JP7244290B2 - シート部材の製造方法、シート部材およびシート部材の成形型 - Google Patents

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Description

本発明は、シート部材の製造方法、シート部材およびシート部材の成形型に関する。
従来、立看板や旗などの掲示具に用いられる表示シートが知られている。例えば、下記の特許文献1には、長方形状の表示シートの左右上下端にポールが挿通される筒状部を有する表示シートについて開示されている。
特許第3062004号公報
この特許文献1に示すような筒状部を有する表示シートは、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、ロール状の生地の表面に広告内容等の掲示情報を連続的に印刷し、その生地を1枚分の所定の長さに断裁する。そして、その断裁された生地を仕上げ寸法通りに化粧断ちし、その生地の縁部を折り返して筒状に接合することで筒状部を形成する。次いで、その筒状部が形成された生地に、必要に応じて鳩目穴や風抜き穴などを形成し、最後にその生地の隅部を斜めに切断する。
しかしながら、このような筒状部を有するシート部材の製造方法では、筒状部を形成する際に、生地のどの位置で折り返せばよいのか明確でないため、早く正確に折り返すことが難しく、製造効率が悪かった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、効率良く製造することができるシート部材の製造方法、シート部材およびシート部材の成形型を提供することにある。
本発明は、
掲示情報が印される成形用シートの折り返し箇所の両端部および接合箇所の両端部にそれぞれ位置決め部を形成し、
前記成形用シートを前記折り返し箇所で折り返し、前記接合箇所で接合して筒状部を形成する
シート部材の製造方法である
本発明では、前記折り返し用の位置決め部および前記接合用の位置決め部を、外形とともに、または外形および鳩目穴とともに型抜き成形することが好ましい。
本発明では、前記成形用シートの折り返し箇所の両端に凹曲線状の底部を有するV字状の切り欠きを形成し、さらに、前記底部に前記折り返し用の位置決め部として突起を形成することが好ましい。
本発明では、前記シート部材は、延伸方向が互いに交差する2つの筒状部を有し、
前記成形用シートの接合箇所の両端に前記接合用の位置決め部として逆V字状の突起を形成するとともに、前記2つの筒状部の形成に際し、各折り返し部にて前記成形用シートを折り返した場合に、それぞれの前記接合用の位置決め部を構成する一辺部が互いに合わさるまたは一定の所定間隔をあけて合わさる形状に形成することが好ましい。
本発明は、
掲示情報が印される成形用シートの折り返し箇所の両端部および接合箇所の両端部にそれぞれ形成された位置決め部と、
前記成形用シートを前記折り返し箇所で折り返し、前記接合箇所で接合して形成された筒状部と
を有するシート部材である
本発明は、
掲示情報が印される成形用シートを折り返して筒状に接合し形成された筒状部を有するシート部材の成形型であって、
外形とともに前記成形用シートの折り返し箇所の両端部および接合箇所の両端部にそれぞれ位置決め部を型抜きする型形状を有す
シート部材の成形型である
本発明によれば、効率良くシート部材を製造することができる。
表示シートの構成の一例を説明するための図である。 表示シートの製造工程の一例を示す図である。 型抜き工程前の生地の構成の一例を示す図である。 表示シートの成形型の一例を示す平面図である。 型抜き工程後の生地の構成の一例を示す図である。 型抜き工程後の生地の構成の一例を示す部分拡大図である。 生地を折り返し箇所にて折り返した状態の一例を示す部分拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る表示シート1(シート部材)は、フレーム2を取り付けた状態で立看板3として使用される。フレーム2は、立看板3を立て掛けた際に床や地面などの設置面Eに対して立設される一対の縦ポール21と、その一対の縦ポール21間を接続するように該一対の縦ポール21の各両端部に取り付けられる一対の横ポール22とを有している。
表示シート1は、図示するように、長方形の四隅を斜めに切り欠いた形状を有しており、その長方形状の縁部に沿って形成された筒状の筒状部10を有している。より詳細には、表示シート1は、その長方形状の左右の長辺部に第1の筒状部10Aを有し、その上下の短辺部に第2の筒状部10Bを有している。また、図示するように、表示シート1の各第1の筒状部10Aの長手方向中央部の近傍には、鳩目穴13が設けられている。
