JP7238332B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet

Description

本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
従来、記録媒体としての布帛における所定の記録面にインクを吐出して、当該記録面に画像を記録するインクジェット記録装置がある。このようなインクジェット記録装置では、インクを吐出するノズルの開口部が設けられたインク吐出面を、布帛の記録面に対向させた状態でインクが吐出される。このため、布帛の記録面が毛羽立っていると毛羽がインク吐出面に接触してしまい、ノズルから正常にインクが吐出されなくなって記録画像の画質の低下に繋がる。
これに対し、布帛にインクを吐出する前に、布帛の記録面をローラー等により加圧することで予め毛羽を寝かせる技術がある(例えば、特許文献1)。
特開2017-128828号公報
しかしながら、上記従来の技術では、加圧後に再び毛羽が立ってインク吐出面に接触してしまう場合があり、布帛の毛羽に起因する画質の低下を必ずしも抑制できないという課題がある。
この発明の目的は、より確実に画質の低下を抑制することができるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のインクジェット記録装置の発明は、
布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿部と、
前記加湿部により加湿された前記記録面を加熱する加熱部と、
前記加湿部による加湿が開始されてから前記加熱部による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧部と、
前記加圧部による加圧及び前記加熱部による加熱が終了した前記記録面に対して所定のインク吐出面からインクを吐出して当該記録面に画像を記録する記録部と、
前記加湿部の動作を制御する加湿制御部と、
を備え
前記加湿制御部は、前記加湿部による加湿前における毛羽の最大高さが高い布帛ほど、前記加湿部による加湿後の前記記録面における含水率が高くなるように、前記液体を前記加湿部により前記布帛に付与させる
ことを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項2に記載のインクジェット記録装置の発明は、
布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿部と、
前記加湿部により加湿された前記記録面を加熱する加熱部と、
前記加湿部による加湿が開始されてから前記加熱部による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧部と、
前記加圧部による加圧及び前記加熱部による加熱が終了した前記記録面に対して所定のインク吐出面からインクを吐出して当該記録面に画像を記録する記録部と、
を備え、
前記加湿部による前記記録面の加湿、及び、前記加圧部による前記記録面の加圧が同時に行われる
ことを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、
前記加圧部は、前記加熱部による加熱が終了する前に加圧を終了することを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項4に記載のインクジェット記録装置の発明は、
布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿部と、
前記加湿部により加湿された前記記録面を加熱する加熱部と、
前記加湿部による加湿が開始されてから前記加熱部による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧部と、
前記加圧部による加圧及び前記加熱部による加熱が終了した前記記録面に対して所定のインク吐出面からインクを吐出して当該記録面に画像を記録する記録部と、
を備え、
前記加圧部は、前記加熱部による加熱が終了する前に加圧を終了する
ことを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記加湿部の動作を制御する加湿制御部を備え、
前記加湿制御部は、前記布帛の種別に応じた量の液体を前記加湿部により前記布帛に付与させる
ことを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のインクジェット記録装置において、
前記種別は、少なくとも布帛の素材により布帛を分類したものであることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のインクジェット記録装置において、
前記加湿制御部は、素材が化学繊維である布帛に対して単位面積当たりに付与される液体の量よりも、素材が天然繊維である布帛に対して単位面積当たりに付与される液体の量が多くなるように前記加湿部の動作を制御することを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のインクジェット記録装置において、
前記種別は、少なくとも布帛の銘柄により布帛を分類したものであることを特徴としている。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記加湿部の動作を制御する加湿制御部と、
前記加湿部による加湿前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する第1の検出部と、
を備え、
前記加湿制御部は、前記第1の検出部により検出された液体の含有率に基づいて、前記加湿部による加湿後の前記記録面における液体の含有率が所定の第1の基準含有率に近付くように、前記加湿部により前記布帛に対して単位面積当たりに付与させる液体の量を調整する
ことを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項10に記載のインクジェット記録装置の発明は、
布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿部と、
前記加湿部により加湿された前記記録面を加熱する加熱部と、
前記加湿部による加湿が開始されてから前記加熱部による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧部と、
前記加圧部による加圧及び前記加熱部による加熱が終了した前記記録面に対して所定のインク吐出面からインクを吐出して当該記録面に画像を記録する記録部と、
前記加湿部の動作を制御する加湿制御部と、
前記加湿部による加湿前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する第1の検出部と、
を備え、
前記加湿制御部は、前記第1の検出部により検出された液体の含有率に基づいて、前記加湿部による加湿後の前記記録面における液体の含有率が所定の第1の基準含有率に近付くように、前記加湿部により前記布帛に対して単位面積当たりに付与させる液体の量を調整する
ことを特徴としている。
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記加湿部の動作を制御する加湿制御部と、
前記加湿部による加湿後、かつ前記加熱部による加熱前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する第2の検出部と、
を備え、
前記加湿制御部は、前記第2の検出部により検出された液体の含有率と、所定の第1の基準含有率との差分に応じて、当該差分が小さくなるように前記加湿部により前記布帛に対して単位面積当たりに付与させる液体の量を調整する
ことを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項12に記載のインクジェット記録装置の発明は、
布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿部と、
前記加湿部により加湿された前記記録面を加熱する加熱部と、
前記加湿部による加湿が開始されてから前記加熱部による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧部と、
前記加圧部による加圧及び前記加熱部による加熱が終了した前記記録面に対して所定のインク吐出面からインクを吐出して当該記録面に画像を記録する記録部と、
前記加湿部の動作を制御する加湿制御部と、
前記加湿部による加湿後、かつ前記加熱部による加熱前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する第2の検出部と、
を備え、
前記加湿制御部は、前記第2の検出部により検出された液体の含有率と、所定の第1の基準含有率との差分に応じて、当該差分が小さくなるように前記加湿部により前記布帛に対して単位面積当たりに付与させる液体の量を調整する
ことを特徴としている。
請求項13に記載の発明は、請求項1から12のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記加熱部の動作を制御する加熱制御部と、
前記加熱部による加熱後、かつ前記記録部によりインクが吐出される前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する第3の検出部と、
を備え、
前記加熱制御部は、前記第3の検出部により検出された液体の含有率と、所定の第2の基準含有率との差分に応じて、当該差分が小さくなるように前記加熱部による前記記録面の加熱温度を調整する
ことを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項14に記載のインクジェット記録装置の発明は、
布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿部と、
前記加湿部により加湿された前記記録面を加熱する加熱部と、
前記加湿部による加湿が開始されてから前記加熱部による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧部と、
前記加圧部による加圧及び前記加熱部による加熱が終了した前記記録面に対して所定のインク吐出面からインクを吐出して当該記録面に画像を記録する記録部と、
前記加熱部の動作を制御する加熱制御部と、
前記加熱部による加熱後、かつ前記記録部によりインクが吐出される前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する第3の検出部と、
