JP2017132176A - 印刷装置、及び印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】毛羽立っている印刷媒体上に印刷品質の優れた画像を形成することができる印刷装置を提供する。【解決手段】印刷装置100は、印刷媒体95を搬送方向に搬送させる搬送手段と、印刷媒体95の表面に前処理用液体を塗布させる塗布ヘッド45と、前処理用液体が塗布された印刷媒体95に印刷用液体を吐出させる印刷ヘッド46と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、印刷装置、及び印刷方法に関する。
従来から、ノズルを有する印刷ヘッドから印刷媒体の表面に向かってインクなどの印刷用液体を吐出し印刷媒体に画像などを印刷するインクジェット方式の印刷装置が使用されている。このような印刷装置の印刷媒体に、表面が毛羽立っている布帛などを用いる場合には、毛羽と印刷ヘッドと接触や、遊離した毛羽が印刷ヘッドに付着することによる印刷品質の低下を未然に防止するために、印刷直前に毛羽を処理することが望ましい。毛羽処理の方法としては、例えば、特許文献1に開示されている、毛羽層にレーザー光線を照射し、毛羽層を熱溶融させる方法がある。
特許文献1に記載されている毛羽処理は、毛羽にレーザー光線を照射するためのレーザー照射装置を必要とする。しかしながら、印刷装置にレーザー照射装置を備えるのは、装置のコスト上昇と安全上の問題とにより困難であった。したがって、依然として毛羽立っている印刷媒体上に印刷品質の優れた画像を形成させる印刷装置を提供することが困難であった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る印刷装置は、印刷媒体を搬送方向に搬送させる搬送手段と、前記印刷媒体の表面に前処理液体を塗布させる塗布ヘッドと、前記前処理用液体が塗布された前記印刷媒体に印刷用液体を吐出させる印刷ヘッドと、を備えていること、を特徴とする。
本適用例によれば、印刷装置は、印刷媒体の表面に前処理用液体を塗布させる塗布ヘッドを備えている。塗布ヘッドから搬送手段により搬送された印刷媒体に前処理用液体を吐出し、印刷媒体に前処理用液体を塗布することにより、毛羽の毛先が倒れて毛羽を含めた印刷媒体全体の高さが低くなると共に、遊離している毛羽を印刷媒体の表面に定着させることができる。本適用例の印刷装置は、前処理用液体が塗布された印刷媒体に対して印刷ヘッドから印刷用液体を吐出させて画像などを印刷させるので、印刷ヘッドと毛羽とが接触したり、遊離した毛羽が印刷ヘッドに付着したりする機会を低減させることができる。これにより、印刷用液体の吐出が安定するので、毛羽立っている印刷媒体上に印刷品質の優れた画像が形成される。したがって、印刷品質を向上させた印刷装置を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の印刷装置において、前記塗布ヘッドは、前記搬送方向において前記印刷ヘッドより上流側に設けられていること、が好ましい。
本適用例によれば、塗布ヘッドは、印刷媒体の搬送方向において印刷ヘッドより上流側に設けられているので、塗布ヘッドによって印刷媒体に前処理用液体を塗布した後に、印刷媒体を搬送方向に搬送させ印刷ヘッドによって画像などを印刷させることができる。
[適用例3]上記適用例に記載の印刷装置は、キャリッジと、前記キャリッジを前記搬送方向と交差する主走査方向に移動させる移動手段と、を備え、前記印刷ヘッド及び前記塗布ヘッドは、前記キャリッジに搭載されていること、が好ましい。
本適用例によれば、塗布ヘッドは、印刷ヘッドと同じキャリッジに搭載されているので、キャリッジが主走査方向に移動する際に、塗布ヘッドから前処理用液体を吐出することで、印刷媒体に効率良く前処理用液体を塗布することができる。
[適用例4]上記適用例に記載の印刷装置において、前記塗布ヘッドは、前記主走査方向において前記印刷ヘッドより下流側に設けられていること、が好ましい。
本適用例によれば、塗布ヘッドは、キャリッジが移動する主走査方向において印刷ヘッドより下流側に設けられているので、塗布ヘッドによって印刷媒体に前処理用液体を塗布した直後に、印刷ヘッドによって画像などを印刷させることができる。
[適用例5]本適用例に係る印刷方法は、印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送工程と、前記印刷媒体の表面に前処理用液体を塗布する塗布工程と、前記前処理用液体が塗布された前記印刷媒体に印刷用液体を吐出する吐出工程と、を含むこと、を特徴とする。
本適用例によれば、印刷装置の印刷方法は、印刷媒体の表面に前処理用液体を塗布する塗布工程を含んでいる。搬送工程により搬送された印刷媒体に前処理用液体を塗布することにより、印刷媒体の毛羽の毛先が倒れて毛羽を含めた印刷媒体の高さが低くなると共に、遊離している毛羽を印刷媒体の表面に定着させることができる。本適用例の印刷方法は、吐出工程において前処理用液体が塗布された印刷媒体に対して印刷用液体を吐出して画像などを印刷するので、印刷ヘッドと毛羽とが接触したり、遊離した毛羽が印刷ヘッドに付着したりする機会を低減させることができる。これにより、印刷用液体の吐出が安定するので、毛羽立っている印刷媒体上に印刷品質の優れた画像が形成される。したがって、印刷品質を向上させた印刷方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせている。
