JP7240986B2 - スポーツ施設用床シート - Google Patents

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Description

本発明は、体育館などのスポーツ施設に敷設される床シートに関する。
体育館、フィットネスジムなどの屋内スポーツ施設、屋外テニスコート、屋外フットサルコートなどの屋外スポーツ施設などの各種スポーツ施設の床面に、床材が敷設されている。
屋内スポーツ施設用の床材としては、一般的には合板などの木質系床材が用いられているが、特許文献1に記載のように合成樹脂製の床シートも知られている。
特開2019-073858号公報
ところで、例えば、体育館では、バスケットボール、ハンドボールなどの球技が行われることが多く、フィットネスジムでも、ボールを使用したエクササイズなどが行われている。このようなスポーツ施設の床材には、利用者の安全のため、衝撃吸収性に優れることが求められ、さらに、ボール反発性に優れることも求められる。また、保管・運搬の観点及び施工し易さの観点から、全体厚みが比較的小さい床材が求められる。
しかしながら、高いボール反発性を有する床材は、衝撃吸収性が低くなる傾向にあり、比較的厚みの小さい床材で両性能を高次元で満たすことは困難であった。
本発明の目的は、全体の厚みを比較的小さくしつつ、衝撃吸収性及びボール反発性に優れるスポーツ施設用床シートを提供することである。
本発明のスポーツ施設用床シートは、上方から順に、非発泡樹脂層と、ガラス繊維を含む繊維補強層と、厚み2.9mm~5mmの発泡樹脂層と、を有する積層構造を有し、90%以上のボール反発率及び100以下のG値を有し、厚みが4mm~6mmである。
本発明の好ましいスポーツ施設用床シートは、前記非発泡樹脂層の厚みが、0.8mm~1.8mmである。
本発明の好ましいスポーツ施設用床シートは、前記非発泡樹脂層が、上方から順に、表層とデザイン層とを有する
本発明のスポーツ施設用床シートは、ボールが十分に弾み、バスケットボールやバレーボールなどの球技を行う施設に使用する床シートとして好適である。また、本発明のスポーツ施設用床シートは、衝撃吸収性にも優れているので、施設利用者にとって安全性の高いものとなる。
本発明のスポーツ施設用床シートを用いれば、優れたボール反発率及び衝撃吸収性が両立したスポーツ施設床を構築できる。
本発明の1つの実施形態に係るスポーツ施設用床シートを表面側から見た平面図。 同床シートを図1のII-II線で切断した拡大断面図。 他の実施形態に係る床シートの拡大断面図。 G値と発泡樹脂層の厚みの相関関係を示すグラフ図。
以下、本発明について、適宜図面を参照しつつ説明する。
本明細書において、ある層の「表面」又は「上方」は、スポーツ施設用床シートを敷設する床下地から遠い側の面又は方向を指し、「裏面」又は「下方」は、その反対側(床シートを敷設する床下地に近い側)の面又は方向を指す。
本明細書において、「下限値X~上限値Y」で表される数値範囲は、下限値X以上上限値Y以下を意味する。前記数値範囲が別個に複数記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「任意の下限値~任意の上限値」を設定できるものとする。
また、各図における、厚み及び大きさなどの寸法は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
[床シート]
図1は、スポーツ施設用床シート1(以下、本発明のスポーツ施設用床シート1を「床シート1」という場合がある)の平面図であり、図2は、同床シート1の拡大断面図である。
図1に示すように、床シート1は、平面視長尺帯状に形成されている。本明細書において、長尺帯状は、一方向の長さが他方向(他方向は一方向に対して直交する方向)の長さに比して十分に長い長方形状であり、例えば、一方向の長さが他方向の長さの2倍以上、好ましくは4倍以上である。長尺帯状の床シート1は、通常、ロールに巻かれて保管・運搬に供され、施工現場において、所望の形状に裁断して使用される。もっとも、本発明の床シート1は、長尺帯状のシートに限られず、平面視正方形状などの枚葉状に形成されたタイル形態であってもよい(図示せず)。
前記長尺帯状の床シート1は、例えば幅800mm~4000mmのような所定幅で所定長さに形成されたものであり、その長さは、例えば、2m~300mである。枚葉状に形成される床シート1は、例えば、その縦横がそれぞれ100mm~4000mmである。前記枚葉状の床シート1は、平面視正方形状のものが一般的であるが、平面視長方形状、六角形状などでもよく、大きさや形状は特に限定されない。
防滑のために、床シート1の最表面に、必要に応じて微細なエンボス加工(図示せず)が施されていてもよい。また、床シート1の敷設安定性のために、床シート1の最裏面に、必要に応じて、エンボス加工(図示せず)が施されていてもよい。
本発明の床シート1は、柔軟性を有する。床シート1の柔軟性の程度としては、例えば、本発明の床シート1は、直径15cmの芯材の周囲にロール状に巻き付けることができる。
本発明の床シート1は、上方から下方に向かって順に、非発泡樹脂層2と、ガラス繊維を含む繊維補強層3と、発泡樹脂層4と、を有する積層構造からなる。
