JP7237383B2 - アンドロゲン依存性又は非依存性前立腺癌細胞の抑制用の組成物及びそれを含有する前立腺癌の医薬製剤 - Google Patents
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Description
前記の目的を達成するためになされた本発明のアンドロゲン依存性又は非依存性前立腺癌細胞の抑制用の組成物は、下記化学式(1’)
この組成物は、例えば前記ケトン誘導体が、Y3-を、前記水素原子、若しくは炭素数1~12の直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状の前記飽和又は不飽和のパーフルオロ炭化水素基、炭素数1~14の直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状の前記飽和又は不飽和のパーシャルフルオロ炭化水素基から選ばれる前記ハロゲノ炭化水素基とすることを特徴とする。
この組成物は、例えば前記ケトン誘導体が、下記化学式(2-1’)、又は化学式(2-2’)
この組成物は、例えば前記ケトン誘導体が、前記化学式(2-1’)で表わされ、Y3-をCnF2n+1-(CH2)m-(式中、nは1~12の数、mは0~2の数)で表される前記ハロゲノ炭化水素基とすることを特徴とする。
この組成物は、例えば前記ケトン誘導体が、前記化学式(2-1’)中のR1-~R10-のうちR6-及び/又はR10-と、前記化学式(2-2’)中のR16-~R20-のうちR16-及び/又はR20-とを水酸基とすることを特徴とする。
この組成物は、例えば前記ケトン誘導体が、下記化学式で表される化合物[4]又は化合物[6]
中でも、本発明のアンドロゲン依存性又は非依存性前立腺癌細胞の抑制用の組成物の一態様は、下記化学式(1’)
中でも、化学式(1’)のα,β-不飽和のケトン誘導体には、X-とY1-及びY2-の少なくとも何れかとがベンゼン環基であってZ=がO=であるカルコン化合物の他、そのカルコン化合物のZ=がO=の等価体となったカルコン誘導体、そのカルコン誘導体の更に類縁体であってX-とY1-及びY2-がそのベンゼン環基を他の炭化水素芳香環基や芳香族複素環基で置換した別な誘導体を含む。Y1-とY2-との一方が炭化水素芳香環基や芳香族複素環基である場合、他方は水素原子である。
中でも、化学式(1’)中、X-並びにY1-及びY2-は同一又は異なり、同一又は異なる置換基を夫々有していてもよく無置換であってもよいものである。例えば、X-並びにY1-及びY2-は、独立に、単環性又は縮環性の炭化水素芳香環基であってもよく、硫黄のようなヘテロ原子を有し単環性又は縮合性の芳香族複素環基であってもよい。
中でも、化学式(1’)中、単環性炭化水素芳香環基の芳香環はベンゼンである。縮環性炭化水素芳香環基の芳香環は例えばナフタレンが挙げられる。単環性の芳香族複素環基の複素環は例えばチオフェンが挙げられる。縮合性の芳香族複素環基の複素環は例えばベンゾチオフェンが挙げられる。
中でも、化学式(1’)中、
中でも、例えば、化学式(2-1’)で表わされるフェニル-スチリル-ケトン誘導体(式中、X-、Y3-、Z-、R1-~R10-は前記の通り)、若しくは化学式(2-2’)で表わされるフェニル-ヘテロアリールビニレン-ケトン誘導体(式中、X-、Y-(Y-はY1-又はY2-を示す)、Z-、R16-~R20-は前記の通り)であると一層好ましい。
(1)前立腺癌培養細胞に対する顕著な抗腫瘍効果を示す。
(2)アンドロゲン受容体が無く増殖が最も早いアンドロゲン非依存性DU145細胞やアンドロゲン受容体が無い別なアンドロゲン非依存性PC-3のようなアンドロゲン非依存性細胞の増殖を抑制する。何れもIC50は、10μM以下であって、0.1~10μM程度又はそれ未満である。
(3)アンドロゲンで増殖が促進されるアンドロゲン依存性ヒト前立腺癌細胞株であるLNCaP細胞に対して、アンドロゲンの有無に関わらず細胞増殖を抑える。
(4-1)アンドロゲン依存性(野生型)のアンドロゲン受容体(AR)の活性化を強力に阻害する。
(4-2)それのみならず、ミューテーションのある非依存性(AR-V7やAR877変異型)のアンドロゲン受容体(AR)の活性化を強力に阻害する。
(5)ドセタキセルやカバジタキセル等のタキサン系薬物耐性株に対しても、有効な抗腫瘍効果を示す。
(A)ホルモン依存性の前立腺癌だけではなく、
(B)去勢抵抗性(ホルモン非依存性)前立腺癌に対しても有望であり、
(C)P-糖タンパクの過剰発現した多剤耐性癌細胞にも効果を示し、
(D)進行度の違うあらゆるタイプの前立腺癌に有効な化学療法剤の有効成分であることを示唆している。
HRMS (m/z): [M+H]+ 理論値, C16H14BrO3, 333.0126; 実測値, 333.0129.
