JP7244593B2 - 居住用ユニット - Google Patents
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Description
構造ユニットを、例えば応急仮設住宅として使用する場合、災害に強い構造ユニットを短期間で多量に生産する必要がある。また、このような構造ユニットを、キャンプやグランピング等で使用する需要も高まっている。そのため、手間やコストが抑えられた、より量産に適する構造ユニット(以下、居住用ユニット)が望まれている。
ユニット本体3,300と、前記ユニット本体3,300と当該ユニット本体3,300の下方の構造体とを連結する接合部材(接合金物24)と、を備える居住用ユニット1,100であって、
前記接合部材24は、ツイストロックに対応した長孔243が設けられた板部(下面部)を有しており、
前記長孔243に跨るように座金(十字平座27)を装着可能であり、
前記座金27を介して前記構造体(他の居住用ユニット1等)と連結可能であり、
前記座金27は、前記長孔243の長手方向に沿って互いに反対側に突出する一対の第一突出片27aと、前記長孔243の短手方向に沿って互いに反対側に突出する一対の第二突出片27bと、を有する十字状の部材であり、
前記板部には、前記第一突出片27aと前記第二突出片27bとにより形成される入隅部と係合することで前記座金27の回転を防止する突起部244が設けられていることを特徴とする。
すなわち、接合部材24は、居住用ユニット1,100を第一構造体(ツイストロックによって上方のユニット本体3,300を固定する構造体。具体的にはシャーシ140等)上に固定するための連結具である。そして、接合部材24に座金27を取り付けることで、接合部材24に設けられた長孔243をボルト用の通し孔として利用可能となるので、接合部材24は、座金27が装着された状態では、居住用ユニット100を第二構造体(ボルトによって上方のユニット本体300を固定する構造体。具体的には他の居住用ユニット1等)上に固定するための連結具となる。したがって、第一構造体上に固定するときだけでなく第二構造体上に固定するときにも接合部材24は必要であり、接合部材24に座金27を着脱するだけで第一構造体にも第二構造体にも対応可能となるので、第一構造体上に固定するための連結具と、第二構造体上に固定するための連結具と、の双方を設ける必要がなく、その分の手間やコストを軽減することができ、量産に適している。
また、接合部材24に着脱自在な座金27は十字状の部材であるので、座金27の形状が十字状以外(例えば円形状)である場合と比較して、座金27の装着スペース、すなわち座金27を装着するために接合部材24に予め用意しておかなければならないスペースを小さくすることができる。したがって、接合部材24の設計の自由度を高めることができるので、その分の手間やコストを軽減することができ、量産に適している。
また、座金27が有する一対の第一突出片27aは、長孔243の長手方向に沿って互いに反対側に突出しているので、解放状態のツイストロックの位置に配置され、座金27が有する一対の第二突出片27bは、長孔243の短手方向に沿って互いに反対側に突出しているので、固定状態のツイストロックの位置に配置される。したがって、座金27の装着スペースを考慮することなく、長孔243の位置等を設定できるので、その分の手間やコストを軽減することができ、量産に適している。
また、接合部材24の板部(下面部)には座金27の回転を防止する突起部244が設けられているので、ボルトをねじ込む際に、接合部材24に装着した座金27が一緒に回転してしまうことがなく、ユニット本体300と第二構造体(他の居住用ユニット1等)とを連結する連結作業を効率よく行うことができる。
前記板部(下面部)には、前記突起部244が二つ設けられており、
前記二つの突起部244のうちの一方は、前記一対の第一突出片27aのうちの一方と、前記一対の第二突出片27bのうちの一方と、により形成される入隅部と係合し、
前記二つの突起部244のうちの他方は、前記一対の第一突出片27aのうちの他方と、前記一対の第二突出片27bのうちの他方と、により形成される入隅部と係合することを特徴とする。
前記座金27を介して連結可能な前記構造体は、他の居住用ユニット1であることを特徴とする。
前記ユニット本体3,300は、四隅の柱52を含む複数の柱52を備えており、
前記接合部材24は、前記ユニット本体3,300を支持するベースフレーム2,200に設けられており、前記柱52と連結していることを特徴とする。
また、居住用ユニット1は、それ単体で内部に居住スペースSを有するか、複数が連結されて内部に拡張された居住スペースSを有する状態に使用されるものである。居住スペースSは、一つの部屋(部屋空間)として、または、仕切りを設けることで複数の部屋(部屋空間)として利用される。
本実施形態における居住用ユニット1は、二つの居住用ユニット1(1A,1B)における隣り合う長辺側同士が連結手段30を介して連結された状態で使用される。
連結手段30による二つの居住用ユニット1(1A,1B)の連結態様は、本実施形態のように二つの居住用ユニット1A,1Bの隣り合う長辺側同士を連結する態様の他にも、三つ以上の居住用ユニット1の隣り合う長辺側同士を連結する態様がある。
ユニット設置部141は、その外周端部が、居住用ユニット1の下端部よりも外側にはみ出すように寸法設定されたフレーム体又は板状体である。
車輪142は、シャーシ140を居住用ユニット輸送用とするための仕様が適用される。本実施形態においては、図1に示すように、車輪142としてタイヤを有するものを用いているが、これに限られるものではなく、車輪142は、寒冷地や極地でも輸送ができるように橇部を有してもよいし、工事現場や農地、砂漠等の不整地でも輸送ができるように無限軌道(キャタピラーなどともいう)を有してもよい。
居住用ユニット1は、工場生産されて、シャーシ140に載せられて、所望の場所へ輸送される。居住用ユニット1に取付可能な各種の部材(内装仕上げ材や外装仕上げ材等の建材、水道やガスの配管、電気線、通信線等々)は、工場で取り付けられてもよいし、現場で取り付けられてもよい。
なお、本実施形態におけるベースフレーム2は、鉄骨造とされるが、これに限られるものではなく、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造でもよい。
本実施形態における複数の木質パネルには、ユニット本体3の床部4を構成する複数の床用木質パネル41と、ユニット本体3の壁部5を構成する複数の壁用木質パネル51と、ユニット本体3の屋根部6を構成する複数の屋根用木質パネル61と、が含まれている。
図2は、ベースフレーム2の構成を説明する図であり、(a)は平面図、(b),(c)は側面図である。
ベースフレーム2は、図2に示すように、居住用ユニット1の短辺方向に沿って長尺な短辺フレーム材21と、居住用ユニット1の長辺方向に沿って長尺な長辺フレーム材22,23と、を備えて構成される。また、短辺フレーム材21の両端には、接合金物24が一体的に設けられている。すなわち、短辺フレーム材21と、長辺フレーム材22,23と、は接合金物24を介して連結されている。ベースフレーム2を構成するこれらの鉄骨フレーム材21~24は、ボルトや溶接等により剛接合されている。
ウェブ、上フランジ、下フランジには、必要に応じて部材がボルト留めされるため、ボルト用の通し孔が複数形成されている。また、補強のためのスチフナー等も適宜設けられているものとする。
なお、短辺フレーム材21及び長辺フレーム材22,23として、本実施形態においては溝形鋼が用いられているが、これに限られるものではなく、他の形鋼が用いられてもよい。
二本の短辺フレーム材21と、二本の第一長辺フレーム材22と、は接合金物24を含んで矩形枠体を構成している。当該矩形枠体は二つ設けられており、一方の矩形枠体と他方の矩形枠体とは二本の第二長辺フレーム材23によって連結されている。すなわち、ベースフレーム2の長辺方向に並ぶ四本の短辺フレーム材21のうち中央側に位置する二本の短辺フレーム材21と、二本の第二長辺フレーム材23と、は接合金物24を含んで矩形枠体を構成している。
また、ベースフレーム2は、複数のフレーム材21,22,23を含んで構成された矩形枠体の対角線を結ぶようにして配置される水平ブレース25を備えている。
接合金物24は、一側面が開口した矩形箱状のものである。図3(b)に示すように、接合金物24の内部は、二つの空間に分割されており、一方の空間には、角筒部材241が配設されている。また、他方の空間には、居住用ユニット1の組立作業時等に、接合金物24の開口部から、ボルト等の部材が差し入れられたり、手や工具等が差し入れられたりする。
