JP2022027483A - 細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、細胞培養技術に関し、特に細胞を高密度で培養可能にするための細胞培養容器に関する。
近年、医薬品の生産や、遺伝子治療、再生医療、免疫療法等の分野において、細胞や組織などを人工的な環境下で効率良く大量に培養することが求められている。
このような状況において、袋状の細胞培養容器を用いて閉鎖系で細胞を自動的に大量培養することが提案されている。
このような状況において、袋状の細胞培養容器を用いて閉鎖系で細胞を自動的に大量培養することが提案されている。
袋状の細胞培養容器を用いて細胞を培養する場合、容器の強度とガス透過度の大きさが重要となる。
例えば、ポリエチレンやエチレン酢酸ビニルなどのガス透過性フィルムを用いて袋状の細胞培養容器を製造する場合、容器の強度を確保するためには、通常100μm以上の厚みが必要であった。
例えば、ポリエチレンやエチレン酢酸ビニルなどのガス透過性フィルムを用いて袋状の細胞培養容器を製造する場合、容器の強度を確保するためには、通常100μm以上の厚みが必要であった。
しかしながら、この場合、培養細胞の密度が50万個/cm2以上の高密度になると、容器のガス透過性能が不十分となり、細胞の周辺の酸素濃度が低下して、増殖効率が低減してしまうという問題があった。
一方、例えば50μm以下の厚みのガス透過性フィルムを用いて細胞培養容器を製造する場合、培養細胞が高密度の状態でもガス透過性能は十分であるものの、容器の強度が不十分となって破袋の恐れが生じ、取り扱いが困難になるという問題があった。
一方、例えば50μm以下の厚みのガス透過性フィルムを用いて細胞培養容器を製造する場合、培養細胞が高密度の状態でもガス透過性能は十分であるものの、容器の強度が不十分となって破袋の恐れが生じ、取り扱いが困難になるという問題があった。
そこで、袋状の細胞培養容器のガス透過性能と強度を向上させるために、容器を構成するフィルムとして、その材料や密度が異なるものを積層して製膜した多層フィルムを用いる場合があるが、大きな性能向上には至っていない。
また、ガス透過性能に優れた素材として、シリコーン材を挙げることができる。シリコーン材は強度が低いものの、厚みを300μm以上にしても優れたガス透過性能を得ることができるため、取り扱い時の強度を確保することはできる。
しかしながら、シリコーン材には、ポートなどを溶着することが困難であるという問題があった。また、シリコーン材は、放射線滅菌などによって有害な物質が溶出されるため、その後の培養性能に悪影響を及ぼす危険性があった。さらに、シリコーン材は、接着性細胞の培養に必要な表面処理が困難であるため、浮遊性細胞用の培養容器の製造は可能であるが、接着性細胞用の培養容器の製造が困難であるという問題もあった。
しかしながら、シリコーン材には、ポートなどを溶着することが困難であるという問題があった。また、シリコーン材は、放射線滅菌などによって有害な物質が溶出されるため、その後の培養性能に悪影響を及ぼす危険性があった。さらに、シリコーン材は、接着性細胞の培養に必要な表面処理が困難であるため、浮遊性細胞用の培養容器の製造は可能であるが、接着性細胞用の培養容器の製造が困難であるという問題もあった。
そこで、本発明者らは鋭意研究して、容器を構成するガス透過性フィルムの表面に複数の薄肉部と凸部とを形成し、薄肉部の厚みを75μm以下にすることで、取り扱い時の強度を確保でき、かつガス透過度の大きさを細胞を高密度で培養可能なものとすることに成功して、本発明を完成させた。
ここで、特許文献1には、ガス透過性フィルムに支持層を備えた細胞培養容器が記載されている。しかしながら、その支持層はフラスコなどの容器内に平置きに載置されるガス透過性フィルムの撓み防止するためのものであり、支持層によって容器の強度を向上させるものではなく、袋状の細胞培養容器のガス透過性能と強度を向上させて細胞を高密度で培養可能にするという課題を解消可能なものではなかった。
また、特許文献2には、培養用トレイの押さえ板の袋状容器と接する位置に複数の通気孔を設けることによって、袋状容器のガス透過性能を向上させることが記載されている。
しかしながら、袋状容器内において通常細胞は下面側に堆積するため、押さえ板に通気孔があるだけではガス透過性能の向上効果は小さく、この培養用トレイは、容器内における細胞周辺の酸素濃度が低下するという問題を十分に解消可能なものではなかった。
しかしながら、袋状容器内において通常細胞は下面側に堆積するため、押さえ板に通気孔があるだけではガス透過性能の向上効果は小さく、この培養用トレイは、容器内における細胞周辺の酸素濃度が低下するという問題を十分に解消可能なものではなかった。
これに対して、本発明によれば、容器を構成するガス透過性フィルムの表面に形成された凸部によって取り扱い時の強度が確保され、また所定の厚みの薄肉部によってガス透過性能を向上させることが可能となっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、細胞を高密度で培養するためのガス透過性能と強度に優れた細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の細胞培養容器は、少なくとも1つのポートを有し、対向する平面状器材によって形成された袋状の閉鎖系の細胞培養容器であって、前記平面状器材の少なくとも一方がガス透過性フィルムからなり、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面側に細胞を培養するための培養空間が備えられ、この培養空間を形成する当該ガス透過性フィルムに複数の薄肉部と凸部とが形成され、前記薄肉部の厚みが75μm以下である構成としてある。
また、本発明の細胞培養容器を、前記薄肉部の厚みが20~35μmである構成とすることも好ましい。
また、本発明の細胞培養容器を、前記薄肉部の厚みが20~35μmである構成とすることも好ましい。
また、本発明の細胞培養容器を、前記凸部が形成された前記ガス透過性フィルムの表面が、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面であり、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面が凹凸のない平坦状である構成とすることも好ましい。
さらに、本発明の細胞培養容器を、前記凸部が形成された前記ガス透過性フィルムの表面が、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面であり、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の小突起部が形成され、当該外面を平面に接触させたときに、前記小突起部によって、当該ガス透過性フィルムと前記平面との間に通気可能な空間が形成される構成とすることも好ましい。
さらに、本発明の細胞培養容器を、前記凸部が形成された前記ガス透過性フィルムの表面が、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面であり、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の小突起部が形成され、当該外面を平面に接触させたときに、前記小突起部によって、当該ガス透過性フィルムと前記平面との間に通気可能な空間が形成される構成とすることも好ましい。
また、本発明の細胞培養容器を、対向する前記平面状器材の両方がガス透過性フィルムからなり、それぞれのガス透過性フィルムに前記複数の薄肉部と前記凸部とが形成された構成とすることも好ましい。
また、本発明の細胞培養容器を、前記凸部として、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成された構成とすることも好ましい。
さらに、本発明の細胞培養容器を、前記凸部として、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されると共に、当該複数の略三角柱に交差して他の複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されて、これらの複数の略三角柱が格子状に備えられた構成とすることも好ましい。
