JPH11156545A - 片面ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

片面ガスシールドアーク溶接方法

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JPH11156545A
JPH11156545A JP34364897A JP34364897A JPH11156545A JP H11156545 A JPH11156545 A JP H11156545A JP 34364897 A JP34364897 A JP 34364897A JP 34364897 A JP34364897 A JP 34364897A JP H11156545 A JPH11156545 A JP H11156545A
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JP
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welding
wire
bead
groove
tack
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JP34364897A
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Fumito Umazume
文人 馬詰
Toshio Aoki
俊雄 青木
Susumu Isozaki
進 磯崎
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 片面溶接において問題となる溶接中の回転変
形による凝固割れを防止し、ビード外観が良好で、高能
率溶接を可能とする片面ガスシールドアーク溶接方法を
提供する。 【解決手段】 開先角度が30〜60゜のYまたはV字
形開先でギャップ3mm以下の開先内に、下記式で示す
仮付け溶接係数Kが0.8以上で、仮付けビード高さh
tが8mm以下の仮付け溶接を施し、開先裏側に裏当材
を当て、開先内に鋼粒または鉄粉を板厚の1/4〜2/
3の高さまで散布し、ソリッドワイヤを使用して、該ワ
イヤを50〜150回/分揺動しながら、ワイヤの電流
密度を220〜290A/mm2として溶接することを
特徴とする片面ガスシールアーク溶接方法。 仮付け溶接係数 K=(仮付けビード長さ)×(仮付け
ビード高さ)/仮付けビードピッチ)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、片面ガスシールド
溶接法に関し、溶接構造物の品質を著しく損ねる凝固割
れを防ぎ、ビード外観が良好で、高能率溶接が可能な片
面ガスシールドアーク溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の片面溶接法は、サブマージアーク
溶接法が造船の板継溶接として盛んに行われている。例
えば特公昭60−59072号公報には、電極揺動に伴
う溶接ビード溶け込み深さの減少およびビード外観形状
の劣化を防止し、初層ビードにおける割れ防止も併せて
実現しようとする溶接法が開示されている。また、特公
平7−256456号公報には、電極を3本あるいはそ
れ以上使用し、板継溶接する片面サブマージアーク溶接
において100乃至200cm/分の溶接速度で高品質
の溶接ビードが得られる高能率片面サブマージアーク溶
接方法が開示されている。特開平6−817951号公
報には、電極を3電極以上とする片面板継ぎ溶接におい
て、特定式により計算されるパラメータを用いて各電極
における溶接条件を決定することにより溶接変形を低減
し、作業効率の向上、溶接装置の負荷低減を図った片面
板継ぎ溶接の溶接変形低減方法が開示されている。しか
し、サブマージアーク溶接は、設備が大がかりであり、
溶接後もスラグ除去等の工数が多くかかり、しかも短尺
の溶接には不向きの上、長尺溶接では溶接時に凝固割れ
が発生する場合があるなどの問題がある。
【0003】特開平6−182545号公報には、ガス
シールドアーク溶接による突き合せ溶接において、作業
工数の低減、梨型ビード割れ防止、溶接作業の自動化を
図る片面溶接方法が開示されている。この溶接法は、電
極先端を開先形状に合わせて上下方向に移動させ揺動さ
せることにより初層ビード幅Wを大きくし、初層ビード
高さHを低くすることにより、凝固割れを防止する。し
かし、長尺溶接では溶接時の凝固割れが生じる。また、
特開昭50−7543号公報には、裏当材を当接した開
先内に鋼粒または鉄粉を適量に散布し、ワイヤを揺動さ
せながら細径ワイヤによって溶接する溶接方法が開示さ
れている。しかし、この方法は開先に間隙を設け、開先
角度も大きいことから開先断面積(鋼板を溶接線に垂直
に切る断面積)が大きいため溶着効率に問題がある。ま
