JP7348055B2 - 低光沢性ビニル系床材 - Google Patents
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Description
1. 塩化ビニル系樹脂含有層を含む基材と前記基材表面上に積層された保護層とを含む床材であって、前記保護層が(1)電離放射線硬化性樹脂、(2)不定形状の骨材及び(3)球状の骨材を含むことを特徴とする低光沢性ビニル系床材。
2. 不定形状の骨材と球状の骨材との合計量が電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して10~45重量部である、前記項1に記載の低光沢性ビニル系床材。
3. 不定形状の骨材の平均粒径(A)が10~40μmであり、かつ、球状の骨材の平均粒径(B)が前記平均粒径(A)よりも1~10μm大きい、前記項1又は2に記載の低光沢性ビニル系床材。
4. 不定形状の骨材と球状の骨材との比率が重量比で1:0.5~4である、前記項1~3のいずれかに記載の低光沢性ビニル系床材。
5. a)球状の骨材の平均粒径、b)保護層の厚み及びc)不定形状の骨材の平均粒径が、(球状の骨材の平均粒径>保護層の厚み>不定形状の骨材の平均粒径)の関係を満たす、前記項1~4のいずれかに記載の低光沢性ビニル系床材。
本発明の低光沢性ビニル系床材(本発明床材)は、塩化ビニル系樹脂含有層を含む基材と前記基材表面上に積層された保護層とを含む床材であって、前記保護層が(a)電離放射線硬化性樹脂、(b)不定形状の骨材及び(c)球状の骨材を含むことを特徴とする。
本発明基材としては、塩化ビニル系樹脂含有層を含むものであれば良く、単層又は多層のいずれであっても良い。
保護層は、(a)電離放射線硬化性樹脂、(b)不定形状の骨材及び(c)球状の骨材を含むことを特徴とする。
1)床材を平面視で1cm×1cmに裁断してサンプルを作製する。
2)作製したサンプルをSEMで観察し、任意に選択した100個の骨材について、球状か不定形かを判断する。
3)球状の骨材は、粒径を測定する。サンプル中の全ての球状骨材の個数から粒径の平均値を算出する。
4)不定形の骨材は、長辺と短辺の平均値を粒径とする。サンプル中の全ての不定形骨材の個数から粒径の平均値を算出する。
本発明床材の製造方法は、特に限定されないが、例えば(1)塩化ビニル系樹脂含有層を含む基材の少なくとも一方の面に(a)電離放射線硬化性樹脂又は当該樹脂を形成し得るモノマー又はオリゴマー、(b)不定形状の骨材及び(c)球状の骨材を含む塗工液を塗布することにより塗膜を形成する工程(塗布工程)、(2)前記塗膜に電離放射線を照射することにより前記塗膜を硬化させる工程(硬化工程)を含む方法によって好適に製造することができる。
塗布工程では、塩化ビニル系樹脂含有層を含む基材の少なくとも一方の面に(a)電離放射線硬化性樹脂又は当該樹脂を形成し得る硬化性モノマー又はオリゴマー、(b)不定形状の骨材及び(c)球状の骨材を含む塗工液を塗布することにより塗膜を形成する。
硬化工程では、前記塗膜に電離放射線を照射することによって、未硬化の前記塗膜を硬化させる。
本発明床材は、公知又は市販の床材と同様にして使用(施工)することができる。従って、床材の形態も限定されず、例えばタイル、シート等の各種の形態を採用することができる。
ウレタン系紫外線硬化型樹脂(製品名「U-1102」大日精化社製、無溶剤型の液状タイプ)100重量部に対して、不定形状のアルミナ骨材(製品名「WA400」大日精化社製,平均粒径30μm)と球状のアルミナ骨材(製品名「AZ35-125」マイクロンカンパニー社製,平均粒径37μm)との合計33重量部を所定の重量割合で添加することにより塗工液を調製した。不定形状の骨材と球状の骨材との重量比率は、表1に示す通りである。
得られた塗工液を市販の塩化ビニル樹脂製床材用シート(サイズ:縦45cm×横45cm×厚み0.3cm)の表面上にナチュラルロールコート法により均一な厚みで塗布した後、直ちに空気中において有電極紫外線ランプで紫外線を照射することにより、硬化体からなる保護層(厚み:約30μm)を形成した。