さらに、本発明の細胞培養容器を、前記凸部として、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されると共に、当該複数の略三角柱に交差して他の複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されて、これらの複数の略三角柱が格子状に備えられた構成とすることも好ましい。
また、本発明の細胞培養容器を、平行して隣り合う前記凸部が1~5mmの間隔を空けて形成された構成とすることも好ましい。
さらに、本発明の細胞培養容器を、平行して隣り合う前記凸部が間隔を空けずに形成され、前記薄肉部が線状又は点状に形成された構成とすることも好ましい。
さらに、本発明の細胞培養容器を、平行して隣り合う前記凸部が間隔を空けずに形成され、前記薄肉部が線状又は点状に形成された構成とすることも好ましい。
また、本発明の細胞の製造方法は、上記の細胞培養容器を用いて細胞を培養する方法としてある。
また、本発明の細胞培養容器の製造方法は、少なくとも1つのポートを有し、対向する平面状器材によって形成された袋状の閉鎖系の細胞培養容器の製造方法であって、前記平面状器材の少なくとも一方としてガス透過性フィルムを用いて、前記ガス透過性フィルムの表面に厚みが75μm以下である複数の薄肉部と、凸部とを形成し、対向する前記平面状器材の周縁部を貼り合わせて、前記ガス透過性フィルムにおける容器の内面側に細胞を培養するための培養空間を形成する方法としてある。
本発明によれば、細胞を高密度で培養するためのガス透過性と強度に優れた細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法の提供が可能となる。
以下、本発明の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態の具体的な内容に限定されるものではない。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態について、図1~図4を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、少なくとも1つのポートを有し、対向する平面状器材によって形成された袋状の閉鎖系の細胞培養容器であって、平面状器材の少なくとも一方がガス透過性フィルムからなり、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面側に細胞を培養するための培養空間が備えられ、この培養空間を形成する当該ガス透過性フィルムに複数の薄肉部と凸部とが形成され、薄肉部の厚みが75μm以下であることを特徴とする。また、薄肉部の厚みを20~35μmとすることも好ましい。
まず、本発明の第一実施形態について、図1~図4を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、少なくとも1つのポートを有し、対向する平面状器材によって形成された袋状の閉鎖系の細胞培養容器であって、平面状器材の少なくとも一方がガス透過性フィルムからなり、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面側に細胞を培養するための培養空間が備えられ、この培養空間を形成する当該ガス透過性フィルムに複数の薄肉部と凸部とが形成され、薄肉部の厚みが75μm以下であることを特徴とする。また、薄肉部の厚みを20~35μmとすることも好ましい。
具体的には、図1(a)に示すように、本実施形態の細胞培養容器1は、例えば矩形状の2枚の平面状器材11の周縁部Hをヒートシールにより熱溶着させることによって得ることができる。2枚の平面状器材11の間に形成された空間は、細胞を培養するための培養空間Sとして用いられる。平面状器材11における培養空間Sを形成する領域は、細胞培養容器1において培養部を構成する。なお、平面状器材11の全体形状や周縁部Hの形状、及び培養空間Sの形状は特に限定されず、任意の形状のものを用いることができる。
平面状器材11の少なくとも一方は、ガス透過性フィルムからなり、両方にガス透過性フィルムからなるものを用いることが好ましい。
なお、平面状器材11の「平面状」は、器材表面が凹凸のない平坦であることを意味せず、器材の全体形状が概ねであることを意味しており、平面状器材11の表面に凹凸が形成されたものも含まれる。
なお、平面状器材11の「平面状」は、器材表面が凹凸のない平坦であることを意味せず、器材の全体形状が概ねであることを意味しており、平面状器材11の表面に凹凸が形成されたものも含まれる。
図1(b)に示すように、本実施形態の細胞培養容器1において、ガス透過性フィルムである平面状器材11には複数の薄肉部111が形成されている。また、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面には複数の凸部112が形成されている。さらに、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面は、凹凸のない平坦状となっている。
なお、ガス透過性フィルムに形成する凸部の個数は複数に限定されず、第二実施形態の細胞培養器などにおける凸部のように、複数の凸部がつながりあって実質的に1個の凸部が形成されたものも含まれる。
なお、ガス透過性フィルムに形成する凸部の個数は複数に限定されず、第二実施形態の細胞培養器などにおける凸部のように、複数の凸部がつながりあって実質的に1個の凸部が形成されたものも含まれる。
本実施形態では、対向する平面状器材11の両方がガス透過性フィルムからなり、それぞれのガス透過性フィルムに薄肉部111と凸部112が形成されているが、いずれか一方のみの平面状器材11をガス透過性フィルムからなるものとして、当該ガス透過性フィルムに薄肉部111と凸部112を形成した構成とすることもできる。
凸部112は、図2(a)及び図2(b)に示すように、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されたもの(以下、山脈状パターンと称する場合がある)とすることが好ましい。
このように凸部112を山脈状パターンに形成することで、ガス透過性フィルムと平面との接触面積を小さくすることができ、細胞培養容器1のガス透過性能が阻害されることを防止することができる。
また、このような山脈状パターンによれば、凸部112の突起の強度を向上させることができる。
このように凸部112を山脈状パターンに形成することで、ガス透過性フィルムと平面との接触面積を小さくすることができ、細胞培養容器1のガス透過性能が阻害されることを防止することができる。
また、このような山脈状パターンによれば、凸部112の突起の強度を向上させることができる。
本実施形態の細胞培養容器1では、平行して隣り合う凸部112が1~5mmの間隔を空けて形成されている。すなわち、薄肉部111の幅(短尺方向の幅)が1~5mmとなるように形成されている。これにより、細胞培養容器1の取り扱い時の強度とガス透過性能を十分なものとすることができる。また、細胞培養容器1の取り扱い時の強度とガス透過性能をより好適にするために、薄肉部111の幅を1~3mmとすることが好ましく、1~2mmとすることがより好ましい。
なお、平行して隣り合う凸部112の間隔は1mmより小さくてもよく、後述する第三実施形態などにおいて説明するように、平行して隣り合う凸部112を間隔を空けずに形成した場合でも、取り扱い時の強度を確保できるのみならず、ガス透過度の大きさを細胞を高密度で培養可能なものにすることが可能である。
ここで、図3を参照して、複数の薄肉部と凸部が形成されたガス透過性フィルムなどの酸素透過度について説明する。
まず、ガス透過性フィルムとして、凹凸のない平面状のもの2種類と、薄肉部と凸部が形成されたもの7種類を準備した。
具体的には、LLDPE(Linear Low Density Polyethylene,直鎖状低密度ポリエチレン)からなり、フィルムの厚みが110μmの平面状フィルム(1)と、フィルムの厚みが30μmの平面状フィルム(2)を準備した。
まず、ガス透過性フィルムとして、凹凸のない平面状のもの2種類と、薄肉部と凸部が形成されたもの7種類を準備した。
