JP7238909B2 - ナノカーボン材料集合体およびこれを含む電気化学反応用触媒 - Google Patents

ナノカーボン材料集合体およびこれを含む電気化学反応用触媒 Download PDF

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Description

本発明は、ナノカーボン材料集合体、これを含む電気化学反応用触媒、およびこれらの製造方法に関する。
電気化学反応系を利用する燃料電池等においては、炭素などの担持体の表面に配置された金属微粒子が触媒として用いられる。これまでに、金属微粒子の微細化、担持体の比表面積の向上、担持体の電気伝導率の向上等による触媒の特性改善が幅広く試みられている。例えば、特許文献1には、複数の金属を合金として用いた合金微粒子を含む燃料電池のカソード用触媒が記載されている。
また、近年では、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンナノホーン集合体等のナノ炭素材料が、その比表面積の大きさおよび電気伝導性の高さから高品質な工業用の触媒担持体として注目されている。例えば、特許文献2には、カーボンナノホーン集合体の表面を開孔し、触媒としての金属微粒子を担持した燃料電池用触媒が記載されている。特許文献2に記載のカーボンナノホーン集合体は、多数のカーボンナノホーンが球状に集合したものである。
特開2004-253385号公報 特開2009-190928号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の触媒よりさらに活性の高い触媒の開発が求められていた。
本実施形態の一態様は、
開孔部を有するカーボンナノホーンを含む複数のカーボンナノホーンから構成される繊維状のカーボンナノホーン集合体と、
前記開孔部を有するカーボンナノホーンに内包され、一部がカーボンナノホーンの外側に露出している第1の粒子と、
を含むナノカーボン材料集合体に関する。
本実施形態の一態様によれば、電気化学反応における触媒として優れたナノカーボン材料集合体を簡便な製造方法により提供することができる。
繊維状のカーボンナノホーン集合体の形状を示す模式図である。 繊維状のカーボンナノホーン集合体と球状のカーボンナノホーン集合体の走査透過型電子顕微鏡像である。 繊維状のカーボンナノホーン集合体のZコントラスト像である。 カーボンナノホーンの先端の構造を示す模式図である。 ナノカーボン材料集合体の製造における、(a)酸化処理前、(b)酸化処理後、および(c)触媒担持後のカーボンナノホーンの構造を示す模式図である。
以下、本実施形態のナノカーボン材料集合体について説明する。
本実施形態のナノカーボン材料集合体の一態様は、開孔部を有するカーボンナノホーンを含む複数のカーボンナノホーンから構成される繊維状のカーボンナノホーン集合体と、前記開孔部を有するカーボンナノホーンに内包され、一部がカーボンナノホーンの外側に露出している第1の粒子とを含む。
(繊維状のカーボンナノホーン集合体)
まず、本実施形態のナノカーボン材料集合体を構成する繊維状のカーボンナノホーン集合体について説明する。
繊維状のカーボンナノホーン集合体は、カーボンナノブラシ(CNB)とも呼ばれ、複数のカーボンナノホーンが、放射状に集合し、かつ、繊維状に繋がった構造を有する。この構造は、一見すると試験管ブラシやモールのような形状に似ている。図1に繊維状のカーボンナノホーン集合体の形状の模式図を示す。繊維状のカーボンナノホーン集合体は、単にカーボンナノホーンが複数連なって繊維状に見えるものとは異なり、遠心分離や超音波分散等の操作を行っても繊維状の形状を維持できる。カーボンナノホーンはグラフェンシートが巻かれた構造の先端が先端角約20°の角(ホーン)状に尖った、円錐型の形状を有する炭素構造体である。繊維状のカーボンナノホーン集合体は、種型、つぼみ型、ダリア型、ペタルダリア型、ペタル型(グラフェンシート構造)等のカーボンナノホーン集合体がさらにカーボンナノホーンで繋がって形成されており、すなわち、繊維状の構造体中に1種類または複数のこれらカーボンナノホーン集合体が含まれている。種型とは、集合体の表面に角状の突起がほとんどみられない、あるいは全くみられない形状、つぼみ型は集合体の表面に角状の突起が多少みられる形状、ダリア型は集合体の表面に角状の突起が多数みられる形状、ペタル型は集合体の表面に花びら状の突起がみられる形状である(グラフェンシート構造)。ペタル構造は、幅は50nm~200nm、厚みは0.34nm~10nm、2枚~30枚のグラフェンシート構造である。ペタル-ダリア型はダリア型とペタル型の中間的な構造である。繊維状のカーボンナノホーン集合体は、カーボンナノホーンが繊維状に集合していればよく、上記の構造のみに限定されない。なお、繊維状のカーボンナノホーン集合体については、国際公開第2016/147909号に記載されており、この文献の開示内容はその引用をもって本明細書に組み込み記載されているものとする。
