JP3494433B2 - 鉄骨造建物の壁式構築工法 - Google Patents

鉄骨造建物の壁式構築工法

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JP3494433B2
JP3494433B2 JP2000151262A JP2000151262A JP3494433B2 JP 3494433 B2 JP3494433 B2 JP 3494433B2 JP 2000151262 A JP2000151262 A JP 2000151262A JP 2000151262 A JP2000151262 A JP 2000151262A JP 3494433 B2 JP3494433 B2 JP 3494433B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨造建物の壁式
構築工法に関するものであって、薄鋼板を断面略波形に
折曲して垂直荷重及び水平荷重に耐える構造用の壁体を
形成し、該壁体で鉄骨造建物を構築するものであり、建
築分野、特に低層(4階建まで)の鉄骨造建築分野に属
するものである。
【0002】
【従来の技術】〔従来例1〕図15及び図16は多用さ
れている従来の鉄骨造建物の構造体説明図である。即
ち、鉄筋コンクリート構造体基礎に予め埋設されたアン
カーボルトにベースプレートを固定し、各階の梁を連結
するための梁ブラケットを溶接又はボルトで固定した柱
をベースプレート上に立設固定し、次いで各柱の梁、ブ
ランケット間に梁をスプライスプレートを介して連結し
て柱相互を梁、桁で連結し、必要個所に筋違を配設して
柱と梁の一体化構造体を形成し、各柱の基部は根巻コン
クリートで補強する(図15)。
【0003】次いで、該柱と梁の構造体の梁ブラケット
上の柱周りや梁継手部(スプライスプレート)の必要個
所に、デッキプレート受材としての平鋼片を取付け、梁
上にデッキプレートを固定し、外周等の梁上にはコンク
リート流れ止めを取付け、デッキプレート上に補強配筋
を組付けて、コンクリート(レディミックスコンクリー
ト)をデッキプレート上に打設して床を形成し(図1
6)、床張り構造体としている。そして、内外壁用の下
地材(ランナー、スタットetc、図示せず)を付設し
て内外装を行う。
【0004】〔従来例2〕また、図17及び図18は、
有効な断熱手段及び施行の省力化を目的に提案されたも
のであって、特開平11−229490号として開示さ
れたものである。即ち、通常の建築工法に従って土台、
柱、梁、桁、床、屋根等の順序により構築するものにあ
って壁板と床板に改善を加えたものであり、コンクリー
ト基礎B上に土台の役割を果す接合金具50を、アンカ
ーボルト孔51を介して基礎B中に予め埋設固定したア
ンカーボルト(図示せず)で基礎Bと一体化固定し、接
合金具50の上に固定した立ち上り片53に、該立ち上
り片53と同一形態に折曲し、且つ適所に注入孔71を
有する壁用折板70を立設してその基部を当接し、壁用
折板取付孔54を介して両者を締着する。
【0005】また、壁用折板70の上端には梁60を固
定し、該梁60の側面に固定した床用折板受金具66に
は取付孔67を介して床用折板80を、梁60上面に金
具固定孔62で固定された壁用折板接合金具61には取
付孔64を介して2階の壁用折板70を立設固定し、壁
用折板70の両面には適所に注入孔73を有する平板7
2を補助構造材として固定し、次いで図18(B)の如
く平板72の注入孔73から断熱材74を注入し、断熱
構造物とするものである。尚、窓等の開口部は、間柱か
ら成る縦補強材80、及び間柱80間に渡した横補強材
81で補強形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来例1にあっ
ては、建物の荷重を柱、梁構造で負担するため、柱や梁
の断面が大となって室内に出っ張ることとなり、単に美
観を損なうだけでなく、室内空間の利用上の障害とな
り、室内の出隅は好ましくない。また、筋違(ブレー
ス)の配置は、取付部の仕口構造が複雑であってその施
工は煩雑な現場作業を必要とし、ブレース施工が建築施
工の効率化の障害となっている。
【0007】また、柱のモーメントを基礎に伝達する柱
脚構造であるため、柱の柱脚部を鉄筋コンクリートで根
巻きして剛性を高める必要があるが、根巻きコンクリー
ト施工も建築施工の効率化の障害である。また、溶接が
多様で量も多いため、超音波検査などでの製作、施工管
理も厳重に行う必要があり、建築施工の効率化の障害と
なっている。更に、構造体を構成する柱、梁、桁、ブレ
ース等は重力材であって鉄材使用量が多く、建物の重さ
が大であるため、柱の基礎への取付上の困難さにとどま
らず基礎地盤の地耐力対策上も不利である。
【0008】従来例2にあっては、立ち上り片53、接
合金具61、及び床用折板受金具66は、それぞれ
70,80の折曲形態と精密に寸法合せする必要があ
り、且つ小部材でありながら複雑な形態を有するので、
正確な取付施工は煩雑且つ手間がかかる。また、壁用折
板70には注入断熱材透過用の多数の注入孔71が必要
であり、折板70自体に強度損失を招くため補助構造材
としての両面の平板72との3層構造が必要で、板材使
用量が多くなる。
【0009】しかも、3層構造板材(中央の折板70と
両側の平板72)内への断熱材74の均質注入は困難な
作業であり、注入容易な合成樹脂発泡材の注入にあって
は発泡凝固圧に対処するための3層板材の相互固定は煩
