の高い)被膜を形成することができる。本発明において、撥水性、滑水性といった機能性は、コーティング液2に含まれるシロキサン化合物により発揮され、一方、コーティング液1による被膜の多孔質構造によりその性能が増幅される。コーティング液1のみで形成する多孔質被膜は撥水性や低摩擦性などの機能性を十分に発揮しない。また、コーティング液2は単独では被膜形成能と基材への定着性を持たない。コーティング液1とコーティング液2とを順に重ね塗りすることにより、これらの組成物がそれぞれの役割を果たし、高い撥水性と滑水性、低摩擦性、及び高い払拭耐久性を得ることができるようになる。
本発明により製造される被膜が高い撥水性と滑水性、低摩擦性、及び高い払拭耐久性を示すメカニズムは、明らかではないが、以下のように推測している:
コーティング液1による多孔質被膜は、その比表面積が膨大で、さらに空隙の内壁に撥水成分であるコーティング液2中のシロキサン化合物が付着することでロータス効果(撥水性と滑水性)が得られると考えられる。また、コーティング液2中のシロキサン化合物の分子運動と表面凹凸により接触物の接地面積が低下することで著しい低摩擦性も発揮されると考えられる。また、多孔質被膜の骨格部分は硬質なガラス質ではあるが、コーティング液1にアルコキシシラン化合物が含まれることにより、ゴム的な粘弾挙動を示す柔軟性/弾力性が付与されていると考えられる。スポンジ素材のような多孔質構造による荷重分散性と、荷重を押し返す弾力性に優れることで物理的な荷重に対する耐性が向上していると考えられる。さらに、高い撥水作用及び滑水作用により膜内部への浸水が抑えられており、かつ、低摩擦性による払拭時の摩擦抵抗が低減されていることにより、洗浄時の払拭耐久性が向上したと考えられる。
<2液型の被膜形成用組成物>
本発明は、被膜の製造方法に加えて、2液型の被膜形成用組成物も提供する。2液型の被膜形成用組成物とは、コーティング液1とコーティング液2という少なくとも2種類のコーティング液を含む組成物をいう。
コーティング液1とコーティング液2とは別々の容器に入れられて提供される。容器の種類は特に限定されず、コーティング剤に通常使用されるものを用いればよい。また、コーティング液1とコーティング液2とが混合されることなく、別の容器で提供されていればよく、各々の容器の数は特に限定されない。例えば、コーティング液1は上述した通り、重ね塗りを行ってもよいので、コーティング液1を二度塗りし、コーティング液2を一度塗りすることが意図されている場合には、使用者の簡便さのために、コーティング液1を含む容器2つと、コーティング液2を含む容器1つをセットにして提供してもよいが、これに限定されない。
従来の被膜形成用組成物は、特許文献1及び2に記載されるように、ポリシラザンのような基材に定着する足場となるガラス質骨格の被膜を形成する成分、その硬化を促進する触媒、撥水性などの機能性を発揮する成分などが、一液中にすべて混合されていた。このような一液型の組成物では、機能性を向上させるにはシリコーンオイル等の機能性を発揮する成分の配合比率を増やす必要があった。しかし、機能性成分の配合比率を増加させると、ガラス質骨格を形成するための成分の比率が減少する。シリコーンオイルのような機能性成分は、ポリシラザンのように化学反応を起こして硬化するという特性を持たないため、ガラス質骨格を形成するための成分の比率が少ない組成物により製造された膜は強固にならず、全体が脆いものとなった。また、ポリシラザンとシリコーンオイルとは異なる物質であり、完全に混ざり合うものではないため、部分的に相分離を起こし、一様な膜を形成することは困難であった。一方、機能性成分の配合量を抑えて、被膜骨格を形成する成分の比率を増加させると、低摩擦性などの機能が十分に得られなかった。低摩擦性が損なわれると物理的な払拭時に摩擦が大きく生じて被膜の損壊につながるため、結果的に脆い被膜となる。このように、従来の一液型のコーティング剤では、硬いガラス質骨格と機能性との間で如何にバランスを取るかが商品開発の鍵となっており、その配合比率をシビアに調節するなどで対応されていた。しかしながら、そのような方法は、被膜骨格形成成分と機能性成分の両者の特性を十二分に発揮したものではなく、両者の性能的な妥協点を探るものであった。
また、従来の組成物に用いられる機能性成分の多くはシリコーン化合物であるが、シリコーン化合物には、反応型/非反応型や、レジンと呼ばれる樹脂など様々な種類があり、性能の定着性を高めるため、反応性樹脂を複合的に用いることが多かった。従来の一液型のガラス系コーティング剤にはこのようにして様々な成分が含有されることとなるため、ガラス質骨格中に機能性成分が含まれていても、各成分が凝集して肥大化したり偏在化するなどして脱落しやすい状態となっていたと考えられる。また、形成途中の被膜骨格内部に機能性成分が組み込まれることにより、被膜骨格に脆い箇所が生じることも考えられる。実際、従来の一液型のガラス系コーティング剤では、払拭を繰り返すと、機能性が顕著に低下するものであった。