を備え、
前記加熱制御部は、前記第3の検出部により検出された液体の含有率と、所定の第2の基準含有率との差分に応じて、当該差分が小さくなるように前記加熱部による前記記録面の加熱温度を調整する
ことを特徴としている。
請求項15に記載の発明は、請求項1から14のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記布帛を搬送する搬送部を備え、
前記加湿部は、前記搬送部により搬送されている前記布帛の前記記録面を加湿し、
前記加圧部は、前記搬送部により搬送されている前記布帛の前記記録面を加圧し、
前記加熱部は、前記搬送部により搬送されている前記布帛の前記記録面を加熱し、
前記記録部は、前記搬送部により搬送されている前記布帛の前記記録面にインクを吐出して画像を記録する
ことを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、請求項16に記載のインクジェット記録方法の発明は、
所定のインク吐出面からインクを吐出する記録部を備えたインクジェット記録装置により布帛に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿工程、
前記加湿工程で加湿された前記記録面を加熱する加熱工程、
前記加湿工程が開始されてから前記加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧工程、
前記加圧工程における加圧及び前記加熱工程における加熱が終了した前記記録面に対して前記インク吐出面からインクを吐出させて当該記録面に画像を記録する記録工程、
を含み、
前記加湿工程では、加湿前における毛羽の最大高さが高い布帛ほど、加湿後の前記記録面における含水率が高くなるように、前記液体を前記布帛に付与する
ことを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項17に記載のインクジェット記録方法の発明は、
所定のインク吐出面からインクを吐出する記録部を備えたインクジェット記録装置により布帛に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿工程、
前記加湿工程で加湿された前記記録面を加熱する加熱工程、
前記加湿工程が開始されてから前記加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧工程、
前記加圧工程における加圧及び前記加熱工程における加熱が終了した前記記録面に対して前記インク吐出面からインクを吐出させて当該記録面に画像を記録する記録工程、
を含み、
前記加湿工程における前記記録面の加湿、及び、前記加圧工程における前記記録面の加圧を同時に行う
ことを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項18に記載のインクジェット記録方法の発明は、
所定のインク吐出面からインクを吐出する記録部を備えたインクジェット記録装置により布帛に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿工程、
前記加湿工程で加湿された前記記録面を加熱する加熱工程、
前記加湿工程が開始されてから前記加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧工程、
前記加圧工程における加圧及び前記加熱工程における加熱が終了した前記記録面に対して前記インク吐出面からインクを吐出させて当該記録面に画像を記録する記録工程、
を含み、
前記加圧工程では、前記加熱工程における加熱が終了する前に加圧を終了する
ことを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項19に記載のインクジェット記録方法の発明は、
所定のインク吐出面からインクを吐出する記録部を備えたインクジェット記録装置により布帛に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿工程、
前記加湿工程で加湿された前記記録面を加熱する加熱工程、
前記加湿工程が開始されてから前記加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧工程、
前記加圧工程における加圧及び前記加熱工程における加熱が終了した前記記録面に対して前記インク吐出面からインクを吐出させて当該記録面に画像を記録する記録工程、
前記加湿工程における加湿前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する検出工程、
を含み、
前記加湿工程では、前記検出工程において検出された液体の含有率に基づいて、加湿後の前記記録面における液体の含有率が所定の第1の基準含有率に近付くように、前記布帛に対して単位面積当たりに付与させる液体の量を調整する
ことを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項20に記載のインクジェット記録方法の発明は、
所定のインク吐出面からインクを吐出する記録部を備えたインクジェット記録装置により布帛に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿工程、
前記加湿工程で加湿された前記記録面を加熱する加熱工程、
前記加湿工程が開始されてから前記加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧工程、
前記加圧工程における加圧及び前記加熱工程における加熱が終了した前記記録面に対して前記インク吐出面からインクを吐出させて当該記録面に画像を記録する記録工程、
前記加湿工程における加湿後、かつ前記加熱工程における加熱前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する検出工程、
を含み、
前記加湿工程では、前記検出工程において検出された液体の含有率と、所定の第1の基準含有率との差分に応じて、当該差分が小さくなるように前記布帛に対して単位面積当たりに付与させる液体の量を調整する
ことを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項21に記載のインクジェット記録方法の発明は、
所定のインク吐出面からインクを吐出する記録部を備えたインクジェット記録装置により布帛に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿工程、
前記加湿工程で加湿された前記記録面を加熱する加熱工程、
前記加湿工程が開始されてから前記加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧工程、
前記加圧工程における加圧及び前記加熱工程における加熱が終了した前記記録面に対して前記インク吐出面からインクを吐出させて当該記録面に画像を記録する記録工程、
前記加熱工程による加熱後、かつ前記記録工程によりインクが吐出される前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する検出工程、
を含み、
前記加熱工程では、前記検出工程において検出された液体の含有率と、所定の第2の基準含有率との差分に応じて、当該差分が小さくなるように前記記録面の加熱温度を調整する
ことを特徴としている。
本発明に従うと、より確実に画質の低下を抑制することができるという効果がある。
インクジェット記録装置の概略構成を示す図である。 ヘッドユニットの構成を示す模式図である。 インクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。 インクジェット記録装置の毛羽の圧縮動作を説明する図である。 加湿工程における供給水分量の第1の調整方法を説明する図である。 加湿工程における供給水分量の第2の調整方法を説明する図である。 加湿工程における供給水分量の第3の調整方法を説明する図である。 加熱工程における加熱温度の調整方法を説明する図である。 変形例1に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。 変形例2に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。
以下、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、インクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
インクジェット記録装置1は、給紙部2と、排紙部3と、搬送部10と、加湿部20と、加圧部30と、加熱部40と、記録部50と、第1の検出部61と、第2の検出部62と、第3の検出部63と、乾燥部70と、制御部80(図3参照)などを備える。インクジェット記録装置1は、搬送部10により搬送されている布帛の記録媒体M(以下では、単に布帛Mと記す)に対して記録部50に設けられたノズルからインクを吐出して当該布帛Mに画像を記録する。
布帛Mは、搬送部10による搬送方向と直交する幅方向の幅が1m乃至2m程度、搬送方向の長さが数十m乃至数千m程度の帯状の形状を有する。布帛Mは、長さ数十m程度の記録媒体片が複数接合された構成を有していても良い。なお、布帛Mの大きさはこれに限られず、より小型のものやより大型のものが用いられても良い。
布帛Mは、給紙部2上で九十九折の状態で載置されており、給紙部2から搬送部10により引き出され、記録部50により画像が記録された後に排紙部3上に九十九折の状態で載置される。なお、これに代えて、布帛Mが巻き取られたロールから巻き出されて(繰り出されて)搬送部10に供給される態様などとしても良い。
搬送部10は、搬送ローラー11~13、15、16と、ベルト搬送部14などを備え、所定の搬送方向に布帛Mを搬送する。搬送部10の各部は、搬送方向について上流側から、搬送ローラー11~13、ベルト搬送部14、搬送ローラー15、16の順に配置されている。
搬送ローラー11~13、15、16の各々は、一対のローラー間で布帛Mを挟持した状態で、又は単一のローラーの外周面の一部に布帛Mが巻き回された状態で、図示しない搬送モーターにより駆動されて幅方向に平行な回転軸を中心に回転することで布帛Mを搬送方向に搬送する。搬送ローラー11~13、15、16は、ベルト搬送部14による布帛Mの搬送面より高い位置に設けられている。
搬送方向について搬送ローラー11及び搬送ローラー12の間には、加湿部20を構成するミスト供給部21が設けられている。
