JP7236891B2 - 車両の熱管理システム - Google Patents

車両の熱管理システム Download PDF

Info

Publication number
JP7236891B2
JP7236891B2 JP2019050395A JP2019050395A JP7236891B2 JP 7236891 B2 JP7236891 B2 JP 7236891B2 JP 2019050395 A JP2019050395 A JP 2019050395A JP 2019050395 A JP2019050395 A JP 2019050395A JP 7236891 B2 JP7236891 B2 JP 7236891B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
compressor
control device
battery
vortex tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019050395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020153544A (ja
Inventor
克博 久保
孝史 石坂
識 成田
克彦 伊藤
明彦 山下
直樹 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2019050395A priority Critical patent/JP7236891B2/ja
Publication of JP2020153544A publication Critical patent/JP2020153544A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7236891B2 publication Critical patent/JP7236891B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

Description

本発明は、ボルテックスチューブを用いて車両に備わる機器の熱管理をする車両の熱管理システムに関する。
車両には、圧縮機から供給された圧縮空気を暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出するボルテックスチューブを用い、ボルテックスチューブから排出される暖気および冷気を弁の切り換えにより車両に備わる機器の熱管理をするようにした例(例えば、特許文献1参照)がある。
US2018/0290547A1
特許文献1に開示された車両の熱管理システムは、ポンプにより圧縮された空気がボルテックスチューブに供給され、ボルテックスチューブで分離されて排出された暖気と冷気がバルブに送られて、バルブの弁の切り換えにより構成要素に暖気または冷気が供給されて構成要素の温度調整を行う熱管理システムであり、コントローラーにより制御されている。
コントローラーは、一般にCPUや複数の半導体素子が詰め込まれた集積回路等からなり、発熱し易く、この熱によりCPUがダメージを受けることがあるので、可及的に冷却されることが望ましい。
しかし、特許文献1では、コントローラーを冷却する手段については開示されていない。
コントローラーを積極的に冷却するとなると、送風等の機器が必要となり、その配置スペースが課題となるとともに、コスト高となる。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、ボルテックスチューブに圧縮空気を送る圧縮機を利用して、制御装置(コントローラー)の温度上昇を抑制することができる車両の熱管理システムをコンパクトに低コストで供する点にある。
上記目的を達成するために、本発明は、
空気を圧縮して排出する圧縮機と、
前記圧縮機から排出された圧縮空気を導入し、暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出するボルテックスチューブと、を備え、
前記ボルテックスチューブから排出される暖気と冷気を、それぞれ車両に備わるバッテリや回転電機等に導き熱管理をする車両の熱管理システムにおいて、
前記圧縮機に空気を吸入する吸入通路を有し、
前記吸入通路は、前記回転電機を制御する制御装置が収納される制御ケースに接続され、前記圧縮機に吸入される空気が前記制御装置を経由することを特徴とする車両の熱管理システムを提供する。
この構成によれば、圧縮機から排出された圧縮空気を導入し、暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出するボルテックスチューブを備え、ボルテックスチューブから排出される暖気と冷気を、それぞれ車両に備わるバッテリや回転電機に導き熱管理をする車両の熱管理システムにおいて、圧縮機に空気を吸入する吸入通路が、回転電機を制御する制御装置を収納する制御ケースに接続され、圧縮機に吸入される空気が制御装置を経由するので、圧縮機が駆動される限り、常に圧縮機に吸入される空気が制御装置を経由して制御装置を冷却し、制御装置の温度上昇を抑制することができる。
熱管理システムは、既存の圧縮機を利用して制御装置の温度上昇を抑制することができ、コンパクトに構成し、低コスト化を図ることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記ボルテックスチューブから排出された冷気を、前記回転電機に導く冷気導通路と、
前記ボルテックスチューブから排出された冷気を、前記冷気導通路とは別に、分流して前記制御ケースに導く分流冷気導通路とを備え、
前記分流冷気導通路の途中に分流冷気の連通を開閉する分流冷気開閉弁が設けられる。
この構成によれば、ボルテックスチューブから排出された冷気を回転電機に導く冷気導通路を有するので、ボルテックスチューブから排出された冷気により回転電機を冷却することができる。