立看板3は、組み立ての際に、第1の筒状部10Aに縦ポール21を挿通させ、第2の筒状部10Bに横ポール22を挿通させ、一対の縦ポール21の両端部にそれぞれその横ポール22の両端部を固定することで、図示するような表示シート1およびフレーム2を有する立看板3を形成する。立看板3は、一対の縦ポール21を設置面Eに立設させ、鳩目穴13に通した紐などを用いて柱などの固定物に固定することで、しっかりと設置することができる。
この表示シート1は、図2に例示するように、印刷、断裁、型抜き、折り返し、接合、鳩目打ちの各工程を経て製造される。各工程について説明すると、まず、ロール状に巻回されたPOF(Poly Olefin Film)などの型抜き可能なフィルム状の生地の表面に、立看板3により掲示する広告・宣伝等の掲示内容を表す掲示情報を連続的に印刷する(印刷工程S1)。
次に、その生地を1枚分の所定の長さに断裁し、図3に示すような1枚の成形用の生地1Aを形成する(断裁工程S2)。なお、図3中の細線で表す領域Pは、前述した印刷工程S1により掲示情報が印刷されるエリアである。
次に、図4に示す裁断装置4を用いて生地1Aを型抜き成形により裁断する(型抜き工程S3)。具体的には、裁断装置4は、ビク抜き(トムソン抜き)加工を行う装置であり、型抜き前の生地1Aが載置される載置台41と、押圧手段(図示略)を用いてその載置台41に対して押圧される成形型42とを有している。成形型42は、載置台41と対峙する面に破線で示すような刃型を形成する外形用の切刃部42Aおよび鳩目穴13用の切刃部42Bを有している。型抜き工程S3では、この裁断装置4を用い、載置台41に生地1Aを載置し、その載置された生地1Aに対して成形型42を押圧させることで、生地1Aを図5に示す形状に型抜き成形する。つまり、成形型42は、生地1Aを図5に示す形状に成形するための抜き型形状を有している。
ここで、図5に一点鎖線で示す折り返し部14は、筒状部10を形成する際の折り返し箇所であり、接合部15は、筒状部10を形成する際の接合箇所である。なお、接合部15は、生地1Aの折り返し部14よりも縁側に位置する。この折り返し部14および接合部15の各位置は、フレーム2の組立寸法や、各筒状部10に挿通されるポールの太さ、形状などのフレーム2に関する各寸法や生地1Aの材質などに基づいて適宜設定される。
図5に示すように、この型抜き成形では、長方形状の生地1Aの四隅にそれぞれコ字状のノッチ部16(切り欠き)を斜めに形成する。これにより、折り返し部14の両端にはV字状の切り欠きが形成される。具体的には、このノッチ部16は、図6に示すように、その底線部16Aが生地1AのC面取り仮想線L上に位置するように形成される。なお、このノッチ部16は、一方の角部が長辺側、すなわち、第1の筒状部10Aを形成用の折り返し部14上に位置し、他方の角部が短辺側、つまり第2の筒状部10Bを形成用の折り返し部14上に位置するように形成される。
そして、このノッチ部16によるV字状の切り欠きは、凹曲線状の底部16Bを有するように形成され、この底部16Bに折り返し用の位置決め部16Cが形成される。具体的には、図示するように、折り返し用の位置決め部16Cは、直角を有する逆V字状の突起にて構成され、折り返し部14の端部からその直角部が対称的(折り返し部14を基準とした線対称)に突出するように形成される。これにより、生地1Aの折り返し部14の両端部に突起による折り返し用の位置決め部16Cが形成される。
また、この型抜き成形では、この折り返し用の位置決め部16Cとともに、接合部15の両端部に接合用の位置決め部17が形成される。具体的には、接合用の位置決め部17は、折り返し用の位置決め部16Cと同様に、直角を有する逆V字状の突起にて構成され、接合部15の端部からその直角部が対称的(接合部15を基準とした線対称)に突出するように形成される。
また、この接合用の位置決め部17は、図7に示すように、第1の筒状部10Aおよび第2の筒状部10Bを形成すべく、各折り返し部14にて表示シート1を折り返した場合に、それぞれの接合用の位置決め部17を構成する一辺部17Aが互いに合わさる形状に形成される。つまり、接合用の位置決め部17が形成されていないと仮定して、各折り返し部14にて生地1Aを折り返した際に、互いの折り返した生地の端部が裏面(印刷が施される印刷面とは反対の面)にて重なるようにノッチ部16が形成され、この重なる部分を切り欠いた形状によって、接合用の位置決め部17が形成される。これにより、裏面の美感を良好なものとしつつ、表示シート1の四隅の切り欠きを小さくすることができる。なお、この図6および図7を参照した説明は、図5中の左上端部のノッチ部16についてのものであるが、他の端部のノッチ部16についても同様である。
