JP7245739B2 - 誘導電動機の駆動装置、駆動方法、および電気車 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導電動機の駆動装置、駆動方法、および電気車に関する。
例えば特許文献1には、フリーラン状態にある交流電動機の回転方向および速度を、残留磁束による誘起電圧によって交流電動機を流れる電流をゼロに制御する電圧指令から推定する方法が開示されている。また、電圧指令の振幅が予め定めた閾値未満の場合には、電流をゼロにする制御を停止し、直流電圧を印加することによって交流電動機を流れる電流の周波数から交流電動機の回転方向および速度を推定する。
特許4407151号公報
しかしながら、上述の従来技術では、交流電動機を流れる三相交流電流をゼロに制御することで速度推定を行うため、制御系の高応答化が必要となるという問題がある。また、直流電圧印加によって交流電動機を流れる電流の周波数から速度を推定する際には、交流電動機の低速域では速度推定に多大な時間を要するという問題がある。
本発明の目的は、上述の点を考慮してなされたものであり、交流電動機である誘導電動機の回転方向および速度を、制御系の高応答化を不要としつつ、回転速度に依らずに短時間で推定し得るようにすることを1つの目的とする。
かかる課題を解決するため本発明においては、1つの目的を達成する一手段として、誘導電動機の駆動装置は、誘導電動機を駆動する電力変換装置と、前記電力変換装置を制御する制御装置とを有し、前記制御装置は、前記電力変換装置の再起動後に前記誘導電動機へ電力を出力する際、前記誘導電動機のモータ端子を短絡して検出した短絡電流検出値に基づいて、前記誘導電動機へ交流電圧を印加する交流電圧印加モードおよび直流電圧を印加する直流電圧印加モードの何れの制御モードへ移行するかを切り替えることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、制御系の高応答化を不要としつつ、回転速度に依らずに短時間で誘導電動機の回転方向および速度を推定することができる。
実施形態1のドライブシステムの全体構成例を示す機能ブロック図。 実施形態1の誘導電動機の速度推定処理例を示すフローチャート。 実施形態1の直流電圧演算部の構成例を示す機能ブロック図。 実施形態1の交流電圧演算部の構成例を示す機能ブロック図。 実施形態1の短絡電流周波数演算部の構成例を示す機能ブロック図。 実施形態1の交流電圧演算部を含むコントローラによる交流電圧演算処理例を示すフローチャート。 短絡電流の振幅判定後、直流電圧印加を選択する場合の速度推定波形の一例を示す図。 短絡電流の振幅判定後、交流電圧印加を選択する場合の速度推定波形の一例を示す図。 実施形態2の交流電圧演算部の構成例を示す機能ブロック図。 短絡時のベクトル図。 実施形態2の位相調整後のベクトル図。 実施形態3の交流電圧演算部の構成例を示す機能ブロック図。 実施形態3の位相調整後のベクトル図。 実施形態3の速度推定波形の一例を示す図。 実施形態4のドライブシステムの構成例を示す機能ブロック図。 実施形態4の交流電圧演算部の構成例を示す機能ブロック図。 実施形態5の電気車の一例を示す模式図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一または類似の要素および処理には、原則として同一の符号を付している。また、同一の機能および処理について、重複説明を省略する。なお、以下に説明する構成および処理はあくまで一例に過ぎず、本発明にかかる実施様態が、以下の具体的様態に限定されることを意図する趣旨ではない。また、各実施形態および変形例は、本発明の技術思想の範囲内および整合する範囲内でその一部または全部を組合せることができる。
以下の実施形態の説明に先立ち、従来技術とその課題について説明する。電気車では、停車状態からインバータを起動して加速した後、インバータを停止して惰性で走行する惰行状態に移り、惰行状態から再度インバータを起動して加速または減速する場合がある。
惰行状態ではインバータは停止しているため、インバータから誘導電動機に電圧は印加されないが、原理上、インバータを停止しても磁束はすぐには消えずに残る。このようにインバータが停止している状態で回転子内部に残る磁束を残留磁束と呼ぶ。残留磁束が存在する場合、残留磁束と回転速度の積に比例した誘起電圧が発生する。
インバータを停止した状態では、残留磁束のエネルギーは誘導電動機の抵抗によって消費され、誘導電動機の抵抗値およびインダクタンス値で決まる時定数にしたがって減衰する。
一方で近年は省エネルギー意識の高まりから、誘導電動機は低すべりに設計されるため、抵抗が小さい。よって残留磁束が減衰する時定数は長くなる傾向にある。その結果、停止状態または惰行状態からインバータが再起動する時に残留磁束が消えずに残りやすくなり、この残留磁束による誘起電圧が外乱となり、速度推定に失敗してしまうことが懸念される。
