以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.ゲームシステム
まず、図1(A)~図1(E)を用いて本実施形態のゲームシステムの構成例について説明する。
図1(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1~TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1~TMnはクライアントである。なお、以下では、本実施形態のゲームシステム及びその処理を、主にサーバシステム500により実現する場合を例にとり説明するが、ゲームシステム及びその処理の一部を、端末装置TM1~TMnにより実現してもよい。また、以下では、TM1~TMnの各端末装置を、適宜、端末装置TMと記載する。
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより、例えば、ユーザ端末である端末装置TMによりSNS(Social Networking Service)などを利用するためにサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるオンラインゲームであるソーシャルゲームや家庭用ゲームなどのネットワークゲームのプレイが可能になる。
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
端末装置TM(ユーザ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TMとしては、例えば図1(B)に示す携帯型通信端末(スマートフォン、携帯電話機)、図1(C)に示す携帯型ゲーム装置、図1(D)に示す家庭用ゲーム装置(据え置き型)、或いは図1(E)に示す業務用ゲーム装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TMとして、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型コンピュータなどの情報処理装置を用いてもよい。或いは、端末装置TMとして、ユーザの頭部や腕などの部位に装着されるウェアラブル機器(HMD、ウォッチ型機器等)を用いてもよい。
図2に本実施形態のサーバシステム500(ゲームシステム)の構成例を示す。サーバシステム500は、処理部600、操作部660、記憶部670、通信部696を含む。なお、サーバシステム500の構成は図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。またサーバシステム500の処理部600の各処理は、後述する図3の端末装置TMの処理部100により実現してもよいし、サーバシステム500の処理部600と端末装置TMの処理部100の分散処理により実現してもよい。
処理部600(プロセッサ)は、記憶部670(データベース)に記憶される各種の情報や、プログラムや、操作情報等に基づいて、通信処理、実績処理、特典処理、通知処理、ゲーム処理、表示処理、音処理、サーバに必要な各種の制御処理、或いは管理処理などを行う。
処理部600(処理部100)の各部が行う本実施形態の各処理(各機能)はプロセッサ(ハードウェアを含むプロセッサ)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサと、プログラム等の情報を記憶するメモリーにより実現できる。プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシタ等)で構成することもできる。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。但し、プロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASICによるハードウェア回路であってもよい。またプロセッサは、アナログ信号を処理するアンプ回路やフィルタ回路等を含んでもよい。メモリー(記憶部670、170)は、SRAM、DRAM等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよい。或いはハードディスク装置(HDD)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリーはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、処理部600(処理部100)の各部の処理(機能)が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットでもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
処理部600は、通信処理部602、実績処理部604、特典処理部606、通知処理部608、ゲーム処理部610、管理部612、表示処理部620、音処理部630を含む。上述したように、これらの各部により実行される本実施形態の各処理は、プロセッサ(或いはプロセッサ及びメモリー)により実現できる。
通信処理部602は端末装置TM(TM1~TMn)との通信処理を行う。例えば通信処理部602は、通信部696及びネットワーク510を介して、端末装置TMから情報を受信する処理や端末装置TMに情報を送信する処理を行う。実績処理部604、特典処理部606、通知処理部608は、各々、実績処理、特典処理、通知処理を行う。これらの処理の詳細については後述する。
ゲーム処理部610はユーザがゲームをプレイするための種々のゲーム処理を行う。ゲーム処理は、例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、開始したゲームを進行させる処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理、或いはゲーム成績を演算する処理などである。
ブラウザゲームを例にとれば、ゲーム処理部610は、ユーザ情報をユーザごとに管理することで、ユーザごとにゲームの進行を制御する。ゲーム処理部610は、ゲームサービスを提供するウェブサイトを構成するウェブページを、端末装置TMからの要求に応じて、端末装置TMに表示させる。具体的には端末装置TMが備えるウェブブラウザにより端末装置TMの表示部190にウェブページが表示される。表示されたウェブページのハイパーリンクがユーザにより選択されると、ゲーム処理部610は、ハイパーリンクに対応する新たなHTMLデータを端末装置TMに送信し、端末装置TMでは新たなHTMLデータに基づくウェブページが表示される。このようにゲーム処理部610によって、記憶部670に記憶されるウェブページが、ユーザの操作に応じて端末装置TMに順次に提供されることで、端末装置TMでのユーザの操作に基づきゲームを進行させることが可能になる。
管理部612は、認証処理部614、課金処理部616を含む。認証処理部614はユーザの認証処理を行う。例えば端末装置TMを用いてログインしたユーザの認証処理を行う。この認証処理は、例えばユーザが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。課金処理部616は、種々の課金処理(課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等)を行う。記憶部670の課金情報記憶部676は、課金処理部616の課金処理の対象となる課金情報を記憶する。また管理部612は、サーバの各種の管理処理を行う。例えば、サーバが提供する各種サービスの管理処理や、サーバ管理情報などの各種情報の管理処理を行う。
例えばユーザは、サーバシステム500が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、ユーザは、ソーシャルゲームや家庭用ゲームなどのネットワークゲームのプレイや、ゲーム用サイトでのサービスや、アイテム等のオンライショッピングや、ユーザ間でのメッセージ交換や、フレンドユーザの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理部612は、このようなユーザのアカウント情報の管理処理等も行う。
表示処理部620は、端末装置TMなどの表示部に画像を表示するための処理を行う。例えば当該画像を生成するための画像生成用データ(HTMLデータ等)を生成する。或いは端末装置TMなどの表示部に画像を表示する制御を行ってもよい。音処理部630は、端末装置TMなどの音出力部から音を出力するための処理を行う。例えば、当該音(音声、ゲーム音、効果音)を生成するための音生成用データを生成する。或いは端末装置TMなどの音出力部から音を出力する制御を行ってもよい。ここで、画像を生成するための画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を端末装置TM等において表示するためのデータであり、画像データそのものであってもよいし、端末装置TMが画像を生成するために使用する各種データ(表示画面の設定データ、オブジェクトデータ、HTMLデータ等)であってもよい。音処理部630が生成する音生成用データについても同様である。