また、ボルテックスチューブから排出された冷気を、前記冷気導通路とは別に、分流して制御ケースに導く分流冷気導通路を備え、同分流冷気導通路の途中に分流冷気の連通を開閉する分流冷気開閉弁が設けられるので、分流冷気開閉弁を閉弁して分流冷気導通路を閉じているときは、制御装置は圧縮機に導入される空気のみにより冷却されるが、分流冷気開閉弁を開弁すると、分流冷気の連通が制御ケース内に導入されて制御装置をより一層冷却することができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記制御装置には、同制御装置の温度を検出する制御装置温度センサが設けられ、
前記制御装置は、前記制御装置温度センサが検出した前記制御装置の温度が所定の温度閾値を超えたときに、前記分流冷気開閉弁を開弁して冷気を前記制御装置に流す。
この構成によれば、発熱により温度が上昇する制御装置の温度を制御装置温度センサが検出し、制御装置温度センサが検出した制御装置の温度が所定の温度閾値に達する前は、圧縮機に導入される空気により制御装置が冷却されるが、所定の温度閾値を超えたときに、分流冷気開閉弁を開弁して冷気を制御装置に流すので、制御装置を冷気により一層冷却して、制御装置の温度上昇を抑制することができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記制御装置には、同制御装置の温度を検出する制御装置温度センサが設けられ、
前記制御装置は、前記制御装置温度センサが検出した前記制御装置の温度の温度上昇率が所定の温度上昇率閾値を超えたときに、前記分流冷気開閉弁を開弁して冷気を前記制御装置に流す。
制御装置は、比較的に温度上昇率が大きいので、短時間に高温となる。
そこで、この構成によれば、制御装置温度センサが検出した制御装置の温度上昇率が所定の温度上昇率閾値を超えたときに、分流冷気開閉弁を開弁して冷気を制御装置に流すので、制御装置の温度が急激に上昇するような場合に、速やかに冷気により制御装置を冷却して、制御装置の温度上昇をより効果的に抑制することができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記回転電機は、車両を走行させる走行用電動機であり、
前記圧縮機は、圧縮機用電動機を一体に備えた電動圧縮機であり、
前記ボルテックスチューブから排出された暖気を前記バッテリに導く暖気導通路を備え、
前記暖気導通路の途中に導通を切り換えて外部に暖気を排出できる暖気切換弁が設けられ、
前記バッテリには、同バッテリの温度を検出するバッテリ温度センサが設けられ、
前記制御装置は、前記バッテリ温度センサが検出した前記バッテリの温度が所定の温度閾値を下回る状態では、前記走行用電動機の駆動による走行開始前に、前記圧縮機用電動機を駆動させ、かつ前記暖気切換弁を切り換えて前記ボルテックスチューブから排出された暖気を前記バッテリに供給する。
バッテリは、低温下での使用により劣化を早めるとともに、低温放電により破損リスクがあり、ある温度以上の活性化した状態での使用が、効率的で劣化も抑制されて望ましい。
そこで、この構成によれば、制御装置は、バッテリ温度センサが検出したバッテリの温度が所定の温度閾値を下回る状態では、走行用電動機の駆動による走行開始前に、圧縮機用電動機を駆動させ、かつ暖気切換弁を切り換えてボルテックスチューブから排出された暖気をバッテリに供給するので、低温下のバッテリから走行用電動機に大電力を供給して駆動する前に、圧縮機用電動機に小電力を供給して圧縮機を駆動して、圧縮空気をボルテックスチューブに供給し、ボルテックスチューブから排出される暖気を暖気切換弁の切り換えでバッテリに供給して、バッテリを加温することができ、バッテリの放電による自己発熱と合わせて、バッテリの温度を上昇させ、バッテリを速やかに活性化することができる。
バッテリの温度が所定の温度閾値を超えている状態では、バッテリは活性化されており、走行用電動機に電力を供給して駆動しても負担は小さく劣化も抑制されるとともに、破損リスクはない。
そこで、バッテリの温度が所定の温度閾値を超えたときは、暖気切換弁はボルテックスチューブから排出される暖気を切り換えて、バッテリに供給せずに外部に排出するので、バッテリを不必要に温めることはしない。
本発明の好適な実施形態では、
前記回転電機は、車両を走行させる走行用電動機であり、
前記圧縮機は、前記走行用電動機により駆動され、
前記圧縮機(251)から圧縮空気を前記ボルテックスチューブ(260)に導入する導入通路の途中に、サージタンクが設けられる。
この構成によれば、圧縮機が回転電機である走行用電動機により駆動されるので、車両の走行に伴う走行用電動機の出力変動により圧縮機から排出される圧縮空気の圧力が変動するが、圧縮機からボルテックスチューブへの圧縮空気の導入通路の途中に、サージタンクが設けられることで、圧縮空気の圧力変動を緩和して平準化することができ、ボルテックスチューブ内の熱の移動による暖気と冷気の分離が安定して効果的に行え、冷却性および加温性を向上させることができる。
本発明は、圧縮機から排出された圧縮空気を導入し、暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出するボルテックスチューブを備え、ボルテックスチューブから排出される暖気と冷気を、それぞれ車両に備わるバッテリや回転電機に導き熱管理をする車両の熱管理システムにおいて、圧縮機に空気を導く吸入通路が、回転電機を制御する制御装置を収納する制御ケースに接続され、圧縮機に吸入される空気が制御装置を経由するので、圧縮機が駆動される限り、常に圧縮機に吸入される空気が制御装置を経由して制御装置を冷却し、制御装置の温度上昇を抑制することができる。
