JP7238240B2 - 多孔膜状細胞培養基板を用いた細胞培養方法 - Google Patents

多孔膜状細胞培養基板を用いた細胞培養方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、細胞培養を中断することなく連続して細胞数増加を永続的に実施する細胞培養法に関する。
近年、細胞培養の多くは、特開2010-200745号公報(特許文献1)や特開2004-254674号公報(特許文献2)に見られるように平板培養法が一般的に採用されている。即ち、動物細胞は、培養基板に播種されると、まず基板に付着して位置を安定した後、水平方向に遊走しながら分裂し、その数を増やしていく。その移動距離は、癌細胞のような基板を離れ跳躍的に移動する特殊なケースを除き、分裂後に増加した細胞の基板への付着スペースを確保するための最小限度の距離で、基板面に沿って移動する程度である。細胞はひとたび基板から離れて浮遊状態となれば死ぬ運命にあるので、増殖した細胞群は培養基板上を平面移動するのが細胞遊走の典型である。
平面培養ではその基板平面上の面積いっぱいになるまで細胞群は増殖し数を増加できるが、更に培養を続けると、細胞の集積が過密になり、時として増えた細胞は元の細胞に覆い被さることがある。これを重層化と呼ぶが、これらの状態が進行すると、覆われた細胞が培養液からの栄養分を取り入れるのが困難となり、増殖は衰え、やがて基板との付着力を失い、基板を覆うかたちで膜状に増殖した細胞群全体が基板から剥離してしまうなど、取り扱いが困難となることから平板培養で増殖できる細胞数には限度がある。
平面培養で上述の様に平板基板面がほぼ細胞で覆われ尽くした状況をコンフルエントと呼ぶ。細胞数を継続的に増加させるには、その細胞群を成長が行える最適な密度に保つことが肝要である。そのため基板平面上の細胞が過密になる前に、培養系を分割し、新しい培地を供給することが必要となる。そこで、コンフルエント状態のやや手前の対数増殖期の段階で継代を行う。
この継代は植え継ぎとも呼ばれ、培養中の基板上を満たしている培養液をいったん除去し、細胞を基板から人為的に剥離して、元の基板より大きな面積を持つ培養基板(以後、「培養ディッシュ」と称す)あるいは複数の培養ディッシュに移す操作が必要である。この時、細胞をディッシュから剥離すると共に、剥離した細胞群が転送先のディッシュの基板面に偏り無く均等に散布して播種できるよう、細胞を単一に分離した状態にしなければならない。
これを行うのに広く用いられているのは、タンパク分解酵素の一種であるトリプシンと呼ばれる酵素である。この酵素は効果を十分に発揮させるため、pH7.6~7.8に調整し、さらにEDTAを添加するのが通例である。しかし細胞によってはこのトリプシン処理によって望まれない影響を受けることがある。たとえば、細胞が基板に強く固着している場合、あるいは基板から分離した細胞群を単一に分散させるのに時間を要した際に、トリプシンの作用によって細胞が死滅するなどの悪影響が生ずる。
これを解決するために、培養ディッシュの平面部の面積を広める方法が考えられるが、この方法ではディッシュのサイズを拡大しなければならず、その分、必要な培養液の量が増加する。培養液は定期的に交換する必要があるが、培養初期時は広大な培養ディッシュ上に少量の細胞数しかないのが通常であり、細胞数が相当数になるまで、加えた培養液の大半が無駄になる。その上、ディッシュのサイズが大きくなれば、これを格納して増殖を補助するインキュベーターにも大型化が必要である。細胞数が増えるまでの間は、その分余分なスペースを割かねばならない。
また、このような条件では一つの培養ディッシュ上で長期間培養を行うこととなるが、大きな面積中では、培養に伴い細胞群の分布密度に不均一が生じるようになる。培養初期から細胞増殖を開始した部位は細胞密度が過密になって増殖が抑えられることから、ディッシュ全体での細胞増殖の効率が低下することとなる。