操作部660(操作インターフェース)は、システムの管理者(運営者)が種々の情報を入力するためのものである。
記憶部670は各種の情報を記憶する。例えばデータベース形式で各種情報を記憶する。また記憶部670は、処理部600や通信部696などのワーク領域として機能する。記憶部670の機能は、半導体メモリー、HDD、SSD、光ディスク装置などにより実現できる。
記憶部670は、ゲーム情報記憶部672、実績情報記憶部673、特典情報記憶部674、通知情報記憶部175、課金情報記憶部676、ユーザ情報記憶部678を含む。ゲーム情報記憶部672は、ゲームプログラムやゲームデータなどのゲーム情報を記憶する。実績情報記憶部673は、ユーザが達成した実績についての情報を記憶する。特典情報記憶部674は、ユーザに付与される特典についての情報を記憶する。例えばユーザに付与された特典の情報は、ユーザIDに関連づけて特典情報記憶部674に記憶される。通知情報記憶部175は、ユーザに通知する通知情報を記憶する。通知情報は、文字情報(テキスト情報)、画像情報又は音情報などである。課金情報記憶部676は、課金処理部616により行われる課金処理の情報を記憶する。ユーザ情報記憶部678は、ユーザの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えば、前述したユーザのアカウント情報(ユーザID)もユーザ情報として記憶される。課金情報記憶部676に記憶される課金情報は、各ユーザの各アカウント情報(ユーザID)に対応づけられる。
情報記憶媒体680(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD、BD)、HDD、半導体メモリー(ROM)などにより実現できる。
通信部696(通信インターフェース)は、有線や無線のネットワーク510を介して端末装置TM等との通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
図3に本実施形態の端末装置TM(ユーザ端末、クライアント装置、ゲーム装置)の構成例を示す。なお、端末装置TMの構成は図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
端末装置TMは、処理部100、操作部160、撮像部162、記憶部170、表示部190、音出力部192、I/F部194、通信部196を含む。
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作情報やプログラムなどに基づいて、通信処理、実績処理、特典処理、通知処理、ゲーム処理、表示処理、或いは音処理などを行う。処理部100は、前述した図2の処理部600と同様に、プロセッサ、或いはプロセッサ及びメモリーにより実現できる。
処理部100は、通信処理部102、実績処理部104、特典処理部106、通知処理部108、ゲーム処理部110、表示処理部120、音処理部130を含む。通信処理部102はサーバシステム500との通信処理を行う。例えば通信処理部102は、通信部196及びネットワーク510を介して、サーバシステム500から情報を受信する処理やサーバシステム500に情報を送信する処理を行う。実績処理部104、特典処理部106、通知処理部108は、各々、実績処理、特典処理、通知処理を行う。表示処理部120は、表示部190に画像を表示するための処理を行う。例えば端末装置側で画像を生成する場合には、処理部100で行われる種々の処理(アプリケーション処理、ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。サーバ側で画像を生成する場合には、サーバシステムからの画像情報に基づく画像を表示部190に表示する処理を行う。音処理部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音制御を行う。これにより、BGM、効果音、又は音声などが音出力部192から出力されるようになる。なお、本実施形態の通信処理、実績処理、特典処理、通知処理、ゲーム処理、管理処理、表示処理、音処理等は、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現してもよい。
操作部160は、ユーザ(プレーヤ)が、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
撮像部162(カメラ)は、被写体の撮像を行うものであり、CCDやCMOSセンサなどの画像センサと、フォーカスレンズ等により構成される光学系などにより実現される。
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、半導体メモリー、HDD、SSD、光ディスク装置などにより実現できる。記憶部170は、ゲーム情報記憶部172、実績情報記憶部173、特典情報記憶部174、通知情報記憶部175を含む。
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、半導体メモリーなどにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。この情報記憶媒体180に、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶できる。
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
I/F(インターフェース)部194は、携帯型情報記憶媒体195とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。携帯型情報記憶媒体195は、ユーザが各種の情報を保存するためのものであり、電源が非供給になった場合にもこれらの情報の記憶を保持する記憶装置である。携帯型情報記憶媒体195は、ICカード(メモリーカード)、USBメモリー、或いは磁気カードなどにより実現できる。
通信部196(通信インターフェース)は、ネットワーク510を介してサーバシステム500や他の端末装置等の外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
そして本実施形態では図2に示すように、ゲームシステムであるサーバシステム500が、通信処理部602、実績処理部604、特典処理部606を含む。
通信処理部602は、複数の端末装置(TM1~TMn)とネットワーク510を介して通信処理を行う。例えば通信処理部602は、端末装置(TM1~TMn)への情報の送信を通信部696に指示したり、端末装置(TM1~TMn)からの情報の受信を通信部696に指示する。例えば通信処理部602は、端末装置への情報のダウンロード処理や、端末装置からの情報のアップロード処理などを、通信処理として行う。また通信処理部602は、ネットワーク510を介した通信のための各種のプロトコル処理(アプリケーション層の処理)を行う。
実績処理部604は実績に関する種々の処理を行う。例えば実績処理部604(実績処理部104。以下、同様)は、複数の端末装置(TM1~TMn)の各端末装置(TM)のユーザのゲームプレイが所与の達成条件を満たした場合に、実績を達成したと判断する。例えばユーザが端末装置の操作部160を操作してゲームプレイを行う場合に、操作部160の操作情報に基づいて、ユーザのゲームプレイが実績の達成条件を満たしたか否かを判断する。そして達成条件を満たした場合には、ユーザが実績を達成したと判断し、例えば当該実績が達成済みであることをユーザに関連づけて、実績情報記憶部673に記憶する。実績はトロフィーやチャレンジとも呼ばれるものであり、ユーザのゲームプレイの達成対象として、各ゲームに対して用意され、ユーザのゲームのやり込み度や成績評価の指標となるものである。この実績は、例えばゲームにおけるステージクリアやマップクリアなどとは異なるものであり、1つのゲームに対して例えば複数の実績がミッションとして用意される。実績の達成は、実績の解除(アンロック)とも言われ、ユーザにより実績が達成されると、当該実績はユーザの獲得済みの実績になり、ユーザに関連づけて登録される。これにより、各ゲームで達成したユーザの実績を、ユーザや他のユーザ(フォロワー)が閲覧できるようになる。
特典処理部606は、特典に関する種々の処理を行う。例えば特典処理部606(特典処理部106。以下、同様)は、実績を達成したと判断されたユーザに対して、特典を付与する処理を行う。特典は、例えばゲームプレイにおいてユーザを有利(優遇)にするためのものである。例えば特典はユーザに付与される報酬であり、一例としてはゲーム内通貨などの仮想通貨である。また特典は、ユーザのゲームプレイをより有利に進めることを可能にするようなアイテム、キャラクタ等のゲーム要素である。例えば特典は、通常は課金アイテムとして取得されるレアアイテムやレアキャラクタなどである。また特典は、例えばガチャなどと呼ばれる仮想抽選器でのユーザのゲームプレイを有利にするものであってもよい。また特典は、当該特典を獲得することでユーザがプレイ可能になる特別ステージ、特別シナリオ又は特別イベントなどであってもよい。ユーザに特典が付与されると、付与された特典についての情報が、例えばユーザID(ユーザ情報)に関連づけて特典情報記憶部674に記憶される。