本実施形態のナノカーボン材料集合体は、繊維状のカーボンナノホーン集合体に加え、球状のカーボンナノホーン集合体を含んでもよい。後述するように、通常、繊維状のカーボンナノホーン集合体を製造する際、同時に球状のカーボンナノホーン集合体も生成される。図2は、繊維状のカーボンナノホーン集合体と球状のカーボンナノホーン集合体の走査透過型電子顕微鏡(STEM)写真である。球状のカーボンナノホーン集合体は、種型、つぼみ型、ダリア型、ペタルダリア型、ペタル型(グラフェンシート構造)等のカーボンナノホーン集合体が、単独で、または複合して球状構造(必ずしも真球という意味ではなく、楕円形状、ドーナツ状等その他の形状であってもよい)を有する。生成するカーボンナノホーン集合体は、ガスの種類や流量によってその形態および粒径が変わる。本明細書において、繊維状のカーボンナノホーン集合体及び球状のカーボンナノホーン集合体のことを、単に「カーボンナノホーン集合体」または「集合体」と記載する場合もある。なお、繊維状のカーボンナノホーン集合体と球状のカーボンナノホーン集合体とは、サイズの違いにより分離することが可能である。さらに、カーボンナノホーン集合体以外の不純物が含まれる場合、遠心分離法、沈降速度の違い、サイズによる分離等により除去できる。また、生成条件を変えることで、繊維状のカーボンナノホーン集合体と球状のカーボンナノホーン集合体の比率を変えることが可能である。
繊維状のカーボンナノホーン集合体および球状のカーボンナノホーン集合体を構成するカーボンナノホーン(カーボンナノホーン単体)は、カーボンナノチューブのようにチューブ径が一定な円筒状構造ではなく、チューブ径が異なる中空円錐(すなわち、角(ホーン))状の先端部を有する円筒構造を有する炭素構造体である。図4はカーボンナノホーンの先端部の模式図である。通常、円筒状のカーボンナノチューブでは6員環のグラファイト構造で覆われているが、この6員環の中に5員環や7員環が連続的に混ざることにより、個々のチューブ径が狭く、あるいは広がることにより、その径が変化する。本実施形態における円錐状のカーボンナノホーンは、この6員環構造の中に5員環や7員環が連続的に混ざることにより、ホーンの径が連続的に変化した構造を持つ。なお、このカーボンナノホーンの炭素構造は、単層でも多層でもよいが、単層であるのが好ましい。
繊維状のカーボンナノホーン集合体および球状のカーボンナノホーン集合体に含まれる各々のカーボンナノホーン(単体)の直径はおよそ1nm~20nmであり、長さは30nm~100nmである。繊維状のカーボンナノホーン集合体は、直径が30nm~200nm程度で、長さが1μm~100μm程度である。繊維状のカーボンナノホーン集合体のアスペクト比(長さ/直径)は、一般的に4~4000であり、例えば、5~3500である。球状のカーボンナノホーン集合体は、直径が30nm~200nm程度でほぼ均一なサイズである。
本実施形態における繊維状のカーボンナノホーン集合体を構成するカーボンナノホーンは、先端となる一端が閉じているものでもよいし、閉じていないものでもよい。また、その一端の円錐形状の頂点が丸まった形状で終端していてもよい。カーボンナノホーンが、その一端の円錐形状の頂点が丸まった形状で終端している場合、頂点が丸まった部分を外側に向けて放射状に集合している。さらに、繊維状のカーボンナノホーン集合体は、カーボンナノチューブを含んでもよい。
繊維状のカーボンナノホーン集合体は、導電性が高いカーボンナノホーンが繊維状に繋がり、長い導電性パスを持つ構造を特徴とするため、高い導電性を有する。更に、繊維状のカーボンナノホーン集合体は、高い分散性を併せ持っており、導電性付与の効果が高い。
繊維状のカーボンナノホーン集合体は、後述するように、合成用触媒と炭素が含まれるターゲットを蒸発して作製される。繊維状のカーボンナノホーン集合体を構成するカーボンナノホーンの内部には、作製するときに用いた合成用触媒等の粒子が内包される(図2のSTEM写真の黒い粒子、および図3のZコントラストイメージの白い粒子が内包された合成用触媒である)。
図5(a)は、繊維状のカーボンナノホーン集合体(酸化処理する前)の構造の一態様を模式的に示した図である。図5(a)において、カーボンナノホーンの先端部1は角状の形状を有しており、単層の炭素で構成された壁の中に合成用触媒等の粒子2が内包されている。繊維状のカーボンナノホーン集合体においては、カーボンナノホーンの角状の先端部を外側に向けて放射状に複合して接続された構造を構成することにより、外側と内側の空間がほぼ隔絶されている。そのようなカーボンナノホーン集合体の内側の空間には、繊維状のカーボンナノホーン集合体の合成時に用いた合成用触媒の金属等が存在する。合成用触媒等の粒子は、図5(a)のようにカーボンナノホーン単体の内側に存在するものもあるし、触媒金属どうしで融合して大きくなり、繊維の中心の方向に移動して存在するものある。
