JP7240673B2 - 成膜方法 - Google Patents

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Description

本明細書に開示の技術は、酸化物膜を基体上に形成する技術に関する。
特許文献1には、基体の表面に導電性の酸化物膜を形成する技術が開示されている。この技術では、基体を加熱しながら、酸化物膜材料を含有する溶液のミストを基体の表面に供給する。この技術によれば、基体の表面に、酸化物膜を成長させることができる。
国際公開第2018/004009号
酸化物膜にモリブデンをドープすることで、酸化物膜の特性を変化させることができる。しかしながら、基体の表面にミストを供給することで酸化物膜を形成する技術では、酸化物膜にモリブデンをドープする方法が確立されていない。本明細書では、基体の表面にミストを供給することで酸化物膜を形成するときに酸化物膜にモリブデンをドープする技術を提案する。
本明細書が開示する成膜方法では、モリブデンがドープされているとともに半導体または導体の特性を有する酸化物膜を基体上に形成する。この成膜方法は、前記基体を加熱しながら、前記酸化物膜の構成元素を含む酸化物膜材料とモリブデンのオキソアニオンとを含有する溶液のミストを前記基体の表面に供給する工程を有する。
モリブデンのオキソアニオンを含有する溶液のミストを基体の表面に供給すると、成長する膜中にモリブデンが取り込まれ易い。したがって、モリブデンがドープされている酸化物膜を基体上に形成することができる。
成膜装置10の構成図。 成膜された酸化ガリウム膜中のモリブデンの濃度分布を示すグラフ。
本明細書が開示する成膜方法の付加的な特徴について、以下に列記する。なお、以下に列記された各特徴は、それぞれ独立して有用なものである。
(特徴1)溶液に含有されるモリブデンのオキソアニオンは、Mo z-(但し、x、y、zは、任意の整数)で表される化合物である。
(特徴2)前記モリブデンのオキソアニオンは、x≧2であってもよい。
(特徴3)前記モリブデンのオキソアニオンは、x≧7であってもよい。
(特徴4)水に酸化モリブデンを溶解させることで前記溶液が生成されてもよい。例えば、酸化モリブデンとして、MoO、Mo、MoO、Mo、または、MoOを用いてもよい。
(特徴5)水にモリブデン酸塩を溶解させることで前記溶液が生成されてもよい。例えば、モリブデン酸塩として、リンモリブデン酸、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸ストロンチウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸鉛、モリブデン酸ネオジム、モリブデン酸バリウム、モリブデン酸プラセオジム、モリブデン酸ベリリウム、モリブデン酸マグネシウム、モリブデン酸ランタン、または、モリブデン酸リチウムを用いてもよい。
(特徴6)水にアンモニウム塩を溶解させることで前記溶液が生成されてもよい。例えば、アンモニウム塩として、二モリブデン酸アンモニウム、七モリブデン酸六アンモニウム、または、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物を用いてもよい。
(特徴7)水にハロゲン化モリブデンを溶解させることで前記溶液が生成されてもよい。例えば、ハロゲン化モリブデンとして、フッ化モリブデン、塩化モリブデン、臭化モリブデン、または、ヨウ化モリブデンを用いてもよい。
(特徴8)水にアセチルアセトナート錯体を溶解させることで前記溶液が生成されてもよい。例えば、アセチルアセトナート錯体として、ビス(2,4-ペンタンジオナト)モリブデンジオキシドを用いてもよい。
(特徴9)前記溶液のミストを前記基体の前記表面に供給する前記工程が、前記酸化物膜材料と前記モリブデンのオキソアニオンの両方が溶解した溶液からミストを生成する工程と、前記ミストを前記基体の前記表面に供給する工程、を有していてもよい。
(特徴10)前記溶液のミストを前記基体の前記表面に供給する前記工程が、前記酸化物膜材料が溶解した溶液からミストを生成する工程と、前記モリブデンのオキソアニオンが溶解した溶液からミストを生成する工程と、前記酸化物膜材料が溶解した前記溶液の前記ミストと前記モリブデンのオキソアニオンが溶解した前記溶液の前記ミストを前記基体の前記表面に供給する工程、を有していてもよい。
