JP7244304B2 - 撮像素子 - Google Patents
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Description
入射光に応じた電荷を生成・蓄積する光電変換部および該光電変換部により得られた蓄積電荷を読み出して出力する信号処理部を備え、
前記光電変換部は、光入射方向に複数の光電変換層を積層してなるとともに、要素画素に2次元的に分離配列されてなり、
該要素画素は、前記光電変換層毎に受光部を備えるとともに、光入射側からみて最下層の(最深の)光電変換層を除き、前記光電変換層毎に複数の受光部が少なくとも周辺部に配列されてなり、
該要素画素において、入射光が入射した前記受光部からの蓄積電荷情報に基づいて、光が入射した該要素画素の位置、および光の入射方向を判定する演算部を備えたことを特徴とするものである。
なお、上記「光入射側からみて最下層(最深の)光電変換層を除き」との表現は、「最下層の(最深の)光電変換層」が複数の受光部を有するか否かについて規定するものではなく、受光部が複数設けられていてもよいし、1つだけ設けられていてもよいことを意味するものである。
また、前記要素画素は、光入射側からみて最下層の前記光電変換層を除いた他の前記光電変換層の中央部付近に光を透過する透光部が配され、該透光部に入射光が入射するように構成されてなることを特徴とすることが可能である。
また、前記要素画素は、光入射側からみて最下層の前記光電変換層を除いた他の前記光電変換層が光を透過し得る厚みに形成されてなることが可能である。
また、前記光電変換部および前記信号処理部が光入射方向に互いに積層されたものとすることが好ましい。
すなわち、本発明の撮像素子において、受光部は従来の2次元平面上に配置される構成とは異なり、3次元空間に配置される構成となる。このような構成とすると、各位置(要素画素)に入射する光線のうち、撮像素子に対して垂直に入射する光線(以下、垂直入射光線と称する)は開口部の底部に配置された最下層の光電変換層の受光部により光電変換される。一方、撮像素子に対して斜めから入射する光(以下、斜め入射光線と称する)は入射する角度に応じて積層された光電変換層のいずれかの受光部により光電変換される。
すなわち、本発明の撮像素子の構成は以下のように構成されている。
まず、入射光に応じた電荷を生成・蓄積する光電変換部および該光電変換部により得られた蓄積電荷を読み出して出力する信号処理部を備えた構成が前提とされる。
また、光電変換部は、光入射方向に複数の光電変換層を積層してなるとともに、2次元的に要素画素に分離配列された構成とされている。
なお、各要素画素において、光電変換部と信号処理部は積層されていることが要素画素の横方向の拡がりを抑制する上で好ましいが、光電変換部と信号処理部が横並びに形成されていてもよい。
本発明の実施形態の最大の特徴は、各要素画素において光入射方向に複数の光電変換層を積層してなり、要素画素の全受光部が2次元平面上に配置される図8、9に示す従来技術のような構成ではなく、光電変換層を積層することにより、受光部を3次元空間的に配列することができ、1要素画素における横方向(光入射方向に直交する方向)の拡がりを抑制することが可能となっている。
このような構成とされているので、各要素画素に配置する画素アレイの高集積化が可能となり、さらに、上記要素画素の受光部数を増加させることができるので、高解像度化を促進した撮像素子を構築することができる。
図1は、実施例1に係る撮像素子の要素画素を示す概略斜視図である。
すなわち、図1に示すように、撮像素子の1つの要素画素10は、3つの光電変換層
12a、b、cを積み重ねてなる画素アレイ12を備えており、上方の2つの光電変換層12a、bの中央部には、円柱状の開口部(空洞部)15が設けられている。なお、下層の光電変換層12cには開口部15は設けられていない。
画素アレイ12の光入射側にはマイクロレンズアレイのマイクロレンズ(1画素分)11が配設されており、外部からの入射光を、入射角に応じた受光部に集束させる。この要素画素10は座標(x、y)の位置に設定されており、また、垂直入射光線は(u1、v1)方向に進み、斜め入射光線は、例えば(u2、v2)方向に進むように設定される。
撮像素子の各要素画素10は、各要素画素10に対応して、入射光の入射方向に応じて光を集束するマイクロレンズ(1画素対応)11と、入射光に応じた電荷を生成・蓄積する複数の光電変換層12a、b、cに各々配される受光部(一部のみ示されている)12a1、a2、b1、b2、c1と、これら各受光部12a1、a2、b1、b2、c1にて受光して得られる蓄積電荷を読み出して出力する信号処理部(一部のみ示されている)13a1、a2、b1、b2、c1からなり、支持基板(不図示)、信号処理部13a1、a2、b1、b2、c1、および光電変換層12a、b、cの順に積層し(下層の光電変換層12cは、信号処理部13a1、a2と同一高さに位置設定されている)、さらにその上部にマイクロレンズ11が配置される。
