JP7240899B2 - パワーオンクリア回路及び半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パワーオンクリア回路及び半導体装置に関する。
高電源電圧VDDHVに基づいて動作する回路及び低電源電圧VDDLVに基づいて動作する回路から構成される半導体集積回路において、高電源電圧VDDHVのみがI/O電源として外部から供給される場合、回路内のレギュレータ等の動作により、高電源電圧VDDHVに基づいてコア電源としての低電源電圧VDDLVを作る必要がある。このように作られた低電源電圧VDDLVは、高電源電圧VDDHVの電圧値の変化に追従して変化する。このため、高電源電圧VDDHVの立ち上がり直後の期間では、高電源電圧VDDHVのみが立ち上がり、低電源電圧VDDLVがまだ立ち上がっていない状態が生じる。
低電源電圧VDDLVが立ち上がっていない状態では、低電源電圧VDDLVに基づいて動作する回路の出力信号は、“H”レベルなのか“L”レベルなのかが定まらない不定の状態となる。このような出力信号が半導体集積回路のI/O端子に接続された信号出力部に供給されると、例えば信号出力部を構成するNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタが同時にオンとなって貫通電流が生じる場合がある。また、例えば入力端子設定のI/O端子が出力端子となり、他のICの出力端子とショートされる危険性がある。そこで、このような状態を避けるため、信号出力部にパワーオンクリア信号を供給することにより、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタがともにオフとなるように制御することが行われている。
パワーオンクリア信号を生成する回路として、縦続接続した複数段のインバータを用いたパワーオンクリア回路が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許第5476104号公報
低電源電電圧VDDLVをコア電源として動作する半導体集積回路に搭載されるパワーオンクリア回路は、例えば複数段のインバータのうちの初段のインバータを構成するPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのゲートに低電源電圧VDDLVを供給し、各段のPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタを相補的にオン及びオフに制御することによりパワーオンクリア信号を生成する。
このようなパワーオンクリア回路では、初段のインバータのPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのゲートに低電源電圧VDDLVを印加したとき、初段のインバータの入力が中間電位となり、数μAの貫通電流が流れてしまう場合がある。このため、回路の消費電流が増大してしまうという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、消費電流を抑えることが可能なパワーオンクリア回路を提供することを目的とする。
本発明に係るパワーオンクリア回路は、第1の電源電圧が供給される第1ラインに一端において接続され、一端から他端に向けて定電流を送出する定電流送出部、及び一端において固定電位が供給される第2ラインに接続され、他端において前記定電流送出部の他端に接続され、制御端に前記第1の電源電圧を降圧した第2の電源電圧の印加を受ける第1トランジスタを含む第1のインバータ部と、前記第1の電源電圧で動作し、前記定電流送出部の他端と前記第1トランジスタの一端との間に接続された第1ノードの電位を入力とするインバータである第2のインバータ部と、前記第2のインバータ部の出力に応じて、前記第2の電源電圧で動作する装置の信号入出力端子に対するパワーオンクリア信号を出力する信号出力部と、第1端が前記第2ラインに接続され且つ前記第2のインバータ部の出力端及び前記信号出力部の入力端を接続するノードである第2ノードに接続された制御端を有する第2トランジスタと、第1端が前記第2トランジスタの第2端に接続され且つ制御端が前記第1ノードに接続された第3トランジスタと、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタに流れる電流に比例した電流を前記第1ノードに送出するカレントミラー部と、を含み、前記第1ノードの電位及び前記第2ノードの電位に応じて前記第1ノードに補助電流を送出する補助電流送出回路と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る半導体装置は、第1の電源電圧を降圧して第2の電源電圧を生成するレギュレータ回路と、前記第2の電源電圧に基づいて動作するコア回路と、前記コア回路に接続された信号入出力端子と、前記第1の電源電圧が供給される第1ラインと固定電位が供給される第2ラインとに接続され、前記第2の電源電圧に基づいて前記信号入出力端子に対するパワーオンクリア信号を生成するパワーオンクリア回路と、を含み、前記パワーオンクリア回路は、前記第1ラインに一端において接続され、一端から他端に向けて定電流を送出する定電流送出部、及び一端において前記第2ラインに接続され、他端において前記定電流送出部の他端に接続され、制御端に前記第2の電源電圧の印加を受ける第1トランジスタを含む第1のインバータ部と、前記第1の電源電圧で動作し、前記定電流送出部の他端と前記第1トランジスタの一端との間に接続された第1ノードの電位を入力とするインバータである第2のインバータ部と、前記第2のインバータ部の出力に応じて、前記パワーオンクリア信号を出力する信号出力部と、第1端が前記第2ラインに接続され且つ前記第2のインバータ部の出力端及び前記信号出力部の入力端を接続するノードである第2ノードに接続された制御端を有する第2トランジスタと、第1端が前記第2トランジスタの第2端に接続され且つ制御端が前記第1ノードに接続された第3トランジスタと、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタに流れる電流に比例した電流を前記第1ノードに送出するカレントミラー部と、を含み、前記第1ノードの電位及び前記第2ノードの電位に応じて前記第1ノードに補助電流を送出する補助電流送出回路と、を有することを特徴とする。