角筒部材241は、居住用ユニット1のシャーシ140等への積み降ろしを、ジャッキ装置を用いて行う際に使用される。具体的には、例えば、ベースフレーム2が有する複数の接合金物24(例えば四隅の接合金物24)それぞれにおいて角筒部材241に棒状部材の一端部を挿入し、各棒状部材の他端部をジャッキ装置で持ち上げることで、居住用ユニット1をジャッキアップすることができる。これにより、居住用ユニット1の直下にジャッキ装置を置くことができない状況であっても、ジャッキ装置によって居住用ユニット1を持ち上げることが可能となっている。
接合金物24の上面部には、当該上面部を貫通する上側円孔242が形成されている。この上側円孔242には、ベースフレーム2とユニット本体3とを連結するスタッドボルト56が通される。
居住用ユニット1をシャーシ140に連結する際には、まず、居住用ユニット1をクレーン等によって吊り上げて(あるいはジャッキ装置等によって持ち上げて)、当該居住用ユニット1が有する複数の長孔243の位置と、シャーシ140に設けられた複数のツイストロックの位置と、をそれぞれ合わせた状態で、当該居住用ユニット1をシャーシ140に載せる。その後、長孔243に差し込まれているツイストロックを回転させて、当該ツイストロックを解放状態から固定状態へと切り替える。この切り替え作業を複数のツイストロックそれぞれにおいて行うことで、居住用ユニット1をシャーシ140に固定することができる。
また、接合金物24の下面部には、当該下面部を貫通する下側円孔245が形成されており、接合金物24の内部(接合金物24の下面部の上面)には、下側円孔245に対応する位置にナット245aが溶接等によって固定されている。
ベースフレーム2には、断熱性能を有する複数の木質パネルによって構成されるユニット本体3が載置固定されている。本実施形態における複数の木質パネルには、床用木質パネル41、壁用木質パネル51、屋根用木質パネル61が含まれている。
また、木質パネルを構成する縦横の框材A,B、補助桟材C、面材D,E同士は、接着剤により強固に接合されている。
これらの框材A,Bは、例えば木質パネルの剛性を向上させるため、被固定面の拡張等の目的で、必要に応じて複数枚重ねにして使用されてもよい。
補助桟材Cも、上記の框材A,Bと同様に、必要に応じて複数枚重ねにして使用されてもよい。
木質パネル内部に部材等が設けられる場合、断熱材Fは、当該部材等を避けて設けられるが、断熱性能の低下を防ぐために、当該部材等を包囲するように設けられることが望ましい。
なお、木質パネルに形成される貫通孔には、木質パネルを他の部材に対して固定する際のボルトが通される通し孔が含まれるものとし、このような通し孔は、必要な箇所に適宜形成されているものとする。また、ボルト留め(ボルト連結)を行う際は、ボルトの雄ネジと噛み合う雌ネジが形成されたナット等の部材又は構造が適宜利用されるものとする。
図4は、床部4の構成を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c),(d)は縦断面図である。
ユニット本体3の床部4は、図4に示すように、床用木質パネル41と、半土台42と、を備える。床部4の短辺方向の寸法は、ベースフレーム2の短辺方向の寸法と略同一に設定されている。一方、床部4の長辺方向の寸法は、ベースフレーム2の長辺方向の寸法よりも短く(段差D1二つ分だけ短く)設定されている。すなわち、床部4の長辺側端面は、ベースフレーム2の長辺フレーム材22,23の側端面(上フランジの先端面、下フランジの先端面)と略面一の状態となっており、床部4の短辺側端面は、ベースフレーム2の短辺フレーム材21の側端面(上フランジの先端面、下フランジの先端面)と略面一の状態となっている。床部4は、図3(b)や図4(b)~(d)に示すように、ベースフレーム2に載った状態で、当該ベースフレーム2に対してボルト留めされている。
本実施形態における床用木質パネル41には、第一床用木質パネル41Aと、第一床用木質パネル41Aよりも幅寸法が短い第二床用木質パネル41Bと、が含まれている。なお、幅広な床用木質パネル41(41A)は、幅狭な床用木質パネル41(41B)よりも横框材Bが長く、補助桟材Cも多く使われている。
第二床用木質パネル41Bは、当該第二床用木質パネル41Bの長辺方向とベースフレーム2の短辺方向とが揃うように配置され、一つの第二床用木質パネル41Bが、六つの第一床用木質パネル41Aのうち左端にある第一床用木質パネル41Aに隣接して設けられているとともに、もう一つの第二床用木質パネル41Bが、六つの第一床用木質パネル41Aのうち右端にある第一床用木質パネル41Aに隣接して設けられている。
隣接する床用木質パネル41は、縦框材A同士が接しているため、これら縦框材A同士がビス留め又はボルト留めされることで、すべての床用木質パネル41(41A,41B)が一繋ぎの状態になる。
また、図4(c),(d)に示すように、壁用木質パネル51は、床用木質パネル41と半土台42とに跨って配置されている。
図5及び図6は、壁部5の構成を説明する図であり、図5は横断面図、図6は側面図である。
ユニット本体3の壁部5は、図5に示すように、互いに対向する一対のコ字型壁体50を備える。コ字型壁体50は、壁用木質パネル51と柱52とを平面視において略コ字状に組み立ててなるものであり、当該コ字型壁体50における二つのコーナー部分が、床部4における短辺側の二つのコーナー部分と一致するように配置される。すなわち、一方のコ字型壁体50と、他方のコ字型壁体50と、は開放側が互いに対向するように配置される。コ字型壁体50は、床部4に載った状態で、当該床部4に対してビス留め又はボルト留めされている。
コ字型壁体50は、壁用木質パネル51として、コーナー部分に配置された二本の柱52間に位置する短辺側壁用木質パネル51A,51Bと、コーナー部分に配置された柱52と開放側端部に配置された柱52との間に位置する長辺側壁用木質パネル51C,51Dと、を備えている。
ベースフレーム2の短辺方向に並ぶ短辺側壁用木質パネル51A,51Bのうち最も端(両端)に位置する二枚の短辺側壁用木質パネル51B、すなわちコーナー部分に配置された柱52に隣接する短辺側壁用木質パネル51Bは、その幅寸法が、他の箇所に設けられた短辺側壁用木質パネル51Aの幅寸法よりも短く幅狭に形成されている。また、ベースフレーム2の長辺方向に並ぶ長辺側壁用木質パネル51C,51Dのうちコーナー部分に配置された柱52に隣接する長辺側壁用木質パネル51Dは、その幅寸法が、他の箇所に設けられた長辺側壁用木質パネル51Cの幅寸法よりも短く幅狭に形成されている。なお、幅広な壁用木質パネル51(51A,51C)は、幅狭な壁用木質パネル51(51B,51D)よりも横框材Bが長く、補助桟材Cも多く使われている。
コ字型壁体50は、二つのコーナー部分のそれぞれに、ベースフレーム2(ユニット本体3)の長辺方向外側に突出する袖壁用木材53を備えている。具体的には、コーナー部分に配置された柱52の側面のうち、長辺側壁用木質パネル51Dに接する側面とは反対側の側面には、袖壁用木材53として、柱52の高さ方向に沿って長尺な角材が取り付けられている。
また、コ字型壁体50は、二つの開放側端部のそれぞれに、支持材54を備えている。具体的には、開放側端部に配置された柱52の側面のうち、長辺側壁用木質パネル51Cに接する側面とは反対側の側面には、支持材54として、柱52の高さ方向に沿って長尺な角材が取り付けられている。
コ字型壁体50の柱52は、図3(b)や図6に示すように、柱本体である柱用木材521と、柱用木材521の両端に取り付けられた結合金物522と、を備える。
結合金物522は、図7に示すように、金物本体10と、金物本体10の対向する側面から立ち上がる一対の側板部11と、を備える。
金物本体10は、一対の垂直壁部、第一水平壁部10a、第二水平壁部10bで構成された断面ロ字状の、全体として矩形箱状のものである。第一水平壁部10aは、第二水平壁部10bよりも柱用木材521側に配置されている。また、第二水平壁部10bの略中央部には、貫通孔10cが形成されている。
また、固定板11aの幅、すなわち金物本体10の垂直壁部の幅は、柱用木材521の幅よりも若干小さくなっている。そのため、柱52に壁用木質パネル51が取り付けられた状態において、柱52の先端部(金物本体10及び固定板11a)と、壁用木質パネル51と、の間には隙間が形成され、当該隙間には断熱材55が充填されている。すなわち、本実施形態においては、断熱性能の向上を図るために、柱52の先端部(金物のみの部分)に断熱材55を配置するためのスペースを設けている。また、これにより、結合金物522における一対の開口部のうちの一方が、断熱材55によって閉塞されている。