(特徴11)前記酸化物膜が、単結晶膜であってもよい。
(特徴12)前記酸化物膜が、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、または、これらを組み合わせた酸化物により構成されてもよい。この場合、水にインジウム化合物、アルミニウム化合物、及び、ガリウム化合物の少なくとも1つを溶解させることで、前記溶液が生成されてもよい。
(特徴13)前記酸化物膜が、酸化亜鉛により構成されていてもよい。この場合、水に亜鉛化合物を溶解させることで、前記溶液が生成されてもよい。
(特徴14)前記酸化物膜が、酸化ガリウム、または、酸化ガリウムを含む酸化物により構成されていてもよい。この場合、水にガリウム化合物を溶解させることで、前記溶液が生成されてもよい。この場合、前記ガリウム化合物が、有機物であってもよい。または、この場合、前記ガリウム化合物が、金属錯体であってもよい。または、この場合、前記ガリウム化合物が、ガリウムアセチルアセトナートであってもよい。または、この場合、前記ガリウム化合物が、ハロゲン化物であってもよい。また、この場合、前記ガリウム化合物が、塩化ガリウムであってもよい。
(特徴15)前記酸化物膜材料と前記モリブデンのオキソアニオンが溶解した前記溶液の前記ミストに含まれるモリブデン原子の数が、前記酸化物膜材料と前記モリブデンのオキソアニオンが溶解した前記溶液の前記ミストに含まれるインジウム原子、アルミニウム原子、及び、ガリウム原子の総数の1000倍以下であってもよい。
(特徴16)前記基体が、酸化ガリウムにより構成されていてもよい。この場合、前記基体が、β‐Gaにより構成されていてもよい。または、この場合、前記基体が、α‐Gaにより構成されていてもよい。
(特徴17)前記基体が、α‐Alにより構成されていてもよい。
(特徴18)前記酸化物膜が、β‐Gaにより構成されていてもよい。
(特徴19)前記酸化物膜が半導体膜であり、前記成膜方法が前記酸化物膜にアクセプタとドナーの少なくとも一方をドープする工程を有していてもよい。
(特徴20)前記酸化物膜を形成するときに、前記基体を400~1000℃に加熱してもよい。
(特徴21)形成された前記酸化物膜から、半導体装置を製造してもよい。
図1に示す成膜装置10は、基板70上に酸化物膜を形成する装置である。成膜装置10は、基板70が配置される炉12と、炉12を加熱するヒータ14と、炉12に接続されたミスト供給装置20と、炉12に接続された排出管80を備えている。
炉12の具体的な構成は特に限定されない。一例ではあるが、図1に示す炉12は、上流端12aから下流端12bまで延びる管状炉である。炉12の長手方向に垂直な断面は、円形である。例えば、炉12の直径を、約40mmとすることができる。但し、炉12の断面は円形に限定されない。
ミスト供給装置20は、炉12の上流端12aに接続されている。炉12の下流端12bには、排出管80が接続されている。ミスト供給装置20は、炉12内にミスト62を供給する。ミスト供給装置20によって炉12内に供給されたミスト62は、炉12内を下流端12bまで流れた後に、排出管80を介して炉12の外部に排出される。
炉12内には、基板70を支持するための基板ステージ13が設けられている。基板ステージ13は、炉12の長手方向に対して基板70が傾くように構成されている。基板ステージ13に支持された基板70は、炉12内を上流端12aから下流端12bに向かって流れるミストが基板70の表面にあたる向きで支持される。
ヒータ14は、前述したように、炉12を加熱する。ヒータ14の具体的な構成は特に限定されない。一例ではあるが、図1に示すヒータ14は、電気式のヒータであって、炉12の外周壁に沿って配置されている。これにより、ヒータ14は炉12の外周壁を加熱し、それによって炉12内の基板70が加熱される。