本発明のパワーオンクリア回路によれば、消費電流の増大を抑えることが可能となる。
本実施例の半導体装置の構成を示すブロック図である。 実施例1のパワーオンクリア回路の構成を示す回路図である。 比較例のパワーオンクリア回路の構成を示す回路図である。 実施例1のパワーオンクリア回路の動作波形を比較例の動作波形と比較して示す図である。 実施例1のパワーオン回路の変形例を示す回路図である。 実施例2のパワーオンクリア回路の構成を示す回路図である。 実施例2のパワーオンクリア回路の動作波形を比較例の動作波形と比較して示す図である。 実施例3のパワーオンクリア回路の構成を示す回路図である。 複数のパワーオンクリア回路の動作波形を比較して示す図である。 実施例4のパワーオンクリア回路の構成を示す回路図である。 実施例5のパワーオンクリア回路の構成を示す回路図である。
以下に本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下の各実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一または等価な部分には同一の参照符号を付している。
図1は、本実施例の半導体装置100の構成を示すブロック図である。半導体装置100は、コア回路10、レギュレータ回路11、パワーオンリセット回路12、パワーオンクリア回路13及びI/O端子14から構成されている。半導体装置100には、外部から高電源電圧VDDHVが供給される。
コア回路10は、半導体装置100の主機能を担う回路であり、低電源電圧VDDLVに基づいて動作を行う。
レギュレータ回路11は、高電源電圧VDDHVに基づいて、コア回路10を動作させる電源電圧としての低電源電圧VDDLVを生成する。レギュレータ回路11は、生成した低電源電圧VDDLVをコア回路10、パワーオンリセット回路12及びパワーオンクリア回路13に供給する。
低電源電圧VDDLVは、高電源電圧VDDHVの電圧レベルの変化に応じて、当該変化から少し遅れて追従するように電圧レベルが変化する。例えば、高電源電圧VDDHVがLレベルからHレベルへと変化する(すなわち、立ち上がる)と、所定期間の後に低電源電圧VDDLVもLレベルからHレベルへと変化する。また、高電源電圧VDDHVがHレベルからLレベルへと変化する(すなわち、立ち下がる)と、所定期間の後に低電源電圧VDDLVもHレベルからLレベルへと変化する。なお、低電源電圧VDDLVは、Hレベルの状態において、高電源電圧VDDHVのHレベルよりも低い電圧レベルを有する。
パワーオンリセット回路12は、高電源電圧VDD、低電源電圧VDDLV及び接地電位VSSに基づいてパワーオンリセット信号PORを生成し、コア回路10に供給する。パワーオンリセット信号PORは、論理レベル1の信号レベル(以下、Hレベルと称する)及び論理レベル0の信号レベル(以下、Lレベルと称する)に変化し、コア回路10の状態を制御する信号である。例えば、コア回路10に含まれるフリップフロップ等の回路素子や機能モジュール(図示せず)は、Hレベルのパワーオンリセット信号PORの供給を受けてリセット状態に設定され、Lレベルのパワーオンリセット信号PORの供給を受けてリセット状態から解除される。
パワーオンクリア回路13は、高電源電圧VDD、低電源電圧VDDLV及び接地電位VSSに基づいてパワーオンクリア信号POCを生成し、I/O端子14に供給する。パワーオンクリア信号POCは、Hレベル及びLレベルに変化し、I/O端子14の状態を制御する信号である。例えば、パワーオンクリア信号POCは、コア回路10がリセットされてからリセット状態から解除されるまでの間、I/O端子をハイインピーダンス状態(Hi-Z)に制御する。
I/O端子14は、信号の入力を受ける入力端子及び信号を出力する出力端子の機能を有する入出力端子である。
図2は、パワーオンクリア回路13の構成例を示す回路図である。パワーオンクリア回路13は、インバータINV1、INV2及びINV3からなる複数段のインバータ回路を含む。
インバータINV1は、複数段のインバータ回路のうちの初段に位置するインバータ回路である。インバータINV1は、高電源電圧VDDHV及び接地電位VSSに基づいて動作し、低電源電圧VDDLVの供給を受けて反転信号をノードN1に出力する。インバータINV1は、定電流源I1及びトランジスタMN1を含む。
トランジスタMN1は、例えば第1導電型のトランジスタであるNチャネル型MOSFETから構成されている。トランジスタMN1のソース(第1端)は、接地電位VSSの伝送ラインである接地ラインL2に接続されている。トランジスタMN1のドレイン(第2端)は、ノードN1に接続されている。トランジスタMN1のゲート(制御端)には抵抗R1が接続されており、抵抗R1を介して低電源電圧VDDLVが供給される。
定電流源I1は、高電源電圧VDDHVの伝送ラインである電源ラインL1に一端が接続され、他端がトランジスタMN1のドレイン及びノードN1に接続されている。定電流源I1は、高電源電圧VDDHVに基づいて定電流を生成し、トランジスタMN1のドレイン及びノードN1に供給する。
インバータINV2は、初段のインバータ回路であるインバータINV1の出力をさらに反転する2段目のインバータ回路である。インバータINV2は、高電源電圧VDDHV及び接地電位VSSに基づいて動作し、ノードN1の電位を反転した反転信号をノードN2に出力する。インバータINV2は、トランジスタMP2及びトランジスタMN2を含む。