したがって、柱用木材521の上端部を、結合金物522における一対の側板部11間に挿入すると、図7(b)に示すように、柱用木材521の側面と側板部11の表面とが略面一の状態になる。同様に、柱用木材521の下端部を、結合金物522における一対の側板部11間に挿入すると、柱用木材521の側面と側板部11の表面とが略面一の状態になる。
吊金物71は、図8に示すように、四つの側壁部、上壁部71a、下壁部71bで構成された断面ロ字状の、全体として矩形箱状のものである。さらに、吊金物71は、下壁部71bの下面に溶接等によって固定された下板部71cを備えている。吊金物71の下壁部71b及び下板部71cには、当該下壁部71b及び当該下板部71cを貫通する仮固定用貫通孔711が形成されている。この仮固定用貫通孔711には、吊金物71とコ字型壁体50とを連結する連結ボルト57が通される。また、吊金物71の内部(下壁部71bの上面)には、仮固定用貫通孔711に対応する位置に、連結ボルト57が螺合するナット711aが溶接等によって固定されている。
さらに、本実施形態において吊金物71は、連結ボルト57によって上側の結合金物522に固定された状態で、下板部71cが当該上側の結合金物522における第二水平壁部10bに溶接等によって固定されている。
図8(e)に示すように、吊金物71の寸法のうち、長辺方向の寸法は、壁用木質パネル51の厚さ寸法よりも長く、吊金物71の寸法のうち、短辺方向の寸法(平面視における短辺方向の寸法)は、壁用木質パネル51の厚さ寸法と略等しく設定されている。
同様に、コ字型壁体50の開放側端部に配置された柱52に固定されている吊金物71の長辺方向一端面と、当該柱52の側面(支持材54と接する側面)と、は同一垂直面上に位置するように配置されている。したがって、当該吊金物71の長辺方向他端部は、当該吊金物71が固定されている柱52よりも、当該柱52に隣接する壁用木質パネル51(長辺側壁用木質パネル51C)側にはみ出している。
すなわち、コーナー部分に配置された柱52に固定されている吊金物71は、当該柱52よりも、当該柱52と左右方向に対向する柱52(開放側端部に配置された柱52)側に向かって突出している。また、開放側端部に配置された柱52に固定されている吊金物71は、当該柱52よりも、当該柱52と左右方向に対向する柱52(コーナー部分に配置された柱52)側に向かって突出している。
吊具150は、吊金物71に着脱自在に固定され、例えば、当該吊具150を使用しないとき(例えば吊り上げ作業が終了したとき)に、吊金物71から外されるようになっている。
図10に示すように、吊具150は、吊金物71の上方から当該吊金物71に設けられた吊用貫通孔712に挿入されて、当該吊金物71内に配置されたナット712aに対してねじ込まれる。これにより、吊具150が、居住用ユニット1に取り付けられる。
なお、本実施形態においては、吊具150として、頭部が環状に形成され、軸部にネジ山が形成されたアイボルトを用いているが、これに限られるものではなく、他の金具を用いてもよい。
ここで、吊金物71の上壁部71aに形成された貫通孔のうち、上下接合用貫通孔713は、仮固定用貫通孔711の真上に設けられている。すなわち、吊金物71の上壁部71aに形成された貫通孔のうち、上下接合用貫通孔713は、当該吊金物71が固定されている柱52の上方に設けられている。一方、吊金物71の上壁部71aに形成された貫通孔のうち、吊用貫通孔712は、当該吊金物71が固定されている柱52の上方から外れた位置に、すなわち当該吊金物71が固定されている柱52に隣接する長辺側壁用木質パネル51C,51Dの上方に設けられている。
パラペット壁用木材72,73は、第一パラペット壁用木材72と、第一パラペット壁用木材72よりも長い第二パラペット壁用木材73と、を含む。第一パラペット壁用木材72は、コ字型壁体50におけるコーナー部分に配置された柱52に固定されている吊金物71と、当該コ字型壁体50における開放側端部に配置された柱52に固定されている吊金物71と、の間に架け渡されて固定されている。第二パラペット壁用木材73は、一方のコ字型壁体50における開放側端部に配置された柱52に固定されている吊金物71と、他方のコ字型壁体50における開放側端部に配置された柱52に固定されている吊金物71と、の間に架け渡されて固定されている。
このように、吊金物71は、居住用ユニット1の吊り上げ作業に用いられるだけでなく、パラペット7の一部としても用いられる。換言すれば、吊金物71は、パラペット壁用木材72,73をコ字型壁体50に固定するための金物に、吊具150を着脱自在に固定するための加工を施してなるものである。
コ字型壁体50の開放側端部に取り付けられている支持材54は、一方のコ字型壁体50と、他方のコ字型壁体50と、を連結する横架材58を支持するための部材である。支持材54の下端面は、柱52の下端面(下側の結合金物522の第二水平壁部10b)と略面一の状態となっているのに対し、支持材54の上端面は、柱52の上端面(上側の結合金物522の第二水平壁部10b)よりも下側に位置しており、支持材54の上端面に載せられた横架材58の上端面が、柱52の上端面と略面一の状態となっている。
図6に示すように、横架材58は、厚板状の木製梁材(木製桁材でもよい)であり、一対のコ字型壁体50の間に架け渡されている。具体的には、横架材58は、一方のコ字型壁体50に取り付けられている支持材54と、他方のコ字型壁体50に取り付けられている支持材54と、に載った状態で、支持材54や柱52(開放側端部に配置された柱52)にビス留め又はボルト留めされることで、一対のコ字型壁体50間に架け渡されて固定されている。
一対の開口5aのうち、連結手段30によって連結される側とは反対側の開口5aには、開口用の壁用木質パネル51Eが全体的に配置される。すなわち、本実施形態における壁用木質パネル51には、短辺側壁用木質パネル51A,51Bと、長辺側壁用木質パネル51C,51Dと、開口用の壁用木質パネル51Eと、が含まれている。開口用の壁用木質パネル51Eは、その高さ寸法が、横架材58の分だけ、短辺側壁用木質パネル51A,51Bや長辺側壁用木質パネル51C,51Dの高さ寸法よりも短く設定されている。すなわち、開口用の壁用木質パネル51Eは、短辺側壁用木質パネル51A,51Bや長辺側壁用木質パネル51C,51Dよりも縦框材Aが短い。また、短辺側壁用木質パネル51A,51Bと長辺側壁用木質パネル51C,51Dとは耐力壁パネルであるが、開口用の壁用木質パネル51Eは耐力壁パネルであってもよいし間仕切り壁パネルであってもよい。
図11に、開口5aに開口用の壁用木質パネル51Eを配置した状態の一例を示す。図11に示す例では、左から、窓W用の開口部を有する壁用木質パネル51E、ドアDr用の開口部を有する壁用木質パネル51E、ドアDrや窓W等の開口部を有しない壁用木質パネル51Eが配置されている。
なお、開口5aに、ドアDr用のサッシや窓W用のサッシを直接組み付けることも可能である。サッシを直接組み付ける開口5aは、連結手段30によって連結される側とは反対側の開口5aでもよいし、後述する図29に示すように連結側の開口5aでもよい。
このように、本実施形態においては、居住用ユニット1における長辺側の壁面にのみ、開口部(居住スペースSと屋外とを連通する開口部、二つの居住用ユニット1A,1B間を行き来するための開口部)が設けられており、居住用ユニット1における短辺側の壁面には開口部が設けられていないが、これに限られるものではない。例えば、短辺側壁用木質パネル51Aとして、ドアDrや窓W等の開口部を有する壁用木質パネルを採用することも可能である。
図12は、居住用ユニット1の外郭の構成を説明する図である。図12では、便宜上、壁用木質パネル51や袖壁用木材53等の図示を省略している。また、図13は、屋根部6の構成を説明する図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
ユニット本体3の屋根部6は、図13に示すように、屋根用木質パネル61と、パネル支持部62と、を備える。屋根部6の長辺方向の寸法及び短辺方向の寸法は、当該屋根部6の四隅が、一対のコ字型壁体50の各コーナー部分にそれぞれ嵌るような寸法に設定されている。屋根部6は、図12に示すように、壁部5の内面(居住スペースS側の面)に対してビス留め又はボルト留めされている。
本実施形態における屋根用木質パネル61には、第一屋根用木質パネル61Aと、第一屋根用木質パネル61Aよりも幅寸法が短い第二屋根用木質パネル61Bと、が含まれている。なお、幅広な屋根用木質パネル61(61A)は、幅狭な屋根用木質パネル61(61B)よりも横框材Bが長く、補助桟材Cも多く使われている。