<非発泡樹脂層>
非発泡樹脂層2は、床シート1の最表面を構成する層を含み、繊維補強層3と剥離不能なほどに強固に接合されている。
非発泡樹脂層2の厚みは、特に限定されないが、余りに大きいと床シート1が硬くなりすぎ、余りに小さいと、床シート1の表面を十分に保護できないおそれがある。かかる観点から、非発泡樹脂層2の厚みは、0.8mm~1.8mmであることが好ましく、さらに、0.9mm~1.7mmであることがより好ましく、1.0mm~1.5mmであることがさらに好ましい。非発泡樹脂層2が前記下限値以上であれば、発泡樹脂層に起因する良好な衝撃吸収性を有しつつ、床シート1のボール反発率を高めることができる。また、非発泡樹脂層2が前記上限値以下であれば、床シート1の衝撃吸収性の低下を防止できる。
また、非発泡樹脂層2の最表面には、微細な凹凸が形成されていてもよい。このような凹凸は、例えば、梨地模様を成す凹凸(いわゆる梨地エンボス)、木目模様を成す凹凸(いわゆる木目エンボス)などが挙げられる。凹凸の深度(凹の深さ)は、例えば、20μm~120μmであり、好ましくは30μm~100μmである。例えば、木目模様の凹凸にあっては、その深度が例えば10μm~60μmであり、梨地模様の凹凸にあっては、その深度が例えば30μm~70μmである。
非発泡樹脂層2は、1層から構成されていてもよく、2層以上から構成されていてもよい。非発泡樹脂層2は、発泡された層を含まない(非発泡樹脂層2は、全体的に非発泡の層である)。
非発泡樹脂層2は、例えば、上方から順に、汚れ防止のための表層22とデザインを表すデザイン層23を有し、好ましくは、上方から順に、最表面を構成する保護層21と、汚れ防止のための表層22と、デザインを表すデザイン層23とを有し、より好ましくは、上方から順に、最表面を構成する保護層21と、汚れ防止のための表層22と、デザインを表すデザイン層23と、繊維補強層3に接合する中間層24と、を有する。
非発泡樹脂層2の最表面(床シート1の最表面)は、防滑性を有することが好ましい。最表面の防滑性の指標としては、例えば、乾燥時、湿潤時、及び湿潤且つダスト存在時の滑り抵抗係数が、いずれも0.45~0.95の範囲に含まれていることが好ましく、いずれも0.50~0.90の範囲に含まれていることがより好ましい。この範囲の値は、東京工業大学が提唱する、スポーツに適した滑り抵抗係数である。
非発泡樹脂層2の材質及び/又は床シート1の最表面の微細な凹凸などを適宜選択することによって、前記滑り抵抗係数を有する床シート1が得られる。
前記乾燥時、湿潤時及び湿潤且つダスト存在時の滑り抵抗係数は、JIS A 1454:2016の「斜め引張り試験」に準拠して、床シートの最表面を計測することによって求められる。
具体的には、傾斜度30°の引っ張り側端部を持つ底面積56cmの滑り片に、実際に使用する靴の底(市販の体育館シューズのゴム底)を取り付けた。この滑り片の靴底面を測定対象である床シートの表面に載せ、滑り片に載荷重80kg(785N)を加えた状態で、引張り荷重速度80kg/minで床シートの表面に対して18°の方向に引張り、滑り始めたときの最大引張り力を載荷重で除した値(CSR値)を、滑り抵抗係数とした。かかる滑り抵抗係数の計測は、乾燥時(床シートの表面が濡れていない通常の状態)、湿潤時(床シートの表面が濡れた状態)、及び湿潤且つダスト存在時(床シートの表面が濡れ、ダストが存在している状態)においてそれぞれ行う。
図2では、非発泡樹脂層2は、上方から順に、保護層21、表層22、デザイン層23及び中間層24からなる4層の積層物からなる。なお、非発泡は、発泡されていないこと、換言すると中実体であることを意味する。
保護層21は、床シート1の最表面を構成する層であり、必要に応じて設けられる。ただし、保護層21を有さない場合には、その下側の層が床シート1の最表面を構成する。
保護層21は、床シート1の表面に耐摩耗性や耐傷付き性を付与するために設けられる層であることが好ましい。また、床シート1の最表面を構成する保護層21の滑り抵抗係数は、前記のように0.45~0.95であることが好ましく、0.50~0.90であることがより好ましい。
保護層21は、透明又は不透明でもよいが、デザイン層23が設けられる場合には、そのデザイン表示を視認できるようにするため、保護層21は透明であることが好ましい。なお、保護層21は、非発泡の層である。
保護層21は、例えば、樹脂材料で形成される。その樹脂材料は、特に限定されないが、比較的硬い樹脂層から形成されていることが好ましい。保護層21の樹脂材料としては、加工性の良さから硬化性樹脂組成物を用いることが好ましく、さらに、電離放射線硬化性樹脂組成物を用いることがより好ましく、汎用的であることから、紫外線硬化性樹脂組成物を用いることがさらに好ましい。前記硬化性樹脂組成物としては、紫外線硬化性樹脂などの電離放射線硬化性樹脂以外に、熱硬化性樹脂、非電離放射線により硬化する樹脂組成物などが挙げられる。なお、保護層21には、アルミナなどの骨材粒子を含まれていないことが好ましい。