以上のことから、残留磁束量によらず誘導電動機の速度を推定できることが望ましい。残留磁束考慮した速度推定方法について、上述の特許文献1のような提案がなされているが、制御系の高応答化が必要であったり、交流電動機の低速域では速度推定に多大な時間を要したりするといった課題がある。以下の実施形態では、この課題を解決する手段の一例を示す。
[実施形態1]
先ず実施形態1の構成要素について説明する。図1は、実施形態1のドライブシステム1Sの全体構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態のドライブシステム1Sは、誘導電動機1、相電流検出回路2、インバータ3、およびコントローラ4を有する。
相電流検出回路2は、ホールCT(Current Transformer)等から構成され、U相、V相、W相の三相交流電流Iu、Iv、Iwを検出している。ただし、相電流検出回路2によって必ずしも3相全ての電流を検出する必要はなく、いずれかの2相を検出し、3相電流が平衡状態であると仮定して他の1相を演算により求める構成でも良い。
インバータ3は、直流電圧電源5、ゲート・ドライバ6、およびIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)Q1~Q6とダイオードD1~D6の複数のスイッチング素子から構成される。なお、本実施形態の効果は、半導体スイッチング素子の種類によって限定されるものではない。
コントローラ4は、三相交流電流をαβ座標系の電流に変換するαβ座標変換部7、αβ座標系の電流からdq座標系の電流に変換するdq座標変換部8、αβ座標系の電流を用いてインバータ短絡時の電流を演算する短絡電流演算部9、交流電流指令を出力する交流電流指令演算部10、および交流電流指令とdq座標系の電流から交流電圧指令を演算する交流電圧演算部11を有する。
また、コントローラ4は、直流電流指令を出力する直流電流指令演算部12、直流電流指令から直流電圧指令を演算する直流電圧演算部13、短絡電流を用いて交流電圧指令または直流電圧指令を選択する電圧モード切替部14、および電圧モード切替部14が出力する電圧指令からPWM信号を生成しゲート・ドライバ6へ出力するPWM信号生成部15を有する。
次に図1と図2を参照しつつ、本実施形態におけるコントローラ4の動作を説明する。
図2は、実施形態1の誘導電動機1のコントローラ4が実行する速度推定処理例を示すフローチャートである。
先ずステップS11では、コントローラ4は、停止状態または惰行状態から誘導電動機1を再起動する際、短絡開始時点から予め定めた所定短絡期間にわたり、誘導電動機1のモータ端子の短絡を継続する。例えば、この所定短絡期間は、誘導電動機1の漏れインダクタンスLσを一次換算抵抗Rσで除算して得られる一次換算時定数Tσ以上の期間である。この時、コントローラ4は、インバータ3の上下アームどちらかを短絡させる信号を出力する。短絡中は、電圧モード切替部14の出力である三相交流電圧指令Vu、Vv、Vwはゼロである。
次にステップS12では、コントローラ4は、短絡開始時点から所定短絡期間が経過した時点で短絡電流I1の振幅|I1|が短絡電流振幅閾値Th未満か否かを判定する。この時、短絡電流演算部9は、下記式(1)を用いて短絡電流I1の振幅|I1|を演算する。
Figure 0007245739000001
コントローラ4は、短絡電流I1の振幅|I1|が短絡電流振幅閾値Th未満の場合(ステップS12YES)にステップS13(直流印加モード)へ処理を移し、振幅|I1|が短絡電流振幅閾値以上の場合(ステップS12NO)にステップS14(交流印加モード)へ処理を移す。直流電圧印加モードおよび交流電圧印加モードのどちらのモードに移行するかは電圧モード切替部14が切り替える。
ステップS13では、コントローラ4は、直流電圧印加モードへ移行し、移行時点から予め定めた直流電圧印加期間にわたって、直流電圧を誘導電動機1に印加する。例えば、この直流電圧印加期間は、後退時の最高回転子周波数の半周期と同じ期間である。コントローラ4は、この直流電圧印加期間が経過した後に、ステップS14へ処理を移す。
ステップS14では、コントローラ4は、交流電圧印加モードへ移行し、予め定めた交流電圧印加期間(速度推定期間)、誘導電動機1の速度推定を行う。例えば、この速度推定期間は、電流制御応答時定数以上の期間である。コントローラ4は、この速度推定期間が経過した時点で、速度推定を終了する。
以下、各機能ブロックの詳細について説明する。
図3を参照して直流電圧演算部13について説明する。図3は、実施形態1の直流電圧演算部13の構成例を示す機能ブロック図である。直流電圧演算部13は、LPF(Low-Pass Filter)16、電圧指令演算部17、およびdq座標逆変換部18を有する。LPF16は、直流電流指令演算部12から出力されたd軸電流指令Idをもとにd軸磁束指令Φ2d を演算する。電圧指令演算部17は、d軸電圧指令Vdとq軸電圧指令Vqを下記式(2)および式(3)によって計算する。