ミスト供給部21は、搬送されている布帛Mのうち画像が記録される記録面S(図4参照)(図1における上側に向いた面)に対して霧状の水(液体)を噴射して付与することで、布帛Mの記録面Sを加湿する。また、ミスト供給部21は、制御部80による制御下で、単位時間当たりに(したがって、単位面積当たりに)布帛Mに付与する水分量を調整可能となっている。
ミスト供給部21により布帛Mの記録面Sを加湿することで、記録面Sの毛羽Ma(図4参照)のコシ(硬さ、弾力)を弱くすることができる。
ミスト供給部21の具体的な構成は、特には限られないが、霧状の水を噴射する微小な給水ノズルが幅方向に複数配列され、給水管を介して所定の水圧で当該複数の給水ノズルに水が供給される構成のものを用いることができる。また、布帛Mに付与される水分量を調整するための機構としては、給水ノズルに供給される水の水圧を変更する機構や、給水ノズルの一部を閉止することで水を噴射する給水ノズルの数を調整する機構などを用いることができる。
ミスト供給部21により加湿された布帛Mは、搬送ローラー12、13を通過した後に下方に搬送されてベルト搬送部14の搬送面に供給される。
ベルト搬送部14は、駆動ローラー141、従動ローラー142及び搬送ベルト143などを備える。
駆動ローラー141は、図示しない搬送モーターにより駆動されて幅方向に平行な回転軸を中心に回転する。搬送ベルト143は、駆動ローラー141及び従動ローラー142により内側が支持された輪状のベルトであり、駆動ローラー141が回転動作するのに従って周回移動する。従動ローラー142は、搬送ベルト143の周回移動に伴って駆動ローラー141の回転軸と平行な回転軸を中心に回転する。搬送ベルト143としては、駆動ローラー141及び従動ローラー142との接触面で柔軟に屈曲し、かつ確実に布帛Mを支持可能な材質のものが用いられ、例えば、ゴムなどの樹脂製のベルトや、スチールベルトなどを用いることができる。この搬送ベルト143は、布帛Mが吸着される材質及び/又は構成を有することで、より布帛Mを安定して搬送ベルト143に載置可能とすることができる。
搬送ベルト143の周回経路のうち駆動ローラー141から従動ローラー142に向かう部分(図1における上側の部分)には、搬送ベルト143を挟み込む一対のローラーからなる加圧加熱ローラー31が設けられている。加圧加熱ローラー31は、搬送ローラー13を通過して搬送ベルト143の搬送面に向かって下方に搬送された布帛Mと、搬送ベルト143とを、所定の圧力で挟持しつつ回転する。また、加圧加熱ローラー31のうち一方のローラー(ここでは、上側のローラー)は、図1の上下方向に移動可能に設けられており、この上下方向の移動に応じて布帛Mに印加する圧力を調整することができるようになっている。加圧加熱ローラー31の上下方向への移動は、制御部80による制御下で圧力調整部33(図3参照)により行われる。
また、加圧加熱ローラー31を構成する一対のローラーのうち上側のローラー内には、回転軸に沿う筒状のローラー加熱部31aが設けられている。ローラー加熱部31aの内部には、高温の蒸気や熱水といった熱媒体が通っており、当該熱媒体の熱がローラーの外周面に伝わって当該外周面が加熱される。加圧加熱ローラー31は、この外周面の熱を布帛Mに伝えることで布帛Mの記録面Sを所定の温度に加熱する。
加圧加熱ローラー31は、布帛Mの加熱温度を調整可能に設けられている。具体的には、制御部80による制御下で、ローラー加熱部31aに流れる熱媒体の温度や流量が変更されることで、加圧加熱ローラー31による布帛Mの加熱温度が調整される。
なお、加圧加熱ローラー31は、搬送ベルト143及び布帛Mを上面側から押圧する単一のローラーから構成されていても良い。この場合には、搬送ベルト143を挟んで加圧加熱ローラー31の反対側に、加圧加熱ローラー31からの圧力に抗して搬送ベルト143及び布帛Mを支持する支持部材が設けられる。
本実施形態では、加圧加熱ローラー31によって加圧部30及び加熱部40が構成される。また、加圧加熱ローラー31は、搬送部10の一部を構成する。
このように、加圧加熱ローラー31は、布帛Mを挟持して当該布帛Mの記録面Sを加圧及び加熱することで、布帛Mの記録面Sの毛羽Maを寝かせて圧縮し、また布帛Mのしわなどの搬送面からの浮きを除去する。加圧加熱ローラー31による毛羽Maの圧縮動作及び圧縮作用については、後に詳述する。
記録部50は、搬送ベルト143の搬送面上に吸着された状態で搬送されている布帛Mの記録面Sに対して画像データに基づいてノズルからインクを吐出して画像を記録する。記録部50は、複数色、ここでは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクにそれぞれ対応する4つのヘッドユニット51Y、51M、51C、51K(以下では、これらのうち任意の一つをヘッドユニット51とも記す)を有する。これらの複数のヘッドユニット51は、ノズルの開口部が設けられたインク吐出面が適宜な間隔(本実施形態では、2.5mm)で布帛Mの記録面Sに対向するように配置されている。また、搬送ベルト143のうち少なくとも記録部50と対向する部分は、平坦な面を有する図示しない支持部材により支持されて水平面が形成されている。
なお、ヘッドユニット51の数は3つ以下又は5つ以上であってもよい。
図2は、ヘッドユニット51の構成を示す模式図であり、ヘッドユニット51を搬送ベルト143に相対する側から見た平面図である。ヘッドユニット51は、板状の支持部51aと、支持部51aに設けられた貫通孔に篏合した状態で支持部51aに固定された複数の(ここでは8つの)記録ヘッド511とを有する。記録ヘッド511は、ノズル513の開口部が設けられたインク吐出面512が支持部51aの貫通孔から外周面側に向けて露出した状態で支持部51aに固定されている。
記録ヘッド511では、複数のノズル513が、布帛Mの搬送方向と交差する方向(本実施形態では搬送方向と直交する幅方向)に等間隔にそれぞれ配列されている。本実施形態では、各記録ヘッド511は、幅方向に等間隔に一次元配列されたノズル513の列(ノズル列)を4つ有している。これらの4つのノズル列は、ノズル513の幅方向についての位置が重ならないように幅方向の位置が互いにずらされて配置されている。なお、記録ヘッド511が有するノズル列の数は4つに限られず、3つ以下又は5つ以上であっても良い。
ヘッドユニット51における8つの記録ヘッド511は、ノズル513の幅方向についての配置範囲が連続するように千鳥格子状に配置されている。ヘッドユニット51に含まれるノズル513の幅方向についての配置範囲は、布帛Mのうち画像が記録可能な領域の幅方向の幅をカバーしている。ヘッドユニット51は、画像の形成時には位置が固定されて用いられ、布帛Mの搬送に応じて搬送方向についての所定間隔の各位置に対してノズル513からインクを吐出することで、シングルパス方式で画像を形成する。各ノズル513からインクを吐出させるためのインク吐出機構は、圧電素子を用いたピエゾ式のものであっても良いし、インクを加熱して噴出させるサーマル式のものであっても良い。
記録部50により画像が記録された布帛Mは、搬送ベルト143に吸着された状態で搬送された後に、所定の位置で上方に引き剥がされる。詳しくは、布帛Mは、搬送ベルト143の搬送面より高い位置に設けられた搬送ローラー15から所定の圧力で引っ張られることで、搬送ベルト143の搬送面における所定の位置で搬送面から引き剥がされる。
搬送方向について搬送ローラー15及び搬送ローラー16の間には、布帛M上に吐出されたインクを乾燥させるための乾燥部70が設けられている。乾燥部70は、布帛Mを挟持してニップ部で加熱する一対の加熱ローラー71を備える。加熱ローラー71内には、回転軸に沿う筒状のローラー加熱部71aが設けられている。ローラー加熱部71aの内部には、高温の蒸気や熱水などの熱媒体が通っており、その熱がローラーの外周面に伝わって当該外周面が加熱される。加熱ローラー71は、この外周面の熱を布帛Mに伝えることで布帛Mを所定の温度に加熱し、記録面上のインクを乾燥させて定着させる。
なお、乾燥部70によるインクの乾燥方法はこれに限られず、非接触で布帛Mに熱を放射して乾燥させる方法などが用いられても良い。
第1の検出部61、第2の検出部62及び第3の検出部63(以下、互いに区別しない場合には検出部60とも記す)は、布帛Mの記録面Sにおける含水率(液体としての水の含有率)を各々検出する。
このうち第1の検出部61は、搬送方向について給紙部2からミスト供給部21までの間に設けられており、ミスト供給部21による加湿前の布帛Mの記録面Sにおける含水率を検出する。
また、第2の検出部62は、搬送方向についてミスト供給部21から加圧加熱ローラー31までの間に設けられており、ミスト供給部21による加湿後、かつ加圧加熱ローラー31による加熱前の布帛Mの記録面Sにおける含水率を検出する。
また、第3の検出部63は、搬送方向について加圧加熱ローラー31から記録部50までの間に設けられており、加圧加熱ローラー31による加熱後、かつ記録部50によりインクが吐出される前の布帛Mの記録面Sにおける含水率を検出する。
検出部60は、記録面Sにおける含水率を検出可能なものであればその検出原理及び具体的構成は特には限られない。例えば、検出部60としては、記録面Sに対して赤外線を照射してその反射光を受光し、水分により赤外線が吸収される特定の波長域における赤外線の吸収量に基づいて記録面Sの含水率を検出する方式のものを用いることができる。この他にも、布帛Mに電流を流して布帛Mの抵抗値を検出し、当該抵抗値に基づいて含水率を求める電気抵抗方式の検出部60、布帛Mに交流電流を流して布帛Mの電気容量を検出し、当該電気容量の変化に基づいて含水率を求める電気容量方式の検出部60、布帛Mにマイクロ波を照射してマイクロ波の水分による吸収量に基づいて含水率を求めるマイクロ波方式の検出部60などを用いても良い。
図3は、インクジェット記録装置1の機能構成を示すブロック図である。
インクジェット記録装置1は、制御部80(加湿制御部、加熱制御部)と、ミスト供給部21を有する加湿部20と、圧力調整部33を有する加圧部30と、ローラー加熱部31aを有する加熱部40と、記録ヘッド511及びヘッド制御部514を有するヘッドユニット51と、第1の検出部61と、第2の検出部62と、第3の検出部63と、搬送駆動部91と、操作表示部92と、通信部93と、バス94などを備える。
制御部80は、インクジェット記録装置1の全体動作を統括制御する。制御部80は、CPU81(Central Processing Unit)、RAM82(Random Access Memory)、ROM83(Read Only Memory)及び記憶部84などを有する。
