以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.ゲームシステム
まず、図1(A)〜図1(E)を用いて本実施形態のゲームシステムの構成例について説明する。
図1(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1〜TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1〜TMnはクライアントである。なお、以下では、本実施形態のゲームシステム及びその処理を、主にサーバシステム500により実現する場合を例にとり説明するが、ゲームシステム及びその処理の全部又は一部を、端末装置TM1〜TMnにより実現してもよい。また、以下では、TM1〜TMnの各端末装置を、適宜、端末装置TMと記載する。
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。これにより、例えば、プレーヤ端末である端末装置TMによりSNS(Social Networking Service)などを利用するためにサーバシステム500にアクセスし、当該サーバシステム500から提供されるオンラインゲームであるソーシャルゲームなどのプレイが可能になる。
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
端末装置TM(プレーヤ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TMとしては、例えば図1(B)に示す携帯型通信端末(スマートフォン、携帯電話機)、図1(C)に示す携帯型ゲーム装置、図1(D)に示す家庭用ゲーム装置(据え置き型)、或いは図1(E)に示す業務用ゲーム装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TMとして、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型コンピュータなどの情報処理装置を用いてもよい。
図2に本実施形態のサーバシステム500(ゲームシステム)の構成例を示す。サーバシステム500は、処理部600、操作部660、記憶部670、通信部696を含む。なお、サーバシステム500の構成は図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。またサーバシステム500の処理部600の各処理は、後述する図3の端末装置TMの処理部100により実現してもよいし、サーバシステム500の処理部600と端末装置TMの処理部100の分散処理により実現してもよい。
処理部600(プロセッサ)は、記憶部670(データベース)に記憶される各種の情報や、プログラムや、操作情報等に基づいて、ゲーム処理、ゲーム成績演算処理、表示処理、音処理、サーバに必要な各種の制御処理、或いは管理処理などを行う。この処理部600の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
処理部600は、受信処理部602、送信処理部604、ゲーム処理部608、契約処理部610、特典決定処理部612、認証処理部615、課金処理部616、管理処理部618、表示処理部620、音処理部630を含む。なお、これらの構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
受信処理部602は情報の受信処理を行う。例えばネットワーク510を介して端末装置TM等からの情報を受信するための処理を行う。送信処理部604は情報の送信処理を行う。例えばネットワーク510を介して端末装置TM等に対して情報を送信する処理を行う。ここで受信処理は、通信部696に情報の受信を指示したり、通信部696が受信した情報を取得して記憶部670に書き込む処理などである。送信処理は、通信部696に情報の送信を指示したり、送信する情報を通信部696に指示する処理などである。
ゲーム処理部608、契約処理部610、特典決定処理部612の詳細については後述する。
認証処理部615はプレーヤの認証処理を行う。例えば端末装置TMを用いてログインしたプレーヤの認証処理を行う。この認証処理は、例えばプレーヤが入力するパスワードやアカウント情報などに基づいて行う。
課金処理部616は、種々の課金処理(課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等)を行う。記憶部670の課金情報記憶部676は、課金処理部616の課金処理の対象となる課金情報を記憶する。
管理処理部618は、サーバの各種の管理処理を行う。例えば、サーバが提供する各種サービスの管理処理や、サーバ管理情報などの各種情報の管理処理を行う。
例えばプレーヤは、サーバシステム500が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、プレーヤは、ネットワークゲームのプレイや、ゲーム用サイトでのサービスや、アイテム等のオンライショッピングや、プレーヤ間でのメッセージ交換や、フレンドユーザの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理処理部618は、このようなプレーヤのアカウント情報の管理処理等も行う。
表示処理部620は、端末装置TMなどの表示部に画像を表示するための処理を行う。例えば当該画像を生成するための画像生成用データを生成する。或いは端末装置TMなどの表示部に画像を表示する制御を行ってもよい。音処理部630は、端末装置TMなどの音出力部から音を出力するための処理を行う。例えば、当該音(音声、ゲーム音、効果音)を生成するための音生成用データを生成する。或いは端末装置TMなどの音出力部から音を出力する制御を行ってもよい。ここで、画像を生成するための画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を端末装置TM等において表示するためのデータであり、画像データそのものであってもよいし、端末装置TMが画像を生成するために使用する各種データ(表示画面の設定データ、オブジェクトデータ等)であってもよい。音処理部630が生成する音生成用データについても同様である。
操作部660は、システムの管理者(運営者)が種々の情報を入力するためのものである。
記憶部670は各種の情報を記憶する。例えばデータベース形式で各種情報を記憶する。また記憶部670は、処理部600や通信部696などのワーク領域として機能する。記憶部670の機能は、RAM(DRAM、SRAM、VRAM)やSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)などにより実現できる。
記憶部670は、契約情報記憶部672、ゲームパラメータ情報記憶部673、特典情報記憶部674、課金情報記憶部676、ユーザ情報記憶部678を含む。契約情報記憶部672は、契約処理部610の契約処理によって設定される各種の契約情報を記憶する。ゲームパラメータ情報記憶部673は、各種のゲームパラメータについての情報を記憶する。例えばプレーヤ、キャラクタ、又はグループ(チーム、パーティー、デッキ、集団)のゲームパラメータ値の情報等を記憶する。特典情報記憶部674は、契約によってプレーヤに付与される種々の特典の情報を記憶する。この特典情報は、ゲームパラメータに与える効果情報、或いはプレーヤに付与されるアイテム、ゲーム内通貨又は各種ポイント等の報酬の情報を含むことができる。課金情報記憶部676は、課金処理部616により行われる課金処理の情報を記憶する。ユーザ情報記憶部678は、プレーヤの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えば、前述したプレーヤのアカウント情報もユーザ情報として記憶される。課金情報記憶部676に記憶される課金情報は、各プレーヤの各アカウント情報に対応づけられる。
情報記憶媒体680(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、HDD、メモリ(ROM等)、或いは光ディスク(CD、DVD、BD)などにより実現できる。
通信部696は、有線や無線のネットワーク510を介して端末装置TM等との通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
図3に本実施形態の端末装置TM(プレーヤ端末、クライアント装置)の構成例を示す。なお、端末装置TMの構成は図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
端末装置TMは、処理部100、操作部160、撮像部162、記憶部170、表示部190、音出力部192、I/F部194、通信部196を含む。
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作情報やプログラムなどに基づいて、各種サービス提供のための処理、ゲーム処理、ゲーム成績演算処理、表示処理、或いは音処理などを行う。処理部100は、記憶部170をワーク領域として各種処理を行う。この処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
処理部100は、入力受け付け部101、受信処理部102、送信処理部104、ゲーム処理部108、契約処理部110、特典決定処理部112、表示処理部120、音処理部130を含む。
入力受け付け部101は、プレーヤ(ユーザ)からの入力情報(プレーヤの操作)の受け付け処理を行う。例えば操作部160を介して入力された情報の受け付け処理を行う。受信処理部102は、サーバシステム500や他の端末装置等の外部装置からの情報の受信処理を行う。送信処理部104は、サーバシステム500や他の端末装置等の外部装置への情報の送信処理を行う。ゲーム処理部108は各種のゲーム処理を行う。契約処理部110は各種の契約処理を行う。特典決定処理部112は各種の特典決定処理を行う。表示処理部120は、表示部190に画像を表示するための処理を行う。例えば端末装置側で画像を生成する場合には、処理部100で行われる種々の処理(アプリケーション処理、ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。サーバ側で画像を生成する場合には、サーバシステムからの画像情報に基づく画像を表示部190に表示する処理を行う。音処理部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音制御を行う。これにより、BGM、効果音、又は音声などが音出力部192から出力されるようになる。なお、本実施形態のゲーム処理、契約処理、特典決定処理、表示処理等は、サーバシステム500と端末装置TMのいずれか一方の処理により実現してもよいし、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現してもよい。