Figure 0007245739000002
Figure 0007245739000003
ただし、上記式(2)および式(3)において、R1は一次抵抗設定値、Iqはq軸電流指令、ω1はインバータ周波数、Lσは制御側漏れインダクタンス、Mは制御側相互インダクタンス、L2は制御側二次インダクタンス、T2は制御側の二次時定数である。直流電圧演算部13がd軸方向に直流電圧を印加するためにω1=0、Iq=0となるため、電圧指令演算部17から出力されるd軸電圧指令Vdとq軸電圧指令Vqは、下記式(4)および式(5)のようになる。
Figure 0007245739000004
Figure 0007245739000005
dq座標逆変換部18は、電圧指令演算部17から出力されたd軸電圧指令Vdとq軸電圧指令Vqを三相座標変換することでU相電圧指令Vu、V相電圧指令Vv、W相電圧指令Vwを生成し出力する。
図4を参照して交流電圧演算部11について説明する。図4は、実施形態1の交流電圧演算部11の構成例を示す機能ブロック図である。交流電圧演算部11は、LPF16b、電圧指令演算部17b、dq座標逆変換部18b、速度推定部19、速度推定初期値切替部20、速度推定初期値演算部21、および短絡電流周波数演算部22を有する。
以下、速度推定部19、速度推定初期値切替部20、速度推定初期値演算部21、および短絡電流周波数演算部22の詳細について説明する。なお、LPF16b、電圧指令演算部17b、dq座標逆変換部18bは、それぞれLPF16、電圧指令演算部17、およびdq座標逆変換部18と同一構成であるため、説明を省略する。
速度推定部19は、下記式(6)および式(7)によって算出した速度推定値を出力する。誘導電動機の電圧方程式より、q軸電流検出値Iqとq軸電流指令値Iqに関して以下の式で表される。
Figure 0007245739000006
Figure 0007245739000007
ただし、上記式(6)および式(7)において、ωrは回転子速度、ωr^は速度推定値、Rσは一次換算抵抗設定値、sはラプラス演算子である。ここで、誘導電動機1の定数とコントローラ4の定数が一致しているとし、d軸電流検出値Id、d軸磁束Φ2d、およびq軸磁束指令Φ2qのそれぞれが各指令値に一致していると仮定すると、下記式(8)のようになる。
Figure 0007245739000008
上記式(8)より、Iq-Iq=0ならばωr-ωr^=0⇔ωr^=ωrとなり、q軸電流検出値Iqがq軸電流指令値Iqに収束した時点で速度推定も完了する。ただし、上記式(8)において、ωacrは電流制御応答角周波数である。
電圧指令演算部17bは、上記式(8)で求めた速度推定値ωr^を上記式(2)および式(3)のω1へ代入し、d軸電圧指令Vdとq軸電圧指令Vqを計算する。
速度推定初期値演算部21は、短絡電流I1の振幅|I1|が短絡電流振幅閾値Th未満であり、直流電圧演算部13が誘導電動機1に直流電圧を印加する時に動作する。速度推定初期値演算部21は、q軸電流検出値Iq>0なら誘導電動機1の回転方向は後退、Iq≦0なら前進と判断する。
以下、q軸電流の極性から回転方向が判別できる原理について説明する。q軸電流と回転方向の関係は以下のようになる。
Figure 0007245739000009
ただし、上記式(9)において、Idはd軸電流検出値、Mは相互インダクタンス、L2は二次インダクタンス、T2は二次時定数である。直流電圧演算部13は、d軸の正方向に電圧を印加する。ゆえに、d軸電流検出値Idは正であるから、ωrとIqの符号は逆になる。よって、q軸電流検出値Iqの正負から誘導電動機1の回転方向を判別することができる。
速度推定初期値演算部21は、判別された誘導電動機1の回転方向に応じた速度推定の初期値ωini_Iqを出力する。例えば、速度推定の初期値ωini_Iqは、前進と判別された場合には前進方向の最高速度あるいは最高速度の二分の一の速度、後退と判別された場合には後退方向の最高速度あるいは最高速度の二分の一の速度が設定される。また、速度推定初期値演算部21は、電圧モード切替部14が、交流電圧演算部11が出力するU相電圧指令Vu、V相電圧指令Vv、W相電圧指令Vwを選択するタイミング(以下、交流電圧印加開始タイミングと呼ぶ)で初期値ωini_Iqを出力し、それ以外のタイミングでは0を出力する。
図5を参照して短絡電流周波数演算部22について説明する。図5は、実施形態1の短絡電流周波数演算部22の構成例を示す機能ブロック図である。短絡電流周波数演算部22は、逆正接演算部24、PI制御器25、および積分器26を有する。逆正接演算部24は、αβ座標系の電流Iα、Iβの逆正接arctan(Iβ/Iα)を計算することで短絡電流の位相θiを求めることができる。このθiと制御側のd軸位相θdcを一致させるようにPI制御器25にてPI制御を行う。PI制御はPLL制御(Phase Locked Loop制御)と呼ばれるものであり、PI制御の出力を速度推定値ωPLL^として用いることができる。
