JP7246096B2 - シート型マッサージ機 - Google Patents
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Description
より詳しくは、本発明は、既存の椅子や床の上に載置して座椅子の形態として使用する座椅子モードと、既存の椅子や床の上に載置した状態のまま乃至は床上に引き広げて(シート状として)マッサージ機として使用するマッサージモードとを切り替え自在に有するシート型マッサージ機に関するものである。
特許文献1のマッサージ機は、背もたれ部と座部とが一体化したようなバケットシート型に形成されており、背もたれ部の上端から座部の前端までの広い範囲に亘って設けられるラック部に沿ってマッサージ機構を案内することにより、肩から上肢までの広い範囲に対する施療を可能とするものとなっている。
即ち、本発明のシート型マッサージ機は、使用者が接するマッサージ部と、前記マッサージ部内に収納され且つ使用者の施療部を施療可能とするマッサージ機構と、を有するシート型マッサージ機であって、前記マッサージ機構を施療部から隔離することで、使用者がマッサージ機構の存在を感じることなく、前記マッサージ部に接することを許容する許容モードと、前記マッサージ機構を施療部に近接可能とすることで、使用者の施療部をマッサージ機構でマッサージすることを許容するマッサージモードと、を切替可能に有しており、前記マッサージ部が座部とされ、前記マッサージ機構は、前記使用者の臀部の施療部をマッサージする座部マッサージ機構を有しており、前記座部の表面には、前記臀部の施療部を下方より支持する座部クッションマットが設けられており、前記許容モードの場合には、前記座部マッサージ機構を座部クッションマットの内側に収容することで、前記座部マッサージ機構の存在を感じることなく前記座部に着座することが許容され、前記マッサージモードの場合には、前記座部マッサージ機構を座部クッションマットよりも上方に進出させて施療部のマッサージを行うことが許容される構成とされていて、前記座部マッサージ機構は、前後方向に長尺に形成されるとともに、一端に対して他端が上下方向に揺動自在となるように支持されたマッサージアームと、前記マッサージアームの他端に設けられて、前記臀部の施療部をマッサージ可能とされた施療子と、前記マッサージアームの長手方向の中途側に、一端が左右方向を向く連結軸回りに揺動自在に連結されたリンクアームと、前記マッサージアームの一端側を、左右方向を向く軸心に対して偏心回転させる偏心カムと、前記偏心カムを前記軸心周りに回転させる回転モータと、を有し、前記リンクアームの一端の連結軸が、前記偏心カムの軸心の上方から下方に亘る範囲で移動可能となるように、前記マッサージアームに枢支されていることを特徴とする。
以下、本発明のマッサージ機1の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
図1は、本実施形態のマッサージ機1を模式的に示したものであり、座部2の部分に特徴がある。
図1に示すように、本実施形態のマッサージ機1は、略正方形のやや厚肉の板状に形成された3つの部材に分かれて構成されており、これら3つの部材を直線上に隣り合って並んで備えている。これら3つの部材は、隣り合った部材同士が折り返し自在となるように連結されている。つまり、本実施形態のマッサージ機1は、3つの部材の折り返し状態によって、姿勢がさまざまに変化し、多様なマッサージ姿勢を採ることができる。
図4に示すように、背もたれ部3(第2マッサージ体3a)は、金属製のパンチングメ
タル板などを用いて四角い枠状に形成された背部フレーム7を有している。この背部フレーム7は、中央側から離れるにつれて薄肉となるように外周側が傾斜状に形成されており、中央側が最も肉厚に形成されている。そして、この厚肉とされた背部フレーム7の中央側に後方に向かって凹んだ凹部8が形成されている。この凹部8は、前方に向かって正方形の開口形状で開口しており、背部マッサージ機構6を収容可能となっている。