操作部160は、ユーザ(プレーヤ)が、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
撮像部162(カメラ)は、被写体の撮像を行うものであり、CCDやCMOSセンサなどの画像センサと、フォーカスレンズ等により構成される光学系などにより実現される。
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAMやSSDやHDDなどにより実現できる。
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリ(ROM等)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。この情報記憶媒体180に、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶できる。
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
I/F(インターフェース)部194は、携帯型情報記憶媒体195とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。携帯型情報記憶媒体195は、ユーザが各種の情報を保存するためのものであり、電源が非供給になった場合にもこれらの情報の記憶を保持する記憶装置である。携帯型情報記憶媒体195は、ICカード(メモリーカード)、USBメモリー、或いは磁気カードなどにより実現できる。
通信部196は、ネットワーク510を介してサーバシステム500や他の端末装置等の外部装置との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバシステム(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170)に配信してもよい。このようなサーバシステムによる情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
そして本実施形態では図2に示すように、ゲームシステムであるサーバシステム500(或いは端末装置TM)が、ゲーム処理部608(ゲーム処理部108)、契約処理部610(契約処理部110)を含む。また特典決定処理部612(特典決定処理部112)や表示処理部620(表示処理部120)を含むことができる。
なお以下では、本実施形態のゲームシステムがサーバシステム500により実現される場合を主に例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されず、ゲームシステムを端末装置TMにより実現したり、サーバシステム500と端末装置TMの分散処理により実現してもよい。
ゲーム処理部608(ゲーム処理部108)は各種のゲーム処理を行う。例えばプレーヤが参加するゲームについてのゲーム処理を行う。具体的には、プレーヤがキャラクタを操作して参加するゲームについてのゲーム処理を行う。このゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ゲーム成績を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。例えばゲーム処理部608は、プレーヤがキャラクタを用いてプレイするゲームの処理を行う。キャラクタ(ゲームプレイ要素)は、ゲームに登場して、プレーヤの操作対象となるものであり、例えば人間、魔法使い、魔物、怪物又は乗り物等を模擬した表示物である。このキャラクタの情報(キャラクタの識別情報、画像情報、ステータス情報、属性情報、又は所属情報等)は記憶部670に記憶される。
契約処理部610(契約処理部110)は各種の契約処理を行う。例えばプレーヤがゲームにおいて所与の行動指標(行動指針)に従った行動を行うことについての契約処理を行う。具体的には、プレーヤがキャラクタを操作して、ゲーム進行を区切るステージにおいて、得点(パラメータ値を増やすことも含む)又は勝敗を競うゲームをプレイする場合に、当該ゲームにおいて所与の行動指標に従った行動を行うことについての契約処理を行う。例えばステージは、ゲーム上の進行(ゲーム空間)を時間的(空間的)に区切るゲーム上の単位である。
行動指標は、プレーヤ(プレーヤが操作するキャラクタ)がゲームにおいてどのような指針(信条)に従って行動するかについての指標(基準)となるものであり、例えばゲームにおけるロールプレイング指標となるものである。この行動指標はプレーヤの行動動機を発生するものであり、本実施形態では、このような行動指標(行動動機)を規定する契約を、システム的に認めている。この行動指標としては、ステージ(ゲーム)の攻略を目指す行動指標、自身の強さ等のステータスの向上だけを目指す行動指標、自身を犠牲にして味方を守る行動指標、味方に対して様々な有利な効果を与える行動指標、メインプレーヤの敵に協力する行動指標、又は無差別に相手を攻撃する行動指標などを想定できる。
そしてプレーヤは、複数の契約の中から、自身がゲームにおいて行うことを所望する行動指標を規定した契約を選択する。契約相手は、例えばゲームに登場する架空の人物(例えば後述する教祖)や、魔物又は怪物などである。例えばプレーヤが契約した契約相手に応じて、その契約内容が決定される。この契約には、当該契約の履行によって付与される特典(アチーブメント、報酬、ボーナス)が紐づけられている。そして契約は、例えばいつでも任意に変更可能である。契約処理によって設定された契約情報は、契約を行ったプレーヤに関連づけて契約情報記憶部672に記憶される。この契約情報は、例えば契約ID、契約名、契約効果ID、契約出現条件、契約相手名、契約における累計ポイント、契約のノルマID及び契約ノルマのステータス情報の少なくとも1つを含むことができる。契約処理部610が行う契約処理としては、複数の契約の中から所望の契約をプレーヤに選択させる処理、或いはプレーヤが契約を選択して契約が成立した場合に、その契約情報を契約情報記憶部672に登録する処理などがある。
特典決定処理部612(特典決定処理部112)は、契約処理による契約によってプレーヤに付与される特典の決定処理を行う。例えば特典決定処理部612は、契約の履行度合いを判定する。そして契約の履行度合いの判定結果に基づいて、契約の履行(履行状況、履行度合い)によってプレーヤに付与される特典(報酬等)の決定処理を行う。或いは特典決定処理部612は、契約内容によってプレーヤに付与される特典(効果の付加)の決定処理を行う。
ここで特典は、例えば契約の履行や契約内容によってプレーヤに付与される報酬である。報酬は、例えば契約の履行や契約内容によってプレーヤに付与されるアイテム(武器、防具等の装備品や道具等)、ゲーム内通貨、技、又は各種ポイントなどである。またプレーヤに付与される特典は、各種のゲームパラメータを変化させる効果を発生するものであってもよい。特典決定処理部612によって決定された特典の情報は、当該特典が付与されるプレーヤ(キャラクタ)に関連づけて特典情報記憶部674に登録されて記憶される。特典決定処理部612は、このように登録される特典情報の決定処理を行うことになる。
そして本実施形態では、ゲーム処理部608(ゲーム処理部108)は、プレーヤの契約内容、契約履行度合い、及び契約分布状況の少なくとも1つに応じて、ゲーム処理の内容を変化させる。
ここで契約内容は、例えば契約により規定される行動指標、契約のタイプ・属性、契約相手又は契約の履行条件などである。契約履行度合いは、契約の履行状況がどのような状況にあるかを示すものである。契約履行度合いは、例えば目標となる敵を倒した数、味方を守った数、又はステージや対戦のクリア数などの数値情報で表されるものであってもよいし、契約により規定されるノルマの達成具合などであってもよい。契約分布状況は、複数のプレーヤが結んだ複数の契約の分布の状況を表すものである。この分布は、契約そのものの分布状況であってもよいし、契約のタイプや属性等の分布状況であってもよい。また複数のプレーヤは、例えばプレーヤやその他のプレーヤであり、例えばネットワークゲーム(ソーシャルゲーム等)において同じゲームに参加(ログイン)しているプレーヤである。これらの複数のプレーヤは、直近の所定期間においてネットワークゲームに参加(ログイン)していたプレーヤであってもよい。
またゲーム処理の内容の変化処理は、例えばゲームパラメータの変化処理等により実現できる。ゲームパラメータは、ゲーム処理に使用される各種のパラメータである。このゲームパラメータとしては、例えば対戦処理に使用される対戦処理パラメータ、ネットワークゲームにおけるマッチング処理に使用されるマッチング処理パラメータ、ゲームの難易度を設定するゲーム難易度パラメータ、又はゲーム進行を決めるゲーム進行パラメータなどの種々のパラメータを想定できる。
ここで対戦処理パラメータは、プレーヤ(プレーヤが操作するキャラクタ)の攻撃力、守備力、魔法力、パワー、レベル、経験値、装備力、又は所持品(アイテム等)に関するパラメータなどである。マッチング処理は、ネットワークゲーム(ソーシャルゲーム等)に参加する複数のプレーヤ(ログイン等しているプレーヤ)の中から、同じゲーム(対戦、バトル)に一緒に参加するプレーヤを抽出する処理である。マッチング処理パラメータは、このマッチング処理に使用されるパラメータであり、例えばマッチング率又はマッチング対象等を決めるパラメータである。ゲーム難易度パラメータは、ゲーム(ステージ、対戦)のクリアの難易度を設定するパラメータであり、例えばゲームの制限時間、ゲームに出現する敵の数、又はゲームに出現する敵の強さのパラメータ等である。
例えばゲーム処理部608は、プレーヤについてのゲーム処理の内容を、ゲームに参加する複数のプレーヤの契約内容、契約履行度合い、及び契約分布状況の少なくとも1つに応じて変化させる。ここで複数のプレーヤは、プレーヤを含む複数のプレーヤであってもよいし、プレーヤを含まないの他の複数のプレーヤであってもよい。いずれにせよ、プレーヤのゲーム処理の内容に対して、プレーヤ以外の他のプレーヤが結んだ契約の契約内容、契約履行度合い又は契約分布状況を影響させて、当該ゲーム処理の内容を変化させる。例えば、他のプレーヤがプレーヤの契約と同じ内容や同じタイプ・属性の契約を行っているかに応じて、プレーヤのゲーム処理の内容を変化させたり、他のプレーヤの契約履行度合いが進んでいるか遅れているかに応じて、プレーヤのゲーム処理の内容を変化させる。或いは、プレーヤの契約と同じ内容や同じタイプ・属性の契約を結んでいる他のプレーヤや、プレーヤの契約と違う内容や違うタイプ・属性の契約を結んでいる他のプレーヤの分布状況に応じて、プレーヤのゲーム処理の内容を変化させる。