なお、本実施例においては、信号処理部13a1、a2およびマイクロレンズ11も、当該要素画素10に含めて取り扱うものとする(後述する実施例2、3において同じ)。
また、上述した開口部15の形状は円柱状のほか、四角柱や六角柱等の角柱状、さらには椀状や球体状等の種々の形状を選択することが可能である。
また、上述した光電変換層12a、12b、12cの受光部の数は上記のものに限られるものではなく、さらに、光電変換層の総数としても3層以外の複数の数を選択することができる(後述する実施例2、3のものにおいて同様である)。
なお、光電変換層12a、b、cには、低消費電力化が可能なFDSOI基板などに代表されるシリコン基板を用いることが可能であり、また、有機物を用いた光電変換層12a、b、cや透明な信号処理部13a1、a2、13b1、b2、13c1を用いることができる。
本実施例に係る撮像素子の製造工程においては、図3に示すように、面対称をなすように対向配置された2つのSOI基板(光電変換層)71a、bを接合する工程を備えているので、以下では、この接合工程部分について説明する。
次に、図3(b)に示す第2工程においては、各SOI基板71a、bに埋め込み電極用のホール76a1、b1を形成した後、信号処理部75a、b(ホール76a1、b1を含む)上に、メッキ法を用いて金属膜76a、bを形成する。メッキ用の金属としては金や銅等が用いられる。
上記平坦化加工処理はCMP(Chemical Mechanical Polishing)等を用いて行う。また、上記表面活性化処理はプラズマを使用する手法や、Si薄膜を形成する手法等を用いることができる。
この後、図3(e)に示す第5工程において、一方のSi基板72aを除去して、2層の光電変換層を接合する製造工程が終了する。
この接合処理は、上述した平坦化加工処理および表面活性化処理を施した接合面を有する両SOI基板71a、bを互いに押圧し、接合面の金属膜同士およびシリコン酸化膜同士を密着させることで接合する直接接合技術などを用いることができる。
上述したようにして、受光部74a、bおよび信号処理部75a、bを積層した各SOI基板(光電変換層)71a、bを複数層積層し、受光部74a、bの配設位置において、Si基板が形成されていない表面側から、SOI基板71a、bの積層方向に、フォトリソグラフィー、ドライエッチングあるいはウェットエッチング等の手法を用いて、図1、2に示すような開口部15を形成する。
図4は、実施例2に係る撮像素子の要素画素110の層構成を示す概略図である。
なお、実施例2に係る撮像素子は上記実施例1と類似した撮像素子とされているので、図1、2の部材に対応する部材については、図2の各部材に付した符号に100を加えた符号を付すものとする。
本実施例と上記実施例1との主要な差異は、上記実施例1においては、上方の2つの光電変換層12a、bの中央部に、円柱状の開口部(空洞部)15が設けられているのに対し、本実施例においては、この開口部(空洞部)15の部分が可視光を透過する、透光部126a、bとして構成されている。その他の基本的な構成、および効果は実施例1のものと同様となっている。
この透光部126a、bは、例えば、シリコン酸化膜等の材料により形成される。また、各光電変換層112a、bの中央部のシリコン活性層に局所酸化法によりLOCOS(Local Oxidation Silicon)膜を形成することにより、この中央部を透光体とするようにしてもよい。
なお、本実施例は、物理的な加工処理を施さずに透光部126a、bを形成することが可能であり、そのような製造工程を用いた場合には、上記実施例1のものと比べて、素子製造が容易となる。また、透光部126a、bの形状は、円柱状のほか、四角柱や六角柱等の角柱状、さらには椀状や球体状等の種々の形状を選択することが可能である。
なお、光電変換層112a、b、cには、低消費電力化が可能なFDSOI基板などに代表されるシリコン基板を用いることが可能であり、また、有機物を用いた光電変換層112a、b、cや透明な信号処理部113a、b、cを用いることができる。
図5および図6は、実施例3に係る撮像素子の要素画素210の概略斜視図および層構成図を示すものである。
なお、実施例3に係る撮像素子は上記実施例1と類似した撮像素子とされているので、図1および図2の部材に対応する部材については、図1および図2の各部材に付した符号に200を加えた符号を付すものとする。
外部からこの要素画素210に入射した光は、マイクロレンズ211により集束されて、複数の受光部212a等のうちいずれかの受光部に集束されることになる。光電変換により発生する電荷は、この集束位置において急増することになるので(他の位置においては発生する電荷が激減してノイズとして扱って差し支えない)、光電変換により大きな電荷が発生したこの集束位置に配された受光部212c2等における蓄積電荷量を特定することにより、入射光の位置情報と方向情報とを取得することができる。