ミスト供給装置20は、ミスト発生槽22を有している。ミスト発生槽22は、水槽24、溶液貯留槽26、超音波振動子28を有している。水槽24は、上部が解放された容器であり、内部に水58を貯留している。超音波振動子28は、水槽24の底面に設置されている。超音波振動子28は、水槽24内の水58に超音波振動を加える。溶液貯留槽26は、密閉型の容器である。溶液貯留槽26は、基板70の表面にエピタキシャル成長させる膜の原料を含む溶液60を貯留している。また、溶液60中に、成長させる膜にn型またはp型のドーパントを付与するための原料(例えば、フッ化アンモニウム等)がさらに溶解していてもよい。溶液貯留槽26の底部は、水槽24内の水58に浸漬されている。溶液貯留槽26の底面は、フィルムにより構成されている。これによって、水槽24内の水58から溶液貯留槽26内の溶液60に超音波振動が伝わり易くなっている。超音波振動子28が水槽24内の水58に超音波振動を加えると、水58を介して溶液60に超音波振動が伝わる。すると、溶液60の表面が振動して、溶液60の上部の空間(すなわち、溶液貯留槽26内の空間)に溶液60のミスト62が発生する。
ミスト供給装置20は、ミスト供給路40と、搬送ガス供給路42と、希釈ガス供給路44をさらに備えている。ミスト供給路40は、溶液貯留槽26と炉12との間を接続している。搬送ガス供給路42は、溶液貯留槽26に接続されている。希釈ガス供給路44は、ミスト供給路40に接続されている。搬送ガス供給路42は、溶液貯留槽26へ搬送ガス64を供給する。希釈ガス供給路44は、ミスト供給路40へ希釈ガス66を供給する。
次に、成膜装置10を用いた成膜方法について説明する。実施例1では、基板70として、表面に(010)結晶面が露出しているβ型酸化ガリウム(β‐Ga)の単結晶によって構成された基板を用いる。また、実施例1では、基板70の表面に、β型酸化ガリウム膜を形成する。また、実施例1では、溶液60として、水に塩化ガリウム(GaClまたはGaCl)と七モリブデン酸六アンモニウム四水和物((NHMo24・4HO)を溶解させて生成した水溶液を用いる。塩化ガリウムは、酸化ガリウム膜の原料である。七モリブデン酸六アンモニウム四水和物は、酸化ガリウム膜にドープするためのモリブデンを供給する。七モリブデン酸六アンモニウム四水和物を水に溶解させると、溶液中にモリブデンのオキソアニオン(Mo24 6-)が生じる。したがって、溶液60は、酸化物膜の構成元素(ガリウム)とモリブデンのオキソアニオンを含有している。溶液60には、0.5mol/Lの濃度で塩化ガリウムを溶解させるとともに、0.005mol/Lの濃度で七モリブデン酸六アンモニウム四水和物を溶解させる。また、実施例1では、搬送ガス64として窒素ガスを用い、希釈ガス66として窒素ガス(N)を用いる。
図1に示すように、まず、炉12内の基板ステージ13上に基板70を設置する。ここでは、基板70の(010)結晶面が上面(ミスト62に曝される面)となる向きで基板70を基板ステージ13上に設置する。次に、ヒータ14によって、基板70を加熱する。ここでは、基板70の温度を、約750℃に制御する。基板70の温度が安定したら、ミスト供給装置20を作動させる。すなわち、超音波振動子28を動作させることによって、溶液貯留槽26内に溶液60のミスト62を生成する。同時に、搬送ガス供給路42から溶液貯留槽26内に搬送ガス64を導入し、希釈ガス供給路44からミスト供給路40に希釈ガス66を導入する。ここでは、搬送ガス64及び希釈ガス66の合計流量を、約5L/minとする。搬送ガス64は、溶液貯留槽26を通って、矢印47に示すようにミスト供給路40内に流入する。このとき、溶液貯留槽26内のミスト62が、搬送ガス64と共にミスト供給路40内に流入する。また、希釈ガス66は、ミスト供給路40内でミスト62と混合される。これによって、ミスト62が希釈化される。ミスト62は、窒素ガス(すなわち、搬送ガス64と希釈ガス66)とともにミスト供給路40内を下流側に流れ、矢印48に示すようにミスト供給路40から炉12内に流入する。炉12内では、ミスト62は、窒素ガスとともに下流端12b側へ流れ、排出管80へ排出される。
炉12内を流れるミスト62の一部は、加熱された基板70の表面に付着する。すると、ミスト62(すなわち、溶液60)が、基板70上で化学反応を起こす。その結果、基板70上に、β型酸化ガリウム(β‐Ga)が生成される。基板70の表面に継続的にミスト62が供給されるので、基板70の表面にβ型酸化ガリウム膜が成長する。この成膜方法によれば、高品質の単結晶のβ型酸化ガリウム膜が成長する。成長する酸化ガリウム膜には、モリブデンのオキソアニオンが取り込まれる。このため、モリブデンがドープされた酸化ガリウム膜が形成される。ここでは、30分間成膜処理を行い、約50mlの溶液60を消費して、酸化ガリウム膜を成長させる。このように成長させた酸化ガリウム膜は、半導体または導体の特性を示す。
