JP2003180337A - 細胞培養器具及び細胞分離継代方法 - Google Patents

細胞培養器具及び細胞分離継代方法

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JP2003180337A JP2001387472A JP2001387472A JP2003180337A JP 2003180337 A JP2003180337 A JP 2003180337A JP 2001387472 A JP2001387472 A JP 2001387472A JP 2001387472 A JP2001387472 A JP 2001387472A JP 2003180337 A JP2003180337 A JP 2003180337A
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cells
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tissue
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Yasuyuki Ishizuka
保行 石塚
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Applied Cell Biotechnologies Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (1)生体組織片からの細胞培養を、より効
率良くかつ確実に行うこと、(2)細胞の分離及び継代
を、安全かつ簡易に行うこと。 【解決手段】 移入された生体組織片を細胞培養する細
胞培養器具1の細胞増殖箇所の所定位置に、生体組織片
2との密着性の高い組織固定用部位102を設けること
によって、細胞又は組織の増殖を確実に行い、増殖した
細胞又は組織をフィルター片301〜304や粒状担体
5に保持させて細胞又は組織を分離し、継代する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞培養技術に関
し、より詳細には、所定の培養器具を用いた細胞培養技
術及び細胞の分離及び継代に係わる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】所定の培地が収容されたシャーレやフラ
スコなどの培養器具に生体組織片を移入し、細胞培養を
行うことが一般的に行われている。この細胞又は組織の
増殖は、細胞の走化性(化学走性)に基づいて、生体組
織片の周辺領域に細胞が徐々に移住して増殖することに
よって起こる。この細胞又は組織の増殖は、培養系に最
初に移入する生体組織片が、培養器具の所定箇所(例え
ばシャーレの底面中央部)に確実に密着・固定されるこ
とによって細胞の遊走(運動性)が促進され、細胞の増
殖が円滑に行われると考えられる。
【0003】次に、増殖細胞を継代する目的等により増
殖細胞を分離する場合、従来から、トリプシンやコラゲ
ナーゼ等の酵素を用いることによって行われている。こ
れらの酵素は、増殖させたい細胞又は組織とは異なる生
物個体から抽出・精製されたトリプシンやコラゲナーゼ
等の酵素であるので、従来の増殖細胞分離技術では、結
局のところ、培養過程において外来の生体成分が用いら
れていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、次のような技術的課題があった。
【0005】まず、細胞又は組織の培養実験を行う者
が、細胞培養の基になる最初の組織片を所定の培養器具
内に移入し、該培養器具に対して密着・固定することに
よって、細胞の増殖を確実に行うことができるようにな
るためには、熟練を要するという技術的課題があった。
【0006】次に、従来の酵素を用いる細胞の分離技術
においては、外来の生体成分を全く用いないで自己細胞
の如き特定の細胞を培養するような場合を全く想定して
いないので、細胞培養の段階で、狂牛病の感染因子であ
るプリオンその他の外来感染因子が培養組織中に混入す
る可能性があるという技術的課題がありながら、その解
決手段が講じられてこなかった。また、分離させた細胞
又は組織を別の培養器具に移す作業は、手間がかかると
いう技術的課題があった。
【0007】そこで、本発明は、生体組織片からの細胞
培養を、より効率良くかつ確実に行うことができる細胞
培養技術及び細胞の分離及び継代を、安全かつ簡易に行
うことができる細胞分離継代技術を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、本発明では、以下に説明する細胞培養器具、
