JP7242699B2 - 黒色セラミックス - Google Patents

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Description

本開示の黒色セラミックスは、実装基板、露光処理装置用部材、遮光材および熱吸収材等に用いられるものである。
実装基板として、発光素子モジュール(LED)の光の輪郭をぼやけさせず、輪郭がくっきりとなるように反射率が低い黒色セラミックスが用いられている。また、露光処理装置用部材(露光処理時における被処理物である基板(例えば、ウエハ)の載置台や露光処理領域の壁材等)として、光の反射を抑制して露光精度を向上させるために、黒色系のセラミックスが用いられている。さらに、光学系装置における光を遮りたい部分や熱を利用した装置において熱の吸収が求められる部分に黒色セラミックスが用いられている。
このような黒色セラミックスとして、本出願人は、コバルト、ニッケル、鉄等の酸化物を含む酸化アルミニウム質セラミックスを提案している(特許文献1参照)。
特開2017-183470号公報
本開示の黒色セラミックスは、第1成分と第2成分とを含むセラミックスであり、前記第1成分が酸化アルミニウムであり、前記第2成分が、コバルトの酸化物、ニッケルの酸化物および鉄の酸化物である。そして、前記第1成分および前記第2成分の合計の含有量は、前記セラミックスを構成する全成分100質量%のうち93質量%以上である。また、前記第1成分および前記第2成分の合計100質量%のうち、前記第1成分が80質量%以上93質量%以下であり、前記第2成分が7質量%以上20質量%以下である。さらに、前記第2成分の100質量%のうち、コバルトの酸化物換算で2.75質量%以上8.25質量%以下であり、ニッケルの酸化物換算で2.75質量%以上8.25質量%以下であり、鉄の酸化物換算で85.44質量%以上92.56質量%以下である。
以下、本開示の黒色セラミックスの実施形態の一例について説明する。なお、本開示の黒色セラミックスは、露光装置用部材に用いられることに限定されるものではなく、光の反射の抑制が求められるものに使用可能であることはいうまでもない。
本開示の黒色セラミックスは、第1成分と第2成分とを含むセラミックスであり、第1成分が酸化アルミニウムであり、第2成分が、コバルトの酸化物、ニッケルの酸化物および鉄の酸化物である。そして、第1成分および第2成分の合計の含有量は、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち93質量%以上である。また、第1成分および第2成分の合計100質量%のうち、第1成分が80質量%以上93質量%以下であり、第2成分が7質量%以上20質量%以下である。
換言すれば、第1成分は主成分であり、第2成分は副成分である。また、第2成分はいわゆる顔料である。また、上記構成を満たすセラミックスは、酸化アルミニウム質セラミックスと呼ばれるものである。
本開示の黒色セラミックスは、第1成分および第2成分の合計の含有量が、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち93質量%以上であり、第1成分および第2成分の合計100質量%のうち、第1成分が80質量%以上93質量%以下であることから、機械的強度に優れる。なお、本開示の黒色セラミックスの見掛密度は3.80kg/m3以上であり、3点曲げ強度が300MPa以上である。
ここで、見掛密度は、JIS R 1634-1998に準拠して求めることができ、3点曲げ強度は、JIS R 1601-2008に準拠して求めることができる。
本開示の黒色セラミックスは、第1成分および第2成分の合計の含有量が、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち93質量%以上であり、第1成分および第2成分の合計100質量%のうち、第2成分が7質量%以上20質量%以下であることから、優れた機械的強度を有しつつ、黒色化されている。また、第1成分および第2成分の合計100質量%のうち、第2成分が12質量%以上18質量%以下であってもよい。