CPU81は、ROM83に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM82に記憶させ、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。また、CPU81は、インクジェット記録装置1の全体動作を統括制御する。
RAM82は、CPU81に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。RAM82は、不揮発性メモリーを含んでいてもよい。
ROM83は、CPU81により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。なお、ROM83に代えてフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられてもよい。
記憶部84には、通信部93を介して外部機器から入力された、記録対象の画像データや当該画像データの記録動作に係る動作設定を含むジョブデータなどが記憶される。記憶部84としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されてもよい。
圧力調整部33は、制御部80からの制御信号に基づいて図示しないステッピングモーターを駆動させることで、加圧加熱ローラー31のうち一方のローラーを図1の上下方向に移動させ、加圧加熱ローラー31により布帛Mの記録面Sに対して印加される圧力を調整する。
ヘッド制御部514は、制御部80から供給される制御信号に基づいて、布帛Mの搬送位置に応じた適切なタイミングで画像データや制御信号を記録ヘッド511内のヘッド駆動部に出力することで、記録ヘッド511のノズル513からインクを吐出させる。
第1の検出部61、第2の検出部62、及び第3の検出部63は、制御部80から供給される制御信号に基づいて、布帛Mの記録面Sの含水率を検出して結果を制御部80に出力する。
搬送駆動部91は、制御部80から供給される制御信号に基づいて、搬送ローラー11~13、15、16、及びベルト搬送部14の駆動ローラー141にそれぞれ取り付けられた搬送モーターの動作を別個に制御して各ローラーを回転させ、布帛Mを適切な速度で搬送させる。
操作表示部92は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった表示装置と、操作キーや、表示装置の画面に重ねられて配置されたタッチパネルといった入力装置とを備える。操作表示部92は、表示装置において各種情報を表示させ、また入力装置に対するユーザーの入力操作を操作信号に変換して制御部80に出力する。
通信部93は、外部機器との間で通信を行って情報の送受信を行う。通信部93は、LANによる有線又は無線による通信に係る各種通信規格に対応した通信制御を行う。受信されるデータには、上述のジョブデータが含まれる。送信されるデータには、ジョブデータに応じた画像記録動作の進捗に係るステータス情報などが含まれる。
バス94は、制御部80と各部との間で信号の送受信を行う信号経路である。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置1における布帛Mの毛羽の圧縮動作について説明する。インクジェット記録装置1における毛羽の圧縮動作では、布帛Mの記録面Sを加湿する加湿工程、記録面Sを圧縮する圧縮工程、及び記録面Sを加熱する加熱工程からなる毛羽圧縮工程が実行される。
図4は、インクジェット記録装置1の毛羽の圧縮動作を説明する図である。
図4(a)は、加圧加熱ローラー31に進入する前の布帛Mの記録面Sにおける毛羽Maの状態を示す図である。図4(a)に示されるように、布帛Mの記録面Sでは、記録面Sの表面から最大高さHの毛羽Maが立っている。毛羽Maの最大高さHや硬さ、量などの特性は、通常、布帛Mの種別によって異なる。
ここで、布帛Mの種別は、布帛Mの素材や、布帛Mの銘柄などにより布帛を分類したものである。
布帛Mの素材としては、例えば、綿、麻、絹といった天然繊維や、ポリエステル、ナイロン、アクリルといった化学繊維などがある。
また、布帛Mの銘柄とは、例えば、布帛Mのメーカーによって製品ごとに定められた型番や名称などである。
なお、布帛Mの種別は、素材及び銘柄に基づくものに限られず、製造時期、ロット番号、輸送経路、及び保管環境等、布帛Mの特性が異なる原因となり得る任意の要素に基づいて布帛Mを分類したものとすることができる。
インクジェット記録装置1にセットされている布帛Mの種別は、例えば、ユーザーによる操作表示部92に対する所定の入力操作により特定される。
毛羽の圧縮動作では、図4(a)のように毛羽Maが立っている布帛Mの記録面Sに対し、まずミスト供給部21により霧状の水が付与されて記録面Sが加湿される(加湿工程)。これにより、毛羽Maのコシを弱くし、毛羽Maを変形しやすい状態とすることができる。
次に、図4(b)に示されるように、記録面S上で立っていた毛羽Maは、加圧加熱ローラー31のニップ部において記録面Sに沿うように寝かされつつ(倒されつつ)加圧されて圧縮される(加圧工程)。ここで、毛羽Maは、予めミスト供給部21により加湿されてコシが弱くなっているため、加圧加熱ローラー31の平坦な表面形状に追随するように容易に変形する。よって、加圧により、毛羽Maを記録面Sに沿った低い姿勢で寝かせて容易に圧縮することができる。
併せて、加圧加熱ローラー31のニップ部では、毛羽Maが加圧加熱ローラー31により加熱されて、毛羽Maに含まれていた水分が除去される(加熱工程)。毛羽Maは、水分が除去されることで、外部からの力を受けても変形しにくい状態となる。よって、毛羽Maを記録面Sに沿う低い姿勢で圧縮した状態で加熱して水分を除去することで、毛羽Maの形状を、圧縮された状態のまま固定して維持することができる。
図4(c)は、毛羽Maを圧縮した後の布帛Mの記録面Sがヘッドユニット51に対向している状態を示す図である。
図4(c)に示されるように、毛羽Maが圧縮されて、記録面Sの表面からの毛羽Maの最大高さHが低く抑えられることで、ヘッドユニット51のインク吐出面512と毛羽Maとの間に十分な間隔が確保されて、インク吐出面512に毛羽Maが接触する不具合の発生が抑制される。また、一旦加湿して毛羽Maのコシを弱くした上で圧縮し、その状態で加熱して(水分を除去して)形状を固定しているため、布帛Mの記録面Sがヘッドユニット51と対向する位置に搬送されるまでの間に毛羽Maが再び立ってしまう不具合が生じにくくなっている。
このように毛羽Maが圧縮された状態の布帛Mの記録面Sに対し、ヘッドユニット51のノズル513からインクが吐出されて画像が記録される(記録工程)。
次に、加湿工程における供給水分量の調整方法、及び加熱工程における加熱温度の調整方法について説明する。インクジェット記録装置1では、供給水分量について下記の第1~第3の調整方法による調整が行われ、加熱温度について下記の調整方法による調整が行われる。
(供給水分量の第1の調整方法)
図5は、加湿工程における供給水分量の第1の調整方法を説明する図である。
第1の調整方法は、布帛Mの種別を特定した上で、布帛Mの種別に応じた量の水分をミスト供給部21により布帛Mに付与するものである。
図5では、異なる複数の種別の布帛Mに対してそれぞれ毛羽圧縮工程を行う場合の、布帛Mの種別、加湿条件、加圧条件、加熱条件、及び毛羽圧縮工程前後の毛羽Maの最大高さHなどが示されている。
図5の実施例1は、天然繊維の素材(綿)からなる銘柄「綿A」の布帛Mに対して毛羽圧縮工程を行ったものである。
実施例2は、天然繊維の素材(綿)からなる銘柄「綿B」の布帛Mに対して毛羽圧縮工程を行ったものである。
実施例3は、化学繊維の素材(ポリエステル)からなる銘柄「ポリエステルC」の布帛Mに対して毛羽圧縮工程を行ったものである。
実施例1~3では、毛羽圧縮工程として、上述した実施形態のように、加圧工程後に、加圧工程及び加熱工程を行った。
一方、比較例は、銘柄「綿A」に対し、加圧工程及び加熱工程のみからなる(すなわち、加湿工程を含まない)毛羽圧縮工程を行ったものである。
実施例1~3及び比較例のいずれにおいても、布帛Mの記録面Sからヘッドユニット51のインク吐出面512までの距離は2.5mmであり、毛羽圧縮工程後における毛羽Maの最大高さHの目標値(上限値)は、2mmとした。
図5に示されるように、実施例1の銘柄「綿A」の布帛Mは、加湿前の毛羽Maの最大高さHが10mmであり、実施例2の銘柄「綿B」の布帛Mは、加湿前の毛羽Maの最大高さHが6mmであり、実施例3の銘柄「ポリエステルC」の布帛Mは、加湿前の毛羽Maの最大高さHが3mmである。このように、通常、化学繊維の布帛Mより天然繊維の布帛Mの方が、毛羽Maの量が多くかつ長くなっている。
また、一般的に、毛羽Maの最大高さHが高い布帛Mほど、毛羽Maを適切に圧縮するために、加湿後の記録面Sにおける含水率を高くする必要がある。このため、実施例1の銘柄「綿A」の布帛Mについては、加湿後の目標含水率(第1の基準含有率)が15%に設定され、実施例2の銘柄「綿B」の布帛Mについては、加湿後の目標含水率が11%に設定され、実施例3の銘柄「ポリエステルC」の布帛Mについては、加湿後の目標含水率が6%に設定されている。
また、図5に示されるように、加湿工程で供給される単位面積当たりの水分量は、加湿後の目標含水率が高い布帛Mほど大きくなるように設定されている。具体的には、実施例1における供給水分量は30g/m2とされ、実施例2における供給水分量は18g/m2とされ、実施例3における供給水分量は6g/m2とされている。
布帛Mの種別ごとの目標含水率、及び当該目標含水率に応じた供給水分量のデータは、記憶部84に記憶されている。
加湿工程における供給水分量の第1の調整方法は、制御部80による以下の制御手順で行われる。すなわち、制御部80は、まずユーザーからの操作表示部92に対する入力操作により、記録対象となっている布帛Mの種別を特定し、次に、記憶部84に記憶されている設定データから、特定された布帛Mの種別に対応する供給水分量を取得する。そして、制御部80は、取得した供給水分量のミストが布帛Mに付与されるようにミスト供給部21の動作を制御する。
このように加湿工程が実行された後、加圧工程及び加熱工程が行われる。加圧工程及び加熱工程の条件設定は、実施例1~3及び比較例で共通であり、加圧工程において記録面Sに印加される平均圧力はいずれも100kN/m2とされ、加熱工程における記録面Sの加熱温度はいずれも50℃とされる。
このような毛羽圧縮工程を行った結果、実施例1~3ではいずれも、毛羽圧縮工程後の毛羽Maの最大高さHが1.5mmとなった。すなわち、布帛Mの種別に応じた量の水をミスト供給部21により布帛Mに付与することで、布帛Mの種別によらずに毛羽Maの最大高さHを上限値(2mm)以下に抑えることができた。