具体的には、背部マッサージ機構6は、施療部を施療する背部施療子9と、この背部施療子9を上端と下端との双方に備え、かつ上下方向の中途側が後方に向かって膨らむように弓状に湾曲した長尺の背部マッサージアーム10と、を有している。
座部2を構成する3部材の中で最も上側に位置する座部クッションマット19は、発泡ウレタンなどを用いて厚肉の正方形の板状に形成されている。この座部クッションマット19の中央側には、座部クッションマット19を上下に貫通する貫通孔21が形成されている。このような貫通孔21を座部クッションマット19に設けることで、座部クッションマット19を貫通して座部マッサージ機構5の座部施療子22を上下方向に案内することができ、臀部などの施療部を施療することが可能となる。また、座部クッションマット19の下側には、上方に向かって抉れた空洞が形成されており、この空洞に座部マッサージ機構5が収容可能となっている。
座部支持枠20は、上述した背部支持枠18とほぼ同径の金属製のパイプ材などを用いて略U字状に形成されておリ、座部2にかかる使用者Uの上半身の体重を支持できるようになっている。また、座部支持枠20は、座部支持枠20に対して、連結部23を介して
連結されている。
例えば、座部支持枠20に対して座部支持枠20の角度が約150°~180°となるように連結部23材を調整すれば、仰臥姿勢やリクライニング姿勢を採る使用者Uに対応することができる。また、座部支持枠20に対して座部支持枠20の角度が約90°となるように連結部23材を調整すれば、着座姿勢を採る使用者Uに対応することができる。
座部2を構成する3部材の中で中央に配備されている座部マッサージ機構5は、座部施療子22を用いて座部2に着座した使用者Uの臀部や太腿などの施療部を施療可能となっている。次に、座部マッサージ機構5を構成する座部マッサージアーム30、座部施療子22、座部駆動部28、及び座部動力変換機構29について説明する。
上述した座部マッサージ機構5は、臀部や太腿などの施療部に対してマッサージを行うための回転駆動力を発生させる座部駆動モータ33を有している。
座側回転軸34は、左右方向に軸心を向けた長尺状の部材である。座側回転軸34の長手方向の中途側(右端寄りの中途側)には、座側回転軸34の後方に配備された座部駆動モータ33から、ウォームギヤを介して回転駆動力が入力されている。この座側回転軸34には、座部駆動モータ33で発生した回転駆動力を、座側回転軸34の軸心に沿った方向に座部マッサージアーム30を揺動させる動きに変換する座部動力変換機構29が設けられている。
座側ボス部材35は、左右方向を向く軸心回りに円筒状に形成された部材であり、座側回転軸34に対して偏心状態で取り付けられていて、座側回転軸34の周囲を偏心状態で回転可能となっている。また、円筒状に形成された座側ボス部材35の外周面には、座側
ボス部材35の外周面を周回する座側カム面が形成されている。
リンク部材37は、細長い棒状の部材である。リンク部材37の長手方向の一端側は、上述したケーシング31に対して、左右方向を向く軸回りに回動自在に連結されている。また、リンク部材37の長手方向の他端側は、座部マッサージアーム30の長手方向の中途側に対して、左右方向を向く軸回りに回動自在に連結されている。
上述した背部マッサージ機構6や座部マッサージ機構5を設ければ、背部施療子9を用いて背部や腰部などの施療部をマッサージしたり、座部施療子22を用いて臀部や太腿などの施療部をマッサージしたりすることができる。しかし、背部施療子9や座部施療子22が施療部側に突出したままであれば、着座した場合にこれらの施療部に当たって使用者Uに不快感や異物感を覚える可能性がある。
つまり、上述したマッサージ機構隔離手段38を用いてマッサージ機構を施療部から隔離すれば、マッサージ機構の存在を使用者Uが気づかないようになるので、起立姿勢でマッサージを行わずに使用者Uが着座する場合(座椅子のように着座する場合)使用者Uが十分にくつろぐことができる。このくつろぎを使用者Uに与えるマッサージ機1の状態が座椅子モードである。この座椅子モードになったマッサージ機1では、使用者Uがマッサージ機構の存在を感じることなく、マッサージ機構を施療部から隔離して、座部2に着座または背もたれ部3に凭れ掛かることが許容される。