第二屋根用木質パネル61Bは、当該第二屋根用木質パネル61Bの長辺方向とベースフレーム2の短辺方向とが揃うように配置され、一つの第二屋根用木質パネル61Bが、六つの第一屋根用木質パネル61Aのうち左端にある第一屋根用木質パネル61Aに隣接して設けられているとともに、もう一つの第二屋根用木質パネル61Bが、六つの第一屋根用木質パネル61Aのうち右端にある第一屋根用木質パネル61Aに隣接して設けられている。
ユニット本体3には、当該ユニット本体3の短辺方向両端部のそれぞれにパラペット7が設けられている。そのため、屋根に降った雨は、ユニット本体3の長辺方向(左右方向)両端から排水されることとなる。したがって、屋根部6を左右両方向に流れる屋根面を有する切妻屋根にすることで、屋根に降った雨を強制的にユニット本体3の長辺方向両端へと流すことができるので、スムーズな排水が可能となる。
なお、屋根部6は、左右両方向に流れる屋根面を有する切妻屋根に限られるものではなく、その他の勾配屋根でもよいし、フラット屋根でもよい。
図14~図18は、内装及び外装の構成を説明する図である。具体的には、図14は、短辺側壁用木質パネル51A付近の縦断面図、図15は、コーナー部分に配置された柱52付近の縦断面図、図16は、開放側端部に配置された柱52付近の縦断面図である。また、図17は、長辺側壁用木質パネル51C付近の縦断面図、図18は、開口5a付近の縦断面図である。図15及び図16では、便宜上、笠木74を二点鎖線で示している。
ユニット本体3の床部4の内面(居住スペースS側の面)には、内装仕上げ材である床面材4aが設けられている。なお、床部4(床用木質パネル41、半土台42)と床面材4aとの間に断熱材等を設けてもよい。
壁部5の外面の一部(袖壁用木材53)は、外装仕上げ材である木口カバー530によって被覆されており、壁部5の外面のうち木口カバー530によって被覆されていない部分は、外装仕上げ材である外壁材5cによって被覆されている。なお、壁部5と外装仕上げ材(木口カバー530、外壁材5c)との間に防水シート等を設けてもよい。
また、コ字型壁体50における短辺側壁用木質パネル51A,51Bの上端部には、唐草63及び軒先水切64が設けられている。短辺側壁用木質パネル51A,51Bを被覆する外壁材5cは、唐草63の下方に配置されており、当該外壁材5cの上端部が、軒先水切64と短辺側壁用木質パネル51A,51Bとの間に挿入されている。
また、ユニット本体3の屋根面には、屋根に降った雨が木口カバー530内へ流入することを防止するための壁止まり役物65(図19等参照)が設けられている。
屋根部6の外面(捨て合板6c)は、外装仕上げ材である屋根面材(図示省略)によって被覆されている。また、当該屋根面材と捨て合板6cとの間には、塩ビシート等の防水シート6dが設けられている。
また、ユニット本体3のパラペット本体(吊金物71、パラペット壁用木材72,73)の上端部は、外装仕上げ材である笠木74によって被覆されている。
図20は、袖壁8付近の外装の構成を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は横断面図である。図20(a)では、便宜上、笠木74等の図示を省略している。また、図20(b)における一点鎖線は、軒先水切ラインである。
図21は、木口カバー530の構成を説明する図であり、(a)は配置図、(b)は平面図である。図21(a)では、便宜上、壁用木質パネル51等の図示を省略している。また、図21(a)では、便宜上、木口カバー530を二点鎖線で示している。
図22(a)は、居住用ユニット1の上端部(パラペット7付近)の外装の構成を説明する縦断面図であり、図22(b)は、居住用ユニット1の下端部の外装の構成を説明する縦断面図であり、図22(c)は、居住用ユニット1の下端部の外装の構成を説明する側面図である。
唐草63は、ユニット本体3の短辺方向に沿って長尺な略直方体状の部材であり、当該唐草63の上面が下地材66の上面と略面一の状態となるように配置されて、短辺側壁用木質パネル51A,51Bの上端部にビス留め又はボルト留めされている。
図19(a),(b)に示すように、軒先水切64は、唐草63及び下地材66を上から被覆する被覆部64aと、被覆部64aの一端部から下方へ延びる垂下部64bと、を備える断面L字状の部材である。垂下部64bの先端部は、内側(短辺側壁用木質パネル51A,51B側)へ折り曲げられた折曲部とされている。軒先水切64は、垂下部64bが唐草63の側面(短辺側壁用木質パネル51A,51Bに接する側面とは反対側の側面)に当接するように配置されて、被覆部64aが下地材66(及び短辺側壁用木質パネル51A,51B)に対してビス留め又はボルト留めされている。
図19(a),図20(a)に示すように、壁止まり役物65は、第一側面部65bが袖壁8(袖壁用木材53)に当接するとともに、第二側面部65cが軒先水切64の垂下部64bと略面一の状態となるように配置されて、底面部65aが軒先水切64(及び唐草63)に対して、第一側面部65bが袖壁用木材53に対して、それぞれビス留め又はボルト留めされている。
また、壁止まり役物65は、唐草63よりも内側(短辺側壁用木質パネル51A,51B側)にはみ出すように寸法設定されている。これにより、唐草63だけでなく、短辺側壁用木質パネル51A,51Bによっても壁止まり役物65を支持できるので、唐草63にかかる負担を軽減することができる。
木口カバー530は、例えば塩ビ鋼板製の板金部材であり、図21(a)に示すように、袖壁用木材53の高さ方向に沿って長尺に形成されている。図20,図21(b)に示すように、木口カバー530は、第一板部531と、第一板部531の一端部から当該第一板部531と直交する方向へ延びる第二板部532と、第一板部531の他端部から第二板部532と同一方向へ延びる第三板部533と、を備えて構成されている。
第一板部531は、第一胴縁53aと接するように配置されている。すなわち、第一胴縁53aによって、袖壁用木材53の突出方向先端面と木口カバー530との間隔が維持されており、これにより、木口カバー530の位置ずれ(ユニット本体3の長辺方向における位置ずれ)を防止可能となっている。
また、第二板部532のうち、ユニット本体3の短辺側の外壁材5cと平行な部分(突出板部532a)と、ユニット本体3の短辺側の外装材(外壁材5cや軒先水切64)及び壁止まり役物65と、の隙間には、当該隙間における防水性を向上させるために、シーリング材53eが充填されている。
第三板部533のうち、ユニット本体3の長辺側の外壁材5cに直交する部分(突出板部533a)と、ユニット本体3の長辺側の外壁材5cと、の隙間には、当該隙間における防水性を向上させるために、シーリング材53fが充填されている。
図19(a)に示すように、袖壁用木材53の上端面は、吊金物71の上面と略面一の状態となっている。また、壁止まり役物65の上端は、袖壁用木材53の上端面よりも下側に位置しているが、壁止まり役物65の上端部は、笠木74によって被覆されている。したがって、木口カバー530の第二板部532(突出板部532a)と、ユニット本体3の短辺側の外装材(外壁材5cや軒先水切64)及び壁止まり役物65と、の間にシーリング材53eを充填することで、当該シーリング材53eを、木口カバー530のうちの、笠木74によって被覆されていない部分だけでなく、笠木74によって被覆されている部分にも設けることができる。
また、図19(a),図22(a)に示すように、パラペット本体(吊金物71、パラペット壁用木材72,73)は笠木74によって被覆されている。笠木74は、笠木受ブラケット75を介してパラペット本体に固定されている。
図24は、笠木74の構成を説明する図であり、(a)は配置図、(b)は側面図である。
笠木受ブラケット75は、例えばステンレス鋼板製の部材であり、図23(a)に示すように、ユニット本体3の長辺方向(左右方向)に沿って長尺に形成されている。本実施形態における笠木受ブラケット75には、第一笠木受ブラケット75Aと、当該第一笠木受ブラケット75Aの左側及び右側に配置される第二笠木受ブラケット75Bと、が含まれている。
第二笠木受ブラケット75Bは、当該第二笠木受ブラケット75Bの長尺方向一端が、袖壁用木材53を被覆する木口カバー530の第一板部531の外面と同一垂直面上に位置するように設置されている。第一笠木受ブラケット75A及び第二笠木受ブラケット75Bの長さ寸法は、第一笠木受ブラケット75Aと第二笠木受ブラケット75Bとの端部同士が当接する寸法(重ならない寸法)に設定されている。
水平板部751には、笠木受ブラケット75をパラペット本体に固定するためのビス77用のビス孔が形成されており、水平板部751の下面には、複数の位置合わせ治具754が溶接等によって固定されている。また、第二垂直板部753には、連結ボルト78用のボルト孔が形成されており、第二垂直板部753の内面(パラペット本体と対向する面)には、当該ボルト孔に対応する位置に、連結ボルト78が螺合するナット755が溶接等によって固定されている。