トランジスタMP2は、例えば第1導電型とは反対導電型の第2導電型のトランジスタであるPチャネル型MOSFETから構成されている。トランジスタMP2のソース(第1端)は、電源ラインL1に接続されている。トランジスタMP2のドレイン(第2端)は、ノードN2に接続されている。トランジスタMP2のゲート(制御端)は、ノードN1に接続されている。
トランジスタMN2は、例えば第1導電型のトランジスタであるNチャネル型MOSFETから構成されている。トランジスタMN2のソース(第1端)は、接地ラインL2に接続されている。トランジスタMN2のドレイン(第2端)は、トランジスタMP2のドレインとともにノードN2に接続されている。トランジスタMN2のゲート(制御端)は、トランジスタMP2のゲートとともにノードN1に接続されている。
インバータINV3は、2段目のインバータ回路であるインバータINV2の出力をさらに反転する3段目のインバータ回路である。インバータINV3は、高電源電圧VDDHV及び接地電位VSSに基づいて動作し、ノードN2の電位を反転した信号をパワーオンクリア信号POCとして出力する。インバータINV3は、トランジスタMP3及びトランジスタMN3を含む。
トランジスタMP3は、例えば第2導電型のトランジスタであるPチャネル型MOSFETから構成されている。トランジスタMP3のソース(第1端)は、電源ラインL1に接続されている。トランジスタMP3のドレイン(第2端)は、ノードN3を介してパワーオンクリア信号POCの出力端TTに接続されている。トランジスタMP3のゲート(制御端)は、ノードN2に接続されている。
トランジスタMN3は、例えば第1導電型のトランジスタであるNチャネル型MOSFETから構成されている。トランジスタMN3のソース(第1端)は、接地ラインL2に接続されている。トランジスタMN3のドレイン(第2端)は、トランジスタMP3のドレインとともにノードN3を介して出力端TTに接続されている。トランジスタMN3のゲート(制御端)は、トランジスタMP3のゲートとともにノードN2に接続されている。
次に、本実施例のパワーオンクリア回路13の動作について、比較例のパワーオンクリア回路の動作と比較しつつ説明する。
図3は、本実施例のパワーオンクリア回路13とは異なるインバータINV1の構成を有する、比較例のパワーオンクリア回路の構成を示す回路図である。比較例のインバータINV1は、本実施例の定電流源I1の代わりにトランジスタMP1を有する。トランジスタMP1は、例えばPチャネル型MOSFETから構成されており、ソースが電源ラインL1に接続され、ドレインがトランジスタMN1のドレインとともにノードN1に接続されている。トランジスタMP1のゲートは、トランジスタMN1のゲートと共通に抵抗R1に接続され、低電源電圧VDDLの供給を受ける。
図4は、実施例1のパワーオンクリア回路13が出力するパワーオンクリア信号POC及び各インバータに流れる電流を合計した総電流IDDの波形を、比較例のパワーオンクリア回路の波形と比較して示す図である。(A)が比較例のパワーオンクリア回路、(B)が本実施例のパワーオンクリア回路13の波形を示している。
高電源電圧VDDHVが立ち上がり、低電源電圧VDDLVがまだ立ち上がっていない状態では、比較例のパワーオン回路のトランジスタMP1がオン、MP2がオフとなり、ノードN1の電位がHレベルとなる。同様に、本実施例のパワーオンクリア回路13では、定電流源I1の出力電流によりノードN1の電位が上昇し、Hレベルとなる。これにより、インバータINV2のトランジスタMP2がオフ、トランジスタMN2がオンとなるため、ノードN2の電位はLレベルとなる。
ノードN2の電位がLレベルであるため、インバータINV3のトランジスタMP3がオン、トランジスタMN3がオフとなり、ノードN3の電位はHレベルとなる。これにより、Hレベルのパワーオンクリア信号POCが出力される。
次に、低電源電圧VDDLVが立ち上がると、トランジスタMN1がオンとなり、ノードN1の電位が低下する。ノードN2の電位が上昇し、ノードN3の電位が下降することにより、Lレベルのパワーオンクリア信号POCが出力される。
このパワーオンクリア信号POCがHレベルからLレベルに遷移する期間において、低電源電圧VDDLVの電圧レベルが比較例のトランジスタMP1及びMN1の双方を同時にオンにするような中間電位になると、比較例のパワーオンクリア回路ではインバータINV1に貫通電流が流れ、総電流IDDの電流量が増加する。
これに対し、本実施例のパワーオンクリア回路13では、低電源電圧VDDLVの電圧レベルが中間電位になったとしても、インバータINV1に流れる電流は定電流源I1の出力電流に律速されるため、電流量の増加が抑えられる。すなわち、総電流IDDの電流量は、図4の(B)に破線で示すような電流量から実線で示すような電流量に低減されることになる。
以上のように、本実施例のパワーオンクリア回路13によれば、定電流源I1を用いてインバータINV1を構成することにより、インバータINV1を流れる電流の電流量を定電流源I1の出力電流の限度に抑えることができる。従って、低電源電圧VDDLVの電圧レベルが中間電位のレベルになった場合でも、貫通電流による総電流IDDの増加を抑えることが可能となる。
なお、図2に示すパワーオンクリア回路13の構成に追加の回路構成を付加してもよい。
図5は、このような本実施例のパワーオンクリア回路の変形例であるパワーオンクリア回路13Aの構成を示す回路図である。パワーオンクリア回路13Aは、バイアス電流生成回路BC1及びパワーオンクリア信号生成部PG1から構成されている。
パワーオンクリア信号生成部PG1は、トランジスタMN1、インバータINV2及びインバータINV3から構成されており、これらは図2に示すパワーオンクリア回路13のトランジスタMN1、インバータINV2及びインバータINV3にそれぞれ対応している。