また、図1、図2、図7及び図9では、説明の便宜上、互いに直交する三軸として、X軸、Y軸及びZ軸を図示しており、軸方向を図示した矢印の先端側を「+側」、基端側を「−側」としている。また、以下では、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。
また、図1、図2、図7及び図9では、説明の便宜上、互いに直交する三軸として、X軸、Y軸及びZ軸を図示しており、軸方向を図示した矢印の先端側を「+側」、基端側を「−側」としている。また、以下では、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。
(実施形態1)
<印刷装置の概略構成>
図1は、実施形態1に係る印刷装置の概略全体構成を示す模式図である。図2は、印刷部の構成を示す平面図である。まず、本実施形態に係る印刷装置100の概略構成について図1及び図2を参照して説明する。なお、本実施形態では、印刷媒体95に画像などを形成することで印刷媒体95に捺染を行うインクジェット式の印刷装置100を例に上げて説明する。
<印刷装置の概略構成>
図1は、実施形態1に係る印刷装置の概略全体構成を示す模式図である。図2は、印刷部の構成を示す平面図である。まず、本実施形態に係る印刷装置100の概略構成について図1及び図2を参照して説明する。なお、本実施形態では、印刷媒体95に画像などを形成することで印刷媒体95に捺染を行うインクジェット式の印刷装置100を例に上げて説明する。
図1に示すように、印刷装置100は、媒体供給部10、媒体搬送部20、媒体回収部30、印刷部40、乾燥ユニット27、洗浄ユニット50、及び媒体密着部60などを備えている。そして、これらの各部を制御する制御部1を有している。印刷装置100の各部は、フレーム部92に取り付けられている。
媒体供給部10は、画像を形成させる印刷媒体95を印刷部40側に供給するものである。印刷媒体95としては、例えば、綿、ウール、化学繊維、混紡などの布帛が用いられる。媒体供給部10は、供給軸部11及び軸受部12を有している。供給軸部11は、円筒状又は円柱状に形成されており、円周方向に回転可能に設けられている。供給軸部11には、帯状の印刷媒体95がロール状に巻かれている。供給軸部11は、軸受部12に対して着脱可能に取り付けられている。これにより、予め供給軸部11に巻かれた状態の印刷媒体95は、供給軸部11と共に軸受部12に取り付けできるようになっている。
軸受部12は、供給軸部11の軸方向の両端を回転可能に支持している。媒体供給部10は、供給軸部11を回転駆動させる回転駆動部(図示せず)を有している。回転駆動部は、印刷媒体95が送り出される方向に供給軸部11を回転させる。回転駆動部の動作は、制御部1によって制御される。
媒体搬送部20は、印刷媒体95を媒体供給部10から媒体回収部30まで搬送するものである。媒体搬送部20は、搬送ローラー21、搬送ローラー22、無端ベルト23、ベルト回転ローラー24、ベルト駆動ローラー25、搬送ローラー26、及び搬送ローラー28を備えている。搬送ローラー21,22は、印刷媒体95を媒体供給部10から無端ベルト23まで中継する。
無端ベルト23、ベルト回転ローラー24及びベルト駆動ローラー25は、印刷部40において印刷媒体95を搬送方向(+X軸方向)に搬送させる搬送手段である。詳しくは、無端ベルト23は、帯状のベルトの両端部が接続されて無端状に形成されており、ベルト回転ローラー24及びベルト駆動ローラー25に掛けられている。無端ベルト23は、ベルト回転ローラー24とベルト駆動ローラー25との間の部分が床面99に対して平行になるように、所定の張力が作用した状態で保持されている。無端ベルト23の表面(支持面)23aには、印刷媒体95を粘着させる粘着層29が設けられている。無端ベルト23は、搬送ローラー22から供給され、後述する媒体密着部60で粘着層29に密着された印刷媒体95を支持(保持)している。これにより、伸縮性のある布帛などを印刷媒体95として扱うことができる。
ベルト回転ローラー24及びベルト駆動ローラー25は、無端ベルト23の内周面23bを支持する。なお、ベルト回転ローラー24とベルト駆動ローラー25との間に、無端ベルト23を支持する支持部が設けられた構成であってもよい。
ベルト駆動ローラー25は、ベルト駆動ローラー25を回転駆動させるモーター(図示せず)を有している。ベルト駆動ローラー25が回転駆動されるとベルト駆動ローラー25の回転に伴って無端ベルト23が回転し、無端ベルト23の回転によりベルト回転ローラー24が回転する。無端ベルト23の回転により、無端ベルト23に支持された印刷媒体95が所定の搬送方向(+X軸方向)に搬送され、後述する印刷部40で印刷媒体95に画像が形成される。本実施形態では、無端ベルト23の表面23aが印刷部40と対向する側(+Z軸側)において印刷媒体95が支持され、印刷媒体95が無端ベルト23と共にベルト回転ローラー24側からベルト駆動ローラー25側に搬送される。また、無端ベルト23の表面23aが洗浄ユニット50と対向する側(−Z軸側)においては、無端ベルト23のみがベルト駆動ローラー25側からベルト回転ローラー24側に移動する。
搬送ローラー26は、画像の形成された印刷媒体95を無端ベルト23の粘着層29から剥離させる。搬送ローラー26,28は、印刷媒体95を無端ベルト23から媒体回収部30まで中継する。