繊維状のカーボンナノホーン集合体とともに製造される球状のカーボンナノホーン集合体を構成するカーボンナノホーンの内部にも同様に合成用触媒等の粒子が内包される。
繊維状のカーボンナノホーン集合体は、合成用触媒を含有した炭素をターゲット(合成用触媒含有炭素ターゲットという)とし、合成用触媒含有炭素ターゲットを配置した容器内でターゲットを回転させながら窒素雰囲気、不活性雰囲気、又は、混合雰囲気下でレーザーアブレーションによりターゲットを加熱し、ターゲットを蒸発させることにより製造される。蒸発した炭素と触媒が冷える過程で繊維状のカーボンナノホーン集合体及び球状のカーボンナノホーン集合体が得られる。また、繊維状のカーボンナノホーン集合体の作製方法として、上記レーザーアブレーション法以外にアーク放電法や抵抗加熱法を用いることができる。しかしながら、レーザーアブレーション法は、室温、大気圧中で連続生成できる観点からより好ましい。
レーザーアブレーション(Laser Ablation:LA)法は、レーザーをターゲットにパルス状又は連続して照射して、照射強度が閾値以上になると、ターゲットがエネルギーを変換し、その結果、プルームが生成され、生成物をターゲットの下流に設けた基板上に堆積させる、或いは装置内の空間に生成させ、回収室で回収する方法である。
レーザーアブレーションには、COレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、半導体レーザー等が使用でき、高出力化が容易なCOレーザーが最も適当である。COレーザーは、1kW/cm~1000kW/cmの出力が使用可能であり、連続照射及びパルス照射で行うことが出来る。カーボンナノホーン集合体の生成には連続照射の方が望ましい。レーザー光をZnSeレンズなどにより集光させ、照射させる。また、ターゲットを回転させることで連続的に合成することが出来る。ターゲット回転速度は任意に設定できるが、0.1~6rpmが特に好ましい、0.1rpm以上であればグラファイト化が抑制でき、また、6rpm以下であればアモルファスカーボンの増加を抑制できる。この時、レーザー出力は15kW/cm以上が好ましく、30~300kW/cmが最も効果的である。レーザー出力が15kW/cm以上であればターゲットが適度に蒸発し、合成が容易となる。また300kW/cm以下であれば、アモルファスカーボンの増加を抑制できる。容器(チャンバー)内の圧力は、13332.2hPa(10000Torr)以下で使用することができるが、圧力が真空に近くなるほど、カーボンナノチューブが生成しやすくなり、カーボンナノホーン集合体が得られなくなる。好ましくは666.61hPa(500Torr)~1266.56hPa(950Torr)で、より好ましくは常圧(1013hPa(1atm≒760Torr))付近で使用することが大量合成や低コスト化のためにも適当である。また照射面積もレーザー出力とレンズでの集光の度合いにより制御でき、0.005cm~1cmが使用できる。
繊維状のカーボンナノホーン集合体の製造に用いる合成用触媒は、カーボンナノホーン集合体を合成可能であるならばいかなる材料をも用いることができるが、遷移金属等の金属が好ましく、Fe、Cu、Co、Ni、Au、Pt、Ag、Pd、Ru、およびTiからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、これらのうち2種以上を組み合わせた合金であってもよい。Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1種であるのがより好ましい。触媒の濃度は適宜選択できるが、炭素に対して、0.1質量%~10質量%が好ましく、0.5質量%~5質量%がより好ましい。0.1質量%以上であると、繊維状のカーボンナノホーン集合体の生成が確実となる。また、10質量%以下の場合は、ターゲットコストの増加を抑制できる。
繊維状のカーボンナノホーン集合体の製造に用いる容器内の温度は特に限定されないが、好ましくは、0~100℃であり、より好ましくは室温で使用することが大量合成や低コスト化のためにも適当である。