これらの理化学分析の結果は、化合物[1]の構造を支持する。
HRMS (m/z): [M+H]+ 理論値, C15H12ClO3, 275.0475;実測値, 275.0477.
これらの理化学分析の結果は、化合物[2]の構造を支持する。
HRMS (m/z): [M+H]+ 理論値, C14H11ClNO2, 260.0478; 実測値, 260.0474.
これらの理化学分析の結果は、化合物[3]の構造を支持する。
HRMS (m/z): [M+H]+ 理論値, C17H12ClO2S, 315.0247; 測定値, 315.0255.
これらの理化学分析の結果は、化合物[4]の構造を支持する。
1H NMR (400MHz, CDCl3):δ 8.04-8.02 (m, 2H), 7.82 (d, J = 15.6 Hz, 1H, CH=CHAr), 7.67-7.65 (m, 2H), 7.62-7.50 (m, 4H), 7.44-7.42 (m, 2H).
この理化学分析の結果は、化合物[5]の構造を支持する。
1H NMR (600 MHz, CDCl3): δ 7.90-7.89 (m, 2H), 7.52-7.50 (m, 2H), 7.38-7.35 (m, 2H), 7.25-7.18 (m, 5H).
13C NMR (150 MHz, CDCl3): δ 192.7, 136.9 (q, J = 5.7 Hz), 135.4, 134.3, 132.0, 130.1, 129.6, 129.5, 128.8, 128.7, 123.2 (q, J = 273.0 Hz).
この理化学分析の結果は、化合物[6]の構造を支持する。
本発明を適用する組成物及び医薬製剤の効果を検討するために使用した材料及び方法は、以下の通りである。
アンドロゲンで増殖が促進されるアンドロゲン依存性ヒト前立腺癌細胞株のLNCaP細胞とアンドロゲン受容体が無いアンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞株のDU145細胞(ATCC社製)をそれぞれ、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S、インヴィトロゲン社製)と5%牛胎仔血清(FBS、シグマ-アルドリッチ社製)とが添加されたダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で、培養した。
先端が欠損したAR cDNAであってアンドロゲン非依存で構造的に活性化したバリアントAR(AR-V7)は、LNCaP-SF細胞RNAから分子生物学的手法により作製された。完全長ワイルドタイプARを発現している遺伝子組み換えプラスミドpEGFP-ARと、緑色蛍光タンパク質(GFP)と結合した遺伝子組み換えプラスミドpEGFP-AR-V7とは、SV40プロモーター(開始コドンの24~3110bp)で誘導されたpSGAR2の完全長AR cDNAとAR-V7 cDNAとをそれぞれ、pEGFP-C1(インヴィトロゲン社製)に挿入することによって構築した(Endocrinol Jpn.(エンドクリノール ジャパン) 1992年、第39巻(第3号)、p.235-243参照)。ARとAR-V7 cDNAとの挿入構造は、配列分析によって確認した。
AR転写活性を評価するため、5×104個の細胞をDMEM-5%CCSの入った12ウェルプレートに播種し24時間後、LNCaP細胞又はPC-3細胞は、0.5μgのルシフェラーゼ レポーター プラスミド、5.8kb PSAプロモーターで誘導されたpGL3PSAp-5.8を使用し、リポフェクタミン トランスフェクション反応(LTX、インヴィトロゲン社)を用いて、それぞれトランスフェクションした(The Journal of Urology(ザ ジャーナル オブ ウロロジー)、2000年、第164巻(第3号 Pt 1)、p.800-805参照)。LNCaPでのトランスフェクションの場合は、既にARが存在しているため、0.5μg pGL3PSAp-5.8レポーターのみをトランスフェクションしてルシフェラーゼアッセイを行ったのに対して、PC-3の場合は、ARが発現していないため、50 ng pEGFP-AR, pCMV-ARmut、またはpEGFP-AR-V7と0.4μg のpGL3PSAp-5.8レポーターをcotransfectionしてルシフェラーゼアッセイを行った。