媒体回収部30は、媒体搬送部20によって搬送された印刷媒体95を回収する。媒体回収部30は、巻取り軸部31及び軸受部32を有している。巻取り軸部31は、円筒状又は円柱状に形成されており、円周方向に回転可能に設けられている。巻取り軸部31には、帯状の印刷媒体95がロール状に巻き取られている。巻取り軸部31は、軸受部32に対して着脱可能に取り付けられている。これにより、巻取り軸部31に巻き取られた状態の印刷媒体95は、巻取り軸部31と共に取り外せるようになっている。
軸受部32は、巻取り軸部31の軸線方向の両端を回転可能に支持している。媒体回収部30は、巻取り軸部31を回転駆動させる回転駆動部(図示せず)を有している。回転駆動部は、印刷媒体95が巻き取られる方向に巻取り軸部31を回転させる。回転駆動部の動作は、制御部1によって制御される。
乾燥ユニット27は、印刷媒体95上に吐出された液体(後述する前処理用液体及び印刷用液体)を乾燥するものであり、搬送ローラー26と搬送ローラー28との間に設けられている。乾燥ユニット27には、例えば、IRヒーターを含み、IRヒーターを駆動させることにより印刷媒体95上に吐出された液体を短時間で乾燥させることができる。これにより、画像などの形成された帯状の印刷媒体95を巻取り軸部31に巻き取ることができる。
媒体密着部60は、印刷媒体95を無端ベルト23に密着させるものである。媒体密着部60は、印刷媒体95の搬送方向に対して印刷部40より上流側(−X軸側)に設けられている。媒体密着部60は、押圧ローラー61、押圧ローラー駆動部62及びローラー支持部63を有している。押圧ローラー61は、円筒状又は円柱状に形成されており、円周方向に回転可能に設けられている。押圧ローラー61は、搬送方向に沿った方向に回転するように、軸線方向が搬送方向と交差するように配置されている。ローラー支持部63は、無端ベルト23を挟んで押圧ローラー61と対向する無端ベルト23の内周面23b側に設けられている。
押圧ローラー駆動部62は、押圧ローラー61を鉛直方向の下方側(−Z軸側)に押圧しながら搬送方向(+X軸方向)、及び搬送方向と逆向きの方向(−X軸方向)に押圧ローラー61を移動させる。搬送ローラー22から搬送され、無端ベルト23に重ね合された印刷媒体95は、押圧ローラー61とローラー支持部63との間で無端ベルト23に押し当てられる。これにより、無端ベルト23の表面23aに設けられている粘着層29に印刷媒体95を確実に粘着させることができ、無端ベルト23上での印刷媒体95の浮きの発生を防止することができる。
洗浄ユニット50は、無端ベルト23の表面23aを洗浄するためのものである。洗浄ユニット50は、洗浄部51、押圧部52及び移動部53を有している。移動部53は、床面99に沿って洗浄ユニット50を一体的に移動させて所定の位置に固定させる。洗浄ユニット50は、X軸方向においてベルト回転ローラー24とベルト駆動ローラー25の間に配置されている。
押圧部52は、例えば、エアーシリンダー56とボールブッシュ57とで構成された昇降装置であり、その上部に備えられている洗浄部51を無端ベルト23の表面23aに当接させるものである。洗浄部51は、ベルト回転ローラー24とベルト駆動ローラー25との間で所定の張力が作用した状態で掛けられている無端ベルト23の表面(支持面)23aを下方(−Z軸方向)から洗浄する。
洗浄部51は、洗浄槽54、洗浄ローラー58及びブレード55を有している。洗浄槽54は、無端ベルト23の表面23aに付着したインクや異物の洗浄に用いる洗浄液を貯留する槽であり、洗浄ローラー58及びブレード55は洗浄槽54の内側に設けられている。洗浄液としては、例えば、水や水溶性溶剤(アルコール水溶液など)を用いることができ、必要に応じて界面活性剤や消泡剤を添加させてもよい。
洗浄ローラー58が回転すると、洗浄液が無端ベルト23の表面23aに供給されると共に、洗浄ローラー58と無端ベルト23とが摺動する。これにより、無端ベルト23に付着したインクや印刷媒体95としての布帛の繊維などが洗浄ローラー58で取り除かれる。
ブレード55は、例えば、シリコンゴムなどの可撓性の材料で形成することができる。ブレード55は、無端ベルト23の搬送方向において洗浄ローラー58よりも下流側に設けられている。無端ベルト23とブレード55とが摺動することにより、無端ベルト23の表面23aに残っている洗浄液が除去される。
印刷部40は、キャリッジ43、キャリッジ43を移動させる移動手段、塗布ヘッド45、及び印刷ヘッド46などを備え、無端ベルト23の配置位置に対して上方(+Z軸側)に配置されている。
塗布ヘッド45は、印刷媒体95の表面に前処理用液体を塗布するものである。塗布ヘッド45は、印刷媒体95と対向する面に図示しないノズル列を有し、図示しない液体供給部から供給された前処理用液体が、ノズル列から印刷媒体95に向かって液滴に吐出される。前処理用液体としては、例えば、水に水溶性有機溶剤や界面活性剤などが添加された水溶液を使用することができる。また、必要に応じて前処理用液体の乾燥を防ぐ保湿剤や、インクの滲みや発色を考慮して使用される糊剤、アルカリ剤などが含まれていてもよい。塗布ヘッド45は、無端ベルト23によって搬送される印刷媒体95の搬送方向(+X軸方向)において、印刷ヘッド46より上流側に設けられている。これにより、本実施形態の印刷装置100は、塗布ヘッド45によって印刷媒体95に前処理用液体を塗布した後に、印刷ヘッド46から吐出される印刷用液体としてのインクによって画像などを印刷させることが可能になっている。