さらに、この型抜き成形では、図5に示すように、生地1Aに鳩目穴13が形成される。
次に、図2に示すように、この型抜き工程S4により成形された生地1Aの縁を折り返し部14にて折り返す(折り返し工程S4)。この際、先ほどの折り返し用の位置決め部16Cにより位置決めを行う。
次に、その折り返しにより生じた生地1Aの重畳部を接合部15にて接合し、筒状部10を形成する(接合工程S5)。この際、先ほどの接合用の位置決め部17により位置決めを行う。具体的には、この接合は熱溶着であり、接合用の位置決め部17は、溶着用の型を生地1Aに押し当てて熱溶着する際の位置決めに利用される。
そして最後に、生地1Aの鳩目穴13に鳩目打ちを行う(鳩目打ち工程S6)。以上によって、図1に示す筒状部10を有する表示シート1が製造される。
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る表示シート1の製造方法によれば、生地1Aの折り返し箇所、つまり、折り返し部14の両端部に折り返し用の位置決め部16Cが型抜き成形によって形成される。そして、筒状部10の形成のため生地1Aを折り返す際に、その位置決めとしてこの折り返し用の位置決め部16Cが用いられる。これにより、折り返し用の位置決め部16Cが形成されていない場合と比較して、折り返しを早く正確に行うことができる。特に、折り返し部14の両端に、逆V字状の突起を設けることで折り返し用の位置決め部16Cを形成しているので、生地1Aの折り返し位置を目視でもわかりやすく確認することができ、容易かつ正確に折り返すことができる。折り返し用の位置決め部16Cは、生地1Aの外形とともに(外形の一部として)型抜き成形により形成されるので、新たな工程を増やすことなく、正確な位置にバラつきなく形成することができる。このように、この表示シート1の製造方法では、表示シート1を早く正確に製造することができ、立看板3を組み立てた際に、表示シート1の張り具合が良好かつバラつきのない均一なものとすることができ、生産性を向上させることができる。
また、この表示シート1の製造方法では、生地1Aの折り返し部14の両端に、凹曲線状の底部16Bを有するV字状の切り欠きが形成され、さらに、その底部16Bに折り返し用の位置決め部16Cとして突起が形成される。このように、このように底部16Bを凹曲線状に形成することで、生地1Aがその切り欠き部分において裂けないようにすることができる。
さらに、この表示シート1の製造方法では、折り返し用の位置決め部16Cとともに、生地1Aの接合箇所となる接合部15の両端部に接合用の位置決め部17が型抜きによって形成される。そして、筒状部10の形成のため折り返した生地1Aを接合する際に、その位置決めとしてこの接合用の位置決め部17が用いられる。したがって、折り返し用の位置決め部16Cの場合と同様に、接合を早く正確に行うことができる。特に、接合部15の両端に、逆V字状の突起を設けることで接合用の位置決め部17を形成しているので、容易かつ正確に折り返すことができる。接合用の位置決め部17は、折り返し用の位置決め部16Cとともに型抜き成形により形成されるので、新たな工程を増やすことなく、正確な位置にバラつきなく形成することができる。したがって、表示シート1をより早く正確に製造することができ、立看板3を組み立てた際に、表示シート1の張り具合がより良好かつバラつきのない均一なものとすることができる。
また、この表示シート1の製造方法では、型抜き成形において延伸方向が互いに交差する第1の筒状部10Aおよび第2の筒状部10Bの形成に際し、各折り返し部14にて生地1Aを折り返した場合に、それぞれの接合用の位置決め部17を構成する一辺部17Aが互いに合わさる形状に形成される。これにより、接合用の位置決め部17が形成されるとともに、互いの折り返した生地が重ならないようにすることができるので、印刷が施される印刷面とは反対側の裏面における美感を良好なものとすることができる。
さらに、この表示シート1の製造方法では、折り返し用の位置決め部16Cとともに、鳩目穴13が型抜きによって形成される。これにより、折り返し用の位置決め部16Cと鳩目穴13とを一度の型抜きによって形成することができるので、鳩目穴13を有する表示シート1を効率的に製造することができる。
なお、本発明の一実施形態に係る表示シート1の成形型42についても、同様の作用効果を奏することができる。
本発明は、前述した一実施形態において説明したものに限らず、種々の変形が可能である。例えば、折り返し用の位置決め部16Cおよび接合用の位置決め部17は、型抜き成形により形成できるものであればよく、例えば、半円状の突起、V字状の切り欠き、抜き穴、窪みなどで形成してもよい。