またゲーム処理部608は、ゲームの対戦処理に使用される対戦処理パラメータ、プレーヤのマッチング処理に使用されるマッチング処理パラメータ、及びゲームの難易度を設定するゲーム難易度パラメータの少なくとも1つを含むゲームパラメータを、契約内容、契約履行度合い、及び契約分布状況の少なくとも1つに応じて変化させることで、ゲーム処理の内容を変化させる。即ち、契約内容、契約履行度合い又は契約分布状況に応じて、ゲーム処理の内容を変化させる処理を、契約内容、契約履行度合い又は契約分布状況に応じて、対戦処理パラメータ、マッチング処理パラメータ、又はゲーム難易度パラメータを変化させることで実現する。
更に具体的にはゲーム処理部608は、契約内容、契約履行度合い、及び契約分布状況の少なくとも1つと、ゲームに参加するプレーヤの人数情報、及びゲームプレイが行われるプレイ時間帯の少なくとも1つとに応じて、ゲームの制限時間、ゲームに出現する敵の数、及びゲームに出現する敵の強さの少なくも1つを設定するゲーム難易度パラメータを変化させる。例えば契約内容、契約履行度合い、又は契約分布状況に加えて、ゲームに参加するプレーヤの人数情報、又はゲームプレイが行われるプレイ時間帯などを反映して、ゲーム難易度パラメータを設定する。
またゲーム処理部608は、ゲームにおけるプレーヤの役割と、プレーヤの契約との組み合わせに応じて、ゲーム処理に使用するゲームパラメータを設定する。例えばプレーヤの役割とプレーヤが結んだ契約との相関度合いに応じて、対戦処理パラメータ、マッチング処理パラメータ又はゲーム難易度パラメータ等を設定する。プレーヤの役割とは、通常のRPG等のゲームにおいて、プレーヤがゲームの開始前に選択するゲームでの役割である。この選択された役割に応じて、例えばプレーヤ(キャラクタ)が繰り出すことができる技やゲームパラメータの基準値などが設定される。そして本実施形態では、このプレーヤの役割とプレーヤが結んだ契約との組み合わせに応じてゲームパラメータを設定するため、プレーヤが選択した役割が同じであっても、プレーヤが結んだ契約が異なれば、ゲームパラメータの設定内容も異なるようになる。
例えば役割は、ゲームのホストとなるプレーヤとしての役割と、ホストの協力者となるプレーヤとしての役割と、ホストの敵対者となるプレーヤとしての役割を含むことができる。ここでホストとなるプレーヤは、メインのゲームプレーヤである。ネットワークゲームを例にとれば、最初にルームを作成したプレーヤ(ルームに入室したプレーヤ)である。例えばゲームのステージ(エリア)の攻略はこのホストのプレーヤのミッションとなる。ホストの協力者となるプレーヤは、例えばホストのプレーヤと協力して敵と対戦等するプレーヤである。ホストの敵対者となるプレーヤは、例えばホストの敵の側になって、ホストのプレーヤ(及び協力者)に対して攻撃等を行うプレーヤである。
この場合にゲーム処理部608は、プレーヤの役割とプレーヤの契約との相関度合いに応じて、ゲームの対戦処理に使用される対戦処理パラメータ、プレーヤのマッチング処理に使用されるマッチング処理パラメータの少なくとも1つを設定する。即ち、プレーヤの役割がホストである場合には、ホストの役割との相関度合いが高い契約をプレーヤが結んでいれば、例えばプレーヤはゲームを有利に進めることができる。同様にプレーヤの役割が協力者、敵対者である場合には、各々、協力者、敵対者の役割との相関度合いが高い契約をプレーヤが結んでいれば、例えばプレーヤはゲームを有利に進めることができる。
また複数のステージについてのステージクリアの態様が所与の解放条件を満たした場合に、所与のステージが解放されるとする。ステージクリアの態様とは、例えばステージ(エリア)のクリアの順番やクリアステージ数などである。ステージクリアの態様が所与の解放条件を満たした場合(例えばステージのクリア順番が所与の順番と一致したり、クリアステージ数が所与のステージ数を超えた場合)、それまでは選択できなかった所与のステージ(隠しステージ等)が出現して、プレーヤは当該ステージを選択してゲームプレイできるようになる。そしてこの場合にゲーム処理部608は、契約内容、契約履行度合い、及び契約分布状況の少なくとも1つに応じて、所与のステージの解放条件を異ならせる。例えばプレーヤがどのような内容の契約を行っているかや、プレーヤがどの程度まで契約を履行しているかや、ゲームに参加する複数のプレーヤの契約分布状況などに応じて、新たに出現するステージの解放条件を異ならせる。
また契約処理部610は、ゲームの途中において、プレーヤの契約変更要求を受け付ける。例えばゲームの各ステージやゲームの各対戦において、プレーヤの契約変更要求を受け付ける。例えばプレーヤが複数のステージの攻略を行っている場合に、ステージ間(例えば第iのステージと次の第jのステージの間)において、プレーヤの契約変更要求を受け付けて、プレーヤの契約変更を許容する。或いは、プレーヤが複数の対戦を行う場合に、対戦間(例えば第pの対戦と次の第qの対戦の間)において、プレーヤの契約変更要求を受け付けて、プレーヤの契約変更を許容する。
またゲーム処理部608は、ゲーム進行に伴う契約履行度合いの変化に応じて、ゲーム処理の内容を変化させる。例えばゲームのステージ又はゲームの対戦における契約履行度合いの変化に応じて、ゲーム処理の内容を変化させる。具体的にはプレーヤのステージのクリアが進むにつれて、契約履行度合いが変化すると、その履行度合いの変化に応じてゲーム処理の内容もリアルタイムに変化させる。或いは、プレーヤの対戦(バトル)のクリア(勝利)が進むにつれて、契約履行度合いが変化すると、その履行度合いの変化に応じてゲーム処理の内容もリアルタイムに変化させる。なお、例えばプレーヤのクリア対象となる複数のステージがある場合に、各ステージを複数の対戦(バトル)により構成することができる。
また特典決定処理部612は、契約履行度合いが高いと判断される場合には、契約履行度合いが低いと判断される場合に比べて、プレーヤに付与される特典を有利にする処理を行う。例えば契約履行度合いが高い場合には、プレーヤに付与する報酬を有利にする処理(例えば報酬を増やしたり、より高い価値の報酬を付与する処理)を行ったり、ゲームパラメータを有利にする処理(例えば攻撃力や防御力を上げたり、ヒットポイントを増加させる処理)を行う。一方、契約履行度合いが低い場合には、プレーヤに付与する報酬を不利にする処理(例えば報酬を減らしたり、より低い価値の報酬を付与する)を行ったり、ゲームパラメータを不利にする処理(例えば攻撃力や防御力を下げたり、ヒットポイントを減少せる処理)を行う。
より具体的には特典決定処理部612は、特典を有利にする処理として、プレーヤのアイテム取得の抽選を有利にする処理を行う。このアイテム取得の抽選を有利にする処理は、抽選でアイテム(レアアイテム)が当たる確率を高くする処理や、或いは例えば所定の確率でアイテムが当たるゲーム内チケットを付与する処理などにより実現できる。
なお以上では、本実施形態のゲーム処理、契約処理、特典決定処理、表示処理等を、図2のサーバシステム500が行う場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、上記に説明した本実施形態のゲーム処理、契約処理、特典決定処理、表示処理等の一部又は全部を図3の端末装置TMが行うようにしてもよい。この場合には、端末装置TM(或いは端末装置とサーバシステムが連携したシステム)が本実施形態のゲームシステムとして機能することになる。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。なお、以下では、本実施形態の手法が適用されるゲームがRPGである場合を主に例にして説明するが、本実施形態はこれに限定されない。例えば本実施形態の手法はRPG以外の種々のゲーム(アクションゲーム、カードゲーム、スポーツゲーム、競争ゲーム、対戦ゲーム、或いは音楽ゲーム等)に適用できる。
2.1 ゲームの概要
まず本実施形態の手法が適用されるゲームの概要について説明する。このゲームは、プレーヤ(プレーヤが操作するキャラクタ)が、様々な試練(冒険、戦闘、探索、難題)を乗り越えて目的を達成するRPGのゲームである。例えばプレーヤは、このRPGの1つのゲームモードとして、複数のエリア(広義にはステージ)の各エリアを、魔物である敵から奪還する奪還モードのゲームをプレイする。
この場合に、各エリア(各ステージ)は、図4(A)に示すように複数のバトルB1〜B5(広義には対戦)により構成される。エリアの奪還を目指すホストのプレーヤは、バトルB1から開始し、バトルB1の敵をせん滅して勝利(クリア)すると、次のバトルB2に移行する。同様にバトルB2の敵をせん滅して勝利すると、次のバトルB3に移行する。このようにしてバトルB1、B2、B3を順次にクリアして、バトルB4の敵をせん滅して勝利すると、ボス戦であるバトルB5に移行する。そしてバトルB5のボス(エリアボス)に勝利すると、当該エリアはクリアとなり、奪還済みエリアになる。
図4(B)は、奪還モードでの奪還対象となる複数のエリアの一例である。プレーヤはエリアA1〜A9の各エリアで、図4(A)で説明した連続したバトルを行う。そして、そのエリアのボスを倒すことで、奪還済みとなったエリアでは、所与の奪還時間(広義には制限時間)の間、ボスが不存在になる。一方、この奪還時間が経過すると、ボスが再び現れ、当該エリアは未奪還エリアに戻る。そして、エリアA1〜A9の全てを攻略(クリア)し、これらのエリアA1〜A9が奪還済みエリアとなっている期間が存在すると、ラストボスのエリアであるエリアA10が出現する。プレーヤが、このエリア10のラストボスに勝利すると、エリアA1〜A9のゲーム難易度が上昇すると共に、ラストボスのエリアA10は非表示になる。プレーヤは、このようにゲーム難易度が上昇した場合に、その状態で、再度、エリアA1〜A9の奪還とラストボスに対する勝利を目指すことになる。
また、図4(B)のエリアA11、A12は、いわゆる隠しエリア(ボーナスエリア)であり、エリアの解放条件が満たされると出現して、プレーヤは当該エリアでのバトルを行うことが可能になる。そして隠しエリアA11、A12のボスを倒して攻略すると、プレーヤは、通常のエリアA1〜A9では獲得できない特別なアイテム(レアアイテム)などを獲得できるようになる。またエリアA13はイベントエリアであり、奪還モードにおいて一定期間イベント常駐する形で出現するエリアである。