熱管理システムは、既存の圧縮機を利用して制御装置の温度上昇を抑制することができ、コンパクトに構成し、低コスト化を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る熱管理システムを備えた電動二輪車の全体側面図である。 同電動二輪車の要部側面図である。 同要部縦断面である。 断面で示した電動圧縮機とボルテックスチューブを示す平面図である。 ボルテックスチューブの縦断面図である。 冷却ダクトの斜視図である。 走行用電動機に対する冷却ダクトの分解斜視図である。 同熱管理システムの配線配管図である。 同熱管理システムにおける分流冷気開閉弁と暖気切換弁の制御のフロ-チャートである。 別の実施の形態に係る熱管理システムにおける分流冷気開閉弁と暖気切換弁の制御のフロ-チャートである。 また別の実施の形態に係る熱管理システムを備えた電動二輪車の要部側面図である。 ケースカバーを省略した同要部側面図である。 同要部縦断面である。 同熱管理システムの配線配管図である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図9に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係る熱管理システムSを備える鞍乗型車両である電動二輪車1の側面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る自動二輪車1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
図1に示されるように、電動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ3から下方に延びるダウンフレーム4と、ダウンフレーム4の下端部から左右車幅方向に分岐しながら若干下方に下がってから車両後方に延びる左右一対のロアフレーム5,5と、ロアフレーム5,5の後端部から斜め後ろ上がりに延びるシートレール6,6とからなる。
ヘッドパイプ3に回転可能に軸支されるステアリング軸7の上端にハンドル8が設けられ、ステアリング軸7の下端部に連結される左右一対のフロントフォーク9,9が前下がりに延び、フロントフォーク9,9の下端部に前輪10が回転自在に軸支される。
一方、ロアフレーム5,5の後部における屈曲して斜め上方に延びる傾斜部にピボットプレート11,11が固着され、左右のピボットプレート11,11間に架設されたピボット軸12に、スイングケース20の前端の前方に突出した左右一対のハンガブラケット20h,20hが軸支されて、上下に揺動自在にスイングケース20が設けられている。
スイングケース20は、左右車幅方向の左側に偏って前後方向に長尺のケースであり、スイングケース20の後部に後輪15が片持ち式に後車軸16を軸支されて回転可能に設けられている。
スイングケース20の後端のブラケット20bとスイングケース20の上方の後部フレームであるシートレール6の後部のブラケット6bとの間にリヤクッション13が介装されている。
左右のロアフレーム5,5に支持されてバッテリ14が搭載される。
車体フレーム2は、車体カバー18で覆われる。
車体カバー18のシートレール6を覆うセンタカバー部18cの上にはシート19が設けられる。
また、左右のロアフレーム5,5の上にステップ部18s,18sが設けられ、ステップ部18s,18sの間に搭載されたバッテリ14を上方からバッテリカバー14Cが覆う。
ピボット軸12に軸支された前部から車幅方向の左側を後方に延びるスイングケース20は、前後に長尺の鉛直面をなす側壁20Aと同側壁20Aの周縁で屈曲して左方に延びる外周壁20Bとで概形が形成されており、外周壁20Bの左端開口面が同一鉛直面をなす合せ面20Bfであり、外周壁20Bの内側の左方に開放した空間を左側からケースカバー21が覆う。
図3を参照して、スイングケース20の外周壁20Bの合せ面20Bfにケースカバー21の合せ面を合わせて、スイングケース20の左側をケースカバー21が覆うことで内部に形成される内空間の後部に車両を走行させる走行用電動機30が配設される。
走行用電動機30は、ステータコイルとロータとが径方向に配置されたラジアルギャップ型の交流電動機であり、電動機出力軸31にインナロータ32が一体に設けられ、インナロータ32の外周に環状のアウタステータ33が覆っている。
電動機出力軸31は左右車幅方向に指向しており、インナロータ32を囲うアウタステータ33は、スイングケース20に固定されている。
アウタステータ33のステータ鉄心にステータコイル33cが巻回されている。
インナロータ32およびアウタステータ33は電動機ケース34内に収容されている。
電動機出力軸31は、円筒状をなし、内部を貫通するクラッチ出力軸40にベアリングを介して相対回転自在に軸支されている。
クラッチ出力軸40は、スイングケース20にベアリング40aを介して軸支されるとともに、左端がケースカバー21にベアリング40bを介して軸支されている。
クラッチ出力軸40の左端部と電動機出力軸31の左端部との間に発進クラッチ35が設けられている。
発進クラッチ35は、遠心クラッチであり、電動機出力軸31の左端部にクラッチインナ36が取り付けられ、クラッチ出力軸40の左端部にクラッチアウタ37が取り付けられ、電動機出力軸31が所定回転数を超えると、クラッチインナ36のクラッチシュー36aがばね36sに抗して揺動してクラッチアウタ37の内周面に接してクラッチアウタ37を一体に回転させ、クラッチ出力軸40に動力を伝達する。
スイングケース20の側壁20Aの後部右側面には、減速機カバー22により覆われ、内部に減速歯車機構41が収納される減速機室41cが形成される。
クラッチ出力軸40は、ベアリング40aを右方に貫通して減速機室41c内に突出している。
減速歯車機構41は、クラッチ出力軸40と後部の後輪15を支持する後車軸16との間に、中間軸42を介した2軸減速機構として構成されている。