また、生地1Aの材料、形状、加工方法なども前述したものに限らない。前述した一実施形態では、長方形状の表示シート1の四隅に折り返し用の位置決め部16Cおよび接合用の位置決め部17を形成する場合について説明したが、例えば、生地1Aの折り返しを行う両隅間に切り欠きや抜き窓などを型抜き成形によって形成し、その切り欠きや抜き窓などに同様にして折り返し用の位置決め部および接合用の位置決め部の少なくともいずれか一方を形成してもよい。これにより、生地1Aのサイズが大きい場合であっても生地1Aの折り返しや接合を分割して正確に行うことができる。また、例えば、表示シートは、長方形状に限らず台形状など他の形状であってもよい。
さらに、前述した一実施形態では、表示シート1の隅部において接合用の位置決め部17を構成する一辺部17Aが互いに合さる構成について例示したが、これに限らず、一定の所定間隔をあけて合わさる構成としてもよい。これにより互いの折り返した生地が重ならないように余裕を持たせることができる。
また、前述した一実施形態では、折り返し用の位置決め部16Cとともに鳩目穴13を型抜き成形すると説明したが、鳩目穴13ではなく、必要に応じて風抜き用の穴を成形してもよい。また、鳩目穴13と風抜き穴の両方を成形してもよい。
さらに、前述した一実施形態では、生地1Aの折り返し部14よりも縁側に位置する接合部15の両端部に接合用の位置決め部17を形成するとしたが、生地1Aの折り返し部14よりも中央寄りに位置する接合部18(図5参照)の両端部に接合用の位置決め部を形成するようにしてもよい。
また、成形用の生地1Aは、前述したように、ロール状部材から印刷工程S1および断裁工程S2を経て連続的に形成されるものでなくてもよい。
さらに、前述した一実施形態では、立看板3用の表示シート1について例示したが、これに限らず、表示シート1は、のぼり旗など他の掲示具用のものであってもよい。さらには、掲示具以外のパーティション、ストレッチャー、椅子など筒状部を有する他の製品に用いるシート部材に関して適用してもよい。
さらに、前述した一実施形態では、折り返し用の位置決め部16Cと接合用の位置決め部17の両方を型抜き成形する場合について説明したが、これに限らず、どちらか一方のみを成形するようにしてもよい。
1 表示シート
1A 生地
10 筒状部
10A 第1の筒状部
10B 第2の筒状部
13 鳩目穴
14 折り返し部
15,18 接合部
16 ノッチ部
16B 底部
16C 折り返し用の位置決め部
17 接合用の位置決め部
42 成形型
S3 型抜き工程
S4 折り返し工程
S5 接合工程

Claims (6)

  1. 掲示情報が印される成形用シートの折り返し箇所の両端部および接合箇所の両端部にそれぞれ位置決め部を形成し、
    前記成形用シートを前記折り返し箇所で折り返し、前記接合箇所で接合して筒状部を形成する
    シート部材の製造方法。
  2. 前記折り返し用の位置決め部および前記接合用の位置決め部を、外形とともに、または外形および鳩目穴とともに型抜き成形する
    請求項1に記載のシート部材の製造方法。
  3. 前記成形用シートの折り返し箇所の両端に凹曲線状の底部を有するV字状の切り欠きを形成し、さらに、前記底部に前記折り返し用の位置決め部として突起を形成する
    請求項1または2に記載のシート部材の製造方法。
  4. 前記シート部材は、延伸方向が互いに交差する2つの筒状部を有し、
    前記成形用シートの接合箇所の両端に前記接合用の位置決め部として逆V字状の突起を形成するとともに、前記2つの筒状部の形成に際し、各折り返し部にて前記成形用シートを折り返した場合に、それぞれの前記接合用の位置決め部を構成する一辺部が互いに合わさるまたは一定の所定間隔をあけて合わさる形状に形成する
    請求項1から3のうちの何れかに記載のシート部材の製造方法。
  5. 掲示情報が印される成形用シートの折り返し箇所の両端部および接合箇所の両端部にそれぞれ形成された位置決め部と、
    前記成形用シートを前記折り返し箇所で折り返し、前記接合箇所で接合して形成された筒状部と
    を有するシート部材
  6. 掲示情報が印される成形用シートを折り返して筒状に接合し形成された筒状部を有するシート部材の成形型であって、
    外形とともに前記成形用シートの折り返し箇所の両端部および接合箇所の両端部にそれぞれ位置決め部を型抜きする型形状を有す
    シート部材の成形型。
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