印刷ヘッド46は、前処理用液体が塗布された印刷媒体95に印刷用液体を吐出するものである。印刷ヘッド46は、印刷媒体95と対向する面に図示しない複数のノズル列を有している。そして、図示しない液体供給部から供給されたインクが、各ノズル列から印刷媒体95に向かって液滴に吐出される。例えば、印刷ヘッド46は、4つのノズル列を有し、各ノズル列からは異なる色のインク(例えば、シアン:C、マゼンタ:M、イエロー:Y、ブラック:K)が吐出されるようになっている。印刷ヘッド46は、塗布ヘッド45より下流側に設けられているので、インクは、前処理用液体の塗布された印刷媒体95上に吐出される。
塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46は、キャリッジ43に搭載されている。そして、キャリッジ43は、移動手段としてのキャリッジ搬送部93によって、塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46を印刷媒体95の搬送方向と交差する主走査方向(Y軸方向)に往復移動させる。塗布ヘッド45は、印刷ヘッド46と同じキャリッジ43に搭載されているので、キャリッジ43が主走査方向に移動する際に、塗布ヘッド45から前処理用液体を吐出することで、印刷媒体95に効率良く前処理用液体を塗布することができる。
なお、図2では、キャリッジ43に各1個の塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46が搭載された構成を示したが、これに限定するものではない、キャリッジ43に複数の塗布ヘッド及び印刷ヘッドが搭載された構成であってもよい。
なお、図2では、キャリッジ43に各1個の塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46が搭載された構成を示したが、これに限定するものではない、キャリッジ43に複数の塗布ヘッド及び印刷ヘッドが搭載された構成であってもよい。
キャリッジ搬送部93は、無端ベルト23の上方(+Z軸方向側)に設けられている。キャリッジ搬送部93は、Y軸方向に沿って延在する一対のガイドレール93a,93b、ガイドレール93a,93bに沿って設けられているキャリッジ位置検出装置(図示せず)などを有している。
ガイドレール93a,93bは、X軸方向において無端ベルト23の外側に立設しているフレーム部92a,92bの間に架設されている。ガイドレール93a,93bは、キャリッジ43を支持している。キャリッジ43は、ガイドレール93a,93bによってY軸方向に沿って案内され、Y軸方向に往復移動可能な状態でガイドレール93a,93bに支持されている。キャリジ位置検出装置は、ガイドレール93a,93bに沿って延在し、キャリッジ43のY軸方向における位置を検出できるようになっている。
キャリッジ搬送部93は、図示しない移動機構及び動力源を備えている。移動機構としては、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などを採用することができる。さらに、キャリッジ搬送部93には、キャリッジ43をY軸方向に沿って移動させるための動力源として、モーター(図示せず)が設けられている。モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターを採用することができる。制御部1の制御によりモーターが駆動されると、塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46は、キャリッジ43と共にY軸方向に沿って往復移動する。
印刷装置100は、塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46に対してメンテナンスを行うメンテナンス部70を有している。メンテナンス部70は、塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46が往復移動するY軸方向において、無端ベルト23の一方の側(本実施形態では+Y軸方向側)に設けられている。メンテナンス部70は、+Z軸方向からの平面視にてY軸方向に往復移動する塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46と重なる位置に設けられている。例えば、メンテナンス部70は、塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46を吸引する吸引部71、前処理用液体やインクを除去するワイピング部74、ノズル列を形成するノズルから液滴を吐出させるフラッシング部77を含んでいる。
吸引部71は、塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46に蓋72をすると共に塗布ヘッド45内の前処理用液体や印刷ヘッド46内のインクを吸引する装置である。吸引部71において、塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46内の気泡や異物などが取り除かれることにより、気泡や異物による吐出不良の回復や防止を図ることができる。