そして本実施形態では特典処理部606(特典処理部106)は、実績の達成順番に応じた特典をユーザに対して付与する処理を行う。例えば特典処理部606は、ユーザの実績の達成順番が早い順番であるほど、より価値が高いと評価される特典をユーザに付与する。例えば特典処理部606は、所定の順番までのユーザに対して、第1の価値の特典を付与し、所定の順番よりも後の順番のユーザに対しては、第1の価値よりも低い第2の価値の特典を付与したり、或いは特典を付与しないようにする。具体的には特典処理部606は、実績の達成順番が第1の順番までのユーザに対しては、第1の価値の特典を付与し、第1の順番から、第1の順番よりも後の第2の順番までのユーザに対しては、第1の価値よりも低い第2の価値の特典を付与する。また第2の順番から、第2の順番よりも後の第3の順番までのユーザに対しては、第2の価値よりも低い第3の価値の特典を付与する。なお実績の達成順番が遅いユーザに対して、より価値が高い特典を付与するなどの変形実施も可能である。
例えば特典処理部606は、実績の達成順番が早い順番であるほど、ゲームプレイにおいてユーザをより有利にする特典(より優遇する特典)を付与する。例えば所定の順番までのユーザに対して付与される特典は、所定の順番よりも後の順番のユーザに付与される特典よりも、ゲームプレイにおいてユーザをより有利にする特典になる。ゲームプレイにおいてユーザをより有利にする特典は、例えば当該特典をゲームプレイにおいて使用した場合に、当該特典を使用しない場合に比べて、ゲームのクリアやゲームの進行などのゲーム状況を、より有利に進めることができる特典である。例えば特典処理部606は、実績の達成順番が早い順番であるほど、より高い効果を発揮するアイテムや、より能力の高いキャラクタを、ユーザをより有利にする特典として付与する。アイテムの効果やキャラクタの能力は、ゲーム処理に使用されるゲームパラメータにより設定される。また特典処理部606は、レアアイテムやレアキャラクタの獲得がより容易になるような特典を、ユーザをより有利にする特典として付与してもよい。例えばガチャなどの仮想抽選器におけるレアアイテムやレアキャラクタの抽選確率を高めるような特典をユーザに付与する。なおガチャは、いわゆるボックスガチャであってもよく、この場合には、実績の達成順番が早いユーザに対しては、レアアイテムやレアキャラクタの個数が多いボックス(テーブル)が選ばれるようにし、実績の達成順番が遅いユーザに対しては、レアアイテムやレアキャラクタの個数が少ないボックス(テーブル)が選ばれるようにすればよい。また特典処理部606は、ゲームプレイにおいてユーザをより有利にする特典の付与処理として、ユーザのゲーム進行をより有利にするようなステージやイベントの発生処理を行ってもよい。
また特典処理部606は更に、実績の達成時期が早い時期であるほど、ゲームプレイにおいてユーザをより有利にする特典(より優遇する特典)を付与する。例えば実績の達成順番が早いだけではなく、実績の達成時期が早いほど、ユーザをより有利にする特典を付与する。例えば本実施形態では、1番目に実績を達成したユーザに対しては、ユーザを有利にする高い価値の特典が付与されるが、この1番目に実績を達成したユーザの実績の達成時期が早ければ、ユーザを更に有利にする、より高い価値の特典が付与される。例えばN番目に実績を達成したユーザの達成時期が第1の時期である場合と、N番目に実績を達成したユーザの達成時期が第1の時期よりも遅い第2の時期である場合とでは、第1の時期に達成した場合の方が、ユーザをより有利にする、より高い価値の特典が付与されるようになる。
また本実施形態のゲームシステムは通知処理部608を含む。通知処理部608(通知処理部108。以下、同様)は、実績を達成したユーザ人数の特定情報を含む通知情報の通知処理を行う。例えば通知処理部608は、実績を達成したユーザ人数の特定情報を、文字、画像又は音などによりユーザに通知するための処理を行う。ユーザ人数の特定情報は、実績を達成したユーザの人数そのものであってもよいし、実績を達成したユーザの割合情報(パーセンテージ情報)であってもよい。或いはユーザ人数の特定情報は、実績の達成により特典が付与されるユーザ人数に上限人数(M人)が設定されている場合に、上限人数に対する残り人数の情報であってもよい。また通知情報は、実績を達成したユーザ人数の特定情報以外の種々の情報を含むことができる。例えば通知情報は、実績の達成条件を特定する達成条件特定情報を含んでもよい。通知情報の文字、画像又は音の情報は通知情報記憶部675に記憶される。
また通知処理部608は、端末装置でのユーザのゲーム状況に応じて、通知情報の通知内容又は通知タイミングを変化させる。ゲーム状況は、ユーザのゲームの進行状況、ユーザのゲームプレイの状況、ユーザのゲーム成績の状況、ユーザのゲームレベルの状況、ゲームのマップの状況、或いはユーザがゲームで使用するキャラクタ(ゲーム要素)の状況などである。キャラクタの状況は、キャラクタの行動の状況や環境の状況である。例えば通知処理部608は、ユーザのゲーム進行状況に応じて通知内容や通知タイミングを異ならせる。例えば、ゲーム進行状況が所定の状況であるユーザにだけ、実績を達成したユーザ人数の特定情報(或いは達成条件特定情報)を含む通知情報を通知する。例えばゲームのステージ毎に挑戦可能な実績が設定されている場合には、ステージに設定される実績を達成しているユーザ人数の特定情報を含む通知情報を、そのステージをプレイしているユーザに対して通知する。或いは、ユーザのゲーム状況に応じて、通知情報の通知タイミングを早めたり、遅らせたり、通知の頻度を異ならせてもよい。例えばゲームの進行度合いが速かったり、ゲーム成績が良かったり、或いはゲームレベルが高いユーザに対しては、通知情報の通知タイミングを早めたり、通知の頻度を高くする。
また特典処理部606は、実績の達成順番がM番(Mは2以上の整数)までのユーザに対して、特典を付与する。例えば実績の達成による特典を、先着でM人のユーザに限定して付与する。例えばM+1番で実績を達成したユーザに対しては、特典を付与しないようにする。このようにすれば、ゲームプログラム等のゲーム情報を端末装置にダウンロードして初期ゲームプレイを開始したユーザが、実績の達成を競うためにゲームプレイに没頭するようになり、ユーザのゲームプレイの効果的な動機づけを与えることができる。なお実績の達成を競い合うイベント期間を設定し、イベント期間の開始から終了までの間に実績を達成したユーザに対して特典を付与するようにしてもよい。
また特典処理部606は、M番までのユーザが実績を達成した後に、実績を達成したユーザへの特典の付与処理を開始してもよい。例えば複数のユーザの各ユーザが実績を達成した時点においては特典を付与せずに、実績を達成したユーザ人数が、上限人数(締め切り人数)であるM人に達した後に、実績を達成した複数のユーザに対して特典を付与する。なお、各ユーザが実績を達成した時点で特典を付与してもよい。
また実績処理部604は、M番までのユーザが上記の実績である第1の実績を達成した場合に、第2の実績を出現させる。例えば実績として第2の実績を設定し、第2の実績を達成するためのゲームプレイを許容する。そして実績処理部604は、各端末装置のユーザのゲームプレイが所与の第2の達成条件を満たした場合に、第2の実績を達成したと判断し、特典処理部606は、第2の実績を達成したと判断されたユーザに対して、特典を付与する。このようにすれば、第1の実績の達成人数が上限人数であるM人に達してしまった場合にも、ユーザは第2の実績の達成のためのゲームプレイに挑戦し、第2の実績を達成することで、特典を獲得できるようになる。
また特典処理部606は、第1の実績を達成したユーザについては、第2の実績の達成による特典の付与の禁止処理又は抑制処理を行う。例えば特典の付与の禁止処理として、第1の実績を達成したユーザについては、第2の実績を達成しても特典を付与しないようにしたり、第2の実績の達成のためのゲームプレイを許容しないようにする。また特典の付与の抑制処理(制限処理)として、第1の実績を達成したユーザが、第2の実績を達成したとしても、付与される特典の内容を異ならせる。例えば第1の実績を達成したユーザが第2の実績を達成した場合には、第1の実績を達成していないユーザが第2の実績を達成した場合と比べて、より価値が低い特典を付与する。また第1の実績を達成していないユーザが第2の実績を達成した場合には、第2の実績の達成人数の上限人数が一人分だけ減少するが、第1の実績を達成したユーザが第2の実績を達成した場合には、第2の実績の達成人数の上限人数が減少しないようにする抑制処理を行う。
また実績処理部604は、第2の実績の達成に必要なオブジェクトを出現させる処理を行う。例えばM番までのユーザが第1の実績を達成して、第2の実績を出現させる場合に、第2の実績の達成に必要なオブジェクトについても出現させる。例えばユーザが、このオブジェクトを使用したゲームプレイを行うことで、第2の実績を達成できるようにする。このオブジェクトは、第2の実績の達成のためのヒントになるようなオブジェクトであってもよい。
また実績処理部604は、第1の実績の達成順番に対応する順番で、第2の実績を達成すためのゲームプレイを、ユーザに許可してもよい。例えば第2の実績を出現させた場合に、第2の実績を達成するためのゲームプレイを直ぐにはユーザに許可しないようにする。そして第1の実績の達成順番が早い順番のユーザから順に、第2の実績を達成するためのゲームプレイを許可する。例えば第1の実績の達成順番が早い順番のユーザを優先して、第2の実績を達成するためのゲームプレイを許可する。その後に、第1の実績の達成順番が遅い順番のユーザに、第2の実績を達成するためのゲームプレイを許可する。