具体的には、LLDPE(Linear Low Density Polyethylene,直鎖状低密度ポリエチレン)からなり、フィルムの厚みが110μmの平面状フィルム(1)と、フィルムの厚みが30μmの平面状フィルム(2)を準備した。
また、LLDPEからなる薄肉部と凸部が形成されたフィルム(3)~(8)として、薄肉部の厚みがそれぞれ100μm,75μm,50μm,35μm,30μm,25μm、凸部のピッチがいずれも2mm、凸部の底辺の長さがそれぞれ0.15mm,0.27mm,0.36mm,0.4mm,0.41mm,0.42mm、薄肉部の幅がそれぞれ1.85mm,1.73mm,1.64mm,1.6mm,1.59mm,1.58mm、凸部の高さがそれぞれ0.27mm,0.51mm,0.67mm,0.75mm,0.77mm,0.82mm、凸部の角度(凸部の底辺と斜辺のなす角)がいずれも75°のものを準備した。
さらに、LLDPEからなる薄肉部と凸部が形成されたフィルム(9)として、平行して隣り合う凸部が間隔を空けずに連続して形成されたもの(薄肉部の厚み25μm、凸部のピッチ0.11mm、凸部の底辺の長さ0.11mm、凸部の高さ0.19mm、凸部の角度75°)のものを準備した。
なお、フィルム(3)~(9)は、いずれもフィルムの厚みが110μmのLLDPEからなる平面状フィルムに各凸部を熱転写によって加工し形成したものである。
なお、フィルム(3)~(9)は、いずれもフィルムの厚みが110μmのLLDPEからなる平面状フィルムに各凸部を熱転写によって加工し形成したものである。
そして、ガス透過測定装置(GTRテック株式会社製,フロー式ガス・水蒸気透過率測定装置GTR-20X)を用いて、フロー式(等圧式,JIS K 7126-2)にもとづき酸素透過度を計測した。
図3に示されるように、フィルムの厚みが110μm,30μmの平面状フィルムの酸素透過度(ml/m2・24Hr・atm)は、それぞれ9000,31000であったのに対し、薄肉部と凸部が形成されたフィルム(薄肉部の厚み100μm,75μm,50μm,35μm,30μm,25μm,25μm(凸部連続))の酸素透過度は、それぞれ8000,11000,17000,25000,27000,28000,27000であった。
このように、薄肉部と凸部が形成されたフィルムは、凸部を備えることで取り扱い時の強度を確保できるのみならず、その酸素透過度を厚み110μmの平面状フィルムのもの以上にすることが可能になっている。すなわち、これらのフィルムは、前述のように、厚み110μmの平面状フィルムを加工して得られたものであるが、薄肉部と凸部を形成することで、酸素透過度をより向上させることが可能になっている。
特に、薄肉部の厚みが75μm以下のものは、11000以上の酸素透過度を得ることができ、薄肉部の厚みが35μm~25μmのものは、25000以上の優れた酸素透過度を得ることが可能になっている。
なお、この酸素透過度は、凸部がガス透過性フィルムにおける容器の外側に形成されている場合でも同内側に形成されている場合でも同様である。
なお、この酸素透過度は、凸部がガス透過性フィルムにおける容器の外側に形成されている場合でも同内側に形成されている場合でも同様である。
平面状器材11としては、樹脂フィルムなどを好適に用いることができ、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。例えば、ポリエチレン、エチレンとα-オレフィンの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸やメタクリル酸共重合体と金属イオンを用いたアイオノマー等を挙げることができる。また、ポリオレフィン、スチレン系エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等を用いることもできる。さらに、軟質塩化ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、スチレン系エラストマー、例えば、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン)、SEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン)、SEPS(スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン)、ポリオレフィン樹脂、フッ素系樹脂等を用いてもよい。
ガス透過性フィルムとしては、上記の平面状器材11の材料のうち、特にガス透過性能に優れた熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、例えばLLDPEなどのポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。また、細胞培養容器1の内部を視認可能にするために、ガス透過性フィルムは、透明材であることが好ましい。
ここで、ガス透過性フィルムは、一般にその厚みが小さければ小さい程、ガス透過性能が高くなる一方で、ガス透過性フィルムの厚みが小さくなればなる程、その取り扱いが困難となり、特に厚みが30μmや20μmのものは食品用ラップ(厚み約10μm)のような状態であるため、容器の強度が不足して破袋の恐れがある。
しかしながら、本実施形態の細胞培養容器1は、ガス透過性フィルムに凸部112を備えているため、ガス透過性フィルムの薄肉部111の厚みを比較的薄くしても取り扱うことができる。
このため、本実施形態の細胞培養容器1におけるガス透過性フィルムの厚みは、100μm未満であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましく、35μm以下で20μm以上であることがさらに好ましい。
しかしながら、本実施形態の細胞培養容器1は、ガス透過性フィルムに凸部112を備えているため、ガス透過性フィルムの薄肉部111の厚みを比較的薄くしても取り扱うことができる。
このため、本実施形態の細胞培養容器1におけるガス透過性フィルムの厚みは、100μm未満であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましく、35μm以下で20μm以上であることがさらに好ましい。
本実施形態の細胞培養容器1において、少なくとも1つのポート12が、2枚の平面状器材11の周縁部Hに挟み込まれ、熱溶着されて備えられている。
図1では、ポート12が平面状器材11の長手方向両端に対向して2つ備えられているが、ポート12の個数はこれに限定されず、1個でも3個以上であってもよい。
ポート12の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチレン系エラストマー、FEPなどの熱可塑性樹脂等を用いることができる。
図1では、ポート12が平面状器材11の長手方向両端に対向して2つ備えられているが、ポート12の個数はこれに限定されず、1個でも3個以上であってもよい。
ポート12の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチレン系エラストマー、FEPなどの熱可塑性樹脂等を用いることができる。
本実施形態の細胞培養容器1による細胞培養の様子を図4に示す。
同図において、細胞培養容器1の中に、培養液を充填すると共に、培養液によって容積が拡大した培養空間Sに細胞2を播種して、培養が行われる様子が示されている。
細胞培養容器1を用いて培養する細胞は、特に限定されず、培養液中に浮遊させて培養が行われるリンパ球や樹状細胞などの浮遊性細胞であっても、容器内の培養部に接着させて培養が行われる人工多能性幹細胞(iPS細胞)、神経幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、間葉系幹細胞、肝細胞、膵島細胞、心筋細胞、角膜内皮細胞、及び活性化工程のリンパ球等の接着性細胞であってもよい。
同図において、細胞培養容器1の中に、培養液を充填すると共に、培養液によって容積が拡大した培養空間Sに細胞2を播種して、培養が行われる様子が示されている。