図2は、この成膜方法により形成した酸化ガリウム膜中のモリブデンの濃度分布をSIMS分析により測定した結果を示している。図2の横軸は、酸化ガリウム膜の表面からの深さを示しており、深さ0μmが酸化ガリウム膜の表面の位置である。図2に示すように、0~約0.4μmの深さ範囲が酸化ガリウム膜であり、約0.4μmよりも深い範囲が基板70である。図2に示すように、成長させた酸化ガリウム膜内で、1×1019atoms/cmより高いモリブデンの濃度が観測された。成長させた酸化ガリウム膜内のモリブデン濃度は、基板70内のモリブデン濃度よりも明らかに高い。このように、実施例1の方法によれば、モリブデンが高濃度にドープされた酸化ガリウム膜を形成可能である。
以上に説明したように、実施例1の成膜方法によれば、モリブデンがドープされたβ型酸化ガリウム膜を形成することができる。特に、実施例1では、β型酸化ガリウム膜がβ型酸化ガリウムによって構成された基板70上にホモエピタキシー成長するので、より高品質なβ型酸化ガリウム膜を形成することができる。
次に、実施例2の成膜方法について説明する。実施例2では、基板70としてサファイア(Al)によって構成された基板を用いる。また、実施例2では、基板70の表面に、α型酸化ガリウム膜を形成する。また、実施例2では、溶液60として、水に臭化ガリウム(GaBr、GaBr)と七モリブデン酸六アンモニウム四水和物を溶解させて生成した水溶液を用いる。臭化ガリウムは、酸化ガリウム膜の原料である。また、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物を水に溶解させると、溶液中にモリブデンのオキソアニオン(Mo24 6-)が生じる。したがって、溶液60は、酸化物膜の構成元素(ガリウム)とモリブデンのオキソアニオンを含有している。溶液60には、0.1mol/Lの濃度で臭化ガリウムを溶解させるとともに、0.001mol/Lの濃度で七モリブデン酸六アンモニウム四水和物を溶解させる。また、実施例2では、搬送ガス64として窒素ガスを用い、希釈ガス66として窒素ガスを用いる。
実施例2の成膜方法でも、実施例1と同様に、基板ステージ13上に基板70を設置し、ヒータ14によって基板70を加熱する。ここでは、基板70の温度を、約500℃に制御する。基板70の温度が安定したら、ミスト供給装置20を作動させる。すなわち、超音波振動子28の動作、搬送ガス64の導入、及び、希釈ガス66の導入を、実施例1と同様に実施する。その結果、ミスト62が、炉12内に流入し、炉12内を流れるミスト62の一部が加熱された基板70の表面に付着する。すると、ミスト62(すなわち、溶液60)が、基板70上で化学反応を起こす。その結果、基板70上に、α型酸化ガリウム(α‐Ga)が生成される。基板70の表面に継続的にミスト62が供給されるので、基板70の表面にα型酸化ガリウム膜が成長する。この成膜方法によれば、高品質の単結晶のα型酸化ガリウム膜が成長する。酸化ガリウム膜には、モリブデンのオキソアニオンが取り込まれる。このため、モリブデンがドープされた酸化ガリウム膜が形成される。このように成長させた酸化ガリウム膜は、半導体または導体の特性を示す。
次に、実施例3の成膜方法について説明する。実施例3では、基板70として、ガラスによって構成された基板を用いる。また、実施例3では、基板70の表面に、酸化亜鉛膜(ZnO)を形成する。また、実施例3では、溶液60として、水に酢酸亜鉛(ZnAc:但し、Acはアセチル基を表す)と七モリブデン酸六アンモニウム四水和物((NHMo24・4HO)を溶解させて生成した水溶液を用いる。酢酸亜鉛は、酸化亜鉛膜の原料である。また、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物を水に溶解させると、溶液中にモリブデンのオキソアニオン(Mo24 6-)が生じる。したがって、溶液60は、酸化亜鉛膜の構成元素(亜鉛)とモリブデンのオキソアニオンを含有している。溶液60には、0.05mol/Lの濃度で酢酸亜鉛を溶解させるとともに、0.0005mol/Lの濃度で七モリブデン酸六アンモニウム四水和物を溶解させる。また、実施例3では、搬送ガス64として窒素ガスを用い、希釈ガス66として窒素ガスを用いる。