雑且つ困難な作業であり、無機質断熱材の注入にあって
は断熱材が均質に分散されるように注入孔71,73
(特に71)を大きくする必要があり、構造材としての
折板の強度低下を招くため、板材肉厚を大とする必要が
ある。
【0010】本発明は、従来の鉄骨造構築工法での、
柱、梁、筋違(ブレース)、桁、胴差を不要として施工
の省力化を計ると共に、建物の重さを低減して基礎への
負担の低減及び使用鋼材の節約を計り、併せて開口部廻
りの補強間柱も不要とする新規な壁式構築工法を完成
し、従来例1、及び従来例2に於ける上述の如き種々の
問題点を解決又は改善するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】例えば図1
(A)に示す如く、薄鋼板を断面略波形に屈曲して見掛
け厚Wを形成し、垂直応力F及び水平応力Fに耐
える形態とした壁板1の上端2及び下端3に断面コ字状
の型鋼の上枠7及び下枠8を嵌着し、壁板1の内外側突
出部4,5と上下枠の各内外側板7,8とを溶接一
体化して構造用の壁体10を構成し、該壁体10の下枠
8を基礎Bに位置決め固定すると共に、壁体10相互の
左右連結は下枠8端部相互の剛構造連結で、壁体10相
互の上下連結は対向する下枠8と上枠7との剛構造面
定で実施して、各壁体10間の上枠7に亘る横材12の
配置固定により一体化壁面を構成し、デッキプレート1
1を壁面間に剛構造張設し、打設コンクリートCでデッ
キプレート11と壁体10の下枠8とを一体化してデッ
キプレート11を含むコンクリート合成床Cにより床荷
重を壁体10に伝達させる、鉄骨造建物の壁式構築工法
としている(請求項1)。
【0012】従って、各単位壁体10の左右方向列は横
材12によってあたかも1枚の壁材の如く剛構造体と成
って壁面を形成し、また、壁板1はコンクリート止め機
能を奏し、デッキプレート上のコンクリートは壁
の屈曲凹部にまで流れ込んで壁体10の下枠8とデッキ
プレート11とを一体化し、各対向壁面間はコンクリー
ト合成床により壁体10とデッキプレート11とを一体
的に差し渡し結合るため、床荷重が全て両側の壁面に
流れて垂直応力Fとして壁面で支承出来、従って壁体
10は、薄鋼板の折曲材による軽量構造体であるにかか
わらず見掛け厚Wで垂直応力F及び水平応力F
耐え、柱、梁、ブレースの機能を奏する。
【0013】しかも、壁体10は工場で規格品として生
産可能であって、均質な壁体10の製造、保管が容易と
なり、現場での壁面の施工は壁体10の単体を上下左右
に連結する作業であるので、軽量な壁体10を用いる現
場での構造体建築作業が容易となり省力化出来る。
【0014】また、柱、梁、桁等の重量鋼材を用いない
ため、使用鋼材が節約出来る上に、構造物が軽量化出
来、基礎の地耐力対策面からも、壁体10の基礎への取
付け面(樹脂ボルトで取付け可能となる)からも有利と
なる。
【0015】尚、見掛け厚W1は、薄鋼板の肉厚及び壁
板1の高さと共に、抗座屈力、即ち垂直応力F1に耐え
る強度に影響を与える重要ファクターであり、従って同
一鋼板で同一高さの3階建用の壁体10と6階建用の壁
体10とでは、見掛け厚W1は異なることとなる。ま
た、「断面略波形」の意は図1の如く両側への突出部が平
面を形成するもののみならず、垂直応力F1及び水平応
力F2に耐える折曲形態を広く含む意である。また、横
材12は、各壁体10の上部に亘って一体化本固定すると
同時に、デッキプレート11を支承一体化するものであ
り、上枠7の側面に横渡しする断面コ字状又はアングル
鋼材でも、下壁体上枠7と上壁体下枠8との間に狭着形
態で一体して側方に支承部を突出させる平鋼板でも良
い。
【0016】また、デッキプレート11は、壁体10上
枠に差し渡し固定された鋼製の横材(12)を介して壁
体と剛構造連結するのが好ましい(請求項2)。この場
合は、デッキプレート11上にコンクリート打設された
コンクリート合成床Cの荷重がスムーズに壁面に伝達さ
れるのは勿論、骨組構造躯体が一体化剛構造となり、完
全な耐震性となる。
【0017】また、横材12が適所にガセットプレート
13を固定した小梁受12Aとし、ガセットプレート1
3にデッキプレート11固定用の小梁14を取付けるの
が好ましい(請求項3)。この場合は、小梁受12A
ガセットプレート13との固定、及びガセットプレート
13に対する小梁14取付用のボルト孔の穿孔等の作業
は工場で品質管理の下に合理的にムラ無く実施出来、現
場での手間のかかる作業が軽減出来て、品質の保証され
た骨組構造体が効率的に形成出来る。
【0018】また、横材12としては、デッキプレート
11を固定するためのアングル材12Bを用い、アング
ル材12Bの適所にガセットプレート13を備えた小梁
受片12Cを介在させるのが好ましい(請求項4)。こ
の場合は、アングル材12Bは、小梁受12Aより鋼材使
用量が小(約1/3)ではあるが、デッキプレート11
と壁面との剛構造化及び各壁体10の一体化には十分で
あり、重量物の小梁14を連結する位置にのみ小梁受片
12Cを配置して対応するため、全体としての鋼材使用
量が節約出来、コスト低減化出来る。
【0019】また、壁板1の折曲形態を、内外側突出部
としての平面板部4,5と、内外側平面板部4,5間の
傾斜板部6を備えた形態とするのが好ましい(請求項
5)。この場合は、壁体10の内外面に見掛け上の平面
が形成出来るため、各内外側の平面板部4,5を内外装
用下地材として利用出来、壁材10の外側への断熱材等
の板材の取付けや、内側への石膏ボード等の内装材の取