さらに、本開示の黒色セラミックスは、第2成分の100質量%のうち、コバルトの酸化物換算で2.75質量%以上8.25質量%以下であり、ニッケルの酸化物換算で2.75質量%以上8.25質量%以下であり、鉄の酸化物換算で85.44質量%以上92.56質量%以下である。
これまで、コバルトの酸化物およびニッケルの酸化物を多く含有させることにより、黒色化が図られてきたのに対し、上記比率であっても黒色化を図れることを本発明者らは見出したのである。そして、上記構成を満たす黒色セラミックスは、製作に占める原材料費率が低いながらも、優れた機械的特性を有しつつ、光の反射率が低い。また、優れた遮光性および優れた熱吸収性を有する。
なお、仮に、コバルトの酸化物およびニッケルの酸化物の原材料価格が低下し、製作に占める原材料費率を低くするという効果が少なくなったとしても、顔料において鉄の酸化物換算での含有量割合が多いという従来とは異なる組成において、上記効果が得られるものであることから、上記組成は特徴的なものである。
上記構成を満たす本開示の黒色セラミックスは、目視で黒く視認されるものであり、広範な波長領域において反射率が12%以下である。ここで、広範な波長領域において反射率が12%以下とは、400nm、550nm、700nmのそれぞれの波長領域において反射率が12%以下ということである。また、黒色は、可視光線を遮ることに適しているため、遮光性に優れる。さらに、黒色は、熱エネルギーを吸収しやすいものであることから、熱吸収性に優れる。
そして、反射率の測定方法としては、例えば、分光測色計(コニカミノルタ製 CM-3700A)を用い、光源をCIE標準光源D65、視野角を10°、照明径を3mm×5mmの条件で測定する。そして、400nm、550nm、700nmのそれぞれの波長領域における反射率を確認すればよい。
なお、第1成分および第2成分の合計の含有量が、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち93質量%以上であり、第1成分および第2成分の合計100質量%のうち、第2成分が7質量%以上20質量%以下であっても、第2成分の100質量%のうち、コバルトの酸化物換算で2.75質量%未満または8.25質量%超え、ニッケルの酸化物換算で2.75質量%未満または8.25質量%超え、鉄の酸化物換算で85.44質量%未満または92.56質量%超えであるときには、400nm、550nm、700nmの少なくともいずれかにおいて反射率が12%を超え、広範な波長領域で低い反射率を有するものとならない。
次に、組成に関する測定方法について記載する。まず、酸化アルミニウムを含むか否かについては、X線回折装置(XRD)を用いて対象物を測定し、得られたX線回折結果とJCPDSカードとを照合する、若しくは解析ソフトを用いてJCPDSデータベースとの自動照合を行なって同定することにより確認できる。
また、コバルトの酸化物、ニッケルの酸化物および鉄の酸化物は、対象物を鏡面研磨した後、電子線マイクロアナライザ(EPMA)による面分析を行ない、コバルトと酸素、ニッケルと酸素、鉄と酸素とが重なる領域を有しているか否かでその存在を確認することができる。
そして、各成分の含有量については、XRFまたは高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP-AES)を用いて測定を行なうことで、各元素の含有量を求め、求めた元素の含有量から各酸化物の含有量に換算することにより求めることができる。具体的には、XRFまたはICP-AESでの測定によりAlの含有量を求め、Al23に換算する。そして、CoはCo34に、NiはNiOに、FeはFe23に換算する。
そして、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち第1成分および第2成分の合計の含有量が93質量%以上であるか否かは、ここで求めたAl23、Co34、NiO、Fe23に換算した値の合計が93質量%以上になるか否かで確認することができる。