そもそも細胞培養とは、基本的には生体内における細胞の増殖様式を模倣している以上、その過程で生体内ではあり得ないトリプシン処理による継代操作を行うことは、生物の基本的生業を逸脱したプロセスである。そのため、トリプシン処理を経ずとも、継続して細胞数を増加させる方法こそ、生物学的プロセスに準拠した細胞培養法であると言える。
特開2010-200745号公報 特開2004-254674号公報
以上の様な理由から、従来の培養ディッシュによる平板培養法では、コンフルエントになった状態以上の細胞数量を求める場合は、酵素処理によって細胞をいったん培養ディッシュから分離して単一化し、他の複数の培養ディッシュに分散して播種する方法が合理的であると言われている。しかしその際に用いるトリプシン酵素の適用は、生体中ではあり得ない作用であり、生物学的な為害作用が否定できない。
また、現状の細胞培養法で必須とされる培養細胞を基板から分離および単一化してから再播種を繰り返していく工程は極めて煩雑で、しかもこの工程は外部から培養の大敵である細菌の混入(以後、「コンタミネーション」と称す)リスクが高くなるという問題を抱え、ひとたび細菌に汚染されるとその時点で培養を中断せざるを得なかった。
このように、トリプシンなどの細胞分離酵素を用いた従来の継代法は、本来あるべき細胞増殖の様相を変容しているばかりか、コンタミネーションによる培養工程への支障、並びにそれにかかる手間など、数多くの不都合な問題を抱えた細胞培養プロセスといえる。
本発明は、上記諸事情に鑑み、細胞培養によって細胞を増殖させるに際し、生体親和性を有する膜状素材にナノオーダーの精度で穿孔した貫通孔を規則的に配置した多孔膜上で培養することで、各貫通孔間の平面部分で増殖した細胞を、貫通孔を通過して上下に隣接する培養基板に遊走させ、細胞を複数の培養基板に転送させて、培養基板の数に応じて細胞数を増幅させる方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために、細胞が遊走する機能を利用し、細胞培養基板上に増殖した細胞の一部を、新たな培養基板に転送させて増殖させることで、連続的に効率よく細胞数を増幅させることに成功し、本発明を完成させるに至ったものである。これは、細胞が自ら増殖し、細胞数が増加した分、遊走して位置を移す自走性を利用したもので、具体的には、元の培養基板上で細胞が分裂し、水平方向にボリュームを広げた先に新たな培養基板を上下に隣接させて設置し、移動してくる一部細胞を遊走させて、その細胞を新たな基板上へと増殖させるものである。
即ち、本発明は、生体親和性を有する薄膜素材に、直径10~80μmの円形の微細な貫通孔、もしくは一辺10~80μmの多角形の微細な貫通孔を形成した多孔膜状の細胞培養基板に細胞を播種した後、細胞培養液中において、該細胞培養基板を平板培養基板に接触させた状態とすることで、細胞培養基板の貫通孔を通じて増殖した細胞を平板培養基板に転送させることを特徴とする第1発明の細胞培養方法、及び生体親和性を有する薄膜素材に、直径10~80μmの円形の微細な貫通孔、もしくは一辺10~80μmの多角形の微細な貫通孔を形成した多孔膜状の細胞培養基板に細胞を播種した後、細胞培養液中において、該細胞培養基板を複数枚接触積層した形で培養を継続することで、細胞培養基板の貫通孔を通じて増殖した細胞を、上下に接触する各細胞培養基板群に順次転送させることを特徴とする第2発明の細胞培養方法、更に上記第1又は第2発明の多孔膜状の細胞培養基板が、細胞が移動する際の通路となる微細貫通孔の孔縁に、細胞が他の培養基板に遊走する挙動を補助する、バリ状の誘導路を設けた第3発明の細胞培養方法である。