速度推定初期値切替部20は、短絡電流周波数演算部22が演算した速度推定初期値ωPLL^、または速度推定初期値演算部21が演算した速度推定初期値ωini_Iqを入力とする。速度推定初期値切替部20は、この入力を、短絡電流I1の振幅|I1|が予め定めた閾値Th以上か否かで切り替えを行う。振幅|I1|が閾値Th以上の場合、短絡電流周波数演算部22が演算した速度推定初期値ωPLL^を入力として選択し、閾値Th未満であれば速度推定初期値演算部21が演算した速度推定初期値ωini_Iqを入力として選択する。これにより、残留磁束量に応じた速度推定初期値を、速度推定部19における上記式(8)の積分の初期値に設定できる。
図1に説明を戻す。短絡電流演算部9は、上記式(1)を用いて短絡電流I1の振幅|I1|を演算する。
電圧モード切替部14は、交流電圧演算部11が演算した電圧指令、または直流電圧演算部13が演算した電圧指令を入力とする。電圧モード切替部14は、短絡電流I1の振幅|I1|が予め定めた閾値以上か否かで切り替えを行う。振幅|I1|が閾値Th以上であれば交流電圧演算部11が演算した電圧指令を入力として選択し、閾値Th未満の場合には直流電圧演算部13が演算した電圧指令を入力として選択する。なお、電圧モード切替部14は、直流電圧演算部13が演算した電圧指令を選択した場合、直流電圧印加期間が経過した後に交流電圧演算部11が演算した電圧指令を選択する。
以上が実施形態1の構成要素に関する説明である。
図6を参照して、実施形態1の交流電圧演算部11を含むコントローラ4による誘導電動機1の速度推定処理について説明する。図6は、実施形態1の交流電圧演算部11を含むコントローラ4による誘導電動機1の速度推定処理例を示すフローチャートである。
先ずステップS21では、コントローラ4は、誘導電動機1のモータ端子を短絡する。ステップS21の処理は、図2のステップS11と同一処理である。次にステップS22では、短絡電流周波数演算部22は、速度推定値ωPLL^を演算し出力する。
次にステップS23では、コントローラ4は、直流印加モードへ移行するか否かを判定する。ステップS23の処理は、図2のステップS12と同一処理である。コントローラ4は、直流印加モードへ移行する場合(ステップS23YES)にステップS24へ処理を移す。一方、コントローラ4は、交流印加モードへ移行する場合(ステップS23NO)にステップS26へ処理を移す。
ステップS24では、コントローラ4は、直流電圧印加モードへ移行し、誘導電動機1へ直流を印加する。ステップS24の処理は、図2のステップS13と同一処理である。次にステップS25では、速度推定初期値演算部21は、速度推定の初期値ωini_Iqを計算し出力する。
ステップS23NOまたはステップS25に続くステップS26では、速度推定初期値切替部20は、短絡電流I1の振幅|I1|が短絡電流振幅閾値Th以上か否かを判定する。速度推定初期値切替部20は、短絡電流I1の振幅|I1|が短絡電流振幅閾値Th以上の場合(ステップS26YES)に短絡電流周波数演算部22が計算した速度推定値ωPLL^を上記式(8)の積分の初期値へセットする(ステップS27)。一方、速度推定初期値切替部20は、短絡電流I1の振幅|I1|が短絡電流振幅閾値Th未満の場合(ステップS26NO)に速度推定初期値演算部21が計算した速度推定の初期値ωini_Iqを上記式(8)の積分の初期値へセットする(ステップS28)。
ステップS27またはステップS28に続きステップS29では、コントローラ4は、交流電圧印加モードへ移行して誘導電動機1へ交流を印加し、速度推定部19による速度推定を行う。ステップS29の処理は、図2のステップS14と同一処理である。
次に図7を参照して、図2のステップS12および図6のステップS23の短絡電流I1の振幅|I1|の閾値判定の結果、直流電圧印加モードへ移行する場合の短絡電流I1、三相交流電圧Vu、Vv、Vw、q軸電流検出値Iq、速度推定値ωr^の波形を説明する。図7は、短絡電流の振幅判定後、直流電圧印加を選択する場合の速度推定波形の一例を示す図である。
図7(a)に示すように、インバータ再起動のタイミングt11からの短絡期間T11が終了する振幅|I1|判定のタイミングt12の時点で振幅|I1|が閾値Th未満(|I1|<Th)であるため、タイミングt12~t13の直流電圧印加期間T12において誘導電動機1に直流電圧が印加される。具体的には、図7(b)に示すように、例えば、誘導電動機1のU相には正の電圧、V相およびW相には同一の負の電圧が印加される。