実施例3の成膜方法でも、実施例1と同様に、基板ステージ13上に基板70を設置する。次に、ヒータ14によって基板70を加熱する。ここでは、基板70の温度を、約400℃に制御する。基板70の温度が安定したら、ミスト供給装置20を作動させる。すなわち、超音波振動子28の動作、搬送ガス64の導入、及び、希釈ガス66の導入を、実施例1と同様に実施する。その結果、ミスト62が、炉12内に流入し、炉12内を流れるミスト62の一部が加熱された基板70の表面に付着する。すると、ミスト62(すなわち、溶液60)が、基板70上で化学反応を起こす。その結果、基板70上に、酸化亜鉛(ZnO)が生成される。基板70の表面に継続的にミスト62が供給されるので、基板70の表面に酸化亜鉛膜が成長する。この成膜方法によれば、高品質の単結晶の酸化亜鉛膜が成長する。酸化亜鉛膜には、モリブデンのオキソアニオンが取り込まれる。このため、モリブデンがドープされた酸化亜鉛膜が形成される。このように成長させた酸化亜鉛膜は、半導体または導体の特性を示す。
以上の実施例1~3で説明したように、酸化物膜材料とモリブデンのオキソアニオンを含有する溶液60のミストを用いて酸化物膜を成長させることで、モリブデンがドープされた酸化物膜を形成することができる。特に、モリブデンのオキソアニオンは、モリブデンと酸素が結合した構造を有しているので、酸化膜中に取り込まれ易い。したがって、この成膜方法によれば、モリブデンを酸化物膜中に容易にドープすることができる。また、モリブデンのオキソアニオンは、モリブデンと酸素によって構成されるイオンであるため、水にモリブデンのオキソアニオンを溶解させるときにモリブデンと酸素以外の意図しない元素が溶液60中に混入し難い。このため、実施例1~3によれば、高品質の酸化物膜(酸化ガリウム膜、及び、酸化亜鉛膜)を形成することができる。
モリブデンは、半導体または導体膜中において他の原子の電子軌道に影響を及ぼし易く、伝導帯の底部や価電子帯の最上部の値を変化させると考えられる。したがって、モリブデンをドープすることで、酸化物膜の特性を変化させることができる。特に、モリブデンに加えてドナーやアクセプタを酸化物膜にドープすることで、酸化物膜の特性(例えば、キャリア移動度や不純物の活性化率等)をより好適に制御することができると考えられる。
なお、上述した実施例1~3では、水に七モリブデン酸六アンモニウム四水和物を溶解させることで、モリブデンのオキソアニオンを含有する溶液60を生成した。しかしながら、モリブデンのオキソアニオンを含有する溶液60を生成するために溶解させる物質として、種々の物質を用いることができる。例えば、上記特徴4~8に示される物質を溶解させて、溶液60中にモリブデンのオキソアニオンを生成してもよい。なお、最も単純なモリブデンのオキソアニオンはMoO 2-であるが、Moなどのようにx≧2のオキソアニオンを溶液60が含有していてもてよい。また、Mo24 6-などのようにx≧7のオキソアニオンを溶液60が含有していてもよい。x≧2(特に、x≧7)のオキソアニオンによれば、MoOよりもモリブデン原子の供給量が増えるので、より効率的に酸化物膜中にモリブデンをドープすることができる。なお、溶液60のpHと溶解させる材料の量を調整することで、x≧2のオキソアニオンを溶液60中に生成することができる。特に、溶液60のpHを低くすると、7MoO 2-+8H→Mo24 6-の反応などが進み、x≧7のオキソアニオンが溶液60中に生成される。溶液60のpHを調整するために、溶液60に塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等の酸を溶液60に添加してもよい。また、別の方法として、x≧2のオキソアニオンを含む材料(例えば、二モリブデン酸アンモニウム((NHMo))を溶液60に溶解させる方法も存在する。この方法によれば、x≧2のオキソアニオンを溶液60中に容易に生成することができる。特に、実施例1~3のように、溶解させる材料としてx≧7のオキソアニオンを含む材料(実施例1~3では、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物((NHMo24・4HO))を用いることで、x≧7のオキソアニオンを溶液60中に容易に生成することができる。