この奪還モードでは、プレーヤは、エリア攻略のホストとしての役割、ホストの協力者としての役割、ホストの敵対者としての役割のいずれかを選択できる。ホストHSとして参加するプレーヤは、図4(C)に示すように、当該エリア(ステージ)を構成する複数のバトルB1〜B5の最初のバトルB1から参戦する。一方、協力者や敵対者として参加するプレーヤは、バトルB1〜B5の任意のバトルからの参戦が可能になる。例えば図4(C)では、協力者BT1のプレーヤはバトルB1から参戦し、敵対者ER1のプレーヤはバトルB2から参戦している。また敵対者ER2のプレーヤはバトルB4から参戦し、協力者BT2のプレーヤは、ボスのバトルB5から参戦している。
ホストは、ボスを倒して、奪われたエリアを奪還することを目的としており、エリアを奪還することで報酬を獲得できる。協力者、敵対者は、マルチプレイ時にホストの世界に入り込み、ホストのお手伝いや邪魔をする。図4(C)に示すように、協力者、敵対者は、自身が所望する任意のバトルから侵入できる。そして協力者、敵対者が獲得する報酬は、契約によって異なるようになる。
例えば図4(C)の協力者BT1は、「助っ人の醍醐味は最初から最後までお手伝いすることである」と考えており、ホストHSに対して最初のバトルB1からお供をする。敵対者ER1は、バトルB2ではホストHSの敵(モンスター)の数が多いことに着目し、このバトルB2で敵と一緒に戦ってホストHSを倒すことを目指して、バトルB2から参戦している。敵対者ER2は、ボス戦であるバトルB5の前のバトルB4では、ホストHSが体力等を最も消費していることに着目し、このバトルB4でホストHSを倒すことを目指して、バトルB4から参戦している。協力者BT2は、ボス戦であるバトルB5がホストHSにとって最も重要なバトルであると考えており、最後のバトルB5からホストHSの助っ人として参戦する。なおエリア奪還のゲームにおいて、協力者、敵対者の最大の参加人数は、各々、例えば2人、1人である。図4(C)の敵対者ER2は、敵対者ER1がバトルB4の前に倒されているため、参戦可能になっている。また協力者BT1が倒される前は、1人の協力者だけが新たに参戦できるが、協力者BT1が倒された後は、2人の協力者が参戦可能になる。
このように本実施形態では、マルチプレイゲームに参加する各プレーヤは、自身が所望する任意のバトルから参戦できる。また各バトルからの離脱も自由である。そして参戦される側のプレーヤは、どのタイミングのバトルで、協力者や敵対者が参戦(又は離脱)して来るのかを、当該バトルが開始するまでは知ることができない。従って、いわゆる劇場型の面白味のあるマルチプレイゲームを実現できる。
図5(A)は、役割選択画面の例である。プレーヤは、ゲームでの自身の役割を、図5(A)の役割選択画面で選択する。即ち、ホスト、協力者、敵対者のいずれの役割で参戦するのかを選択する。例えば、プレーヤがホストを選択すると、ネットワークゲームにおけるルームが作成され、他のプレーヤは、協力者又は敵対者のいずれかの役割で、当該ルームに入室することになる。この際に、ルームに入室するプレーヤは、マッチング条件等に基づくマッチング処理により決定される。
図5(B)は、プレーヤがホストとして参加した場合におけるゲーム開始までのフロー図である。まずプレーヤは、奪還を希望するエリアを選択する。例えば図4(B)のエリアA1〜A9のいずれかを選択する。そして、選択したエリアの情報を確認する。次に図5(A)の役割選択画面でホストの役割を選択する。そして、自身の協力者となるプレーヤを選択するチーム編成を行って、ゲームプレイを開始する。
このように本実施形態では、ホストは、ゲーム開始時に所望のプレーヤを協力者として選択でき、選択された協力者は最初のバトルB1から参戦することになる。具体的には、プレーヤがエリアを選択してホストの役割を選択すると、プレーヤの端末装置の表示部に、図6(A)に示すチーム編成画面(協力者選択画面)が表示される。ホストのプレーヤが、このチーム編成画面において「検索」のアイコンにタッチすると、近接無線通信によるマッチング処理が行われ、プレーヤの近くに居る他のプレーヤが検索される。ホストのプレーヤが、このようにして検索された他のプレーヤの中から所望のプレーヤ(最大で2名)を選択すると、選択されたプレーヤは、最初のバトルB1からホストの協力者として参戦することになる。
図5(C)は、プレーヤが協力者、敵対者として参加した場合におけるゲーム開始までのフロー図である。まずプレーヤは、エリアを選択し、選択したエリアの情報を確認する。そして図5(A)の役割選択画面で協力者又は敵対者の役割を選択する。次に、自身が参戦を希望するバトルを選択して、ゲームプレイを開始する。
図6(B)、図6(C)はバトル選択画面の例である。図6(B)では、協力者又は敵対者となるプレーヤは、自身が参戦を希望するバトルとして、全てのバトルB1〜B5を選択している。従って、当該プレーヤは、最初のバトルB1から最後のバトルB5まで、自身が倒されるまで参戦することになる。一方、図6(B)では、協力者又は敵対者となるプレーヤは、自身が参戦を希望するバトルとして、最後のバトルB5だけを選択している。従って、当該プレーヤは、図4(C)の協力者BT2のように、ボス戦である最終のバトルB5だけに参戦することになる。
図7は、図4(A)の各バトルにおける対戦画面の一例である。図7では、協力者BT1、BT2がホストHSの助っ人として参加しており、ホストHSと一緒にモンスターである敵ENに対して攻撃を行う。一方、敵対者ERは、敵側として参戦しており、敵ENと一緒にホストHS、協力者BT1、BT2に対して攻撃を行う。
ホストHS、協力者BT1、BT2、敵対者ER、敵ENの各キャラクタの上方には、ヒットポイントを表すゲージHPと、行動選択可能までの時間を表すゲージAGが表示される。ヒットポイントのゲージHPは、相手から攻撃を受けると減少し、ゲージHPがゼロになると、当該キャラクタは倒されたことになる。行動選択可能までの時間を表すゲージAGは、時間経過と共にその値が増加し、最大値(満杯)になると、当該キャラクタは技(行動)を繰り出すことが可能になる。例えば図7ではホストHSのキャラクタのゲージAGが最大値になっているため、技の繰り出しが可能な状態になっている。そしてホストHSのプレーヤが、所望する技のアイコンW1、W2、W3のいずれかを選択(タッチ)すると、選択された技が敵に対して繰り出される。技が繰り出されるとゲージAGはゼロにリセットされる。
このようにして当該バトルにおいてホスト側が敵側をせん滅すると、ホスト側は当該バトルのクリアに成功して、次のバトルに進むことができる。そして図4(A)の連続するバトルB1〜B4に勝利し、最後のバトルB5のボスを倒すと、当該バトルB1〜B5に対応するエリアが奪還される。そして、所与の奪還時間の間、そのエリアのボスは不存在となり、当該エリアは奪還済みエリアになる。
2.2 契約処理
本実施形態では、ゲームに参加する各プレーヤがその行動指標(行動規範)についての契約を結ぶことができる契約システムを採用している。この契約システムでは、プレーヤがゲームにおいて所与の行動指標に従った行動を行うことについての契約処理が行われる。例えば、特典(報酬、アチーブメント、ボーナス)と紐づけられたプレーヤの行動指標(ロールプレイ指標)が、プレーヤが契約を結ぶことで発生し、プレーヤの持つ行動動機をシステム的に認めるものとなる。契約はいつでも任意に変更可能であり、プレーヤは複数の契約を自由に渡り歩くことも可能である。従って、プレーヤは、その日の気分や気持ちに応じて契約を変更し、その契約に沿った行動指標でゲームをプレイできるようになる。そして、プレーヤが当該行動指標に従った行動を行うと、契約の履行度合い(契約の履行状況)などに応じた種々の特典が、プレーヤに付与されるようになり、従来では実現できなかった体験をプレーヤに提供できる。
具体的には、プレーヤは、図8(A)に示すような選択画面において、契約を結ぶ教祖(広義には契約相手)を選択する。本実施形態では、プレーヤが結ぶ契約を、ゲームの便宜上、血盟と呼ぶ。血盟は、教祖を頂点とする集団に所属して、血盟に対応する行動指標に従った行動を行うことを誓う契約である。プレーヤは、血盟毎に設定された効果を受けることで、エリア等の攻略が容易になったり、契約のノルマを達成することで、特別な報酬を獲得できるようになる。
図8(A)では、契約相手である血盟の教祖として、例えば、冒険者、探求者、覇王、用心棒、歌姫、騎士、盗賊、破壊者、狂人等の教祖L1〜L9の拠点が表示されている。プレーヤは、自身が所望する教祖の拠点をゲーム画面上で選択して訪れる。すると例えば図8(B)に示すような画面が表示され、訪れた教祖と契約を結ぶことで、プレーヤは、その血盟の契約集団に属することになり、血盟の契約に従った行動を行うことを約束することになる。
図9(A)、図9(B)は、血盟の契約処理で設定される契約情報(血盟情報)の例である。図9(A)はマスターとなる契約情報であり、図9(B)はプレーヤ毎に設定される契約情報である。
血盟ID(契約ID)は、血盟(契約)に結びつく固有のIDである。血盟名(契約名)は、血盟の名称である。例えば図8(A)の冒険者、探求者、覇王、用心棒、歌姫、騎士、盗賊、破壊者、狂人等の名称である。血盟効果ID(契約効果ID)は、各血盟に関連した血盟効果(契約効果)の指定を行うためのIDである。この血盟効果IDには、例えば血盟効果を説明するテキスト情報が関連づけられる。血盟出現条件(契約出現条件)は、対象となる血盟を出現させるためのステージID(エリアID)等を指定するものである。指定したステージ(エリア)等をクリアしている場合に、当該血盟(契約)を出現させる。血盟教祖名(契約相手名)は、血盟の集団の教祖の名称である。
累計ポイント(契約履行度合いの指標ポイント)は、各血盟に対するプレーヤの貢献度(契約履行度合い)を評価するためのポイントである。具体的には、契約のノルマに対する集計ポイントやランキングポイントなどであり、契約を行った各プレーヤに対応づけられて記憶される。血盟ノルマID(契約ノルマID)は、例えば相手を倒した数等が契約(血盟)のノルマとして指定される場合に、ノルマ達成の進捗状態を指定するIDである。血盟ノルマステータス情報(契約ノルマステータス情報)は、血盟ノルマIDに対して、当該ノルマのステータスを表すフラグである。なお図9(A)、図9(B)以外にも、契約情報として、契約の報酬内容を規定する契約報酬情報(血盟報酬情報)などが用意される。
