JP7267831B2 - 黒色セラミックス - Google Patents

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Description

本開示の黒色セラミックスは、実装基板、露光処理装置用部材、遮光材および熱吸収材等に用いられるものである。
発光素子実装基板として、発光素子モジュール(LED)の光の輪郭をぼやけさせず、輪郭がくっきりとなるように反射率が低い黒色セラミックスが用いられている。また、露光処理装置用部材(露光処理時における被処理物である基板(例えば、ウエハ)の載置台や露光処理領域の壁材等)として、光の反射を抑制して露光精度を向上させるために、黒色セラミックスが用いられている。さらに、光学系装置における光を遮りたい部分や熱を利用した装置において熱の吸収が求められる部分に黒色セラミックスが用いられている。
これまで、黒色を呈するものとするため顔料としては、Co、Cr、NiOなどが用いられてきたが、これらは高価であることから、年々価格を下げることが要求されている黒色セラミックスからなる部材においては、部材製作に占める原材料費率が高いという問題があった。
これに対し、特許文献1には、Alを主成分とし、TiOとFeを総量で2~8重量%含有し、かつTiO/Fe重量比が0.20~0.35であり、MnとCrを含有せず、かさ密度が3.8g/cm以上であり、平均結晶粒径が40~70μmであり、曲げ強さが200MPa以上である、黒色セラミックスが提案されている。
特許第4994092号公報
今般においては、更なる価格低下の要求に応えるため、部材製作に占める原材料費率をさらに下げなければならなかった。そのため、部材製作に占める原材料費率が低いながらも、黒色を呈し、部材に要求される機械的特性を有する黒色セラミックスが求められている。
本開示は、上記要求を満たすべく案出されたものであり、部材製作に占める原材料費率が低いながらも、黒色を呈し、部材に要求される機械的特性を有する黒色セラミックスを提供することを目的とする。
本開示の黒色セラミックスは、Al結晶およびFeAlTiO結晶を含むアルミナ質焼結体であり、該アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、アルミニウムを酸化物換算した値が80質量%以上であり、鉄を酸化物換算した値とチタンを酸化物換算した値の合計が10質量%以上20質量%以下である。また、X線回折において、25.8°以上26.3°以下に現れるFeAlTiOのピーク強度をI、34.8°以上35.3°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたとき、I/Iが0.0125以上0.035以下である。
本開示の発光素子実装基板は、本開示の黒色セラミックスからなる。
本開示の発光素子モジュールは、本開示の発光素子実装基板と、該素子実装基板上に位置する金属層と、該金属層上に位置する素子と、を備える。
本開示の露光装置用部材は、本開示の黒色セラミックスからなる。
本開示の黒色セラミックスは、部材製作に占める原材料費率が低いながらも、黒色を呈し、部材に要求される機械的特性を有する。
本開示の発光素子実装基板および本開示の発光素子モジュールは、発光素子の光の輪郭をぼやけさせず、輪郭がくっきりしているため、表示性能に優れる。
本開示の露光装置用部材は、光の反射を抑制できる。
以下、本開示の黒色セラミックスの実施形態の一例について説明する。なお、本開示の黒色セラミックスは、発光素子実装基板や露光装置用部材などに用いられるものであるが、これに限定されるものではなく、黒色を呈する部材であったり、光の反射の抑制が求められたりする部材に使用可能である。
本開示の黒色セラミックスは、Al結晶およびFeAlTiO結晶を含むアルミナ質焼結体である。そして、このアルミナ質焼結体は、アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、アルミニウムを酸化物換算した値が80質量%以上であり、鉄を酸化物換算した値とチタンを酸化物換算した値の合計が10質量%以上20質量%以下である。さらに、このアルミナ質焼結体は、X線回折(XRD)において、25.8°以上26.3°以下に現れるFeAlTiOのピーク強度をI、34.8°以上35.3°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたとき、I/Iが0.0125以上0.035以下である。