上記本発明の細胞培養方法によれば、生体親和性を有する膜状素材にナノオーダーの精度で穿孔した貫通孔を規則的に配置した多孔膜上で培養することで、各貫通孔間の平面部分で増殖した細胞を、貫通孔を通過して隣接する培養基板に遊走させ、細胞を複数の培養基板に転送させて、培養基板の数に応じて細胞数を増幅させることができるため、細胞の効率的且つ大量製造が可能となり、生体再生への実用化に多大な貢献が期待される。
本発明の細胞培養に係る概念図である。 本発明の多孔膜状細胞培養基板に設けられた貫通孔の一例を示す拡大図である。 本発明の多孔膜状細胞培養基板の貫通孔の裏面側孔縁に設けられたバリ状誘導路の一例を示す拡大図である。 本発明の近接する2枚の細胞培養基板において、スペースを確保した状態の一例を示す拡大図である。 上記貫通孔の形成用工具の一例を示す剣山状プレス穿孔具の拡大図である。 上記貫通孔形成用工具による穿孔例を示す概念図である。 上記貫通孔の一例を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の細胞培養プロセスの一例を示す概念図である。 本発明の多孔膜状細胞培養基板の貫通孔周辺で増殖した細胞の様子を示す拡大図である。 本発明の培養方法に基づく細胞の大量製造に係る応用例を示す概念図である。
本発明では、まず生体親和性を有し、平板培養基板と同等に細胞に対し付着、分裂、遊走能を与えられる薄膜を用意する。そしてその薄膜に、ある一定間隔で、細胞が通過できる程度の微細な貫通孔を形成する。
この多孔膜状細胞培養基板で培養された細胞は、増殖による移動の結果、一部の細胞が貫通孔に向けて押し出されることで、細胞が貫通孔内に進入する。この貫通孔を抜け穴として、その出口に新しい培養基板が接するよう配置することで、貫通孔に進入した細胞が、やがて新たな培養基板に付着し、その基板上で増殖を開始する。これが本発明の構成要件の一つである第1様式である。
この第1様式で、細胞を異なる基板間で移動させるには、細胞の供給元となる元基板と、細胞を受け取る新基板の間に細胞サイズに近い10μm程度の間隙を設ける必要がある。その場合、基板同士が完全な平面で無い場合を考慮し、その状況下で相対する互いの凸部が接近したところで細胞が移れるよう、貫通孔をできる限り多く配置するのが望ましい。貫通孔を通じて新基板に移動する確率を上げるため、貫通孔の配置密度と貫通孔の形状、サイズを考慮する必要がある。
ヒト体細胞の形状は、浮遊状態では球状で直径はおおよそ10μmである。これが2回分裂して4個となった際の幅径は、(半径×2)+[(半径×2)×√2]≒24μm、4回分裂した際は、(半径×2)+{[(半径×2)×√2]}×3≒52μmと見込まれる。よって4回分裂により細胞数が16倍になったときに、そこから約50μmの範囲に貫通孔があれば、細胞群の外縁に位置する細胞が貫通孔のある位置にかかる事になると見られる。よって、計算上では貫通孔を50μm程度の間隔で設けることで、細胞分裂の進展から多くの細胞が貫通孔のある位置に進んでいく。
次に、貫通孔の形状、サイズについては、直径10μmの球状の細胞体が通過出来ればいいと思われるが、細胞は柔軟性に富んでいて、自在に形状を変化することが可能である。たとえば扁平な形状になれば直径20~30μmの形状になることもある。よって、直径10μm未満の貫通孔では進入せずに、孔を跨いでしまうこととなる。そこで、貫通孔への進入を促進するには、好ましくは直径20μm以上の円形あるいは一辺20μm以上の角穴が良く、角穴であれば、細胞が跨がないよう正方形に近いことが望ましい。
貫通孔のサイズが大きければそれだけ細胞が貫通孔に進入しやすくなるとみられるが、個々の貫通孔のサイズを大きくすれば、相対的に貫通孔間の平板部分の面積が減少し、細胞が付着、分裂するスペースが少なくなる。よって貫通孔の形状とサイズ、そしてその単位面積あたりの配置数(配置密度)を最適になるよう調整する必要がある。これを本発明の構成要件のうちの第2様式とする。