前記紫外線硬化性樹脂組成物は、硬化性モノマー及びオリゴマーの少なくとも何れか一方と光重合開始剤とを含み、さらに、溶剤、レベリング剤、微粒子、充填剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、酸化防止剤及びチクソトロピー化剤などから選ばれる少なくとも1種の添加剤が含まれている。紫外線硬化性樹脂組成物などの硬化性樹脂組成物は、市販品を用いてもよい。市販品は、そのまま又は必要に応じて粘度調製をした上で、表層に塗布することにより、前記未硬化の塗膜を形成できる。
前記市販の紫外線硬化性樹脂組成物としては、例えば、オーレックス(中国塗料(株)製)、アデカオプトマー(旭電化工業(株)製)、コーエイハード(広栄化学工業(株)製)、セイカビーム(大日精化工業(株)製)、EBECRYL(ダイセル・サイテック(株)製)、ユニディック(DIC(株)製)、サンラッド(三洋化成工業(株)製)などが挙げられる。
保護層21の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.001mm~0.1mmであり、好ましくは0.005mm~0.07mmであり、好ましくは0.01mm~0.05mmである。
表層22は、床シート1に耐傷付き性及び耐汚れ性を付与し、さらに、床シート1に付着した汚れを容易に除去できるようにするために、必要に応じて設けられる。表層22は、透明又は不透明でもよいが、上記保護層21と同様の理由から、透明であることが好ましい。なお、表層22は、非発泡の層である。
表層22は、例えば、樹脂材料で形成される。その樹脂材料としては、一般的には、熱可塑性樹脂が用いられる。前記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニルや塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニル系樹脂;ポリオレフィン系樹脂;ウレタン系樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル系樹脂;エチレン-メタクリレート樹脂などのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;エステル系樹脂;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーなどの各種エラストマーなどの各種エラストマー;ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で、又は2種以上を併用できる。デザイン層23などと強固に接合することから、表層22は、塩化ビニル系樹脂を主成分とする塩化ビニル組成物から形成されていることが好ましい。
本明細書において、主成分樹脂は、その層を構成する樹脂成分(ただし、添加剤を除く)の中で最も多い成分(重量比)をいう。主成分樹脂の量は、その層を構成する樹脂成分全体を100重量%とした場合、50重量%を超え、好ましくは、70重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上である。主成分樹脂の量の上限は、100重量%である。主成分樹脂の量が100重量%未満である場合において、その層に含まれる主成分樹脂以外の樹脂は、特に限定されず、公知の樹脂成分を用いることができる。
表層22が塩化ビニル組成物から形成される場合、塩化ビニル系樹脂は、ペースト塩化ビニル樹脂、サスペンジョン塩化ビニル樹脂のいずれを用いてもよい。デザイン層23と強固に接合でき、製造時の加工性に優れることから、ペースト塩化ビニル樹脂が好ましい。
前記表層22を形成する塩化ビニル組成物は、全体を100重量%として、塩化ビニル系樹脂を45重量%~80重量%、DOPなどの可塑剤を15重量%~50重量%含むことが好ましい。前記塩化ビニル組成物は、必要に応じて、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、従来公知のものを使用でき、例えば、難燃剤、安定剤、吸湿剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、防黴剤などが挙げられる。前記塩化ビニル樹脂には、炭酸カルシウムなどの充填剤が含まれていてもよいが、透明性に優れた層を形成できることから、前記塩化ビニル樹脂は、炭酸カルシウムなどの充填剤を含まないことが好ましい。
表層22の厚みは、特に限定されず、例えば、0.2mm~1.5mmであり、より好ましくは0.5mm~1.0mmである。特に、デザイン層として比較的薄い意匠印刷フィルムを用いる場合、表層22の厚みを0.5mm以上とすることにより、耐久性に優れた床シート1を構成できる。
デザイン層23は、床シート1に色彩や柄を表出させることにより、床シート1にデザインを付与する層である。デザイン層23は、必要に応じて設けられる。デザイン層23は、非発泡の層である。デザイン層23に表されるデザインは、特に限定されず、任意の絵柄、杢調模様、木目模様、石目模様などが挙げられる。
前記デザイン層23としては、意匠印刷フィルム、着色樹脂シートなどが挙げられる。もっとも、デザイン層23は、これら例示の層に限られず、デザインを表出できる層であればその他任意のものを用いることができる。