また特典処理部606は、第2の実績の達成順番がN番(Nは2以上の整数)までのユーザに対して、特典を付与し、実績処理部604は、第1の実績の達成状況に応じて、第2の実績でのNを設定する。例えば、第2の実績の達成により特典が付与されるユーザ人数の上限人数であるNを可変にして、第1の実績の達成状況に応じてNを変化させる。例えば第1の実績の達成人数が少ない場合には、第2の実績での上限人数であるNも少なくし、第1の実績の達成人数が多い場合には、Nを大きくする。
また実績処理部604は、M番までのユーザが第1の実績を達成するまでの経過時間情報に基づいて、第2の実績でのNを設定してもよい。M番までのユーザが第1の実績を達成するまでの経過時間が長かった場合には、第2の実績でのNを少なくし、経過時間が短かった場合には、第2の実績でのNを大きくする。例えば第1の実績において上限人数であるMに達するまでに長い経過時間がかかった場合には、第2の実績の各ユーザの達成も長い時間がかかると予想されるため、第2の実績での上限人数であるNを少なくする。一方、第1の実績において上限人数であるMに達するまでの経過時間が短かった場合には、第2の実績の各ユーザの達成も短い時間で済むと予想されるため、第2の実績での上限人数であるNを大きくする。
また実績処理部604は、同一期間内においてユーザが達成可能な複数の実績を設定し、複数の実績の中から選択された選択実績をユーザが達成したか否かを判断する。例えば、ある期間内において、ユーザが挑戦可能な複数の実績が用意される。これらの複数の実績の中から、所与の条件に基づき選択された選択実績を、ユーザが達成したか否かが判断される。選択実績は、ゲームシステムが自動的に選択したものであってもよいし、ユーザにより明示的に選択された実績又は黙示的に選択された実績であってもよい。そして選択実績をユーザが達成したと判断された場合に、ユーザに対して特典が付与される。
例えば特典処理部606は、複数の実績の中から選択された第1の選択実績については、第1の選択実績の達成順番がI番(Iは2以上の整数)までのユーザに対して、特典を付与する。一方、複数の実績の中から選択された第2の選択実績については、第2の選択実績の達成順番がJ番(Jは2以上の整数)までのユーザに対して、特典を付与する。例えば第1の選択実績は、先着でI名のユーザが達成可能になっており、第2の選択実績は、先着でJ名のユーザが達成可能になっている。ここでI=Jであってもよいし、I≠Jであってもよい。
或いは特典処理部606は、複数の実績の中から選択されたK個(Kは2以上の整数)の選択実績を達成したユーザに対して、特典を付与する。例えば第1~第P(PはP>Kとなる整数)の実績が用意されており、これらの第1~第Pの実績から選択された第1~第Kの選択実績をユーザが達成したか否かが判断され、達成した場合にユーザに対して特典が付与される。この場合にK個の選択実績を達成したユーザのうち、先着でH人(Hは2以上の整数)のユーザにだけ特典を付与してもよい。
また実績処理部604は、ユーザの実績の達成順番又はユーザの初期ゲームプレイの開始タイミングに基づいて、達成条件を設定し、設定された達成条件が満たされた場合に、実績を達成したと判断する。例えば実績処理部604は、ユーザの実績の達成順番がどのような順番になるかに応じて、達成条件を容易な条件に設定したり、厳しい条件に設定する。例えば達成順番が早い順番になると考えられる場合には、達成条件を容易な条件に設定し、遅い順番になると考えられる場合には、達成条件を厳しい条件に設定する。また実績処理部604は、ユーザの初期ゲームプレイの開始タイミングが早いか遅いかに応じて、達成条件を容易な条件に設定したり、厳しい条件に設定する。例えばユーザの初期ゲームプレイの開始タイミングが早い場合には、達成条件を容易な条件に設定し、開始タイミングが遅い場合には、達成条件を厳しい条件に設定する。初期ゲームプレイの開始タイミングは、例えばゲームプログラム等の端末装置へのダウンロード後や、光ディスク媒体等を用いた端末装置へのゲームプログラム等のインストール後において、例えば最初のゲームプレイの開始タイミングである。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。以下では、ユーザのゲームプレイの達成対象が、Google Play(登録商標)やXBOX(登録商標)などで用いられる実績である場合を例にとり説明を行う。この実績は例えばPlayStation(登録商標)ではトロフィーとも呼ばれる。実績は例えばチャレンジやクエストと呼ばれるものであってもよい。また本実施形態では、実績の解除(アンロック)のことを実績の達成と記載して説明を行う。また以下ではサーバシステム500を、適宜、サーバと記載する。
2.1.実績、特典
ソーシャルゲームや家庭用ゲーム等では、ゲームに対する世間的評価が固まっていない段階では、ユーザがゲームのダウンロードや購入を躊躇してしまうという課題がある。ゲームへの評価は、ネット上の評価サイトなどで例えば星印の個数などを用いてユーザに報知される。このようなサイトで評価が低いゲームは、ダウンロードが無料のゲームであっても、ダウンロード作業等が面倒であるため、ユーザは当該ゲームをプレイすることを躊躇してしまう。一方、評価が非常に高いゲームについては、ユーザは、取り敢えずダウンロードしておくというような行動をとる。例えば発売日に何十万ダウンロードされたというような広告は有効であり、このような広告に誘発されて多くのユーザがゲームのダウンロードを行うようになる。多数のユーザがダウンロードすることで、ダウンロードが無料のゲームであっても、課金等による収益の向上を期待できる。このため、多数のユーザのダウンロードを誘発するようなシステムの工夫が行われる場合もある。
しかしながら、ユーザが単にダウンロードだけを行い、ダウンロードの後に実際のゲームプレイを行わないと、実質的にはそのゲームはあまりプレイされなかったことになる。従って、ダウンロード数が多かったとしても、あまり意味が無く、ゲームシステムの稼働率や収益の向上等を図ることができない。
そこで本実施形態では、ゲームのダウンロードや購入の後に、そのゲームをプレイすることの効果的な動機づけをユーザに与えて、ユーザによるゲームのやり込みを誘発することができるゲームシステムを提供する。このため本実施形態では、ソーシャルゲームや家庭用ゲームなどで用いられている実績のシステムを有効利用する。具体的には、ゲーム内で実績を達成(アンロック)したユーザに対して、例えば先着順で報酬等の特典を付与する。ユーザは、特典が売り切れないうちにゲームをダウンロードしてゲームをプレイするという気持ちになり、ダウンロードや購入をためらう問題を解決できる。例えば本実施形態では、実績の達成順番に応じた特典がユーザに付与される。従って、より価値の高い特典を獲得するために、ユーザは繰り返しゲームプレイを行って、ミッションである実績を達成しようとするため、ゲームプレイの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。
例えば図4(A)では、端末装置TM1のユーザUS1がゲームプログラム等のゲーム情報をダウンロードして、ゲームプレイを開始している。次に端末装置TM2、TM3のユーザUS2、US3がゲーム情報をダウンロードして、ゲームプレイを開始している。このようにして複数のユーザが次々にゲーム情報をダウンロードしてゲームプレイを開始する。
ゲームにはユーザの達成対象である実績が設定されており、実績を達成することで報酬等の特典が付与される。例えば図4(B)では、まずユーザUS2が実績の達成に成功しており、特典SBAがユーザUS2に付与される。次にユーザUS3が実績を達成しており、特典SBBがユーザUS3に付与される。次にユーザUS1が実績を達成しており、特典SBCがユーザUS1に付与される。図4(A)ではユーザUS1、US2、US3の順でダウンロードを行っているが、図4(B)ではユーザUS2、US3、US1の順で実績が達成されている。このようにゲーム情報のダウンロードの順序と実績の達成の順序は一致するとは限らない。
次に図5(A)~図7を用いて実績、特典の具体例について説明する。図5(A)では、ユーザは、ゲームに登場する車PCAを操作して、敵車と競争しながらゲーム空間のコース上で車PCAを走行させる。この車ゲームでは、例えばコースでの周回のラップタイムが、ユーザの達成対象となる実績として設定されている。そして図5(A)では、コースCXでのラップタイムが例えば3分30秒以下となったため、実績ACXを達成したと判断され、その旨を通知する表示が行われている。即ち、この場合の実績ACXの達成条件は、ユーザが車PCAを操作するゲームプレイにおいて、コースCXでのラップタイムが3分30秒以下となるという条件である。そして実績ACXがどのようなミッションなのかについては、例えばユーザには予め伝えられておらず、図5(A)に示すような通知の表示が行われることで、ユーザは、コースCXで達成すべき実績が、ラップタイム3分30秒のクリアであることを知ることができる。