つまり、本実施形態のマッサージ機1は、施療部に対して十分なマッサージを可能とするマッサージモードと、マッサージを行わない場合はマッサージすることなく座椅子のように着座してくつろぐことを許容する座椅子モードとの2つのモードを切替可能に有していることを特徴としている。
マッサージ機構隔離手段38は、座部マッサージ機構5や背部マッサージ機構6を施療部から隔離するものであり、これらのマッサージ機構を隔離することで、上述した座椅子モードやマッサージモードを実現するものである。具体的には、このようなマッサージ機構隔離手段38には、使用者Uがマッサージ機構の存在を感じなくなる位置までマッサージ機構を使用者Uから引き離すものと、マッサージ機構を別部材で覆って使用者Uがマッサージ機構の存在を感じなくなるようにさせるものとが考えられる。
機構隔離手段38」の例を挙げ、第2実施形態において「マッサージ機構を別部材で覆うマッサージ機構隔離手段38」の例を挙げて、本発明のマッサージ機1に設けられるマッサージ機構隔離手段38を説明する。
第1実施形態のマッサージ機構隔離手段38は、上述したマッサージ機構の中でも、座部マッサージ機構5にマッサージ機構隔離手段38を設けたものとなっており、座部マッサージ機構5自体を臀部などの施療部から引き離す構成となっている。
そこで、本実施形態の座部マッサージ機構5では、座部マッサージアーム30の長手方向の中途側を平行リンク機構(リンク部材37)で揺動自在に支持し、座部マッサージアーム30の長手方向の一端を、左右方向を向く軸回りに偏心回動させている。言い換えれば、本実施形態の座部マッサージ機構5は、座側回転軸34に対して偏心状態で取り付けられた座側ボス部材35と、リンク部材37とで構成された平行リンク機構を、座部マッサージアーム30の一端側に採用することで、出力が大きなモータなどを使用することなく(コストの高騰を招聘することなく)、座部施療子22を施療部に対して大きな移動幅で近接乃至は離反させることを可能としたものということもできる。
ここで、座部マッサージアーム30の移動幅と、座部クッションマット19の厚みとの関係を考える。例えば、移動幅が小さい従来の座部マッサージアームでは、座部クッションマットに肉厚なものを用いた場合、座部マッサージアームを上下に揺動させても、座部施療子が座部クッションマットを通り抜けて施療部に到達することは困難であり、施療部に満足なマッサージを加えることは難しい。
図6及び図8に示すように、マッサージモードの座部マッサージ機構5では、座側ボス部材35は、座側回転軸34に対して偏心した状態で回転している。例えば、座側ボス部材35が座側回転軸34に対して後方に偏心した状態で回転している状態を考える。この状態では、座側ボス部材35に回転可能に外嵌する座部環状嵌合部32も後方に偏位した位置に存在している。つまり、後方に偏位した分だけ、座部環状嵌合部32から座部マッサージアーム30の中途側(リンク部材37の上端が連結している位置)までの前後方向に沿った距離は短くなるため、リンク部材37が水平方向に対して大きな角度で起立する。その結果、座部マッサージアーム30の他端(後端)が一端(前端)に対して上方に位置するようになり、座部マッサージアーム30の他端(後端)に取り付けられた座部施療子22も上方に位置するようになる。
なお、上述した座側ボス部材35が座側回転軸34に対して後方に偏心した状態で回転している状態では、座部施療子22は座部2の上面より上方に突出するが、座側ボス部材35の回転位置が座側回転軸34に対して前方などに変化すれば、座部施療子22の高さは座部2の上面と同じになったり、低くなったりする。ただ、座部施療子22が上面より上方に突出していれば、臀部や太腿の施療部を施療することは十分に可能となる。
駆動モータ33を停止させることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のマッサージ機1について説明する。