前記意匠印刷フィルムは、樹脂フィルム上に印刷インキ(着色剤及び塩化ビニルなどのバインダー樹脂を含むインキ)を印刷して固化させたものを用いることができる。前記着色樹脂シートは、例えば、顔料などによって着色した樹脂(例えば、主成分樹脂が塩化ビニル系樹脂など)をシート状に加工したものを用いることができる。
デザイン層23が塩化ビニル組成物から形成される場合、塩化ビニル系樹脂は、ペースト塩化ビニル樹脂、サスペンジョン塩化ビニル樹脂のいずれを用いてもよい。ペースト塩化ビニル樹脂よりも硬くなることから、デザイン層23にはサスペンジョン塩化ビニル樹脂を用いることが好ましい。
デザイン層23の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.002mm~0.3mmであり、好ましくは0.005mm~0.2mmである。
デザイン層23が意匠印刷フィルムである場合、その厚みは、特に限定されないが、例えば、0.002mm~0.03mmであり、好ましくは0.005mm~0.02mmである。デザイン層23が着色樹脂シートである場合、その厚みは、0.1mm~0.3mmであり、好ましくは、0.12mm~0.2mmである。
非発泡樹脂層2が表層22とデザイン層23とを有する場合、前記表層22の厚みとデザイン層23の厚みの合計は、0.5mm~1.8mmであることが好ましく、0.5mm~1.6mmであることがより好ましい。前記合計厚みが下限値以上であることにより、床シート1の表面が靴底などで削られたとしてもデザイン層のデザインの消失を抑制でき、前記合計厚みが上限値以下であることにより、良好な衝撃吸収性を維持できる。
中間層24は、非発泡樹脂層2を繊維補強層3に接合させるために設けられる層である。なお、デザイン層23又は表層22などが繊維補強層3に直接接合可能である場合には、中間層24を省略することもできる。中間層24は、非発泡の層である。
中間層24は、例えば、樹脂材料で形成される。その樹脂材料としては、一般的には、熱可塑性樹脂が用いられる。前記熱可塑性樹脂としては、上述の表層22で例示したようなものが挙げられる。中間層24についても、デザイン層23などと強固に接合することから、上述の塩化ビニル系樹脂を主成分とする塩化ビニル組成物から形成されていることが好ましい。
中間層24が塩化ビニル組成物から形成される場合、塩化ビニル系樹脂は、ペースト塩化ビニル樹脂、サスペンジョン塩化ビニル樹脂のいずれを用いてもよい。繊維補強層3と強固に接合できることから、中間層24にはペースト塩化ビニル樹脂を用いることが好ましい。
前記中間層24を形成する塩化ビニル組成物は、全体を100重量%として、塩化ビニル系樹脂を15重量%~80重量%、炭酸カルシウムなどの充填剤を0重量%~70重量%、DOPなどの可塑剤を10重量%~50重量%含むことが好ましい。なお、充填剤が0重量%は、充填剤を含まないことを意味する。前記塩化ビニル組成物は、必要に応じて、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、従来公知のものを使用でき、例えば、難燃剤、安定剤、吸湿剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、防黴剤などが挙げられる。
中間層24の厚みは、特に限定されず、例えば、0.2mm~0.8mmであり、好ましくは0.3mm~0.7mmである。
<繊維補強層>
繊維補強層3は、経時的な収縮や膨張による床シート1の寸法変化の抑制又は反りの抑制のための層である。
繊維補強層3は、ガラス繊維を含む繊維をシート状に形成したものである。繊維補強層3は、その繊維がガラス繊維のみからなるものでもよく、或いは、繊維がガラス繊維及びガラス繊維以外の繊維の混合繊維からなるものでもよい。繊維がガラス繊維のみからなる繊維補強層3や、繊維が混合繊維からなる繊維補強層3は、繊維のみから構成される場合に限られず、繊維をバインドするバインダー(例えば、樹脂材料や接着剤)や各種添加剤を含んでいてもよい。前記バインダーとしては、ガラス繊維に対して接合性に優れるものが好ましく、さらに、ガラス繊維、発泡樹脂層4及び中間層24に対して接合性に優れるものがより好ましい。このようなバインダーとしては、公知の樹脂を主成分とする接着剤を使用することができ、例えば、1液型接着剤、2液型接着剤、熱硬化型接着剤、ホットメルト型接着剤、紫外線硬化型接着剤などの電子線硬化型接着剤などが挙げられる。具体的には、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン-ブタジエン共重合系、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂及びエポキシ系樹脂から選ばれる1種又は2種以上の混合物が例示される。
なお、混合繊維は、混合繊維全体を100重量%とした場合に、ガラス繊維を80重量%以上含む。ガラス繊維以外の繊維としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィンなどの合成樹脂繊維;カーボン繊維などの無機繊維(ガラス繊維以外の無機繊維);パルプなどの天然繊維などが挙げられる。