不定形状のアルミナ骨材(製品名「WA400」昭和電工社製,平均粒径30μm)のみを33重量部用いたほかは、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製した後、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂製床材用シートの表面上に樹脂硬化体からなる保護層(厚み:約30μm)を形成した。
球状のアルミナ骨材(製品名「AZ35-125」マイクロンカンパニー社製,平均粒径37μm)のみを33重量部用いたほかは、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製した後、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂製床材用シートの表面上に樹脂硬化体からなる保護層(厚み:約30μm)を形成した。
市販の表面処理シリカ骨材(製品名「ACEMATT3600」エボニック社製,平均粒径5μm)のみを33重量部用いたほかは、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製した後、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂製床材用シートの表面上に樹脂硬化体からなる保護層(厚み:約30μm)を形成した。
各実施例及び比較例て得られたサンプルの保護層面について、光沢値を測定したほか、ブラックヒールマーク(BHM)試験、東工大汚れ(Z値)試験及びテーバー摩耗試験を実施した。これらは、以下の方法によってそれぞれ実施した。その結果を表2に示す。
各床材から450mm角のサンプルを作製したうえで、そのサンプルを温度23℃±2℃、湿度70%±15%の条件の下で24時間養生した後、光沢度計(型式:IG-320、堀場製作所製)によって前記試料の表面の任意の5点の光沢値を測定し、その平均値を算出した(測定角度:60度)。光沢値は、35%以下が良好である。本発明における低光沢性床材とは、光沢値が35%以下のものとする。
各床材から縦18cm×横28cmの長方形状に裁断してそれぞれ3枚のサンプルを作製した。この3枚のサンプルの保護層とは反対側の面を、縦52cm×横52cm×高さ45cmの立方体状の中空容器の内壁に貼り付けた。この中空容器内に、縦5cm×横5cm×高さ5cmの立方体状のゴム片を6個入れ、この容器を時計回りに15分間回転(回転速度:63回転/分)させ、次に反時計回りに15分間回転(回転速度:63回転/分)させた。回転停止後、汚れた状態のサンプルを取り出した。続いて、各サンプルの表面を乾燥した状態で紙拭き(乾拭)及び、水で濡らした状態で紙拭き(水拭)を3分間実施し、汚れの程度を目視にて観察した。汚れの付着が認められないものを「a」、乾拭で汚れが取れるものを「b」、乾拭では取れないが、水拭きで汚れが綺麗に取れるものを「c+」とし、乾拭では取れないが、水拭きで汚れがおおむね取れるものを「c-」とした。床材の評価として、「c+」以上が好ましい。
各実施例及び比較例の床材の保護層について、東京工業大学汚れ試験方法に準じて、その表面に汚れを付着させた後、その汚れを布拭きした後の試験用表層の表面の汚れ具合を評価した。具体的な試験方法は、下記の通りである。
各試験用表層を縦15cm×横15cmの矩形状に裁断してサンプルを作製した。このサンプルの保護層の表面の一部分を露出させ、一部分を保護フィルムで覆った(すなわち、保護層の表面の一部分に汚れが付着しないブランクを形成した)。サンプルの保護層の表面とは反対側の面を、回転式試験機(安田精機(株)製、商品名:東工大式汚れ試験機)の正六角柱状の中空容器(六角柱の6つの側面の大きさがそれぞれ、縦(軸方向)×横(周方向)=16.0cm×16.3cm)の側面内壁に両面テープを用いて貼り付けた。この中空容器内に、150gの炭化ケイ素(No.80)、2gの粉末パステル及び110gの鉄球10個(直径3cm)を入れ、この容器を時計回り及び半時計回りに計3分間回転(回転速度:20回転/分)させた。