容器内には、窒素ガスや、不活性ガスなどを単独で又は混合して導入することで上記の雰囲気とする。これらのガスは反応容器内を流通し、生成する物質をこのガスの流れによって回収することが出来る。また導入したガスにより閉鎖雰囲気としてもよい。雰囲気ガス流量は、任意の量を使用できるが、好ましくは0.5L/min~100L/minの範囲が適当である。ターゲットが蒸発する過程ではガス流量を一定に制御する。ガス流量を一定にするには、供給ガス流量と排気ガス流量とを合わせることで行うことができる。常圧付近で行う場合は、供給ガスで容器内のガスを押出して排気することで行うことができる。
合成用触媒は、繊維状のカーボンナノホーン集合体の合成過程において、繊維状のカーボンナノホーン集合体を構成するカーボンナノホーンの中に内包されるものがある。また、繊維状のカーボンナノホーン集合体を合成する際に、ターゲットに合成用触媒以外の金属および/または磁性体等の非金属材料を混合することにより、合成用触媒以外の材料に由来する粒子がカーボンナノホーンに内包される場合がある。本明細書において、カーボンナノホーンの内側に内包された粒子のことを「合成用触媒等」または「合成用触媒等の粒子」と記載する場合がある。カーボンナノホーンに内包された粒子の直径は、好ましくは50nm未満、より好ましくは20nm以下であり、さらに好ましくは10nm以下であり、下限は特に限定されないが、0.7nmより大きく、より好ましくは1nm以上、さらに好ましくは3nmより大きく、よりさらに好ましくは5nm以上である。
(カーボンナノホーン集合体の開孔処理)
本実施形態においては、上記繊維状のカーボンナノホーン集合体が酸化処理等されることにより、繊維状のカーボンナノホーン集合体を構成するカーボンナノホーンの炭素表面に開孔部が形成される。合成用触媒等の粒子を内包するカーボンナノホーンに開孔部が形成されると、この開孔部からカーボンナノホーンに内包された粒子の一部がカーボンナノホーンの外側に露出する。本明細書においては、開孔部を有するカーボンナノホーンに内包され、かつ、その開孔部から一部外側に露出している粒子のことを、「第1の粒子」と呼ぶ。以下、詳細に説明する。
上記レーザーアブレーション法等で生成された繊維状または球状のカーボンナノホーン集合体は、表面官能基を持たない、あるいは、ほとんどないため、疎水性である。このカーボンナノホーン集合体を、酸化性の酸による処理、または、ガス雰囲気下での熱処理による酸化処理を行うことによって官能基を導入し、かつ、カーボンナノホーンの炭素表面に孔を形成することができる。酸化性の酸としては、硫酸、硝酸、硫酸-硝酸混合溶液、過酸化水素、塩素酸等が挙げられる。これらの酸による酸化処理は液相中で行われ、水溶液系であれば0℃~180℃程度(水溶液が液体として存在する温度であればよい)、有機溶媒系であれば使用する溶媒が液体として存在する温度中において行われる。これにより、カーボンナノホーンの先端や側面などのグラファイト面が曲がっているところにある5員環や7員環やその他反応性の高い炭素部位にカルボニル基、カルボキシル基、水酸基、エーテル基、イミノ基、ニトロ基及びスルホン基等の親水性の官能基を付加し、開孔部を形成することができる。例えば過酸化水素水中において、室温から80℃の温度範囲で加熱することにより、繊維状のカーボンナノホーン集合体の炭素表面に孔を形成することができ、20℃~80℃で処理するのが好ましく、特に50~80℃の温度範囲で加熱するのが望ましい。孔の大きさは、上記範囲内の温度と、処理時間とを制御し調整することが可能である。処理時間としては、適宜調整できるが、0.5時間~3時間程度の範囲内で変化させることが好ましい。
ガス雰囲気下での熱処理により酸化処理を行う場合は、空気、酸素、または一酸化炭素中で行うことできるが、低コスト化のために空気雰囲気が望ましい。その際の熱処理温度は、250~600℃の範囲が好ましい。
上記酸化処理により、繊維状のカーボンナノホーン集合体を構成するカーボンナノホーンの炭素表面に開孔部が形成される。本実施形態のナノカーボン材料集合体は、粒子(合成用触媒等)を内包するカーボンナノホーンを含むが、カーボンナノホーンの炭素表面に形成された開孔部からこの粒子の一部がカーボンナノホーンの外側に露出する。
本実施形態の一態様において、カーボンナノホーンの表面上には、酸化処理等により開孔部として、粒径0.7nmの粒子を通過させることができる第1の孔と、粒径0.7nmの粒子を通過させることができない第2の孔とが形成される。
比較的大きい開孔部である第1の孔は、繊維状のカーボンナノホーン集合体を構成するカーボンナノホーンにおいて、内包された粒子(合成用触媒等)に近接した炭素表面に形成されやすい。これは、内包された粒子と炭素との相互作用により、酸化反応が増強され、その結果として大きな孔が形成されるからであると考えられる。例えば、鉄に代表される合成用触媒等の粒子は、その粒子自体を触媒として、過酸化水素水中での近傍の炭素の酸化反応を増強する。その結果、炭素表面において、後述する第2の孔に比べて速やかにその開孔部が広がり、内包された粒子の一部を露出するような大きな孔が形成される。すなわち、主に第1の孔から、第1の粒子の一部がカーボンナノホーンの外側に露出する。第1の孔から第1の粒子の一部が飛び出ていてもよいし、第1の孔と第1の粒子が離れていてもよい。上記のとおり、第1の孔は、第1の粒子の近傍に形成され、例えば、近接する第1の粒子と第1の孔との距離(最短距離)が、その第1の粒子の粒径以下であるのが好ましい。