他方で、比較例では、毛羽圧縮工程後の毛羽Maの最大高さHが4.0mmとなり、上限値を超えてしまう結果となった。これは、加湿工程を省略したことで、毛羽Maを加圧及び加熱した際に、実施例1~3と比較して毛羽Maが変形しにくいためであると考えられる。
(供給水分量の第2の調整方法)
次に、加湿工程における供給水分量の第2の調整方法について説明する。
ミスト供給部21による加湿がなされる前の布帛Mの含水率によっては、上記第1の調整方法のみでは加湿後に所望の含水率が得られない場合がある。そこで、第2の調整方法では、ミスト供給部21による加湿前の布帛Mの含水率を第1の検出部61により検出し、検出された含水率に基づいて、加湿後の含水率が目標含水率に近付くように供給水分量を調整する。
図6は、加湿工程における供給水分量の第2の調整方法を説明する図である。
図6では、図5の実施例1において、布帛Mの加湿前の含水率に応じた供給水分量の調整をさらに行う場合における、各布帛Mの含水率、加湿条件、及び毛羽圧縮工程前後の毛羽Maの最大高さHなどが示されている。なお、加圧工程における印加圧力や加熱工程における加熱温度は図5と同一であるため、図6では記載が省略されている。
図6では、加湿前の含水率が互いに異なる3種類の布帛Mが、布帛M1~M3として示されている。
布帛M1は、加湿前の含水率、及び毛羽Maの最大高さHは中程度(銘柄「綿A」の布帛として標準的な値)である。具体的には、加湿前の含水率の測定値は5%であり、毛羽Maの最大高さHは10mmであった。
布帛M2は、加湿前の含水率の測定値が低くなっており(3%)、これに起因して毛羽Maの最大高さHが高くなっている(12mm)。
布帛M3は、加湿前の含水率の測定値が高くなっており(10%)、これに起因して毛羽Maの最大高さHが低くなっている(5.5mm)。
供給水分量の第2の調整方法では、第1の検出部61による、加湿前の含水率の測定値と、ミスト供給部21による加湿後の目標含水率(15%)との差分に応じて、差分が大きいほど供給水分量が多くなるように、加湿工程における供給水分量が調整される。換言すれば、加湿前の含水率の測定値に基づいて、加湿後の含水率が目標含水率に近付くように、供給水分量が調整される。
すなわち、布帛M1については標準の供給水分量(30g/m2)での加湿が行われ、加湿前の含水率が低い布帛M2については標準より多い供給水分量(36g/m2)での加湿が行われ、加湿前の含水率が高い布帛M3については標準より少ない供給水分量(15g/m2)での加湿が行われる。
加湿工程における供給水分量の第2の調整方法は、制御部80による以下の制御手順で行われる。すなわち、制御部80は、第1の検出部61から加湿前の布帛Mの含水率を取得し、記憶部84に記憶されている加湿後の目標含水率との差分を算出する。そして、制御部80は、算出された差分の大きさに応じて調整された供給水分量のミストが布帛Mに付与されるようにミスト供給部21の動作を制御する。
図6の例では、このように供給水分量を調整して毛羽圧縮工程を行った結果、布帛M1~M3のいずれについても、毛羽圧縮工程後の毛羽Maの最大高さHが1.5mmとなり、加湿前の布帛Mの含水率によらずに毛羽Maの最大高さHを上限値(2mm)以下に抑えることができた。
(供給水分量の第3の調整方法)
次に、加湿工程における供給水分量の第3の調整方法について説明する。
ミスト供給部21により実際に布帛Mに供給される水分量は、水圧のばらつきや、ミストを噴射する給水ノズルの目詰まりなどによって、所望の値からずれる場合がある。そこで、第3の調整方法では、ミスト供給部21による加湿後の布帛Mの含水率を第2の検出部62により検出し、検出された含水率に基づいて、当該加湿後の含水率が目標含水率に近付くように供給水分量を調整する。
図7は、加湿工程における供給水分量の第3の調整方法を説明する図である。
図7では、図5の実施例1において、ミスト供給部21による供給水分量が、ばらつき等に起因して互いに異なるケース1~3が示されている。また、図7では、ケース1~3の各々における布帛Mの含水率、加湿条件、及び毛羽圧縮工程前後の毛羽Maの最大高さHに加え、加熱工程後の布帛Mの乾燥状態などが示されている。
図7のケース1は、ミスト供給部21による適正な加湿がなされた場合である。すなわち、ケース1では、供給水分量が標準値(30g/m2)であり、第2の検出部62による、加湿後の含水率の測定値は、目標含水率である15%に一致した。この結果、毛羽圧縮工程後の毛羽Maの最大高さは1.5mmと、上限値(2mm)以下に抑えられており、加圧加熱ローラー31(加熱部40)による加熱後の布帛Mの乾燥状態も良好(図7では「○」)であった。ここで、良好な乾燥状態とは、布帛Mの含水率が、記録部50によるインクの吐出に適した範囲内にあることをいう。
一方、ケース2は、供給水分量が標準値より少なく(24g/m2)、加湿後の含水率の測定値が13%と、加湿後の目標含水率(15%)に対して過小となった場合である。このケース2では、毛羽圧縮工程後の毛羽Maの最大高さHが3.0mmとなり、上限値(2mm)を超過する結果となった。
このため、ケース2では、ミスト供給部21による供給水分量を増加させるようにフィードバックがなされる。具体的には、制御部80は、第2の検出部62による含水率の測定値が過小である場合に、当該含水率の測定値と、加湿後の目標含水率との差分に応じてミスト供給部21による供給水分量を増加させる。これにより、布帛Mのうちこれ以降に加湿される部分については、加湿後の目標含水率により近い含水率となるように加湿することが可能となる。
他方で、ケース3は、供給水分量が標準値より多く(36g/m2)、加湿後の含水率の測定値が17%と、加湿後の目標含水率(15%)に対して過多となった場合である。このケース3では、毛羽圧縮工程後の毛羽Maの最大高さHが1.5mmと、上限値(2mm)を下回ってはいるものの、含水率が過多となっていることで加圧加熱ローラー31の加熱による水分除去が十分に行われず、加熱後の乾燥状態が不良(図7では「×」)となった。このように加圧加熱ローラー31による水分除去が不十分となると、記録部50により吐出されたインクが所望の態様で布帛Mの表面に定着せず(例えば、滲みが生じ)、画質の低下に繋がる。
このため、ケース3では、ミスト供給部21による供給水分量を減少させるようにフィードバックがなされる。具体的には、制御部80は、第2の検出部62による含水率の測定値が加湿後の目標含水率に対して過多である場合に、当該含水率の測定値と、加湿後の目標含水率との差分に応じてミスト供給部21による供給水分量を減少させる。これにより、布帛Mのうちこれ以降に加湿される部分については、加湿後の目標含水率により近い含水率となるように加湿することが可能となる。
(加熱温度の調整方法)
次に、加熱工程における加熱温度の調整方法について説明する。
上記の第3の調整方法によるフィードバックがなされてから布帛Mの加湿後の含水率が目標含水率に一致するように調整されるまでの期間では、加湿後の含水率が過多となっている場合があり、加圧加熱ローラー31の加熱による水分除去が不十分で、加熱後の布帛Mの乾燥状態が不良となる場合がある。また、加圧加熱ローラー31による加熱温度に誤差がある場合にも、加熱後の布帛Mの水分除去が不十分で乾燥状態が不良となる場合がある。そこで、インクジェット記録装置1では、加圧加熱ローラー31による加熱後の布帛Mの含水率を第3の検出部63により検出し、検出された含水率に基づいて、当該加熱後の含水率が加熱後の目標含水率に近付くように加圧加熱ローラー31による加熱温度を調整する。
図8は、加熱工程における加熱温度の調整方法を説明する図である。
図8に示されるケース3は、図7のケース3と同一のケースであり、ミスト供給部21による加湿後の布帛Mの含水率が過多(17%)となっている。このケース3では、加圧加熱ローラー31により通常の加熱温度(50℃)で加熱した結果、加熱による水分除去が十分に行われず、加熱後の含水率の測定値が、目標含水率(5%)を超過する7%となった。これに起因して、加熱後の乾燥状態が不良(「×」)となった。ここで、加熱後の目標含水率は、「第2の基準含有率」に相当する。
このため、このようなケース3では、加圧加熱ローラー31による加熱温度を上昇させるようにフィードバックがなされる。具体的には、制御部80は、第3の検出部63による含水率の測定値が加熱後の目標含水率に対して過多である場合に、加熱後の目標含水率との差分に応じて加圧加熱ローラー31による加熱温度を上昇させる。
ケース3aは、このように加熱温度をフィードバック制御した後の例である。このケース3aでは、ミスト供給部21による加湿後の布帛Mの含水率が過多(17%)となっているものの、加圧加熱ローラー31による加熱温度が60℃に上昇しているため、加熱後の含水率が、目標含水率に等しい5%となり、乾燥状態が良好(「○」)となっている。
このように、第3の検出部63による検出結果に基づいて加熱温度をフィードバック制御することにより、布帛Mのうち以降に加熱される部分については、加熱後の含水率がより目標含水率に近い値となるように加熱することが可能となり、布帛Mの記録面Sを、インクの吐出に適した状態とすることができる。
なお、図8では、加熱後の布帛Mの水分除去が不十分で乾燥状態が不良となる場合に加熱温度を上昇させるフィードバックを行う例で説明したが、これに加えて、加熱後の布帛Mの水分除去が過剰であるために乾燥状態が不良となる場合に、加熱温度を低下させるフィードバックを行っても良い。
本実施形態では、供給水分量の第1~第3の調整方法、及び加熱温度の調整方法をすべて適用して供給水分量及び加熱温度を調整しているが、供給水分量の第1~第3の調整方法による供給水分量の調整、及び加熱温度の調整方法による加熱温度の調整のうち少なくとも一部を行わないようにしても良い。
これらのうち供給水分量の第2の調整方法による供給水分量の調整を行わない場合には、第1の検出部61を省略することができる。
また、供給水分量の第3の調整方法による供給水分量の調整を行わない場合には、第2の検出部62を省略することができる。
また、加熱温度の調整方法による加熱温度の調整を行わない場合には、第3の検出部63を省略することができる。
以上のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置1は、布帛Mに水分を付与して当該布帛Mのうち画像が記録される記録面Sを加湿する加湿部20と、加湿部20により加湿された記録面Sを加熱する加熱部40と、加湿部20による加湿が開始されてから加熱部40による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において記録面Sを加圧する加圧部30と、加圧部30による加圧及び加熱部40による加熱が終了した記録面Sに対してインク吐出面512からインクを吐出して当該記録面Sに画像を記録する記録部50と、を備える。