また、第1成分および第2成分の合計100質量%のうち、第1成分が80質量%以上93質量%以下であり、第2成分が7質量%以上20質量%以下であるか否かについては、以下の方法で確認できる。第1成分については、Al23/(Al23+Co34+NiO+Fe23)×100を求め、上記範囲に含まれているか否かで確認できる。また、第2成分は、100から上記で求めた第1成分の値を差し引いた値を求めるか、(Co34+NiO+Fe23)/(Al23+Co34+NiO+Fe23)×100を求め、上記範囲に含まれているか否かで確認できる。
さらに、第2成分の合計100質量%のうち、コバルトの酸化物換算で2.75質量%以上8.25質量%以下であり、ニッケルの酸化物換算で2.75質量%以上8.25質量%以下であり、鉄の酸化物換算で85.44質量%以上92.56質量%以下であるか否かについては、以下の方法で確認できる。コバルトの酸化物換算での含有量については、Co34/(Co34+NiO+Fe23)×100、ニッケルの酸化物換算での含有量については、NiO/(Co34+NiO+Fe23)×100、鉄の酸化物換算での含有量については、Fe23/(Co34+NiO+Fe23)×100で求めることができ、上記範囲に含まれているか否かで確認できる。
また、本開示の黒色セラミックスは、さらにチタンの酸化物を含み、このチタンの酸化物の含有量が、第1成分および第2成分の合計100質量部に対し、0.9質量部以上2.7質量部以下であってもよい。このような構成を満たすときには、さらに高い機械的強度を有する。
ここで、チタンの酸化物は、対象物を鏡面研磨した後、EPMAによる面分析を行ない、チタンと酸素とが重なる領域を有しているか否かでその存在を確認することができる。また、XRFまたはICP-AESでの測定によりTiの含有量を求め、TiO2に換算し、Al23、Co34、NiO、Fe23にそれぞれ換算した値を用いることにより、第1成分および第2成分の合計100質量部に対する、チタンの酸化物の含有量を確認することができる。
さらに、本開示の黒色セラミックスは、コバルト、ニッケル、鉄および酸素が存在する複合物を有し、この複合物の平均径が、2.1μm以上2.7μm以下であってもよい。なお、ここでいう複合物とは、XRDにおいて、コバルト、ニッケル、鉄および酸素を含む構造の結晶として検出されるというものではなく、鏡面研磨した対象物におけるEPMAによる面分析において、コバルト、ニッケル、鉄および酸素が重なっていればよいものである。なお、上記複合物と、アルミニウムと酸素とが重なって確認できる酸化アルミニウムの結晶粒子とは、EPMAにおける面分析結果において色調差で明確に確認できるものである。また、上記複合物とは、言い換えれば、顔料の存在箇所ともいえるものである。
そして、この複合物の平均径が2.1μm以上2.7μm以下であることにより、優れた機械的強度を有しつつ、さらに低い反射率を有する。
次に、コバルト、ニッケル、鉄および酸素が面分析において重なって確認される複合物の平均径の測定方法について説明する。
まず、EPMAを用いて、例えば3000倍の倍率で観察し、面積が1360μm2(横方向の長さが40μm、縦方向の長さが34μm)となる範囲の面分析を行なう。そして、コバルト、ニッケル、鉄および酸素が重なって確認される領域をトレースして黒く塗りつぶした後、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製、なお、以降に画像解析ソフト「A像くん」と記した場合、旭化成エンジニアリング(株)製の画像解析ソフトを示すものとする。)の粒子解析という手法を適用して画像解析を行なうことにより、複合物の平均径を求めることができる。ここで、画像解析ソフト「A像くん」の解析条件としては、結晶粒子の明度を「暗」、2値化の方法を「手動」、小図形除去面積を0.002μm、画像の明暗を示す指標であるしきい値を140以上160以下とすればよい。
次に、本開示の黒色セラミックスの製造方法の一例について説明する。
まず、第1成分であるアルミナ(Al23)粉末と、第2成分(顔料)である四酸化三コバルト(Co34)粉末、酸化ニッケル(NiO)粉末および酸化鉄(Fe23)粉末とを準備する。