これに対し、本発明では、コーティング液を1と2の2種類に分割し、それぞれに骨格形成と機能性付与という明確な役割分担をさせることで、各々のパフォーマンスを最大限に発揮させたものである。本発明の被膜の製造方法及び2液型の被膜形成用組成物では、従来の一液型の商品に比べて、高い払拭耐久性を得ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例をあげてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
シラザン化合物(パーヒドロポリシラザン、分子量約2000)0.40wt%、アルコキシシラン化合物(メトキシシリル基含有シランオリゴマー、粘度約350cSt)0.10wt%、触媒(両末端アミノ基変性シリコーンオイル)0.05wt%、溶媒99.45wt%(ジブチルエーテル9.45wt%及びイソパラフィン系炭化水素溶剤(出光興産製メルベイユ)90.00wt%)からなるコーティング液1を用意した。
また、シロキサン化合物(両末端シラノール基変性シリコーンオイル、粘度100~200cSt)1.0wt%、及び溶媒(ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業製信越シリコーン(登録商標)オイルKF-96L))99.0wt%からなるコーティング液2を用意した。
自動車ボディ用の黒塗装を施した70×150×2mmの鋼板を試験片とし、これにコーティング液1をマイクロファイバー不織布付きのスポンジに取り、塗布した。常温で15分間静置して溶媒を乾燥させた後、残存した成分をマイクロファイバークロスで塗り延ばし、試験片上にコーティング液1由来の被膜を形成させた。
次いで、得られた被膜上に、コーティング液2をマイクロファイバー不織布付きのスポンジで塗布した。常温で15分間静置した後、水で濡らしたマイクロファイバークロスで被膜を拭き上げて余剰成分を取り除き、試験片上にコーティング液1とコーティング液2とを由来とする被膜を形成させた。
<実施例2>
シラザン化合物0.48wt%(実施例1で用いたパーヒドロポリシラザン0.40wt%及びメチルヒドロポリシラザン(分子量約2000)0.08wt%)、アルコキシシラン化合物(実施例1で用いたメトキシシリル基含有シランオリゴマー)0.20wt%、触媒(実施例1で用いた両末端アミノ基変性シリコーンオイル)0.01wt%、溶媒99.31wt%(ジブチルエーテル9.50wt%及び実施例1で用いたイソパラフィン系炭化水素溶剤89.81wt%)からなるコーティング液1-1を用意した。
また、シラザン化合物0.48wt%(上記のパーヒドロポリシラザン0.40wt%及びメチルヒドロポリシラザン0.08wt%)、アルコキシシラン化合物(上記のメトキシシリル基含有シランオリゴマー)0.10wt%、触媒(上記の両末端アミノ基変性シリコーンオイル)0.05wt%、溶媒99.37wt%(ジブチルエーテル9.50wt%及び上記のイソパラフィン系炭化水素溶剤89.87wt%)からなるコーティング液1-2を用意した。
また、シロキサン化合物A(実施例1で用いた両末端シラノール基変性シリコーンオイル)1.0wt%、シロキサン化合物B(両末端シラノール基変性シリコーンオイル、粘度10~100cSt)0.5wt%、及び溶媒(実施例1で用いたジメチルシリコーンオイル)98.5wt%からなるコーティング液2を用意した。
実施例1と同様にして試験片上にコーティング液1-1を塗布し、常温で15分間静置して溶媒を乾燥させた後、コーティング液1-2を重ねて塗布した。常温で15分間静置して溶媒を乾燥させた後、残存した成分をマイクロファイバークロスで塗り延ばし、試験片上にコーティング液1(1-1及び1-2)由来の被膜を形成させた。
次いで、得られた被膜上に、コーティング液2をマイクロファイバー不織布付きのスポンジで塗布した。常温で15分間静置した後、水で濡らしたマイクロファイバークロスで被膜を拭き上げて余剰成分を取り除き、試験片上にコーティング液1(1-1及び1-2)とコーティング液2とを由来とする被膜を形成させた。
<実施例3>