このような構成によれば、布帛Mの記録面Sを加湿部20により加湿することで毛羽Maのコシを弱くし、毛羽Maを変形しやすい状態とすることができる。また、このように毛羽Maが変形しやすくなった状態で記録面Sを加圧部30により加圧することで、毛羽Maを、容易に記録面Sに沿った低い姿勢で寝かせて圧縮することができる。さらに、加熱部40により記録面Sを加熱して毛羽Maに含まれていた水分を除去することで、毛羽Maを変形しにくい状態とすることができる。すなわち、加熱により、毛羽Maの形状を、圧縮された状態のまま固定して維持することができる。これにより、記録面Sにおける毛羽Maを低い姿勢で寝かせた状態で、記録面Sに記録部50のインク吐出面512を対向させてインクを吐出させることができるため、インク吐出面512に毛羽Maが付着する不具合の発生を効果的に抑制することができる。よって、インク吐出面512への毛羽Maの接触に起因する画質の低下をより確実に抑制することができる。
また、布帛Mが乾燥していると、布帛Mの表面と搬送ローラーの表面とが離れる瞬間に剥離帯電が生じて布帛Mが帯電してしまう不具合が生じやすいが、本実施形態では一旦布帛Mを加湿することで、加湿しない場合と比較して布帛Mの乾燥度を抑えることができるため、剥離帯電による不具合の発生を抑制することができる。
また、インクジェット記録装置1は、加湿制御部としての制御部80を備え、制御部80は、加湿部20の動作を制御し、布帛Mの種別に応じた量の水分を加湿部20により布帛Mに付与させる(供給水分量の第1の調整方法)。これにより、布帛Mの種別に応じて、毛羽Maの圧縮のために必要かつ十分な適切な量の水分を布帛Mに付与することができる。よって、水分が足りずに毛羽Maの圧縮が不十分となる不具合や、水分が過剰となってインク吐出前の布帛Mの乾燥が不十分となる不具合の発生を抑制しつつ、適切な状態で毛羽Maを圧縮することができる。
また、布帛Mの種別は、少なくとも布帛Mの素材により布帛Mを分類したものである。これによれば、布帛Mの素材に応じた適切な量の水分を布帛Mに付与することができる。
また、加湿制御部としての制御部80は、素材が化学繊維である布帛Mに対して単位面積当たりに付与される水分の量よりも、素材が天然繊維である布帛Mに対して単位面積当たりに付与される水分の量が多くなるように加湿部20の動作を制御する(供給水分量の第1の調整方法)。これにより、一般的に毛羽Maの最大高さHが高くなりやすい天然繊維の布帛Mにおいて、適切に毛羽Maを圧縮することができる。また、毛羽Maの最大高さHが相対的に低くなりやすい化学繊維の布帛Mに対して過剰な水分が付与されて加熱後の乾燥状態が不良となる不具合の発生を抑制することができる。
また、布帛Mの種別は、少なくとも布帛Mの銘柄により布帛Mを分類したものである。これにより、ユーザーによって容易に管理及び識別が可能な布帛Mの銘柄に基づいて、適切な量の水分で布帛Mを加湿することができる。
また、インクジェット記録装置1は、加湿部20による加湿前の布帛Mの記録面Sにおける水分の含有率(含水率)を検出する第1の検出部61を備え、加湿制御部としての制御部80は、第1の検出部61により検出された含水率に基づいて、加湿部20による加湿後の記録面Sにおける含水率が、加湿後の目標含水率(第1の基準含有率)に近付くように、加湿部20により布帛Mに対して単位面積当たりに付与させる水分の量を調整する(供給水分量の第2の調整方法)。これにより、インクジェット記録装置1の環境湿度や布帛Mの保存環境の湿度、及び布帛Mの材質のばらつきなどによって、加湿前の布帛Mの含水率にばらつきがある場合においても、布帛Mに適切な量の水分を付与して加湿することができる。よって、毛羽Maを効果的に圧縮することができ、また、過剰に加湿されて加熱後の乾燥状態が不良となる不具合の発生を抑えることができる。
また、インクジェット記録装置1は、加湿部20による加湿後、かつ加熱部40による加熱前の布帛Mの記録面Sにおける含水率を検出する第2の検出部62を備え、加湿制御部としての制御部80は、第2の検出部62により検出された含水率と、加湿後の目標含水率(第1の基準含有率)との差分に応じて、当該差分が小さくなるように加湿部20により布帛Mに対して単位面積当たりに付与させる水分の量を調整する(供給水分量の第3の調整方法)。これにより、加湿部20による供給水分量が所望の値からずれている場合においても、布帛Mの記録面Sにおける含水率を目標含水率に近付けることができる。よって、毛羽Maを効果的に圧縮することができ、また、過剰に加湿されて加熱後の乾燥状態が不良となる不具合の発生を抑えることができる。
また、インクジェット記録装置1は、加熱部40による加熱後、かつ記録部50によりインクが吐出される前の布帛Mの記録面Sにおける含水率を検出する第3の検出部63を備え、加湿制御部としての制御部80は、第3の検出部により検出された含水率と、加熱後の目標含水率(第2の基準含有率)との差分に応じて、当該差分が小さくなるように加熱部40による記録面Sの加熱温度を調整する(加熱温度の調整方法)。これにより、加湿部20による加湿後の含水率が所望の値からずれていたり、加熱部40による加熱能力が所望の状態からずれていたりする場合においても、加熱後の含水率をより目標含水率に近い値とすることが可能となり、布帛Mの記録面Sを、インクの吐出に適した状態とすることができる。
また、インクジェット記録装置1は、布帛Mを搬送する搬送部10を備え、加湿部20は、搬送部10により搬送されている布帛Mの記録面Sを加湿し、加圧部30は、搬送部10により搬送されている布帛Mの記録面Sを加圧し、加熱部40は、搬送部10により搬送されている布帛Mの記録面Sを加熱し、記録部50は、搬送部10により搬送されている布帛Mの記録面Sにインクを吐出して画像を記録する。これにより、布帛Mに対する加湿、加圧、加熱及び画像記録を効率良く行うことができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1によるインクジェット記録方法は、布帛Mに水分を付与して当該布帛Mのうち画像が記録される記録面Sを加湿する加湿工程、加湿工程で加湿された記録面Sを加熱する加熱工程、加湿工程が開始されてから加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において記録面Sを加圧する加圧工程、加圧工程における加圧及び加熱工程における加熱が終了した記録面Sに対してインク吐出面512からインクを吐出させて当該記録面Sに画像を記録する記録工程、を含む。このような方法によれば、布帛Mの記録面Sにおける毛羽Maを効果的に圧縮し、かつその状態で固定して維持することができる。これにより、インク吐出面512への毛羽Maの接触に起因する画質の低下をより確実に抑制することができる。
(変形例1)
続いて、上記実施形態の変形例1について説明する。
本変形例は、加圧部30及び加熱部40が別個に設けられている点で上記実施形態と異なる。以下では、上記実施形態との相違点について説明する。
図9は、変形例1に係るインクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
本変形例のインクジェット記録装置1では、加圧加熱ローラー31に代えて、加圧部30を構成する加圧ローラー32が設けられており、加圧ローラー32と第3の検出部63との間に、加熱部40を構成するヒーター41が設けられている。
加圧ローラー32の構成は、加熱機能を有しない点を除いて加圧加熱ローラー31と同一である。
ヒーター41は、例えば電熱線に通電することで発熱して布帛Mの記録面Sを加熱する。ヒーター41は、加圧加熱ローラー31の加熱機能と同等の加熱能力を有する。なお、加熱部40としては、ヒーター41に代えて、布帛M及び搬送ベルト143を上下から挟持して加熱する一対の加熱ローラー等の他の加熱手段を用いても良い。
本変形例の加圧部30は、加熱部40による加熱が終了する前に加圧を終了する。これにより、加圧が終了して毛羽Maが低い姿勢に圧縮された後の加熱により、毛羽Maの形状を、より確実に圧縮された状態で固定することができる。
(変形例2)
続いて上記実施形態の変形例2について説明する。
本変形例は、加湿部20による布帛Mの加湿方式、及び加圧部30による加圧位置が上記実施形態と異なる。以下では、上記実施形態との相違点について説明する。
図10は、変形例2に係るインクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
本変形例では、加湿部20及び加圧部30を構成する加湿加圧ローラー22により、布帛Mの加湿及び加圧が並行して行われる。すなわち、本変形例では、加湿部20及び加圧部30が一体的に設けられている。
また、加圧加熱ローラー31に代えて、加熱のみを行う一対の加熱ローラー42(加熱部40)が設けられている。加熱ローラー42は、一方のローラーの内部に、ローラー加熱部31aと同様の構成のローラー加熱部42aを有している。
本変形例の加湿部20及び加圧部30は、布帛Mを上下から挟持して加湿及び加圧する一対の加湿加圧ローラー22と、加湿加圧ローラー22のうち上方のローラーに当接して回転する中間ローラー23と、中間ローラー23に当接して回転する給水ローラー24と、給水ローラー24の表面に供給される水を貯留する貯水部25とを備えている。
一対の加湿加圧ローラー22、中間ローラー23及び給水ローラー24は、幅方向に延びる回転軸に回転する円柱状の部材であり、外周面の幅方向の幅が各々同一となっている。また、加湿加圧ローラー22、中間ローラー23及び給水ローラー24は、外周面に水を保持可能な構成とされている。ここで、水を保持可能な外周面の材料としては、例えば親水性を有する樹脂(例えばNBR)等が挙げられる。
給水ローラー24は、貯水部25に貯められた水に外周面の一部が浸された状態で配置されている。給水ローラー24は、回転軸を中心に回転することによって貯水部25に貯められた水を外周面に汲み上げて保持し、この水を中間ローラー23の外周面に供給する。
中間ローラー23は、加湿加圧ローラー22の回転に応じて、加湿加圧ローラー22に当接しながら回転することにより加湿加圧ローラー22の外周面に水を供給する。
加湿加圧ローラー22は、中間ローラー23から供給された水分を含む外周面を布帛Mの記録面Sに当接させた状態で回転することで、当該記録面Sを加湿するとともに加圧する。