そして、焼結されたセラミックスにおいて、第1成分および第2成分の合計の含有量が、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち93質量%以上となるように、かつ、第1成分および第2成分の合計100質量%のうち、第1成分が80質量%以上93質量%以下であり、第2成分が7質量%以上20質量%以下であり、かつ、第2成分の100質量%のうち、コバルトの酸化物(Co34)換算で2.75質量%以上8.25質量%以下であり、ニッケルの酸化物(NiO)換算で2.75質量%以上8.25質量%以下であり、鉄の酸化物(Fe23)換算で85.44質量%以上92.56質量%以下となるように秤量する。
また、焼結助剤としては、例えば、炭酸カルシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、酸化珪素粉末等挙げられる。焼結されたセラミックスにおいて、第1成分および第2成分の合計の含有量が、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、CaO換算、MgO換算、SiO2換算の合計で2質量%以下であってもよい。また、1質量%以下であってもよく、0.5質量%以下であってもよい。
次に、秤量された各粉末と、秤量された各粉末の合計100質量部に対し、5質量部以上10質量部以下のバインダと、15質量部以上30質量部以下の水とを攪拌機内に入れて混合・攪拌することで、スラリーを得る。次に、このスラリーを用いてドクターブレード法でシートを形成し、金型プレスまたはレーザー加工によって、上記シートを加工することにより、所望形状となる成形体を得る。
また、原料をスラリー状とし、噴霧造粒装置(スプレードライヤー)で噴霧造粒することによって顆粒を得た後、粉末プレス成形法や静水圧プレス成形法(ラバープレス法)により所定形状の成形体としてもよい。
次に、得られた成形体に必要に応じて切削加工を施し、大気(酸化)雰囲気の焼成炉を用いて、焼成することにより焼結体を得る。そして、得られた焼結体に必要に応じて研削加工を施すことにより、黒色セラミックスを得ることができる。なお、研削加工後に、ブラストやハンドラップなどの表面処理を行なってもよい。
また、黒色セラミックスにおいて、チタンの酸化物を含み、その含有量が、第1成分および第2成分の合計100質量部に対し、0.9質量部以上2.7質量部以下とするには、上記秤量時に合わせて、以下の方法を行なえばよい。
酸化チタン(TiO2)粉末を準備し、第1成分および第2成分の合計100質量部に対し、0.9質量部以上2.7質量部以下となるように秤量して、他の粉末に加えてスラリーを作製し、その後の工程は上記と同様の方法で作製すればよい。
さらに、黒色セラミックスにおいて、平均結晶粒径が、2.1μm以上2.7μm以下であり、コバルト、ニッケル、鉄および酸素が存在する複合物を有するものとするには、第2成分である四酸化三コバルト粉末、酸化ニッケル粉末および酸化鉄粉末を秤量した後、これらの第2成分のみで、1.4μm以上1.7μm以下になるまで混合・粉砕したものを第2成分の原料粉末として用いればよい。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
組成の異なる黒色セラミックスを作製し、反射率、機械的強度(3点曲げ強度)の測定を行なった。
まず、第1成分であるアルミナ(Al23)粉末と、第2成分(顔料)である四酸化三コバルト(Co34)粉末、酸化ニッケル(NiO)粉末および酸化鉄(Fe23)粉末とを準備した。
そして、焼結されたセラミックスにおいて、第1成分および第2成分の合計100質量%のうち、第1成分、第2成分の合計が表1に示す値となるように、かつ、第2成分の100質量%のうち、コバルトの酸化物(Co34)換算、ニッケルの酸化物(NiO)換算、鉄の酸化物(Fe23)換算の質量比率が表1の値となるように秤量した。
次に、秤量された各粉末と、秤量された各粉末の合計100質量部に対し、8質量部のバインダと、22質量部の水とを攪拌機内に入れて混合・攪拌することで、スラリーを得た。次に、このスラリーを用いてドクターブレード法でシートを形成し、レーザー加工によって、上記シートを加工することにより、所望形状となる成形体を得た。
次に、大気(酸化)雰囲気の焼成炉を用いて、焼成することにより各試料となる焼結体を得た。