これにより、図7(c)に示すように、直流電圧印加期間T12において、誘導電動機1にq軸電流検出値Iqが流れる。そして、図7(d)に示すように、直流電圧印加期間T12が終了し交流電圧印加期間(速度推定期間)T13が開始する直流電圧印加終了のタイミングt13において、速度推定初期値演算部21により、誘導電動機1のq軸電流検出値Iqの正負つまり回転方向に応じた速度推定の初期値ωini_Iqが得られる(図7の符号P1参照)。
よって、誘導電動機1の回転方向に応じた速度推定の初期値ωini_Iqが設定された状態で交流電圧印加による速度推定に移行するため、タイミングt13~t14の交流電圧印加期間(速度推定期間)T13をより短期間として速度推定が可能である。
次に図8を参照して、図2のステップS12で短絡電流I1の振幅|I1|の閾値判定の結果、交流電圧印加モードへ移行する場合の短絡電流I1、三相交流電圧Vu、Vv、Vw、q軸電流検出値Iq、速度推定値ωr^の波形を説明する。図8は、短絡電流の振幅判定後、交流電圧印加を選択する場合の速度推定波形の一例を示す図である。
図8(a)に示すように、インバータ再起動のタイミングt21からの短絡期間T21が終了する振幅|I1|判定のタイミングt22の時点で振幅|I1|が閾値Th以上(|I1|≧Th)であるため、図8(b)に示すようにタイミングt22~t23の交流電圧印加期間(速度推定期間)T22において誘導電動機1に交流電圧が印加される。
この時、電圧モード切替部14は、交流電圧演算部11が出力するU相電圧指令Vu、V相電圧指令Vv、W相電圧指令Vwを選択し、短絡電流周波数演算部22の出力である速度推定初期値ωPLL^を速度推定部19の初期値ωiniとして用いる(図8(c)参照)。ωPLL^≒ωrであり、速度推定初期値ωPLL^を速度推定部19の初期値ωiniとして用いることで、速度真値の概算値を得た状態で速度推定を開始でき、速度推定の精度を向上できる。また、短絡が終了した時点で短絡電流I1の振幅|I1|が閾値Th以上である。よって、ωini=ωPLL^≒ωrと設定された状態で交流電圧印加による速度推定に移行するため、より短期間での速度推定が可能である。
本実施形態においては、残留磁束がある場合には短絡電流周波数演算部22によって短絡電流の周波数を演算し、速度推定初期値を設定できる。これにより速度推定初期値と速度真値の差が小さくなる。この場合にはモータ端子を短絡するのみなので、コントローラ4の高応答化は不要である。加えて、短絡状態から交流電圧印加に切り替える際、速度推定初期値と速度真値の差が小さい状態で、交流電圧印加による速度推定を開始できるため、交流電圧演算部11の高応答化も不要である。
一方で、残留磁束がゼロの場合には直流電圧演算部13によって直流電圧が誘導電動機1に印加される。この時、直流電圧の印加によって流れるq軸電流検出値の正負から回転方向を判別し、回転方向に応じた速度推定初期値を得た状態で交流電圧印加による速度推定を開始できる。その結果、回転速度によらず速やかに速度推定が可能となる。したがって、本実施形態によれば、コントローラ4の高応答化が不要となり短期間で速度推定が可能となるという効果を奏する。
[実施形態2]
以下図9~図11を参照して実施形態2について説明する。
図9は、実施形態2の交流電圧演算部11Bの構成例を示す機能ブロック図である。交流電圧演算部11Bは、実施形態2のドライブシステム2Sにおいて実施形態1の交流電圧演算部11に代わる構成であり、交流電圧演算部11の構成要素に加えて、第一位相調整部23をさらに有する。
図9に示すように、第一位相調整部23は入力を短絡電流周波数演算部22による速度推定値ωPLL^とし、出力を補償量θcmp-1とする。第一位相調整部23は、交流電圧印加開始タイミング(図7のタイミングt13および図8のタイミングt22)で速度推定値ωPLL^に応じた補償量θcmp-1を出力し、それ以外のタイミングでは0を出力する。第一位相調整部23によって演算された補償量θcmp-1はdq座標逆変換部18bとdq座標変換部8に入力され、それぞれの現在位相にθcmp-1が加算される。
次に位相調整を実施しない場合の課題について説明する。図10は短絡時のベクトル図であり、図11は実施形態2の位相調整後のベクトル図である。短絡時において残留磁束Φ1方向に制御側のd軸(以下、dc軸と呼ぶ)を取ると、誘導電動機の電圧方程式より、下記式(10)および式(11)が成り立つ。
Figure 0007245739000010
Figure 0007245739000011
ただし、短絡中であることから、Vdq=0である。また、F(s)=Rσ+Lσsであり、Φ2d≧0である。ここで、短絡電流I1と残留磁束Φ1間の位相差をΔθと定義すると、位相差Δθは下記式(12)で表される。
Figure 0007245739000012