バイアス電流生成回路BC1は、トランジスタMP6、MP7及び定電流源I2を含む。バイアス電流生成回路BC1は、抵抗R0を介して電源ラインL1に接続されている。抵抗R0は、電源ラインL1からバイアス電流生成回路BC1に流れる電流の電流量を制限する電流制限抵抗としての機能を有する。
トランジスタMP6及びMP7は、例えば第2導電型のトランジスタであるPチャネル型MOSFETから構成されている。トランジスタMP6及びMP7の各々のソース(第1端)は、抵抗R0の一端に接続されている。抵抗R0の他端は電源ラインL1に接続されている。
トランジスタMP6のドレイン(第2端)及びゲート(制御端)は、ダイオード接続されるとともに定電流源I2の一端に接続されている。定電流源I2の他端は、接地ラインVSSに接続されている。
トランジスタMP7のゲート(制御端)は、トランジスタMP6のゲートに接続されている。トランジスタMP7のドレイン(第2端)は、ノードN0を介してパワーオンクリア信号生成部PG1のトランジスタMN1のドレイン及びインバータINV2に接続されている。
バイアス電流生成回路BC1は、バイアス電流IBIASを生成してノードN1に供給する。トランジスタMP7は、図2に示すパワーオンクリア回路13の定電流源I1と同様の役割を果たし、トランジスタMN1とともにインバータINV1を構成する。
バイアス電流IBIASの電流値は、電流制限抵抗としての抵抗R0及び定電流源I1により、所定電流値以下に制限される。これにより、トランジスタMN1に流れる電流が律速され、電流量の増加が抑えられる。
このように、図5のパワーオンクリア回路13Aは、図2に示すパワーオンクリア回路13と同様、貫通電流による総電流IDDの増加を抑える機能を有する。かかる構成のパワーオンクリア回路によれば、回路全体としての消費電流の増大を抑えることが可能となる。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例の半導体装置は、パワーオンクリア回路の構成において実施例1の半導体装置と異なる。
図6は、本実施例のパワーオンクリア回路23の構成例を示す回路図である。パワーオンクリア回路23は、インバータINV1、INV2及びINV3に加えて、アダプティブバイアス回路AB1を有する点で実施例1のパワーオンクリア回路13と異なる。
アダプティブバイアス回路AB1は、インバータINV1とINV2との間に設けられ、電源ラインL1及び接地ラインL2に接続されている。アダプティブバイアス回路AB1は、トランジスタMP4、トランジスタMP5、トランジスタMN4及びトランジスタMN5を含む。
トランジスタMP4及びMP5は、ともに第2導電型のトランジスタであるPチャネル型MOSFETから構成されている。トランジスタMP4のソース(第1端)は、電源ラインL1に接続されている。トランジスタMP4のゲート(制御端)及びドレイン(第2端)はダイオード接続されている。トランジスタMP5のソース(第1端)は、電源ラインL1に接続されている。トランジスタMP5のドレイン(第2端)は、ノードN1に接続されている。トランジスタMP5のゲート(制御端)は、トランジスタMP4のゲート及びドレインに接続されている。トランジスタMP4及びMP5はカレントミラー回路を構成しており、トランジスタMP4に流れる電流と同じ電流量の電流がトランジスタMP5に流れる。
トランジスタMN4及びMN5は、ともに第1導電型のトランジスタであるNチャネル型MOSFETから構成されている。トランジスタMN4のドレイン(第2端)は、トランジスタMP4のドレインに接続されている。トランジスタMN4のゲート(制御端)は、ノードN1に接続されている。トランジスタMN4のソース(第1端)は、トランジスタMN5のドレイン(第2端)に接続されている。トランジスタMN5のソース(第1端)は、接地ラインL2に接続されている。トランジスタMN5のゲート(制御端)は、ノードN2に接続されている。
アダプティブバイアス回路AB1は、低電源電圧VDDLVの立ち上がり時及び立ち下がり時にノードN1に電流を流す回路である。これにより、Hレベルの状態の低電源電圧VDDLVがいったん立ち下がってから再び立ち上がる際に、パワーオンクリア信号POCの立ち上がりが早まるという効果が得られる。これについて、以下説明する。
図7は、パワーオンクリア信号POC及び各インバータに流れる電流を合計した総電流IDDの波形を、比較例のパワーオンクリア回路(図3)、実施例1のパワーオンクリア回路13(図2)、及び本実施例のパワーオンクリア回路23(図6)について比較して示す図である。(A)が比較例のパワーオンクリア回路、(B)が実施例1のパワーオンクリア回路13、(C)が本実施例のパワーオンクリア回路23の波形を示している。
高電源電圧VDDHVが立ち上がり、低電源電圧VDDLVがまだ立ち上がっていない状態では、比較例のパワーオン回路のトランジスタMP1がオン、MP2がオフとなり、ノードN1の電位がHレベルとなる。同様に、実施例1のパワーオンクリア回路13及び本実施例のパワーオンクリア回路23では、定電流源I1の出力電流によりノードN1の電位が上昇し、Hレベルとなる。これにより、インバータINV2のトランジスタMP2がオフ、トランジスタMN2がオンとなるため、ノードN2の電位はLレベルとなる。
ノードN2の電位がLレベルであるため、インバータINV3のトランジスタMP3がオン、トランジスタMN3がオフとなり、ノードN3の電位はHレベルとなる。これにより、Hレベルのパワーオンクリア信号POCが出力される。
次に、低電源電圧VDDLVが立ち上がると、トランジスタMN1がオンとなり、ノードN1の電位が低下する。ノードN2の電位が上昇し、ノードN3の電位が下降することにより、Lレベルのパワーオンクリア信号POCが出力される。