図5(b)は、酸化処理により開孔部が形成されたカーボンナノホーンの模式図である。第1の粒子2の近傍に第1の孔4が形成され、第1の孔4から第1の粒子2の一部が外側に露出している。さらに、第1の粒子2から離れたところには、第1の孔4より小さい第2の孔3が形成されている。
第1の孔の大きさは、粒径0.7nmの粒子を通過させることができ、かつ、第1の粒子の内包を保持することができる範囲が好ましく、例えば、直径(開孔部の内周に内接する最大内接円の直径)が、好ましくは0.7nm以上50nm未満、より好ましくは0.7nm以上20nm未満であり、さらに好ましくは3nm以上10nm以下である。第1の孔の大きさは、酸化処理条件を変えることにより調整することができる。
また、第1の粒子は、繊維状のカーボンナノホーン集合体の合成用触媒として用いる金属であることを好適とするが、それ以外に、ターゲットに混成した他の金属粒子、合金粒子、磁性体粒子をはじめとする無機材料粒子、または、それらを組み合わせた二種以上の異なる粒子を含んでもよい。第1の粒子の直径分布を変えることにより、異なる位置(例えば、カーボンナノホーンのホーン先端部または底部)に粒子を配置することも可能である。
ナノカーボン材料集合体の一態様において、第1の粒子が、例えば、Fe、Cu、Co、Ni、Au、Pt、Ag、Pd、Ru、Ti等の遷移金属をはじめとする電気化学反応の触媒として用いられる材料である場合、カーボンナノホーンの外側に露出した金属表面において電気化学反応用触媒の効果を発現することができ、これを燃料電池等の触媒として用いることができる。また、第1の粒子として、例えば金属酸化物や硫酸塩等の消臭効果をもつ材料を用いることにより、露出した粒子表面から消臭効果などを発現する触媒としてのナノカーボン材料集合体を得ることができる。
第1の孔は、1つのカーボンナノホーンの表面上に1つまたは複数形成されてよい。
比較的小さい開孔部である第2の孔は、繊維状のカーボンナノホーン集合体を構成するカーボンナノホーンにおいて、炭素表面に近接する内部空間に合成用触媒等の粒子が存在しない領域において形成されやすい。第2の孔は、例えば、カーボンナノホーンの先端部、および、側面部の5員環部分、7員環部分、またはその他反応性の高い炭素部位の炭素表面に形成される。第2の孔の大きさは、粒径0.7nmの粒子を通過させることができない大きさであり、例えば、直径(開孔部の内周に内接する最大内接円の直径)が、0.24nm以上0.70nm未満であり、好ましくは、孔を構成する炭素原子のうち隣接しない炭素原子間の最短距離dが、0.24nm以上0.70nm未満である。
第2の孔は、1つのカーボンナノホーンの表面上に1つまたは複数形成されるが、通常炭素表面上にほぼ均一に複数形成される。
本実施形態のナノカーボン材料集合体の一態様において、合成用触媒等を内包するカーボンナノホーンには、第1の孔と第2の孔の両方が形成され、合成用触媒等を内包しないカーボンナノホーンには、第2の孔のみが形成される。また、ナノカーボン材料集合体が球状のカーボンナノホーン集合体を含むときは、酸化処理等により球状のカーボンナノホーン集合体を構成するカーボンナノホーンにも第1の孔および/または第2の孔が形成される。
本実施形態のナノカーボン材料集合体は、第1の粒子が開孔部から露出することにより、別途触媒金属粒子を担持させなくても、電気化学反応用の触媒等として用いることができる。また、本実施形態のナノカーボン材料集合体は、繊維状のカーボンナノホーン集合体を含むことにより、球状のカーボンナノホーン集合体のみからなるナノカーボン材料集合体に比べて、導電率が高い。
(カーボンナノホーン集合体への第2の粒子の担持)
本実施形態の一態様においては、カーボンナノホーンの炭素表面の開孔部に、金属、金属錯体またはそれを含む化合物(酸化物等)のナノサイズの微粒子(第2の粒子)を局所的に吸着(担持)させることができる。このとき、吸着するナノサイズの微粒子の粒子径は、開孔した孔の数が多いほど微粒子の凝縮が起こりにくくなるので小さくなり、第2の粒子の微小化が実現される。第2の粒子の粒径は、特に限定されないが、例えば3nm以下であると、第2の粒子どうしの融合等がおこりにくく、第2の粒子が粗大化するのを防ぐことができる。第2の粒子の直径の下限は、第2の孔の径程度であるのが好ましく、例えば、約0.7nm程度であるのが好ましい。第2の粒子は、カーボンナノホーンの中に入らずに(すなわち、カーボンナノホーンの表面に開いた孔を通過せず、孔の周囲に、または孔を覆うように)、カーボンナノホーンの外側に担持されると、触媒機能を発揮しやすくなるため好ましい。