このように、布帛Mの記録面Sに対する加湿及び加圧を同時に行う態様によっても、加湿により毛羽Maのコシを弱くした上で圧縮して寝かせることができる。また、圧縮後の毛羽Maを加熱部40により加熱して水分を除去することで、毛羽Maの形状を、圧縮された状態のまま固定することができる。
(変形例3)
続いて上記実施形態の変形例3について説明する。本変形例は、他の変形例と組み合わされても良い。
本変形例は、加湿部20により、液体として、水に代えて所定の前処理剤が布帛Mに付与されて記録面Sが加湿される点で上記実施形態と異なる。以下では、上記実施形態との相違点について説明する。
インクジェット記録装置1で用いられるインクは、ノズルから液滴として吐出できるように粘度が低く抑えられているため、単に布帛M上に吐出したのではインクが滲んでしまう。このため、インクジェット記録装置1で布帛Mに画像を記録する場合には、予め糊の成分が入った前処理剤を表面に塗布することで、インクが滲む不具合の発生を抑制している。この前処理剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、スターチといった水溶性のポリマー等を用いることができる。
本変形例の加湿部20は、水に代えて上記の前処理剤を布帛Mに付与することで布帛Mの記録面Sを加湿する。このような構成によれば、前処理剤の塗布と布帛Mの加湿とを同時に行うことができるため、インクジェット記録装置1の構成を簡素化することができ、また画像記録のための工程を短縮することができる。
また、本変形例では、第1の検出部61、第2の検出部62及び第3の検出部63として、前処理剤の含有率を検出可能なものが用いられる。
なお、本発明は、上記実施形態及び各変形例に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態及び各変形例では、布帛Mの記録面Sに対して液体を付与する例を用いて説明したが、これに限られず、布帛Mの記録面Sに加え、又は記録面Sに代えて布帛Mの裏面(記録面Sとは反対側の面)に液体を付与することで、記録面Sを加湿しても良い(布帛Mの裏面のみに液体を付与する場合には、布帛Mを浸透した液体により記録面Sが所望の状態に加湿される量の液体を付与すれば良い)。
具体的には、加湿空気が封入された加湿容器により加湿部20を構成し、加湿容器内を通る搬送経路で布帛Mを搬送することで布帛Mの記録面S及び裏面を加湿しても良い。
また、所定の液体貯留部内に貯留されている液体に布帛Mを直接浸漬させて加湿しても良い。
また、加圧部30による記録面Sの加圧のタイミングは、上記実施形態及び各変形例で示したものに限られない。加圧部30による記録面Sの加圧は、加湿部20による加湿が開始されてから加熱部40による加熱が終了するまでの期間のうち任意の期間において行うことができる。
また、上記実施形態及び各変形例では、搬送部10がベルト搬送部14を有し、当該ベルト搬送部14により搬送されている布帛Mに対してインクを吐出する例を用いて説明したが、これに限られない。例えば、搬送ローラーの表面に保持された布帛Mに対し、当該搬送ローラーの外周面に対向するインク吐出面からインクを吐出して画像を記録しても良い。
また、布帛Mに対する加湿、加圧及び加熱のうち少なくとも一つを、インクジェット記録装置1の外部に設けられた装置や、人の手により行っても良い。
また、記録部50の下流側に、乾燥部70に加えて他の後処理装置が設けられていても良い。後処理装置としては、発色を良くし、またインクを固着させるために布帛Mを蒸す装置、汚れや未固着のインク等を洗い落す洗浄装置、布帛Mを所定位置で裁断する裁断装置などが挙げられる。
また、搬送部10に搬送されている布帛Mに対して加湿、加圧、加熱及び画像記録を行う態様に限られない。例えば、固定された所定の載置面上に枚葉の布帛Mを載置した状態で、当該布帛Mに対する加湿、加圧、加熱及び画像記録等を行っても良い。
また、上記各実施形態では、シングルパス形式のインクジェット記録装置1を例に挙げて説明したが、記録ヘッド511を走査させながら画像の記録を行うインクジェット記録装置に本発明を適用しても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
1 インクジェット記録装置
2 給紙部
3 排紙部
10 搬送部
11~13、15、16 搬送ローラー
14 ベルト搬送部
20 加湿部
21 ミスト供給部
22 加湿加圧ローラー
30 加圧部
31 加圧加熱ローラー
31a ローラー加熱部
32 加圧ローラー
33 圧力調整部
40 加熱部
41 ヒーター
42 加熱ローラー
50 記録部
51 ヘッドユニット
511 記録ヘッド
512 インク吐出面
513 ノズル
514 ヘッド制御部
61 第1の検出部
62 第2の検出部
63 第3の検出部
70 乾燥部
80 制御部
91 搬送駆動部
92 操作表示部
93 通信部
94 バス
M 布帛
Ma 毛羽
S 記録面

Claims (21)

  1. 布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿部と、
    前記加湿部により加湿された前記記録面を加熱する加熱部と、
    前記加湿部による加湿が開始されてから前記加熱部による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧部と、
    前記加圧部による加圧及び前記加熱部による加熱が終了した前記記録面に対して所定のインク吐出面からインクを吐出して当該記録面に画像を記録する記録部と、
    前記加湿部の動作を制御する加湿制御部と、
    を備え
    前記加湿制御部は、前記加湿部による加湿前における毛羽の最大高さが高い布帛ほど、前記加湿部による加湿後の前記記録面における含水率が高くなるように、前記液体を前記加湿部により前記布帛に付与させる
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿部と、
    前記加湿部により加湿された前記記録面を加熱する加熱部と、
    前記加湿部による加湿が開始されてから前記加熱部による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧部と、
    前記加圧部による加圧及び前記加熱部による加熱が終了した前記記録面に対して所定のインク吐出面からインクを吐出して当該記録面に画像を記録する記録部と、
    を備え、
    前記加湿部による前記記録面の加湿、及び、前記加圧部による前記記録面の加圧が同時に行われる
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記加圧部は、前記加熱部による加熱が終了する前に加圧を終了することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿部と、
    前記加湿部により加湿された前記記録面を加熱する加熱部と、
    前記加湿部による加湿が開始されてから前記加熱部による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧部と、
    前記加圧部による加圧及び前記加熱部による加熱が終了した前記記録面に対して所定のインク吐出面からインクを吐出して当該記録面に画像を記録する記録部と、
    を備え、
    前記加圧部は、前記加熱部による加熱が終了する前に加圧を終了する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 前記加湿部の動作を制御する加湿制御部を備え、
    前記加湿制御部は、前記布帛の種別に応じた量の液体を前記加湿部により前記布帛に付与させる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記種別は、少なくとも布帛の素材により布帛を分類したものであることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記加湿制御部は、素材が化学繊維である布帛に対して単位面積当たりに付与される液体の量よりも、素材が天然繊維である布帛に対して単位面積当たりに付与される液体の量が多くなるように前記加湿部の動作を制御することを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記種別は、少なくとも布帛の銘柄により布帛を分類したものであることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記加湿部の動作を制御する加湿制御部と、
    前記加湿部による加湿前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する第1の検出部と、
    を備え、
    前記加湿制御部は、前記第1の検出部により検出された液体の含有率に基づいて、前記加湿部による加湿後の前記記録面における液体の含有率が所定の第1の基準含有率に近付くように、前記加湿部により前記布帛に対して単位面積当たりに付与させる液体の量を調整する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿部と、
    前記加湿部により加湿された前記記録面を加熱する加熱部と、
    前記加湿部による加湿が開始されてから前記加熱部による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧部と、
    前記加圧部による加圧及び前記加熱部による加熱が終了した前記記録面に対して所定のインク吐出面からインクを吐出して当該記録面に画像を記録する記録部と、
    前記加湿部の動作を制御する加湿制御部と、
    前記加湿部による加湿前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する第1の検出部と、
    を備え、
    前記加湿制御部は、前記第1の検出部により検出された液体の含有率に基づいて、前記加湿部による加湿後の前記記録面における液体の含有率が所定の第1の基準含有率に近付くように、前記加湿部により前記布帛に対して単位面積当たりに付与させる液体の量を調整する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 前記加湿部の動作を制御する加湿制御部と、
    前記加湿部による加湿後、かつ前記加熱部による加熱前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する第2の検出部と、
    を備え、