図5(A)に示すようにユーザが実績ACXを達成したため、図5(B)では実績ACXの達成に対する特典として、例えば直管改造マフラーが付与されている。例えば直管改造マフラーが、ユーザの所有する改造パーツのアイテムとしてユーザに関連づけて図2の記憶部670(例えば特典情報記憶部674又はユーザ情報記憶部678)に記憶される。ユーザが、車PCAに対して特典として獲得された直管改造マフラーを装着することで、車PCAの走行性能をアップさせることができ、車ゲームを有利にプレイすることが可能になる。このように直管改造マフラーは、ユーザのゲームプレイを有利にする特典(アイテム)である。
図6ではユーザはキャラクタCH1、CH2、CH3を操作して、敵モンスターCE1、CE2、CE3と戦うRPGでの対戦ゲーム場面の例である。図6ではキャラクタCH1、CH2が連係して敵モンスターCE1に対して特殊攻撃を加える特殊技SPTの発動に成功している。このゲームでは、この特殊技SPTの発動がユーザの達成対象となる実績ACYに設定されており、図6ではこの実績ACYの達成に成功している。即ち、この場合の実績ACYの達成条件は、ユーザがキャラクタCH1、CH2、CH3を操作するゲームプレイにおいて連携の特殊攻撃である特殊技SPTを発動させるという条件である。そして図6では、実績ACYの達成に対する特典として、レアアイテムITRの抽選確率がアップする特典がユーザに付与されている。そしてユーザが、レアアイテムITRを当てるためのガチャなどの仮想抽選器をプレイすると、その抽選確率が例えば大幅にアップしているため、ユーザがレアアイテムITRを獲得できる可能性が高くなる。レアアイテムITRを使用することで、ゲームを優位に進めることができる場合には、この特典はユーザのゲームプレイを有利に設定する特典と言うことができる。
図7は戦国時代のシミュレーションゲームの例であり、ユーザが特定の武将でゲームプレイを行い、例えば騎馬隊及び鉄砲隊の開発に成功したことで、騎馬鉄砲隊の開発に成功している。このゲームでは、騎馬鉄砲隊の開発の成功が、ユーザの達成対象となる実績ACZに設定されており、図7ではこの実績ACZの達成に成功している。即ち、この場合の実績ACZの達成条件は、ユーザが戦国シミュレーションゲームのゲームプレイにおいて騎馬鉄砲隊の開発に成功するという条件である。そして図7では、実績ACZの達成に対する特典として、特別シナリオ追加の特典がユーザに付与されている。即ち、ユーザがこのゲームにおいてプレイ可能なシナリオに対して、実績ACZの達成による特別シナオリが追加登録される。このように実績の達成により付与される特典は、当該特典を獲得することでユーザがプレイ可能になる特別シナリオ、特別ステージ又は特別イベントなどであってもよい。
ユーザが実績を達成すると、達成した実績は、ユーザが獲得した実績として例えば図8に示すように記録されて登録される。図8では、実績ACX1、ACX2、ACX3等がユーザが達成して獲得した実績として登録されている。このように過去に獲得した実績については、例えば実績確認画面などにおいてユーザは確認できる。またネットワークゲームなどでプレイするフォロワーなどの他のユーザも、図8のように各ユーザが獲得した実績を確認できる。
2.2. 実績の達成順番に応じた特典の付与
本実施形態では、実績の達成順番に応じた特典が付与される。例えば図9(A)ではユーザUSA、USB、USCは、そのゲームプレイが、実績ACの達成条件を満たしたため、実績ACを達成(アンロック)したと判断されている。このように実績ACを達成したことにより、ユーザUSA、USB、USCに対して、各々、特典SBH、SBM、SBLが付与されている。
この場合にユーザUSAは、他のユーザUSB、USCに比べて早い達成順番で実績ACを達成している。この場合にはユーザUSAには、ユーザUSB、USCに付与される特典SBM、SBLよりも高い価値の特典SBHが付与される。特典SBH、SBM、SBLが例えばゲーム内通貨等の報酬である場合には、ユーザUSAには、ユーザUSB、USCに付与される報酬よりも高い報酬が付与される。或いはユーザUSAに付与される特典SBHは、ユーザUSB、USCに付与される特典SBM、SBLに比べて、ゲームプレイにおいてユーザUSAをより有利にするアイテム、キャラクタ等の特典となる。
一方、ユーザUSCは、他のユーザUSA、USBに比べて遅い達成順番で実績ACを達成している。この場合にはユーザUSCには、ユーザUSA、USBに付与される特典SBH、SBMよりも低い価値の特典SBLが付与される。特典SBH、SBM、SBLが例えばゲーム内通貨等の報酬である場合には、ユーザUSCには、ユーザUSA、USBに付与される報酬よりも低い報酬が付与される。或いはユーザUSCに付与される特典SBLは、ユーザUSA、USBに付与される特典SBH、SBMに比べると、ゲームプレイにおいてユーザUSCをそれほど有利にしない特典となる。一方、ユーザUSBに付与される特典SBMは、中ぐらいの価値の特典であり、ユーザUSA、USCに付与される特典SBH、SBLの価値の中間の価値の特典である。
図9(B)では、実績ACの獲得により特典が付与されるイベント期間TEVが、その開始タイミングから開始する。このイベント期間TEV中において、ユーザUSA、USB、USCは実績ACを達成しているため、各々、特典SBH、SBM、SBLが付与されている。SBH、SBM、SBLは、各々、高い価値の特典、中ぐらいの価値の特典、低い価値の特典である。そしてイベント期間TEVが終了すると、実績ACを達成しても、ユーザに対して特典は付与されない。
このように本実施形態では、ユーザのゲームプレイが達成条件を満たした場合に、実績を達成したと判断されて、特典が付与される。そして、この場合に本実施形態では、実績の達成順番に応じた特典がユーザに付与され、例えば達成順番が早いほど、より高い価値の特典が付与される。
このようにすれば、複数の端末装置でゲームをプレイする複数のユーザの各ユーザは、なるべく早い達成順番で当該ゲームでの実績を達成して、より高い価値の特典の獲得を目指すようになる。従って、単にゲームを自身の端末装置にダウンロードするだけではなく、他のユーザよりも早い順番で実績を達成するために、ダウンロードしたゲームを、繰り返し、長時間、プレイするようになる。従って、ゲームへのユーザの熱中度や没入度を高めることができる。例えば初期のゲームのダウンロードが無料であっとしても、課金アイテム等による課金を行うことで、収益の向上も図れるようになる。また図5(A)~図7で説明したような実績の達成条件については、例えば初期のゲームの説明においてはユーザに秘匿にしておく。即ち、どのようなゲームプレイを行えば実績を達成できるのかを、ユーザに知らせないようにする。そしてネットの掲示板の情報や口コミなどを媒介として、実績の達成条件の内容を徐々にユーザに浸透させる。このようにすることで、秘匿にされた実績の達成条件の内容を突き止めるという謎解きのような面白味もユーザに与えることができ、ゲームプレイへのユーザの熱中度や没入度を更に向上できる。ユーザは、早い者勝ちで、より高い価値の特典を獲得できるようになるため、例えば図9(B)に示すような限定されたイベント期間TEVを設定することなどにより、ゲームへの熱中度や没入度を更に加速することが可能になる。従って、実績のシステムを有効活用して、ユーザのゲームプレイやゲーム購入の効果的な動機づけを与えることが可能になる。
また本実施形態では、実績の達成順番が早い順番であるほど、ゲームプレイにおいてユーザをより有利にする特典をユーザに付与する。例えば図9(A)、図9(B)では、ユーザUSAは、他のユーザUSB、USCに比べて、より早い達成順番で実績を達成している。この場合には図5(A)、図5(B)を例にとれば、車ゲームにおいてユーザUSAをより有利にするような特典が付与される。例えばユーザUSAが操作する車の走行性能を、より上昇させるような改造品のアイテムが、ユーザUSAに付与されるようになる。図6を例にとれば、ユーザUSAが、RPGのゲームをより有利にプレイ可能にするようなレアアイテムを、より高い確率で取得可能にするような特典が、ユーザUSAに付与される。図7を例にとれば、ユーザUSAが育てる武将が、より強くなるような特殊シナリオを出現させる特典が、ユーザUSAに付与される。
このように、早い達成順番のユーザに対して、そのゲームプレイをより有利にするような特典を付与すれば、ユーザは、自身のゲームプレイがより有利になるように、実績の達成のためのゲームプレイを、繰り返し、長時間に亘って行うようになる。従って、ゲームプレイへのユーザの熱中度や没入度を更に向上でき、ゲームプレイやゲーム購入の効果的な動機づけをユーザに与えることが可能になる。
また本実施形態では、更に、実績の達成時期が早い時期であるほど、ゲームプレイにおいてユーザをより有利にする特典を付与する。例えば図9(A)では、ユーザUSAは、実績ACの達成順番が早いため、高い価値の特典が付与されている。そして、達成順番が早いユーザUSAの実績ACの達成時期が、第1の時期である場合と、第1の時期よりも遅い第2の時期である場合とでは、第1の時期に達成したときのほうが、ユーザUSAを有利にする、より高い価値の特典が、ユーザUSAに付与される。同様にUSBの実績ACの達成時期が、第3の時期である場合と、第3の時期よりも遅い第4の時期である場合とでは、第3の時期に達成したときのほうが、ユーザUSBを有利にする、より高い価値の特典が、ユーザUSBに付与される。ユーザUSCについても同様である。このようにすれば、実績の達成順番のみならず、実績の達成時期についても、ユーザに付与される特典の内容に影響を及ばせることが可能になる。