このパワーオンクリア信号POCがHレベルからLレベルに遷移する期間において、比較例のパワーオンクリア回路では、低電源電圧VDDLVの電圧レベルが中間電位となり、トランジスタMP1及びMN1が同時にオンになると、インバータINV1に貫通電流が流れ、総電流IDDの電流量が増加する。
一方、実施例1のパワーオンクリア回路13では、インバータINV1に流れる電流は定電流源I1の出力電流に律速されるため、低電源電圧VDDLVの電圧レベルが中間電位になった場合でも電流量の増加が抑えられる。従って、総電流IDDの電流量は、図7の(B)に破線で示すような電流量から実線で示すような電流量へと低減される。
これに対し、本実施例のパワーオンクリア回路23では、低電源電圧VDDLVの電圧レベルが中間電位になると、トランジスタMN4及びMN5がオンとなる。トランジスタMP4及びMP5のカレントミラーにより、トランジスタMP4のソースドレイン間に流れる電流と同じ電流量の電流がトランジスタMP5のソースドレイン間に流れ、ノードN1に流れ込む。このため、パワーオンクリア信号POCがHレベルからLレベルに遷移する途中の期間では、図7(C)に実線で示すように、総電流IDDの電流量が一時的に増大する。
低電源電圧VDDLVの電圧レベルが中間電位を超えて上昇すると、トランジスタMP4及びMP5がオフとなり、トランジスタMP5からノードN1に流れ込む電流がなくなるため、総電流IDDの電流量は、実施例1の総電流IDDと同程度の電流量となる。
その後、図1に示すレギュレータ回路11が外乱によりパワーダウンしたり、高電源圧VDDHVが瞬断したりした場合、低電源電圧VDDLVが立ち下がり、HレベルからLレベルへと遷移する。このとき、実施例1のパワーオンクリア回路13では、比較例のパワーオンクリア回路と比べて総電流IDDの電流量が小さいため、ノードN1、N2及びN3の電位の変化が遅くなる。これにより、図7の(B)に示すように、パワーオンクリア信号POCが再びLレベルからHレベルに変化するタイミングが遅れるため、パワーオンクリア信号POCの出力遅延が大きい。
一方、本実施例のパワーオンクリア回路23では、低電源電圧VDDLVが立ち下がって中間電位になると、トランジスタMP4及びMP5とがともにオンとなり、トランジスタMP4のソースドレイン間に流れる電流と電流量の電流がトランジスタMP5のソースドレイン間に流れる。これにより、低電源電圧VDDLVの立ち上がり時と同様、ノードN1に電流が流れ込む。これにより、パワーオンクリア信号POCがHレベルからLレベルに遷移する途中の期間では、図7(C)に実線で示すように、総電流IDDの電流量が一時的に増大する。
このように、本実施例のパワーオンクリア回路23では、低電源電圧VDDLVの電位がHレベルからLレベルに変化する期間及びLレベルからHレベルに変化する期間において、定電流源I1の出力電流にトランジスタMP5のプルアップ電流が補助電流として重畳される。このため、図7(C)に示すように、インバータINV1の出力によるノードN1の充電時間が短縮され、パワーオンクリア信号POCの出力遅延を低減することができる。
なお、低電源電圧VDDLVがLレベルからHレベルに変化するときはトランジスタMN1のプルダウン電流とトランジスタMP5のプルアップ電流とが競合するが、プルダウン電流がプルアップ電流よりも大きくなるように各々のトランジスタのサイズ(チャネル幅又はチャネル長)を調整することにより、ノードN1の電位をLレベルに低下させることができる。
また、補助電流は低電源電圧VDDLVの電位がLレベルからHレベルに変化するとき、及びHレベルからLレベルに変化するときにのみ発生し、定常状態の消費電流は増加しないため、比較例のパワーオンクリア回路と比べて消費電流を抑えることが可能である。
以上のように、本実施例のパワーオンクリア回路23によれば、消費電流の増大を抑えつつ、パワーオンクリア信号POCの出力遅延を抑えることが可能となる。
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例の半導体装置は、パワーオンクリア回路の構成において実施例1及び実施例2の半導体装置と異なる。
図8は、本実施例のパワーオンクリア回路33の構成を示す回路図である。パワーオンクリア回路33は、バイアス電流生成回路BC3及びパワーオンクリア信号生成部PG3から構成されている。
パワーオンクリア信号生成部PG3は、図5に示す実施例1のパワーオンクリア信号生成部PG1の構成に加えて、トランジスタMP8を有する。トランジスタMP8は、例えば第2導電型のトランジスタであるPチャネル型MOSFETから構成されている。トランジスタMP8のソース(第1端)は、電源ラインL1に接続されている。トランジスタMP8のドレイン(第2端)は、ノードN1を介してインバータINV2の入力端及びトランジスタMN1のドレインに接続されている。
バイアス電流生成回路BC3は、図5に示す実施例1のバイアス電流生成回路BC1の構成に加えて、起動信号SETを生成する起動信号生成回路SCを有する。起動信号SETは、コア回路10内の内部ロジック回路にリセットをかけるためのリセット信号であり、高電源電圧VDDHVの立ち上がりに追従して、LレベルからHレベルに変化する信号レベルを有する。起動信号生成回路SCは、起動信号SETをコア回路10内の内部ロジック回路(図示せず)に供給するとともに、トランジスタMP8のゲート(制御端)に供給する。
次に、本実施例のパワーオンクリア回路33の動作について、図5に示す実施例1のパワーオンクリア回路13Aの動作と比較しつつ説明する。