今、残留磁束Φ1方向にdc軸を取っているため、|Δθ|>90degとなる条件はId<0である。よって、上記式(10)より、ωr>F(s)/(ω1LσT)=(Rσ+Lσs)/(ω1LσT)となる時には|Δθ|>90degとなり、図10に示すように、dc軸の負の方向に対して残留磁束Φ1のΦ2d成分が存在することになる。これにより、Φ2dの立ち上がりが遅くなり、速度推定に時間を要する。
そこで本実施形態では、第一位相調整部23によってΦ2d>0となるように位相を調整し、速度推定時間を短縮する。第一位相調整部23がdq座標逆変換部18bとdq座標変換部8の現在位相に補償量θcmp-1=Δθを加算することで、dc軸が回転し、図11に示すようにdc軸と残留磁束Φ1の方向は一致する。また、補償量θcmp-1の値についてはΔθと回転速度の関係を予め求めておき、テーブル化すればよい。なお、補償量θcmp-1は必ずしもΔθに一致させる必要はなく、例えば、上記式(12)の近似値でもよい。
以上が実施形態2に関する説明である。本実施形態によれば第一位相調整部23がΔθを調整し、位相調整後にΦ2d>0となることで速度推定期間を短縮できるという効果を奏する。
[実施形態3]
以下図12~図14を参照して実施形態3について説明する。
図12は、実施形態3の交流電圧演算部11Cの構成例を示す機能ブロック図である。交流電圧演算部11Cは、実施形態3のドライブシステム3Sにおいて実施形態1の交流電圧演算部11に代わる構成であり、交流電圧演算部11の構成要素に加えて、第二位相調整部27と、d軸磁束の磁束量を推定するd軸磁束演算部28をさらに有する。
第二位相調整部27は、短絡電流周波数演算部22による速度推定値ωPLL^を入力とし、補償量θcmp-2を出力とする。第二位相調整部27は、交流電圧印加開始タイミングで速度推定値ωPLL^に応じた補償量θcmp-2を出力し、それ以外のタイミングでは0を出力する。また、この時の補償量θcmp-2は、位相調整後のd軸電流検出値Idと相互インダクタンスMの積と、交流電圧印加開始タイミングでの残留磁束Φ1のΦ2d成分とが等しくなるように、速度に応じて設定される。
d軸磁束演算部28は、dq座標変換部8から得られるd軸電流検出値Idと相互インダクタンスMを乗算することでd軸磁束推定値Φ2d^を演算する。また、このd軸磁束推定値Φ2d^の値は交流電圧演算部11CのLPF16b内の積分器の初期値に設定される。なお、LPF16b内の積分器の初期値は、Φ2d の初期値Φ2d*_iniである。
図13は、実施形態3の位相調整後のベクトル図である。図13では、第二位相調整部27による位相調整後のd軸電流検出値IdがM・Id=Φ2dを成立させるように補償量θcmp-2が設定された際のベクトル図である。
次に、磁束指令の初期値設定を実施しない場合の課題について説明する。Φ2d=Φ2d が上記式(8)の前提条件であるが、残留磁束が存在する場合にはΦ2d≠Φ2d となり、上記式(8)が成立しない。上記式(8)においてΦ2d≠Φ2d という条件では、Iq-Iq=0となっても、ωrΦ2d-ωr^Φ2d =0⇔ωr^=Φ2d/(Φ2d )ωrとなり、速度推定値に誤差が残る。
ここで、αを実数としてΦ2d=αΦ2d とするとωrΦ2d-ωr^Φ2d =0⇔(αωr-ωr^)Φ2d =0となる。Φ2d ≠0とするとαωr-ωr^=0となる。Φ2dがΦ2d に収束すると仮定するとαは1に収束し、ωr^=ωrとなるが、Φ2dがΦ2dに収束するまで時間を要する。
これらより、Φ2d2d が成立していればIqがIqに収束した時点で速度推定は完了するが、Φ2d≠Φ2d の場合IqがIqに収束しても、さらにΦ2dがΦ2d に収束するまで待たなければならない。ゆえにΦ2d≠Φ2d の場合、速度推定値が真値に収束するまで時間を要する。
そこで本実施形態では、d軸磁束演算部28によってΦ2d _iniの設定を行う。第二位相調整部27の位相調整により、交流電圧印加開始タイミングでM・Id=Φ2dとなる。また、d軸磁束演算部28ではM・Id=Φ2d^が成立する。Φ2d^はLPF16b内の積分器の初期値に設定されるため、Φ2d^=Φ2d _iniとなる。したがってM・Id^=Φ2d _ini⇔Φ2d=Φ2d _iniとなる。
図14は、実施形態3の速度推定波形の一例を示す図である。図14を参照して、交流電圧印加モードへ移行する際に位相調整を行う場合のd軸電流検出値Id、d軸磁束Φ2d、三相交流電圧Vu、Vv、Vw、速度推定値ωr^の波形を説明する。d軸電流検出値Idの波形、d軸磁束Φ2dの波形において横軸方向の破線は指令値を示し、実線は検出値を示す。
インバータ再起動のタイミングt31から位相調整のタイミングt32までの短絡期間T31が終了し、第二位相調整部27が補償量θcmp-2を出力することでdc軸が回転する。これによりIdの値が変化する(図14(a)の符号P31参照)。このとき図13に示すようにM・Id=Φ2dとなるため、d軸磁束演算部28によってd軸電流から推定されたd軸磁束推定値Φ2d^を交流電圧演算部11のLPF16b内の積分器の初期値に設定することで、図14(b)の符号P32で示すように、交流電圧印加による速度推定開始時のΦ2dとΦ2d を一致させ、交流電圧の振幅を調整することができる。