中間軸42に嵌着された中間大径ギヤ42bがクラッチ出力軸40に形成された小径ギヤ40sと噛合している。
中間軸42に形成された中間小径ギヤ42sは、後車軸16の減速機室41c内の後車軸大径ギヤ16bと噛合している。
後車軸16は、スイングケース20と減速機カバー22にベアリング16a,16cを介して軸支され、同後車軸16の減速機カバー22より右方に突出した部分に後輪15のホイール15wが嵌着される。
したがって、クラッチ出力軸40の回転は、減速歯車機構41の小径ギヤ40sと中間大径ギヤ42bの噛合および中間小径ギヤ42sと後車軸大径ギヤ16bの噛合を介して2軸減速されて後車軸16に伝達されて後輪15が回転される。
本電動二輪車1は、図2および図3を参照して、スイングケース20の左右のハンガブラケット20h,20hが前方に突出する左右に幅広の前部に、制御ケース17Cが搭載されている。
制御ケース17C内には、バッテリ14の蓄電力を走行用電動機30等の所要機器に供給する電力系の制御を行う制御装置であるPCU(Power Control Unit)17が収容されている。
そして、本電動二輪車1は、PCU17によって制御される熱管理システムを備えている。
本熱管理システムは、基本的に、空気を圧縮する圧縮機51と、圧縮機51から供給された圧縮空気を暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出する直筒状をなすボルテックスチューブ60と、ボルテックスチューブ60から排出された冷気を走行用電動機30の電動機ケース34内に導入する冷却ダクト71とを備えている。
図2および図3に示されるように、冷却構造をなす圧縮機51とボルテックスチューブ60と冷却ダクト71は、走行用電動機30の周辺に配設される。
図4を参照して、圧縮機51は、インペラ51iを回転させて遠心力により圧縮空気を送り出すターボ形遠心式の圧縮機であり、インペラ51iの回転軸52が圧縮機用電動機55の駆動回転軸となっており、圧縮機51に圧縮機用電動機55が組み込まれて電動圧縮機50を構成している。
電動圧縮機50の圧縮機ケース53は、円筒状を内側に形成された仕切り壁53sによりインペラ51iを収容する圧縮機側空間と圧縮機用電動機55を収容する電動機側空間に仕切られ、回転軸52が仕切り壁53sにベアリング52aを介して軸支されて貫通している。
圧縮機ケース53の圧縮機側空間は、圧縮機ケースカバー54により覆われる。
圧縮機ケースカバー54は、回転軸52の端部が臨む円筒状の吸入筒部54iを有する。
圧縮機ケース53の下方に膨出した渦巻き状の排出筒部53eを有する。
圧縮機ケース53の電動機側空間は、電動機カバー56により塞がれ、同電動機カバー56に回転軸52の端部がベアリング52bを介して軸支されている。
圧縮機用電動機55の駆動により回転軸52を介して圧縮機51のインペラ51iが回転されると、吸入筒部54iより空気が圧縮機側空間の中央に吸入され、回転するインペラ51iにより遠心方向に押しやられて圧縮された空気が排出筒部53eより排出される。
図2および図4に示されるように、電動圧縮機50は、回転軸52を左右車幅方向に指向させてスイングケース20の上の前後方向の中央に搭載される。
電動圧縮機50の圧縮機ケース53の下方に膨出した渦巻き状の排出筒部53eは、後方に向けて開口している。
電動圧縮機50の排出筒部53eに、ボルテックスチューブ60の圧縮空気の導入接続管64が接続されて、ボルテックスチューブ60に圧縮空気が導入される。
図5を参照して、ボルテックスチューブ60は、直筒状をしたチューブ本体61を有している。
チューブ本体61は、チューブ中心軸Lcを同軸とする長尺に延びる暖気側チューブ部61aと拡径した短尺の冷気側チューブ部61bとからなる。
冷気側チューブ部61bは側壁にチューブ中心軸Lcに垂直な方向に導入筒部61bjが突出形成されている。
冷気側チューブ部61bの導入筒部61bjには、導入接続管64が接続される。
したがって、圧縮機51の排出筒部53eとボルテックスチューブ60の導入筒部61bjが、導入接続管64により接続されて連通することで、圧縮機51により圧縮された空気がボルテックスチューブ60の冷気側チューブ部61b内に導入される。
ボルテックスチューブ60の冷気側チューブ部61b内には、ノズル62が嵌装されて、ノズル62の外周に旋回室61cが形成され、ノズル62の内周面の内側は排出筒部53eの開口端面に向けて冷気排出口62hを開口している。
圧縮機51から導入される圧縮空気は、旋回室61cに入り、ノズル62により旋回室61cの周壁に向け、接線方向に噴出し、渦流が形成されている。
噴出した圧縮空気は、渦流となって旋回室61cに連通する暖気側チューブ部61a内に入る。
暖気側チューブ部61aの端部には制御バルブ63が嵌装されている。
また、暖気側チューブ部61aの端部には暖気排出管65が外嵌されており、暖気排出管65の開口端が暖気排出口65hとなっている。
旋回室61cから噴出した圧縮空気は、暖気側チューブ部61a内を筒内面に沿って渦流となって制御バルブ63に向けて移動する。
この空気の渦流が制御バルブ63に達すると、その流れの一部は制御バルブ63と暖気側チューブ部61aの内周面との間を通って、暖気排出管65の暖気排出口65hから外部に暖気として排出される。
一方、制御バルブ63により流れを阻止された残りの空気は、暖気側チューブ部61aのチューブ中心軸Lcに押し戻されてチューブ中心軸Lcに沿って旋回し渦流となってノズル62に向かいノズル62の内側を通過して冷気排出口62hから吐出される。
したがって、暖気側チューブ部61a内に、筒内面に沿って制御バルブ63に向かって移動する渦流と、チューブ中心軸Lcに沿って逆方向にノズル62に向かって移動する渦流とが形成される。