なお、アルミナ質焼結体に含まれる、Al結晶およびFeAlTiO結晶とは、例えば、FeAlTiOにおける酸素の原子数が厳密に5でなければならないというものではなく、XRDにおいて同定された化学式を表したものである。また、アルミニウムを酸化物換算した値とは、AlをAlに換算した値である。また、鉄を酸化物換算した値とは、FeをFeに換算した値である。また、チタンを酸化物換算した値とは、TiをTiOに換算した値である。
上記構成を満たす本開示の黒色セラミックスは、部材製作に占める原材料費率が低いながらも、黒色を呈し、部材に要求される機械的特性を有する。ここで、部材製作に占める原材料費率を低くすることができるのは、主原料であるアルミナ粉末よりも、顔料の粉末の方が安価であり、これを増やしたからである。具体的には、アルミナ質焼結体が、鉄を酸化物換算した値とチタンを酸化物換算した値の合計が10質量%以上含んでいるからである。
また、黒色を呈しつつ、部材に要求される機械的特性を有するのは、上記構成を満たしているからである。なお、ここでいう黒色とは、黒色セラミックスを鏡面加工した部分を測定面としたとき、CIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の値が35以下であり、クロマティクネス指数a*およびb*の値が-1以上1以下のことである。また、部材に要求される機械的特性を有するとは、3点曲げ強度の値で150MPa以上
のことである。
なお、アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、アルミニウムを酸化物換算した値が80質量%未満、および、鉄を酸化物換算した値とチタンを酸化物換算した値の合計が20質量%を超えるときには、部材に要求される機械的特性を有するものとなりにくい。また、鉄を酸化物換算した値とチタンを酸化物換算した値の合計が10質量%未満であるときには、部材製作に占める原材料費率を低くすることができない。
また、鉄を酸化物換算した値とチタンを酸化物換算した値との関係については、鉄を酸化物換算した値に対するチタンを酸化物換算した値(鉄を酸化物換算した値/チタンを酸化物換算した値)で、例えば、10~20であり、鉄を酸化物換算した値の方が大きい。
また、X線回折(XRD)において、25.8°以上26.3°以下に現れるFeAlTiOのピーク強度をI、34.8°以上35.3°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたとき、I/Iが0.0125未満であれば、黒色を呈するものとなりにくい。また、I/Iが0.035を超えるときには、部材に要求される機械的特性を有するものとなりにくい。
また、本開示の黒色セラミックスにおいては、Co、Cr、NiOを含有せずとも黒色を呈することができるものであり、部材製作に占める原材料費率を低くするという観点で含有していないことが好ましいが、含有してはならないというものではない。なお、ここでいう含有していないとは、それぞれの金属元素(Co、Cr、Ni)での含有量において、0.8質量%未満である場合のことを指す。
次に、各成分の含有量については、蛍光X線分析装置(XRF)または高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP-AES)を用いて測定を行なうことにより、各元素の含有量を求め、求められた元素の含有量から各酸化物の含有量に換算することにより求めることができる。具体的には、XRFまたはICP-AESでの測定によりAlの含有量を求め、Alに換算する。そして、FeはFeに、TiはTiOに換算する。また、CoCr、Niの含有量も、XRFまたはICP-AESでの測定により求めることができる。
また、色調については、対象試料につき、算術平均粗さRaが0.03μm以下の鏡面に加工した面を測定面とし、色彩色差計(コニカミノルタ社(製)CM-700dまたはその後継機種)を用い、JIS Z 8722-2000に準拠して、CIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の値、クロマティクネス指数a*およびb*の値を求めればよい。なお、測定条件としては、光源をCIE標準光源D65、照明受光方式を条件a((45-n)〔45-0〕)、測定径を3mmに設定すればよい。
さらに、3点曲げ強度については、JIS R 1601-2008に準拠して求めればよい。
また、本開示の黒色セラミックスは、目視で黒く視認されるものであり、反射率が低く、光の反射が少ない。具体的には、波長領域が550nmにおける反射率が10%以下(下限は、例えば7%)である。また、黒色は、可視光線を遮ることに適しているため、遮光性に優れる。さらに、黒色は、熱エネルギーを吸収しやすいものであることから、熱吸収性に優れる。