また本実施形態では、実績を達成したユーザ人数の特定情報を含む通知情報の通知処理を行う。
例えば図10(A)では、実績ACを達成したユーザ人数が325人に達したことを知らせる通知画面が、通知情報として表示されている。この場合に、この325人が、実績達成ユーザ人数の特定情報になる。また実績ACの達成により特典が付与されるのはイベント期間内における先着の1000人に限定されている。そして図10(A)では、実績ACの達成により特典が付与されるユーザ人数の残り人数が1000人-325人=675人であることが通知されている。この残り人数である675人も、実績達成ユーザ人数の特定情報になる。或いは、このような実績達成ユーザ人数の特定情報として、先着1000人のうちの何%が実績を達成したかというような割合情報を通知してもよい。
このような実績達成ユーザ人数の特定情報を通知することで、複数のユーザの各ユーザは、現時点でどれぐらいの人数のユーザが実績を達成しているかを知ることができる。そして本実施形態では実績の達成順番に応じた特典がユーザに付与される。従って、図10(A)に示すように達成人数が徐々に増えて行く様子をユーザに通知することで、より早く実績を達成して、より価値の高い特典を獲得すために、ユーザはゲームを繰り返しプレイするようになる。従って、ゲームをプレイすることの効果的な動機づけをユーザに与えることが可能になる。
そしてこの場合に本実施形態では、端末装置でのユーザのゲーム状況に応じて、通知情報の通知内容又は通知タイミングを変化させてもよい。例えば第1のゲーム状況では、第1の通知内容の通知情報を通知したり、第1のタイミングで通知情報を通知し、第2のゲーム状況では、第2の通知内容の通知情報を通知したり、第2のタイミングで通知情報を通知する。
例えば図10(B)では、ユーザのゲーム状況であるゲーム進行状況は、25個のステージをクリアした状況になっている。このようなゲーム状況の場合には、ユーザは、ステージクリア数が20以上である場合に許可される実績ACAへの挑戦が可能になる。そして、この場合には、当該ユーザに対しては、実績ACAについての実績達成ユーザ人数の特定情報が通知される。例えばユーザのゲームステージのクリア数が更に増加した場合には、ユーザが挑戦可能な実績も変化し、当該ユーザに対しては、そのゲームステージのクリア数において挑戦可能な実績についての実績達成ユーザ人数の特定情報が通知される。このようにユーザのゲーム状況(ゲームステージのクリア数などのゲーム進行状況)に応じて、ユーザに通知される通知情報の通知内容が変化する。或いは、ユーザのゲームプレイの回数、頻度などのゲームプレイの状況に応じて、通知情報の通知内容を変化させてもよい。また例えばユーザのゲーム状況に応じて、通知情報の通知タイミングを早めたり、遅らせる。或いは通知の頻度を多くしたり、少なくする。例えばゲームの進行度合いが速いユーザ、ゲームプレイの回数が多いユーザ、又はゲームプレイの頻度が高いユーザについては、ゲームの進行度合いが遅いユーザ、ゲームプレイの回数が少ないユーザ、又はゲームプレイの頻度が低いユーザに比べて、通知情報の通知タイミングを速くしたり、通知の頻度を高くする。このようにすることで、ゲームの進行度合いが速いユーザ、ゲームプレイの回数が多いユーザ、ゲームプレイの頻度が高いユーザは、より速いタイミングで、或いは、より頻繁なタイミングで、図10(A)に示すような実績達成ユーザ人数の特定情報等の通知情報を受けることになり、実績達成ユーザ人数などの情報を、より有利に把握できるようになる。
また本実施形態では、実績の達成順番がM番までのユーザに対して、特典を付与する。例えば早い者勝ちでM人のユーザに対してまで、実績の達成による特典を付与する。
例えば図11(A)では、実績の達成順番(達成人数)が0番~M番(0人~M人)である場合には、実績を達成したユーザに対して特典が付与される。即ち、先着でM番のユーザに対してまでは、実績を達成することにより特典が付与される。一方、実績の達成順番がM番を越えて、実績の達成人数がM人を越えると、実績の達成による特典の付与は締め切られる。そして達成順番がM番を越えた後に、実績を達成しても特典は付与されない。従って、ユーザは、達成順番がM番に達する前に、実績を達成して特典を獲得しようとして、懸命にゲームをプレイするようになる。従って、特典の付与の締め切り前に特典を獲得すために、ユーザはゲームを繰り返しプレイするようになり、ゲームをプレイすることの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。なお図11(A)のような実績の達成順番がM番までのユーザへの特典を付与は、図9(B)に示すような、実績の達成を競い合うイベント期間TEV内において行うようにしてもよい。
また本実施形態では、M番までのユーザが実績を達成した後に、実績を達成したユーザへの特典の付与処理を開始してもよい。例えば図11(B)では、ユーザUSAが実績を達成し、次にユーザUSBが実績を達成し、次にユーザUSCが実績を達成するというように、複数のユーザUSA、USB、USC・・・が順次に実績を達成している。この場合に、各ユーザが実績を達成したタイミングでは、直ぐには特典を付与しないようにする。そして実績の達成順番がM番に達した後に、図11(B)に示すように、ユーザUSA、USB、USC・・・に対して特典を付与する。例えば先着M人の全ての実績が達成(アンロック)されたことを条件に、これらのM名のユーザに対して特典を付与する。
このようにすれば、複数のユーザの各ユーザは、実績の達成人数がM人に達しないと、自身が達成した実績による特典を得ることができないため、実績の達成のゲームプレイを行うように、他のユーザを誘う行動を採るようになる。これにより、より多くのユーザがこのゲームをプレイするようになり、ゲームシステムの稼働率の向上等を図れる。一例としては、ネット上で仲間を集めて、複数のユーザの集合であるギルドのような同盟を作る。同盟に所属したユーザは、ゲームに設定された実績に挑戦するミッションが与えられる。例えば同盟に所属するユーザが実績を達成すると、同盟に所属しないユーザが実績を達成する場合に比べて、より高い価値の特典を獲得できる。そして、このような同盟を形成して、多くのユーザが実績の達成に挑戦するようになることで、M人の達成人数により早く到達するようになる。そして、M人の達成人数に到達することで、図11(B)に示すように、これらのM人のユーザが実績の達成による特典を獲得できるようになる。
また本実施形態では、M番までのユーザが第1の実績を達成した場合に、第2の実績を出現させる。そして各端末装置のユーザのゲームプレイが第2の達成条件を満たした場合に、第2の実績を達成したと判断し、第2の実績を達成したと判断されたユーザに対して、特典を付与する。
例えば図12(A)では、M番までのユーザが実績AC1(第1の実績)を達成している。これにより実績AC1については、実績の達成による特典の付与は締め切られる。そして、このときに本実施形態では、図12(A)に示すように実績AC2(第2の実績)を出現させる。即ち、各ユーザが実績AC2をプレイ可能になるようにする。そして、ユーザのゲームプレイが実績AC2の達成条件(第2の達成条件)を満たしたと判断されると、当該ユーザに対して実績AC2の達成による特典を付与する。実績AC2については、例えば達成順番がN番までのユーザに対して、特典を付与する。ここで実績AC1での達成人数の上限人数であるNと、実績AC2での達成人数の上限人数であるMは、異なっていてもよいし、同じであってもよい。
このようにすれば、実績AC1の達成人数が上限人数Mに達したとしても、新たな実績AC2が出現することで、各ユーザは、この新たな実績AC2の達成に挑戦することが可能になる。例えばゲームに人気がある場合には、ゲームの配信の開始後に、実績AC1の上限人数Mに直ぐに達してしまう事態が生じるおそれがある。このような事態が生じると、実績AC1の達成の挑戦に遅れたユーザは、特典を獲得できなくなってしまう。この点、図12(A)では、実績AC1の後に実績AC2が新たに出現するため、実績AC1を達成していないユーザであっても、実績AC2に挑戦することで、特典を獲得できるようになる。従って、長期間に亘って、当該ゲームのプレイにユーザを惹きつけることが可能になる。即ち実績AC1による特典の獲得期間に加えて、実績AC2による特典の獲得期間においても、多くのユーザが、特典の獲得を目指してゲームをプレイするようになり、ゲームシステムの稼働率の向上等を図れるようになる。
また本実施形態では、第1の実績を達成したユーザについては、第2の実績の達成による特典の付与の禁止処理又は抑制処理を行ってもよい。