暖気側チューブ部61a内におけるチューブ中心軸Lcに沿う内側の渦流と暖気側チューブ部61aの筒内面に沿う外側の渦流の内外2つの空気の渦流は、同じ方向に同じ角速度で回転して、互いに反対方向に移動するので、2つの渦流の間の境界では、激しい乱流が生じ、内側の渦流から外側の渦流に熱が移り、外側を流れる渦流の空気が暖気(図5において一点鎖線矢印で示す)となって暖気排出口65hから排出され、内側を流れる渦流の空気が冷気(図6において破線矢印で示す)となって冷気排出口62hから吐出される。
このように、ボルテックスチューブ60は、冷気側チューブ部61bの導入筒部61bjに導入された圧縮空気が、旋回室61cと制御バルブ63との間の暖気側チューブ部61a内における上記作用により、暖気と冷気に分離して互いに反対方向に排出されるように構成されている。
このボルテックスチューブ60は、暖気排出口65hを上方に、冷気排出口62hを下方に向けて鉛直方向に指向させて、前記電動圧縮機50の後方に隣接して配置され、前方に向いた導入接続管64が電動圧縮機50の後方に向いた排出筒部53eと互いに接続される。
ボルテックスチューブ60の下方に向いた冷気排出口62hには、冷却ダクト71に取り付けられた冷気供給接続管75が接続されて、ボルテックスチューブ60の冷気排出口62hから吐出される冷気が冷気供給接続管75を介して冷却ダクト71に供給される。
冷気供給接続管75は、途中から分岐して延びる分岐冷気供給接続管75dを備えている。
図6を参照して、冷却ダクト71は、上流側の直線状をした冷媒導入管部71aとその下流側の円弧状をした円弧状分配管部71bとからなり、同円弧状分配管部71bの湾曲する円弧の接線方向に延長して直線状の冷媒導入管部71aが形成されていて、冷媒導入管部71aの側面に冷気供給接続管75が接続される。
図6を参照して、冷却ダクト71は、金属製パイプであり、円弧状分配管部71bの円弧の中心軸Cの軸方向に圧縮して扁平にプレス成形して断面が扁平矩形をなす。
扁平に成形された円弧状分配管部71bの一方の側面には、湾曲する円弧の中心軸Cの一方の軸方向に向け開口した噴射口71jを同一円弧上に複数有する。
図3を参照して、冷却ダクト71の円弧状分配管部71bは、円弧の中心軸Cを走行用の前記走行用電動機30の電動機出力軸31の中心軸に一致させて、走行用電動機30のアウタステータ33と発進クラッチ35との間にあってアウタステータ33に隣接して対向し、アウタステータ33の側面に前記噴射口71jを向けて配設される。
図6および図7に示されるように、扁平矩形の断面形状を有する冷却ダクト71は、冷媒導入管部71aの端部に平板上に圧接された取付ステー部72xが形成され、円弧状分配管部72には、湾曲する円弧の外周中央部に平板状の取付ステー部72yが突設されるとともに、端部に平板状に圧接された取付ステー部72zが形成されている。
冷却ダクト71の取付ステー部72x,72y,72zには、それぞれ取付孔72xh,72yh,72zhが設けられている。
かかる冷却ダクト71の噴射口71jが形成される側面と同じ冷媒導入管部71aの側面に導入口71hが穿孔され、図6に示されるように、導入口71hに冷気供給接続管75が接続される。
図6を参照して、冷気供給接続管75は、冷却ダクト71との接続部から中心軸Cの軸方向に突出した後に、ほぼ直角に屈曲して上方に延びている。
図7に示されるように、スイングケース20の側壁20Aの後部内面から走行用電動機30のアウタステータ33の外周面に沿って3本の取付支柱20x,20y,20zが左方に突出形成されている。
各取付支柱20x,20y,20zにはボルト雌ねじ孔20xh,20yh,20zhが形成されている。
取付支柱20x,20y,20zに、それぞれ冷却ダクト71の取付ステー部72x,72y,72zの取付孔72xh,72yh,72zhを対応させて、ボルト73を各取付孔72xh,72yh,72zhに貫通させ、各ボルト雌ねじ孔20xh,20yh,20zhに螺合して締結することで、スイングケース20の側壁20Aに冷却ダクト71が取り付けられる。
こうして取り付けられた冷却ダクト71は、図3および図7を参照して、円弧状分配管部71bが走行用電動機30のアウタステータ33に対向し、円弧状分配管部71bの右側面に開口した噴射口71jがアウタステータ33の側面に向けて配設される。
冷却ダクト71の冷媒導入管部71aは、円弧状分配管部71bから前方斜め上向きに延設されており、同冷媒導入管部71aの右側面に冷気供給接続管75が接続されて上方に延びている。
冷気供給接続管75と冷却ダクト71によりボルテックスチューブ60から走行用電動機30に冷気を供給する冷気導通路70が構成されている。
そして、冷気供給接続管75から分岐した分岐冷気供給接続管75dは前方に突出している。
冷気供給接続管75の上端がボルテックスチューブ60の冷気側チューブ部61bに接続され、冷気排出口62hから排出する冷気を、冷気供給接続管75が冷却ダクト71に供給するとともに、冷気供給接続管75から分岐した分岐冷気供給接続管75dにも分流する。
冷却ダクト71に供給された冷気は、円弧状分配管部71bに充填されて、円弧状分配管部71bの噴射口71jから走行用電動機30のアウタステータ33のステータコイル33cの側面に向けて噴射されるので、最も発熱の大きいステータコイル33cに向かって直接冷気が噴射されることになり、走行用電動機30を効率良く効果的に冷却して、走行用電動機30の電力消費率を向上させることができる。
図2を参照して、スイングケース20の上側周壁20Buの上に搭載される電動圧縮機50の圧縮機ケース53の下方に膨出した渦巻き状の排出筒部53eに、鉛直方向に指向したボルテックスチューブ60の下側の冷気側チューブ部61bが導入接続管64を介して接続されるので、下側の冷気側チューブ部61bがスイングケース20の上側周壁20Buの高さ位置にあって、ケースカバー21の上壁を貫通している。