細胞培養容器1を用いて培養する細胞は、特に限定されず、培養液中に浮遊させて培養が行われるリンパ球や樹状細胞などの浮遊性細胞であっても、容器内の培養部に接着させて培養が行われる人工多能性幹細胞(iPS細胞)、神経幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、間葉系幹細胞、肝細胞、膵島細胞、心筋細胞、角膜内皮細胞、及び活性化工程のリンパ球等の接着性細胞であってもよい。
本実施形態の細胞の製造方法は、前述した細胞培養容器1を用いて細胞を培養することを特徴とする。後述する実施形態の細胞の製造方法も同様に、各実施形態の細胞培養容器を用いて細胞を培養することを特徴とするが、以下においてはその記載を省略する。
本実施形態の細胞培養容器の製造方法は、少なくとも1つのポート12を有し、対向する平面状器材11によって形成された袋状の閉鎖系の細胞培養容器1の製造方法であって、平面状器材11の少なくとも一方としてガス透過性フィルムを用いて、ガス透過性フィルムに厚みが75μm以下である複数の薄肉部111と、凸部112とを形成し、対向する平面状器材11の周縁部Hを貼り合わせて、ガス透過性フィルムにおける容器の内面側に細胞2を培養するための培養空間Sを形成することを特徴とする。
また、本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、ガス透過性フィルムに厚みが20~35μmである複数の薄肉部111と、凸部112とを形成することも好ましい。
さらに、本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112をガス透過性フィルムにおける容器の外面に形成し、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面を凹凸のない平坦状とすることも好ましい。
さらに、本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112をガス透過性フィルムにおける容器の外面に形成し、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面を凹凸のない平坦状とすることも好ましい。
また、本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、対向する平面状器材11の両方にガス透過性フィルムを用いて、それぞれのガス透過性フィルムに複数の薄肉部111と凸部112とを形成することも好ましい。
さらに、本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112として、複数の略三角柱を山脈状に並列して形成することも好ましい。
さらに、本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112として、複数の略三角柱を山脈状に並列して形成することも好ましい。
また、本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、平行して隣り合う凸部112を1~5mmの間隔を空けて形成することも好ましい。
さらに、本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112を熱転写、又はキャスト製膜によって形成することも好ましい。
さらに、本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112を熱転写、又はキャスト製膜によって形成することも好ましい。
このように、本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法によれば、凸部が山脈状パターンに間隔を空けて容器の外側に形成された、ガス透過性能と強度に優れた細胞培養容器を製造することができ、この細胞培養容器を用いて細胞を効率的に大量培養することが可能である。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図5を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111aと凸部112aとが形成され、凸部112aとして、ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されると共に、当該複数の略三角柱に交差して他の複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されて、これらの複数の略三角柱が格子状に備えられている点で、第一実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第一実施形態と同様である。
次に、本発明の第二実施形態について、図5を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111aと凸部112aとが形成され、凸部112aとして、ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されると共に、当該複数の略三角柱に交差して他の複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されて、これらの複数の略三角柱が格子状に備えられている点で、第一実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第一実施形態と同様である。
具体的には、図5(a)及び図5(b)に示すように、本実施形態の細胞培養容器において、ガス透過性フィルムである平面状器材11aには複数の薄肉部111aが形成されている。また、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面には凸部112aが形成されている。さらに、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面は、凹凸のない平坦状となっている。
本実施形態では、対向する平面状器材11aの両方がガス透過性フィルムからなり、それぞれのガス透過性フィルムに薄肉部111aと凸部112aが形成されているが、いずれか一方のみの平面状器材11aをガス透過性フィルムからなるものとして、当該ガス透過性フィルムに薄肉部111aと凸部112aを形成した構成とすることもできる。
凸部112aは、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されると共に、当該複数の略三角柱に交差して他の複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されたもの(以下、格子状パターンと称する場合がある)とすることが好ましい。
図5(a)及び図5(b)において、縦方向の略三角柱の高さよりも横方向の略三角柱の高さが低く形成されている。
図5(a)及び図5(b)において、縦方向の略三角柱の高さよりも横方向の略三角柱の高さが低く形成されている。
これにより、本実施形態の細胞培養容器の凸部112aが形成された面を下向きにして平面に載置した場合に、平面状器材11aと平面との間に通気可能な空間が形成されるようになっている。
また、本実施形態の細胞培養容器の凸部112aが形成された面を上向きにして上方から押圧板などを用いて押圧した場合にも、平面状器材11aと平面との間に通気可能な空間が形成されるようになっている。
このように、細胞培養容器に凸部を形成することで、細胞培養容器と平面との間に通気可能な空間が形成される点は、以下の実施形態においても同様である。
また、本実施形態の細胞培養容器の凸部112aが形成された面を上向きにして上方から押圧板などを用いて押圧した場合にも、平面状器材11aと平面との間に通気可能な空間が形成されるようになっている。
このように、細胞培養容器に凸部を形成することで、細胞培養容器と平面との間に通気可能な空間が形成される点は、以下の実施形態においても同様である。
このように凸部112aを格子状パターンに形成することで、ガス透過性フィルムと平面との接触面積を小さくすることができ、細胞培養容器のガス透過性能が阻害されることを防止することができる。
また、このような格子状パターンによれば、凸部112aの突起の強度を向上させることができる。
さらに、図5(a)において、凸部112aとして、複数の略三角柱と他の複数の略三角柱とが垂直に交差しているが、斜めに交差するように形成することもできる。