次に、各試料につき、XRDを用いて測定し、酸化アルミニウム(アルミナ)が存在していることを確認した。また、各試料につき、鏡面研磨した後、EPMAによる面分析を行ない、コバルトと酸素、ニッケルと酸素、鉄と酸素とが重なる領域を有していることを確認した。
そして、各試料における各成分の含有量については、ICP-AESを用いて、Al、Co、Ni、Feの測定を行なうことで、各元素の含有量を求め、求めた元素の含有量から各酸化物の含有量に換算することにより求めた。AlをAl23に換算した値が第1成分の含有量であり、CoをCo34に、NiをNiOに、FeをFe23に換算した値の合計が第2成分の含有量である。
なお、本実施例においては、原料として、炭酸カルシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、酸化珪素粉末等の焼結助剤は用いていない。そのため、セラミックスを構成する全成分100質量%のうちに占める第1成分の含有量および第2成分の合計の含有量は、第1成分および第2成分の合計100質量%のうちに占める含有量とほぼ同じである。
また、Co34換算値、NiO換算値、Fe23換算値を用いて、第2成分の合計100質量%のうちのそれぞれの質量比率を求めた。具体的には、Co34 or NiO or Fe23/(Co34+NiO+Fe23)×100により算出した。
また、各試料について、分光測色計(コニカミノルタ製 CM-3700A)を用い、光源をCIE標準光源D65、視野角を10°、照明径を3mm×5mmの条件で測定し、400nm、550nm、700nmのそれぞれの波長領域における反射率を表1に示した。
さらに、第1成分と第2成分との質量比率を異ならせた試料No.19~23については、JIS R 1601-2008に準拠した試験片を作製し、3点曲げ強度を測定した。結果を表1に示す。なお、試料No.1~23について、JIS R 1634-1998に準拠して求めた見掛密度は、試料No.23を除いて3.80kg/m3以上であった。
Figure 0007242699000001
試料No.1、6、7、12、13、18、19については、400nm、550nm、700nmの少なくともいずれかの波長領域において反射率が12%を超えていた。また、試料No.23については、3点曲げ強度の値が300MPa未満であった。これに対し、試料No.2~5、8~11、14~17、20~22は、400nm、550nm、700nmのそれぞれの波長領域において反射率が12%以下であり、優れた機械的強度を有していた。
この結果より、第1成分と第2成分とを含むセラミックスであり、第1成分が酸化アルミニウムであり、第2成分が、コバルトの酸化物、ニッケルの酸化物および鉄の酸化物であり、第1成分および第2成分の合計の含有量が、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち93質量%以上であり、第1成分および第2成分の合計100質量%のうち、前記第1成分が80質量%以上93質量%以下であり、第2成分が7質量%以上20質量%以下であり、さらに、第2成分の100質量%のうち、コバルトの酸化物換算で2.75質量%以上8.25質量%以下であり、ニッケルの酸化物換算で2.75質量%以上8.25質量%以下であり、鉄の酸化物換算で85.44質量%以上92.56質量%以下であることにより、反射率が低く、優れた機械的強度を有するものであることがわかった。
次に、実施例1における試料No.22をベースに、酸化チタンの含有量の異なる試料を作製し、3点曲げ強度の測定を行なった。
なお、試料No.24については、実施例1における試料No.22と同じ組成であり、試料No.29は、試料No.21の組成+酸化チタンを1.8質量部含む試料である。
そして、試料No.24~29の作製にあたっては、酸化チタン(TiO2)粉末を準備し、焼結されたセラミックスにおいて、第1成分および第2成分の合計100質量部に対して表2に示す含有量となるように秤量した。そして、他の粉末と、バインダと溶媒とを加えてスラリーとし、噴霧造粒装置(スプレードライヤー)で噴霧造粒することによって顆粒を得た後、粉末プレス成形法により所定形状の成形体とした。その後、大気(酸化)雰囲気の焼成炉を用いて、焼成することにより焼結体を得て、得られた焼結体から、JIS R 1601-2008に準拠した試験片を切り出した。そして、各試料について、3点曲げ強度を測定した。