た、長尺溶接を実施すると溶接時の凝固割れが生じる問
題がある。特開昭57−7374号公報には、仮付けビ
ードを入熱の低いMIG溶接で線上に形成した後、この
仮付けビードの上層から次層の溶接で裏ビードを形成す
るように溶接を施して、仮付けビードがあっても良好な
裏ビードが得られる低温用鋼材の片面溶接法が開示され
ている。しかし、この方法を用い長尺溶接を実施する
と、溶接時の凝固割れが生じる問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、片面
溶接において問題となる溶接中の回転変形による凝固割
れを防止し、ビード外観が良好で、高能率溶接を可能と
する片面ガスシールドアーク溶接方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、実験結果か
ら、仮付けビードの長さ、高さ及びピッチを調整するこ
とにより凝固割れが生じない条件を見い出して本発明を
完成した。
【0006】本発明の要旨とするところは、 (1) 開先角度が30〜60゜のYまたはV字形開先
でギャップ3mm以下の開先内に、下記式で示す仮付け
溶接係数Kが0.8以上で、仮付けビード高さhtが8
mm以下の仮付け溶接を施し、開先裏側に裏当材を当
て、開先内に鋼粒または鉄粉を板厚の1/4〜2/3の
高さまで散布し、ソリッドワイヤを使用して、該ワイヤ
を50〜150回/分揺動しながら、ワイヤの電流密度
を220〜290A/mm2として溶接することを特徴
とする片面ガスシールアーク溶接方法。
【0007】仮付け溶接係数 K=(仮付けビード長
さ)×(仮付けビード高さ)/仮付けビードピッチ) (単位 mm) (2) 開先角度が30〜60゜のYまたはV字形開先
でギャップ3mm以下の開先内に、下記式で示す仮付け
溶接係数Kが0.8以上で、仮付けビード高さhtが8
mm以下の仮付け溶接を施し、開先裏側に裏当材を当
て、開先内に鋼粒または鉄粉を板厚の1/4〜2/3の
高さまで散布し、先行ワイヤと後行ワイヤとの極間距離
を100〜600mm、先行ワイヤにソリッドワイヤを
使用し、後行ワイヤにフラックスコアードワイヤあるい
はソリッドワイヤを使用して、該ワイヤを先行ワイヤは
50〜150回/分、後行ワイヤは50〜100回/分
揺動し、ワイヤの電流密度を、先行ワイヤは220〜2
90A/mm2、後行ワイヤは150〜260A/mm2
として溶接することを特徴とする片面ガスシールアーク
溶接方法にある。
【0008】仮付け溶接係数 K=(仮付けビード長
さ)×(仮付けビード高さ)/仮付けビードピッチ) (単位 mm)
【0009】
【発明の実施の形態】図2に溶接アーク近傍の模式図を
示す。溶接アーク1と後方ビード(先行ワイヤによって
形成された溶接ビード)付近は熱源(溶接アーク1)に
より膨張し溶接アーク1前方の開先10は開く方向に力
(開き応力5)が働き変形を生じる(回転変形)。この
時、開先内に仮付けビード6が施されるか、裏側に拘束
治具9を設けていれば回転変形は小さく抑えられる。し
かし、溶接ビード3あるいは拘束治具9で抑えられた開
き応力5は、溶接アーク1前方に累積され内部応力とし
て蓄積される。この時、溶接アーク1が仮付けビード6
を溶かし込んだ瞬間、仮付けビード6で拘束されていた
力(内部応力)が解放され、溶接アーク1前方の開先1
0は急激に回転変形を生じ、溶融池2の後方の凝固部4
が凝固する前に回転変形により溶融金属が引き裂かれ凝
固割れ11が発生する。
【0010】この急激な回転変形量を計測することによ
り、凝固割れ11の発生し易さを評価することができ
る。図3に回転変形量測定要領を示す。板厚16mm、
幅400mm、長さ1000mmの鋼板の開先角度が5
0゜のV字形開先内に、長さ25mm、高さ7mmの仮
付けビード6をスタート側(図3右側)と中央とエンド
側(図3左側)に施した。エンド側には拘束にならない
ように、鋼板Aのみに、タブ板8を仮付け溶接した。開
先の終端部に歪みゲージ7を取付、鋼板Bの開き量を検
出して記録した。開先10のスタート側から溶接し、エ
ンド側の仮付けビード6を通過した直後の開き量を図4
に示す。図4の急激な開き量が大きくなった所は溶接ア
ーク1が仮付けビード6を溶かし込んだ瞬間の回転変形
量に相当する。
【0011】表1に示すソリッドワイヤ1.6mm径と
裏当材、鋼粒、電源を用い、表2に示す条件1〜3によ
って、図3の試験板に片面ガスシールドアーク溶接を実
施したときの、溶接入熱に対する回転変形量を図5に示
す。回転変形量は入熱に比例して増加する特性がある。
【0012】また、これらの鋼板をX線透過試験を実施
し、終端部の割れ長さを計測した結果を図6に示す。溶
接入熱の増加は割れ長さを増加する。したがって、回転
変形量の増加と比例して割れ長さは増加した。
【0013】また、図7は表1に示すソリッドワイヤ
1.6mm径を先行電極に、フラックス入りワイヤ1.