付けに有利となり、建物の壁構造が合理化出来、建築施
工の効率化が達成出来る。
【0020】請求項6の発明では、横材12を壁体10
の上枠7に固定し、該上枠7に載置形態の上位壁体10
の下枠8の側板8S及び壁板1の孔H1からデッキプレー
ト上の配筋Rの端部を下枠8内へ突入させ、デッキプレ
ート上のコンクリートCを該下枠8内部へ孔H1から流
し込むようにした。従って、デッキプレート11上のコ
ンクリート合成床Cは下枠8内にコンクリート充填部C
0を形成し、しかも配筋Rがコンクリート充填部C0中に
も入っているため、コンクリート合成床Cと壁体10の
結合一体化が確実に保証され、床荷重の壁面への流れが
確実となる。
【0021】また、壁板1の折曲形態で形成された壁体
10の内外面凹部10Zにはグラスウール等の断熱吸音
材料Gを充填した(請求項7)。勿論、断熱吸音材料の
充填は、綿状物の充填でも、発泡合成樹脂等の板状物の
接着充填でも良い。従って、壁体10は、見掛け厚W1
の折曲鋼板製であるにかかわらず、同時に壁板1による
遮音機能と、充填材料Gによる吸音及び断熱機能を具備
することとなり、鉄骨造建物に対する快適住環境付与が
容易となる。
【0022】また、壁体10の外面に断熱板15を当接
し、断熱板15の外側に配したタテ胴縁16を大寸ドリ
ルネジS1で壁板1の外側突出面部5に固定して断熱板
15により外断熱構造とした(請求項8)。従って、
柱、梁、桁の存在しない壁体のみが外周を形成した構造
に於いて壁体外周が断熱材で被覆されることと、熱伝達
がタテ胴縁16→大寸ドリルネジS1→壁板外側突出面
部5→壁板内側突出面部4→石膏ボード(内装板)20
の経路(図13)であって熱橋が小であることとが相俟
って合理的な断熱構造が達成出来る。尚、断熱板として
は、壁体10の外側に当接配置可能、且つ断熱機能を具
備すれば良く、合成樹脂発泡体断熱板(ポリウレタンフ
ォーム板、ポリエチレンフォーム板等)はもとより、施
工性、性能、コスト面から慣用の各種断熱板の採用が可
能である。
【0023】また、壁体10の外側突出面部5の外面に
ゴムパッキン18を介してヨコ胴縁17をドリルネジS
2により固定し、次いでヨコ胴縁17の上から断熱板1
5を壁体10に当接し、断熱板15の外側に配したタテ
胴縁16を大寸ドリルネジS 1でヨコ胴縁17に固定し
て断熱板15による外断熱構造とした(請求項9)。従
って、タテ胴縁16の熱は大寸ドリルネジS1により減
少してヨコ胴縁17に伝達され、ヨコ胴縁17に伝達さ
れた熱がゴムパッキン18によって遮断されてドリルネ
ジS2のみで壁板1の外側突出面部5に伝達され、該伝
達熱は壁板1の屈曲経路を経て内側突出面部4→石膏ボ
ード(内装板)と伝達されることとなり、熱橋を最小限
に抑えた好適な外断熱建物となる。
【0024】また、窓等を配置するための壁体の開口部
位置には、壁板1を切除して開口部O1を形成し、該開
口部O1周縁に補強材としての断面コ字状縦枠体22及
び横枠体21を嵌合固定する(請求項10)。従って、
開口部O1の上下には、横枠体21と対向枠7又は8と
がフランジとなり、両者間の壁板1がウエブとなったラ
チス梁が形成され、従来の窓枠形成の間柱の配置が不要
となり、しかも、上下横枠体21の取付けは、壁体10
に於ける上下枠の取付同様に壁板1の内外側突出面部
4,5との固定で合理的に実施出来る。
【0025】また、開口部O1の補強材としての横枠体
21は、開口部O1に対応する底板21B及び側板21S
から成る断面コ字状部21Aと、開口部O1から両側に延
出した内外側板21Sのみから成る挟着部LPとを備えた
構成とした(請求項11)。
【0026】従って、上方の横枠体21と上枠7、及び
下方の横枠体21と下枠8とがH型鋼の役目を、中間の
壁板1がウエブの役目を果すラチス梁が形成出来ると共
に、開口部両側へ延出した挟着部21Bの壁板1との一
体化により、開口部O1への荷重も両側の縦枠22と縦
枠22の両側の壁板とへ流れることとなり、補強材とし
ての縦枠22は、格別の強度は必要なく、横枠21や壁
体の上下枠7,8と同一材の使用が可能となる。
【0027】また、壁板1の折曲部で形成される凹部1
Zを設備用配管P及び電気配線用スペースとして利用
するようにした(請求項12)。従って、配管は、断熱
層の断面欠損を生ずることなく壁体内に収めることが出
来、従来の設備配管を壁内に納めるための二重壁の形式
の必要がなくなり、壁断面の厚さ増大を阻止し、スペー
ス面からもコスト面からも有利となる。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【発明の実施の形態】〔壁体10の製作(図4)〕3階
建用の壁体10として、肉厚Tが1.2mm、原板幅91
4mmの薄鋼板を、図4(B)に示す如く、外側突出平面
板部5の幅aが130mm、内側突出平面板部4の幅aが
130mm、両側端1Eの幅cが123mm、傾斜板部6は
45°の傾斜角θ1で見掛け幅bが97.5mm、折曲形
態の見掛け厚W1が95mmに成形し、外側突出平面板部
5の中心間サイズL4が445mm、幅L3が798.5mm
の単位壁板を成形機により形成する。尚、長さL1は1
階用に2770mmとするが、1階と2階と通した2倍の
サイズとすることも可能である。
【0037】次いで、上述の単位壁板1の各側端1E
図4(B)の如く重ねて該重ね部に焼抜きせん溶接(ス
ポット溶接)を施して3枚を一体化し、図4(A)の如
く、上枠7と下枠8を壁板1の上下端2,3に嵌合一体
化する。上枠7及び下枠8は同一部材であり、肉厚2.