細胞継代用フィルター、細胞分離継代方法、細胞培養用
フィルター、そして細胞又は組織の確認方法を提供す
る。
【0009】まず、本発明では、移入された生体組織片
を細胞培養するための器具であって、前記器具の細胞増
殖箇所の所定位置に、その周辺部位と比較して、生体組
織片との密着性の高い組織固定用部位が設けられた細胞
培養器具を提供する。なお、本発明における生体組織片
は、体外移植片又は外植片と同義である。
【0010】この手段では、細胞培養の基になる最初の
生体組織片を前記組織固定部位上に載置するだけの簡易
な作業によって、該生体組織片を培養器具に確実に密着
・固定することができるようになる。この結果、細胞の
走化性が促進されるので、細胞の増殖が円滑に行われる
ようになる。
【0011】次に、本発明では、移入された生体組織片
を細胞培養するための器具に設置され、前記生体組織片
から増殖した細胞又は組織を保持する薄膜状のフィルタ
ーであって、前記フィルターの所定箇所に、該フィルタ
ーを複数のフィルター片に分けることができる切り取り
線が形成された細胞継代用フィルターを提供する。
【0012】この手段によれば、前記フィルターの表面
上に細胞又は組織を増殖させた後、前記切り取り線位置
にて該フィルターを分割し、この分割されたフィルター
片に細胞又は組織を保持させた状態で他の培養器具に移
入するという極めて簡便な作業により、細胞又は組織の
分離継代作業を容易に行うことができる。
【0013】ここで、前記フィルターの外形を円形と
し、前記切り取り線を同心円状に形成することによっ
て、リング状のフィルター片が得られるように工夫する
ことによって、最初に移入された生体組織片を中心とし
て外周領域に増殖して広がる細胞又は組織を無駄にする
ことなく、効率よく分離することができる。
【0014】上記した本発明に係る上記細胞継代用フィ
ルターを採用すれば、該フィルターの上面にて細胞培養
を行う手順と、培養された細胞又は組織を保持するフィ
ルター片を他の細胞培養器具に移入する手順と、を含む
細胞分離継代方法を提供することができる。
【0015】この手段によれば、最初の細胞培養器具に
予め前記フィルターを設置しておいて、該フィルター上
で細胞又は組織を増殖させた後、該フィルターを幾つか
のフィルター片に切り離すことによって細胞又は組織を
分離し、各フィルター片に保持された分離細胞又は組織
を別の細胞培養器具に移入し、この分離させた細胞又は
組織を基に細胞培養を行うことができる。この作業に従
えば、細胞又は組織の分離作業が容易になるので、初心
者でも簡単に細胞継代を行うことができる。
【0016】また、本発明では、細胞培養器具の所定の
箇所に粒状担体を散りばめる手順と、前記培養器具に生
体組織片を移入して細胞又は組織を増殖させる手順と、
細胞又は組織を保持する前記粒状担体を取り出して他の
培養器具に移入する手順と、を含む細胞分離継代方法を
提供する。
【0017】この手段では、予め培養器具内に粒状担体
を散りばめておくことによって、細胞増殖後にこの粒状
担体を前記培養器具から取り出すだけで、容易に細胞又
は組織を分離することができる。そして、この取り出し
た粒状担体を別の培養器具に移すことによって、該粒状
担体に保持する細胞又は組織を増殖させることができ
る。これにより、細胞継代を容易に行うことができる。
なお、粒状担体は、光透過性合成樹脂により形成された
直径100〜300μm程度の粒子が好適である。
【0018】次に、本発明では、移入された生体組織片
を細胞培養するための器具に設置され、前記生体組織片
から増殖した細胞又は組織を保持するための薄膜状のフ
ィルターであって、このフィルターに対して所定口径の
貫通孔を複数形成した細胞培養用フィルターを提供す
る。
【0019】この手段によれば、フィルター上の細胞の
増殖状態を確認し易くなる。具体的には、フィルターは
遮光性を有するため、フィルター上に増殖した細胞は確
認し難くいという問題が生じる。そこで、フィルターの
所定位置に予め貫通孔を複数配置しておくと、この貫通
孔を橋架けするように細胞又は組織は増殖する。この貫
通孔に増殖した細胞又は組織は顕微鏡により観察し易す
くなるので、フィルター上における細胞又は組織の広が
りの程度を容易に確認できる。
【0020】また、本発明に係る細胞培養用フィルター
では、フィルターの外周辺に、切り欠きを所定間隔で複
数設けることによって、この切り欠きにまで広がってき
た細胞又は組織を容易に確認することができるようにな
る。なお、この切り欠きに加えて、前記貫通孔を形成し