24時間後にトランスフェクションしたLNCaP細胞又はPC-3細胞若しくはAR(Thr877Ala)細胞を用い、所定濃度の各サンプル(化合物[1]・[2])及び比較対照化合物)をDHT(ジヒドロテステロン)共存下又は非共存下で添加して24時間処理した。処理した細胞を採取し、各細胞を、ルシフェラーゼ溶解緩衝液(プロメガ社製)中で溶解し、ルシフェラーゼ活性を、照度計で定量した。PC-3細胞中でのAR-V7活性を評価するため、5×104個のPC-3細胞を50ngのpEGFP-AR-V7及び0.4μgのpGL3PSAp-5.8でコトランスフェクションし、その後、細胞をさらに、試薬で処理してから、ルシフェラーゼ活性を測定した。
化合物間の増殖阻害活性を正確に比較するため、5×104個のアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞DU145細胞を、0.3μM、1.0μM、3.0μM、10μMの各サンプル(化合物[1]及び化合物[2]は本発明実施対象例、エンザルタミド(Enz、下記式参照)及び2’-ヒドロキシフラバノン(2’-HF、下記式参照)は本発明適用外の対照例)存在下、又は非存在下(コントロール)で処理したこと以外は条件を統一し併行して増殖阻害について測定した。DU145細胞を4日後に採取し、3回ずつ、血球計数器を用いてその細胞数を計測した。データは、3回の平均値で示した。その結果を、図1に示す。
別な化合物間の増殖阻害活性を測定するため、5×104個のアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞DU145細胞を、1.0μM、3.0μM、10μMの各サンプル(化合物[1]及び化合物[2]は本発明の参考実施対象例、Enz及び2’-HFは本発明適用外の対照例)存在下、及び1.0μM、2.0μM、4μMの各サンプル(化合物[4]及び化合物[6]は本発明実施対象例)存在下、並びに非存在下(コントロール)で処理したこと以外は条件を統一し併行して増殖阻害について、試験例1と同様にして測定した。その結果を、図2に示す。さらに、そのときのIC50を表1に示す。
DU145細胞に代えてPC-3細胞を用いたこと以外は、試験例1と同様にして、0.3μM、1.0μM、3.0μM、10μMの各サンプル(化合物[1]・[2]は本発明実施対象例、エンザルタミド(Enz)及び2’-HF)は本発明適用外の対照例)について、検討した。その結果を図3に示す。図3から明らかな通り、アンドロゲン受容体に競合結合し核内移行を阻害してアンドロゲンの活性を阻害する対照例のエンザルタミドは、PC-3細胞の増殖を全く抑制しなかった。それに対し、対照例の2’-HFと実施例の化合物[1]・[2]とは何れも、PC-3細胞の増殖を、IC50で約3~10μMの濃度で、抑制した。
別な化合物間の増殖阻害活性を測定するため、試験例2に準拠し、0μM、1.0μM、3.0μM、10μMの各サンプル(化合物[1]・[2]は本発明実施対象例、Enz及び2’-HFは本発明適用外の対照例)、0μM、1.0μM、2.0μM、4.0μMの各サンプル(化合物[4]・[6]は本発明実施対象例)で処理したこと以外は条件を統一し併行して増殖阻害について、試験例2と同様にして測定した。その結果を図4に示す。さらに、そのときのIC50を表2に示す。
DU145細胞に代えてLNCaP細胞を用いたこと、及び各サンプルと共にジヒドロテストステロン(DHT)を共存下(+)又は非共存(-)条件下としたこと以外は、試験例1と同様にして、1.0μM、3.0μM、10μMの各サンプル(化合物[1]・[2]は本発明実施対象例、Enz及び2’-HFは本発明適用外の対照例)について、検討した。その結果を図5に示す。図5から明らかな通り、コントロールはDHT共存下でLNCaP細胞が増殖していた。EnzはDHT共存下で増殖を阻害したが、DHT非共存下で増殖を阻害しない。一方、2’-HFと化合物[1]・[2]とは、DHTの有無に関わらずLNCaP細胞の増殖を抑制した。とりわけ化合物[1]・[2]は、DHTアンドロゲン依存性の前立腺癌細胞の増殖を強く抑制することが示された。
別な化合物間の増殖阻害活性を測定するため、試験例3に準じ、0μM、1.0μM、3.0μM、10μMの各サンプル(化合物[1]・[2]は本発明実施対象例、2’-HFは本発明適用外の対照例)、