繊維補強層3の形態は、不織布でもよく、或いは、織布でもよい。寸法変化の抑制効果が高いことから、繊維補強層3は、ガラス繊維を含む不織布が好ましく、さらに、繊維がガラス繊維のみからなる不織布がより好ましい。
繊維補強層3の目付量は、特に限定されず、例えば、20g/m~120g/mであり、好ましくは、30g/m~80g/mであり、より好ましくは、40g/m~60g/mである。前記目付量の繊維補強層3を用いることにより、十分な強度を有しつつボール反発率が90%以上の床シート1を構成できる。
また、繊維補強層3の厚みは、特に限定されず、例えば、0.1mm~0.3mmである。
<発泡樹脂層>
発泡樹脂層4は、繊維補強層3の裏面に積層されている。
発泡樹脂層4は、繊維補強層3と剥離不能なほどに強固に接合されている。
発泡樹脂層4を構成する発泡樹脂としては、特に限定されないが、塩化ビニルや塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニル系樹脂;ポリウレタンなどのウレタン系樹脂;ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル系樹脂;ポリスチレンなどのスチレン系樹脂;エチレン-メタクリレート樹脂などのアクリル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレートなどのエステル系樹脂;などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの反応型樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で又は2種以上を併用できる。好ましくは、発泡樹脂層4は、塩化ビニル、ポリウレタン、又はポリオレフィンを含む。塩化ビニル系樹脂を主成分樹脂とする発泡樹脂層4は、加工性に優れ、比較的安価である。ウレタン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂を主成分樹脂とする発泡樹脂層4は、柔軟性に優れ、曲面などの複雑な形状の床下地に馴染みやすいという利点がある。
前記発泡樹脂層4が塩化ビニル系樹脂を主成分樹脂とする場合、その発泡樹脂層4は、塩化ビニル組成物を発泡させることによって形成される。
発泡樹脂層4の塩化ビニル系樹脂は、ペースト塩化ビニル樹脂、サスペンジョン塩化ビニル樹脂のいずれを用いてもよい。繊維補強層3と強固に接合できることから、発泡樹脂層4にはペースト塩化ビニル樹脂を用いることが好ましい。
前記発泡樹脂層4を形成する塩化ビニル組成物は、全体を100重量%として、塩化ビニル系樹脂を15重量%~80重量%、炭酸カルシウムなどの充填剤を0重量%~70重量%、DOPなどの可塑剤を10重量%~50重量%含むことが好ましい。なお、充填剤が0重量%は、充填剤を含まないことを意味する。前記塩化ビニル組成物は、必要に応じて、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、従来公知のものを使用でき、例えば、難燃剤、安定剤、吸湿剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、防黴剤などが挙げられる。
発泡樹脂層4を形成するための樹脂組成物の発泡方法は、特に限定されず、化学的発泡法、機械的発泡法、物理的発泡法の何れでもよく、また、中空ビーズなどの既発泡剤を用いた発泡、或いは、熱膨張性マイクロカプセルを用いた発泡でもよい。
発泡樹脂層4の発泡倍率は、特に限定されないが、余りに小さいと衝撃吸収性が低下し、余りに大きいとボール反発率が低下する。かかる観点から、発泡樹脂層4の発泡倍率は、1.5倍~3.5倍であることが好ましく、2.0倍~3.0倍であることがより好ましい。
また、発泡樹脂層4の厚みは、2.9mm~5mmであり、好ましくは、3.2mm~4mmである。発泡樹脂層4の厚みを2.9mm~5mmとすることにより、優れた衝撃吸収性及びボール反発率が両立された床シート1を構成できる。
<床シート>
本発明の床シート1の厚み(床シート1全体における厚み)は、4mm~6mmであり、好ましくは、4.2mm~5mmであり、より好ましくは、4.5mm~5mmである。このように全体厚みの小さい床シート1は、保管・運搬の便に優れ、さらに、容易に施工できる。
また、本発明の床シート1は、90%以上のボール反発率及び100以下のG値を有する。ボール反発率が90%以上であるため、かかる床シート1を床面としたスポーツ施設にあっては、ボールが十分に弾み、バスケットボールやバレーボールなどの球技を行う施設として好適である。一方で、G値が100以下であるため、かかる床シート1を床面としたスポーツ施設にあっては、施設利用者にとって安全性の高い施設となる。
ただし、ボール反発率は、欧州のスポーツ用床材の規格である、「Standard EN 12235のvertical ball behaviour」に準じて測定した値をいう。
前記G値は、床シート1に対してJIS A 6519に準じて測定した最大加速度の値をいう。