ワイピング部74は、塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46のノズル列が形成されているノズルプレート(図示せず)をブレード75で拭く装置である。ワイピング部74において、ノズルプレートに付着したインクや異物などがブレード75で払拭されることにより、インクや異物などによる吐出不良の回復や防止を図ることができる。
フラッシング部77は、ノズルから吐出される液滴を捕捉する装置である。フラッシング部77は、液滴を捕捉する、フェルトなどの多孔質の繊維を有するフラッシングボックス78を備えている。フラッシング部77において、ノズルから液滴を吐出させることにより、増粘したインクや固形物を除去してインクの状態を調整する。これにより、増粘したインクや固形物による吐出不良の回復や防止を図ることができる。
<電気的構成>
図3は、印刷装置の電気的な構成を示す電気ブロック図である。次に、印刷装置100の電気的構成について図3を参照して説明する。
図3は、印刷装置の電気的な構成を示す電気ブロック図である。次に、印刷装置100の電気的構成について図3を参照して説明する。
印刷装置100は、制御部1を備えている。制御部1は印刷装置100の制御を行うための制御ユニットである。制御部1は、制御回路4と、インターフェイス部(I/F)2と、CPU(Central Processing Unit)3と、記憶部5とを含んで構成されている。インターフェイス部2は、コンピューターなどの画像を取り扱う外部装置6と印刷装置100との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU3は、各種の検出器群7からの入力信号処理や印刷装置100全体の制御を行うための演算処理装置である。
記憶部5は、CPU3のプログラムを格納する領域や作業領域などを確保するためのものであり、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)などの記憶素子を有している。
CPU3は、制御回路4によりベルト駆動ローラー25に備えられている各種モーターを制御して、無端ベルト23に載置されている印刷媒体95を搬送方向(+X軸方向)に移動する。CPU3は、制御回路4によりキャリッジ搬送部93に備えられている各種モーターを制御して、塗布ヘッド45及び印刷ヘッド46が搭載されているキャリッジ43を主走査方向(Y軸方向)に往復移動する。CPU3は、制御回路4により塗布ヘッド45を駆動するための電圧を制御してノズルから印刷媒体95に前処理用液体を吐出する。CPU3は、制御回路4により印刷ヘッド46を駆動するための電圧を制御してノズルから印刷媒体95にインクを吐出する。また、CPU3は、制御回路4により図示しない各装置を制御する。
図4は、印刷方法を説明するフローチャート図である。印刷装置100の印刷方法について図4を参照して説明する。
ステップS1は、印刷媒体95を搬送方向に搬送する搬送工程である。制御部1は、ベルト駆動ローラー25の駆動を制御して印刷媒体95を所定の位置に搬送する。
ステップS2は、印刷媒体95の表面に前処理用液体を塗布する塗布工程である。制御部1は、塗布ヘッド45の駆動を制御して、塗布ヘッド45から印刷媒体95に向かって前処理用液体を液滴に吐出する。これにより、印刷媒体95に前処理用液体が塗布される。
ここで、前処理用液体が塗布された場合の効果について説明する。図5は、前処理用液体を塗布しない場合の印刷媒体の形状を示す断面図である。図6は、前処理用液体を塗布した場合の印刷媒体の形状を示す断面図である。
図5に示すように、印刷媒体95は、基布95aと毛羽部95bとで構成されている。毛羽部95bは、基布95aから密集した毛羽が立っており、遊離した毛羽95cや長い毛羽が一部突出している。なお、図5では、この状態の印刷媒体95にインクを吐出させる場合の印刷ヘッド46の位置を図示している。つまり、塗布ヘッド45を備えていない印刷装置で毛羽立った印刷媒体95に印刷を行う場合を示している。この状態の印刷媒体95に印刷を行った場合は、突出した毛羽が印刷ヘッド46に接触したり、遊離した毛羽95cが印刷ヘッド46に付着したりして、インクの吐出不良が発生し印刷された画像の品質が低下する恐れがあった。逆に、吐出不良を防ぐためには、印刷ヘッド46と無端ベルト23との距離(以降、ギャップWGという)を広げる必要があるが、ギャップWGを広げると印刷された画像が不鮮明になって印刷品質が低下するという問題があった。
図6では、塗布ヘッド45から印刷媒体95に前処理用液体を塗布した後、印刷媒体95にインクを吐出させる場合の印刷ヘッド46の位置を図示している。塗布ヘッド45から印刷媒体95に向かって前処理用液体を液滴に吐出し、印刷媒体95に前処理用液体が塗布されると、毛羽の先端が前処理用液体の重みで倒れ、毛羽部95bの高さが低くなる。また、遊離していた毛羽95cは、毛羽部95b上に定着される。これにより、印刷ヘッド46からインクを吐出させて印刷媒体95に画像などを印刷する際に、突出した毛羽が印刷ヘッド46に接触したり、遊離した毛羽95cが印刷ヘッド46に付着したりする機会が減少するので、インクの吐出が安定し、印刷媒体95に印刷された画像などの印刷品質が向上する。さらに、インクの吐出不良が生じる回数も減少するため、メンテナンス部70で行うメンテナンスの回数を減らすことができるので、印刷時間を短縮することができる。また、高さの低くなった毛羽部95bに合わせてギャップWGの高さを低く設定することで、印刷媒体95に鮮明な画像を印刷させることができる。
図4に戻って、印刷方法の説明を続ける。