また、このような格子状パターンによれば、凸部112aの突起の強度を向上させることができる。
さらに、図5(a)において、凸部112aとして、複数の略三角柱と他の複数の略三角柱とが垂直に交差しているが、斜めに交差するように形成することもできる。
また、本実施形態の細胞培養容器では、平行して隣り合う凸部112aが1~5mmの間隔を空けて形成されている。すなわち、薄肉部111aの幅が1~5mmとなるように形成されているが、薄肉部111aの幅は1~3mmとすることが好ましく、1~2mmとすることがより好ましい。
本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112aとして、複数の略三角柱を山脈状に並列して形成すると共に、当該複数の略三角柱に交差して他の複数の略三角柱を山脈状に並列して形成して、これらの複数の略三角柱を格子状に形成することが好ましい。
このように、本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法によれば、凸部が格子状パターンに間隔を空けて容器の外側に形成された、ガス透過性能と強度に優れた細胞培養容器を製造することができ、この細胞培養容器を用いて細胞を効率的に大量培養することが可能である。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について、図6(a)を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111bと凸部112bとが形成され、凸部112bとして、ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の略三角柱が山脈状に並列して形成され、かつ平行して隣り合う凸部112bが間隔を空けずに形成されて、薄肉部111bが線状に形成されている点で、第一実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第一実施形態と同様である。
次に、本発明の第三実施形態について、図6(a)を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111bと凸部112bとが形成され、凸部112bとして、ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の略三角柱が山脈状に並列して形成され、かつ平行して隣り合う凸部112bが間隔を空けずに形成されて、薄肉部111bが線状に形成されている点で、第一実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第一実施形態と同様である。
具体的には、図6(a)に示すように、本実施形態の細胞培養容器において、ガス透過性フィルムである平面状器材11bには複数の薄肉部111bが平行して線状に(同図においては奥行き方向に)形成されている。また、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面には凸部112bが前後方向(同図においては奥行き方向)に平行して間隔を空けずに連続して形成されている。さらに、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面は、凹凸のない平坦状となっている。
本実施形態では、対向する平面状器材11bの両方がガス透過性フィルムからなり、それぞれのガス透過性フィルムに薄肉部111bと凸部112bが形成されているが、いずれか一方のみの平面状器材11bをガス透過性フィルムからなるものとして、当該ガス透過性フィルムに薄肉部111bと凸部112bを形成した構成とすることもできる。
凸部112bは、図6(a)に示すように、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されたもの(山脈状パターン)とすることが好ましい。
このように凸部112bを山脈状パターンに形成することで、ガス透過性フィルムと平面との接触面積を小さくすることができ、細胞培養容器のガス透過性能が阻害されることを防止することができる。
また、このような山脈状パターンによれば、凸部112bの突起の強度を向上させることができる。
このように凸部112bを山脈状パターンに形成することで、ガス透過性フィルムと平面との接触面積を小さくすることができ、細胞培養容器のガス透過性能が阻害されることを防止することができる。
また、このような山脈状パターンによれば、凸部112bの突起の強度を向上させることができる。
本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112bとして、平行して隣り合う凸部を間隔を空けずに形成し、薄肉部111bを線状に形成することが好ましい。
このように、本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法によれば、凸部が山脈状パターンに間隔を空けずに容器の外側に形成された、ガス透過性能と強度に優れた細胞培養容器を製造することができ、この細胞培養容器を用いて細胞を効率的に大量培養することが可能である。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について、図6(b)を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111cと凸部112cとが形成され、凸部112cとして、ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の略三角柱が格子状に備えられ、かつ平行して隣り合う凸部112cが間隔を空けずに形成されて、薄肉部111cが点状に形成されている点で、第一実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第一実施形態と同様である。
次に、本発明の第四実施形態について、図6(b)を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111cと凸部112cとが形成され、凸部112cとして、ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の略三角柱が格子状に備えられ、かつ平行して隣り合う凸部112cが間隔を空けずに形成されて、薄肉部111cが点状に形成されている点で、第一実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第一実施形態と同様である。
具体的には、図6(b)に示すように、本実施形態の細胞培養容器において、ガス透過性フィルムである平面状器材11cには複数の薄肉部111cが点状に形成されている。また、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面には凸部112cが前後方向(同図においては奥行き方向)及び左右方向に平行して間隔を空けずに連続して形成されている。さらに、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面は、凹凸のない平坦状となっている。
本実施形態では、対向する平面状器材11cの両方がガス透過性フィルムからなり、それぞれのガス透過性フィルムに薄肉部111cと凸部112cが形成されているが、いずれか一方のみの平面状器材11cをガス透過性フィルムからなるものとして、当該ガス透過性フィルムに薄肉部111cと凸部112cを形成した構成とすることもできる。
凸部112cは、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されると共に、当該複数の略三角柱に交差して他の複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されたもの(格子状パターン)とすることが好ましい。
図6(b)において、縦方向(同図においては奥行き方向)の略三角柱の高さよりも横方向の略三角柱の高さが低く形成されている。これにより、本実施形態の細胞培養容器を平面に載置した場合に、平面状器材11cと平面との間に通気可能な空間が形成されるようになっている。