図9は、実施例1のパワーオンクリア回路13Aにおけるパワーオンクリア信号POCの立ち上がりと、本実施例のパワーオンクリア回路33によるパワーオンクリア信号POCの立ち上がりとを比較して示す図である。(A)の実線が実施例1のパワーオンクリア信号POCの波形、(B)の実線が本実施例のパワーオンクリア信号POCの波形をそれぞれ示している。なお、ここでは、高電源電圧VDDHVが立ち上がる一方、低電源電圧VDDLVはまだ立ち上がっていない状態の期間を示している。期間T1で高電源電圧VDDHVが立ち上がり、起動信号SETは期間T1が経過して期間T2に移行する際にHレベルとなる。
期間T1において高電源電圧VDDHVが立ち上がると、実施例1のパワーオンクリア回路13Aでは、バイアス電流生成回路BC1の起動電流により、トランジスタMP6及びMP7のソース電位VDD_REFが降圧し、ノードN0の電位IBIASは中間電位付近の電圧レベルとなる。このため、ノードN1の電位がインバータINV2の閾値を超えるのに時間がかかり、図9の(A)に実線で示すように、パワーオンクリア信号POCの信号レベルは期間T2でHレベルとなる。
これに対し、本実施例のパワーオンクリア回路33では、トランジスタMP8がワイヤードORの形で接続されている。起動信号SETの信号レベルは、期間T1の途中で安定し、Lレベルとなる。このため、期間T1の途中から、トランジスタMP8のゲートにはLレベルの起動信号SETが供給される。トランジスタMP8はオンとなり、トランジスタMP8を流れる電流がノードN1に流れ込む。これにより、ノードN1の電位が上昇し、インバータINV2の閾値を超えるまでの時間が短縮される。その結果、図9の(B)に実線で示すように、パワーオンクリア信号POCは期間T1の途中から立ち上がり、期間T2に移行する時点ではHレベルの状態となる。すなわち、本実施例のパワーオンクリア回路33では、パワーオンクリア信号POCがHレベルになるまでの応答時間が実施例1の場合と比べて短い。
パワーオンクリア信号POCがHレベルになるまでの期間が長いと、パワーオンクリア信号POCを受け取る側のI/O端子14の電位が不定の状態が生じて貫通電流が発生するという問題が生じるが、本実施例のパワーオンクリア回路33によれば、パワーオンクリア信号POCが速やかにHレベルとなるため、そのような問題の発生を抑制することが可能となる。
以上のように、本実施例のパワーオンクリア回路33によれば、高電源電圧VDDHVの立ち上がり時におけるパワーオンクリア信号POCの応答時間(すなわち、Hレベルになるまでの時間)を短縮することが可能となる。
次に、本発明の実施例4について説明する。本実施例の半導体装置は、パワーオンクリア回路の構成において実施例1~3の半導体装置と異なる。
図10は、本実施例のパワーオンクリア回路43の構成を示す回路図である。パワーオンクリア回路43は、バイアス電流生成回路BC4及びパワーオンクリア信号生成部PG4から構成されている。
パワーオンクリア信号生成部PG4は、図5に示す実施例1のパワーオンクリア信号生成部PG1のインバータINV3の代わりに、NANDゲート回路ND1を有する。NANDゲート回路ND1は、2入力のNANDゲート回路であり、ノードN3に接続され、一対の入力端に入力された信号の否定論理積をパワーオンクリア信号POCとして出力端から出力する。NANDゲート回路ND1の入力端の一方は、ノードN2を介してインバータINV2の出力端に接続されている。NANDゲート回路ND1の入力端の他方は、起動信号生成回路SCに接続されている。NANDゲート回路ND1の出力端は、ノードN3に接続されている。
バイアス電流生成回路BC4は、トランジスタMP6、トランジスタMP7、定電流源I2及び起動信号生成回路SCを含む。トランジスタMP6、MP7及び定電流源I2の構成は、図5に示す実施例1のバイアス電流生成回路BC1及び図8に示す実施例3のバイアス電流生成回路BC3と同様である。起動信号生成回路SCは、起動信号SETをコア回路10内の内部ロジック回路(図示せず)に供給するとともに、NANDゲート回路ND1の入力端の他方に供給する。
次に、本実施例のパワーオンクリア回路43の動作について、図9を参照しつつ、実施例1のパワーオンクリア回路13Aの動作と比較して説明する。(A)の実線が実施例1のパワーオンクリア信号POCの波形、(C)の実線が本実施例のパワーオンクリア信号POCの波形をそれぞれ示している。
期間T1において高電源電圧VDDHVが立ち上がると、実施例1のパワーオンクリア回路13Aでは、バイアス電流生成回路BC1の起動電流により、トランジスタMP6及びMP7のソース電位VDD_REFが降圧し、ノードN0の電位IBIASは中間電位付近の電圧レベルとなる。このため、ノードN1の電位がインバータINV2の閾値を超えるレベルまで上昇するのに時間がかかる。ノードN1の電位が閾値を超えないとインバータINV2が動作しないため、ノードN2の電位が変化しない。これにより、ノードN2の電位がインバータINV3の閾値を超えるのに時間がかかり、その結果パワーオンクリア信号POCの信号レベルがHレベルになるのが遅れることになる。例えば図9(A)に実線で示すように、パワーオンクリア信号POCの信号レベルは期間T2でHレベルとなる。
これに対し、本実施例のパワーオンクリア回路43では、インバータINV3の代わりにNANDゲート回路ND1が設けられており、インバータINV2の出力信号と起動信号SETとの否定論理積をパワーオンクリア信号POCとして出力する。NANDゲート回路は一対の入力端の少なくとも一方にLレベルの信号が入力されるとHレベルの信号を出力する回路である。
起動信号SETの信号レベルは、期間T1の途中で安定し、Lレベルとなる。このため、NANDゲート回路ND1の入力端の他方には、期間T1の途中からLレベルの起動信号SETが供給される。従って、パワーオンクリア信号POCの信号レベルは、ノードN2の電位にかかわらずHレベルとなる。
すなわち、本実施例のパワーオンクリア回路43では、ノードN2の電位が起動信号SETによりマスクされた状態となり、パワーオンクリア信号POCがHレベルになるまでの期間が実施例1の場合と比べて短縮される。