図9(C)は、血盟のタイプの分類(契約のタイプの分類)の例を示す図である。例えば冒険者、探求者、覇王の血盟は、図4(A)〜図7で説明したホストの役割との相関性(親和性)が高いため、ホストタイプとして分類される。用心棒、歌姫、騎士の血盟は、協力者の役割との相関性(親和性)が高いため、協力者タイプとして分類される。盗賊、破壊者、狂人の血盟は、敵対者の役割との相関性(親和性)が高いため、敵対者タイプとして分類される。これらのタイプの分類は、例えば後述する契約分布状況(血盟分布状況)の判断の際などに利用される。
次に各血盟の契約を結ぶことによる効果(ゲームパラメータの変化等)や報酬などの特典の詳細について、図10〜図13を用いて説明する。
図10の冒険者は、奪還モードのプレイを開始した場合に最初に所属するデフォルトの血盟である。ゲームの初期時からホストのプレーヤがメインに選択するものであり、エリアのクリアを目的とする血盟である。
図10に示すように、プレーヤが図4(A)〜図7で説明したホストの役割を選択し、冒険者の契約を結ぶと、用心棒のプレーヤとのマッチング率(広義にはマッチング処理パラメータ)が上昇するという効果が発生する。
例えば本実施形態では、図4(C)のバトル間やバトル中においてバトルの参加プレーヤの欠員等を補充するマッチング処理が行われる。前述したように各バトルでは、ホストのプレーヤと、最大人数で2人の協力者のプレーヤと、最大人数で1人の敵対者のプレーヤと、1又は複数の敵(モンスター)が参戦する。従って、図4(C)のバトルB1において、協力者の数が最大人数=2人に達していなかった場合に、協力者BT1はマッチング処理の対象となる。具体的には、ネットワークゲームに参加するプレーヤのうち、図6(B)、図6(C)のバトル選択画面においてバトルB1を選択したプレーヤが、マッチング処理の対象となる。そして、これらのプレーヤの中からマッチング処理により抽出されたプレーヤが、バトルB1に参戦することになる。
そして図4(C)でホストHSが冒険者の契約を結んでいる場合には、バトルB1でのマッチング処理においては、用心棒の契約を結んでいるプレーヤのマッチング率(マッチングにより抽出される確率)が高い値に設定され、マッチング処理により抽出され易くなる。用心棒はホストである冒険者を助ける役目であるため、用心棒が抽出され易くなるようにする。
また図10の探求者は、ゲームの序盤より選択可能であり、奪還モードの進行を促す血盟であり、冒険者の上位の血盟である。例えばゲームのルールを大まかに覚えた状態のプレーヤが、奪還モードのクリアを目的として選択する血盟である。
図10に示すように、プレーヤがホスト又は役割を選択し、探求者の契約を結んでいる場合には、未奪還エリアのバトルにおいて、プレーヤ(キャラクタ)の攻撃力(広義には対戦処理パラメータ)がアップする。即ち、探求者は、未奪還エリアにおいてエリアのボスを倒し、当該エリアを奪還することを目的とする血盟であるため、未奪還エリアにホスト又は協力者の役目で参加した際に、その攻撃力をアップして、エリアの奪還が容易になるようにする。
覇王は、ゲームの初期時から選択可能であり、自身の強さのみを追求する血盟である。ストーリーの進行とは無関係に、ホストのプレーヤとして自身の強さのみで対戦相手を倒すことを目的とする血盟である。強さ(対戦処理パラメータ、技、スキル)の追求を好むプレーヤが、ゲームの初期時から覇王を選択して、強さの追求を楽しむことを想定している。
図10に示すように、プレーヤがホストの役割を選択し、覇王の契約を結んでいると、協力者の救援要請は不可となり、チーム編成時においても協力者の選択は不可となる。即ち本実施形態では、バトル間やバトル中において、協力者の救援要請の操作をホストのプレーヤが行うと、協力者となるプレーヤについてのマッチング処理が行われるが、覇王では、この救援要請は不可となる。また図6(A)で説明したようにホストのプレーヤは、エリアの攻略開始時に、最大人数で2人の協力者を選択してチームを編成できるが、覇王では、このようなチーム編成時の協力者の選択は不可になる。またプレーヤが協力者の役割を選択し、覇王の契約を結んでいると、例えばゲーム画面上において覇王のオーラのエフェクトが付与される。
更に、覇王の契約を結んだ場合には、上記のような効果の付加(ゲームパラメータの変化)に加えて、覇王のランキングの階級(契約の履行度合い)に応じた報酬がプレーヤに付与される。例えば覇王の契約を結んだ場合には、ホスト又は協力者の役割時に、敵や敵対者を倒した数に応じたポイントがプレーヤに付与される。そして、ネットワークゲームに参加するプレーヤについて、覇王の取得ポイントのランキングが作成され、ランキングの階級(順位等)に応じた報酬(アイテム、ゲーム内通貨等)がプレーヤに付与されるようになる。
また図11の用心棒は、ゲームの序盤から選択可能であり、冒険者を守る事を促す血盟であり、協力者として協力プレイを行うことを目的とする血盟である。そして協力者の役割時に、冒険者とのマッチング率が上昇する。また用心棒に対しては、ホストにエリアをクリアさせた回数に応じた報酬が付与される。
歌姫は、ゲームの終盤から選択可能であり、協力者系の中でも特殊なプレイを促す血盟である。例えば歌姫が居るだけで味方への追加効果が発生する。具体的には協力者の役割時に、所定時間毎に味方に対してバフ効果(味方に有益な効果)を与える。一方、バトル参加時に、ヒットポイント、防御力は、基準値から大幅に減少する。そして歌姫に対しては、歌姫のランキングの階級に応じた報酬が付与される。
騎士は、ゲームの終盤から選択可能になり、味方が受けるダメージを肩代わりする血盟である。具体的には協力者の役割時に、味方が受ける全てのダメージを肩代わりする。また他の協力者が騎士である場合、マッチング処理の対象から外れる。即ち、最大人数で2人の協力者のうち、騎士として参加できるのは1人だけである。また騎士に対しては、騎士のランキングに応じた報酬が付与される。
図12の盗賊は、ゲームの序盤から選択可能であり、敵(モンスター)にまみれてホストに対する壁となる敵対者系の血盟である。例えば敵対者の役割時に、敵の数に応じて防御力がアップし、ホストの攻撃に対抗する。ホストにより敵が撃破されると、敵の数の減少に応じて防御力がダウンする。そして盗賊に対しては、ホストを倒した回数に応じた報酬が付与される。
破壊者は、ゲームの中盤から選択可能であり、敵(モンスター)にまみれてホストに対する壁となる敵対者系の血盟である。例えば敵対者の役割時に、ホスト、敵等を問わずに、相手を倒した数に応じて攻撃力がアップし、敵とは別の第三勢力として出現する。そして破壊者に対しては、破壊者のランキングの階級に応じた報酬が付与される。
狂人は、ゲームの終盤から選択可能であり、自身のみでホスト、協力者等の討伐を促す血盟である。例えば敵対者の役割時に、時間経過に伴い自分自身が毒によりダメージを受けるが、相手に与えるダメージ値も時間経過に伴いアップする。また敵を吹き飛ばして登場し、狂人のオーラのエフェクトが付与される。そして狂人に対しては、狂人のランキングの階級に応じた報酬が付与される。
図13は、各血盟(各契約)が、特典(報酬)として取得するポイントをまとめたものである。この取得ポイントは、契約の履行度合いを表すポイントとなる。
図13に示すように覇王は、ホスト、協力者の役割時に、敵(モンスター)や敵対者の討伐数に応じたポイントを取得する。用心棒は、ホストにエリアをクリアさせた回数に応じたポイントを取得する。歌姫は、生き残ったバトル数に応じた応じたポイントを取得する。騎士は、協力者の役割時に、肩代わりして受けたダメージ値に応じたポイントを取得する。盗賊は、ホストを倒した回数に応じたポイントを取得する。破壊者は、協力者の役割時に、ホストを倒して生還するとポイントを取得する。狂人は、敵対者の役割時に、ホスト又は協力者を討伐して生還した回数に応じたポイントを取得する。
以上に説明した本実施形態の契約システムによれば、プレーヤは、各契約(各血盟)の行動指標に沿って行動することで、様々な精神的、物理的な衝突が生まれる。そして、それを乗り越えられるか、乗り越えられないかが、大きな山場となり、その課程そのものがゲームの楽しみとなる。このため、プレーヤは、毎回違う展開を楽しみにして、繰り返しゲームを行うようになる。そして、それぞれの契約(血盟)に応じて、バトルの流れが異なるようになり、ゲーム成果の蓄積の効率も異なるようになる。プレーヤは、蓄積の効率や、生き方を考えて、行動指標を選択して行動することで、その行動指標に従った役割を演じる楽しさが生まれる。この結果、プレーヤ同士がゲームを通じて、いわゆる「ごっこ遊び」をするかのような楽しさを味わえるようになる。
2.3 ゲーム処理内容の変化処理
以上のように本実施形態では、プレーヤがゲームにおいて所与の行動指標に従った行動を行うことについての契約処理が行われる。また契約(契約の履行、契約内容)によってプレーヤに付与される特典の決定処理が行われる。
そして本実施形態では図14(A)に示すように、プレーヤの契約内容、契約履行度合い又は契約分布状況に応じて、ゲーム処理の内容を変化させる。例えば図14(B)に示すように、プレーヤについてのゲーム処理の内容を、ゲームに参加する複数のプレーヤの契約内容、契約履行度合い又は契約分布状況に応じて変化させる。ここでゲームに参加する複数のプレーヤは、例えばネットワークゲームである当該ゲームに参加(ログイン)している複数のプレーヤであり、ゲーム処理の内容が変化するプレーヤ以外の他のプレーヤを含む。即ち、プレーヤのゲーム処理に対して、他のプレーヤについての契約内容、契約履行度合い又は契約分布状況を反映させて、プレーヤのゲーム処理の内容を変化させる。
ここで契約内容は、例えば図9(A)、図9(B)の契約情報(血盟情報)等により規定される内容等である。別の言い方をすれば、契約内容は、図10〜図13で説明した血盟の契約での行動指標となるものである。例えば冒険者、探求者の行動指標は、主にホストとしてプレイして、エリア(ステージ)をクリアすることである。覇王の行動指標は、主にホストとしてプレイして、自身の強さを追求し、自身の強さで対戦相手を倒すことである。用心棒の行動指標は、主にホストの協力者としてプレイして、冒険者等のホストに協力して守ることである。歌姫の行動指標は、主にホストの協力者としてプレイして、味方にバフ効果を与えることである。騎士の行動指標は、主にホストの協力者としてプレイして、味方の身代わりになってダメージを受けることである。盗賊、破壊者の行動指標は、主にホストの敵対者としてプレイして、敵にまみれてホストからの攻撃等に対する壁になることである。狂人の行動指標は、主にホストの敵対者としてプレイして、自身のみでホスト、協力者等の討伐を行うことである。