図22(a)に示すように、笠木受ブラケット75は、水平板部751の下面がパラペット本体の上面(パラペット本体の上面を被覆する防水シート6d)に当接するとともに、位置合わせ治具754がパラペット本体の立ち上がり面(パラペット本体の立ち上がり面を被覆する防水シート6d)に当接した状態で、ビス77によってパラペット本体(パラペット壁用木材72,73)に固定されている。
第二笠木74Bは、当該第二笠木74Bの長尺方向一端部が、袖壁用木材53を被覆する木口カバー530の第一板部531よりも外側にはみ出すように設置されている。第一笠木74A及び第二笠木74Bの長さ寸法は、第一笠木74Aと第二笠木74Bとの端部同士が重なる寸法に設定されている。また、第二笠木74Bの長尺方向一端部(第一笠木74Aと重ならない側の端部)には、当該一端部を閉塞するエンドキャップが取り付けられている。
係合板部742の先端部は、内側へ折り返された折返部とされており、この折返部は笠木受ブラケット75の第一垂直板部752の先端部と係合可能となっている。また、固定板部743には、連結ボルト78用のボルト孔が形成されている。
笠木74は、傾斜板部741の下面が笠木受ブラケット75の水平板部751上に設置されている断熱材76の上面に当接するとともに、係合板部742の先端部(折返部)が笠木受ブラケット75の第一垂直板部752の先端部と係合した状態で、連結ボルト78によって笠木受ブラケット75に固定されている。具体的には、連結ボルト78は、笠木74の固定板部743に設けられたボルト孔から挿入されて、笠木受ブラケット75の第二垂直板部753に設けられたボルト孔を通って、第二垂直板部753の内面に固定されたナット755にねじ込まれている。すなわち、笠木74は、連結ボルト78(具体的には連結ボルト78と笠木受ブラケット75)によってパラペット本体に連結されている。
二つの居住用ユニット1A,1Bは、これらのユニットを、位置ずれを極力なくした状態(許容値以内に収めた状態)で配置した後に、連結手段30によって連結される。
連結手段30は、二つの居住用ユニット1A,1Bにおける袖壁8同士を連結する壁連結部材31と、二つの居住用ユニット1A,1Bにおけるパラペット7同士を連結する屋根連結部材32と、二つの居住用ユニット1A,1Bにおける横架材58同士を連結する天井連結部材33と、二つの居住用ユニット1A,1Bにおける床部4同士を連結する連結床パネル34と、二つの居住用ユニット1A,1Bにおける支持材54同士を連結する連結壁パネル35と、を備える。
図25,図26は、壁連結部材31の構成を説明する図であり、図25は配置図、図26(a)は袖壁8同士を連結している状態を示す横断面図、図26(b)は平面図である。図25では、便宜上、木口カバー530及び壁連結部材31を二点鎖線で示している。また、図25では、便宜上、壁連結部材31によって連結されている袖壁8における木口カバー530等の図示を省略している。
壁連結部材31は、二つの居住用ユニット1A,1Bにおける連結側(連結手段30によって連結される側)の袖壁8同士を接合するジョイント部材であり、居住用ユニット1の高さ方向(上下方向)に沿って長尺に形成されている。図25に示すように、壁連結部材31の長さ寸法(上下方向の寸法)は、木口カバー530の長さ寸法と略等しく設定されている。
屋根連結部材32は、二つの居住用ユニット1A,1Bにおける連結側(連結手段30によって連結される側)のパラペット7同士を接合するジョイント部材であり、図27に示すように、居住用ユニット1の長辺方向(左右方向)に沿って長尺に形成されている。本実施形態における屋根連結部材32には、第一屋根連結部材32Aと、当該第一屋根連結部材32Aの左側及び右側に配置される第二屋根連結部材32Bと、が含まれている。
ここで、居住用ユニット1A,1Bの外壁側における連結方法について説明する。
まず、一方の居住用ユニット1A及び他方の居住用ユニット1Bを別々に輸送する(輸送ステップ)。この輸送ステップでは、パラペット本体(吊金物71、パラペット壁用木材72,73)を笠木74によって被覆した状態で輸送するので、輸送中等にパラペット7内へ雨水が流入してしまうことを防止可能となっている。
次いで、図27に示すように、互いのパラペット7が平行するように、一方の居住用ユニット1Aと他方の居住用ユニット1Bとを水平方向に並べる(水平配置ステップ)。これにより、図25に示すように、パラペット7だけでなく、互いの袖壁8も平行するように配置されることとなる。
壁連結ステップでは、まず、袖壁8に取り付けられている連結ボルト534(図20参照)を取り外す。
屋根連結ステップでは、まず、パラペット7に取り付けられている連結ボルト78(図22(a)参照)を取り外す。
以上のようにして、居住用ユニット1A,1Bの外壁側を連結する。
図29は、天井連結部材33及び連結床パネル34の構成を説明する縦断面図であり、図30は、連結壁パネル35の構成を説明する横断面図である。
天井連結部材33は、二つの居住用ユニット1A,1Bにおける連結側(連結手段30によって連結される側)の横架材58同士を接合する板状部材である。天井連結部材33は、一方の居住用ユニット1Aにおける連結側の開口5aを形成する横架材58と、他方の居住用ユニット1Bにおける連結側の開口5aを形成する横架材58と、に跨って設けられており、これらの横架材58にビス留め又はボルト留めされている。天井連結部材33の下面(居住スペースS側の面)には、見切枠や連窓目板等が設けられている。
図29に示す例では、天井連結部材33の一端部(他方の居住用ユニット1B側の部分)に、吊戸H用のサッシが組み付けられている。なお、サッシは、吊戸H用のサッシに限られるものではなく、例えば、ドアDr用のサッシや窓W用のサッシであってもよい。また、サッシは、天井連結部材33の両端部(一方の居住用ユニット1A側の部分と他方の居住用ユニット1B側の部分)に組み付けてもよいし、天井連結部材33に組み付けなくてもよい。
また、二つの居住用ユニット1A,1Bにおける連結側の横架材58同士の間には、断熱材33aが充填されている。
連結床パネル34の基本構造としては、上記の木質パネルにおける基本構造と同様に、縦框材A及び横框材Bが矩形状に組み立てられるとともに、これら縦横の框材A,Bからなる矩形枠体の内部に補助桟材Cが縦横に組み付けられてパネル枠体が構成され、このパネル枠体の両面もしくは片面に、面材D,Eが貼設され、内部中空な構造となっている。さらに、その内部中空な部分には、通常、グラスウールやロックウール等の断熱材Fが装填される。
また、木質パネルを構成する縦横の框材A,B、補助桟材C、面材D,E同士は、接着剤により強固に接合されている。
なお、図29に示す連結床パネル34には、外側の面材Eを設けていないが、外側の面材Eを設けてもよい。
また、床部4の端部のうち連結側の開口5aを形成する端部における半土台42(以下、連結側の半土台42)は、他の部分の半土台42に比べて高さ寸法(上下方向の寸法)が短く、連結側の半土台42の上面は、床用木質パネル41の上面よりも下側に位置している。すなわち、床用木質パネル41と、連結側の半土台42と、の間には段差が設けられており、その段差に、断面T字状の連結床パネル34の端部(縦框材A)を嵌めることで、連結床パネル34と、一方の居住用ユニット1Aにおける床用木質パネル41と、他方の居住用ユニット1Bにおける床用木質パネル41と、が一繋ぎの状態になる。
連結床パネル34の内面(居住スペースS側の面)には、内装仕上げ材として連結用床仕上げ材34aが設けられている。連結用床仕上げ材34aは、床面材4aと同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、連結用床仕上げ材34aと、床面材4aと、の隙間には床見切等が設けられている。
また、木質パネルを構成する縦横の框材A,B、補助桟材C、面材D,E同士は、接着剤により強固に接合されている。
なお、図30に示す連結壁パネル35には、外側の面材Eを設けていないが、外側の面材Eを設けてもよい。
複数の居住用ユニットは、水平方向に連結可能であるだけでなく、垂直方向にも連結可能である。
図31に、複数の居住用ユニットを水平方向及び垂直方向に連結した例を示す。なお、以下の変形例においては、上述の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略する。また、説明の便宜上、居住用ユニット1の長辺方向、すなわちベースフレーム2の長辺方向やユニット本体3の長辺方向を「左右方向」と称する。