したがって、ボルテックスチューブ60の冷気側チューブ部61bより上側の暖気側チューブ部61aは、スイングケース20およびケースカバー21よりも上方に突出して外部に露出している。
以上のように、本電動二輪車1のスイングケース20には、後部に走行用電動機30が搭載され、前部に制御ケース17Cに収容されてPCU17が配置され、中央上部にボルテックスチューブ60と電動圧縮機50が配設されており、スイングケース20より前方の左右ステップ部18s,18sの間にバッテリ14が搭載されている(図1参照)。
本電動二輪車1は、ボルテックスチューブ60を用いて、走行用電動機30,PCU17,バッテリ14の温度調整を行う熱管理システムSが構成されている。
図4を参照して、電動圧縮機50における圧縮機51のインペラ51iを覆う圧縮機ケースカバー54の吸入筒部54iの開口にドーム状の蓋部材66cが被せられており、同蓋部材66cから吸入通路である吸入ダクト66が延出している。
図2および図3を参照して、蓋部材66cから延出した吸入ダクト66は、前方に延びてPCU17が収容される制御ケース17Cに接続される。
すなわち、制御ケース17Cの内空間と圧縮機51のインペラ51iの収納空間とは吸入ダクト66により連通している。
したがって、圧縮機用電動機55の駆動により圧縮機51のインペラ51iが回転すると、吸入ダクト66を介して制御ケース17C内の空気が、圧縮機51に吸入される。
圧縮機51に吸入される空気は、制御ケース17C内のPCU17を経由するので、PCU17を冷却し、PCU17の温度上昇を抑制することができる。
なお、制御ケース17Cは、内部が気密に閉塞されてはおらず、隙間を有し、隙間から外気が制御ケース17C内に導入された空気がPCU17を経由して吸入ダクト66から圧縮機51のインペラ51iの収納空間に吸入される。
圧縮機51に吸入された空気は圧縮されて圧縮空気として導入接続管64を介してボルテックスチューブ60に供給される。
図2、図3および図8を参照して、スイングケース20の前後方向に長尺のケースの前側の内空間には、2ポート電磁切換弁である分流冷気開閉弁80と3ポート電磁切換弁である暖気切換弁90が配設されている。
前記ボルテックスチューブ60の冷気側チューブ部61bに接続された冷気供給接続管75から分岐して前方に突出する分岐冷気供給接続管75dには、上流側分流冷気導通管81aの上流端が接続され、上流側分流冷気導通管81aの下流端は分流冷気開閉弁80の一方のポートに接続される。
分流冷気開閉弁80の他方のポートは、下流側分流冷気導通管81bの上流端が接続され、下流側分流冷気導通管81bの下流端は、PCU17を収容する制御ケース17Cに接続される。
上流側分流冷気導通管81aと下流側分流冷気導通管81bにより構成される分流冷気導通路81が、ボルテックスチューブ60から排出される冷気を、冷気導通路70とは別に、分流して制御ケース17Cに導く。
そして、分流冷気導通路81の途中に、すなわち上流側分流冷気導通管81aと下流側分流冷気導通管81bの間に、分流冷気の連通を開閉する分流冷気開閉弁80が介装されている。
したがって、分流冷気開閉弁80を開弁することで、ボルテックスチューブ60から排出される冷気を分流した冷気を分流冷気導通路81を介して制御ケース17C内に導入して、PCU17をより一層冷却することができる。
図2、図3および図8を参照して、ボルテックスチューブ60の上方に延びる暖気側チューブ部61aの上端の暖気排出管65には、上流側暖気導通管91aの上流端が接続され、上流側暖気導通管91aの下流端は、3ポート電磁切換弁である暖気切換弁90の一方のポートに接続される。
暖気切換弁90の他方の1ポートからは下流側暖気導通管91bが前方に延出し、下流側暖気導通管91bはスイングケース20の外周壁20Bを前方に貫通して外部に出て、前方のステップ部18s,18sの間に搭載されたバッテリ14を上方から覆うバッテリカバー14Cに下流端が接続される。
暖気切換弁90の他方の別の1ポートは排気管92に接続されて外部に開放されている。
上流側暖気導通管91aと下流側暖気導通管91bにより構成される暖気導通路91が、ボルテックスチューブ60から排出される暖気を、バッテリカバー14C内に導入して、バッテリ14に供給する。
そして、暖気導通路91の途中に、すなわち上流側暖気導通管91aと下流側暖気導通管91bの間に、導通を切り換えて外部に暖気を排出できる暖気切換弁90が介装されている。
したがって、暖気切換弁90の弁を切り換えることで、ボルテックスチューブ60から排出される暖気を暖気導通路91を介してバッテリカバー14C内に導き、バッテリ14を温めることができる。
なお、バッテリ14を温める必要がないときは、暖気切換弁90の弁を切り換えて、ボルテックスチューブ60から排出される暖気をバッテリ14に導くことなく排気管92から外部に排出できる。
以上の本電動二輪車1の熱管理システムの配線配管図が、図8に示されている。
PCU17は、バッテリ14の蓄電力を走行用電動機30および圧縮機用電動機55に供給して駆動制御するとともに、電磁切換弁である分流冷気開閉弁80と暖気切換弁90の各コイルに電流を流して弁の切り換え制御を行っている。
なお、分流冷気開閉弁80と暖気切換弁90は、スプリングリターン形の電磁切換弁であり、図8に示す分流冷気開閉弁80と暖気切換弁90の状態は、各コイルに電流を流していないオフ状態で、オンすると弁が切り換わる。
制御ケース17Cに収容されるPCU17には、同PCU17の温度を検出するPCU温度センサ17sが取り付けられている。
また、バッテリ14にも、同バッテリ14の温度を検出するバッテリ温度センサ14sが取り付けられている。
PCU温度センサ17sが検出したPCU温度tPおよびバッテリ温度センサ14sが検出したバッテリ温度tは、PCU17に入力される。
PCU17は、入力されたPCU温度tPに基づいて分流冷気開閉弁80の弁開閉を制御するとともに、入力されたバッテリ温度tに基づいて暖気切換弁90の弁切換えを制御する。