第2の粒子は、好ましくは第2の孔に担持され、より好ましくは第1の孔および第2の孔の両方に担持される。
第2の粒子は、金属、金属錯体及びこれを含む化合物(酸化物等)の微粒子であるのが好ましく、例えば、Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Fe、Ru、Ni、Sn、Co及びランタノイド元素からなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属、その金属錯体及びそれを含む化合物(酸化物等)を挙げることができる。このようにして担持(吸着)された第2の粒子は、繊維状のカーボンナノホーン集合体の表面において、電気化学的触媒効果を発現し、表面担持触媒となる。本実施形態において、第1の粒子を構成する金属等と、第2の粒子を構成する金属等の種類は、同一であっても異なっていてもよい。
図5(c)は、酸化処理されたカーボンナノホーンの第1の孔および第2の孔に、第2の粒子5が吸着(担持)されたことを示す模式図である。カーボンナノホーンに第2の粒子が担持されることにより、第1の粒子と第2の粒子の両方による触媒機能を発現させることができる。例えば、第1の粒子と第2の粒子とで異なる触媒機能、または、より高い触媒活性を発現させることができる。
本実施形態の一態様において、第1の粒子がFe粒子(好ましくは粒径が1nm~20nm)であり、第2の粒子がPt微粒子(好ましくは粒径が0.7nm~3.0nm)であるのが好ましい。
本実施形態のナノカーボン材料集合体は、電気化学反応用触媒として好適に用いることができ、具体的には、燃料電池用触媒、水素吸蔵触媒、臭気物質の吸着または分解を行う触媒として用いるのが好ましい。
本実施形態のナノカーボン材料集合体を燃料電池用触媒として用いる場合、優れた触媒能を有するので、第2の粒子が、Pt、Au、Ni、Pd、Ru等の遷移金属材料であるのが好ましい。水素吸蔵触媒として用いる場合は、第2の粒子がパラジウム等であるのが好ましい。臭気物質の吸着または分解を行う触媒として用いる場合は、第2の粒子が硫酸銅、塩化銅等であるのが好ましい。
第2の粒子は、繊維状のカーボンナノホーン集合体の表面に形成された第1の孔および第2の孔に引っ掛かるように優先的に吸着して固定化される。第2の粒子の担持法は、濃縮乾固法、含侵法、コロイド法等適宜使用できるが、サイズ制御が容易な、コロイド法か簡便な含侵法が望ましい。コロイド法は、T.Yoshitake,Y.Shimakawa,S.Kuroshima,H.Kimura,T.Ichihashi,Y.Kubo,D.Kasuya,K.Takahashi,F.Kokai,M.Yudasaka,S.Iijima,Physica 2002,B323,124.により報告されている方法が使用できる。また、含侵法は、触媒金属を含んだ溶液と繊維状のカーボンナノホーン集合体とを混合させ、分散、撹拌した後、フィルターで集めることで触媒を担持できる。また、繊維状のカーボンナノホーン集合体に担持する際の雰囲気(気相、液相)や条件(溶媒、pH、温度など)を調節することで、被吸着物質の担持量を制御することができる。
以下に実施例を示し、さらに詳しく本発明について説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。
(製造例1:繊維状のカーボンナノホーン集合体の作製)
繊維状のカーボンナノホーン集合体を含むナノカーボン材料集合体をCOレーザーアブレーション法により作製した。室温(約23℃)、窒素雰囲気下で、円柱状の触媒含有炭素ターゲットにCOレーザーを連続照射した。この時、レーザー出力を3.2kW、ターゲット回転速度を1rpmに調整した。触媒は、Feを使用した(炭素ターゲットに対して5質量%)。これにより得られた、すす状の物質を含むナノカーボン材料(「サンプル1」とする)を、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて観察した。図2は、サンプル1のSTEM写真である。繊維状のカーボンナノホーン集合体および球状のカーボンナノホーン集合体が生成されていることが分かった。図2において、黒い粒子は鉄触媒であり、カーボンナノホーン集合体の内部に取り込まれていることが観察された。図3は、サンプル1のZコントラストイメージであり、白い粒子が鉄である。これら観察により、鉄の粒径は、主に20nm以下であることが分かった。
(製造例2:カーボンナノホーン集合体の酸化処理)