第1、第2様式によって、はじめに増殖した細胞群から一部の細胞が遊走し、元の培養基板から他の新たな培養基板に移動する機会は得られるが、第2様式の貫通孔を通じて新たな培養基板に細胞が付着するのであれば、貫通孔の出口と、新基板との間の距離が近くなれば、移動はより効率的となる。その距離すなわちギャップは、細胞が遊走して渡れる距離、すなわち細胞サイズ程度でなくてはならない。
ヒトの細胞サイズから見て、遊走によって培養基板上で乗り越えられるギャップは、10μm程度と推測される。従って、本発明では、培養細胞が付着した元の培養基板の貫通孔から、細胞が新たな基板に移動するために、元基板の各貫通孔の孔縁に、細胞の遊走補助とギャップ形成を目的としたバリ状の誘導路を付与しておくのが好ましく、新基板とのギャップが各基板面の凹凸に左右されずに10μm程度となるような形態が実現する。これを本発明の細胞培養方法における構成要件のうちの第3様式とする。
本発明の細胞培養方法は、上記第3様式の培養基板を複数枚重ね合わせることで、細胞が増殖した元基板の貫通孔の縁と、移動先の新たな培養基板間のギャップを10μm程度の近接状態に保ち、移動した細胞が新たな基板上で増殖するための抜け道と、その周囲、すなわち元、新培養基板間を培養液がふんだんに灌流するスペースを確立している。これによって、細胞の大量製造が可能となるもので、これを本発明の細胞培養方法における構成要件のうちの第4様式とする。
図面による本発明の簡単な説明
本発明における上記主要な構成要件を満たすための概念図を示す。[図1]は、第1様式の概念図であり、生体親和性を有する薄膜の細胞培養基板1に貫通孔3を設けている。本発明において、生体親和性を有する薄膜素材とは、純チタニウムあるいはチタニウム合金等の金属素材が好適である。また、貫通孔3は円形や多角形であるが、遊走する細胞が孔の入口をまたがぬよう、進入しやすい形状にする必要がある。一例として、生体親和性を有する素材である薄膜培養基板1の厚み▲1▼は1~50μmであり、そこに設ける貫通孔3は一辺の長さ▲2▼が10~80μmの正方形とする。
薄膜培養基板1の平面上で培養増殖した細胞の一部は、遊走によって太矢印のように貫通孔3内に進入し、やがて貫通孔を通過して培養基板1に近接して位置する新たな培養基板2に達する。新たな基板2に達した細胞には増殖して細胞数を増やすスペースが与えられる。尚、[図1]は第1様式を示す具体的形状の一例であり、ここで示される形態およびサイズはこの限りではない。
[図2]は、第2様式の概念図であり、生体親和性を有する培養基板1に貫通孔3を設ける際の寸法例を示す。[図1]の例を援用すれば、その▲2▼のサイズで形成した角穴を、▲4▼の一定間隔にて配置した貫通孔3である。ここで、▲2▼のサイズと▲4▼の距離は、培養細胞のサイズと、貫通孔の周囲平板部分で培養できる細胞の数、加えてそれら細胞が貫通孔毎に一度に進入出来る数によって決定される。
この例では、貫通孔3の間の平板部分で培養、増殖した細胞群の一定割合が貫通孔内に進入するので、形成する貫通孔3の間隔を変更することで、貫通孔内に進入する細胞の割合を調整することができる。その間隔▲4▼は、貫通孔サイズを考慮し、細胞が通過できる貫通孔3のサイズや細胞遊走能等を考慮すれば、30~500μmの間で調整することが妥当である。
また、個々の貫通孔3の形状、サイズについては、同時に進入する細胞数に応じて、直径10~80μmの円形、もしくは一辺10~80μmの多角形にすることが適正である。貫通孔3のサイズが10μm未満では、培養細胞が通過しにくくなる一方、80μmより大きくなると相対的に細胞が付着、分裂するスペースが少なくなったり、細胞培養が不均一になるという問題が生じる。この貫通孔3のサイズと形成間隔については、細胞の種類、ならびにその増殖法の目的に適応するよう設定し、状況に応じ、一枚の素材面上においてそれらのサイズや間隔を変化させることも可能である。