3mm、幅W2が100mm、側板7S,8Sの高さL8が50
mmの市販されている軽量型鋼を用いる。上下枠7,8と
壁板1との一体化は、各枠体の側板7S,8Sと壁板1の
内外側突出平面板部4,5とをスポット溶接で固定し、
図示(図4(A))の壁板3枚の一体化物を上下枠7,
8で固定した13.8kg/m2重量の壁体10を工場生産
する。
【0038】尚、壁体の板材相互の固定、板材と枠体の
固定はドリルネジ止めでも可能であるが、壁体の表面に
突起物が形成されれば施工時の他の建材との当接固定の
障害となるため、及び強度上からも、スポット溶接や、
炭酸ガスアーク溶接、アルゴンアーク溶接等のアーク溶
接固定が好ましい。また、10Zは壁板1の凹部であ
り、H2は壁体固定のM16ボルト(16mmボルト)用
ボルト孔、H3は横材締着M16ボルト用ボルト孔であ
り、壁体10の1側面では他の壁体との重ね継ぎ用の端
側1Eが突出した形態である。尚、1階用の壁体10に
あっては、下枠8のボルト孔H2を樹脂アンカーボルト
用のルーズホールとする。
【0039】また、壁体10への窓等の開口部の形式
は、図10に示す如く、割出し寸法に基づいて壁板1に
切取り開口O1を形成し、開口部O1周囲の補強材として
壁体10の上下枠7,8と同一の軽量型鋼材を用い、縦
枠体22は開口縦寸法L21と同長の断面コ字形態である
が、横枠体21は開口部の横寸法L21を残し、両側方へ
300mm突出した両側板のみの挟着部LPを形成し、該
挟着部LPは、横枠体の底板21Bを切除して側板21S
のみが平行突出した形態である(図10(A))。横枠
体21は、断面コ字状部を壁板1の切口に嵌合当接する
と共に左右の挟着部LPを壁板1の内外側平面板部4,
5に当接挟着し、横枠体21の全長に亘って内外側板2
Sと壁板1の内外側平面板部4,5との当接面を溶接
(スポット溶接)又はドリルネジ固定する。また、左右
縦枠体22は、上下横枠体21間に入れて壁板1の縦切
口に当接した状態で上下端を横枠体21に溶接一体化す
る。尚、縦枠体と横枠体との一体化には必要に応じて継
ぎ片を採用しても良い。
【0040】図10(B)に示す如く、縦横補強された
開口部O1は、上下各横枠体21と対向する上下各枠と
がラチス梁のフランジとなり、両者間の壁板部がラチス
梁のウエブとなり、上下がラチス梁で保護された形態と
なって、開口部O1への荷重F1は縦枠体22とその両側
の壁板面に流れて開口部O1の補強が達成され、従っ
て、開口部O1配設用の間柱が不要となる。
【0041】〔現場施工〕図2(A)に示す如く、壁体
10を運搬して来たユニック(小型クレーンの商品名)
付のトラックのクレーンか、ユニック車が使えない場所
では、トラックで搬入した壁体10を吊上げ機を用いる
かして、鉄筋コンクリートの1階床及び布基礎B上に配
置した樹脂アンカーボルト上に位置合せし、該ボルトを
介して壁体10の下枠8を基盤Bに緊結固定する。この
場合、1階用壁体10の下枠8にはルーズホールのボル
ト孔H2が所定間隔(約1m)に配置されており、壁体の
下枠8とボルトとの位置ずれはルーズホールで対処し、
壁体10の高さ調節は樹脂アンカーボルトの角ナット
(図示せず)で対処する。
【0042】次いで、図2(B)に示す如く、1階壁体
10の下枠8を樹脂アンカーボルトにナットで締着後、
下枠8の下にはモルタルC2を充填し、下枠8内での下
枠8と壁板1の隙間にも、下枠8と壁板1との固定と、
工事中の水溜りの防止及び水による小口からの腐蝕防止
のためのモルタルC2充填をする。
【0043】以上の作業で1階壁体10を所定位置に順
次固定しながら、壁体10相互を左右に連結する。図5
は、壁体10の直線状連結部の略示図であり、下枠8端
部同志の衝合部底板8B上に断面コ字状の溝鋼片25を
嵌めて下枠8と溝鋼片25とをスポット溶接M及びドリ
ルネジSで固定する。尚、壁体10の内面側は内装下地
材となるため、突起物が生じないよう配慮する。
【0044】また、コーナー部(壁面の角隅部)にあっ
ては、図6に示す如く、溝鋼片25の一方の小口を鋼板
片26で溶接閉塞した後、下枠8の端部に嵌入し、溝鋼
片25の底板及び両側板を下枠8の当接部分とスポット
溶接M及びドリルネジSで固定し、直交する他の壁体1
0の端部側板8Sを鋼板片26外面に図6(B)の如く
当接してドリルネジSで固定する。
【0045】また、下枠8相互の連結時には、壁体10
相互の揺れを防止するため、直線状連結部にあっては、
壁体10の突出側端1E(図4(A))を他の壁体10
の壁板1に嵌入してスポット溶接固定し、コーナー部に
あっては、図8に示す如く、幅W30が50mmで、肉厚T
30が4mmで、直交辺長L30が600mmのアングル材の角
隅材30Aと、同じく直材30Bを直角2等辺三角形に組
んだ火打ち材30を壁材内方上部にドリルネジS30で締
着してコーナー部の両側壁体10を強固に固定し、1階
の全壁体10を所定位置に立設した形態で仮止めを完了
する。尚、壁体10相互の連結に際しては、工場生産さ
れた規格品の壁体を必要に応じて縦切断して小幅の壁体
として用いたり、壁体10内の壁板1相互の連結も側端
Eの重ね代の調節や、別体の継ぎ板を壁板1の側端間