及び1.0μM、2.0μM、4μMの各サンプル(化合物[4]及び化合物[6]は本発明実施対象例)について、検討した。その結果を図6に示す。さらに、そのときのIC50を表3に示す。
LNCaP-SF細胞は、DHTによりアンドロゲン受容体の活性が落ちるという細胞であり去勢抵抗性前立腺癌のモデル細胞である。DU145細胞に代えてLNCaP-SF細胞を用いたこと、及び各サンプルと共にジヒドロテストステロン(DHT)を共存下(+)又は非共存(-)条件下としたこと以外は、試験例1と同様にして、1.0μM、3.0μM、10μMの各サンプル(化合物[1]・[2]は本発明実施対象例、Enz及び2’-HFは本発明適用外の対照例)について、検討した。その結果を図7に示す。図7から明らかな通り、コントロールはDHT非共存下でLNCaP-SF細胞が増殖していた。EnzはDHT共存下・非共存下で増殖を阻害しない。一方、2’-HFと化合物[1]・[2]とは、DHTの有無に関わらずLNCaP-SF細胞の増殖を抑制した。とりわけ化合物[1]・[2]は、アンドロゲン非依存性の前立腺癌細胞の増殖を強く抑制することが示された。
アンドロゲン非依存性細胞でありアンドロゲン受容体を発現していないPC-3に野生型ARを強制発現させ、ルシフェラーゼアッセイにより、(化合物[1]・[2]は本発明実施対象例、2’-HFは本発明適用外の対照例)に対し、アンドロゲン受容体活性をルシフェラーゼ活性として測定した。その結果を図8に示す。図8から明らかな通り、コントロールはDHTによりアンドロゲン受容体を極めて活性化していた。一方、2’-HFと化合物[1]・[2]とは、DHTが共存しているにも関わらず、アンドロゲン受容体活性化・増強を極めて強く阻害していた。とりわけ化合物[1]はアンドロゲン受容体転写活性化能・増強の阻害作用が強かった。
アンドロゲン依存性のLNCaPについて、試験例5と同様にして、各サンプル(化合物[1]・[2]は本発明実施対象例、2’-HFは本発明適用外の対照例)について、アンドロゲン受容体活性を測定した。その結果を図9に示す。図9から明らかな通り、コントロールはDHTによりアンドロゲン受容体を極めて活性化していた。2’-HFはDHTが共存しているにも関わらず、アンドロゲン受容体活性化・増強を幾分か阻害していた。一方、化合物[1]・[2]とは、DHTが共存・非共存に関わらず、アンドロゲン受容体活性化・増強を極めて強く阻害していた。とりわけ化合物[1]はアンドロゲン受容体活性化・増強の阻害作用が強かった。
Thr877Alaは、本来、抗アンドロゲン剤であるべきフルタミド(flutamide;Flu)がアゴニストとして働き、アンドロゲン受容体を活性化させる前立腺癌細胞である。このThr877Alaについて、試験例5と同様にして、各サンプル(化合物[1]・[2]は本発明実施対象例、Flu、Enz及び2’-HFは本発明適用外の対照例)について、アンドロゲン受容体活性を測定した。その結果を図10に示す。図10から明らかな通り、コントロールはDHTによりアンドロゲン受容体を極めて活性化しており、Fluの存在によりDHTの共存の有無に関わらずコントロールよりもアンドロゲン受容体活性化・増強を促進していた。一方、Enz、2’-HF、化合物[1]・[2]、とりわけ化合物[1]は、このような変異細胞株に対しても、アンドロゲン受容体活性化・増強の阻害作用が強かった。
AR-V7を遺伝子導入した細胞は、アンドロゲン結合部位が欠損してアンドロゲン受容体が常に活性化されている。このような細胞について、試験例5と同様にして、各サンプル(化合物[1]・[2]は本発明実施対象例、Enz及び2’-HFは本発明適用外の対照例)について、アンドロゲン受容体活性を測定した。その結果を図11に示す。図11から明らかな通り、コントロールはDHTの有無によらずアンドロゲン受容体を活性化・増強する。Enzはコントロールと同レベルで、AR-V7の活性を阻害しない。2’-HFが共存すると、コントロールよりもアンドロゲン受容体を活性化・増強を促進する。一方、化合物[1]・[2]、とりわけ化合物[1]は、このようなAR-V7に対しても、アンドロゲン受容体活性化・増強の阻害作用が極めて強かった。