製造例1の生成物(サンプル1)100mgを、過酸化水素水(30重量%)200mLに入れ、スターラーを用い、300rpmで撹拌しながら、ウォーターバスで温度を50℃に調整して1時間加熱した。加熱後、過酸化水素水を0.2μmフィルターでろ過し、純水で2回洗浄した。その後、フィルター上のナノカーボン材料を真空100℃のオーブンで48時間乾燥した。得られた酸化処理後の生成物をサンプル2とした。酸化処理前後のナノカーボン材料の比表面積を、窒素ガス吸着等温線からBET法により算出した。酸化処理前の生成物(サンプル1)のBET比表面積は、400m/gであり、酸化処理後の生成物(サンプル2)のBET比表面積は450m/gであり、僅かに増加した。また、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察により、サンプル2には異なる径の孔群が存在することと、露出した合成用触媒(内包金属触媒)を観察することができた。したがって、窒素ガスがほぼ透過できないサイズに開孔されていることが分かった。
(例3:触媒活性の評価)
電気化学的な酸素還元反応測定により、触媒活性を評価した。製造例2で作製した粉末(サンプル2)とNafion(登録商標)溶液と水を分散させた溶液を作製し、作用極である回転ディスク電極上に添加することでサンプルを固定した(電極2)。参照電極はAg/AgClを使用し、対極は白金を使用した。電解質溶液は、0.1M KOHを使用した。また、比較のために、酸化処理前の製造例1の試料(サンプル1)を用いて電極を作製した(電極1)。0.1Vから-1.0Vまで5mV/sで走査した結果、電極2(-5A/g@-0.4V vs.Ag/Ag/Cl)の反応開始が電極1(-2A/g@-0.4V vs.Ag/Ag/Cl)より早く、サンプル2の方が触媒機能が高いことが分かった。これは、サンプル2の開孔部から露出した触媒金属(Fe)が作用したためであると考えられる。
(例4:Pt触媒の担持)
製造例2で作製したナノカーボン材料を燃料電池用の触媒担持体として使用した。1gの塩化白金酸水和物を70℃の水に溶かし、亜硫酸ナトリウムを2g加えて撹拌した。水酸化ナトリウムによりpHを5程度に制御後、製造例2で作製したサンプル2をおよそ1.5g加えた。30%過酸化水素を50mL加え、pHが5になるように調整した。その後室温(約23℃)にして、遠心分離によりPt触媒を担持したサンプル2を分離し、100℃で乾燥した。その後、水素で還元した。Ptを担持したサンプル2を、酸素中での熱重量分析することで、担持率が、全重量に対して、20%であることを確認した(Pt担持サンプル2)。また、走査透過型電子顕微鏡像(STEM)で観察した結果、Pt粒子サイズは、2nm程度であり、炭素表面上に均一に担持されていた。また、比較のために酸化処理前のサンプル1にPtを同様の手法で担持し(Pt担持サンプル1)、熱重量分析によって担持率が20%であることを確認した。さらに比較のために、触媒を含まないグラファイトターゲットを用いた以外は製造方法1と同様の条件でCOレーザーアブレーション法を行うことにより、球状のカーボンナノホーン集合体(繊維状のカーボンナノホーン集合体を含まない)を作製した。この球状のカーボンナノホーン集合体を、上記Pt担持サンプル1および2と同様の方法によりPtを担持した(Pt担持サンプル3)。熱重量分析によって、Pt担持サンプル3の担持率が全重量に対して20%であることを確認した。Pt触媒の触媒活性を電気化学的手法によるメタノール酸化反応により評価した。作用極は、回転ディスク電極上にサンプルを添加することで作製し、参照電極はAg/AgClを使用し、対極は白金を使用した。電解質液は、1M CHOHと0.5M HSOになるように調製した。そのときの0.5Vvs.RHE(可逆水素電極(Reversible Hydrogen Electrode)での比活性(A/g-Pt)で比較した。その結果、Pt担持サンプル2(35A/g-Pt)は、Pt担持サンプル1(25A/g-Pt)、Pt担持サンプル3(20A/g-Pt)よりもメタノール酸化の比活性が増加していることが分かった。Pt担持サンプル2は、カーボンナノホーンの表面に開孔部を有することによりPtが凝集することなく担持され、かつ、内包されたFeが露出するため、メタノール酸化の比活性が高くなったと推察される。結果を表1に示す。
Figure 0007238909000001
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、本出願の開示事項は以下の付記に限定されない。
(付記1)
開孔部を有するカーボンナノホーンを含む複数のカーボンナノホーンから構成される繊維状のカーボンナノホーン集合体と、