てもよく、更には、切り欠き又は/及び貫通孔に加え
て、フィルター分割用の上記切り取り線を形成してもよ
い。
【0021】上記した本発明に係る細胞培養用フィルタ
ーを採用すれば、該フィルターに形成された貫通孔部分
又は切り欠き部分における増殖した細胞又は組織の有無
を顕微鏡により確認する構成の細胞又は組織の確認方法
を提供することができる。
【0022】以上のように、本発明は、細胞・組織培
養、細胞継代、細胞増殖確認に関する作業を容易化し、
これらの作業が初心者でも簡単かつ確実にできるように
なるという技術的意義、更には培養段階で外来酵素を用
いないので、感染の心配が全くないという技術的意義を
有している。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づき、本
発明の好適な実施形態について説明する。まず、図1は
本発明に係る細胞培養器具の外観斜視図、図2は、同細
胞培養器具の図1のI−I線縦断面図である。
【0024】図1,2に示す符号1は、本発明に係る細
胞培養器具の代表的な実施形態であるポリスチレン等の
プラスチック製のシャーレを表している。この細胞培養
器具1の底面101の中央位置には、移入される生体組
織片2との密着性の高い組織固定用部位102が設けら
れている。
【0025】この組織固定用部位102は、その周辺の
底面101と比較して、細胞との密着性が高い材質又は
構造を備え、生体組織片2を確実に培養器具1に固定す
る役割を発揮する。これにより、浮遊することなく固定
された生体組織片2は、細胞の走化性が促進され、細胞
増殖が円滑に行われるようになる。この組織固定用部位
102の材質又は構造は、生体組織片2を培地中に浮遊
させることがなく、確実に固定できる構成であればよ
い。例えば、組織固定用部位102においては、凹凸を
形成する表面処理を行わずに、表面平滑性を高めた構成
等が考えられる。表面平滑性が高いと載置された生体組
織片2との密着性が向上するからである。
【0026】次に、図3は、本発明に係る細胞継代用フ
ィルターの好適な実施形態の構成及び機能を表す図であ
る。
【0027】符号3で示された本発明に係る細胞継代用
フィルター(以下、単に「フィルター3」と称する。)
は、細胞培養器具1内の所定の培地に浸漬されて設置さ
れて用いられ、例えば、ポリカーカーボネート製のメン
ブレン(膜)を採用できる。
【0028】図3に示すように、フィルター3の外形は
円形に形成されており、同心円状の切り取り線4が複数
形成されている。この切り取り線4は、フィルタ−3を
ピンセット等でつまみ上げると、容易に破断する程度の
切り取り程度に形成されていれば良く、抜き部分を所定
間隔で形成する構成や半抜きにする構成など、切り取り
方法は特に限定されない。なお、フィルター3の外形
は、円形に限定するものではなく、また、切り取り線4
の数についても適宜選択可能である。
【0029】前記切り取り線4によって、フィルター3
は、リング状のフィルター片301,302,303,
304に分割される。フィルター3の中央には孔305
が形成されており、この孔305に増殖させたい生体組
織片2が移入される。
【0030】孔305に移入された生体組織片2は、培
養器具1内に設置されたフィルター3上を増殖して徐々
に外側に広がる(符号2’参照)。細胞又は組織の増殖
を確認した上で、フィルター3を前記フィルター片30
1〜304に分割し、取り出す。
【0031】ここで、図4は、本発明に係る細胞分離継
代方法を簡略に表した図である。
【0032】本発明に係る細胞分離継代方法は、上記し
たフィルター3を用いることを前提としている。まず、
フィルター3の上面にて細胞培養を行う手順と、培養さ
れた細胞又は組織を保持するフィルター片301〜30
4を他の細胞培養器に移入する手順と、を少なくとも含
んでいることを特徴とする方法である。なお、細胞培養
に関するその他の手順は、本発明に係る本発明に係る細
胞分離継代方法の要旨ではない。
【0033】即ち、フィルター3上に広がった培養細胞
又は組織2’(図3参照)を、フィルター3をフィルタ
ー片301〜304に分割することによって分離し、各
フィルター片301〜304に保持された分離細胞又は
組織を、予め用意しておいた他の細胞培養器具1,1,
1,1に移す作業を行う。この作業によって、最初の培
養系を含めた計5つの培養系を短時間で作製することが
できる。即ち、細胞の継代を円滑に行うことができる。
【0034】次に、図5に基づいて、本発明に係る細胞
分離継代方法の他の実施形態について説明する。なお、
図5は、同細胞分離継代方法を説明するための図であ
る。