そして、反射率の測定方法としては、例えば、分光測色計(コニカミノルタ製 CM-3700A)を用い、光源をCIE標準光源D65、視野角を10°、照明径を3mm×
5mmの条件で測定する。そして、550nmにおける反射率を確認すればよい。
また、黒色セラミックスは、X線回折において、76.2°以上76.7°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたとき、IはIより大きくてもよい。このような構成を満たす黒色セラミックスは、高い機械的特性を有する。
また、黒色セラミックスは、Al結晶の平均結晶粒径が7μm以上13μm以下であってもよい。このような構成を満たす黒色セラミックスは、黒さが増すとともに、機械的特性に優れる。また、Al結晶の粒子が脱落した場合の大きさが大きすぎないため、外辺を含む外形状加工時の歩留まり低下が少ない。
さらに、黒色セラミックスは、Al結晶の平均円形度が0.65以上0.82以下であってもよい。このような構成を満たす黒色セラミックスは、黒さが増すとともに、機械的特性に優れる。
ここで、Al結晶の平均結晶粒径および平均円形度は、以下の方法で算出することができる。
まず、黒色セラミックスを切断し、この切断面を、クロスセクションポリッシャー(CP)を用いて研磨するか、または集束イオンビーム(FIB)を用いて加工することで加工面を得る。そして、この加工面をフッ化水素酸等でケミカルエッチングするか、または1340~1440℃で熱処理することで、観察面を得る。
次に、観察倍率を1500~5000倍で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて、観察面の面分析を行なう。そして、面分析のカラーマッピングにより、アルミニウムの存在が確認され、アルミニウムの存在位置において、酸素が存在し、鉄やチタンが存在していない結晶粒子を、Al結晶とみなす。
そして、SEMを用いて観察面を撮影した画像データからAl結晶をトレーシングペーパにトレースし黒く塗りつぶした後、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製、なお、以降に画像解析ソフト「A像くん」と記した場合、旭化成エンジニアリング(株)製の画像解析ソフトを示すものとする。)の粒子解析という手法を適用して画像解析を行なうことにより、Al結晶の平均結晶粒径と平均円形度を求めることができる。ここで、画像解析ソフト「A像くん」の解析条件としては、結晶粒子の明度を「暗」、2値化の方法を「手動」、小図形除去面積を0.7μm、画像の明暗を示す指標であるしきい値を120以上140以下とすればよい。
黒色セラミックスは、発光素子実装基板として用いることができる。そして、黒色セラミックスからなる発光素子実装基板と、この発光素子実装基板上に位置する金属層と、この金属層上に位置する発光素子と、を備える発光素子モジュールは、発光素子の光の輪郭をぼやけさせず、輪郭がくっきりしているため、表示性能に優れる。
また、黒色セラミックスは、光の反射を抑制できるものであるため、露光装置用部材として好適に用いることができる。さらに、黒色セラミックスは、可視光線を遮ることに適しているため、遮光性に優れる。さらに、黒色セラミックスは、熱エネルギーを吸収しやすいものであることから、熱吸収性に優れる。
次に、本開示の黒色セラミックスの製造方法の一例について説明する。
まず、第1成分(主原料)であるアルミナ(Al)粉末と、第2成分(顔料)である酸化鉄(Fe)粉末および酸化チタン(TiO)粉末とを準備する。
そして、アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、アルミニウムを酸化物換算した値が80質量%以上であり、鉄を酸化物換算した値とチタンを酸化物換算した値の合計が10質量%以上20質量%以下となるように秤量する。なお、酸化鉄粉末としては、例えば、アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、鉄を酸化物換算した値で、10質量%以上18質量%以下となるように秤量する。また、酸化チタン粉末は、アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、チタンを酸化物換算した値で、0.65質量%以上1.2質量%以下となるように秤量する。
また、本開示の黒色セラミックスの作製においては、焼結助剤を用いなくてもよい。焼結助剤を用いる場合としては、例えば、炭酸カルシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、酸化珪素粉末等挙げられる。