その他の基本的な構成、および効果は実施例1のものと同様となっている。
なお、本実施例は、実施例1のように開口部15を設けたり、実施例2のように透光部126a、bを形成したりする必要がないので、素子製造が大幅に容易となる。
なお、光電変換層212a、b、cには、低消費電力化が可能なFDSOI基板などに代表されるシリコン基板を用いることが可能であり、また、有機物を用いた光電変換層212a、b、cや透明な信号処理部213a1~a3、b1~b3、c1~c3を用いることができる。
すなわち、垂直方向または若干斜め方向からこの要素画素210に入射した光は、上層および中層の光電変換層212a、bを略垂直に通過して、光が集束した下層の光電変換層212cの所定の受光部212c2等において吸収(光電変換)される。
また、この要素画素210に鋭角的に斜めから入射した光は、上層の光電変換層212aを斜めに通過して、光が集束した上層の光電変換層212aの受光部212a1等において受光される。
また、3層構成の場合には、本実施例のものでは81μm2で1層の場合と変わらないのに対して、従来技術のものでは225μm2で、1層の場合の2.78倍となる。
さらに、n層構成の場合には、本実施例のものでは81μm2で1層の場合と変わらないのに対して、従来技術のものでは{9・(8n+1)}μm2で、1層の場合の
{9・(8n+1)/81}倍となる。
このように本実施例のものでは、従来技術のものに比べて、全画素面積を大幅に低下させて、要素画素のコンパクト化を図ることができる。
例えば、光電変換素子を構成する各層については、上記実施形態のものに限られるものではなく、他の層を上述した層間に挟むようにすることも可能である。また、受光部の配列態様なども適宜変更することが可能である。さらに、光電変換層毎に設けられた受光部は、互いに対応して配列されていることを要しない。
11、111、211、511、611 マイクロレンズ
12、112、212、512、612 画素アレイ
12a、12b、12c、112a、112b、112c、212a、212b、212c 光電変換層
12a1、12a2、12b1、12b2、12c1、112a1、112a2、112b1、112b2、112c1~c5、212a1~a3、212b1~b3、212c1~c3、74a、b 受光部
13a1、13a2、13b1、13b2、13c1、113a、113b、113c、213a1~a3、213b1~b3、213c1~c3、75a、b 信号処理部
15 開口部(空洞部)
51 演算部
71a、b SOI基板
72a、b Si基板
73a、b 埋め込み酸化膜(BOX)層
76a、b 金属膜
76a1、b1 埋め込み電極用のホール
126a、b 透光部
Claims (6)
- 入射光に応じた電荷を生成・蓄積する光電変換部および該光電変換部により得られた蓄積電荷を読み出して出力する信号処理部を備え、
前記光電変換部は、光入射方向に複数の光電変換層を積層してなるとともに、要素画素に2次元的に分離配列されてなり、
該要素画素は、前記光電変換層毎に受光部を備えるとともに、光入射側からみて最下層の光電変換層を除き、前記光電変換層毎に複数の受光部が少なくとも周辺部に配列されてなり、
該要素画素において、入射光が入射した前記受光部からの蓄積電荷情報に基づいて、光が入射した該要素画素の位置、および光の入射方向を判定する演算部を備えたことを特徴とする撮像素子。 - 前記要素画素は、光入射側からみて最下層の前記光電変換層を除いた他の前記光電変換層の中央部付近に空洞部が配され、該空洞部に入射光が入射するように構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の撮像素子。
- 前記要素画素は、光入射側からみて最下層の前記光電変換層を除いた他の前記光電変換層の中央部付近に光を透過する透光部が配され、該透光部に入射光が入射するように構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の撮像素子。
- 前記要素画素は、光入射側からみて最下層の前記光電変換層を除いた他の前記光電変換層が光を透過し得る厚みに形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の撮像素子。
- 前記光電変換部の光入射側に、前記要素画素の各々に対応する位置に各マイクロレンズを配してなるレンズアレイを備えたことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項に記載の撮像素子。
- 前記光電変換部および前記信号処理部が光入射方向に互いに積層されたものとすることを特徴とする請求項1~5のうちいずれか1項に記載の撮像素子。
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