また、本変形例では、二つの居住用ユニット1A,1B(100A,100B)を水平方向に連結しているが、これに限られるものではなく、三つ以上の居住用ユニット1A,1B,…(100A,100B,…)を水平方向に連結することも可能である。
また、本変形例では、一階部分における居住用ユニットの数と、二階部分における居住用ユニットの数と、が同数であるが、これに限られるものではなく、他のフロアと居住用ユニットの数が異なるフロアがあってもよい。
また、本変形例では、二階部分の居住用ユニット100の左右方向の寸法が、一階部分の居住用ユニット1の左右方向の寸法よりも短いが、これに限られるものではなく、例えば、二階部分の居住用ユニット100の左右方向の寸法は、一階部分の居住用ユニット1の左右方向の寸法と略等しくてもよい。
また、本変形例では、二階部分の居住用ユニット100の高さ寸法(上下方向の寸法)が、一階部分の居住用ユニット1の高さ寸法と略等しいが、これに限られるものではなく、二階部分の居住用ユニット100の高さ寸法は、一階部分の居住用ユニット1の高さ寸法よりも短くてもよいし、長くてもよい。
なお、本変形例におけるベースフレーム200は、鉄骨造とされるが、これに限られるものではなく、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造でもよい。
ユニット本体300における複数の木質パネルには、一階部分のユニット本体3における複数の木質パネルと同様に、ユニット本体300の床部400を構成する複数の床用木質パネル41と、ユニット本体300の壁部500を構成する複数の壁用木質パネル51と、ユニット本体300の屋根部600を構成する複数の屋根用木質パネル61と、が含まれている。
図32は、二階部分のベースフレーム200の構成を説明する図であり、(a)は平面図、(b),(c)は側面図である。
ベースフレーム200は、図32に示すように、居住用ユニット100の長辺方向に沿って長尺な短辺フレーム材21と、居住用ユニット100の短辺方向(左右方向)に沿って長尺な第一長辺フレーム材22と、を備えて構成される。また、短辺フレーム材21の両端には、接合金物24が一体的に設けられている。すなわち、短辺フレーム材21と、第一長辺フレーム材22と、は接合金物24を介して連結されている。ベースフレーム200を構成するこれらの鉄骨フレーム材21,22,24は、ボルトや溶接等により剛接合されている。
一階部分のベースフレーム2は、二本の短辺フレーム材21と、二本の第一長辺フレーム材22と、四つの接合金物24と、により構成される矩形枠体を二つ有しているが(図2参照)、本変形例においては、この二つの矩形枠体のうち右側の矩形枠体の上方に、二階部分のベースフレーム200が配置されている。
図33(a)は、二階部分の床部400の構成を説明する平面図である。
ユニット本体300の床部400は、図33(a)に示すように、床用木質パネル41と、半土台42と、を備える。床部400の長辺方向の寸法は、ベースフレーム200の長辺方向の寸法と略同一に設定されている。一方、床部400の短辺方向の寸法は、ベースフレーム200の短辺方向の寸法よりも短く(段差D1二つ分だけ短く)設定されている。すなわち、床部400の短辺側端面は、ベースフレーム200の第一長辺フレーム材22の側端面(上フランジの先端面、下フランジの先端面)と略面一の状態となっており、床部400の長辺側端面は、ベースフレーム200の短辺フレーム材21の側端面(上フランジの先端面、下フランジの先端面)と略面一の状態となっている。床部400は、ベースフレーム200に載った状態で、当該ベースフレーム200に対してボルト留めされている。
図33(b)及び図34は、二階部分の壁部500の構成を説明する図であり、図33(b)は横断面図、図34(a),(b)は側面図である。
ユニット本体300の壁部500は、図33(b)に示すように、一つのコ字型壁体50と、当該コ字型壁体50の開放側端部に配置された二本の柱52間に位置する壁用木質パネル51と、を備える。壁部500は、コ字型壁体50における二つのコーナー部分が、床部400における長辺側の二つのコーナー部分と一致するように配置されて、当該床部400に載った状態で、当該床部400に対してビス留め又はボルト留めされている。
図34に示すように、柱52は、床用木質パネル41や半土台42を介して、ベースフレーム200の接合金物24の上方に立設されている。本変形例においては、ベースフレーム200は四つの接合金物24を備えているので、壁部500には計四本の柱52が設けられている。
具体的には、二階部分のユニット本体300には、当該ユニット本体300の長辺方向両端部のそれぞれに、当該ユニット本体300の短辺方向に沿って長尺なパラペット7が設けられている。このパラペット7は、吊金物71と第一パラペット壁用木材72と笠木74とを少なくとも備えて構成されており、二階部分の屋根よりも上方に突出している。すなわち、二階部分のパラペット7は、当該パラペット7の延在方向と、一階部分のパラペット7の延在方向と、が揃うように配置されている。
具体的には、一階部分の支持材54は横架材58を支持するための部材であるので、当該支持材54の下端面は、一階部分の柱52の下端面(下側の結合金物522の第二水平壁部10b)と略面一の状態となっているのに対し、当該支持材54の上端面は、一階部分の柱52の上端面(上側の結合金物522の第二水平壁部10b)よりも下側に位置している。
一方、二階部分の支持材54は、横架材58を支持するための部材ではなく、袖壁本体として機能する部材であるので、当該支持材54は、二階部分の袖壁用木材53と同様に、ベースフレーム200よりも外側に位置し、下端面が二階部分の半土台42の下端面と略面一の状態となっているとともに、上端面が二階部分の吊金物71の上面と略面一の状態となっている。さらに、二階部分の支持材54は、木口カバー530によって被覆されるものとする。
すなわち、二階部分のパラペット7の両端部には、二階部分の袖壁8が一体的に設けられており、この二階部分の袖壁8は、袖壁本体(袖壁用木材53、支持材54)と木口カバー530とを少なくとも備えて構成されている。
また、本変形例においては、二階部分のコ字型壁体50の開放側端部に配置された二本の柱52間に位置する壁用木質パネル51として、耐力壁パネルである短辺側壁用木質パネル51A,51Bを用いているが、これに限られるものではない。すなわち、二階部分のコ字型壁体50の開放側端部に配置された二本の柱52間に位置する壁用木質パネル51は、耐力壁パネルであってもよいし、間仕切り壁パネルであってもよい。
ユニット本体300の屋根部600は、屋根用木質パネル61と、パネル支持部62と、を備える。屋根部600の長辺方向の寸法及び短辺方向の寸法は、当該屋根部600の四隅が、壁部500の各コーナー部分にそれぞれ嵌るような寸法に設定されている。屋根部600は、壁部500の内面(居住スペースS側の面)に対してビス留め又はボルト留めされている。
ユニット本体300には、当該ユニット本体300の長辺方向両端部のそれぞれにパラペット7が設けられている。そのため、屋根に降った雨は、ユニット本体300の短辺方向(左右方向)両端から排水されることとなる。したがって、屋根部600を左右両方向に流れる屋根面を有する切妻屋根にすることで、屋根に降った雨を強制的にユニット本体300の短辺方向両端へと流すことができるので、スムーズな排水が可能となる。
なお、二階部分の屋根部600は、一階部分の屋根部6と同様に、左右両方向に流れる屋根面を有する切妻屋根に限られるものではなく、その他の勾配屋根でもよいし、フラット屋根でもよい。また、一階部分の屋根部6と二階部分の屋根部600とは、同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
二階部分のユニット本体300には、一階部分のユニット本体3と同様の内装仕上げ材、すなわち上述の実施形態における居住用ユニット1のユニット本体3と同様の内装仕上げ材(床面材4a、内壁材5b、天井材6a、断熱材6b等)が取り付けられる。
また、二階部分のユニット本体300には、一階部分のユニット本体3と同様の外装仕上げ材、すなわち上述の実施形態における居住用ユニット1のユニット本体3と同様の外装仕上げ材(木口カバー530、外壁材5c、唐草63、軒先水切64、壁止まり役物65、シーリング材53e,53f、屋根面材、防水シート6d、笠木74、基礎水切43等)が取り付けられる。
さらに、本変形例では、居住用ユニット1,100を水平方向に連結する連結手段30に加えて、居住用ユニット1,100を垂直方向(上下方向)に連結する連結手段(連結ボルト26や十字平座27等)が用いられる。
図35は、上下方向の連結を説明する図である。図35では、便宜上、接合金物24の内部に設けられている突起部244やナット245a等の図示を省略している。