なお、実施例1~3では、基板70の表面に酸化ガリウム膜(Ga)または酸化亜鉛膜(ZnO)を形成した。しかしながら、基板70の表面に、他の酸化物膜を形成してもよい。例えば、酸化インジウム膜(In)や酸化アルミニウム膜(Al)を形成してもよい。また、酸化インジウム、酸化アルミニウム、及び、酸化ガリウムを組み合わせた材料(すなわち、InAlGa(0≦x≦2、0≦y≦2、0≦z≦2))の膜を形成してもよい。これらの場合、ミスト62に含まれるモリブデン原子の数(すなわち、モル濃度)をミスト62に含まれるインジウム原子、アルミニウム原子、及び、ガリウム原子の総数(すなわち、インジウム原子、アルミニウム原子、及び、ガリウム原子のモル濃度の合計値)の1000倍以下とすることで、結晶性が高い酸化物膜を形成することができる。
また、上述した実施例1~3では、基板70が、β型酸化ガリウム、サファイア、または、ガラスにより構成されていた。しかしながら、基板70が、他の材料によって構成されていてもよい。他の材料によって構成された基板70を用いることで、実施例1~3とは異なる特性の酸化物膜を形成することができる。例えば、基板70が、α型酸化ガリウム(α‐Ga)、γ型酸化ガリウム、δ型酸化ガリウム、ε型酸化ガリウム、酸化アルミニウム(例えば、α型酸化アルミニウム(α‐Al))、または、窒化ガリウム(GaN)等によって構成されていてもよい。また、基板70は、絶縁体でも、半導体でも、導体でもよい。
また、上述した実施例1、2では、溶液60に溶解しているガリウム化合物が、塩化ガリウム、または、臭化ガリウムであった。しかしながら、酸化ガリウム、または、酸化ガリウムを含む酸化物の膜を成長させる場合には、溶液60に溶解させるガリウム化合物として、他の材料を用いてもよい。例えば、上記特徴14に示される物質を、膜の材料として溶液60に溶解させてもよい。例えば、ガリウム化合物として、ガリウムアセチルアセトナート(例えば、ガリウム(III)アセチルアセトナート(C1521GaO))、三酢酸ガリウム(CGaO)、ヨウ化ガリウム(GaI、Ga)等を用いることができる。
また、上述した実施例1~3では、基板70を400~750℃に加熱した。成膜工程においては、基板70を400~1000℃の温度に制御することができる。このように温度を制御することで、より好適に酸化物膜を形成することができる。
また、上述した実施例1~3では、単結晶の酸化物膜を形成した。しかしながら、アモルファス、または、多結晶の酸化物膜を形成してもよい。
また、実施例1~3では、溶液貯留槽26が酸化物膜材料とモリブデンのオキソアニオンの両方を含有する溶液60を収容しており、その溶液60からミストを生成し、生成したミストを炉12に供給した。しかしながら、酸化物膜材料を含有する溶液を収容する第1容器とモリブデンのオキソアニオンを含有する溶液を収容する第2容器をそれぞれ別個に設けてもよい。そして、第1容器内で酸化物膜材料を含有する溶液の第1ミストを生成し、第2容器内でモリブデンのオキソアニオンを含有する溶液の第2ミストを生成し、第1ミストと第2ミストを炉12に供給してもよい。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
10 :成膜装置
12 :炉
13 :基板ステージ
14 :ヒータ
20 :ミスト供給装置
22 :ミスト発生槽
24 :水槽
26 :溶液貯留槽
28 :超音波振動子
40 :ミスト供給路
42 :搬送ガス供給路
44 :希釈ガス供給路
58 :水
60 :溶液
62 :ミスト
64 :搬送ガス
66 :希釈ガス
70 :基板
80 :排出管

Claims (1)

  1. モリブデンがドープされているとともに半導体または導体の特性を有する酸化物膜を基体上に形成する成膜方法であって、
    前記基体を加熱しながら、前記酸化物膜の構成元素を含む酸化物膜材料とモリブデンのオキソアニオンとを含有する溶液のミストを前記基体の表面に供給する工程、
    を有する成膜方法。
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