ドタキセル耐性株(PC-3-TxRとDU145-TxR)と、それから樹立されたカバジタキセル耐性株(PC-3-TxR/CxRとDU145-TxR/CxR)とを、0μM、3.0μM、10μM、30μMの各サンプル化合物[1]・[2]存在下で試験例1と同様にして培養した結果を、図12に示す。図12から明らかな通り、これら耐性株の増殖を、化合物[1]・[2]とも、IC50で約3~10μMの濃度で、抑制した。
7週齢のC.B-17/Icr-scid系雄マウス(scid/scid)(日本クレア株式会社)を購入し、8週齢でマウスの背部皮下に約200万個の前立腺癌細胞PC-3をMATRIGEL(コーニング社製;登録商標)と混ぜて注入した。腫瘍の体積(短径2×長径)が200mm3を超えたところでマウスを5匹ずつ4群に分け、controlとしてDMSO(ジメチルスルホキシド)群、ドセタキセル(Doc、下記式参照)の10mg/kg群、化合物[4]の30mg/kg群、化合物[4]の50mg/kg群として、各用量のDMSO液にして、DMSO腹腔内投与を開始した。ドセタキセルは初回と1週後の2回腹腔内投与し、その他は4日ごとに、各用量のDMSO液を40μlずつ投与した。腫瘍の体積は4日ごとに測定した。飼育環境はバリアーシステムの飼育室で水道水(自由摂取)および固形飼料(自由摂取)を与えた。その結果を図13に示す。
Claims (11)
- 下記化学式(1’)
- 前記ケトン誘導体が、Y3-を、前記水素原子、若しくは炭素数1~12の直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状の飽和又は不飽和のパーフルオロ炭化水素基、炭素数1~14の直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状の飽和又は不飽和のパーシャルフルオロ炭化水素基から選ばれる前記ハロゲノ炭化水素基とすることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
- 前記ケトン誘導体が、下記化学式(2-1’)、又は化学式(2-2’)
- 前記ケトン誘導体が、前記化学式(2-1’)で表わされ、Y3-をCnF2n+1-(CH2)m-(式中、nは1~12の数、mは0~2の数)で表される前記ハロゲノ炭化水素基とすることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
- 前記ケトン誘導体が、前記化学式(2-1’)中のR1-~R10-のうちR6-及び/又はR10-と、前記化学式(2-2’)中のR16-~R20-のうちR16-及び/又はR20-とを水酸基とすることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
- 前立腺癌の予防用、治療用、再発防止用、及び/又は再燃防止用の医薬製剤用であることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の組成物。
- エリキシル剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、軟膏、懸濁剤、液剤、腸溶剤、乳剤、硬膏剤、坐剤、散剤、錠剤、シロップ剤、注射剤、トローチ剤、軟膏剤、ハップ剤、リニメント剤、リモナーデ剤、及びローション剤から選ばれる何れかの剤形の前立腺癌の予防用、治療用、再発防止用、及び/又は再燃防止用の医薬製剤用であることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の組成物。
- 前立腺癌の予防用、治療用、再発防止用、及び/又は再燃防止用の医薬製剤用であって、かつアンドロゲン受容体活性化の抑制用、アンドロゲン反応性の抑制用、アンドロゲン受容体発現の抑制用、アンドロゲン依存性前立腺癌の増殖抑制用、アンドロゲン非依存性前立腺癌の増殖抑制用、アンドロゲン受容体の転写活性化能の阻害用、AR-V7の抑制用、及び/又は抗癌剤耐性前立腺癌の抑制用の医薬製剤用であることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の組成物。
- 前記前立腺癌が、去勢抵抗性前立腺癌であることを特徴とする請求項7~9の何れかに記載の組成物。
- 賦型剤、分散剤、充填剤、担体、及び/又は溶剤を含有する医薬製剤用であることを特徴とする請求項1~10の何れかに記載の組成物。
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