ステップS3は、搬送工程である。制御部1は、ベルト駆動ローラー25の駆動を制御して印刷媒体95を搬送する。これにより、ステップS2で前処理用液体の塗布された印刷媒体95の領域が、印刷ヘッド46と対向する位置に搬送(改行)される。
ステップS3は、搬送工程である。制御部1は、ベルト駆動ローラー25の駆動を制御して印刷媒体95を搬送する。これにより、ステップS2で前処理用液体の塗布された印刷媒体95の領域が、印刷ヘッド46と対向する位置に搬送(改行)される。
ステップS4は、塗布工程及び前処理用液体が塗布された印刷媒体95に印刷用液体としてのインクを吐出する吐出工程である。制御部1は、キャリッジ搬送部93を制御してキャリッジ43を主走査方向(Y軸方向)に移動する。これと同時に、制御部1は、塗布ヘッド45の駆動を制御して塗布ヘッド45から印刷媒体95に向かって前処理用液体を液滴に吐出し、印刷ヘッド46の駆動を制御して印刷ヘッド46から前処理用液体の塗布された印刷媒体95に向かってインクを液滴に吐出する。これにより、ステップS2で前処理用液体の塗布された領域に一行分の画像が印刷され、次行で印刷を行う領域に前処理用液体が塗布される。
ステップS5は、次行があるかの判断を行う。制御部1は、次行の印刷データがあるかを判断する。印刷データがある場合(ステップS5:Yes)は、ステップS3からステップS5を繰り返す。印刷データがない場合(ステップS5:No)は、印刷動作を終了する。
なお、印刷部40で印刷された印刷媒体95は、媒体搬送部20によって乾燥ユニット27に搬送される。印刷媒体95上に塗布された前処理用液体が乾燥ユニット27で乾燥されることにより、印刷媒体95は前処理用液体を塗布する前の毛羽の状態に回復するので、印刷後の印刷媒体95においても本来の風合いや触感が保たれる。
以上述べたように、本実施形態に係る印刷装置100によれば、以下の効果を得ることができる。
印刷装置100は、印刷媒体95の表面に前処理用液体を塗布させる塗布ヘッド45を備えている。塗布ヘッド45は、印刷ヘッド46と共にキャリッジ43に搭載され、印刷媒体95が搬送される搬送方向において印刷ヘッド46の上流側に設けられている。これにより、本実施形態の印刷装置100は、印刷媒体95に前処理用液体を塗布した後に、画像などを印刷させることが可能になっている。印刷媒体95に前処理用液体が塗布されることにより、毛羽部95bの高さが低くなり、遊離していた毛羽95cが毛羽部95bの表面に定着する。これにより、印刷ヘッド46からインクを吐出させて印刷媒体95に画像などを印刷する際に、毛羽が印刷ヘッド46に接触したり、遊離した毛羽95cが印刷ヘッド46に付着したりする機会が減少するので、インクの吐出が安定し、印刷媒体95に印刷された画像などの印刷品質が向上される。さらに、インクの吐出不良が生じる回数も減少し、メンテナンス部70で行うメンテナンスの回数を減らすことができるので、印刷時間を短縮することができる。また、高さの低くなった毛羽部95bに合わせてギャップWGの高さを低く設定することで、印刷媒体95に鮮明な画像を印刷させることができる。したがって、印刷品質を向上させた印刷装置100を提供することができる。
印刷装置100は、印刷媒体95の表面に前処理用液体を塗布させる塗布ヘッド45を備えている。塗布ヘッド45は、印刷ヘッド46と共にキャリッジ43に搭載され、印刷媒体95が搬送される搬送方向において印刷ヘッド46の上流側に設けられている。これにより、本実施形態の印刷装置100は、印刷媒体95に前処理用液体を塗布した後に、画像などを印刷させることが可能になっている。印刷媒体95に前処理用液体が塗布されることにより、毛羽部95bの高さが低くなり、遊離していた毛羽95cが毛羽部95bの表面に定着する。これにより、印刷ヘッド46からインクを吐出させて印刷媒体95に画像などを印刷する際に、毛羽が印刷ヘッド46に接触したり、遊離した毛羽95cが印刷ヘッド46に付着したりする機会が減少するので、インクの吐出が安定し、印刷媒体95に印刷された画像などの印刷品質が向上される。さらに、インクの吐出不良が生じる回数も減少し、メンテナンス部70で行うメンテナンスの回数を減らすことができるので、印刷時間を短縮することができる。また、高さの低くなった毛羽部95bに合わせてギャップWGの高さを低く設定することで、印刷媒体95に鮮明な画像を印刷させることができる。したがって、印刷品質を向上させた印刷装置100を提供することができる。
印刷装置100は、塗布ヘッド45から印刷媒体95の表面に前処理用液体を塗布する塗布工程と、前処理用液体が塗布された印刷媒体95にインクを吐出する吐出工程を含んでいる。搬送工程で搬送された印刷媒体95に、塗布工程で前処理用液体が塗布されることにより、毛羽部95bの高さが低くなり、遊離していた毛羽95cが毛羽部95bの表面に定着する。これにより、吐出工程で印刷媒体95にインクを吐出する際に、毛羽が印刷ヘッド46に接触したり、遊離した毛羽95cが印刷ヘッド46に付着したりする機会が減少するので、インクの吐出が安定し、印刷媒体95に印刷された画像などの印刷品質が向上される。さらに、インクの吐出不良が生じる回数も減少し、メンテナンス部70で行うメンテナンスの回数を減らすことができるので、印刷時間を短縮することができる。また、高さの低くなった毛羽部95bに合わせてギャップWGの高さを低く設定することで、印刷媒体95に鮮明な画像を印刷させることができる。したがって、印刷品質を向上させた印刷方法を提供することができる。