例えば図12(B)ではユーザUSAが実績AC1(第1の実績)を達成しており、実績AC1の達成による特典を獲得している。その後、このユーザUSAが実績AC2(第2の実績)に挑戦しようとした場合に、実績AC2の達成による特典の付与の禁止処理又は抑制処理を行う。例えば、実績AC1を達成したユーザUSAについては、実績AC2を達成しても当該ユーザUSAに特典を付与するのを禁止する処理を行う。或いはユーザUSAによる実績AC2への挑戦自体を禁止する処理を行ってもよい。或いは、実績AC1を達成したユーザUSAにより実績AC2の特典が適正に獲得されるのを抑制する処理を行う。例えば、実績AC1を達成したユーザUSAが実績AC2を達成した場合には、実績AC1を達成していないユーザが実績AC2を達成した場合に比べて、低い価値の特典を付与するようにする。また実績AC1を達成していないユーザが実績AC2を達成した場合には、実績AC2における、特典の獲得可能なユーザの残り人数が一人分だけ減少するが、実績AC1を達成したユーザUSAが実績AC2を達成した場合には、この残り人数を減少させないようにする。例えば実績AC2において特典を獲得できるユーザの人数枠を減少させないようにする。
このようにすれば、例えば実績AC1を達成できなかったユーザが、実績AC2に挑戦する場合に、実績AC2において特典を獲得できるユーザの人数枠が減少してしまうのを防止できる。例えばユーザUSAは、最初の実績AC1を、早い者勝ちの競争に勝利して達成しているため、ゲームプレイのレベルが高いことが想定される。従って、このような上級者のユーザUSAが、実績AC1と同様に実績AC2に挑戦して、その特典を容易に獲得できるようになってしまうと、例えば中級者や初級者のユーザは、実績の達成による特典を、なかなか獲得できなくなってしまう事態が生じる。この点、図12(B)に示すように、実績AC1を達成したユーザUSAについては、実績AC2の達成による特典の付与が禁止又は制限されるため、このような事態の発生を防止できるようになる。そして、実績の達成により特典を獲得するユーザに重複が出来てしまうのを防止又は抑制できる。従って、結果的に、当該ゲームのプレイを楽しむユーザの人数を増やすことができ、ゲームシステムの稼働率の向上等を図れる。
また本実施形態では、第2の実績の達成に必要なオブジェクトを出現させる処理を行う。例えば第1の実績の達成人数が上限人数に到達して、第2の実績を出現させる際に、当該第2の実績の達成に必要なオブジェクトをゲーム空間(仮想空間)に出現(登場)させる。
例えば図13(A)では、ユーザがキャラクタCH1、CH2、CH3を操作し、特殊技を発動するなどしてボスキャラクタを倒すことに成功している。ここでは、例えば特殊技によりボスキャラクタを倒すことが、ユーザの達成対象となる実績AC1(第1の実績)になっている。
そして、このように実績AC1が達成させると、図13(B)に示すように、次の実績AC2(第2の実績)の達成に必要なオブジェクトであるカギOBKが出現する。このカギOBKは、実績AC2の達成用のダンジョンに続く扉のカギである。ユーザは、このカギOBKを獲得し、ゲームのマップ上を探索して、秘密の扉を見つけ、獲得したカギOBKを用いて、この扉を開ける。すると、この扉は、実績AC2を達成するためのダンジョンに続いている。ユーザは、カギOBKを用いて扉を開け、当該ダンジョンを探索する。そして、このダンジョンに設定された実績AC2に挑戦して、実績AC2を達成することで、特典を獲得できるようになる。
このように、実績AC1を達成した場合に、実績AC2の達成に必要なオブジェクトを出現させることで、次の実績AC2へ挑戦するゲームプレイへと、ユーザを効果的に導くことができる。そして、ユーザが実績AC2にも挑戦してゲームプレイを行うことで、結果的に、ユーザのゲームのプレイ時間を長くすることができる。これにより、ゲームシステムの稼働率を向上させたり、アイテム課金等による収益の向上等を図れるようになる。なお実績AC2の達成に必要なオブジェクトは、図13(B)に示すようなカギのオブジェクトには限定されず、第2の実績の達成の挑戦へとユーザを導くような種々の態様のオブジェクトを想定できる。
また本実施形態では、第1の実績の達成順番に対応する順番で、第2の実績を達成すためのゲームプレイを、ユーザに許可する。例えば第1の実績の達成順番が早いほど、第2の実績を達成するためのゲームプレイを、より早いタイミングでユーザに許可するようにする。
例えば図14(A)では、早い達成順番で、ユーザUSAが実績AC1(第1の実績)の達成に成功している。この場合には、実績AC2(第2の実績)を達成するためのゲームプレイについて、より早いタイミングでユーザUSAに許可する。例えばユーザUSAは、実績AC2が出現した後、早いタイミングで実績AC2を達成するためのゲームプレイが許可されて、当該実績AC2の達成による特典の獲得が可能になる。
一方、図14(B)では、遅い達成順番で、ユーザUSCが実績AC1の達成に成功している。この場合には実績AC2を達成するためのゲームプレイについては、より遅いタイミングでユーザUSCに許可する。例えば図14(A)では、ユーザUSAは、実績AC2の出現後、早いタイミングで実績AC2を達成するためのゲームプレイを行っているが、図14(B)では、ユーザUSCは、ユーザUSAよりも遅いタイミングで、実績AC2を達成するためのゲームプレイが許可されている。例えば実績AC2の達成のために、所定のゲーム状況(ゲーム進行状況、ゲーム環境)になる必要があるとする。この場合に、図14(A)のユーザUSAについては、より早いタイミングで、このようなゲーム状況に移行させる。一方、図14(B)のユーザUSCについては、ユーザUSAの場合に比べて、遅いタイミングで、このようなゲーム状況に移行させる。一例として、図13(A)、図13(B)のように実績AC2の達成に必要なオブジェクト(OBK)を出現させる場合には、ユーザUSAのゲームプレイでは、早いタイミングで当該オブジェクトを出現させ、ユーザUSCのゲームプレイでは、ユーザUSAの場合に比べて、遅いタイミングで当該オブジェクトを出現させる。
このようにすれば、実績AC1の達成が早ければ早いほど、ユーザは、実績AC2の達成のためのゲームプレイを早く開始できるようになる。従って、ユーザは、実績AC1を早く達成して実績AC1の達成による特典を獲得すると共に、なるべく早いタイミングで実績AC2の達成のためのゲームプレイを行って、実績AC2の達成による特典の獲得を目指すようになる。従って、ゲームへのユーザの熱中度や没入度を高めることができる。これにより、ユーザはゲームを繰り返しプレイするようになり、ゲームをプレイすることの効果的な動機づけをユーザに与えることが可能になる。
また本実施形態では、第2の実績の達成順番がN番までのユーザに対して、特典を付与し、第1の実績の達成状況に応じて、第2の実績でのNを設定する。即ち第1の実績の達成状況に応じて、第2の実績での達成人数の上限人数であるNを可変に設定する。具体的にはM番までのユーザが第1の実績を達成するまでの経過時間情報に基づいて、第2の実績でのNを設定する。
例えば図15では、実績AC1の達成状況が判断されている。例えば実績AC1の達成人数(達成順番)がM人(M番)に到達するまでの経過時間が、実績AC1の達成状況として判断される。そして、実績AC1の達成人数がM人に到達した後、実績AC2が出現すると、この実績AC2での達成人数の上限人数であるNが、実績AC1の達成状況に基づいて設定される。例えば実績AC1の達成人数がM人に到達するまでの経過時間の長さに応じて、実績AC2でのNが設定される。具体的には実績AC1においてM人に到達するまでの経過時間が長かった場合には、例えばNを小さくする。一方、当該経過時間が短かった、例えばNを大きくする。
実績AC1においてM人に到達するまでの経過時間が長かった場合には、例えば実績AC1の難易度が高かったり、実績AC1に挑戦するユーザ人数が少なかったと考えられる。従って、この場合には次の実績AC2での達成人数の上限人数であるNを小さくする。こうすることで、実績AC2については、実績AC1に比べられるとより短い経過時間で、達成人数がN人に到達するのを期待できるようになる。
一方、実績AC1においてM人に到達するまでの経過時間が短かった場合には、例えば実績AC1の難易度が低かったり、実績AC1に挑戦するユーザ人数が多かったと考えられる。従って、この場合には次の実績AC2での達成人数の上限人数であるNを大きくする。こうすることで、実績AC2の達成人数が、不必要に短い経過時間で、上限人数であるN人に到達してしまうような事態を防止できる。即ち実績AC1での経過時間等の達成状況に基づいて、実績AC2のNを設定することで、実績AC2での上限人数Nを、実績の達成状況に応じた適切な人数に設定できるようになる。なお、実績AC1の達成状況は、このような経過時間には限定されない。例えば単位時間あたりに何人のユーザが達成しているのかを示す達成速度などを、実績AC1の達成状況として用いてもよい。
また本実施形態では、同一期間内においてユーザが達成可能な複数の実績を設定し、複数の実績の中から選択された選択実績をユーザが達成したか否かを判断する。即ち、同一期間において、ユーザが複数の実績の達成に挑戦できるようにする。そして、複数の実績の中から選択された選択実績をユーザが達成したか否かが判断され、達成された場合には、選択実績に対応する特典がユーザに付与される。ここで、複数の実績の中からの選択実績の選択は、ゲームシステムが自動的に行ってもよいし、ユーザの操作情報に基づき選択してもよい。