シラザン化合物0.55wt%(実施例1で用いたパーヒドロポリシラザン0.45wt%及び実施例2で用いたメチルヒドロポリシラザン0.10wt%)、アルコキシシラン化合物(実施例1で用いたメトキシシリル基含有シランオリゴマー)0.20wt%、触媒(実施例1で用いた両末端アミノ基変性シリコーンオイル)0.05wt%、溶媒99.20wt%(ジブチルエーテル7.60wt%及び実施例1で用いたイソパラフィン系炭化水素溶剤91.60wt%)からなるコーティング液1を用意した。
また、実施例2で用いたコーティング液2を用意した。
実施例1と同様にして試験片上にコーティング液1を塗布し、常温で15分間静置して溶媒を乾燥させた後、コーティング液2をマイクロファイバー不織布付きのスポンジで重ねて塗布した。常温で15分間静置した後、水で濡らしたマイクロファイバークロスで被膜を拭き上げて余剰成分を取り除き、試験片上にコーティング液1とコーティング液2とを由来とする被膜を形成させた。
<比較例1>
実施例1のコーティング液1において、触媒を用いず、イソパラフィン系炭化水素溶剤を90.05wt%とした以外は、実施例1と同様にして試験片上にコーティング液1とコーティング液2とを由来とする被膜を形成させた。
<比較例2>
実施例1のコーティング液1において、アルコキシシラン化合物を用いず、イソパラフィン系炭化水素溶剤を90.10wt%とした以外は、実施例1と同様にして試験片上にコーティング液1とコーティング液2とを由来とする被膜を形成させた。
<比較例3>
実施例1のコーティング液1において、触媒とアルコキシシラン化合物を用いず、イソパラフィン系炭化水素溶剤を90.15wt%とした以外は、実施例1と同様にして試験片上にコーティング液1とコーティング液2とを由来とする被膜を形成させた。
<比較例4>
実施例1のコーティング液2において、シロキサン化合物を用いず、溶媒を100.0wt%とした以外は、実施例1と同様にして試験片上にコーティング液1とコーティング液2とを由来とする被膜を形成させた。
<比較例5>
実施例1において、コーティング液2を塗布しなかった以外は実施例1と同様にして、試験片上にコーティング液1由来の被膜を形成させた。
<比較例6>
実施例1に記載のコーティング液1とコーティング液2とを同量ずつ混合し、これを、実施例1と同様にしてマイクロファイバー不織布付きのスポンジに取り、塗布した。常温で15分間静置した後、水で濡らしたマイクロファイバークロスで被膜を拭き上げて余剰成分を取り除き、試験片上にコーティング液1の成分とコーティング液2の成分の混合物を由来とする被膜を形成させた。
<参考例1>
市販の自動車ボディ用の撥水低摩擦コーティング形成用のコーティング液(ポリシラザン、シリコーンレジン、シラン化合物、シランオリゴマー、イソパラフィン系炭化水素溶剤使用)を製品の使用説明書にしたがって試験片上に塗布し、被膜を形成した。
<払拭耐久性の評価>
ガードナー式ウォッシャビリティテスター(安田精機製作所製)を用い、一定荷重(450g)をかけた洗車用スポンジを試験片上の被膜上に一定速度(毎分約40往復)で摺動させ、被膜の払拭を行った。被膜の払拭による水接触角の変化、水滑落角の変化、及びスリップ角の変化を測定した。
スリップ角の測定には、スリップテスター(安田精機製作所製)を用いた。具体的には、試験片をテスターのスロープに固定し、上に重さ1kgのおもりを載せた。おもりはブロック状であり、試験片との接触面には不織布が巻き付けられている。スロープを毎秒1度の傾斜速度で傾斜させ、おもりが滑り出した際の角度をスリップ角とした。
結果を表1~3に示す。
Figure 0007246465000001
表1は、水接触角の測定結果であり、水接触角は大きいほど被膜の撥水性が高いことを示す。水接触角の値が103.0゜以上を◎、100.0゜以上103.0°未満を○、95.0°以上100.0°未満を△、95.0°未満を×で表した。表1の結果より、コーティング液1における必須成分のうちの少なくとも1つが欠けている比較例1~3、コーティング液2における必須成分の1つが欠けている比較例4、コーティング液1のみを塗布した比較例5、コーティング液1の成分とコーティング液2の成分とを混合して一度塗りした比較例6、及び市販のコーティング液を用いた参考例1の被膜に比べて、実施例1~3の被膜は、洗浄払拭後も撥水性が低下しにくいことがわかる。被膜の撥水性が高いと、雨水や水飛沫を弾く効果が得られる。
Figure 0007246465000002