回転停止後、サンプルを容器から取り出し、保護フィルムで覆われていない表層の表面を乾燥した布で拭き取り、汚れを除去した。布拭き後の表面と保護フィルムを外した表面(ブランクの表面)との色差を、色差計(日本電色工業(株)製の商品名「ZE-2000」。測定径30mmφ。0°-d方式によるダブルビーム方式)を用いて測定した。下記式に従い、色差からY値を求め、Y値からZ値を求めた。
式(1):色差ΔE={(L-L1)2-(a-a1)2-(b-b1)2}1/2
式(2):Y値=0.6531×ΔE-0.4333
式(3):Z値=0.2581×Y値+1.4493
ただし、Lはブランクの表面の明度、L1は布拭き後の表面の明度、aはブランクの表面の緑色から赤色、a1は布拭き後の表面の緑色から赤色、bはブランクの表面の青色から黄色、b1は布拭き後の表面の青色から黄色を示す。
前記Z値は、東京工業大学小野英治氏の論文(昭和55年9月の日本建築学会退会学術講演梗概集の第337頁及び第338頁「建築物床仕上材料の汚れおよびその評価方法に関する研究(2)」)で規定されている。Z値が小さいほど汚れ除去性が良好と言える。
JIS A1453-1973「建築材料及び建築構成部分の摩耗試験方法(研磨紙法)」であり、測定装置として「アプレーションテスター」(TABER社製)を用いた。完全摩耗回転数(rpm)を表2に示す。テーバー摩耗の値は、床材の性能として、650以上が好ましく、特に700以上がより好ましい。
(試験方法)JISA5705「斜め引張り試験」に準拠して行った。傾斜度30°の引っ張り測端部を持つ底面積56cm2の滑り片に実際に使用する履き物(シューズのゴム底)の靴底を取り付けた。載荷重80kg(785N)をかけ、床から18°、引張り荷重速度80kg/minで引張り、滑り始めたときの最大引張り力を載荷重で除した値(CSR値)を滑り抵抗の評価指数とした。測定は、通常の乾燥時(表面が濡れていない状態)及び湿潤時(表面が濡れた状態)に行った。本試験から求めたCSR値の差から防滑性による転倒防止の度合いを求めた。CSR値が0.45以上を「〇」とし、CSR値が0.45未満0.40以上を「△」とし、CSR値が0.40未満を「×」と評価した。
実施例3及び比較例1で得られた床材の保護層面付近の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を図1及び図2にそれぞれ示す。また、球状アルミナ骨材及び不定形状アルミナ骨材を走査型電子顕微鏡で観察した結果を図3及び図4にそれぞれ示す。
Claims (5)
- 塩化ビニル系樹脂含有層を含む基材と前記基材表面上に積層された保護層とを含む床材であって、前記保護層が(1)電離放射線硬化性樹脂、(2)不定形状の骨材及び(3)球状の骨材を含み、
不定形状の骨材の平均粒径(A)が10~40μmであり、かつ、球状の骨材の平均粒径(B)が前記平均粒径(A)よりも1~10μm大きく、
不定形状の骨材と球状の骨材との比率が重量比で1:0.5~4である、
ことを特徴とする低光沢性ビニル系床材。 - 不定形状の骨材と球状の骨材との合計量が電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して10~45重量部である、請求項1に記載の低光沢性ビニル系床材。
- 不定形状の骨材がアルミナであり、かつ、球状の骨材がアルミナである、請求項1又は2に記載の低光沢性ビニル系床材。
- 保護層の厚みが10~50μmである、請求項1~3のいずれかに記載の低光沢性ビニル系床材。
- a)球状の骨材の平均粒径、b)保護層の厚み及びc)不定形状の骨材の平均粒径が、(球状の骨材の平均粒径>保護層の厚み>不定形状の骨材の平均粒径)の関係を満たす、請求項1~4のいずれかに記載の低光沢性ビニル系床材。
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