以上の熱管理システムにおける分流冷気開閉弁80と暖気切換弁90の制御を、図9のフローチャートに従って説明する。
まず、PCU温度センサ17sが検出したPCU温度tPとバッテリ温度センサ14sが検出したバッテリ温度tとを入力する(ステップS1)。
次いで、入力したPCU温度tPが所定の温度閾値T1を超えたか否かを判別する(ステップS2)。
圧縮機51が駆動される限り、常に吸入ダクト66により圧縮機51に吸入される空気(外気)がPCU17を経由するので、PCU17は吸入された空気に晒されて冷却されるが、PCU17を経由する空気は外気であり、PCU17の温度上昇を抑制することはできるが、温度上昇を止めることはできず、使用時間が延びるに従ってPCU17の温度は上昇する。
そこで、PCU17の上昇する温度に所定の温度閾値T1を設定して、ステップS2でPCU温度tPが所定の温度閾値T1を超えるか否かを判断し、PCU温度tPが所定の温度閾値T1を超えるまでは、ステップS3に進み、分流冷気開閉弁80をオフ状態(図8に示す状態)として閉弁し、分流冷気がPCU17に供給されないようにしているが、PCU温度tPが所定の温度閾値T1を超えたときは、ステップS4に飛び、分流冷気開閉弁80をオン状態として開弁し、分流冷気がPCU17に供給されてPCU17を冷気によって、より積極的に冷却し、PCU17をより一層冷却することができる。
次に、ステップS5に進むと、入力したバッテリ温度tが所定の温度閾値T2を下回るか否かを判別する。
バッテリ14は、低温下での使用により劣化を早めるとともに、低温放電により破損リスクがあり、ある温度以上の活性化した状態での使用が、効率的で劣化も抑制されて望ましい。
そこで、バッテリ14の温度に所定の温度閾値T2を設定して、ステップS5でバッテリ温度tが所定の温度閾値T2を下回るか否かを判断し、バッテリ温度tが所定の温度閾値T2以上の温度であれば、バッテリ14は活性化した状態で使用に問題はなく、これ以上加温する必要ないので、ステップS6に進み、暖気切換弁90をオフ状態(図8に示す状態)として、暖気を外部に排出して、暖気をバッテリ14に供給しないようにしている。
バッテリ温度tが所定の温度閾値T2を下回るときは、低温下にあるバッテリ14の使用は劣化を早めることになるので、ステップS5からステップS7に飛んで、暖気切換弁90をオン状態に切り換えて、暖気をバッテリ14に供給するようにして、バッテリ14を加温して速やかに活性化して大電力の供給を可能とする。
本電動二輪車1では、極く低温下において走行を開始するときは、低温下のバッテリ14から走行用電動機30に大電力を供給して駆動する前に、圧縮機用電動機55に小電力を供給して圧縮機51を駆動して、圧縮空気をボルテックスチューブ60に供給し、ボルテックスチューブ60から排出される暖気を暖気切換弁90の切り換えでバッテリ14に供給して(ステップS7)、バッテリ14を加温することで、バッテリ14の放電による自己発熱と合わせて、バッテリ14の温度を上昇させ、バッテリ14を速やかに活性化することができる。
そして、バッテリの温度が所定の温度閾値T2を超えたときに、バッテリ14は活性化されており、走行用電動機30に電力を供給して駆動しても負担は小さく劣化も抑制される。
そこで、バッテリ14の温度が所定の温度閾値T2を超えたときは、暖気切換弁90はボルテックスチューブ60から排出される暖気を切り換えて、バッテリ14に供給せずに外部に排出する(ステップS7)ので、バッテリを不必要に温めることはしない。
図9に示す分流冷気開閉弁80と暖気切換弁90の制御フローチャートにおいて、ステップS2のPCU温度tPが所定の温度閾値T1を超えたか否かの判別を、他の判別要素によって判別する別の実施の形態の制御フローチャートを、図10に示し説明する。
本実施の形態の熱管理システムは、前記実施の形態における制御フローチャートのステップS2が異なるだけで、その他の構成は全く同じであり、部材に付ける符号も同じ符号を用いる。
PCU17は、CPUや複数の半導体素子が詰め込まれた集積回路等からなり、発熱し易く、比較的に温度上昇率が大きいので、短時間に高温となる。
そこで、PCU17は、PCU温度センサ17sからサイクル毎に入力するPCU温度tPに基づきPCU17の温度上昇率ΔtPを演算し、この温度上昇率ΔtPと所定の温度上昇率閾値ΔT1とを比較する。
すなわち図10の制御フローチャートで、ステップS2では、PCU17の温度上昇率ΔtPが所定の温度上昇率閾値ΔT1を超えたか否かの判別をする。
PCU17の温度の温度上昇率ΔtPが所定の温度上昇率閾値ΔT1を超えるまでは、ステップS3に進み、分流冷気開閉弁80をオフ状態(図8に示す状態)として閉弁し、分流冷気がPCU17に供給されないようにしているが、PCU17の温度の温度上昇率ΔtPが所定の温度上昇率閾値ΔT1を超えたときは、ステップS4に飛び、分流冷気開閉弁80をオン状態として開弁し、分流冷気が分流冷気導通路81を介して制御ケース17C内に供給されて、制御ケース17C内のPCU17を冷気に晒して、PCU17を積極的に冷却する。
PCU17の温度上昇率ΔtPが所定の温度上昇率閾値ΔT1を超えたときに、分流冷気開閉弁80を開弁して冷気をPCU17に流すので、PCU17の温度が急激に上昇するような場合でも、速やかにPCU17を冷気により冷却して、PCU17の温度上昇をより効果的に抑制することができる。
次に、ボルテックスチューブに圧縮空気を供給する圧縮機が、圧縮機用電動機により駆動されるのではなく、走行用電動機により駆動される実施の形態に係る電動二輪車の熱管理システムについて図11ないし図14に基づき説明する。
本電動二輪車は、後部に走行用電動機230を有するスイングケース220を備えた電動二輪車であり、走行用電動機230の電動機出力軸231と同軸に後輪215の後車軸216を有するものである(図13参照)。