に適用することにより、壁面長さに対応施工するのは当
然である。
【0046】また、各壁体10の相互連結の仮止め作業
は、従来建築に於ける本材、型鋼、鋼板、虎ワイヤー等
慣用の仮止め部材を用いても勿論可能であるが、本願発
明者は、本件構築工法を合理的に遂行するため、仮止め
手段には、図7に示す新規な仮止め機器を採用した。即
ち、仮止め機器は必要位置まで車輪で移動可能であり、
所定位置ではジャッキの作用により位置固定出来る枠組
体であり、平面視直角三角形態の横枠組で構成し、上下
各段の横枠組には適宜足場用のラス鉄板を着脱して作業
床1,2の形成可能なものである。仮止め作業は、本機
器を壁体10の建付位置に固定し、壁体10を仮止め機
器の横枠にクランプ手段で仮固定して立設状態を維持
し、壁体10相互の上述の直線状連結、壁板側端1E
相互溶接及び直角連結作業を支障なく実施出来る。
【0047】次いで、図11(A)に示す如く、横材と
して、幅L12が200mm、折曲部幅W12が50mm、肉厚
12が2.3mmの断面コ字状で長尺の小梁受12Aを、
上面が上枠7と面一となるように壁面に当接し、小梁受
12Aのボルト孔H3と上枠7のボルト孔H3(図4)と
をボルト(M12ボルト)で締着(図12)し、小梁受
12Aによって左右連結した各壁体10を本固定し、一
体化する。尚、小梁受12Aと上枠7の当接面では上枠
7の側板幅L8(50mm)より小梁受12Aの幅L12(2
00mm)の方が大であるため、小梁受12Aの下部では
鋼板片26を介在させて小梁受12Aと壁板1の内側突
出平面板部4とをボルト(M12ボルト)で締着する
(図12)。
【0048】図8に示す如く、壁面のコーナー部、即ち
壁体10と壁体10とが角隅を形成している場所では当
接辺L30が600mmの火打ち材30が既に固定されてい
るため、直交形態の各小梁受12Aの端部を火打ち材3
0上への載置形態とし、小梁受12Aと壁体10との締
着はボルト孔H3を介して実施し、且つ小梁受12Aの端
部下側折曲部と火打ち材30ともボルト孔H30を介して
ボルト締着し、1階の全壁体を、壁体10の下枠8相互
の連結と、壁板側端1Eでの連結と、小梁受12Aによる
壁体10上部の相互連結により、一体化剛構造とする。
【0049】次いで、小梁受12Aに既に工場で溶接固
定されている肉厚6mmのガセットプレート13のボルト
孔H13を介してH型鋼の小梁14の端部ウエブをボルト
(M16ボルト)締着し、対向壁面間を小梁14(ウエ
ブ幅:200,フランジ幅:100,ウエブ肉厚:5.
5,フランジ肉厚:8)で差し渡し形態の剛構造とし、
小梁14にかかる応力が両端の壁体10に伝達される構
造とする。
【0050】また、2階の壁体10は、その下枠8のボ
ルト孔H2(図示せず)と1階の壁体10の上枠7のボ
ルト孔H2とをボルト(M12ボルト)締着して1階で
の壁面形成と同様に2階の壁面を形成し、小梁受12A
及び小梁14を配置固定する。次いで、2階床用のデッ
キプレート11を、1階壁面の小梁受12Aの上部折曲
部幅W12及び小梁14のフランジ上に載置して溶接固定
し、デッキプレート11上には慣用の必要配筋を施し、
2階壁体10の下枠内側板の孔H1(図1(A),図1
1)から一部の配筋R端部を下枠内部に突入させ、デッ
キプレート11上にコンクリート(レディミックスコン
クリート)を打設する。
【0051】下枠8の孔H1は配筋Rの径より大きく、
コンクリートの流入を許容するものとしてあるため、デ
ッキプレート11上へ打設したコンクリートの一部が孔
1より下枠8の内部に粘性を伴って流入し、図12に
示す如く、壁板1の内側凹部10Zでは壁板1がコンク
リート流れ止め板の機能を奏して、図12(B)の如く
下枠8の内側板8Sを超えてデッキプレート11上と同
一レベルのコンクリート充填C1を形成するが、壁板1
の内側突出平面板部4の裏側では、図12(C)の如
く、孔H1から流入したコンクリートC0が下枠8の側板
Sで形成された深さの大半を埋めるようになる。
【0052】尚、壁板1の内側突出平面板部4とデッキ
プレート11の山部11Mとが対向した個所にあって
は、下枠8の側板8Sに配筋R用の孔H1を穿孔出来ない
ため、下枠8の側板8Sの中間高さレベルで壁板1の傾
斜板部6にコンクリート流入孔(図示せず)を設けて壁
板1の裏側へのコンクリート流入を行い、壁体10とコ
ンクリート合成床Cとの完全一体化を達成する。
【0053】3階壁面及び3階床も2階のそれらと同一
に形成するが、最上階の屋根床にあっては、もはや壁材
10が存在しないため、図3に示す如く、壁体10の上
枠7の上にコンクリート流れ止めを配置し、慣用の配筋
施工及びコンクリート打ちを行う。
【0054】〔仕上工事〕次いで、上述の完成した建物
躯体に対し、図2(B)に示す如く、1階床の下面及び
基礎Bの外周に合成樹脂発泡断熱板(ポリエチレンフォ
ーム板)を貼着し、壁板1の外側凹部10Zには必要な
設備用配管P及び電気配線を施すと共に、該凹部にはグ
ラスウールGを充填し、充填グラスウールGが壁面内に
収まるように適所に帯鉄から成る押え金物(図示せず)
を壁面から突出しないように配置し、該押え金物の中央
部内方突起でグラスウールを押圧し、両端を壁板1の傾