以上のように、本実施例のパワーオンクリア回路43によれば、高電源電圧VDDHVの立ち上がり時におけるパワーオンクリア信号POCの応答時間(すなわち、Hレベルになるまでの時間)を短縮することが可能となる。
次に、本発明の実施例5について説明する。本実施例の半導体装置は、パワーオンクリア回路の構成において実施例1~4の半導体装置と異なる。
図11は、本実施例のパワーオンクリア回路53の構成を示す回路図である。パワーオンクリア回路53は、バイアス電流生成回路BC5及びパワーオンクリア信号生成部PG5から構成されている。
パワーオンクリア信号生成部PG5は、トランジスタMP7、トランジスタMN1、インバータINV2及びインバータINV3から構成されている。トランジスタMN1、インバータINV2及びインバータINV3の構成は、図5に示す実施例1のパワーオンクリア回路13Aと同様である。本実施例のトランジスタMP7は、図5、図8及び図10に示す他の実施例のトランジスタMP7とは異なり、ソースが電源ラインL1に直接接続されている。トランジスタMP7は、トランジスタMN1とともにパワーオンクリア信号生成部PG5の初段のインバータ回路を構成している。
バイアス電流生成回路BC5は、トランジスタMP6、定電流源I2及び起動信号生成回路SCを含む。トランジスタMP6のゲートは、ノードN4を介してトランジスタMP7のゲートに接続されている。トランジスタMP6のドレイン及びゲートは、ダイオード接続されるとともに定電流源I2の一端に接続されている。トランジスタMP6のソースは、抵抗R0を介して電源ラインL1に接続されている。定電流源I2の他端は、接地ラインVSSに接続されている。
次に、本実施例のパワーオンクリア回路53の動作について、図9を参照しつつ、実施例1のパワーオンクリア回路13Aの動作と比較して説明する。(A)の実線が実施例1のパワーオンクリア信号POCの波形、(D)の実線が本実施例のパワーオンクリア信号POCの波形をそれぞれ示している。
期間T1において高電源電圧VDDHVが立ち上がると、実施例1のパワーオンクリア回路13Aでは、トランジスタMP6及びMP7のソース電位VDD_REFが降圧し、ノードN0の電位IBIASは中間電位付近の電圧レベルとなる。このため、ノードN1の電位がインバータINV2の閾値を超えるレベルまで上昇するのに時間がかかり、結果としてパワーオンクリア信号POCの信号レベルがHレベルになるのが遅れることになる。例えば図9(A)に実線で示すように、パワーオンクリア信号POCの信号レベルは期間T2でHレベルとなる。
これに対し、本実施例のパワーオンクリア回路53では、期間T1において高電源電圧VDDHVが立ち上がると、起動信号によりノードN4の電位VBIASがVSSに引っ張られ、トランジスタMP6のソース電位VDD_REFが降圧する。しかし、期間T1では低電源電圧VDDLVがLレベル(すなわち、接地電位VSSの電位レベル)であり、ノードN4の電位VBIASも接地電位VSSの電位レベルとなるため、パワーオンクリア信号生成部PG5の初段のインバータ回路を構成するトランジスタMP7及びNM1のゲートにはどちらも接地電位VSSの電位レベルが印加されることになる。
このため、トランジスタMP7及びMN1により構成される初段のインバータ回路の入力は中間電位とはならず、トランジスタMP7及びMN1において不要な貫通電流は発生しない。ノードN1の電位はインバータINV2の閾値を超えるHレベルへと速やかに変化し、ノードN2の電位もインバータINV3の閾値を超えるLレベルへと速やかに変化する。従って、図9の(D)に実線で示すように、インバータINV3から出力されるパワーオンクリア信号POCの信号レベルは、速やかにHレベルとなる。
以上のように、本実施例のパワーオンクリア回路53によれば、トランジスタMP7のソースが電源ラインL1に直接接続されており、ノードN1の電位が中間電位にならないため、パワーオンクリア信号POCがHレベルになるまでの期間が実施例1の場合と比べて短縮される。
また、本実施例のパワーオンクリア回路53では、実施例3や実施例4のパワーオンクリア回路とは異なり、素子の追加(例えば、実施例3のトランジスタMP8や実施例4のNANDゲート回路ND1)を必要としない。従って、回路規模を増大させることなく、高電源電圧VDDHVの立ち上がり時におけるパワーオンクリア信号POCの応答時間(すなわち、Hレベルになるまでの時間)を短縮することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例1及び実施例2では、定電流源I1を用いて初段のインバータ回路であるインバータINV1を構成する例について説明したが、定電流源I1の代わりに所定以上の抵抗値を有する抵抗素子(すなわち、高抵抗)を用いてもよい。すなわち、貫通電流を所定の電流量に律速することが可能に構成されていればよい。
また、上記実施例2では、トランジスタMP4及びMP5からなるカレントミラー回路が、トランジスタMN4及びMN5に流れる電流と同じ電流量の電流をノードN1に送出する例について説明した。しかし、当該カレントミラー回路が送出する電流量はこれに限られず、トランジスタMN4及びMN5に流れる電流に比例した電流をノードN1に送出するように構成されていればよい。
また、上記各実施例のインバータ回路の代わりにNANDゲート回路やNORゲート回路を用いて、同様の動作を行う回路を構成してもよい。
また、上記実施例では、トランジスタMN1~MN5及びMP1~MP8がMOSトランジスタから構成されている場合を例として説明した。しかし、これに限られず、第1端、第2端及び制御端を有する他の種類のトランジスタを用いて回路を構成してもよい。
また、上記実施例5では、図5に示す実施例1のトランジスタMP7の接続を変更することにより図11に示すパワーオンクリア回路53の構成を実現した。しかし、これ以外にも、例えば図10に示す実施例4のトランジスタMP7のソースを電源ラインL1と直接接続されるように変更することにより、同様の構成を実現してもよい。