次に、秤量された各粉末と、秤量された各粉末の合計100質量部に対し、5質量部以上10質量部以下のバインダと、15質量部以上30質量部以下の水とをミル内に入れて粉砕・混合することで、スラリーを得る。次に、このスラリーを用いてドクターブレード法でシートを形成し、金型プレスまたはレーザー加工によって、上記シートを加工することにより、所望形状となる成形体を得る。また、秤量された各粉末の合計100質量部に対し、分散剤を0.01質量部以上0.5質量部入れてもよい。
また、スラリーを噴霧造粒装置(スプレードライヤー)で噴霧造粒することによって顆粒を得た後、粉末プレス成形法や静水圧プレス成形法(ラバープレス法)により所定形状の成形体としてもよい。
次に、得られた成形体に必要に応じて切削加工を施し、大気(酸化)雰囲気の焼成炉を用いて、焼成することにより焼結体を得る。そして、得られた焼結体に必要に応じて研削加工を施すことにより、黒色セラミックスを得ることができる。なお、研削加工後に、ブラストやハンドラップなどの表面処理を行なってもよい。
また、X線回折において、76.2°以上76.7°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたとき、IはIより大きいものとするには、粉砕・混合後の粉砕粒径を小さくすればよく、具体的には、1.2μm以上2.2μm以下である。
また、Al結晶の平均結晶粒径を7μm以上13μm以下とするには、焼成において維持する最高温度を1460℃以上1510℃以下とすればよい。
さらに、Al結晶の円形度を0.65以上0.82以下とするには、分散剤を用い、具体的には、秤量された各粉末の合計100質量部に対し、ポリカルボン酸アンモニウム塩を0.1質量部以上0.2質量部をスラリーに添加すればよい。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
組成の異なる黒色セラミックスを作製し、色調、3点曲げ強度の測定を行なった。
まず、第1成分(主原料)であるアルミナ(Al)粉末と、第2成分(顔料)である酸化鉄(Fe)粉末および酸化チタン(TiO)粉末とを準備した。実施例
1において、焼結助剤は用いていない。
そして、アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、鉄を酸化物換算した値およびチタンを酸化物換算した値が表1に示す値となり、残部が、不可避不純物を除き、アルミニウムを酸化物換算した値となるように秤量した。なお、表1においては、Fe、TiOと示している。
次に、秤量された各粉末と、秤量された各粉末の合計100質量部に対し、8質量部のバインダと、22質量部の水と、0.06質量部の分散剤とをミル内に入れて、12時間にわたって粉砕・混合することで、スラリーを得た。次に、このスラリーを噴霧造粒装置で噴霧造粒することによって顆粒を得た後、粉末プレス成形法により所定形状の成形体を得た。
次に、大気(酸化)雰囲気の焼成炉を用いて、最高温度1520℃で維持する条件にて焼成することにより各試料となる焼結体を得た。
次に、各試料につき、XRDを用いて測定し、Al結晶およびFeAlTiO結晶が存在していることを確認した。また、25.8°以上26.3°以下に現れるFeAlTiOのピーク強度をI、34.8°以上35.3°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたときのI/Iを表1に示した。
そして、各試料における各成分の含有量については、ICP-AESを用いて、Al、Fe、Tiの測定を行なうことで、各元素の含有量を求め、求められた元素の含有量から各酸化物の含有量に換算することにより求め、FeとTiOの含有量を表1に示した。
次に、各試料につき、算術平均粗さRaが0.03μm以下の鏡面に加工した面を測定面とし、色彩色差計(コニカミノルタ社(製)CM-700d)を用い、JIS Z 8722-2000に準拠して、CIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の値、クロマティクネス指数a*およびb*の値を求めた。なお、測定条件としては、光源をCIE標準光源D65、照明受光方式を条件a((45-n)〔45-0〕)、測定径を3mmに設定して行ない、結果を表1に示した。
また、JIS R 1601-2008に準拠して3点曲げ強度の測定を行ない、結果を表1に示した。
Figure 0007267831000001
試料No.1については、CIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の値が35を超えていた。また、試料No.5については、3点曲げ強度の値が、150MPaに満たなかった。これに対し、試料No.3~5は、CIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の値が35以下であり、クロマティクネス指数a*およびb*