例えば、一枚の素材の中心部には、平板状の細胞増殖能を優先すべく、貫通孔の形成間隔を長くする一方、細胞群が数を増やしその周辺まで進展した際には、新たな基板への転送を積極的に図るため、素材面の周辺部における貫通孔の間隔を短くすることが有効である。
以上の様に、第2様式における膜状細胞培養基板への貫通孔形成の仕様は、細胞培養の目的および条件に応じて設定するため、その形態およびサイズは上述の範囲とするのが好ましい。
[図3]は、第3様式の概念図であり、生体親和性を有する薄膜培養基板に設ける貫通孔3の形状例を示す。[図1]の例を援用すれば、その形状は、▲2▼のサイズで形成した角穴の孔縁から、基板に対し略垂直に立ち上がる羽状のバリ状誘導路4に代表される。このプロセスでは、まず貫通孔3に侵入した細胞が貫通孔の孔縁からバリ状誘導路4に進み遊走していく。バリ状誘導路4の先端部は、[図1]における新たな培養基板2に10μm程度の距離で近接しているので、誘導路4を遊走した細胞はやがて新たな培養基板2に付着する。
この様に、第3様式における貫通孔3に付与したバリ状の誘導路4は、相対する各基板面の凹凸等にかかわりなく、その一部でも細胞の移動先となる素材に対し10μm程度の距離に近接する条件が満たされれば、その形態およびサイズは特に限定されない。
[図4]は、第4様式の概念図であり、細胞が増殖し、細胞の供給元となる細胞培養基板1と、そこから貫通孔3を通じて細胞が移動していく新たな培養基板2間を近接させる際に、移動した先で細胞が生育するためのスペース▲5▼を確保した状態例を示す。[図1]および[図3]の例を援用すれば、細胞が増殖し、その貫通孔3を通じて新たな培養基板2に細胞を移動供給することが可能な元培養基板1に対し、貫通孔3を通じて細胞が供給される新たな培養基板2は、元基板1の貫通孔3の孔縁から立ち上がるバリ状誘導路4の側に位置し、該誘導路4の先端にほぼ接する状態になる。
この状態では、誘導路4がスペーサーとして作用し、基板1、2間に空隙▲5▼が確保される。細胞は、元基板1から空隙▲5▼を経由して新たな基板2に移動し、誘導路4によって形成された基板1、2間の空隙▲5▼を通り、新たな基板2の表面に広く遊走して進展する。また、この誘導路4によって形成される空隙▲5▼は、細胞が生育するのに十分な培養液を灌流するという効果も奏するものである。
本発明は、上記第1~第4様式から構成される方法によって、各基板間を細胞が移動できる頻度を極めて効率よく高めることに成功したもので、多孔膜状培養基板による連続且つ大量培養の基本仕様となるものである。
以下図面に基づいて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。
本発明における実施例として、生体親和性に優れた純チタンからなる厚さ20μmの金属箔を素材とした例を説明する。まず、微細な貫通孔を形成する方法として、特開2014-8585号公報に例示の本願[図5]の如き「剣山状プレス穿孔具5」を用いる。これは、タングステンカーバイド鋼などの硬い金属製の2mm角柱の断面上に、集積回路加工用の極薄の回転砥石等で格子状に目立て研削を行い、間隔75μm毎に角形の突起6を形成した剣山状のプレス穿孔具である。
この穿孔具を用い、[図6]に例示する方法で、純チタン箔からなる培養基板1に、貫通孔3を形成すると、穿孔具の出口方向にバリ状誘導路4が形成される。
[図7]は実際に貫通孔を形成した純チタン箔の電子顕微鏡写真である。図中の(a)に示すように、25μm角の貫通孔が、各孔の中心間距離75μmの間隔で格子状に形成されている。また、穿孔具5を押し込んだ側、即ち入口側の貫通孔部分を拡大したものを(b)に示す。貫通孔3は、穿孔具5の突起6の形状が反映された角孔で、その辺縁に付加物は見られない。尚、貫通孔の形状は、円形や、四角、六角、八角等の多角形状のいずれでも良いが、好ましくは四角形状、中でも正方形に近いものが好ましい。