契約履行度合いは、図13の取得ポイント等によって表されるものである。例えば覇王では、敵や敵対者の討伐数が多くなるにつれて、契約履行度合いが高くなる。用心棒では、ホストにエリアをクリアした回数が多くなるにつれて、契約履行度合いが高くなる。歌姫では、生き残ったバトル数が多くなるにつれて、騎士では、肩代わりして受けたダメージ値が大きくなるにつれて、それぞれ契約履行度合いが高くなる。盗賊では、ホストを倒した回数が多くなるにつれて、破壊者では、ホストを倒して生還した回数が多くなるにつれて、狂人では、ホスト又は協力者を討伐して生還した回数が多くなるにつれて、それぞれ契約履行度合いが高くなる。
契約分布状況は、各プレーヤがどのような契約を行っているかについての契約分布の状況を表すものである。この契約分布は、契約自体の分布であってもよいし、契約が属するタイプや属性等の分布であってもよい。契約分布状況については、後述の図17(A)〜図17(C)で詳細に説明する。
またゲーム処理の内容の変化処理は、ゲーム処理に使用されるゲームパラメータの変化処理などにより実現できる。例えば図14(C)に、ゲーム処理に使用されるゲームパラメータの例を示す。
対戦処理パラメータは、対戦処理に使用されるパラメータであり、例えばプレーヤ(キャラクタ)の守備力、防御力、ダメージ値、魔法力、装備レベル又はヒットポイント等のパラメータである。このパラメータは、対戦に登場するキャラクタのステータスパラメータでもある。図7で説明した対戦処理(バトル)においては、この対戦処理パラメータを用いて、キャラクタ間の対戦処理を行う。例えば第1のキャラクタが第2のキャラクタに攻撃を行った場合に、第1のキャラクタの攻撃力のパラメータと、第2のキャラクタの守備力のパラメータ等に基づいて、第1のキャラクタが第2のキャラクタに与えるダメージ値を決定して、決定されたダメージ値に基づいて第2のキャラクタのヒットポイントを減算させる対戦処理を実行する。
マッチング処理パラメータは、例えばマルチプレイゲームにおけるプレーヤのマッチング処理に使用されるパラメータであり、例えばマッチング率やマッチング対象等のマッチング条件を決めるパラメータである。例えば図6(A)のホストによるチーム編成時においては、ネットワークゲームに参加する複数のプレーヤの中から、ホストの協力者となるプレーヤ(候補プレーヤ)が、マッチング処理により抽出される。また図4(C)において、バトル間やバトル中においてホストの協力者や敵対者の欠員を補充する場合にも、ネットワークゲームに参加する複数のプレーヤ(例えば直近の所定期間内にネットワークゲームにログインしていたプレーヤ)の中から、協力者や敵対者となるプレーヤがマッチング処理により抽出される。マッチング処理パラメータは、このようなマッチング処理において、マッチング率やマッチング対象等のマッチング条件を決めるパラメータである。
ゲーム難易度パラメータは、ゲームの難易度を設定するパラメータであり、例えばゲームの制限時間、ゲームに出現する敵の数、又はゲームに出現する敵の強さ等のパラメータである。ゲーム難易度パラメータによって、エリア(ステージ)やバトル(対戦)のクリアの難易度等が設定される。
そして本実施形態では、プレーヤの契約内容、契約履行度合い、又は契約分布状況に応じて、これらのゲームパラメータを変化させることで、ゲーム処理の内容を変化させる。具体的には、本実施形態では図14(C)に示すように、ゲームの対戦処理に使用される対戦処理パラメータ、プレーヤのマッチング処理に使用されるマッチング処理パラメータ、ゲームの難易度を設定するゲーム難易度パラメータの少なくとも1つを含むゲームパラメータを、契約内容、契約履行度合い、及び契約分布状況の少なくとも1つに応じて変化させる。
例えばプレーヤが図10の冒険者の契約を結んだ場合には、ホストの役割時での用心棒とのマッチング率が上昇する。即ち、プレーヤの契約内容に応じてマッチング処理パラメータ(マッチング率、マッチング対象)が変化し、これによりゲーム処理であるマッチング処理の内容が変化する。
またプレーヤが探求者の契約を結んだ場合には、ホスト、協力者の役割時での未奪還エリアのバトルにおいて攻撃力がアップする。即ち、プレーヤの契約内容に応じて対戦処理パラメータ(攻撃力)が変化し、これによりゲーム処理である対戦処理の内容が変化する。
またプレーヤが覇王の契約を結んだ場合には、ホストの役割時に、救援要請が不可になり、チーム編成時の協力者の選択も不可になる。即ち、プレーヤの契約内容に応じてマッチング処理パラメータが変化している。また覇王に対しては、覇王のランキングの階級に応じた報酬が付与される。図13で説明したように、覇王のランキングの階級は、契約履行度合い(敵や敵対者の討伐数)によって決められるものであるため、プレーヤの契約履行度合いに応じて、特典決定処理(報酬決定処理)におけるゲームパラメータである特典決定処理パラメータ(報酬決定処理パラメータ)が変化している。
またプレーヤが図11の用心棒の契約を結んだ場合には、協力者の役割時に冒険者とのマッチング率が上昇しており、プレーヤの契約内容に応じてマッチング処理パラメータが変化している。また用心棒に対しては、ホストにエリアをクリアさせた回数に応じた報酬が付与され、図13で説明したように、ホストにエリアをクリアさせた回数は、契約履行度合いを表すものである。従って、プレーヤの契約履行度合いに応じて、ゲームパラメータである特典決定処理パラメータが変化している。
またプレーヤが歌姫の契約を結んだ場合には、協力者の役割時に、所定時間毎に味方にバフ効果が与えられると共に歌姫となるプレーヤ(キャラクタ)のヒットポイント、防御力が減少しており、プレーヤの契約内容に応じて対戦処理パラメータが変化している。また歌姫に対しては、歌姫のランキングの階級に応じた報酬が付与されており、プレーヤの契約履行度合いに応じて特典決定処理パラメータが変化している。
またプレーヤが騎士の契約を結んだ場合には、協力者の役割時に、味方が受ける全てのダメージを肩代わりすると共に、他の協力者が騎士の場合にマッチング対象から外れる。従って、プレーヤの契約内容に応じて対戦処理パラメータとマッチング処理パラメータが変化している。また騎士に対しては、騎士のランキングの階級に応じた報酬が付与されており、プレーヤの契約履行度合いに応じて特典決定処理パラメータが変化している。
またプレーヤが図12の盗賊、破壊者、狂人の契約を行った場合にも、契約内容や契約の履行度合いに応じて、ゲームパラメータである対戦処理パラメータや特典決定処理パラメータなどのゲームパラメータが変化し、ゲーム処理の内容が変化している。
このように本実施形態では、プレーヤの行動指標(行動指針)をシステム的に認める契約処理の概念を新たに導入し、その契約内容や契約履行度合いや契約分布状況等に応じて、ゲームパラメータ等を変化させて、ゲーム処理の内容を変化させている。このようにすれば、プレーヤは、その時の気分や気持ちに応じた契約を結び、その契約によってシステム的に認められた行動指標に従った行動を行うと、その契約内容や契約履行度合いや契約分布状況に応じて、ゲーム処理の内容が変化し、ゲーム結果も異なった結果になる。従ってプレーヤは、契約の数や内容に応じた多様なゲームプレイが可能になり、そのゲームプレイによる結果も異なったゲーム結果になるため、毎回違うゲームプレイとそのゲーム結果を味わうことが可能になる。この結果、長期間に亘ってゲームプレイしても、飽きが来にくいゲームシステムを実現でき、ゲームの面白味やゲームシステムの稼働率の向上等を図れる。
例えば従来のゲームシステムにおいても、プレーヤが自主的に、行動指標に沿った行動を行うことも可能である。例えば、自身の強さのみを追い求め、孤高の存在となる覇王のように行動したり、無差別に相手を攻撃しつつ自滅して行く狂人のように行動することも可能である。
しかしながら、従来では、このようなプレーヤの自主的な行動指標は、システム的に何ら認められているものではなかった。従って、このような行動の振る舞いを行っても、プレーヤは何ら報酬等の特典を得ることができず、ゲーム処理の内容が変化することもなかった。このため、このような行動指標に従った行動を行うことの効果的な動機づけを、プレーヤに与えることができなかった。
この点、本実施形態では、契約処理の概念を導入することで、プレーヤの行動指標を契約によって規定し、当該行動指標に従った行動をシステム的に認める。そして、プレーヤが、当該行動指標に従った行動を行った場合に、報酬等の特典をプレーヤに与えると共に、契約内容や契約履行度合いや契約分布状況等に応じてゲーム処理の内容も変化させる。このようにすることで、行動指標に従った行動を行うことの効果的な動機づけを、プレーヤに与えることが可能になり、ゲームに参加する各プレーヤは、自身が結んだ契約で規定される行動指標に従った様々な行動で振る舞うようになる。従って、これまでのゲームのように、プレーヤの行動が画一的な単純作業になってしまうような事態を防止でき、何回プレイしても飽きが来にくい多様性のあるゲームプレイを実現することが可能になる。
2.4 役割と契約の組み合わせによるゲームパラメータの設定
本実施形態では、図15(A)に示すように、ゲーム(対戦)におけるプレーヤの役割と、プレーヤの契約(血盟)との組み合わせに応じて、ゲーム処理に使用するゲームパラメータを設定している。具体的には、プレーヤの役割として、図5(A)等で説明したように、ゲームのホストとなる役割や、ホストの協力者となる役割や、ホストの敵対者となる役割などが用意される。
そして図15(B)に示すように、プレーヤの役割(ホスト、協力者、敵対者等)とプレーヤが結んだ契約(冒険者、探求者、覇王、用心棒、歌姫、騎士、盗賊、破壊者、狂人等)との相関度合い(相関関係)に応じて、ゲームの対戦処理に使用される対戦処理パラメータ(攻撃力、防御力、ダメージ値等)を設定する。或いは図15(C)に示すように、プレーヤの役割とプレーヤが結んだ契約の相関度合い(相関関係)に応じて、プレーヤのマッチング処理に使用されるマッチング処理パラメータ(マッチング率、マッチング対象等)を設定する。
例えば図10では、プレーヤの役割であるホストと、プレーヤが結んだ契約である冒険者との組み合わせに応じて、用心棒とのマッチング率が上昇しており、当該組み合わせに応じたマッチング処理パラメータ(用心棒を指定するマッチング対象のパラメータ、マッチング率を指定するパラメータ)の設定が行われている。例えば、ホストと冒険者の相関度合いは高いため、この相関度合いに応じたマッチング処理パラメータの設定が行われている。
また図10では、プレーヤの役割であるホスト又は協力者と、プレーヤが結んだ契約である探求者との組み合わせ(相関度合い)に応じて、未奪還エリアのバトルでの攻撃力がアップしており、当該組み合わせに応じた対戦処理パラメータ(攻撃力)の設定が行われている。