斜板部6に止着する。尚、押え金物は壁面から突出しな
い形態で、且つ充填物を凹部10Z内に保持出来ればど
のような部片でも良い。
【0055】次いで、壁体10の外面には、図13に示
す如く、断熱板(ポリエチレンフォーム板)15を壁板
に接着仮固定し、タテ胴縁16を断熱板15に当接して
大寸ドリルネジS1をタテ胴縁16から壁板1の外側突
出平面板部5に螺入固定し、基礎Bの断熱板と外壁の断
熱板とが繋がった外壁部断熱を完了する。更にタテ胴縁
16には外側から外装材19をドリルネジ止めし、断熱
板15と外装材19との間に通気層9を形成し、外装材
19の下端には水切り金物をタテ胴縁16の下端にドリ
ルネジ止めして配置し、基礎B外周の断熱板の外面には
ラスモルタルを施し、壁上部には通気のための換気孔
(図示せず)を取付けて外壁工事を完了する。
【0056】屋上は、屋上コンクリートCの上に、断熱
材としてのポリエチレンフォーム-+板を外壁の断熱板1
5の上端に載せた形態で接着し、その取合部に慣用のガ
ムテープ処理を施し、上面にアスファルト防水層を施
し、アスファルト防水の端部と外装材(サイディング)
19との取合部にアルミ笠木を配する。アルミ笠木の取
付けは、タテ胴縁16の上端にアングルピース(図示せ
ず)を入れて、各アングルピースのタテ胴縁16へのド
リルネジ止めで不陸を調整した後、アングルピース上に
薄鋼板(図示せず)を差し渡してドリルネジ止めし、該
薄鋼板にアルミ笠木を載置固定する。
【0057】内部仕上げは、壁体10の内面凹部10Z
には、外面凹部10Zへの吸音断熱材処理同様に、グラ
スウールGを充填し、帯鉄製押え金物を壁面から突出し
ないように配置し、次いで、建材(内装材)寸法と符合
した寸法となっている壁板1の内側平面板部4を下地と
して石膏ボードをドリルネジ止めし、天井、部屋内部の
仕上げを慣用の仕方で実施する。
【0058】〔変形例〕壁体10の製作にあっては、壁
板1の肉厚T、内外突出平面板部4,5の幅a、壁体1
0の見掛け厚W1等は、壁体10が座屈応力、水平応力
等に耐える強度を満たせば良いのであり、壁体10の上
下左右連結作業性、壁板1の下地材としての作業性を加
味して適宜選択決定すれば良い。
【0059】また、図9に示す如く、壁体上枠7に固定
する横材12として、デッキプレート11を支承し、且
つ各壁体上枠7を一体的に固定するだけの機能を持たせ
るアングル材12Bを適用し、重量材である小梁14を
受ける位置でのみアングル材12B間に十分な強度を備
えた小梁受片12Cを配置し、小梁受片12Cの壁体10
への固定を、下部壁体10の上枠7及び壁板1へのボル
ト締着のみならず上部壁体10の下枠8にもボルト締着
して強度を確保し、小梁を小梁受片12Cのガセットプ
レート13にボルト締着しても良い。この場合は、アン
グル材12Bが小梁受12Aの数分の1の重量物であるた
め鋼材使用量が節約出来る。また、機材として、アング
ル材Bに換えて、長寸(2m〜3m)で肉厚(3.2mm
厚)の平鋼板(図示せず)を下枠8と上枠7の間に挟着
して、下枠、平鋼板、上枠の3者をボルト締着し、平鋼
板の1側を幅50mm位のデッキプレート受として突出さ
せても、アングル材12Bと同効機能を奏する。
【0060】壁体10は、壁板1を2階分通しの長さ
(1階分の長さL1×2)とし、中間部に横材12を取
付けるようにすれば、壁体10の生産性、建付作業性の
面から有利であり、この場合、壁板1に上枠7の肉厚と
略同厚の平鋼板(図示せず)を差し渡し溶着し、横材1
2を壁板1と鋼板との重合部にボルト締めすれば、差し
渡し溶着鋼板は、溶着時に壁体10相互の仮止め機能を
奏し、強度上及び締着作業上からも有利である。
【0061】外装材(サイディング)19固定用のタテ
胴縁16の取付けは、図14に示す如く、断熱板15と
壁体との間にヨコ胴縁17を、しかもヨコ胴縁17の壁
板1との接触面にゴムパッキン18を介してドリルネジ
2で止め、ヨコ胴縁17外面に配した断熱板15を、
断熱板15の外側に配したタテ胴縁16から大寸ドリル
ネジS1をヨコ胴縁17に螺入して止めると、通気層9
から内装材20への熱橋が好適に阻止出来る。
【0062】
【発明の効果】薄鋼板の折曲げ材の壁板であるため、壁
板自体が内外装の下地兼用となり、しかも折曲げによっ
て形成された内外側突出平面部の間隔が市販の建材サイ
ズと符号(建材サイズの整数分の1)しているため、内
外装施工時の取付位置決定及び取付作業が容易となり、
その上、従来の外断熱工法で必要な外壁側の構造用合板
の如き別体の下地材も省略出来る。従って、壁芯から内
装仕上面までの寸法も小となって部屋の有効面積が広く
なる利点がある上に、材料費の節約と工数の減少及び施
工時間の短縮化により建築費のコストダウンが達成出来
る。
【0063】また、構造用壁体10が従来の柱、梁、ブ
レースの機能を奏し、床荷重Fが各壁体10から基礎
Bにスムーズに伝達されるため、柱、梁、桁、筋違(ブ
レース)を用いない鉄骨造建物が得られ、柱配列による
制約が無いため、間取りの自由度も向上する。また、壁
体10の各部材間の溶接や、ガセットプレート13の小
梁受12又は小梁片12への溶接等、困難且つ精
密を要する重要な作業が工場で信頼性の高い作業として