さらに、本発明の床シート1は、比重650~800であることが好ましい。下限値以上の比重を有する場合、十分な強度を有する床シート1を構成でき、上限値以下の比重を有する場合、良好な衝撃吸収性を有する床シート1を構成できる。
なお、床シート1の比重は、JIS Z 8807の液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法に準拠し、アルファーミラージュ社製の電子比重計(商品名「ELECTRONIC DENSIMETER」)を用いて測定したものをいう。
本発明の床シート1は、上方から順に、非発泡樹脂層2、ガラス繊維を含む繊維補強層3及び発泡樹脂層4の積層構造を有する。ボールなどの比較的軽量なものが床シート1の表面に落下したときには、非発泡樹脂層2及び繊維補強層3がそれを面で受け止めた後、上方へ十分に反発させることができる。一方、人が転倒するなど比較的重たいものが床シート1の表面に落下したときには、非発泡樹脂層2及び繊維補強層3がそれを面で受け止めつつ下方に沈み込み、その沈み込みを発泡樹脂層4が吸収する。かかる作用によって、本発明の床シート1は、衝撃吸収性に優れ且つ高いボール反発性を実現することができる。
[他の実施形態に係る床シート]
上記実施形態では、表層22とデザイン層23が別層であるが、表層を有していなくてもよい。
例えば、図3は、他の実施形態に係る床シートの断面図である。
図3を参照して、床シート1は、非発泡樹脂層2と、繊維補強層3と、発泡樹脂層4と、がこの順で積層された積層構造を有する。非発泡樹脂層2は、上方から順に、保護層21、デザイン層25及び中間層24の積層物からなる。
保護層21は、デザイン層25の表面に直接的に接合されている。
このようなデザイン層25は、例えば、着色樹脂シート(例えば、顔料などによって着色された塩化ビニル系樹脂などの樹脂シート)を用いることができる。なお、表層を積層しないので、床シート1の全体厚みを増やすことなく、比較的厚みの大きいデザイン層25を用いることもできる。換言すると、表層を省略すると、その厚み分、デザイン層25の厚みを大きくしても、床シート1の全体厚みが増すことはない。このように厚みの大きいデザイン層25を用いた場合、経時的に保護層21が消失してデザイン層25の表面が靴底などで削られたとしても、デザインが消失しにくいという利点がある。
また、本発明の床シート1は、非発泡樹脂層2、繊維補強層3及び発泡樹脂層4の積層構造に限られず、例えば、発泡樹脂層4の裏面に、バッキング層、吸着層、粘着層などから選ばれる少なくとも1つを積層してもよい(図示せず)。バッキング層は、不織布、織布などで形成することができる。不織布又は/及び織布のバッキング層を積層することにより、床シート1の強度を高めることができる。吸着層又は粘着層は、常温で吸着性又は粘着性を有する樹脂によって形成することができる。吸着層又は粘着層を設けることによって、床シート1の敷設時に、接着剤などを用いることなく、床シート1を床下地へ貼り付けることも可能となる。
[床シートの施工方法]
本発明の床シート1は、各種スポーツ施設の床下地に敷設され、特に、体育館、フィットネスジムなどの屋内スポーツ施設の床面に好適に用いられる。
床シート1は、新築の床下地に敷設してもよく、或いは、既存の床下地に敷設してもよい。
新築の施工では、床シート1は、例えば、接着剤又は/及び粘着テープなどを用いて、床下地の上に貼り付けられる。床下地は、コンクリートやモルタルなどであってもよく、鋼製二重床上に合板などの木質系下地を敷設したものであってもよい。床下地は、前者よりも後者のほうが、床シート1の衝撃吸収性に、鋼製二重床の衝撃吸収性が付加され、両者の相乗によって衝撃吸収性の高い床面を構築できる。
また、既存の施工では、床シート1は、既存の床材(好ましくはフローリングなどの木質系床材)を床下地としてその上に接着剤などを用いて貼り付けてもよく、或いは、既存の床材を除去した後の床下地の上に貼付けてもよく、或いは、既存の床材を除去した後、補修又は改修した床下地の上に貼付けてもよい。既存のフローリングなどの床材を床下地として床シート1を敷設する場合には、老朽化した床材を剥がすことなく、そのまま床下地として利用できるので、簡易にスポーツ施設の床面の改修を行うことができる。
[床シートの製造方法]
本発明の床シート1は、例えば、次のようにして製造できる。
コンベア上に、発泡樹脂層形成用の樹脂組成物を、所定厚みの層状に塗布する。発泡樹脂層形成用の樹脂組成物としては、上述のようにペースト塩化ビニル樹脂を主成分とする塩化ビニル組成物が好ましい。この層状の樹脂組成物の上に、ガラス不織布などの繊維補強層を載せた後、その繊維補強層の上に、中間層形成用の樹脂組成物を、所定厚みの層状に塗布する。中間層形成用の樹脂組成物としては、上述のようにペースト塩化ビニル樹脂を主成分とする塩化ビニル組成物が好ましい。この層状の樹脂組成物の上に、ガラス不織布などの繊維補強層を載せた後、その繊維補強層の上に、着色樹脂シートなどのデザイン層を載せた後、そのデザイン層の上に、表層形成用の樹脂組成物を、所定厚みの層状に塗布する。得られた積層体を、例えば、160℃~200℃で加熱する。必要に応じて、加圧しながら加熱してもよい。このようにして塩化ビニル組成物をゲル化させる。