また図10では、プレーヤの役割であるホストと、プレーヤが結んだ契約である覇王との組み合わせ(相関度合い)に応じて、救援要請や協力者選択が不可になっており、当該組み合わせに応じたマッチング処理パラメータの設定が行われている。例えば、ホストと覇王の相関度合いは高いため、この相関度合いに応じたマッチング処理パラメータの設定が行われている。
また図11では、プレーヤの役割である協力者と、プレーヤが結んだ契約である用心棒との組み合わせに応じて、冒険者とのマッチング率が上昇しており、当該組み合わせに応じたマッチング処理パラメータの設定が行われている。
また図11では、プレーヤの役割である協力者と、プレーヤが結んだ契約である歌姫との組み合わせに応じて、バフ効果が付与されると共にヒットポイント、防御力が減少しており、当該組み合わせに応じた対戦処理パラメータの設定が行われている。
また図11では、プレーヤの役割である協力者と、プレーヤが結んだ契約である騎士との組み合わせに応じて、味方のダメージの肩代わりが行われると共に、他の協力者が騎士の場合にマッチング対象から外れており、当該組み合わせに応じた対戦処理パラメータやマッチング処理パラメータの設定が行われている。
同様に図12でも、敵対者の役割と、盗賊、破壊者、狂人の契約との組み合わせ(相関度合い)に応じて、対戦処理パラメータ等の設定が行われている。
このように本実施形態では、プレーヤが選択したゲームでの役割と、プレーヤが結んだ契約との組み合わせに応じて、対戦処理パラメータやマッチング処理パラメータなどのゲームパラメータを設定している。このようにすれば、プレーヤの役割と契約の相関度合いに応じて、ゲームパラメータが設定され、ゲーム処理の内容が変化するようになる。従って、役割と契約の相関度合いを反映させたゲーム処理の内容の変化処理を実現でき、プレーヤにとって、より自然で、より違和感のないゲーム処理を実現できるようになる。
2.5 契約分布状況に応じたゲームパラメータの設定
図16〜図17(C)は、プレーヤの契約分布状況に応じて、ゲームパラメータを設定して、ゲーム処理の内容を変化させる処理の一例を説明する図である。
例えば図16において、プレーヤがエリアA1のボスを倒すことで、エリアA1が奪還済みエリアになると、エリアA1での奪還時間TA1のカウントが開始する。そして奪還時間TA1が経過するまでは、エリアA1にはボスが不存在となる。なお、奪還時間TA1が経過してしまうと、エリアA1に再びボスが現れ、エリアA1は未奪還エリアに戻る。
次にプレーヤが、エリアA4のボスを倒すことで、エリアA4が奪還済みエリアになると、エリアA4での奪還時間TA4のカウントが開始する。この奪還時間TA4が経過するまでは、エリアA4にはボスが不存在となる。
次にプレーヤが、エリアA5のボスを倒すことで、エリアA5が奪還済みエリアになると、エリアA5での奪還時間TA5のカウントが開始する。この奪還時間TA5が経過するまでは、エリアA5にはボスが不存在となる。
このようにしてプレーヤは、複数のエリアを次々に奪還して行く。そして図16のE1に示す期間は、A1〜A9の全てのエリアが奪還済みエリアとなる期間になっている。即ち、E1に示す期間は、全てのエリアA1〜A9の奪還時間TA1〜TA9がカウント中であり、奪還時間TA1〜TA9が経過していない期間である。このようなE1に示す期間が存在すると、エリアA10にラストボスが出現する。そしてプレーヤが、このラストボスを倒すと、奪還モードの1回目のゲームプレイはクリアとなり、奪還モードのゲーム難易度が1段階だけ上昇する。また奪還済みであったエリアA1〜A9は未奪還エリアに戻るため、プレーヤは、奪還モードの2回目のゲームプレイを楽しむことができる。
図16において、奪還時間TA1〜TA9は、ゲームの制限時間に相当して、ゲーム難易度パラメータの1つである。例えば奪還時間TA1〜TA9(奪還時間の基準値)が長くなると、ゲーム難易度は低くなり、奪還時間TA1〜TA9が短くなると、ゲーム難易度は高くなる。なおTA1〜TA9の各奪還時間の長さは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
そして本実施形態では、プレーヤの契約分布状況に応じて、ゲーム難易度パラメータである奪還時間を設定している。
例えば図17(A)に示すように、ホストタイプの契約(血盟)である冒険者、探求者、覇王等と、協力者タイプの契約である用心棒、歌姫、騎士を、青組に配属(分類)し、敵対者タイプの契約である盗賊、破壊者、狂人を、赤組に配属(分類)する。そして図17(B)、図17(C)に示すように、参加プレーヤの契約分布状況として、図17(A)の青組と赤組の分布状況を求める。この参加プレーヤは、直近の所定期間(例えば数時間)においてネットワークゲーム(ソーシャルゲーム)にログインしていたプレーヤである。
そして図17(B)の契約分布状況では、ホスト・協力者タイプの契約の配属である青組が占める割合が多いため、例えば奪還時間(TA1〜TA9)を長い時間に設定する。これにより、ゲーム難易度は低くなる。
一方、図17(C)の契約分布状況では、敵対者タイプの契約の配属である赤組が占める割合が多いため、例えば奪還時間を短い時間に設定する。これにより、ゲーム難易度は高くなる。
即ち、ホスト・協力者タイプは契約は、エリアの奪還を目指す方向性のものであるため、図17(B)のように、このタイプの契約が占める割合が多い場合には、奪還時間を長くして、ゲーム難易度を低くし、エリアの奪還を容易にする。
一方、敵対者タイプは契約は、エリアの奪還を阻止することを目指す方向性のものであるため、図17(C)のように、このタイプの契約が占める割合が多い場合には、奪還時間を短くして、ゲーム難易度を高くし、エリアの奪還を困難にする。
これにより、図17(B)の場合には、味方側のプレーヤによりゲーム世界の多くが占められているというゲーム世界観を、プレーヤに感じさせることができる。一方、図17(C)の場合には、敵側のプレーヤによりゲーム世界の多くが占められているというゲーム世界観を、プレーヤに感じさせることができる。従って、参加プレーヤの契約状況に応じて変化するゲーム世界観の状況を、プレーヤに感じさせることができ、プレーヤの仮想現実感等の向上を図れる。
なお図16〜図17(C)では、ゲーム難易度パラメータとして、ゲームの制限時間に相当する奪還時間を用いたが、本実施形態はこれに限定されない、例えばゲームに出現する敵の数や、ゲームに出現する敵の強さを、ゲーム難易度パラメータとして設定してもよい。
そして本実施形態では、プレーヤの契約内容、契約履行度合い、及び契約分布状況の少なくとも1つと、ゲームに参加するプレーヤの人数情報、及びゲームプレイが行われるプレイ時間帯の少なくとも1つとに応じて、ゲームの制限時間、ゲームに出現する敵の数、及びゲームに出現する敵の強さの少なくも1つを設定するゲーム難易度パラメータを変化させてもよい。即ち、契約内容や契約履行度合いや契約分布状況に加えて、プレーヤの人数情報やプレイ時間帯に応じて、ゲーム難易度を設定する。
例えばプレーヤの人数情報が少なすぎる場合や、閑散期となるプレイ時間帯では、ネットワークゲームの参加プレーヤ数を増やすために、例えばゲーム難易度を低くする。例えばゲームの制限時間(奪還時間)を長くしたり、ゲームに出現する敵の数を少なくしたり、ゲームに出現する敵を弱くすることで、ゲーム難易度を低くする。
一方、例えばプレーヤの人数情報が多すぎる場合や、繁忙期となるプレイ時間帯では、ネットワークゲームの参加プレーヤ数を抑制するために、例えばゲーム難易度を高くする。例えばゲームの制限時間(奪還時間)を短くしたり、ゲームに出現する敵の数を多くしたり、ゲームに出現する敵を強くすることで、ゲーム難易度を高くする。
このようにすれば、プレーヤの契約内容や契約履行度合いや契約分布状況に加えて、プレーヤの人数情報やプレイ時間帯などの種々の状況を反映して、ゲーム難易度を設定できるため、ゲームシステムの効率的な運営や稼働率の向上等を図れるようになる。
2.6 エリアの解放条件
次に本実施形態の種々の処理例について説明する。
本実施形態では、図4(B)の複数のエリア(ステージ)についてのエリアクリア(ステージクリア)の態様が所与の解放条件を満たした場合に、隠しエリアA12、A13(広義には所与のエリア)が解放されるようにしている。ここでエリアクリアの態様は、例えばエリアのクリア順番(ステージのクリア順番)やクリアエリア数(クリアステージ数)などである。
そして本実施形態では、プレーヤの契約内容、契約履行度合い、及び契約分布状況の少なくとも1つに応じて、隠しエリアA12、A13(所与のステージ)の解放条件を異ならせている。
例えば図18(A)では、プレーヤは探求者の契約を結んでいる。この場合には例えば、エリアA1、A3、A5、A7のクリア順番で、エリアをクリアした場合(エリアのボスを倒した場合)に、隠しエリアA11が出現するようにする。
一方、図18(B)では、プレーヤは歌姫の契約を結んでいる。この場合には例えば、エリアA1、A9のクリア順番で、エリアをクリアした場合に、隠しエリアA12が出現するようにする。
このように図18(A)、図18(B)では、プレーヤの契約内容(探求者、歌姫)に応じて、エリアクリア(ステージクリア)の態様であるクリア順番が異なっており、隠しエリアの解放条件が異なっている。
また図18(C)では、隠しエリアの出現に必要なクリアエリア数は、例えば冒険者の契約の場合には6エリアとなり、探求者の契約の場合には5エリアとなり、覇王の契約の場合には3エリアとなっている。即ち、プレーヤの契約内容(冒険者、探求者、覇王)に応じて、エリアクリアの態様であるクリアエリア数が異なっており、隠しエリアの解放条件が異なっている。
なお図18(A)〜図18(C)では、プレーヤの契約内容に応じて、隠しエリアの解放条件を異ならせているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば契約履行度合いに応じて、隠しエリアの解放条件を異ならせてもよい。例えば契約履行度が高い場合には、解放条件を易しい条件(例えば、必要なクリアエリア数を少なくする)に設定し、契約履行度が低い場合には、解放条件を厳しい条件(例えば、必要なクリアエリア数を多くする)に設定してもよい。或いは契約分布状況に応じて、隠しエリアの解放条件を異ならせてよい。例えば前述の図17(B)のよう味方側(ホスト、協力者)が多い契約分布状況の場合には、解放条件を易しい条件に設定し、隠しエリアの奪還を容易にする。一方、図17(C)のよう敵側(敵対者)が多い契約分布状況の場合には、解放条件を厳しい条件に設定し、隠しエリアの奪還を困難にする。
このように本実施形態では、プレーヤの契約内容や契約履行度合いや契約分布状況に応じて、エリアの解放条件を異ならせている。従って、プレーヤが結んだ契約の内容や履行度合いや分布状況に応じて、エリアの解放条件も様々に変化するようになり、プレーヤは、より多様性に富んだゲームプレイを楽しむことが可能になる。