一方、穿孔具5の突起6が抜けた側、即ち出口側の穿孔部分の拡大写真を(c)に示す。角孔の孔縁に、チタン箔に由来したとみられるバリによる誘導路4が認められる。この加工法によって形成される貫通孔には、穿孔具を作用させた入口側と、穿孔具が抜けた出口側で、形成された貫通孔の孔縁にバリの有無がはっきり分かれる事となる。
通常、このような穿孔加工後に必然的に形成される“バリ”は、加工品質を下げる厄介者として除去されるのが一般的であるが、本発明ではまさしくこの厄介者の“バリ”を発明の一つの核心として利用する。すなわち、本発明を実現する構成要件としての第3様式にある貫通孔の孔縁に付与される“バリ”を細胞遊走の誘導路として有効利用するのである。
本発明では、この様な穿孔具による“バリ”のみならず、レーザーによる穿孔加工で生ずる貫通孔周辺の突起物で、“ドロス”とよばれる副生成物についても本発明における第3要件に該当すれば利用することができる。
本実施例で示した厚さ20μmの金属箔に形成された25μm角の貫通孔は、貫通孔の寸法が直径10μmのヒト体細胞の2~3倍程度であり、培養液が浸潤可能であるから、細胞が通過するのに支障は無く、上述した第1様式にてらして、本発明に有効である。またこれら貫通孔が75μm間隔で略均等に配置されている仕様については、各貫通孔間の平板部分において、細胞が4回以上の分裂増殖を可能とする構造であり、上述した第2様式にてらして、本発明に有効である。
また、本実施例では、貫通孔の孔縁に形成されたバリが、貫通孔に進入した細胞が隣接する新たな培養基板に移動するための誘導路4として利用できることから、上述した第3様式にてらして本発明に有効であり、しかもこのバリは機械的に相当な強度を有するばかりか、75μm間隔で形成された貫通孔の一面すべてに存在するので、細胞供給元の培養基板と、供給された細胞を受容する新たな培養基板との間隔を維持するスペーサーとしても作用することから、第4様式にてらして本発明に有効である。
上述の実施例に準拠して、前述の第1~第4様式の各条件を満たして作製された細胞培養基板を用いた細胞培養に関する実施例を[図8]に示す。図中の(d)は、その基板上において既に細胞が充分に培養され、その表面に増殖した細胞が多数付着した(ア)と、(ア)と同一仕様で、細胞が付着していない培養基板(イ)を(ア)の下に、(イ)と同じ基板(エ)を(ア)の上に配置し、いずれも前述したプレス穿孔具による貫通孔の穿孔加工の出口、すなわち貫通孔の孔縁にバリがある面を下側にして重ねた状態で、培養ディッシュ(ウ)内で培養液中に浸漬した状況を示す。
このようにして培養を行うと、[図8]の(e)に示す通り、(ア)に付着した細胞は(ア)の貫通孔を通過し、下面にある貫通孔の孔縁のバリ状誘導路を移動して、近接した培養基板(イ)の表面に達する。(ア)から(イ)に移動した細胞は、(イ)の表面で増殖し、細胞数を増加させることが出来る。やがて(イ)で増殖した細胞は、(イ)の貫通孔を通過し、下面にある貫通孔の孔縁のバリ状誘導路を移動して、下面が近接する培養ディッシュ(ウ)の底面に付着し、細胞は(ウ)の表面で培養が継続され、細胞数を更に増やすことが出来る。
また、細胞が付着する培養基板(ア)の上に近接した(ア)と同一仕様の基板(エ)に対し、(エ)の下面にあるバリ状誘導路が、細胞の付着した(ア)の上面に十分近接するとき、(ア)の細胞は(エ)の下面のバリ状誘導路に付着して上方に遊走することで、基板(エ)の下面、もしくは(エ)の貫通孔を通過して(エ)の上面に達し、(エ)の表面に増殖していく事ができる。