    前記加湿制御部は、前記第2の検出部により検出された液体の含有率と、所定の第1の基準含有率との差分に応じて、当該差分が小さくなるように前記加湿部により前記布帛に対して単位面積当たりに付与させる液体の量を調整する
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿部と、
    前記加湿部により加湿された前記記録面を加熱する加熱部と、
    前記加湿部による加湿が開始されてから前記加熱部による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧部と、
    前記加圧部による加圧及び前記加熱部による加熱が終了した前記記録面に対して所定のインク吐出面からインクを吐出して当該記録面に画像を記録する記録部と、
    前記加湿部の動作を制御する加湿制御部と、
    前記加湿部による加湿後、かつ前記加熱部による加熱前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する第2の検出部と、
    を備え、
    前記加湿制御部は、前記第2の検出部により検出された液体の含有率と、所定の第1の基準含有率との差分に応じて、当該差分が小さくなるように前記加湿部により前記布帛に対して単位面積当たりに付与させる液体の量を調整する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  13. 前記加熱部の動作を制御する加熱制御部と、
    前記加熱部による加熱後、かつ前記記録部によりインクが吐出される前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する第3の検出部と、
    を備え、
    前記加熱制御部は、前記第3の検出部により検出された液体の含有率と、所定の第2の基準含有率との差分に応じて、当該差分が小さくなるように前記加熱部による前記記録面の加熱温度を調整する
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  14. 布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿部と、
    前記加湿部により加湿された前記記録面を加熱する加熱部と、
    前記加湿部による加湿が開始されてから前記加熱部による加熱が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧部と、
    前記加圧部による加圧及び前記加熱部による加熱が終了した前記記録面に対して所定のインク吐出面からインクを吐出して当該記録面に画像を記録する記録部と、
    前記加熱部の動作を制御する加熱制御部と、
    前記加熱部による加熱後、かつ前記記録部によりインクが吐出される前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する第3の検出部と、
    を備え、
    前記加熱制御部は、前記第3の検出部により検出された液体の含有率と、所定の第2の基準含有率との差分に応じて、当該差分が小さくなるように前記加熱部による前記記録面の加熱温度を調整する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  15. 前記布帛を搬送する搬送部を備え、
    前記加湿部は、前記搬送部により搬送されている前記布帛の前記記録面を加湿し、
    前記加圧部は、前記搬送部により搬送されている前記布帛の前記記録面を加圧し、
    前記加熱部は、前記搬送部により搬送されている前記布帛の前記記録面を加熱し、
    前記記録部は、前記搬送部により搬送されている前記布帛の前記記録面にインクを吐出して画像を記録する
    ことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  16. 所定のインク吐出面からインクを吐出する記録部を備えたインクジェット記録装置により布帛に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿工程、
    前記加湿工程で加湿された前記記録面を加熱する加熱工程、
    前記加湿工程が開始されてから前記加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧工程、
    前記加圧工程における加圧及び前記加熱工程における加熱が終了した前記記録面に対して前記インク吐出面からインクを吐出させて当該記録面に画像を記録する記録工程、
    を含み、
    前記加湿工程では、加湿前における毛羽の最大高さが高い布帛ほど、加湿後の前記記録面における含水率が高くなるように、前記液体を前記布帛に付与する
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  17. 所定のインク吐出面からインクを吐出する記録部を備えたインクジェット記録装置により布帛に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿工程、
    前記加湿工程で加湿された前記記録面を加熱する加熱工程、
    前記加湿工程が開始されてから前記加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧工程、
    前記加圧工程における加圧及び前記加熱工程における加熱が終了した前記記録面に対して前記インク吐出面からインクを吐出させて当該記録面に画像を記録する記録工程、
    を含み、
    前記加湿工程における前記記録面の加湿、及び、前記加圧工程における前記記録面の加圧を同時に行う
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  18. 所定のインク吐出面からインクを吐出する記録部を備えたインクジェット記録装置により布帛に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿工程、
    前記加湿工程で加湿された前記記録面を加熱する加熱工程、
    前記加湿工程が開始されてから前記加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧工程、
    前記加圧工程における加圧及び前記加熱工程における加熱が終了した前記記録面に対して前記インク吐出面からインクを吐出させて当該記録面に画像を記録する記録工程、
    を含み、
    前記加圧工程では、前記加熱工程における加熱が終了する前に加圧を終了する
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  19. 所定のインク吐出面からインクを吐出する記録部を備えたインクジェット記録装置により布帛に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿工程、
    前記加湿工程で加湿された前記記録面を加熱する加熱工程、
    前記加湿工程が開始されてから前記加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧工程、
    前記加圧工程における加圧及び前記加熱工程における加熱が終了した前記記録面に対して前記インク吐出面からインクを吐出させて当該記録面に画像を記録する記録工程、
    前記加湿工程における加湿前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する検出工程、
    を含み、
    前記加湿工程では、前記検出工程において検出された液体の含有率に基づいて、加湿後の前記記録面における液体の含有率が所定の第1の基準含有率に近付くように、前記布帛に対して単位面積当たりに付与させる液体の量を調整する
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  20. 所定のインク吐出面からインクを吐出する記録部を備えたインクジェット記録装置により布帛に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿工程、
    前記加湿工程で加湿された前記記録面を加熱する加熱工程、
    前記加湿工程が開始されてから前記加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧工程、
    前記加圧工程における加圧及び前記加熱工程における加熱が終了した前記記録面に対して前記インク吐出面からインクを吐出させて当該記録面に画像を記録する記録工程、
    前記加湿工程における加湿後、かつ前記加熱工程における加熱前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する検出工程、
    を含み、
    前記加湿工程では、前記検出工程において検出された液体の含有率と、所定の第1の基準含有率との差分に応じて、当該差分が小さくなるように前記布帛に対して単位面積当たりに付与させる液体の量を調整する
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  21. 所定のインク吐出面からインクを吐出する記録部を備えたインクジェット記録装置により布帛に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    布帛に液体を付与して当該布帛のうち画像が記録される記録面を加湿する加湿工程、
    前記加湿工程で加湿された前記記録面を加熱する加熱工程、
    前記加湿工程が開始されてから前記加熱工程が終了するまでの期間のうち少なくとも一部の期間において前記記録面を加圧する加圧工程、
    前記加圧工程における加圧及び前記加熱工程における加熱が終了した前記記録面に対して前記インク吐出面からインクを吐出させて当該記録面に画像を記録する記録工程、
    前記加熱工程による加熱後、かつ前記記録工程によりインクが吐出される前の前記布帛の前記記録面における液体の含有率を検出する検出工程、
    を含み、
    前記加熱工程では、前記検出工程において検出された液体の含有率と、所定の第2の基準含有率との差分に応じて、当該差分が小さくなるように前記記録面の加熱温度を調整する
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
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