例えば図16(A)に戦国シミュレーションゲームでの武将選択画面の例を示す。ユーザは、武将選択画面に表示される複数の武将の中から、自身がゲームプレイを行う武将を選択する。そしてユーザが武将WA1を選択すると、図16(B)に示すように、武将WA1に対応づけられた選択実績ACS1がシステムにより選択される。武将WA1を選択してゲームプレイを行うユーザは、この選択実績ACS1を達成することで、特典を獲得できる。例えば武将WA1を選択した場合に、図7に示すような騎馬鉄砲隊の開発が可能になっており、騎馬鉄砲隊の開発が、ユーザの達成対象となる選択実績ACS1になる。そして選択実績ACS1である騎馬鉄砲隊の開発に成功すると、特殊シナリオ追加の特典が付与され、ユーザは、当該特殊シナリオのゲームプレイが可能になる。この特殊シナリオは武将WA1に関連づけられたシナリオである。一方、ユーザが武将WA2を選択すると、図16(B)に示すように、武将WA2に対応づけられた選択実績ACS2がシステムにより選択される。武将WA2を選択してゲームプレイを行うユーザは、この選択実績ACS2を達成することで、特典を獲得できる。
このようにすれば、同一期間において、ユーザが挑戦可能な実績として、複数の実績が設定されるようになり、複数の実績の中から選択された選択実績を達成することで、当該選択実績に対応する特典を獲得できるようになる。従って、複数の実績の中からどの実績が選択実績として選択されたかに応じて、ユーザに付与される特典も様々に異なるようになり、ゲームのバラエティ度の向上等を図れる。
そして本実施形態では、複数の実績の中から選択された第1の選択実績については、第1の選択実績の達成順番がI番までのユーザに対して、特典を付与する。即ち、先着でI番目までのユーザに対して、第1の選択実績を達成することで特典が付与される。一方、複数の実績の中から選択された第2の選択実績については、第2の選択実績の達成順番がJ番までのユーザに対して、特典を付与する。即ち、先着でJ番目までのユーザに対して、第2の選択実績を達成することで、特典が付与される。ここでIとJは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
例えば図16(B)では、選択実績ACS1(第1の選択実績)については、達成順番がI番目までのユーザに対して、当該選択実績ACS1の達成時に特典が付与される。達成順番がI番目になると特典の付与が締め切られる。一方、選択実績ACS2(第2の選択実績)については、達成順番がJ番目までのユーザに対して、当該選択実績ACS2の達成時に特典が付与される。達成順番がJ番目になると特典の付与が締め切られる。
このようにすれば、選択実績に応じて、達成人数の上限人数を様々に設定できるようになる。例えば図16(B)では、選択実績ACS1での達成人数の上限人数であるIの方が、選択実績ACS2での達成人数の上限人数であるJよりも大きくなっている。従って、複数の実績の中からどの実績が選択実績として選択されたかに応じて、達成人数の上限人数を様々に変化させることができる。従って、ゲームのバラエティ度やゲームの戦略性の向上等を図れるようになる。
また本実施形態では、複数の実績の中から選択されたK個の選択実績を達成したユーザに対して、特典を付与するようにしてもよい。例えば複数の実績の中から先着で所定数(K個)の選択実績を達成(アンロック)したユーザに対して特典を付与する。
例えば図17では、ユーザは、複数の実績の中から選択された選択実績ACS1を達成した後、選択実績ACS2を達成し、最後に選択実績ACSKを達成するというように、K個の選択実績ACS1~ACSKを達成している。そして、このようにK個(複数個)の選択実績を達成したことを条件に、ユーザに対して特典が付与される。具体的には、K個の選択実績を達成したユーザに対して先着順で特典を付与する。例えばK個の選択実績の達成順番が、H番(Hは2以上の整数)までのユーザに対して特典を付与する。達成順番がH番に到達すると、特典の付与は締め切りとなり、その後にK個の選択実績を達成しても、特典は付与されない。
このようにすれば、K個の選択実績を達成するようなゲームプレイを、ユーザに促すことが可能になる。これにより、ユーザは、K個の選択実績を達成するまで、ゲームプレイを懸命に行うようになる。従って、ユーザはゲームを繰り返しプレイするようになり、長時間に亘ってゲームをプレイすることの効果的な動機づけをユーザに与えることが可能になる。
また本実施形態では、ユーザの実績の達成順番又はユーザの初期ゲームプレイの開始タイミングに基づいて、達成条件を設定し、設定された達成条件が満たされた場合に、実績を達成したと判断する。例えば、実績の達成条件を、ユーザの実績の達成順番や、ユーザの初期ゲームプレイの開始タイミングに応じて、変化させる。
例えば図18(A)において、実績ACの達成人数が少なく、ユーザの達成順番が早い順番となることが予想される場合には、実績ACの達成条件を容易な条件に設定する。一方、実績ACの達成人数が多く、ユーザの達成順番が遅い順番となることが予想される場合には、実績ACの達成条件を厳しい条件に設定する。例えばユーザが実績ACを達成する毎に、達成順番が順次に増加して行くが、この増加して行く達成順番に応じて達成条件を設定する。即ち、順次に増加して行く達成順番が早い順番である場合は、達成条件を容易な条件に設定し、順次に増加して行く達成順番が遅い順番である場合は、達成条件を厳しい条件に設定する。なお、逆に達成順番が早い順番である場合には、達成条件を厳しい条件に設定し、遅い順番である場合には容易な条件に設定するような変形実施も可能である。また達成条件の設定は、例えば以下のようにして実現できる。例えば難易度に応じて、達成条件をランク分けする。そして達成条件を容易な条件に設定する場合には、難易度が低いランクに属する達成条件を選択する。一方、達成条件を厳しい条件に設定する場合には、難易度が高いランクに属する達成条件を選択すればよい。
このようにユーザの達成順番に応じて達成条件を設定すれば、例えば達成順番が早い場合に達成条件が容易になるように設定することで、なるべく早いタイミングで選択実績を達成することの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。例えば達成条件が容易な条件であるうちに、実績を達成するためのゲームプレイをユーザが行うようになり、ゲームをプレイすることの効果的な動機づけをユーザに与えることが可能になる。
また図18(B)において、ユーザの初期ゲームプレイのタイミングが早い場合には、実績ACの達成条件を容易な条件に設定し、ユーザの初期ゲームプレイのタイミングが遅い場合には、実績ACの達成条件を厳しい条件に設定する。初期ゲームプレイの開始タイミングは、例えばユーザがゲームをダウンロードしたりインストールしてから、当該ゲームを最初にプレイするタイミングである。
このようにユーザの初期ゲームプレイのタイミングに応じて達成条件を設定すれば、ゲームをダウンロードしたりインストールしたユーザが、なるべく容易な達成条件で実績に挑戦するために、より早いタイミングで初期ゲームプレイを開始するようになる。従って、初期ゲームプレイを開始することの効果的な動機づけをユーザに与えることができる。例えば達成条件が容易な条件であるうちに、ユーザが初期ゲームプレイを開始するようになり、ゲームをプレイすることの効果的な動機づけをユーザに与えることが可能になる。
3. 詳細な処理例
次に本実施形態の詳細処理例について図19のフローチャートを用いて説明する。
まず端末装置からのダウンロード要求の監視を行う(ステップS1)。即ちネットワークを介して通信接続される複数の端末装置からのダウンロード要求を監視する。そして、ダウンロード要求をして来た端末装置に対して、ゲームプログラム等のゲーム情報をダウンロードする(ステップS2)。例えば図4(A)に示すように、ダウンロード要求をして来た各端末装置に順次にゲーム情報をダウンロードする。
次に端末装置での初期ゲームプレイの開始を監視する(ステップS3)。即ち、図4(A)のようにゲーム情報をダウンロードした各端末装置のユーザが、初期ゲームプレイを開始したか否かを監視する。また端末装置での実績の達成状況を監視する(ステップS4)。例えば初期ゲームプレイを開始したユーザが、実績の達成に挑戦し、当該実績の達成条件を満たすようなゲームプレイを行ったか否かを監視する。このような初期ゲームプレイの監視結果と実績の達成状況の監視結果に基づいて、実績の達成条件を設定する。そして、ユーザのゲームプレイが、設定された実績の達成条件を満たしたか否かを判断する(ステップS5)。そして、設定された達成条件を満たした場合には、実績の達成順番に応じた特典をユーザに付与する(ステップS6)。例えば図9(A)、図9(B)で説明したように、実績の達成順番が早いほど、より高い価値の特典をユーザに付与する処理を行う。そして、実績の達成順番がM番に達成したか否か(イベント期間が終了したか否か)を判断する(ステップS7)。即ち図11(A)、図11(B)で説明したように、実績の達成人数の上限人数であるMが設定されており、上限人数であるM人に達するまで本実施形態の処理を繰り返し、M人に達した場合に処理を終了する。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、通信処理、実績処理、特典処理、通知処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。