以上の様に、上述の実施例は本発明の典型的な事例であるが、本発明は、生体親和性を有する薄膜素材に対し、上述の第1~第4様式の一部あるいはすべてを満たした構造を達成して多孔膜状培養基板とし、これを複数積層することで、複数の多孔膜状培養基板の間、および多孔膜状培養基板と培養ディッシュ間で細胞が移動出来る方法であれば、本発明の範囲とすることができる。
以上の実施例に基づき、前述した仕様による多孔膜状培養基板を作製し、細胞培養を実施した結果は以下の通りであった。なお、使用した多孔膜状培養基板は、厚さ20μmの純チタン箔に特開2014-8585号公報に準ずる方法で剣山状プレス穿孔具を用いて穿孔した、微細貫通孔を形成したものである。
培養液として10%FBSα-MEMで満たした培養ディッシュ内に多孔膜状培養基板を浸漬し、マウス頭蓋冠より分離樹立された骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1を播種し、多孔膜状培養基板への細胞の定着を確認した。
付着した細胞の様子を[図9]に示す。この図中における(k)、(l)は、微細貫通孔の孔縁に形成したバリ状誘導路を下面に位置させた上で、細胞培養が実施された多孔膜状培養基板である。また(m)は、その状態の基板を免疫染色像で示したものであり、そのカラー画像(図9では、白黒画像で示す)では、細胞核(青色)ならびに細胞体骨格を示すアクチン(緑色)が確認されている。
(k)では、膜上の所々に細胞が付着しているのが認められる。(l)は(k)を部分拡大した像であり、付着した細胞の一部は貫通孔内に進入している事が認められる。また、(m)では細胞核の多くが貫通孔内に存在している。これは、細胞が貫通孔内に生きた状態であったことを証明している。
以上の所見から、本発明の方法により、多孔膜状培養基板上での細胞培養が可能であり、かつ本発明により設計された微細貫通孔を、細胞が通過して移動する作用が実現可能であることを証明した。
また、[図9]中(n)、(o)は、微細貫通孔の孔縁に形成したバリ状誘導路を上面に位置させた上で、細胞培養が実施された多孔膜状培養基板である。また、(p)はその状態の基板を免疫染色像で示したものであり、そのカラー画像(図9では、白黒画像で示す)では、細胞核(青色)ならびに細胞体骨格を示すアクチン(緑色)が確認されている。
(n)では、膜上のいたる所に細胞が付着しているのが認められる。(o)は(n)を部分拡大した像であり、貫通孔内に細胞が存在することを示す。さらに、バリ状誘導路の周囲に細胞が積極的に付着し、細胞体の枝を、バリ状誘導路の先端に付着させているのを認める。また、(p)では、膜表面および貫通孔内まで、至る所に細胞核が所在し、培養増殖が極めて旺盛であることを示している。
以上の所見から、本発明による方法による多孔膜状培養基板上に設けた貫通孔孔縁の微細なバリは、細胞培養の障害にならない事が証明されると共に、細胞がこれを足場として利用し、誘導路を支持点として移動できる可能性が示された。
このように、本発明の方法によって細胞が培養された基板に、新たな培養基板を近接する様に重ねること、あるいは複数の新たな培養基板でサンドイッチ状に積層することによって、[図8]に示した、基板間を細胞が移動し、移動先の基板上で継続的且つ旺盛に細胞が増殖していくことを確認した。
本発明は、上記多孔膜状培養基板を重ねて細胞培養を継続的に行う上述の実施例に限るものでは無く、第1~第4様式の原理のすべて、あるいはその一部を利用して、従来のトリプシン処理による継代を行うことなく細胞培養の継続が行う方法であれば、本発明に依るものと考えることができる。
上述の実施例を要約すれば、生体親和性に優れ、平板培養基板としても有用なチタン箔を素材に、基板上の細胞が対数的増殖期を得られるよう、十分な平板面積を確保した上で、増殖して移動する細胞を他の基板に送り込むための貫通孔を至適なサイズと間隔で配置したことで、自らの基板上の細胞増殖と、他基板への細胞の送り込みを可能とする構造であり、本発明に必要な主要条件である。