以上が実施形態3に関する説明である。本実施形態によれば、残留磁束の大きさに応じたd軸磁束指令の初期値を設定することができ、速度推定時間が短くなるという効果を奏する。
[実施形態4]
実施形態4の構成要素について説明する。本実施形態は、図15に示すように、実施形態4のドライブシステム4Sにおいて実施形態1の構成要素に加えて誘導電動機1の速度を検出する速度検出手段29をさらに備える。図15は、実施形態4のドライブシステムの構成例を示す機能ブロック図である。
また、本実施形態では、図16に示す交流電圧演算部11Dは、ドライブシステム4Sにおいて実施形態1の交流電圧演算部11に代わる構成であり、交流電圧演算部11の構成要素に加えて、回転方向判別部30と乗算器31とをさらに備える。図16は、実施形態4の交流電圧演算部の構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態では、速度検出手段29から得られる速度検出値に応じて誘導電動機1への交流電圧の印加開始時の振幅を調整する。
速度検出手段29は、レゾルバ等であり、誘導電動機1の速度の絶対値|ωr|を検出し、交流電圧演算部11D内の乗算器31へ入力する。
回転方向判別部30は、速度推定初期値切替部20の出力であるωiniの正負から誘導電動機1の回転方向を判別し、回転方向情報Rdを出力する。ωiniが正の場合にはRd=1とし、ωiniが負の場合にはRd=-1とする。
乗算器31は、速度検出手段29によって得られる|ωr|と回転方向判別部30の出力であるRdとを乗算し、速度推定部19へ出力する。
本実施形態を実施しない場合の課題について説明する。本実施形態を実施しない場合、ωiniは速度推定初期値演算部21の出力であるωini_Iqまたは短絡電流周波数演算部22の出力であるωPLL^になる。ωini_Iqは、前進・後退それぞれに対して予め一つの値が設定されるため、ωrがその値以外では速度推定開始時にトルクショックが発生する。またωPLL^はωrの概算値となるため、その速度差によって速度推定開始時にトルクショックが発生する。
一方で本実施形態では、速度検出手段29が検出する|ωr|に対し、回転方向に応じた符号を付与することで、回転方向が分かるようになり、回転速度の真値を上記式(8)の積分器の初期値に設定できる。これにより速度推定開始時の速度推定誤差をゼロとすることができ、速度推定期間のトルクショックを低減できるという効果を奏する。
[実施形態5]
以下、上述の実施形態1~4の誘導電動機1およびコントローラ4、4B、4C、4Dを含むドライブシステム1S、2S、3S、4Sは、例えば、電気鉄道車両や電気自動車等の電気車、産業機械等の駆動装置等に適用して好適なものである。本実施形態では、上述の実施形態1~4のドライブシステム1S~4Sを適用した電気車100について説明する。図17は、実施形態5の電気車100の一例を示す模式図である。
電気車100のドライブシステム1S~4Sには、架線103から集電装置101を介して電力が供給され、ドライブシステム1S~4Sによって、レール200上で車輪102を回転させる誘導電動機1が駆動される。
低すべりな誘導電動機1は、残留磁束が残りやすく、この残留磁束と回転速度に比例して発生する誘起電圧の外乱により速度推定に失敗する可能性がある。よって、低すべりな誘導電動機1を電気車100に適用する際には、速度推定の失敗によるトルクショックの発生により乗り心地が悪化する可能性がある。そこで、実施形態1~4のコントローラ4~4Dを含む何れかのドライブシステム1S~4Sを電気車100に適用することで、残留磁束量によらず、短期間での速度推定が可能であり、かつ制御系の高応答化が不要な電気車100を実現できる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換・統合・分散をすることが可能である。また実施形態で示した各処理は、処理効率または実装効率に基づいて適宜分散または統合してもよい。
1S,2S,3S,4S:ドライブシステム、1:誘導電動機、3:インバータ、4,4B,4C,4D:コントローラ、6:ゲート・ドライバ、7:αβ座標変換部、8:dq座標変換部、9:短絡電流演算部、10:交流電流指令演算部、11,11B,11C,11D:交流電圧演算部、12:直流電流指令演算部、13:直流電圧演算部、14:電圧モード切替部、15:PWM信号生成部、100:電気車

Claims (11)

  1. 誘導電動機を駆動する電力変換装置と、前記電力変換装置を制御する制御装置とを有し、
    前記制御装置は、