図6(b)において、縦方向(同図においては奥行き方向)の略三角柱の高さよりも横方向の略三角柱の高さが低く形成されている。これにより、本実施形態の細胞培養容器を平面に載置した場合に、平面状器材11cと平面との間に通気可能な空間が形成されるようになっている。
このように凸部112cを格子状パターンに形成することで、ガス透過性フィルムと平面との接触面積を小さくすることができ、細胞培養容器のガス透過性能が阻害されることを防止することができる。
また、このような格子状パターンによれば、凸部112cの突起の強度を向上させることができる。
さらに、凸部112cとして、複数の略三角柱と他の複数の略三角柱とが斜めに交差するように形成することもできる。
また、このような格子状パターンによれば、凸部112cの突起の強度を向上させることができる。
さらに、凸部112cとして、複数の略三角柱と他の複数の略三角柱とが斜めに交差するように形成することもできる。
本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112cとして、複数の略三角柱を山脈状に並列して形成すると共に、当該複数の略三角柱に交差して他の複数の略三角柱を山脈状に並列して形成して、これらの複数の略三角柱を格子状に形成することが好ましい。また、平行して隣り合う凸部112cを間隔を空けずに形成し、薄肉部111cを点状に形成することが好ましい。
このように、本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法によれば、凸部が格子状パターンに間隔を空けずに容器の外側に形成された、ガス透過性能と強度に優れた細胞培養容器を製造することができ、この細胞培養容器を用いて細胞を効率的に大量培養することが可能である。
[第五実施形態]
次に、本発明の第五実施形態について、図7(a)を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111dと凸部112dとが形成され、凸部112dとして、ガス透過性フィルムにおける容器の内面に複数の略三角柱が山脈状に並列して形成され、かつ平行して隣り合う凸部112dが間隔を空けて形成されると共に、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の小突起部113dが形成され、当該外面を平面に接触させたときに、小突起部113dによって、当該ガス透過性フィルムと平面との間に通気可能な空間が形成される点で、第一実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第一実施形態と同様である。
次に、本発明の第五実施形態について、図7(a)を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111dと凸部112dとが形成され、凸部112dとして、ガス透過性フィルムにおける容器の内面に複数の略三角柱が山脈状に並列して形成され、かつ平行して隣り合う凸部112dが間隔を空けて形成されると共に、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の小突起部113dが形成され、当該外面を平面に接触させたときに、小突起部113dによって、当該ガス透過性フィルムと平面との間に通気可能な空間が形成される点で、第一実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第一実施形態と同様である。
具体的には、図7(a)に示すように、本実施形態の細胞培養容器において、ガス透過性フィルムである平面状器材11dには複数の薄肉部111dが形成されている。また、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面には凸部112dが前後方向(同図においては奥行き方向)に平行して間隔を空けて形成されている。さらに、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面には、複数の小突起部113dが形成されている。
小突起部113dは、ガス透過性フィルムと平面との間に通気可能な空間を形成可能であればその形状は特に限定されず、円錐状、三角錐状、多角錐状、直方体状、山脈状パターン、格子状パターン等、様々な形状とすることができる。以下の実施形態の小突起部についても同様である。
本実施形態では、対向する平面状器材11dの両方がガス透過性フィルムからなり、それぞれのガス透過性フィルムに薄肉部111d、凸部112d、及び小突起部113dが形成されているが、いずれか一方のみの平面状器材11dをガス透過性フィルムからなるものとして、当該ガス透過性フィルムに薄肉部111d、凸部112d、及び小突起部113dを形成した構成とすることもできる。
凸部112dは、図7(a)に示すように、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されたもの(山脈状パターン)とすることが好ましい。
このように凸部112dを山脈状パターンに形成することで、ガス透過性フィルムと平面との接触面積を小さくすることができ、細胞培養容器のガス透過性能が阻害されることを防止することができる。
また、このような山脈状パターンによれば、凸部112dの突起の強度を向上させることができる。
このように凸部112dを山脈状パターンに形成することで、ガス透過性フィルムと平面との接触面積を小さくすることができ、細胞培養容器のガス透過性能が阻害されることを防止することができる。
また、このような山脈状パターンによれば、凸部112dの突起の強度を向上させることができる。
また、本実施形態では、薄肉部111dの幅が1~5mmとなるように形成されているが、薄肉部111dの幅は1~3mmとすることが好ましく、1~2mmとすることがより好ましい。
本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112dとして、ガス透過性フィルムにおける容器の内面に複数の略三角柱を山脈状に並列して間隔を空けて形成すると共に、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の小突起部113dを形成し、当該外面を平面に接触させたときに、小突起部113dによって、当該ガス透過性フィルムと平面との間に通気可能な空間が形成されるようにすることが好ましい。
このように、本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法によれば、凸部が山脈状パターンに間隔を空けて容器の内側に形成された、ガス透過性能と強度に優れた細胞培養容器を製造することができ、この細胞培養容器を用いて細胞を効率的に大量培養することが可能である。
[第六実施形態]
次に、本発明の第六実施形態について、図7(b)を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111eと凸部112eとが形成され、凸部112eとして、ガス透過性フィルムにおける容器の内面に複数の略三角柱が山脈状に並列して形成され、かつ平行して隣り合う凸部112dが間隔を空けずに形成される点で、第五実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第五実施形態と同様である。
次に、本発明の第六実施形態について、図7(b)を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111eと凸部112eとが形成され、凸部112eとして、ガス透過性フィルムにおける容器の内面に複数の略三角柱が山脈状に並列して形成され、かつ平行して隣り合う凸部112dが間隔を空けずに形成される点で、第五実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第五実施形態と同様である。
具体的には、図7(b)に示すように、本実施形態の細胞培養容器において、ガス透過性フィルムである平面状器材11eには複数の薄肉部111eが平行して線状に(同図においては奥行き方向に)形成されている。また、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面には凸部112eが前後方向(同図においては奥行き方向)に平行して間隔を空けずに形成されている。さらに、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面には、複数の小突起部113eが形成されている。