尚、貫通孔内に進入した細胞は、通常は貫通孔を抜けたあと、基板の裏面に付着、遊走していくので、他の基板には移らない。これに対し本発明では、貫通孔の孔縁に設けたバリが細胞を他の基板に移すための誘導路として作用し、更に移動先の基板との距離を10μm程度にまで近接すれば、この構造に沿って遊走した細胞が、他の基板に遊走でアクセスでき、細胞が転送される。
この場合細胞が移動する面は、できる限り平滑でなくてはならない。その理由は、一般に培養細胞は細胞をホールドする窪みや凹凸、アンダーカット等があると、その部位に入り込み移動しなくなる、いわゆるスキャフォールド効果が現れ、細胞転送が妨げられる。従って、上述の実施例のごとく、平滑な純チタン箔を利用する事は、スキャフォールド効果を抑止する上では有効である。よって、本発明において、スポンジ状の多孔質素材を用いるのは適切ではない。
産業上の利用分野
以上の如き本発明のプロセスによって培養細胞が基板間を移動できれば、細胞が増殖した培養基板に、新たな基板を順次重ねる操作を繰り返すことで、効率的で容易に細胞を増やすことができる。またその場合、従来の平板培養法に見られたような、容器を移す度に不可欠とされてきた継代操作は全く不要であり、しかも細胞を個々に単一化するトリプシン等による酵素薬品を作用させる必要もない。従って、本発明は生体中に近い自然な細胞増殖プロセスを継続的に利用でき、酵素薬品による悪影響を完全に排除出来る。
本発明を細胞の大量製造に利用する形態として、[図10]の例を示す。本発明の仕様で形成された多孔膜状培養基板を積層し、無菌的に格納した培養装置(オ)に対し、培養液を適宜供給、あるいは灌流することで、格納された培養基板すべてに細胞が行き渡るよう増殖させる。
培養により充分な細胞数が得られたならば、格納している(オ)から培養基板を取り出し、一枚毎に付着、増殖した細胞を利用することが可能である。この場合、チタン箔から形成した多孔膜状培養基板であれば、無菌的操作によって生体内(カ)に導入して細胞治療を行うことができる。また、増殖した細胞の遺伝子検査や分化度の評価など、分子生物学的検査を行なう場合は、(キ)のように、培養基板1枚を取り出し、通常の平板培養ディッシュに細胞を移動させたのち、通法の操作で検査を行うことも出来る。
1・・・多孔膜状細胞培養基板
2・・・新たな培養基板
3・・・貫通孔
4・・・バリ状誘導路
5・・・剣山状プレス穿孔具
6・・・突起

Claims (2)

  1. 生体親和性を有する薄膜の金属素材に、直径10~80μmの円形の微細な貫通孔、もしくは一辺10~80μmの多角形の微細な貫通孔と、該貫通孔の全ての孔縁に、細胞が他の培養基板に遊走する挙動を補助するための上面下面いずれかの方向に形成されたバリ状の誘導路とを有する多孔膜状の細胞培養基板に細胞を播種した後、細胞培養液中において、該細胞培養基板のバリ状の誘導路を平板培養基板に接触させた状態とすることで、細胞培養基板の貫通孔を通じて増殖した細胞を平板培養基板に転送させることを特徴とする細胞培養方法。
  2. 生体親和性を有する薄膜の金属素材に、直径10~80μmの円形の微細な貫通孔、もしくは一辺10~80μmの多角形の微細な貫通孔と、該貫通孔の全ての孔縁に、細胞が他の培養基板に遊走する挙動を補助するための上面下面いずれかの方向に形成されたバリ状の誘導路とを有する多孔膜状の細胞培養基板に細胞を播種した後、細胞培養液中において、複数枚の細胞培養基板をバリ状の誘導路を有する面同士が重ならないよう接触積層した形で培養を継続することで、細胞培養基板の貫通孔を通じて増殖した細胞を、上下に接触する各細胞培養基板群に順次転送させることを特徴とする細胞培養方法。
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