前記開孔部を有するカーボンナノホーンに内包され、一部がカーボンナノホーンの外側に露出している第1の粒子と、
を含むナノカーボン材料集合体。
(付記2)
前記開孔部が、
粒径0.7nmの粒子が通過することができる第1の孔と
粒径0.7nmの粒子が通過することができない第2の孔と、
を含む、付記1に記載のナノカーボン材料集合体。
(付記3)
さらに、前記開孔部に第2の粒子が吸着している、付記1または2に記載のナノカーボン材料集合体。
(付記4)
前記第2の粒子の粒径が3nm以下である、付記3に記載のナノカーボン材料集合体。
(付記5)
前記第1の粒子の粒径が20nm以下である、付記1~4のいずれかに記載のナノカーボン材料集合体。
(付記6)
前記第2の粒子が、Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Fe、Ru、Ni、Sn、Co及びランタノイド元素から選ばれる1種又は2種以上の金属、その金属錯体、または、それを含む化合物である、付記3~5のいずれかに記載のナノカーボン材料集合体。
(付記7)
付記1~6のいずれかに記載のナノカーボン材料集合体を含む、電気化学反応用触媒。
(付記8)
繊維状のカーボンナノホーン集合体を、過酸化水素水中で20℃から80℃の温度範囲で加熱する工程を含む、
付記1~6のいずれかに記載のナノカーボン材料集合体の製造方法。
この出願は、2019年1月28日に出願された日本出願特願2019-012024を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以上、実施形態(および実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態(および実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1 カーボンナノホーンの先端部
2 合成用触媒等の粒子(第1の粒子)
3 第2の孔
4 第1の孔
5 第2の粒子

Claims (3)

  1. 開孔部を有するカーボンナノホーンを含む複数のカーボンナノホーンから構成される繊維状のカーボンナノホーン集合体と、
    前記開孔部を有するカーボンナノホーンに内包され、一部がカーボンナノホーンの外側に露出している第1の粒子と
    前記開孔部に吸着している第2の粒子と、
    含むナノカーボン材料集合体であって、
    前記開孔部が、
    粒径0.7nmの粒子が通過することができる第1の孔と
    粒径0.7nmの粒子が通過することができない第2の孔と、
    を含み、
    第1の孔および第2の孔に第2の粒子が吸着し、
    第1の粒子が、粒径が1nm~20nmの、Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であり、
    第2の粒子が、粒径が0.7nm~3.0nmの、Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Ru、Sn及びランタノイド元素からなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属、その金属錯体、または、それを含む化合物である、ナノカーボン材料集合体。
  2. 請求項1に記載のナノカーボン材料集合体を含む、電気化学反応用触媒。
  3. Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属である第1の粒子を含有した炭素をターゲットとして配置した容器内で、ターゲットを回転させながら窒素雰囲気、不活性雰囲気、又は、混合雰囲気下でレーザーアブレーションによりターゲットを加熱し、ターゲットを蒸発させて、第1の粒子が内包されたカーボンナノホーンを含む繊維状のカーボンナノホーン集合体を作製する工程と、
    第1の粒子が内包されたカーボンナノホーンを含む繊維状のカーボンナノホーン集合体を、過酸化水素水中で20℃から80℃の温度範囲で加熱して開孔部を有するカーボンナノホーンを含む繊維状のカーボンナノホーン集合体を作製する工程と、
    Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Ru、Sn及びランタノイド元素からなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属、その金属錯体、または、それを含む化合物である第2の粒子を含む溶液と、開孔部を有するカーボンナノホーンを含む繊維状のカーボンナノホーン集合体とを混合する工程と、
    含む、
    請求項1に記載のナノカーボン材料集合体の製造方法。
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