本実施形態では、対向する平面状器材11eの両方がガス透過性フィルムからなり、それぞれのガス透過性フィルムに薄肉部111e、凸部112e、及び小突起部113eが形成されているが、いずれか一方のみの平面状器材11eをガス透過性フィルムからなるものとして、当該ガス透過性フィルムに薄肉部111e、凸部112e、及び小突起部113eを形成した構成とすることもできる。
凸部112eは、図7(b)に示すように、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されたもの(山脈状パターン)とすることが好ましい。
このように凸部112eを山脈状パターンに形成することで、ガス透過性フィルムと平面との接触面積を小さくすることができ、細胞培養容器のガス透過性能が阻害されることを防止することができる。
また、このような山脈状パターンによれば、凸部112eの突起の強度を向上させることができる。
このように凸部112eを山脈状パターンに形成することで、ガス透過性フィルムと平面との接触面積を小さくすることができ、細胞培養容器のガス透過性能が阻害されることを防止することができる。
また、このような山脈状パターンによれば、凸部112eの突起の強度を向上させることができる。
本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112eとして、ガス透過性フィルムにおける容器の内面に複数の略三角柱を山脈状に並列して間隔を空けずに形成すると共に、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の小突起部113eを形成し、当該外面を平面に接触させたときに、小突起部113eによって、当該ガス透過性フィルムと平面との間に通気可能な空間が形成されるようにすることが好ましい。
このように、本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法によれば、凸部が山脈状パターンに間隔を空けずに容器の内側に形成された、ガス透過性能と強度に優れた細胞培養容器を製造することができ、この細胞培養容器を用いて細胞を効率的に大量培養することが可能である。
[第七実施形態]
次に、本発明の第七実施形態について、図8(a)を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111fと凸部112fとが形成され、凸部112fとして、ガス透過性フィルムにおける容器の内面に複数の略三角柱が格子状に備えられ、かつ平行して隣り合う凸部112fが間隔を空けて形成される点で、第五実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第五実施形態と同様である。
次に、本発明の第七実施形態について、図8(a)を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111fと凸部112fとが形成され、凸部112fとして、ガス透過性フィルムにおける容器の内面に複数の略三角柱が格子状に備えられ、かつ平行して隣り合う凸部112fが間隔を空けて形成される点で、第五実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第五実施形態と同様である。
具体的には、図8(a)に示すように、本実施形態の細胞培養容器において、ガス透過性フィルムである平面状器材11fには複数の薄肉部111fが形成されている。また、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面には凸部112fが前後方向(同図においては奥行き方向)及び左右方向に平行して間隔を空けて形成されている。さらに、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面には、複数の小突起部113fが形成されている。
本実施形態では、対向する平面状器材11dの両方がガス透過性フィルムからなり、それぞれのガス透過性フィルムに薄肉部111d、凸部112d、及び小突起部113dが形成されているが、いずれか一方のみの平面状器材11dをガス透過性フィルムからなるものとして、当該ガス透過性フィルムに薄肉部111d、凸部112d、及び小突起部113dを形成した構成とすることもできる。
凸部112fは、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されると共に、当該複数の略三角柱に交差して他の複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されたもの(格子状パターン)とすることが好ましい。
図8(a)において、縦方向(同図においては奥行き方向)の略三角柱の高さよりも横方向の略三角柱の高さが低く形成されている。これにより、本実施形態の細胞培養容器を平面に載置した場合に、平面状器材11fと平面との間に通気可能な空間が形成されるようになっている。
図8(a)において、縦方向(同図においては奥行き方向)の略三角柱の高さよりも横方向の略三角柱の高さが低く形成されている。これにより、本実施形態の細胞培養容器を平面に載置した場合に、平面状器材11fと平面との間に通気可能な空間が形成されるようになっている。
このように凸部112fを格子状パターンに形成することで、ガス透過性フィルムと平面との接触面積を小さくすることができ、細胞培養容器のガス透過性能が阻害されることを防止することができる。
また、このような格子状パターンによれば、凸部112fの突起の強度を向上させることができる。
さらに、凸部112fとして、複数の略三角柱と他の複数の略三角柱とが斜めに交差するように形成することもできる。
また、このような格子状パターンによれば、凸部112fの突起の強度を向上させることができる。
さらに、凸部112fとして、複数の略三角柱と他の複数の略三角柱とが斜めに交差するように形成することもできる。
また、本実施形態では、薄肉部111fの幅が1~5mmとなるように形成されているが、薄肉部111fの幅は1~3mmとすることが好ましく、1~2mmとすることがより好ましい。
本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112fとして、ガス透過性フィルムにおける容器の内面に複数の略三角柱を格子状に並列して間隔を空けて形成すると共に、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の小突起部113fを形成し、当該外面を平面に接触させたときに、小突起部113fによって、当該ガス透過性フィルムと平面との間に通気可能な空間が形成されるようにすることが好ましい。
このように、本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法によれば、凸部が格子状パターンに間隔を空けて容器の内側に形成された、ガス透過性能と強度に優れた細胞培養容器を製造することができ、この細胞培養容器を用いて細胞を効率的に大量培養することが可能である。
[第八実施形態]
次に、本発明の第八実施形態について、図8(b)を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111gと凸部112gとが形成され、凸部112gとして、ガス透過性フィルムにおける容器の内面に複数の略三角柱が格子状に備えられ、かつ平行して隣り合う凸部112gが間隔を空けずに連続して形成される点で、第五実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第五実施形態と同様である。
次に、本発明の第八実施形態について、図8(b)を参照して説明する。
本実施形態の細胞培養容器は、ガス透過性フィルムに複数の薄肉部111gと凸部112gとが形成され、凸部112gとして、ガス透過性フィルムにおける容器の内面に複数の略三角柱が格子状に備えられ、かつ平行して隣り合う凸部112gが間隔を空けずに連続して形成される点で、第五実施形態と相違する。