表2は、水滑落角の測定結果であり、水滑落角は小さいほど被膜の滑水性が高いことを示す。水滑落角の値が12.0°未満を◎、12.0°以上20.0°未満を○、20.0°以上30.0°未満を△、30.0°以上を×で表した。表2の結果より、コーティング液1における必須成分のうちの少なくとも1つが欠けている比較例1~3、コーティング液2における必須成分の1つが欠けている比較例4、コーティング液1のみを塗布した比較例5、コーティング液1の成分とコーティング液2の成分とを混合して一度塗りした比較例6、及び市販のコーティング液を用いた参考例1の被膜に比べて、実施例1~3の被膜は、洗浄払拭後も滑水性が低下しにくいことがわかる。被膜の滑水性が高いと、水滴が貼り付くことを防ぐことができ、降雨時のボディへの水残りを抑えるという効果が得られる。また、水捌けがよくなり、洗車時にも拭き取りでの水分除去が容易になるという利点が得られる。
Figure 0007246465000003
表3は、スリップの測定結果であり、スリップ角は小さいほど被膜表面が低摩擦であることを示す。スリップ角の値が5.0°未満を◎、5.0°以上10.0°未満を○、10.0°以上15.0°未満を△、15.0°以上を×で表した。表3の結果より、コーティング液1における必須成分のうちの少なくとも1つが欠けている比較例1~3、コーティング液2における必須成分の1つが欠けている比較例4、コーティング液1のみを塗布した比較例5、コーティング液1の成分とコーティング液2の成分とを混合して一度塗りした比較例6、及び市販のコーティング液を用いた参考例1の被膜に比べて、実施例1~3の被膜は、洗浄払拭後も低摩擦の表面を維持することがわかる。被膜表面の摩擦が小さいと、洗車や払拭時に傷がつきにくくなるという利点が得られる。
以上の通り、本発明の製法により得られた被膜は、少なくとも撥水性、滑水性、及び低摩擦性の点において優れた払拭耐久性を示す。

Claims (11)

  1. シラザン化合物、アルコキシシラン化合物、触媒、及び溶媒を含有するコーティング液1を基材に塗布し、基材上に多孔質被膜を形成する工程1と、
    シロキサン化合物、及び溶媒を含有するコーティング液2を前記多孔質被膜の上に塗布する工程2と
    を含む、被膜の製造方法であって、
    前記コーティング液1における触媒が、アミノ基を有するシリコーンオイルである、前記製造方法
  2. 前記コーティング液2における溶媒が、ジメチルシリコーンオイルである、請求項1に記載の方法。
  3. シラザン化合物、アルコキシシラン化合物、触媒、及び溶媒を含有するコーティング液1を基材に塗布し、基材上に多孔質被膜を形成する工程1と、
    シロキサン化合物、及び溶媒を含有するコーティング液2を前記多孔質被膜の上に塗布する工程2と
    を含む、被膜の製造方法であって、
    前記コーティング液2における溶媒が、ジメチルシリコーンオイルである、前記製造方法。
  4. 前記コーティング液1におけるアルコキシシラン化合物が、アルコキシシリル基を有するアルコキシシランオリゴマーである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記コーティング液2におけるシロキサン化合物が、シラノール基を有するシリコーンオイルである、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記コーティング液1におけるシラザン化合物が、ポリシラザンである、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記コーティング液2におけるシロキサン化合物と溶媒との混合割合が、質量比で、0.1:99.9~10.0:90.0である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 基材が、車両ボディの塗装面である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程1と工程2とが、常温下で行われる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. シラザン化合物、アルコキシシラン化合物、アミノ基を有するシリコーンオイル、及び溶媒を含有するコーティング液1と、
    シロキサン化合物、及び溶媒を含有するコーティング液2と
    を含む2液型の被膜形成用組成物。
  11. ポリシラザン、アルコキシシリル基を有するアルコキシシランオリゴマー、アミノ基を有するシリコーンオイル、及び溶媒を含有するコーティング液1と、
    シラノール基を有するシリコーンオイル、及びジメチルシリコーンオイルを含有するコーティング液2と
    を含む2液型の被膜形成用組成物。
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