6mm径を後行電極として、表2の条件1を先行電極、
条件4を後行電極の溶接条件とし、図3の試験板に2電
極で片面ガスシールドアーク溶接し、1ラン仕上げした
場合の先行と後行の電極間距離が回転変形量におよぼす
影響を示す。回転変形量は電極間距離が100mm未満
になると急激に増加して割れが生じる。600mmを超
えると溶接装置を大きくする必要があり好ましくない。
【0014】これらの実験結果から、比較的小入熱で高
溶着量の得られる片面ガスシールドアーク溶接を採用
し、さらに、高能率化するために、2電極で溶接する場
合には電極間距離を大きくすることによって回転変形量
は小さく抑えることができる。
【0015】つぎに、開先内の仮付けビードは、開き応
力に耐えられる強さが必要である。図3に示す試験板を
用いて開先内に長さ25、50、100mmで高さ7m
mの仮付けビードをピッチ250、500mmで施し、
1電極にて表1に示すソリッドワイヤ1.6mm径を用
い、表2に示す条件1で、片面ガスシールドアーク溶接
を実施した。前述と同様の方法で回転変形量を測定した
結果を図8に、割れ長さを計測した結果を図9に示す。
開先内の仮付け長さが長く、または、ピッチが小さい場
合、回転変形および割れ長さは短くなった。
【0016】これらの実験結果から、仮付けビードの長
さ、高さ、ピッチを調整し、下記式で示す仮付け溶接係
数Kを大きくすることにより凝固割れが生じないことを
見いだした。
【0017】仮付け溶接係数 K=(仮付けビード長
さ)×(仮付けビード高さ)/仮付けビードピッチ) (単位 mm) なお、上記試験方法は溶接条件や仮付け条件の違いによ
って、回転変形量や凝固割れが大きく発生するよう工夫
した実験で、回転変形量や凝固割れ発生の相対的な比較
を目的とした。したがって、凝固割れ長さは相対的に小
さいが0ではない。
【0018】仮付け溶接係数Kは、図1に示すように仮
付けビード長T、仮付けビードピッチ長さPおよび仮付
けビード高さhtから求めるが、連続した仮付けビード
の場合は、仮付けビードの長さ=仮付けビードピッチと
して仮付け溶接係数Kを求める。また、仮付けビードの
長さ、高さ、ピッチが一定しない場合では、開先の任意
の位置の仮付けビードTnの始端Pnから次の位置の仮付
けビードTn+1の始端Pn+1とすれば、仮付けビードピッ
チをPn+1−Pnとし、Tnの仮付けビード長さと高さか
ら仮付け溶接係数Knを求める。
【0019】なお、仮付けビード高さhtが8mmを超
える場合は、裏波が形成されにくいので、仮付けビード
高さhtは8mm以下とする。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】 先行ワイヤの揺動が50回/分未満の場合は、揺動両端
で不均一な溶込みとなり、良好な裏波が得られない。1
50回/分を超えるとアークが不安定になり裏波が得ら
れず、健全な溶接金属が得られない。よって先行ワイヤ
の揺動を50〜150回/分とする。
【0023】後行ワイヤの揺動が50回/分未満ではビ
ードが蛇行し、良好なビード外観が得られない。100
回/分を超えた場合、アークが不安定になり健全な溶接
金属が得られず、ビード外観も良好でないため、50〜
150回/分とする。
【0024】先行ワイヤの電流密度が220A/mm2
未満では、仮付けビードを溶かすことができず未溶融部
をつくり、良好な裏波ビードが得られない。290A/
mm2を超えると、裏ビードが出すぎるとともにアーク
が不安定となり健全な溶接金属が得られない。
【0025】後行ワイヤの電流密度が、150A/mm
2を未満では、溶込みが少なくアークが不安定で、ビー
ド外観が良好でない。260A/mm2を超えると、ア
ークが不安定になり、良好なビード外観が得られない。
【0026】開先角度が30゜未満では裏ビードが出に
くく均一性が悪くなる。開先角度が60゜を超えると、
裏ビードが出すぎオーバーラップとなり、また、開先断
面積が大きくなるので溶接能率が低下する。
【0027】ルートギャップは3mm以下とする。ルー
トギャップが3mmを超えると仮付け溶接が困難になる
とともに、裏ビードが出すぎオーバーラップとなり、ま
た、開先断面積が広くなるので溶接能率が低下する。な
お、Y開先でのルートフェースは3mm以下であること
が、仮付け溶接の容易さおよび裏ビードが安定して出る
ので好ましい。
【0028】開先内に鋼粒または鉄粉を板厚の1/4〜
2/3高さ散布して溶接することにより、溶接能率が向
上するとともに裏ビード形状が良好となる。散布高さが
2/3を超えると、裏ビード形状が悪いか、裏ビードが