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る印刷部の構成を示す平面図である。本実施形態の印刷装置200について、図7を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
図7は、実施形態2に係る印刷部の構成を示す平面図である。本実施形態の印刷装置200について、図7を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
塗布ヘッド145a,145bは、主走査方向(±Y軸方向)において印刷ヘッド46より下流側に設けられている。詳しくは、キャリッジ43の中央に印刷ヘッド46が搭載され、主走査方向(±Y軸方向)において印刷ヘッド46の両側に塗布ヘッド145a,145bが搭載されている。キャリッジ43が+Y軸方向に移動する際は、塗布ヘッド145aが印刷ヘッド46より下流側に位置し、キャリッジ43が−Y軸方向に移動する際は、塗布ヘッド145bが印刷ヘッド46よりも下流側に位置する。これにより、本実施形態の印刷装置200は、塗布ヘッド45によって印刷媒体95に前処理用液体を塗布した直後に、印刷ヘッド46によって画像などを印刷させることが可能になっている。
なお、図7では、キャリッジ43に1個の印刷ヘッド46が搭載された構成を示したが、これに限定するものではない。キャリッジ43に複数の印刷ヘッド46が搭載された構成であってもよい。
なお、図7では、キャリッジ43に1個の印刷ヘッド46が搭載された構成を示したが、これに限定するものではない。キャリッジ43に複数の印刷ヘッド46が搭載された構成であってもよい。
図8は、印刷方法を説明するフローチャート図である。印刷装置200の印刷方法について図8を参照して説明する。
ステップS11は、印刷媒体95を搬送方向に搬送する搬送工程である。制御部1は、ベルト駆動ローラー25の駆動を制御して印刷媒体95を所定の位置に搬送する。なお、後述するステップS13の判断によって行われるステップS11からステップS13の繰り返し動作においては、制御部1は、印刷媒体95を次行に搬送(改行)する。
ステップS12は、印刷媒体95の表面に前処理用液体を塗布する塗布工程及び前処理用液体が塗布された印刷媒体95に印刷用液体としてのインクを吐出する吐出工程である。制御部1は、キャリッジ搬送部93を制御してキャリッジ43を主走査方向(±Y軸方向)に移動する。例えば、キャリッジ43を+Y軸方向に移動する場合、制御部1は、印刷ヘッド46、及び印刷ヘッド46の下流側に位置する塗布ヘッド145aの駆動を制御して、印刷媒体95上に、塗布ヘッド45から前処理用液体を吐出し、印刷ヘッド46からインクを吐出する。また、キャリッジ43が−Y軸方向に移動する場合、制御部1は、印刷ヘッド46及び印刷ヘッド46の下流側に位置する塗布ヘッド145bの駆動を制御して、印刷媒体95上に、塗布ヘッド145bから前処理用液体を吐出し、印刷ヘッド46からインクを吐出する。これにより、一行分の画像が印刷される。
印刷媒体95には、印刷ヘッド46から印刷媒体95にインクが吐出される直前に、塗布ヘッド145a,145bのいずれか一方によって前処理用液体が塗布される。これにより、毛羽の先端が前処理用液体の重みで倒れて毛羽部95bの高さが低くなり、遊離していた毛羽95cが毛羽部95b上に定着する(図6参照)。
ステップS13は、次行があるかの判断を行う。制御部1は、次行の印刷データがあるかを判断する。印刷データがある場合(ステップS13:Yes)は、ステップS11からステップS13を繰り返す。印刷データがない場合(ステップS13:No)は、印刷動作を終了する。
以上述べたように、本実施形態に係る印刷装置200によれば、以下の効果を得ることができる。
印刷装置200は、印刷媒体95の表面に前処理用液体を塗布させる塗布ヘッド145a,145bを備えている。塗布ヘッド145a,145bは、印刷ヘッド46と共にキャリッジ43に搭載されている。塗布ヘッド145aは、キャリッジ43の+Y軸方向への移動において印刷ヘッド46の下流側に設けられ、塗布ヘッド145bは、キャリッジ43の−Y軸方向への移動において印刷ヘッド46の下流側に設けられている。これにより、本実施形態の印刷装置200は、印刷媒体95に前処理用液体を塗布した直後に、画像などを印刷させることが可能になっている。印刷媒体95に前処理用液体が塗布されることにより、毛羽部95bの高さが低くなり、遊離していた毛羽95cが毛羽部95bの表面に定着する。これにより、印刷ヘッド46からインクを吐出させて印刷媒体95に画像などを印刷する際に、毛羽が印刷ヘッド46に接触したり、遊離した毛羽95cが印刷ヘッド46に付着したりする機会が減少するので、インクの吐出が安定し、印刷媒体95に印刷された画像などの印刷品質が向上される。さらに、インクの吐出不良が生じる回数も減少し、メンテナンス部70で行うメンテナンスの回数を減らすことができるので、印刷時間を短縮することができる。また、高さの低くなった毛羽部95bに合わせてギャップWGの高さを低く設定することで、印刷媒体95に鮮明な画像を印刷させることができる。したがって、印刷品質を向上させた印刷装置200を提供することができる。