また、各試料につき、鏡面研磨した後、EPMAによる面分析を行ない、No.24がチタンと酸素とが重なる領域を有しておらず、試料No.25~29が、チタンと酸素とが重なる領域を有していることを確認した。
さらに、ICP-AESでの測定によりTiの含有量を求め、TiO2に換算し、Al23、Co34、NiO、Fe23にそれぞれ換算した値を用いることにより、第1成分および第2成分の合計100質量部に対する、チタンの酸化物の含有量(質量部)を算出した。具体的には、(Al23+Co34+NiO+Fe23):TiO2=100:xから求めたxの値が、第1成分および第2成分の合計100質量部に対する、チタンの酸化物の含有量(質量部)である。結果を表2に示す。
Figure 0007242699000002
表2に示す結果から、チタンの酸化物を含み、チタンの酸化物の含有量が、第1成分および第2成分の合計100質量部に対して0.9質量部以上2.7質量部以下であることにより、含んでいないときよりも10MPa以上優れた機械的強度を有することがわかった。
次に、複合物の有無、複合物の平均径の異なる試料を作製し、反射率、機械的強度(3点曲げ強度)の測定を行なった。なお、試料No.30は、実施例2における試料No.29と同じ試料である。試料No.31~35の組成についてのベースは、試料No.29と同じである。
そして、試料No.31~35の作製にあたっては、第2成分である四酸化三コバルト粉末、酸化ニッケル粉末および酸化鉄粉末を秤量した後、これらの第2成分のみで表3に示す平均粒径になるまで混合・粉砕したものを第2成分の原料粉末として用いた。それ以外については、実施例2と同様の方法で試料の作製を行ない、実施例1に記載の方法で反射率および3点曲げ強度を測定した。
また、EPMAを用いて、各試料につき、3000倍の倍率で観察し、面積が1360μm2(横方向の長さが40μm、縦方向の長さが34μm)となる範囲の面分析を行なった。そして、コバルト、ニッケル、鉄および酸素が重なって確認される領域をトレースして黒く塗りつぶした後、画像解析ソフト「A像くん」の粒子解析という手法を適用し、解析条件としては、結晶粒子の明度を「暗」、2値化の方法を「手動」、小図形除去面積を0.002μm、画像の明暗を示す指標であるしきい値を150として、複合物の平均径を求めた。結果を表3に示す。
Figure 0007242699000003
この結果より、コバルト、ニッケル、鉄および酸素が存在する複合物を有し、この複合物の平均径が2.1μm以上2.7μm以下であることにより、優れた機械的強度を有しつつ、さらに低い反射率を有することがわかった。

Claims (3)

  1. 第1成分と第2成分とを含むセラミックスであり、
    前記第1成分が酸化アルミニウムであり、
    前記第2成分が、コバルトの酸化物、ニッケルの酸化物および鉄の酸化物であり、
    前記第1成分および前記第2成分の合計の含有量は、前記セラミックスを構成する全成分100質量%のうち93質量%以上であり、
    前記第1成分および前記第2成分の合計100質量%のうち、前記第1成分が80質量%以上93質量%以下であり、前記第2成分が7質量%以上20質量%以下であり、
    前記第2成分の100質量%のうち、コバルトの酸化物換算で2.75質量%以上8.25質量%以下であり、ニッケルの酸化物換算で2.75質量%以上8.25質量%以下であり、鉄の酸化物換算で85.44質量%以上92.56質量%以下である、黒色セラミックス。
  2. チタンの酸化物を含み、
    該チタンの酸化物の含有量は、前記第1成分および前記第2成分の合計100質量部に対し、0.9質量部以上2.7質量部以下である、請求項1に記載の黒色セラミックス。
  3. 前記コバルト、前記ニッケル、前記鉄および酸素が存在する複合物を有し、該複合物の平均径が、2.1μm以上2.7μm以下である、請求項1または請求項2に記載の黒色セラミックス。
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