2.7 その他の処理例
次に本実施形態の種々の処理例について説明する。
本実施形態では、ゲームの途中において、プレーヤの契約変更要求を受け付けるようにしている。具体的には、ゲームの各エリア(各ステージ)やゲームの各バトル(各対戦)において、プレーヤの契約変更を受け付けている。
例えば図19(A)において、プレーヤは探求者として契約して、エリアA1のゲームプレイを行っている。そしてエリアA1のゲームプレイの終了後、プレーヤは契約変更要求を行っており、次のエリアA3では騎士として契約してゲームプレイを行っている。このように図19(A)では、ゲームの各エリアにおいてプレーヤの契約変更を許容しており、エリア毎の契約変更が可能になっている。
なお、プレーヤの契約変更要求は、図8(A)、図8(B)を例にとれば、変更先の契約の教祖の拠点を訪れる選択を行うことで実現される。
また本実施形態では、プレーヤの契約変更を制限する処理を行ってもよい。例えば契約の変更回数や変更間隔等を制限する処理を行う。例えばプレーヤの契約の変更回数が所与の回数に達した場合には、契約変更を禁止する。或いは、契約の変更回数が所与の回数に達してから所与の期間が経過するまで、契約変更を禁止する。或いは、契約の変更間隔が所与の間隔よりも短い場合には、契約変更を禁止する。こうすることで、プレーヤの無制限な契約変更を抑制することが可能になる。
また図19(B)において、プレーヤは用心棒として契約して、バトルB1〜B4の対戦を行っている。そしてバトルB4の対戦の終了後、プレーヤは契約変更要求を行っており、最後のバトルB5では狂人として契約して対戦を行っている。このように図19(A)では、ゲームの各バトルにおいてプレーヤの契約変更が許容されており、バトル毎の契約変更が可能になっている。なお図19(B)の場合にも、プレーヤの契約変更を制限する処理を行ってもよい。例えば契約の変更回数や変更間隔等を制限する処理を行う。
このように本実施形態では、ゲーム途中でプレーヤの契約変更を認めており、プレーヤは、自身が所望する時に契約を変更できるようになる。従って、プレーヤは、その時の気分や気持ちに応じた契約に随時に変更しながら、その契約によってシステム的に認められた行動指標に従った行動を行うようになり、その契約の内容や履行に応じた特典を獲得できるようになる。即ち、プレーヤは所望する任意のタイミングで契約を変更して、自身の行動指標を随時に変えながら、ゲームをプレイできるようになり、ゲームプレイの多様性や面白味を増すことができる。
また本実施形態では、ゲーム進行に伴う契約履行度合いの変化に応じて、ゲーム処理の内容を変化させる。例えばゲームのエリア(ステージ)又はバトル(対戦)における契約履行度合いの変化に応じて、ゲーム処理の内容を変化させる。
例えば図20(A)では、プレーヤは、エリアA1、A3、A5を順次にクリアしており、このようなプレーヤのエリアのクリアが進むにつれて、契約履行度合いが変化している。この場合に、この履行度合いの変化に応じて、ゲーム処理の内容もリアルタイムに変化させる。
例えば図20(A)において、エリアA1の途中までは、プレーヤの契約履行度合いは増加していたが、エリアA1の途中からは、契約履行度合いは減少している。例えばプレーヤが契約の行動指標とは異なる行動を行ったため、契約履行度合いが減少している。そして、このように契約履行度合いが減少すると、プレーヤが不利になるようにゲーム処理を変化させる。例えば対戦処理パラメータやゲーム難易度パラメータを不利な設定にする処理を行ったり、プレーヤに付与される特典を不利にする処理を行う。
その後、次のエリアA3からは、契約履行度合いは減少から増加に転じており、この場合にはプレーヤが有利になるようなゲーム処理を変化させる。例えば対戦処理パラメータやゲーム難易度パラメータを有利な設定にする処理を行ったり、プレーヤに付与される特典を有利にする処理を行う。
例えば図20(B)では、プレーヤは、バトルB1、B2、B3、B4、B5を順次にクリアしており、このようなプレーヤのバトルのクリアが進むにつれて、契約履行度合いが変化している。この場合に、この契約履行度合いの変化に応じて、ゲーム処理の内容もリアルタイムに変化させる。
例えば図20(B)において、バトルB2までは、プレーヤの契約履行度合いは増加していたが、バトルB3からは、契約履行度合いは減少している。この場合には、契約履行度合いの減少に応じて、対戦処理パラメータやゲーム難易度パラメータを不利な設定にする処理を行ったり、プレーヤに付与される特典を不利にする処理を行う。
その後、バトルB4からは、契約の履行度合いは減少から増加に転じており、この場合には、履行度合いの増加に応じて、対戦処理パラメータやゲーム難易度パラメータを有利な設定にする処理を行ったり、プレーヤに付与される特典を有利にする処理を行う。
また本実施形態では、契約履行度合いが高いと判断される場合には、契約履行度合いが低いと判断される場合に比べて、プレーヤに付与される特典を有利にする処理を行う。
例えば図21(A)において、横軸は契約履行度合いの高低を表し、縦軸は特典の有利、不利を表している。そして、例えば契約履行度合いが低い場合(CF1)には、プレーヤに付与される特典を不利(RW1)にする処理が行われる。一方、契約履行度合いが高い場合(CF2)には、プレーヤに付与される特典を有利(RW2)にする処理が行われる。
ここで契約履行度合いが高い場合とは、例えば図13において、各契約での取得ポイントが多い場合であり、契約履行度合いが低い場合とは、各契約での取得ポイントが少ない場合である。例えば覇王の契約では、敵や敵対者の討伐数が多い場合は、契約履行度合いが高いと判断され、討伐数が少ない場合は、契約履行度合いが低いと判断される。用心棒の契約では、ホストにエリアをクリアさせた回数が多い場合は、契約履行度合いが高いと判断され、クリアさせた回数が少ない場合は、契約履行度合いが低いと判断される。
また、プレーヤに付与される特典を有利にする処理とは、特典となるゲーム内通貨や各種ポイントやアイテムの数を増やしたり、よりレアなアイテムや、より有利なアイテムを特典として付与したり、よりレアなアイテムや、より有利なアイテムを取得できる確率を高める処理などである。一方、プレーヤに付与される特典を不利にする処理とは、特典となるゲーム内通貨や各種ポイントやアイテムの数を減らしたり、レアでないアイテムや、不利なアイテムを特典として付与したり、よりレアなアイテムや、より有利なアイテムを取得できる確率を低める処理などである。
例えば本実施形態では、特典を有利にする処理として、プレーヤのアイテム取得の抽選を有利にする処理を行っている。
具体的には図21(B)において、横軸は契約履行度合いの高低を表し、縦軸はアイテム取得の抽選の有利、不利を表している。そして、例えば契約履行度合いが低い場合(CF1)には、プレーヤのアイテム取得の抽選を不利(LR1)にする処理が行われる。一方、契約履行度合いが高い場合(CF2)には、プレーヤのアイテム取得の抽選を有利(LR2)にする処理が行われる。
ここで、プレーヤのアイテム取得の抽選を有利にする処理とは、よりレアなアイテムや、より有利なアイテムが抽選で当たる確率を高くする処理や、よりレアなアイテムや、より有利なアイテムが所与の確率で当たるゲーム内チケット等を、プレーヤに付与する処理などである。例えばソーシャルゲーム等で、課金に伴う「ガチャ」において、レアなアイテム等が出現する確率(抽選確率)を高める処理などである。また、プレーヤのアイテム取得の抽選を不利にする処理とは、よりレアなアイテムや、より有利なアイテムが抽選で当たる確率を低くする処理や、よりレアなアイテムや、より有利なアイテムが所与の確率で当たるゲーム内チケット等を、プレーヤに付与しないことなどである。
このように契約履行度合いの高低に応じて、プレーヤに付与される特典を有利・不利にする処理を行ったり、アイテム取得の抽選を有利・不利にする処理を行えば、プレーヤに対して契約履行の効果的な動機づけを与えることが可能になる。これにより、ネットワークゲームに参加する多くのプレーヤが、自身が契約した行動指標に従ったゲームプレイを行うようになる。この結果、ゲームに参加する各プレーヤが、契約に従った様々なゲームプレイを行うようになり、ゲームプレイの多様性や面白味を効果的に向上できる。
3.詳細な処理
次に本実施形態の詳細な処理例について図22、図23のフローチャートを用いて説明する。
図22はプレーヤの契約処理の詳細について示すフローチャートである。まずプレーヤからの契約要求の受け付け処理を行い、契約相手の選択処理を行う(ステップS1、S2)。例えば図8(A)において、プレーヤが所望する契約の教祖の拠点を訪れる選択を行うことで、これらの処理が実現される。次に契約相手との契約が成立したか否かを判断し、契約が成立した場合には、契約情報(血盟情報)をプレーヤに関連づけて登録して保存する(ステップS3、S4)。これらの処理は、図8(B)においてプレーヤが教祖と契約を結ぶことを選択し、図9(A)、図9(B)に示す契約情報が図2の契約情報記憶部672に登録されて記憶されることで実現される。
図23はゲーム処理の内容の変化処理の詳細について示すフローチャートである。まず、登録されている契約情報を読み出す(ステップS11)。即ち、プレーヤ等に関連づけて登録された契約情報を読み出す。そして、読み出された契約情報に基づいて、マッチング処理パラメータ、ゲーム難易度パラメータ、対戦処理パラメータ、特典決定処理パラメータ等のゲームパラメータを設定する(ステップS12)。
次に、設定されたマッチング処理パラメータに基づいて、ゲーム(バトル)に参加するプレーヤのマッチング処理を行う(ステップS13)。また、設定されたゲーム難易度パラメータに基づいて、ゲーム難易度を設定する処理を行う(ステップS14)。次に、設定された対戦処理パラメータに基づいて、対戦処理を行う(ステップS15)。そして、設定された特典決定処理パラメータに基づいて、プレーヤに付与する特典を決定する処理を行う(ステップS16)。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(契約、特典、ステージ、対戦、制限時間等)と共に記載された用語(血盟、報酬、エリア、バトル、奪還時間等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、ゲーム処理、契約処理、特典決定処理、ゲームパラメータの変化処理、ゲーム処理の変化処理、マッチング処理、表示処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。