    前記電力変換装置の再起動後に前記誘導電動機へ電力を出力する際、前記誘導電動機のモータ端子を短絡して検出した短絡電流検出値に基づいて、前記誘導電動機へ交流電圧を印加する交流電圧印加モードおよび直流電圧を印加する直流電圧印加モードの何れの制御モードへ移行するかを切り替え
    前記交流電圧印加モードにおける前記誘導電動機への交流電圧の印加開始時において、前記誘導電動機の相互インダクタンスと前記短絡電流検出値のd軸成分との積により得られる磁束推定値と、前記誘導電動機の残留磁束の制御軸のdc軸成分と、が一致するように該残留磁束の位相を調整す
    ことを特徴とする誘導電動機の駆動装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記短絡電流検出値の振幅が、所定閾値未満の場合に前記直流電圧印加モードへ移行するよう切り替え、前記所定閾値以上の場合に前記交流電圧印加モードへ移行するよう切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘導電動機の駆動装置。
  3. 前記制御装置は、
    前記直流電圧印加モードへ移行後、直流電圧印加期間にわたって直流電圧を前記誘導電動機に印加し、前記直流電圧印加期間の終了後、前記交流電圧印加モードへ移行するよう切り替え、
    前記交流電圧印加モードへ移行後、速度推定期間にわたって前記誘導電動機の速度推定を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の誘導電動機の駆動装置。
  4. 前記制御装置は、
    前記直流電圧印加モードから前記交流電圧印加モードへ移行する際、前記誘導電動機を流れるq軸電流から前記誘導電動機が前進および後退の何れの回転方向であるかを判定し、判定した回転方向に応じて前記交流電圧印加モードにおける前記誘導電動機の速度推定の初期値を設定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の誘導電動機の駆動装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記誘導電動機の速度に応じて前記誘導電動機の残留磁束の位相を調整する
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の誘導電動機の駆動装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記交流電圧印加モードにおける前記誘導電動機への交流電圧の印加開始時において、前記誘導電動機の残留磁束の制御軸のdc軸方向の成分となるように該残留磁束の位相を調整する
    ことを特徴とする請求項5に記載の誘導電動機の駆動装置。
  7. 前記制御装置は、
    前記磁束推定値を、前記交流電圧印加モードにおける前記誘導電動機の磁束指令の初期値に設定することで前記誘導電動機への交流電圧の印加開始時の振幅を調整する
    ことを特徴とする請求項に記載の誘導電動機の駆動装置。
  8. 前記制御装置は、
    前記誘導電動機の速度を検出する速度検出手段から得られる速度検出値に応じて前記誘導電動機への交流電圧の印加開始時の振幅を調整する
    ことを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の誘導電動機の駆動装置。
  9. 前記制御装置は、
    前記誘導電動機の回転方向を推定し、
    推定した前記回転方向と前記速度検出手段から得られる速度検出値の振幅とに基づく回転速度を、前記誘導電動機への交流電圧の印加開始時の速度推定の初期値に設定する
    ことを特徴とする請求項に記載の誘導電動機の駆動装置。
  10. 誘導電動機の駆動方法であって、
    前記誘導電動機の駆動装置は、
    前記誘導電動機を駆動する電力変換装置と、前記電力変換装置を制御する制御装置とを有し、
    前記制御装置が、
    前記電力変換装置の再起動後に前記誘導電動機へ電力を出力する際、前記誘導電動機のモータ端子を短絡して検出した短絡電流検出値に基づいて、前記誘導電動機へ交流電圧を印加する交流電圧印加モードおよび直流電圧を印加する直流電圧印加モードの何れの制御モードへ移行するかを切り替え
    前記交流電圧印加モードにおける前記誘導電動機への交流電圧の印加開始時において、前記誘導電動機の相互インダクタンスと前記短絡電流検出値のd軸成分との積により得られる磁束推定値と、前記誘導電動機の残留磁束の制御軸のdc軸成分と、が一致するように該残留磁束の位相を調整す
    ことを特徴とする誘導電動機の駆動方法。
  11. 請求項1~の何れか1項に記載の誘導電動機の駆動装置を備えた電気車。
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