JP7244283B2 - 3電極片面ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents
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Description
被溶接材1の開先角度θを30~55°とすることによって、裏ビードが均一で形状も良好となる。開先角度θが30°未満である場合、裏ビードが出ないかビード形状が不均一で不良となる。また開先角度θが30°未満である場合には、高温割れも生じやすくなる。一方、被溶接材1の開先角度θが55°を超えると、裏ビードが出すぎて溶け落ちが生じやすくなる。また被溶接材1の開先角度θが55°を超えると、開先断面積が大きくなるので3電極1パス溶接で片面ガスシールドアーク溶接するのが困難となる。したがって、被溶接材1の開先角度θは30~55°とする。
鋼粒3を被溶接材の1/5~1/2まで開先内に充填することによって、アークが安定して裏ビードが均一で形状も良好となる。鋼粒3の開先内への充填が被溶接材1における板厚tの1/5未満であると、裏ビードが出すぎて溶け落ちが生じやすくなる。一方、鋼粒3の開先内への充填が被溶接材1における板厚tの1/2を超えると、裏ビードが出ないか裏ビード形状が不良となる。
先行電極ワイヤ(以下、L極という。)と中間電極ワイヤ(以下、T1極という。)の電極間距離が80~300mmであると、L極及びT1極のアークが安定しスパッタ発生量が少なくなり、また裏ビードが均一で形状も良好となる。L極とT1極の電極間距離が80mm未満であると、L極及びT1極のアークが不安定になってスパッタ発生量が多くなる。一方、L極とT1極の電極間距離が300mmを超えると、溶接装置が大きくなるので好ましくない。したがって、先行電極ワイヤと中間電極ワイヤの電極間距離は、80~300mmとする。
L極の電流密度を250A/mm2以上にすることによって、裏ビードが均一でビード形状も良好となる。L極の電流密度が250A/mm2未満であると、裏ビード形状が不良となる。なお、L極の電流密度の上限は、耐割れ性から350A/mm2であることが好ましい。また、L極のワイヤ径は、ワイヤ断面積当たりの溶接電流密度が高いことと耐割れ性から1.4~1.6mmであることが好ましい。
T1極の電流密度を220A/mm2以上にすることによって、L極の溶接金属の開先止端部を完全に溶かして融合不良が生じることを防止できる。T1極の電流密度が220A/mm2未満であると、L極の溶接金属の開先止端部に融合不良が生じやすくなる。
T2極の電流密度を200A/mm2以上にすることによって、T1極の溶接金属の開先止端部を完全に溶かして融合不良が生じることを防止できる。T2極の電流密度が200A/mm2未満であると、T1極の溶接金属の開先止端部に融合不良が生じやすくなる。
L極の揺動を65~115回/分とすることによって、裏ビードが均一に出てビード形状も良好となる。L極の揺動が65回/分未満であると、裏ビードの波形が粗くなり良好な裏ビードが得られない。一方、L極の揺動が115回/分を超えると、アークが不安定になり良好な裏ビードが得られない。
T1極の揺動を30~90回/分とすることによって、L極の溶接金属の開先止端部を完全に溶かして融合不良が生じることを防止できる。T1極の揺動が30回/分未満であると、L極の溶接金属の開先止端部に融合不良が生じやすくなる。一方、T1極の揺動が90回/分を超えると、アークが不安定になりスパッタ発生量が多くなる。
T2極の揺動を30~90回/分とすることによって、表ビードの形状が良好となる。T2極の揺動が30回/分未満であると、表ビードの波形が粗くなりビード形状が不良となる。一方、T2極の揺動が90回/分を超えると、アークが不安定になり表ビードの形状が不良となる。
L極をソリッドワイヤとすることによって、裏ビードが出やすくビード形状が安定するのでより好ましい。L極にメタル系フラックス入りワイヤを用いた場合、良好な裏ビード形状が得られる条件範囲がやや狭くなる。また、L極にルチール系フラックス入りワイヤを用いた場合、裏ビードが出なくなるかビード形状が不良となりやすくなる。したがって先行電極ワイヤは、ソリッドワイヤとすることが好ましいが、これに限定されるものではない。
T1極は、アークが最も不安定になりやすいので、酸化物及び弗素化合物からなるスラグ形成剤の合計をワイヤ全質量に対して1質量%以下のメタル系フラックス入りワイヤを用いることが好ましい。酸化物及び弗素化合物からなるスラグ形成剤の合計が1%を超えると、スラグ生成量が多くなって、T2極でスラグを完全に溶融できない場合がありスラグ巻き込み欠陥が生じやすくなる。一方、T1極にソリッドワイヤを用いると、アークが不安定となってスパッタ発生量が多くなる。したがって、中間電極ワイヤは、スラグ形成剤の合計がワイヤ全質量に対して1質量%以下のメタル系フラックス入りワイヤとされていることが好ましいが、これに限定されるものではない。
T2極は、表ビードの形状を良好にするためにスラグ形成剤の合計をワイヤ全質量に対して4~9質量%含むルチール系フラックス入りワイヤを用いることが好ましい。スラグ形成剤の合計が4質量%未満であると、スラグ被包性が悪くなり表ビードの形状が不良となる。一方、スラグ形成剤の合計が9質量%を超えると、スラグ生成量が多くなってスラグ巻き込み欠陥が生じやすくなる。したがって、後行電極ワイヤは、ワイヤ全質量に対してスラグ形成剤の合計を4~9質量%含むルチール系フラックス入りワイヤとされていることが好ましいが、これに限定されるものではない。
ガスシールドアーク溶接の電極の極性は、一般的に溶接作業性が良好で溶け込み深さが得られるワイヤプラス(以下、DCEPという。)が用いられるが、本発明の3電極片面ガスシールドアーク溶接方法においては、T1極でアークが不安定でスパッタ発生量が多くなるので、T1極の極性はワイヤマイナス(以下、DCENという。)としてアークを安定させスパッタ発生量を抑制することが好ましい。
2 裏当材
3 鋼粒
4 開先底部
Claims (3)
- 被溶接材における開先角度30~55°のVまたはY形状の開先裏面に裏当材を当接して3電極片面ガスシールドアーク溶接する3電極片面ガスシールドアーク溶接方法であって、
該開先内に鋼粒を被溶接材板厚の1/5~1/2の高さまで充填し、
先行電極ワイヤと中間電極ワイヤとの電極間距離、及び中間電極ワイヤと後行電極ワイヤとの電極間距離をそれぞれ80~300mmとし、
先行電極ワイヤの溶接電流密度を250A/mm2以上、中間電極ワイヤの溶接電流密度を220A/mm2以上及び後行電極ワイヤの溶接電流密度を200A/mm2以上とし、
かつ先行電極ワイヤの揺動を65~115回/分、中間電極ワイヤと後行電極ワイヤの揺動をそれぞれ30~90回/分で溶接することを特徴とする3電極片面ガスシールドアーク溶接方法。 - 先行電極ワイヤはソリッドワイヤ、中間電極ワイヤはワイヤ全質量に対してスラグ形成剤の合計が1質量%以下であるメタル系フラックス入りワイヤ、後行電極ワイヤはワイヤ全質量に対してスラグ形成剤の合計を4~9質量%含むルチール系フラックス入りワイヤを用いることを特徴とする請求項1に記載の3電極片面ガスシールドアーク溶接方法。
- 中間電極ワイヤの極性はワイヤマイナスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の3電極片面ガスシールドアーク溶接方法。
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JP2019008604A JP7244283B2 (ja) | 2019-01-22 | 2019-01-22 | 3電極片面ガスシールドアーク溶接方法 |
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