形成されない。また、1/4未満では溶け落ちが発生す
る場合がある。
【0029】なお、鋼粒または鉄粉の粒度分布は粒径
1.5mm以下であることがア−クの安定性および裏ビ
ード形状を良好にすることから好ましい。また、成分は
主にFeからなるが、耐割れ性からCは0.10%以
下、SおよびPは0.02%以下が好ましく、他の成分
は溶接金属の強度靭性を考慮してSi、Mn、Moその
他の脱酸剤や合金剤として含有させることもできる。以
上の粒度と成分を満足すれば各種鋼ワイヤをカットした
粒状体でもよい。
【0030】また、開先裏側に当てる裏当材はセラミッ
ク固形裏当材の他、ガラステープ併用の銅版裏当材また
はフラックス銅裏当材のいずれを用いても同様の効果が
得られる。
【0031】先行ワイヤは仮付け溶接ビードを溶かし込
むために、溶込みの深いソリッドワイヤとする。後行ワ
イヤはソリッドワイヤにおいても良好な表面ビードが得
られるが、フラックスコアードワイヤを用いることによ
って更に良好な表面ビード外観が得られる。
【0032】
【実施例】表4と表5に示す開先角度に加工した鋼板を
種々の条件で仮付け溶接して、図1に示す試験板を作成
した。試験板の終端部には、板厚16mm、幅400m
m、長さ200mmで長さ100mmのスリット12を
施したタブを取り付けた。スリット入りのタブは溶接終
了時の終端部の回転変形でも外れないように、試験板に
溶接し固定した。溶接材料は、表1に示すソリッドワイ
ヤ、フラックスコアードワイヤ、鋼粒および裏当て材を
用いた。
【0033】仮付けビード高さと鋼粒散布高さは試験板
裏面を0として計測し、仮付けビード高さが鋼粒散布高
さ未満の場合は、仮付けビード位置も含め鋼粒を散布
し、仮付けビード高さが鋼粒散布高さ以上の場合は、仮
付けビードがない位置に鋼粒を散布した。
【0034】表4と表5に示すように仮付けビード、鋼
粒散布高さ、電極間距離、溶接電流密度および揺動の条
件で溶接した。
【0035】実験No.1〜5と実験No.11〜21
は1電極2ラン仕上げで、まず先行電極のみを用い1パ
ス目を溶接後、先行電極のみを用い2パス目の仕上げ溶
接を実施した。実験No.6〜10と実験No.22〜
37は2電極にて1ラン仕上げで溶接した。
【0036】溶接速度は実験No.1〜5と実験No.
11〜21では、開先断面積の70%が1パス目で仕上
げられる速度に調整し、2パス目は余盛高さが2〜3m
mとなるように溶接しながら調整した。実験No.6〜
10と実験No.22〜37は余盛高さが2〜3mmと
なるように溶接しながら調整した。
【0037】溶接はスリットタブのスリットを約10m
mの残す位置で終了させた。
【0038】溶接後凝固割れの判定はJIS Z 31
04−1995 X線透過試験を実施し、1類を良好と
評価した。また、裏ビード外観と表ビード外観評価も加
え総合的に評価した。それらの結果を表4と表5にまと
めて示す。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】 本発明例である実験No.1〜10は、仮付け溶接係数
Kが0.8以上で、開先角度、ルートギャップ、鋼粒散
布高さ、先行ワイヤと後行ワイヤとの極間距離、先行後
行ワイヤ共に電流密度および揺動回数が適正であるので
凝固割れが無く、表裏共に良好なビードが得られた。
【0041】一方、比較例である、実験No.11と2
2は、良好な裏波ビードを形成したが、仮付け溶接係数
Kが低いので、凝固割れが生じた。
【0042】実験No.12と24は、鋼粒の散布量が
多く、裏波ビードが形成されないた部分があった。
【0043】実験No.13と23は、鋼粒の散布量が
少ないので、溶け落ちが発生し溶接を中止した。
【0044】実験No.14と25は、仮付けビード高
さhtが高いので、また実験No.15と26は、先行
ワイヤの電流密度が低いので、裏ビードが出なかった。
【0045】実験No.16と27は、先行ワイヤの電
流密度が高いので、裏ビードが出すぎた。
【0046】実験No.28は、後行ワイヤの電流密度
が低いので、アークが弱く不安定で表ビード外観が不良
であった。
【0047】実験No.29は、後行ワイヤの電流密度
が高いので、アークが強すぎて不安定となり表ビード外
観が不良であった。
【0048】実験No.30は、電極間距離が短いの
で、回転変形が大きくなり凝固割れが生じ、アークが不
安定で表、裏ビード外観ともに不良であった。
【0049】実験No.17と31は、先行ワイヤの揺
動回数が少ないので、裏ビード外観が不良となった。
【0050】実験No.18と32は、先行ワイヤの揺