具体的には、背もたれ部3の上端には、背部クッションマット4(クッションマット)が帯状の連結帯39を介して、前後方向に折り返し自在に設けられている。この背部クッションマット4は、背もたれ部3のほぼ全面を覆うことができる面積を備えた略正方形の板部材であり、発泡ウレタンなどのクッション性に優れた材料で形成されている。また、連結帯39は、背部クッションマット4よりも左右方向にやや狭幅の布で形成されており、背部クッションマット4を、背もたれ部3の前面に重ね合わされた状態に折り返したり、背もたれ部3の後方に垂れ下がった状態に折り返したりできるようになっている。
一方、連結帯39を境に背部クッションマット4を背もたれ部3の後側に折り返すと、背部クッションマット4により背部マッサージ機構6が被覆されなくなり、前方にむき出しになった背部マッサージ機構6で背側の施療部をマッサージすることが可能となる。
第2実施形態のマッサージ機構隔離手段38は、マッサージ機構の周囲にガイドレールなどが配設されていて、長尺なマッサージアームを採用することができないような場合に好適に用いることができる。
2 座部
2a 第1マッサージ体
3 背もたれ部
3a 第2マッサージ体
4 背部クッションマット
4a クッションマット
5 座部マッサージ機構
6 背部マッサージ機構
7 背部フレーム
8 凹部
9 背部施療子
10 背部マッサージアーム
11 背部駆動部
12 背部動力変換機構
13 背側回転軸
14 背部駆動モータ
15 背側ボス部材
16 背側環状嵌合部
17 背部支持枠
19 座部クッションマット
20 座部支持枠
21 貫通孔
22 座部施療子
23 連結部
25 表面部材
27 切り欠き
28 座部駆動部
29 座部動力変換機構
30 座部マッサージアーム
31 ケーシング
32 座部環状嵌合部
33 座部駆動モータ
34 座側回転軸
35 座側ボス部材
37 リンク部材
38 マッサージ機構隔離手段
39 連結帯
U 使用者
Claims (2)
- 使用者が接するマッサージ部と、前記マッサージ部内に収納され且つ使用者の施療部を施療可能とするマッサージ機構と、を有するシート型マッサージ機であって、
前記マッサージ機構を施療部から隔離することで、使用者がマッサージ機構の存在を感じることなく、前記マッサージ部に接することを許容する許容モードと、
前記マッサージ機構を施療部に近接可能とすることで、使用者の施療部をマッサージ機構でマッサージすることを許容するマッサージモードと、
を切替可能に有しており、
前記マッサージ部が座部とされ、前記マッサージ機構は、前記使用者の臀部の施療部をマッサージする座部マッサージ機構を有しており、
前記座部の表面には、前記臀部の施療部を下方より支持する座部クッションマットが設けられており、前記許容モードの場合には、前記座部マッサージ機構を座部クッションマットの内側に収容することで、前記座部マッサージ機構の存在を感じることなく前記座部に着座することが許容され、前記マッサージモードの場合には、前記座部マッサージ機構を座部クッションマットよりも上方に進出させて施療部のマッサージを行うことが許容される構成とされていて、
前記座部マッサージ機構は、前後方向に長尺に形成されるとともに、一端に対して他端が上下方向に揺動自在となるように支持されたマッサージアームと、前記マッサージアームの他端に設けられて、前記臀部の施療部をマッサージ可能とされた施療子と、前記マッサージアームの長手方向の中途側に、一端が左右方向を向く連結軸回りに揺動自在に連結されたリンクアームと、前記マッサージアームの一端側を、左右方向を向く軸心に対して偏心回転させる偏心カムと、前記偏心カムを前記軸心周りに回転させる回転モータと、を有し、
前記リンクアームの一端の連結軸が、前記偏心カムの軸心の上方から下方に亘る範囲で移動可能となるように、前記マッサージアームに枢支されている
ことを特徴とするシート型マッサージ機。 - 前記マッサージ部が座部とされており、前記許容モードが座椅子モードとなることを特徴とする請求項1に記載のシート型マッサージ機。
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