印刷装置200は、印刷媒体95の表面に前処理用液体を塗布させる塗布ヘッド145a,145bを備えている。塗布ヘッド145a,145bは、印刷ヘッド46と共にキャリッジ43に搭載されている。塗布ヘッド145aは、キャリッジ43の+Y軸方向への移動において印刷ヘッド46の下流側に設けられ、塗布ヘッド145bは、キャリッジ43の−Y軸方向への移動において印刷ヘッド46の下流側に設けられている。これにより、本実施形態の印刷装置200は、印刷媒体95に前処理用液体を塗布した直後に、画像などを印刷させることが可能になっている。印刷媒体95に前処理用液体が塗布されることにより、毛羽部95bの高さが低くなり、遊離していた毛羽95cが毛羽部95bの表面に定着する。これにより、印刷ヘッド46からインクを吐出させて印刷媒体95に画像などを印刷する際に、毛羽が印刷ヘッド46に接触したり、遊離した毛羽95cが印刷ヘッド46に付着したりする機会が減少するので、インクの吐出が安定し、印刷媒体95に印刷された画像などの印刷品質が向上される。さらに、インクの吐出不良が生じる回数も減少し、メンテナンス部70で行うメンテナンスの回数を減らすことができるので、印刷時間を短縮することができる。また、高さの低くなった毛羽部95bに合わせてギャップWGの高さを低く設定することで、印刷媒体95に鮮明な画像を印刷させることができる。したがって、印刷品質を向上させた印刷装置200を提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例)
図9は、変形例に係る印刷部の構成を示す平面図である。本変形例では、塗布ヘッドの構成が実施形態1と異なっている。
以下、変形例に係る印刷装置300について図9を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図9は、変形例に係る印刷部の構成を示す平面図である。本変形例では、塗布ヘッドの構成が実施形態1と異なっている。
以下、変形例に係る印刷装置300について図9を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
塗布ヘッド245は、印刷媒体95の搬送方向(+X軸方向)において、印刷ヘッド46より上流側に設けられている。詳しくは、キャリッジ43には、印刷ヘッド46が搭載されている。塗布ヘッド245は、印刷ヘッド46が往復移動するキャリッジ移動手段の上流側においてフレーム部92a,92bの間に架設されている支持部94に設けられている。塗布ヘッド245は、印刷媒体95の幅方向(Y軸方向)に延在し、印刷媒体95の幅と同等か、それよりも長い幅に配列されて固定された所謂ラインヘッドである。
塗布ヘッド245が、搬送方向(+X軸方向)に搬送されてくる印刷媒体95に向かって前処理用液体を液滴に吐出することで、印刷媒体95に前処理用液体が塗布される。これにより、印刷媒体95から毛羽立っている毛羽の先端が前処理用液体の重みで倒れ、毛羽部95bの高さが低くなる。また、遊離していた毛羽95cは、毛羽部95b上に定着される(図6参照)。
印刷ヘッド46で印刷される領域には、前処理用液体が塗布された印刷媒体95が順次搬送され、印刷ヘッド46は、その印刷媒体95に向かってインクを吐出し画像などを印刷するので、実施形態1と同じ効果を得ることが出る。
なお、本変形例では、印刷ヘッド46として、往復移動するキャリッジ43に搭載され印刷媒体95の幅方向(±Y軸方向)に移動しながらインクを吐出するシリアルヘッド式を例示したが、塗布ヘッド245と同様に、印刷媒体95の幅方向(Y軸方向)に延在し固定して配列されたラインヘッド式であってもよい。
1…制御部、2…インターフェイス部、3…CPU、4…制御回路、5…記憶部、6…外部装置、7…検出器群、10…媒体供給部、20…媒体搬送部、23…無端ベルト、24…ベルト回転ローラー、25…ベルト駆動ローラー、27…乾燥ユニット、30…媒体回収部、40…印刷部、43…キャリッジ、45,145a,145b,245…塗布ヘッド、46…印刷ヘッド、50…洗浄ユニット、60…媒体密着部、70…メンテナンス部、93…キャリッジ搬送部、95…印刷媒体、100,200,300…印刷装置。
Claims (5)
- 印刷媒体を搬送方向に搬送させる搬送手段と、
前記印刷媒体の表面に前処理用液体を塗布させる塗布ヘッドと、
前記前処理用液体が塗布された前記印刷媒体に印刷用液体を吐出させる印刷ヘッドと、
を備えていること、を特徴とする印刷装置。 - 前記塗布ヘッドは、前記搬送方向において前記印刷ヘッドより上流側に設けられていること、を特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- キャリッジと、
前記キャリッジを前記搬送方向と交差する主走査方向に移動させる移動手段と、を備え、
前記印刷ヘッド及び前記塗布ヘッドは、前記キャリッジに搭載されていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。 - 前記塗布ヘッドは、前記主走査方向において前記印刷ヘッドより下流側に設けられていること、を特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
- 印刷媒体を搬送方向に搬送する搬送工程と、
前記印刷媒体の表面に前処理用液体を塗布する塗布工程と、
前記前処理用液体が塗布された前記印刷媒体に印刷用液体を吐出する吐出工程と、
を含むこと、を特徴とする印刷方法。
Priority Applications (2)
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