実施出来、建物の工場での製作率が向上して、現場での
建方も容易となり、施工時間が短縮出来る。また、建物
重量も大幅に軽減出来て、地耐力のための基礎工事の負
担が軽減する上に、建付時の壁体の基礎への固定も簡便
な樹脂ボルトの使用が可能となり、コスト面、工期面か
ら有利となる。しかも、使用鋼材も従来より大幅に節減
(従来の建物の約1/2)出来る。
【0064】その上、壁体10が工場で均質製品として
製造された規格品であるため、保管しておき、必要時に
搬送使用可能となり、建物の設計から施工完了までのシ
ステムが合理化出来る。しかも、壁体10は、従来の柱
や梁より軽量なため、現場への搬送も容易であり、建付
作業も容易となる。また、コンクリート合成床は遮音性
があり、壁板1の凹部10Zに充填した吸音断熱材(グ
ラスウール)との併用作用で、建物内の音響(騒音)伝
播を抑えることが出来る。その上、鉄材(壁体)、建
材、断熱板、充填吸音断熱材等は別個の成形体であるた
め、建物の設計及び施工に効率的であるばかりでなく、
建物の解体時の分別収集リサイクルも容易となる。
【0065】以上のとおり、本発明の新規な壁式構築工
法によれば、鉄材の使用量が大幅に節約出来、建物の軽
量化によって、工場製作率も高まって建物の均質規格化
も可能となり、間取り自由度の高い建物の施工も容易と
なって、冷橋を抑えた外断熱による高断熱機能、及び室
内騒音の吸収(吸音)機能を備えた住環境の優れた、且
つ、リサイクル性にも優れた、低層鉄骨造建物の低コス
ト建築が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2階床部の部分斜視図であり、(A)
は建付け状態を、(B)は壁張り状態を示す図である。
【図2】本発明の1階床部の部分斜視図であり、(A)
は建付け状態を、(B)は壁張り状態を示す図である。
【図3】本発明の屋上床部の部分斜視図であり、(A)
は建付け状態を、(B)は壁張り状態を示す図である。
【図4】本発明の壁体10を示す図であり、(A)は全
体斜視図、(B)は壁板1の折曲形状説明図、(C)は
下枠部分の側面図である。
【図5】本発明壁体の下枠部の直線連結説明図であり、
(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図6】本発明壁体の下枠部の直角連結説明図であり、
(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図7】本発明の実施に採用した仮止め機器の斜視図で
ある。
【図8】本発明壁体の直角連結斜視図であり、(A)は
火打ち材で固定した状態を、(B)は壁体との接合部
を、(C)は小梁受12Aを固定した状態を示す図であ
る。
【図9】本発明の横材の変形例の斜視図であって、
(A)は壁体10とアングル材12 Bと小梁受片12C
の関係説明図、(B)は小梁受片の図である。
【図10】本発明の開口部の図であって、(A)は部分
拡大斜視図、(B)は応力作用説明図である。
【図11】本発明のコンクリート床の説明図であり、
(A)はコンクリート打設前の斜視図、(B)はコンク
リート打設後の外側から見た斜視図である。
【図12】本発明のコンクリート合成床の説明図であっ
て、(A)は壁体の横断面図、(B)は(A)のB−B
断面図、(C)は(A)のC−C断面図である。
【図13】本発明の断熱材15の取付構造を示す断面図
である。
【図14】本発明の断熱材の他の取付構造を示す図であ
って、(A)は断面斜視図であり、(B)は大寸ドリル
ネジS1とドリルネジS2との関係説明斜視図である。
【図15】従来例1の鉄骨造の斜視図である。
【図16】従来例1の鉄骨造にコンクリート打ちした斜
視図である。
【図17】従来例2の説明図であって、(A)は基礎部
の斜視図、(B)は梁の斜視図である。
【図18】従来例2の説明図であって、(A)は梁60
に壁用折板と床用折板を取付けた斜視図、(B)は断熱
構造壁の横断面図、(C)は開口部正面図である。
【符号の説明】
1・・・壁板、 2・・・壁板上端、 3・・・壁板下端、4,
5・・・平面板部(突出部突出面部)、 6・・・傾斜板
部、 7・・・上枠、8・・・下枠、 7,8・・・側板、
・・・底板、 9・・・通気層、10・・・壁体、 11・・
・デッキプレート、 11・・・山部、 12・・・横材、
12・・・小梁受、 12・・・アングル材、 12・・
・小梁受片、13・・・ガセットプレート、 14・・・小
梁、15・・・断熱板、 16・・・タテ胴縁、 17・・・ヨ
コ胴縁、18・・・ゴムパッキン、 19・・・外装材、 2
0・・・石膏ボード、21・・・横枠体、 22・・・縦枠体、
25・・・溝鋼片、 26・・・鋼板片30・・・火打ち材、
30・・・角隅材、 C・・・コンクリート合成床、C
・・・コンクリート充填部、 H・・・孔、H