この積層体の表面に、必要に応じて、エンボスロールなどを用いてエンボス加工を行い、微細な凹凸を形成する。最後に、積層体の表面に、紫外線硬化型樹脂などの樹脂を所定厚みの層状に塗布し、これを硬化させる。
このようにして、非発泡樹脂層2(保護層21、表層22、デザイン層23及び中間層24)/繊維補強層3/発泡樹脂層4からなる床シート1が得られる。
発泡樹脂層4及び中間層24をいずれもペースト塩化ビニル樹脂を主成分とする樹脂組成物で形成することにより、それぞれのペースト塩化ビニル樹脂組成物が繊維補強層3の上下から繊維補強層3内に含浸してゲル化する。特に、発泡樹脂層4と中間層24が繊維補強層3内で接触した状態でゲル化することが好ましい。このため、発泡樹脂層4と中間層24がそれぞれ繊維補強層3に強固に接合すると共に、発泡樹脂層4と中間層24も繊維補強層3の内部で接合するようになる。このように繊維補強層3と発泡樹脂層4及び中間層24とが一体化されることにより、ボール反発率を高めることができる。また、中間層24と発泡樹脂層4が繊維補強層3の内部で接合されているため、中間層24を含む非発泡樹脂層2に加わった衝撃が発泡樹脂層4に拡散しつつスムーズに伝わるようになる。このため優れたG値を有する床シート1を構成できる。本発明の床シート1は、4mm~6mmという比較的小さい厚みであるにも拘わらず、衝撃吸収性に優れている。
また、非発泡樹脂層2のうち、表層22、デザイン層23及び中間層24を、塩化ビニル樹脂を主成分とする樹脂組成物で形成する場合、各層は、サスペンジョン塩化ビニル樹脂、ペースト塩化ビニル樹脂のいずれを用いてもよいが、これらの層から選ばれる少なくとも1つの層が、サスペンジョン塩化ビニル樹脂を主成分としていることが好ましい。これによって剛性が高まるので、床シート1の厚みを増加させることなく、ボール反発率を高めることができる。
また、非発泡樹脂層2において、互いに隣接する層がいずれもサスペンジョン塩化ビニル樹脂である場合、接合力が弱くなる傾向にある。かかる観点から、非発泡樹脂層2を構成する各層のうち少なくとも1つの層をサスペンション塩化ビニル樹脂を主成分とする樹脂組成物で形成する場合、そのサスペンション塩化ビニル樹脂を主成分とする層に隣接する2つの層のうち少なくとも一方の層は、ペースト塩化ビニル樹脂を主成分とすることが好ましい。このようにすることによって、サスペンジョン塩化ビニル樹脂を主成分とする層に対してペースト塩化ビニル樹脂を主成分とする層が強固に接合して、お互いが分離し難い層構成となる。さらに、前記隣接する2つの層をいずれもペースト塩化ビニル樹脂を主成分とする層にすると、より接合力が高まるのでさらに好ましい。このように非発泡樹脂層2に隣接する層の少なくとも一方の層を、ペースト塩化ビニル樹脂を主成分とすることによって、十分な耐久性を有するスポーツ施設に好適な床シート1を提供できる上、層間強度が大きくなるのでボール反発率を高める効果も有する。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に詳述する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
・保護層
無色透明なウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂塗料。この塗料は、ウレタンアクリレートモノマー及びオリゴマー、ベンゾインエーテルなどの光重合開始剤、消泡剤、レベリング剤、つや消し剤などを含み、それ自体、塗工可能な液状のものである。
・表層
100重量部のペースト塩化ビニル樹脂(K値:94)、40重量部の可塑剤(DOP)及び少量の安定剤を混合した塩化ビニル組成物。以下、表層形成用の塩化ビニル組成物という。
・デザイン層(A)
厚み0.01mmの意匠印刷フィルム。
・デザイン層(B)
厚み0.15mmの着色された軟質塩化ビニル樹脂製シート(サスペンション塩化ビニル樹脂製)。
・中間層
100重量部のペースト塩化ビニル樹脂(K値:68)、40重量部の可塑剤(DOPとDOAの混合物)、60重量部の充填剤(炭酸カルシウム)及び少量の安定剤を混合した塩化ビニル組成物。以下、中間層形成用の塩化ビニル組成物という。
・繊維補強層
ガラス不織布。目付量:53g/m。厚み約0.2mm。
・発泡樹脂層
100重量部のペースト塩化ビニル樹脂(K値:68)、50重量部の可塑剤(DOP)、30重量部の充填剤(炭酸カルシウム)、2.5重量部の発泡剤(ADCA)、及び少量の安定剤を混合した塩化ビニル組成物。以下、発泡樹脂層形成用の塩化ビニル組成物という。
[実施例1]
離型処理が施された平坦コンベア上に、発泡樹脂層形成用の塩化ビニル組成物を、厚み約1.5mmの層状に塗布した後、その上にガラス不織布を載せ、そのガラス不織布の上に、中間層形成用の塩化ビニル組成物を、厚み約0.6mmの層状に塗布し、その上にデザイン層(A)を載せ、その上に表層形成用の塩化ビニル組成物を、厚み約0.35mmの層状に塗布することにより、積層体を作製した。
この積層体を200℃に加熱し、発泡樹脂層形成用の塩化ビニル組成物を発泡させると共に、各層形成用の塩化ビニル組成物をゲル化させた。