また、上記実施例1~5では、3段のインバータからなるパワーオンクリア回路を例として説明した。しかし、インバータの段数はこれに限られず、パワーオンクリア回路は複数段のインバータから構成されていればよい。すなわち、複数のインバータのうちの初段のインバータ及びその入出力部が上記各実施例のように構成されていればよい。
また、上記実施例1及び実施例2では、トランジスタMN1のゲートに抵抗R1が接続され、抵抗R1を介して低電源電圧VDDLVが供給される例について説明した。しかし、このような抵抗R1有さず、抵抗素子を介さずに低電源電圧VDDLVが直接トランジスタMN1のゲートに供給される構成であってもよい。
また、図5に示す実施例1の変形例、図8、図10及び図11に示す実施例3~5のパワーオンクリア回路において、バイアス電流生成回路が抵抗R0を介して電源ラインL1に接続されている例について説明した。しかし、このような電流制限抵抗を介さず、直接電源ラインL1に接続される構成としてもよい。
100 半導体装置
10 コア回路
11 レギュレータ回路
12 パワーオンリセット回路
13、13A、23、33、43、53 パワーオンクリア回路
14 I/O端子
INV1~INV3 インバータ
MN1~MN5 トランジスタ
MP1~MP8 トランジスタ
AB1 アダプティブバイアス回路
BC1、BC3~5 バイアス電流生成部
PG1、PG3~5 パワーオンクリア信号生成部
ND1 NANDゲート回路

Claims (4)

  1. 第1の電源電圧が供給される第1ラインに一端において接続され、一端から他端に向けて定電流を送出する定電流送出部、及び一端において固定電位が供給される第2ラインに接続され、他端において前記定電流送出部の他端に接続され、制御端に前記第1の電源電圧を降圧した第2の電源電圧の印加を受ける第1トランジスタを含む第1のインバータ部と、
    前記第1の電源電圧で動作し、前記定電流送出部の他端と前記第1トランジスタの一端との間に接続された第1ノードの電位を入力とするインバータである第2のインバータ部と、
    前記第2のインバータ部の出力に応じて、前記第2の電源電圧で動作する装置の信号入出力端子に対するパワーオンクリア信号を出力する信号出力部と、
    第1端が前記第2ラインに接続され且つ前記第2のインバータ部の出力端及び前記信号出力部の入力端を接続するノードである第2ノードに接続された制御端を有する第2トランジスタと、第1端が前記第2トランジスタの第2端に接続され且つ制御端が前記第1ノードに接続された第3トランジスタと、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタに流れる電流に比例した電流を前記第1ノードに送出するカレントミラー部と、を含み、前記第1ノードの電位及び前記第2ノードの電位に応じて前記第1ノードに補助電流を送出する補助電流送出回路と、
    を有することを特徴とするパワーオンクリア回路。
  2. 前記第1トランジスタは、前記第2ラインに接続された第1端と、前記第1ノードに接続された第2端と、を有する第1導電型のトランジスタであり、
    前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタは、前記第1導電型のトランジスタであり、
    前記カレントミラー部は、第1端が前記第1ラインに接続され、第2端が前記第3トランジスタの第2端に接続された前記第1導電型とは反対導電型の第4トランジスタを含
    ことを特徴とする請求項に記載のパワーオンクリア回路。
  3. 前記定電流送出部は、所定以上の抵抗値を有する抵抗素子から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーオンクリア回路。
  4. 第1の電源電圧を降圧して第2の電源電圧を生成するレギュレータ回路と、
    前記第2の電源電圧に基づいて動作するコア回路と、
    前記コア回路に接続された信号入出力端子と、
    前記第1の電源電圧が供給される第1ラインと固定電位が供給される第2ラインとに接続され、前記第2の電源電圧に基づいて前記信号入出力端子に対するパワーオンクリア信号を生成するパワーオンクリア回路と、
    を含み、
    前記パワーオンクリア回路は、
    前記第1ラインに一端において接続され、一端から他端に向けて定電流を送出する定電流送出部、及び一端において前記第2ラインに接続され、他端において前記定電流送出部の他端に接続され、制御端に前記第2の電源電圧の印加を受ける第1トランジスタを含む第1のインバータ部と、
    前記第1の電源電圧で動作し、前記定電流送出部の他端と前記第1トランジスタの一端との間に接続された第1ノードの電位を入力とするインバータである第2のインバータ部と、
    前記第2のインバータ部の出力に応じて、前記パワーオンクリア信号を出力する信号出力部と、
    第1端が前記第2ラインに接続され且つ前記第2のインバータ部の出力端及び前記信号出力部の入力端を接続するノードである第2ノードに接続された制御端を有する第2トランジスタと、第1端が前記第2トランジスタの第2端に接続され且つ制御端が前記第1ノードに接続された第3トランジスタと、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタに流れる電流に比例した電流を前記第1ノードに送出するカレントミラー部と、を含み、前記第1ノードの電位及び前記第2ノードの電位に応じて前記第1ノードに補助電流を送出する補助電流送出回路と、
    を有することを特徴とする半導体装置。
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