,H,H,H,H30・・・ボルト孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 勉 札幌市豊平区清田3条2丁目2番18号 株式会社 榎本設計事務内 (56)参考文献 特開 平11−229490(JP,A) 特開 平7−317181(JP,A) 特開 昭61−38033(JP,A) 特開 昭62−141243(JP,A) 特開 昭62−129433(JP,A) 特開 平8−177134(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄鋼板を断面略波形に折曲して見掛け厚
    (W)を形成し、垂直応力(F1)及び水平応力(F
    )に耐える形態とした壁板(1)の上端(2)及び下
    端(3)に断面コ字状の型鋼の上枠(7)及び下枠
    (8)を嵌着し、壁板(1)の内外側突出部(4,5)
    と上下枠の各内外側板(7,8)とを溶接一体化し
    て構造用の壁体(10)を構成し、該壁体(10)の下
    枠(8)を基礎(B)に位置決め固定すると共に、壁体
    (10)相互の左右連結は下枠(8)端部相互の剛構造
    連結で、壁体(10)相互の上下連結は対向する下枠
    (8)と上枠(7)との剛構造面固定で実施して、各壁
    体(10)間の上枠(7)に亘る横材(12)の配置固
    定により一体化壁面を構成し、デッキプレート(11)
    を壁面間に剛構造張設し、打設コンクリート(C)でデ
    ッキプレート(11)と壁体(10)の下枠(8)とを
    一体化してデッキプレート(11)を含むコンクリート
    合成床(C)により床荷重を壁体(10)に伝達させ
    る、鉄骨造建物の壁式構築工法。
  2. 【請求項2】 デッキプレート(11)が壁体(10)
    に固定された鋼製の横材(12)を介して壁体(10)
    と剛構造連結となる請求項1の鉄骨造建物の壁式構築工
    法。
  3. 【請求項3】 横材(12)がガセットプレート(1
    3)を固定した小梁受(12)であり、ガセットプレ
    ート(13)にデッキプレート(11)固定用の小梁
    (14)を取付ける請求項1又は2の鉄骨造建物の壁式
    構築工法。
  4. 【請求項4】 横材(12)がデッキプレート(11)
    を固定するためのアングル材(12)であり、ガセッ
    トプレート(13)を備えた小梁受片(12)をアン
    グル材(12)の適所に介在させた請求項1乃至3の
    いずれか1項の鉄骨造建物の壁式構築工法。
  5. 【請求項5】 壁板(1)が、内外側突出部としての平
    面板部(4,5)と、内外側平面板部(4,5)間の傾
    斜板部(6)とを備えた請求項1乃至4のいずれか1項
    の鉄骨造建物の壁式構築工法。
  6. 【請求項6】 横材(12)を壁体(10)の上枠
    (7)に固定し、該上枠(7)に載置形態の上位壁体の
    下枠(8)の側板(8)及び壁板(1)の孔(H
    からデッキプレート(11)上の配筋(R)の端部を下
    枠(8)内部へ突入させ、デッキプレート上のコンクリ
    ートを該下枠(8)内部へ孔(H)から流し込む請求
    項1乃至5のいずれか1項の鉄骨造建物の壁式構築工
    法。
  7. 【請求項7】 壁板(1)の折曲形態で形成された壁体
    (10)の内外面凹部(10)にグラスウール等の断
    熱吸音材料(G)を充填する請求項1乃至6のいずれか
    1項の鉄骨造建物の壁式構築工法。
  8. 【請求項8】 壁体(10)の外面に断熱板(15)を
    当接し、断熱板(15)の外側に配したタテ胴縁(1
    6)を大寸ドリルネジ(S)で壁板(1)の外側突出
    面部(5)に固定して断熱板(15)により外断熱構造
    とする請求項1乃至7のいずれか1項の鉄骨造建物の壁
    式構築工法。
  9. 【請求項9】 壁体(10)の外側突出面部(5)の外
    面にゴムパッキン(18)を介してヨコ胴縁(17)を
    ドリルネジ(S)により固定し、次いでヨコ胴縁(1
    7)の上から断熱板(15)を壁体(10)に当接し、
    断熱板(15)の外側に配したタテ胴縁(16)を大寸
    ドリルネジ(S)でヨコ胴縁(17)に固定して断熱
    板により外断熱構造とする請求項1乃至7のいずれか1
    項の鉄骨造建物の壁式構築工法。
  10. 【請求項10】 壁体(10)の開口部位置には壁板
    (1)を切除して開口部(O)を形成し、該開口部
    (O)周縁に補強材としての断面コ字状縦枠体(2
    2)及び横枠体(21)を嵌合固定する請求項1乃至9
    のいずれか1項の鉄骨造建物の壁式構築工法。
  11. 【請求項11】 横枠体(21)が、開口部(O)に
    対応する底板(21)及び側板(21)から成る断
    面コ字状部(21)と、開口部(0)から両側に延
    出した内外側板(21)のみから成る挟着部(L
    とを備えた請求項10の鉄骨造建物の壁式構築工法。
  12. 【請求項12】 壁板(1)の折曲部で形成される凹部
    (10)を設備用配管(P)及び電気配線用スペース
    として利用する請求項1乃至11のいずれか1項の鉄骨
    造建物の壁式構築工法。
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