最後に、この積層体の表面に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂塗料をローラーコート法により均一な厚みで塗布して未硬化の塗膜を形成した後、有電極紫外線ランプで紫外線を照射して硬化させることにより、厚み約0.02mmの保護層を形成した。
このようにして、表面側から順に、約0.02mmの保護層/約0.35mmの表層/約0.01mmのデザイン層(A)/約0.6mmの中間層/約0.2mmの繊維補強層/約3.32mmの発泡樹脂層、からなる床シートを作製した。
発泡樹脂層の発泡倍率は、2.2倍であった。
Figure 0007240986000001
[実施例2乃至実施例6]
表1に示すように、表層の厚み、中間層の厚み及び発泡樹脂層の厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、床シートを作製した。なお、発泡樹脂層形成用の塩化ビニル組成物の塗布厚みは、発泡樹脂層の厚みと発泡樹脂層の発泡倍率(2.2倍)から算出できるので、その記載を省略する。
なお、表1に示す各層の厚みの単位は、全てmm(ミリメートル)である。
[実施例7]
デザイン層(A)に代えて、軟質塩化ビニル樹脂シート(デザイン層(B))を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、床シートを作製した。
[比較例1乃至実施例4]
表2に示すように、中間層の厚み及び発泡樹脂層の厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にして、床シートを作製した。
なお、表2に示す各層の厚みの単位は、全てmm(ミリメートル)である。
[比較例5]
離型処理が施された平坦コンベア上に、ガラス不織布を載せ、その上に発泡樹脂層形成用の塩化ビニル組成物を、厚み約2.0mmの層状に塗布することにより、積層体を作製した。
この積層体を200℃に加熱し、発泡樹脂層形成用の塩化ビニル組成物を発泡させ且つゲル化させることにより、表面側から順に、約4.3mmの発泡樹脂層/約0.2mmの繊維補強層、からなる床シートを作製した。
Figure 0007240986000002
[G値の測定方法]
G値は、実施例及び比較例の床シートについて、JIS A 6519:2013(床のかたさ試験方法)に準じて測定した。その結果を表1及び表2に示す。
具体的には、コンクリート製の平坦面に、床シートの裏面側を前記平坦面に向けて、市販の両面粘着テープを用いて固定した。この床シートの表面に、人間の頭部をモデルにした重り(3.85kgf)を規定の高さ(20cm)から落下させ、加速度計を用いて最大加速度(G値)を測定した。G値は、単なる表面の柔らかさや弾力性の評価とは異なり、値が小さいほど、衝撃吸収性に優れていると言える。
[ボール反発率の測定方法]
ボール反発率は、欧州のスポーツ用床材の規格である「Standard EN 12235の『vertical ball behaviour』」に準じて測定した。
具体的には、コンクリート製の平坦面に、2mの高さからバスケットボールを自然落下させて、そのボールの跳ね返り高さを計測した。この計測を、3回行い、その平均値を算出した(この平均値を基準値という)。
次に、測定対象である実施例及び比較例の各床シートを、前記コンクリート製の平坦面に、その裏面側を前記平坦面に向けて市販の両面粘着テープを用いて固定した。この床シートの表面に、2mの高さからバスケットボールを自然落下させて、そのボールの跳ね返り高さを計測した。この計測を、3回行い、その平均値を算出した(この平均値を跳ね返り値という)。
なお、バスケットボールは、株式会社モルテン製、品名「JB3500」、品番「B7C3500」を使用した。このバスケットボールは、表面が人工皮革貼りのサイズ7号球(直径約24.5cm、重量567g~650g)で、空気圧0.6bar(0.06MPa)である。
各床シートについて、次の計算式によって、ボール反発率を算出した。その結果を表1及び表2に示す。
ボール反発率(%)=(跳ね返り値÷基準値)×100。
図4は、実施例1乃至7、比較例1の床シートのG値と発泡樹脂層の厚みの関係を示すグラフ図である。なお、実施例1、実施例2及び比較例1の床シートは、発泡樹脂層の厚みが異なる点を除いて、同じ層構成である。図4を参照して、発泡樹脂層の厚みを2.9mm以上とすると、G値が100以下となることが判る。
1 床シート
2 非発泡樹脂層
22 表層
23 デザイン層
3 繊維補強層
4 発泡樹脂層

Claims (3)

  1. 上方から順に、非発泡樹脂層と、ガラス繊維を含む繊維補強層と、厚み2.9mm~5mmの発泡樹脂層と、を有する積層構造を有し、
    90%以上のボール反発率及び100以下のG値を有し、厚みが4mm~6mmである、スポーツ施設用床シート。
  2. 前記非発泡樹脂層の厚みが、0.8mm~1.8mmである、請求項1に記載のスポーツ施設用床シート。
  3. 前記非発泡樹脂層が、上方から順に、表層とデザイン層とを有する、請求項1または2に記載のスポーツ施設用床シート。
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