の値が-1以上1以下であり、3点曲げ強度の値で150MPa以上であった。そして、試料No.3~5は、顔料として、Co、Cr、NiOを用いず、顔料の含有量が10質量%を超えるものであることから、部材製作に占める原材料費率が従来よりも低いものであった。
この結果より、Al結晶およびFeAlTiO結晶を含むアルミナ質焼結体であり、このアルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、アルミニウムを酸化物換算した値が80質量%以上であり、鉄を酸化物換算した値とチタンを酸化物換算した値の合計が10質量%以上20質量%以下であり、X線回折において、25.8°以上26.3°以下に現れるFeAlTiOのピーク強度をI、34.8°以上35.3°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたとき、I/Iが0.0125以上0.035以下である黒色セラミックスは、部材製作に占める原材料費率が低いながらも、黒色を呈し、部材に要求される機械的特性を有するものであることがわかった。
次に、実施例1における試料No.3をベースに、ミルにおける粉砕時間の異なる試料を作製し、色調および3点曲げ強度の測定を行なった。
なお、試料No.6は、試料No.3と同じ試料であり、試料No.7は、ミルにおける粉砕時間が異なること以外は、試料No.3と同じものである。
得られた各試料につき、XRDを用いて測定し、34.8°以上35.3°以下に現れるAlのピーク強度をIとし、76.2°以上76.7°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたときのIとIの強度比較結果を表2に示した。また、色調と3点曲げ強度に関して、実施例1と同様の方法で測定を行ない、結果を表2に示した。
Figure 0007267831000002
表2に示す結果から、試料No.6よりも試料No.7の3点曲げ強度の値が高かった。この結果より、X線回折において、34.8°以上35.3°以下に現れるAlのピーク強度をIとし、76.2°以上76.7°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたと
次に、実施例2における試料No.7をベースに、焼成において維持する最高温度の異なる試料を作製し、色調および3点曲げ強度の測定を行なった。なお、試料No.12は、実施例2における試料No.7と同じ試料である。
次に、Alの平均結晶粒径を求めた。No.8~12の黒色セラミックスを切断し、この切断面を、クロスセクションポリッシャー(CP)を用いて研磨し加工面を得た。そして、1390℃で熱処理することで、観察面を得た。
次に、観察倍率を3000倍で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて、観察面の面分析を行なった。そして、面分析のカラーマッピングにより、アルミニウムの存在が確認され、アルミニウムの存在位置において、酸素が存在し、鉄やチタンが存在していない結晶粒子を、Al結晶とみなした。
そして、SEMを用いて観察面を撮影した画像データからAl結晶をトレーシングペーパにトレースし黒く塗りつぶした後、画像解析ソフト「A像くん」の粒子解析を適用して画像解析を行い、Al結晶の平均結晶粒径を求めた。なお、解析条件としては、結晶粒子の明度を「暗」、2値化の方法を「手動」、小図形除去面積を0.7μm、画像の明暗を示す指標であるしきい値を132とした。
結果を表3に示す。
Figure 0007267831000003
試料No.9~11は、試料No.8よりもCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の値が小さく、試料No.12よりも3点曲げ強度の値が大きかった。この結果より、Al結晶の平均結晶粒径が7μm以上13μm以下である黒色セラミックスは、黒さが増すとともに、機械的特性に優れることがわかった。
次に、実施例3における試料No.10をベースに、スラリー作製時に添加する分散剤添加量の異なる試料を作製し、色調および3点曲げ強度の測定を行なった。なお、試料No.13は、実施例3における試料No.10と同じ試料である。
次に、Alの平均円形度を求めた。No.13~17の黒色セラミックスを切断し、この切断面を、クロスセクションポリッシャー(CP)を用いて研磨し加工面を得た。そして、1390℃で熱処理することで、観察面を得た。