動回数が多いので、アークが不安定となって裏ビード外
観も不良となった。
【0051】実験No.33は、後行ワイヤの揺動回数
が少ないので、表ビードが蛇行し表ビード外観が不良と
なった。
【0052】実験No.34は、後行ワイヤの揺動回数
が多いので、アークが不安定になり表ビード外観が不良
であった。
【0053】実験No.19と36は、開先角度が大き
いので、裏ビードが出すぎてオーバーラップとなった。
【0054】実験No.20と35は、開先角度が小さ
いので、裏ビードが出にくく不均一であった。
【0055】実験No.21と37は、ルートギャップ
が大きいので、裏ビードが出すぎてオーバーラップが発
生した。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、溶
接構造物の片面溶接において問題となる、回転変形によ
る凝固割れを防ぎ、裏および表ビードの外観が良好で、
高能率な溶接を可能とするものであり、産業上の貢献は
大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた試験板を示す図で、
(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図2】溶接アーク近傍を示す模式図である。
【図3】回転変形量の測定要領を示す図である。
【図4】開先の開き量測定結果の例を示す図である。
【図5】入熱量と回転変形との関係を示す図である。
【図6】極間距離と回転変形との関係を示す図である。
【図7】入熱量とづけ長さ、ピッチと回転変形の関係を
示す図である。
【図8】仮付け長さ、ピッチと回転変形の関係を示す図
である。
【図9】仮付け長さ、ピッチと割れ長さの関係を示す図
である。
【符号の説明】
1 溶接アーク 2 溶融池 3 溶接ビード 4 凝固部 5 回転変形 6 仮付けビード 7 歪みゲージ 8 仮付けビード 9 測定位置 10 タブ板 11 拘束治具 12 スリット
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 9/235 B23K 9/235 B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開先角度が30〜60゜のYまたはV字
    形開先でギャップ3mm以下の開先内に、下記式で示す
    仮付け溶接係数Kが0.8以上で、仮付けビード高さh
    tが8mm以下の仮付け溶接を施し、開先裏側に裏当材
    を当て、開先内に鋼粒または鉄粉を板厚の1/4〜2/
    3の高さまで散布し、ソリッドワイヤを使用して、該ワ
    イヤを50〜150回/分揺動しながら、ワイヤの電流
    密度を220〜290A/mm2として溶接することを
    特徴とする片面ガスシールアーク溶接方法。 仮付け溶接係数 K=(仮付けビード長さ)×(仮付け
    ビード高さ)/仮付けビードピッチ) (単位 mm)
  2. 【請求項2】 開先角度が30〜60゜のYまたはV字
    形開先でギャップ3mm以下の開先内に、下記式で示す
    仮付け溶接係数Kが0.8以上で、仮付けビード高さh
    tが8mm以下の仮付け溶接を施し、開先裏側に裏当材
    を当て、開先内に鋼粒または鉄粉を板厚の1/4〜2/
    3の高さまで散布し、先行ワイヤと後行ワイヤとの極間
    距離を100〜600mm、先行ワイヤにソリッドワイ
    ヤを使用し、後行ワイヤにフラックスコアードワイヤあ
    るいはソリッドワイヤを使用して、該ワイヤを先行ワイ
    ヤは50〜150回/分、後行ワイヤは50〜100回
    /分揺動し、ワイヤの電流密度を、先行ワイヤは220
    〜290A/mm2、後行ワイヤは150〜260A/
    mm2として溶接することを特徴とする片面ガスシール
    アーク溶接方法。 仮付け溶接係数 K=(仮付けビード長さ)×(仮付け
    ビード高さ)/仮付けビードピッチ) (単位 mm)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102922161A (zh) * 2012-11-19 2013-02-13 武汉船用机械有限责任公司 一种船用克令吊的主要焊缝焊接变形的控制方法
JP2020116597A (ja) * 2019-01-22 2020-08-06 日鉄溶接工業株式会社 3電極片面ガスシールドアーク溶接方法

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