【0035】本実施形態に係る方法は、細胞培養器具1
の底面に、滅菌済みの粒状担体5を散りばめる手順と、
前記細胞培養器具1に生体組織片2を移入して細胞又は
組織を増殖させる手順と、増殖した細胞又は組織2’
(の一部)を保持する前記粒状担体5を取り出して他の
細胞培養器具1、1に移入する手順と、を含んでいるこ
とを特徴とし、細胞培養に係わる他の手順については適
宜採用できる。
【0036】この方法によれば、細胞又は組織が増殖し
た後に、この粒状担体5を細胞培養器具1から取り出す
だけで容易に細胞又は組織を分離することができ、更に
粒状担体5を別の細胞培養器具1に移し、該粒状担体5
に保持する細胞又は組織を増殖させることによって、簡
便に細胞の継代を行うことができる。
【0037】なお、粒状担体5は、細胞又は組織を保持
できる性質のマイクロキャリア等の粒状体であればよ
く、特に、細胞又は組織の増殖の程度を顕微鏡観察によ
り確認し易くなる点を考慮して、光透過性の合成樹脂に
より形成された粒状体が望ましい。また、粒状担体5の
形状は特に限定されず、サイズは、直径100〜300
μm程度の粒子が好適である。
【0038】以下、本発明に係る細胞培養用フィルター
及び細胞又は組織の確認方法について説明する。図6
は、本発明に係る細胞培養用フィルターの実施例を示す
図、図7は、同フィルターの他の実施例を示す図、図8
は、本発明に係る細胞又は組織の確認方法を説明するた
めの図であって、(A)は同フィルターの貫通孔周辺の
部分拡大図、(B)は同フィルターの切り欠き周辺の部
分拡大図、である。
【0039】図6における符号6aは、本発明に係る細
胞培養用フィルター(以下、「培養フィルター」と称す
る。)の実施例である。該培養フィルター6aには、1
00〜500μm程度の貫通孔7が形成されている。こ
の貫通孔7は、培養フィルター6aの上下方向に貫通し
ている孔であって、図6においては、説明の便宜上その
サイズを誇張して表現している。
【0040】一方、図7における符号6bは、本発明に
係る培養フィルターの他の実施例である。該培養フィル
ター6bの外周辺部分には、切り欠き8が複数形成され
ている。この切り欠き8は、培養フィルター6bの上下
方向に貫通しており、図7においては、説明の便宜上そ
のサイズを誇張して表現している。
【0041】培養フィルター6aの貫通孔7、培養フィ
ルター6bの切り欠き8は、いずれもフィルタ−上で増
殖した細胞又は組織を顕微鏡で確認し易くする目的で形
成されたものであって、その数は、必要に応じて適宜選
択することができる。なお、増殖して広がる細胞又は組
織の確認の確度を上げる点から、貫通孔7は培養フィル
ター6aにできるだけ均等に配置し、切り欠き8は所定
間隔7で形成するのが望ましい。
【0042】ここで、培養フィルター6a,6bには、
貫通孔7,切り欠き8の両方を形成してもよい。この構
成では、フィルター上面に加えて外周辺でも、細胞又は
組織の有無を確認することができる。
【0043】また、培養フィルター6a,6bには、貫
通孔7,切り欠き8に加えて、更に既述した切り取り線
4を形成してもよい。このような構成のフィルター(図
示せず)は、増殖した細胞又は組織の確認が容易になる
だけでなく、細胞の分離並びに継代にも適するものとな
るので大変好適である。
【0044】なお、培養フィルター6a,6bについて
も、上記継代フィルター3同様に、ポリカーカーボネー
ト製のメンブレン(膜)を採用できる。
【0045】上記構成の培養フィルター6aを採用する
ことによって、貫通孔7部分の上方に増殖した細胞又は
組織2’の有無を顕微鏡により容易に確認できる方法を
提供でき(図8(A)参照)、上記構成の培養フィルタ
ー6bを採用することによって、切り欠き8部分の上方
に増殖した細胞又は組織2’の有無を顕微鏡により容易
に確認できる細胞又は組織の確認方法を提供することが
できる(図8(B)参照)。
【0046】なお、図8に示す符号Pは、光を示してい
る。この図8から分かるように、孔7,切り欠き8のい
ずれも貫通した孔であるため、下方側からの光が細胞に
入射して透過するので、顕微鏡によって細胞又は組織
2’を確認することが可能となる。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る細胞培養器具によれば、細
胞培養の基になる最初の生体組織片を前記組織固定部位
上に確実に密着・固定することができるので、細胞の走
化性が促進されて細胞又は組織の増殖が円滑に行われる
ようになる。
【0048】本発明に係る細胞継代用フィルターによれ
ば、細胞又は組織が増殖したフィルターを分割し、この