次に、観察倍率を3000倍で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて、観察面の面分析を行なった。そして、面分析のカラーマッピングにより、アルミニウムの存在が確認され、アルミニウムの存在位置において、酸素が存在し、鉄やチタンが存在していない結晶粒子を、Al結晶とみなした。
そして、SEMを用いて観察面を撮影した画像データからAl結晶をトレーシングペーパにトレースし黒く塗りつぶした後、画像解析ソフト「A像くん」の粒子解析を適用して画像解析を行い、Al結晶の平均円形度を求めた。なお、解析条件としては、結晶粒子の明度を「暗」、2値化の方法を「手動」、小図形除去面積を0.7μm、画像の明暗を示す指標であるしきい値を132とした。
結果を表4に示す。
Figure 0007267831000004
試料No.14~16は、試料No.17よりもCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*の値が小さく、試料No.13よりも3点曲げ強度の値が大きかった。この結果より、Al結晶の円形度が0.65以上0.82以下である黒色セラミックスは、黒さが増すとともに、機械的特性に優れることがわかった。

Claims (7)

  1. Al結晶およびFeAlTiO結晶を含むアルミナ質焼結体であり、
    該アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、アルミニウムを酸化物換算した値が80質量%以上であり、鉄を酸化物換算した値とチタンを酸化物換算した値の合計が10質量%以上20質量%以下であり、
    X線回折において、25.8°以上26.3°以下に現れるFeAlTiOのピーク強度をI、34.8°以上35.3°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたとき、I/Iが0.0125以上0.035以下であり、
    前記Al 結晶の平均結晶粒径が7μm以上13μm以下である、黒色セラミックス。
  2. Al結晶およびFeAlTiO結晶を含むアルミナ質焼結体であり、
    該アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、アルミニウムを酸化物換算した値が80質量%以上であり、鉄を酸化物換算した値とチタンを酸化物換算した値の合計が10質量%以上20質量%以下であり、
    X線回折において、25.8°以上26.3°以下に現れるFeAlTiOのピーク強度をI、34.8°以上35.3°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたとき、I/Iが0.0125以上0.035以下であり、
    前記Al 結晶の円形度が0.65以上0.82以下である、黒色セラミックス。
  3. Al結晶およびFeAlTiO結晶を含むアルミナ質焼結体であり、
    該アルミナ質焼結体を構成する全成分100質量%のうち、アルミニウムを酸化物換算した値が80質量%以上であり、鉄を酸化物換算した値とチタンを酸化物換算した値の合計が10質量%以上20質量%以下であり、
    X線回折において、25.8°以上26.3°以下に現れるFeAlTiOのピーク強度をI、34.8°以上35.3°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたとき、I/Iが0.0125以上0.035以下であり、
    前記Al 結晶の平均結晶粒径が7μm以上13μm以下であり、
    前記Al 結晶の円形度が0.65以上0.82以下である、黒色セラミックス。
  4. X線回折において、76.2°以上76.7°以下に現れるAlのピーク強度をIとしたとき、IはIより大きい、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の黒色セラミックス。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の黒色セラミックスからなる、発光素子実装基板。
  6. 請求項5に記載の発光素子実装基板と、該発素子実装基板上に位置する金属層と、該金属層上に位置する発光素子と、を備える発光素子モジュール。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の黒色セラミックスからなる、露光処理装置用部材。
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