図35に示すように、二階部分のベースフレーム200及びユニット本体300は、一階部分のベースフレーム2及びユニット本体3と同様に(図3(b)参照)、スタッドボルト56によって連結されている。二階部分の床部400の長辺側端面(左端面、右端面)は、二階部分のベースフレーム200における短辺フレーム材21の側端面(上フランジの先端面、下フランジの先端面)と略面一の状態となっている。したがって、一階部分と同様に(図3(b)参照)、二階部分においても、ベースフレーム200における四隅の接合金物24と、当該ベースフレーム200に載っている床部400と、の間には段差D2が設けられている。
ここで、接合金物24の長孔243は、ツイストロック用の孔であり、連結ボルト26の頭部が通過可能なサイズの孔である。したがって、連結ボルト26は、長孔243に通される際に、十字平座27を介して通される。
図36(a),(b)に示すように、十字平座27は、十字状の座金である。具体的には、十字平座27は、左右方向に沿って互いに反対側に突出する一対の第一突出片27aと、左右方向に対して直交する方向に沿って互いに反対側に突出する一対の第二突出片27bと、を有する座金である。十字平座27の中央部には、連結ボルト26の頭部は通過不能で、連結ボルト26の軸部は通過可能なサイズの貫通孔271が形成されている。
さらに、十字平座27は、一対の第一突出片27aのうちの一方の側面と、一対の第二突出片27bのうちの一方の側面と、により形成される角部に、接合金物24が有する一対の突起部244のうちの一方が配置されるとともに、一対の第一突出片27aのうちの他方の側面と、一対の第二突出片27bのうちの他方の側面と、により形成される角部に、接合金物24が有する一対の突起部244のうちの他方が配置されるように寸法設定されている。すなわち、一対の突起部244は、十字平座27の回転(時計回り方向及び反時計回り方向の回転)を防止可能な位置に配設されている。したがって、連結ボルト26をナット713aにねじ込む際に、十字平座27が一緒に回転してしまうことがないので、連結ボルト26の締め付け作業をスムーズに行うことができる。
また、一階部分の居住用ユニット1と二階部分の居住用ユニット100との間には、外装仕上げ材として、幕板カバー45(あるいは幕板カバー47)が取り付けられる。
幕板カバー45は、例えば塩ビ鋼板製の部材であり、図37に示すように、二階部分の床部400に取り付けられた基礎水切43を上から被覆する被覆板部45aと、被覆板部45aの一端部から下方へ延びる垂下板部45bと、を備える。垂下板部45bの先端部は、内側(居住用ユニット100側)へ折り曲げられた折曲部とされている。また、垂下板部45bの中央部には、凹溝部45cが設けられている。
また、垂下板部45bの凹溝部45cは、二階部分のベースフレーム200に固定されたアングル材46に対してビス留めされている。
なお、幕板カバー45及びアングル材46は、幕板カバー45の垂下板部45bが一階部分の外壁材5cよりも外側に位置するように寸法設定されている。
図37(a),(b)は、一階部分の居住用ユニット1と二階部分の居住用ユニット100とが当接している部分における幕板カバー45の取付態様を示す図である。当該当接している部分においては、二階部分のベースフレーム200が一階部分のパラペット本体と接しているので、アングル材46をベースフレーム200に固定するビスは、一階部分のパラペット本体(具体的には第一パラペット壁用木材72)まで達している。
また、図示は省略するが、幕板カバー45及びアングル材46は、一階部分の居住用ユニット1と二階部分の居住用ユニット100とが離間している部分のうち、一階部分の袖壁8と二階部分の袖壁8との間にも取り付けられる。その場合、アングル材46は、一階部分の袖壁用木材53にビス留めされる(図39(d)参照)。
幕板カバー47は、例えば塩ビ鋼板製の部材であり、図39に示すように、二階部分の床部400に取り付けられた基礎水切43を上から被覆する被覆板部47aと、被覆板部47aの一端部から下方へ延びる垂下板部47bと、を備える。垂下板部47bの先端部は、内側(居住用ユニット100側)へ折り曲げられた折曲部とされている。また、垂下板部47bの中央部には、凹溝部47cが設けられている。
幕板カバー47においては、垂下板部47bの上部(凹溝部47cよりも上側の部分)が、垂下板部47bの下部(凹溝部47cよりも下側の部分)よりも外側に位置している。これにより、垂下板部47bの上部を伝ってきた雨水が、凹溝部47c内に流入しにくくなっている。
また、垂下板部47bの凹溝部47cは、二階部分のベースフレーム200や一階部分の袖壁用木材53に固定されたアングル材48,49に対してビス留めされている。
下地アングル48は、底板部48aと、底板部48aの一端部から上方へ延びる起立板部48bと、を備えるL字状の部材である。下地アングル48は、底板部48aの一端部から上方へ延びる起立板部48bが底板部48aの他端部よりも内側に位置する状態であり、かつ起立板部48bが二階部分のベースフレーム200のフレーム材21,22における下フランジと上フランジとの間(あるいは一階部分の袖壁用木材53と二階部分の袖壁用木材53との間)に配置された状態で、底板部48aの当該他端部が、当該下フランジ(あるいは当該一階部分の袖壁用木材53)に対してビス留め又はボルト留めされている。
このようにして、幕板アングル49が下地アングル48を介して二階部分のベースフレーム200(あるいは一階部分の袖壁用木材53)に固定された後に、幕板カバー47の凹溝部47cが、当該幕板アングル49の第二垂直面部49cに対してビス留めされるとともに、当該幕板カバー47の被覆板部47aが、基礎水切43及び半土台42(あるいは基礎水切43及び二階部分の袖壁用木材53)に対してビス留めされる。
なお、幕板カバー47及びアングル材48,49は、幕板カバー47の垂下板部47bの下部が一階部分の外壁材5cよりも外側に位置するように寸法設定されている。
また、図39(c)は、一階部分の居住用ユニット1と二階部分の居住用ユニット100とが離間している部分のうち、一階部分の屋根の上方における幕板カバー47の取付態様を示す図である。二階部分のベースフレーム200は一階部分の屋根と接していないので、下地アングル48は、ボルト48cによってベースフレーム200に固定されている。
図39に示すアングル材48,49は、二つに分かれている。アングル材を二つに分けることで、当該アングル材をベースフレーム200や袖壁用木材53に固定する際のビス留めやボルト留めの邪魔にならない位置に、起立板部48bを配置することができるので、幕板カバーの取付作業をよりスムーズに行うことが可能となる。
ここで、一階部分の居住用ユニット1と二階部分の居住用ユニット100の連結方法について説明する。
まず、一階部分の居住用ユニット1及び二階部分の居住用ユニット100を別々に輸送する(輸送ステップ)。この輸送ステップでは、パラペット本体(吊金物71、パラペット壁用木材72,73)を笠木74によって被覆した状態で輸送するので、輸送中等にパラペット7内へ雨水が流入してしまうことを防止可能となっている。
次いで、笠木74(笠木受ブラケット75、断熱材76を含む)を外したりずらしたりすることで、一階部分の居住用ユニット1におけるパラペット本体の一部又は全部(二階部分の居住用ユニット100が載る部分)を、笠木74によって被覆されていない露出状態にする(露出ステップ)。一階部分の居住用ユニット1におけるパラペット本体のうち、二階部分の居住用ユニット100が載らない部分は、笠木74によって被覆されたままとしてもよいし、被覆されていない露出状態としてもよい。露出ステップにおいて、居住用ユニット100が載らない部分も露出状態にした場合には、後述する垂直配置ステップの後に、居住用ユニット100が載らない部分を笠木74で被覆する。
上下階連結ステップでは、まず、二階部分のベースフレーム200における接合金物24内に十字平座27を装着する。十字平座27は、接合金物24の開口部から差し入れることで装着することができる。
以上のようにして、居住用ユニット1,100を上下方向(垂直方向)に連結する。
その後、幕板カバー45(又は幕板カバー47)の取り付け等を行う。
具体的には、上下階連結ステップを行い、その後、一階部分の居住用ユニット1A,1Bに対する壁連結ステップ及び屋根連結ステップと、二階部分の居住用ユニット100A,100Bに対する壁連結ステップ及び屋根連結ステップと、を行ってもよい。
あるいは、一階部分の居住用ユニット1A,1Bに対する壁連結ステップ及び屋根連結ステップと、二階部分の居住用ユニット100A,100Bに対する壁連結ステップ及び屋根連結ステップと、を行い、その後、連結された状態の二階部分を吊り上げて、連結された状態の一階部分に当該連結された状態の二階部分を載置して、上下階連結ステップを行ってもよい。