本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法のその他の構成については、以下に説明する点を除いて第五実施形態と同様である。
具体的には、図8(b)に示すように、本実施形態の細胞培養容器において、ガス透過性フィルムである平面状器材11gには複数の薄肉部111gが点状に形成されている。また、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面には凸部112gが前後方向(同図においては奥行き方向)及び左右方向に平行して間隔を空けずに連続して形成されている。さらに、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面には、複数の小突起部113gが形成されている。
本実施形態では、対向する平面状器材11gの両方がガス透過性フィルムからなり、それぞれのガス透過性フィルムに薄肉部111g、凸部112g、及び小突起部113gが形成されているが、いずれか一方のみの平面状器材11gをガス透過性フィルムからなるものとして、当該ガス透過性フィルムに薄肉部111g、凸部112g、及び小突起部113gを形成した構成とすることもできる。
凸部112gは、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されると共に、当該複数の略三角柱に交差して他の複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されたもの(格子状パターン)とすることが好ましい。
図8(b)において、縦方向(同図においては奥行き方向)の略三角柱の高さよりも横方向の略三角柱の高さが低く形成されている。これにより、本実施形態の細胞培養容器を平面に載置した場合に、平面状器材11gと平面との間に通気可能な空間が形成されるようになっている。
図8(b)において、縦方向(同図においては奥行き方向)の略三角柱の高さよりも横方向の略三角柱の高さが低く形成されている。これにより、本実施形態の細胞培養容器を平面に載置した場合に、平面状器材11gと平面との間に通気可能な空間が形成されるようになっている。
このように凸部112gを格子状パターンに形成することで、ガス透過性フィルムと平面との接触面積を小さくすることができ、細胞培養容器のガス透過性能が阻害されることを防止することができる。
また、このような格子状パターンによれば、凸部112gの突起の強度を向上させることができる。
さらに、凸部112gとして、複数の略三角柱と他の複数の略三角柱とが斜めに交差するように形成することもできる。
また、このような格子状パターンによれば、凸部112gの突起の強度を向上させることができる。
さらに、凸部112gとして、複数の略三角柱と他の複数の略三角柱とが斜めに交差するように形成することもできる。
本実施形態の細胞培養容器の製造方法において、凸部112gとして、ガス透過性フィルムにおける容器の内面に複数の略三角柱を格子状に並列して間隔を空けずに形成すると共に、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の小突起部113gを形成し、当該外面を平面に接触させたときに、小突起部113gによって、当該ガス透過性フィルムと平面との間に通気可能な空間が形成されるようにすることが好ましい。
このように、本実施形態の細胞培養容器、細胞の製造方法、及び細胞培養容器の製造方法によれば、凸部が格子状パターンに間隔を空けずに連続して容器の内側に形成された、ガス透過性能と強度に優れた細胞培養容器を製造することができ、この細胞培養容器を用いて細胞を効率的に大量培養することが可能である。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。例えば、細胞培養容器に形成する凸部の形状を実施形態とは別個の様々な形状にしたり、第一実施形態から第八実施形態の一部を組み合わせて、凸部を容器の外側及び内側に形成した細胞培養容器とするなど適宜変更することが可能である。
本発明は、細胞培養バッグを使用して、細胞を高密度で大量培養する場合などに、好適に利用することが可能である。
1 細胞培養容器
11,11a~11g 平面状器材
111,111a~111g 薄肉部
112,112a~112g 凸部
113d~113g 小突起部
12 ポート
2 細胞
S 培養空間
H 周縁部
11,11a~11g 平面状器材
111,111a~111g 薄肉部
112,112a~112g 凸部
113d~113g 小突起部
12 ポート
2 細胞
S 培養空間
H 周縁部
Claims (11)
- 少なくとも1つのポートを有し、対向する平面状器材によって形成された袋状の閉鎖系の細胞培養容器であって、
前記平面状器材の少なくとも一方がガス透過性フィルムからなり、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面側に細胞を培養するための培養空間が備えられ、この培養空間を形成する当該ガス透過性フィルムに複数の薄肉部と凸部とが形成され、前記薄肉部の厚みが75μm以下である
ことを特徴とする細胞培養容器。 - 前記薄肉部の厚みが20~35μmであることを特徴とする請求項1記載の細胞培養容器。
- 前記凸部が形成された前記ガス透過性フィルムの表面が、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面であり、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面が凹凸のない平坦状であることを特徴とする請求項1又は2記載の細胞培養容器。
- 前記凸部が形成された前記ガス透過性フィルムの表面が、当該ガス透過性フィルムにおける容器の内面であり、当該ガス透過性フィルムにおける容器の外面に複数の小突起部が形成され、当該外面を平面に接触させたときに、前記小突起部によって、当該ガス透過性フィルムと前記平面との間に通気可能な空間が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の細胞培養容器。
- 対向する前記平面状器材の両方がガス透過性フィルムからなり、それぞれのガス透過性フィルムに前記複数の薄肉部と前記凸部とが形成されたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の細胞培養容器。
- 前記凸部として、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されたことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の細胞培養容器。
- 前記凸部として、複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されると共に、当該複数の略三角柱に交差して他の複数の略三角柱が山脈状に並列して形成されて、これらの複数の略三角柱が格子状に備えられたことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の細胞培養容器。
- 平行して隣り合う前記凸部が1~5mmの間隔を空けて形成されたことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の細胞培養容器。
- 平行して隣り合う前記凸部が間隔を空けずに形成され、前記薄肉部が線状又は点状に形成されたことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の細胞培養容器。
- 請求項1~9のいずれかに記載の細胞培養容器を用いて細胞を培養することを特徴とする細胞の製造方法。
- 少なくとも1つのポートを有し、対向する平面状器材によって形成された袋状の閉鎖系の細胞培養容器の製造方法であって、
前記平面状器材の少なくとも一方としてガス透過性フィルムを用いて、前記ガス透過性フィルムに厚みが75μm以下である複数の薄肉部と、凸部とを形成し、
対向する前記平面状器材の周縁部を貼り合わせて、前記ガス透過性フィルムにおける容器の内面側に細胞を培養するための培養空間を形成する
ことを特徴とする細胞培養容器の製造方法。
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