分割されたフィルター片に細胞又は組織を保持させた状
態で他の培養器具に移入できるので、極めて簡便な作業
により、細胞又は組織の分離継代作業を行うことができ
る。
【0049】本発明に係る細胞分離継代方法によれば、
細胞又は組織が保持されたフィルター片又は粒状担体を
細胞培養器具から取り出すだけで、容易に細胞又は組織
を分離することができ、この取り出したフィルター片又
は粒状担体を別の細胞培養器具に移すことによって、別
の培養系にて細胞を簡単に継代させることができる。
【0050】本発明に係る細胞培養フィルターによれ
ば、該フィルターに設けられた貫通孔又は切り欠き部分
で、細胞又は組織を顕微鏡で容易に確認でき、かかる細
胞又は組織の確認方法を提供することができる。
【0051】本発明は、細胞又は組織を外来の酵素を用
いずに培養、分離、継代することができるため、培養段
階におけるウイルスやプリオン等の感染を完全に排除で
きるという有利な効果を奏することから、例えば、自己
の細胞又は組織の培養、分離、継代技術に応用すること
によって、自己専用の化粧品、医薬、人工皮膚等の製造
を安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る細胞培養器具(1)の外観斜視図
【図2】同細胞培養器具(1)の図1のI−I線縦断面
【図3】本発明に係る細胞継代用フィルター(3)の好
適な実施形態の構成及び機能を表す図
【図4】本発明に係る細胞分離継代方法を簡略に表した
【図5】本発明に係る細胞分離継代方法の他の実施形態
を説明する図
【図6】本発明に係る細胞培養用フィルターの実施例
(6a)を示す図
【図7】同フィルターの他の実施例(6b)を示す図
【図8】(A)培養フィルター(6a)の貫通孔(7)
周辺の部分拡大図 (B)培養フィルター(6b)の切り欠き(8)周辺の
部分拡大図
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月20日(2001.12.
20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移入された生体組織片を細胞培養するた
    めの器具であって、 前記器具の細胞増殖箇所の所定位置に、生体組織片との
    密着性の高い組織固定用部位が設けられたことを特徴と
    する細胞培養器具。
  2. 【請求項2】 移入された生体組織片を細胞培養するた
    めの器具に設置され、前記生体組織片から増殖した細胞
    又は組織を保持する薄膜状のフィルターであって、 前記フィルターの所定箇所には、該フィルターを複数の
    フィルター片に分けることができる切り取り線が形成さ
    れたことを特徴とする細胞継代用フィルター。
  3. 【請求項3】 外形が円形であって、前記切り取り線が
    同心円状に形成されてなり、リング状の前記フィルター
    片が得られることを特徴とする請求項2記載の細胞継代
    用フィルター。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の細胞継
    代用フィルターの上面にて細胞培養を行う手順と、培養
    された細胞又は組織を保持する前記フィルター片を他の
    細胞培養器具に移入する手順と、を含む細胞分離継代方
    法。
  5. 【請求項5】 細胞培養器具の所定の箇所に粒状担体を
    散りばめる手順と、前記培養器具に生体組織片を移入し
    て細胞を増殖させる手順と、細胞又は組織を保持する前
    記粒状担体を取り出して他の培養器具に移入する手順
    と、を含む細胞分離継代方法。
  6. 【請求項6】 移入された生体組織片を細胞培養するた
    めの器具に設置され、前記生体組織片から増殖した細胞
    又は組織を保持する薄膜状のフィルターであって、 前記フィルターに所定口径の貫通孔が複数形成されたこ
    とを特徴とする細胞培養用フィルター。
  7. 【請求項7】 移入された生体組織片を細胞培養するた
    めの器具に設置され、前記生体組織片から増殖した細胞
    又は組織を保持する薄膜状のフィルターであって、 前記フィルターの外周辺に、切り欠きを複数設けられた
    ことを特徴とする細胞培養用フィルター。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の貫通孔部分又は請求項7
    記載の切り欠き部分の増殖細胞の有無を顕微鏡により確
    認する細胞又は組織の確認方法。
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