あるいは、一階部分の居住用ユニット1A,1Bに対する壁連結ステップ及び屋根連結ステップを行った後に、上下階連結ステップを行い、その後、二階部分の居住用ユニット100A,100Bに対する壁連結ステップ及び屋根連結ステップを行ってもよい。
この場合、垂直配置ステップと同様の手順で、一階部分の居住用ユニット1を建物用基礎上に設置する。具体的には、笠木74(笠木受ブラケット75、断熱材76を含む)を外したりずらしたりすることで、一階部分の居住用ユニット1における三つ以上の吊金物71を、笠木74によって被覆されていない露出状態にして、当該露出状態の吊金物71に吊具150を取り付ける。また、一階部分の居住用ユニット1を輸送してきた輸送手段(シャーシ140やトラックやトレーラー等)のツイストロック、すなわち一階部分の居住用ユニット1に設けられたツイストロック用の長孔243に差し込まれているツイストロックを固定状態から解放状態に切り替える。その後、クレーン等によって一階部分の居住用ユニット1を吊り上げて、当該居住用ユニット1に設けられた複数の長孔243の位置と、建物用基礎に設けられた複数のボルト孔(連結ボルト26用のボルト孔)の位置と、をそれぞれ合わせた状態で、当該居住用ユニット1を建物用基礎に載せる。
その後、上下階連結ステップと同様の手順で、連結ボルト26及び十字平座27を用いて、建物用基礎と、一階部分の居住用ユニット1の下端部と、を接合する。これにより、連結ボルト26によって、一階部分の居住用ユニット1を建物用基礎に連結することができる。
また、一方のコ字型壁体50と他方のコ字型壁体50との開放側端部同士の間の開口5aに耐力壁を配置する必要がなく、開口5aに壁を配置しない状態で使用することも、開口5aに間仕切り壁を配置した状態で使用することも可能であるので、様々な用途に対応することができる。
また、パラペット7は、一対のコ字型壁体50の並び方向に沿って延在しており、袖壁8は、一対のコ字型壁体50の並び方向外側に向かって突出しているので、当該並び方向(左右方向)の両端部にのみ軒先部材(唐草63や軒先水切64)を設ければよく、その分の手間やコストを軽減することができ、量産に適している。
また、壁止まり役物65は、ユニット本体3,300の屋根面に固定される底面部65aと、底面部65aの一端部から起立する第二側面部65cと、を備えており、底面部65aは、一端部がユニット本体3,300の屋根面の軒側端部に一致した状態で、当該屋根面に固定されている。すなわち、壁止まり役物65の第二側面部65cが屋根面の軒側端部から起立するように配置されているので、袖壁8と外壁材5c(及び軒先水切64)との間だけでなく、袖壁8と壁止まり役物65との間にもシーリング材53eを充填することができる。したがって、袖壁8の中央部及び下部だけでなく、袖壁8の上部(屋根面よりも上側の部分)にもシーリング材53eを充填できるので、袖壁8内への雨水の流入を防止する効果が高まる。
すなわち、接合金物24は、居住用ユニット1,100を第一構造体(ツイストロックによって上方のユニット本体3,300を固定する構造体。具体的にはシャーシ140等)上に固定するための連結具である。そして、接合金物24に十字平座27を取り付けることで、接合金物24に設けられた長孔243をボルト用の通し孔として利用可能となるので、接合金物24は、十字平座27が装着された状態では、居住用ユニット100を第二構造体(ボルトによって上方のユニット本体300を固定する構造体。具体的には他の居住用ユニット1等)上に固定するための連結具となる。したがって、第一構造体上に固定するときだけでなく第二構造体上に固定するときにも接合金物24は必要であり、接合金物24に十字平座27を着脱するだけで第一構造体にも第二構造体にも対応可能となるので、第一構造体上に固定するための連結具と、第二構造体上に固定するための連結具と、の双方を設ける必要がなく、その分の手間やコストを軽減することができ、量産に適している。
すなわち、接合金物24は、居住用ユニット1,100を第一構造体上に固定するための連結具である。そして、接合金物24に変換部材を取り付けることで、接合金物24に設けられたツイストロック用の孔(長孔243)を連結ボルト26用の孔(貫通孔271)として利用可能となるので、接合金物24は、変換部材が装着された状態では、居住用ユニット100を第二構造体上に固定するための連結具となる。したがって、第一構造体上に固定するときだけでなく第二構造体上に固定するときにも接合金物24は必要であり、接合金物24に変換部材を着脱するだけで第一構造体にも第二構造体にも対応可能となるので、第一構造体上に固定するための連結具と、第二構造体上に固定するための連結具と、の双方を設ける必要がなく、その分の手間やコストを軽減することができ、量産に適している。
また、第二構造体は、他の居住用ユニット1(下階部分の居住用ユニット1)に限られるものではなく、例えば建物用基礎であってもよい。
また、第一固定部材は、ツイストロックに限られるものではない。
また、第二固定部材は、頭部を有する連結ボルト26に限られるものではなく、例えばアンカーボルトであってもよい。
また、変換部材(十字平座27)が有する一対の第一突出片27aは、長孔243の長手方向に沿って互いに反対側に突出しているので、解放状態のツイストロックの位置に配置され、変換部材が有する一対の第二突出片27bは、長孔243の短手方向に沿って互いに反対側に突出しているので、固定状態のツイストロックの位置に配置される。したがって、変換部材の装着スペースを考慮することなく、長孔243の位置等を設定できるので、その分の手間やコストを軽減することができ、量産に適している。
また、露出ステップの前に、一方の居住用ユニット1及び他方の居住用ユニット100を別々に輸送する輸送ステップを行う。すなわち、居住用ユニット1,100はパラペット本体を笠木74で被覆した状態で輸送されるので、上下階連結ステップを行う前(輸送中等)にパラペット7内へ雨水が流入してしまうことを防止できる。
2,200 ベースフレーム
3,300 ユニット本体
7 パラペット
8 袖壁
24 接合金物(接合部材、第一係合部材)
26 連結ボルト(連結部材、第二固定部材)
27 十字平座(座金、第二係合部材)
27a 第一突出片
27b 第二突出片
31 壁連結部材
32 屋根連結部材
50 コ字型壁体
51A,51B,51C,51D 壁用木質パネル(補強壁)
52 柱
65 壁止まり役物
65a 底面部
65c 第二側面部(側面部)
71 吊金物(パラペット本体)
72,73 パラペット壁用木材(パラペット本体)
74 笠木
78 連結ボルト(固定部材)
140 シャーシ(第一構造体、輸送手段)
150 吊具
243 長孔(第一孔)
244 突起部(回転留め)
271 貫通孔(第二孔)
521 柱用木材
522 結合金物
712 吊用貫通孔(第一孔部)
713 上下接合用貫通孔(第二孔部)
Claims (4)
- ユニット本体と、前記ユニット本体と当該ユニット本体の下方の構造体とを連結する接合部材と、を備える居住用ユニットであって、
前記接合部材は、ツイストロックに対応した長孔が設けられた板部を有しており、
前記長孔に跨るように座金を装着可能であり、
前記座金を介して前記構造体と連結可能であり、
前記座金は、前記長孔の長手方向に沿って互いに反対側に突出する一対の第一突出片と、前記長孔の短手方向に沿って互いに反対側に突出する一対の第二突出片と、を有する十字状の部材であり、
前記板部には、前記第一突出片と前記第二突出片とにより形成される入隅部と係合することで前記座金の回転を防止する突起部が設けられていることを特徴とする居住用ユニット。 - 請求項1に記載の居住用ユニットにおいて、
前記板部には、前記突起部が二つ設けられており、
前記二つの突起部のうちの一方は、前記一対の第一突出片のうちの一方と、前記一対の第二突出片のうちの一方と、により形成される入隅部と係合し、
前記二つの突起部のうちの他方は、前記一対の第一突出片のうちの他方と、前記一対の第二突出片のうちの他方と、により形成される入隅部と係合することを特徴とする居住用ユニット。 - 請求項1又は2に記載の居住用ユニットにおいて、
前記座金を介して連結可能な前記構造体は、他の居住用ユニットであることを特徴とする居住用ユニット。 - 請求項1~3のいずれか一項に記載の居住用ユニットにおいて、
前記ユニット本体は、四隅の柱を含む複数の柱を備えており、
前記接合部材は、前記ユニット本体を支持するベースフレームに設けられており、前記柱と連結していることを特徴とする居住用ユニット。
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