図13を参照して、電動機出力軸231の右端の小径端部231eと同軸の後車軸216の左端凹部216eとの間にベアリング216aが介装されて、電動機出力軸231と後車軸216が互いに相対回転自在に左右に同軸に並んで配置されている。
また、後車軸216は、後記する減速機カバー222にベアリング216cを介して軸支される。
同軸の電動機出力軸231と後車軸216との間には、中間軸242を介した2軸減速機構である減速歯車機構241が介装される。
すなわち、中間軸242に嵌着された中間大径ギヤ242bが電動機出力軸231に形成された小径ギヤ231sと噛合している。
中間軸242に形成された中間小径ギヤ242sは、後車軸216の減速機室241c内の後車軸大径ギヤ216bと噛合している。
減速歯車機構241は、減速機カバー222により覆われる。
本実施の形態は、ターボ形遠心式の圧縮機251が走行用電動機230の電動機出力軸231の左端に設けられて、走行用電動機230により駆動される。
すなわち、電動機出力軸231が圧縮機251のインペラ251iの回転軸となっている。
走行用電動機230のアウタステータ233の側面に対向して冷却ダクト271の円弧状分配管部271bが配置される構造である。
冷却ダクト271は、前記冷却ダクト71とほぼ同じ冷媒導入管部271aと円弧状分配管部271bを備えるが、冷気供給接続管275が接続される冷媒導入管部271aの側面は噴射口271jが形成される側面とは、反対側である。
図12および図13を参照して、冷気供給接続管275は、冷媒導入管部271aの側面での接続部から円弧状分配管部271bの円弧の中心軸Cの軸方向に延出した後に、直角に屈曲して、図12の側面視で円弧状分配管部271bの端部に重なり上方向に延びる。
冷気供給接続管275は、屈曲部から分岐して前方に延びる分岐冷気供給接続管275dを備えている。
図12を参照して、冷却ダクト271は、円周角が約270度の円弧をなす円弧状分配管部271bと冷媒導入管部271aで略U字状に湾曲しており、この冷却ダクト271の両端部を結ぶ上下方向に指向する直線を中心軸Cの方向に偏移した上下方向に指向する直線に沿って冷気供給接続管275が配置され、図12の側面視で、冷却ダクト271と冷気供給接続管275は側面視で環状を構成するように見える。
冷気供給接続管275の端部に、ボルテックスチューブ260のチューブ本体261の冷気排出口を有する冷気側チューブ部261bが接続される(図12参照)。
図12を参照して、冷気供給接続管275と直筒状のボルテックスチューブ260は、上下方向に一直線上に接続される。
なお、ボルテックスチューブは、前後水平方向に指向して配置してもよい。
冷気供給接続管275から分岐した分岐冷気供給接続管275dは、冷気供給接続管275の屈曲部から前方に突出している。
図12の側面視で、冷気側チューブ部261bが円弧状分配管部271bの端部と重なり、ボルテックスチューブ260の暖気側チューブ部261aは、冷気供給接続管275の上方延長方向に延びて、側面視で環状に構成される冷却ダクト271と冷気供給接続管275の環状から上方にはみ出して、概ね環状の接線方向に突出している。
冷却ダクト271の円弧状分配管部271bが、走行用電動機230のアウタステータ233の側面に対向し、かつ冷却ダクト271の両端部が前側に位置する姿勢で、冷却ダクト271がスイングケース220に取り付けられ、ボルテックスチューブ260は左ケースカバー221を上方に貫通して取り付けられる(図11,図12参照)。
円弧状分配管部271bの右側面に形成された複数の噴射口271jが、アウタステータ233の側面に向いて開口している。
図12を参照して、走行用電動機230の電動機出力軸231の左端に設けられた圧縮機251は、冷気供給接続管275の後方に位置し、圧縮機ケース253の上方に膨出した渦巻き状の排出筒部253eが前方に向けて開口しており、ボルテックスチューブ260の冷気側チューブ部261bから後方に突出した導入筒部261bjが導入接続管264を介して排出筒部253eに接続される。
そして、本圧縮機251の排出筒部253eに接続される導入接続管264には、サージタンク258が設けられている。
走行用電動機230の駆動で回転する電動機出力軸231は、減速歯車機構241を介して後輪215を回転するとともに、圧縮機251のインペラ251iを回転し、圧縮された空気が排出筒部253eからボルテックスチューブ260の導入筒部261bjを介して冷気側チューブ部261b内に導入され、圧縮空気は暖気側チューブ部261a内で暖気と冷気に分離して、暖気は暖気側チューブ部261aの暖気排出管265から上方に排出され、冷気は冷気側チューブ部261bから下方の冷気供給接続管275内に吐出し、冷気供給接続管275から冷却ダクト271に供給されるとともに、冷気供給接続管275から分岐した分岐冷気供給接続管275dにも分流される。
冷却ダクト271に供給された冷気は、円弧状分配管部271bに充填されて、円弧状分配管部271bの噴射口271jから走行用電動機230のアウタステータ233の側面に向けて噴射されるので、最も発熱の大きいステータコイル233cに向かって直接冷気が噴射されることになり、走行用電動機230を効率良く効果的に冷却して、走行用電動機230の電力消費率を向上させることができる。
本熱管理システムは、ボルテックスチューブ260を用いて、上記走行用電動機230の冷却を行うとともに、PCU217,バッテリ214の温度調整を行う。
図12および図13を参照して、圧縮機251のインペラ251iを覆うケースカバー221の吸入筒部221iの開口にドーム状の蓋部材266cが被せられており、同蓋部材266cから吸入通路である吸入ダクト266が延出している。
蓋部材266cから延出した吸入ダクト266は、前方に延びてPCU217が収容される制御ケース217Cに接続される。
したがって、圧縮機用電動機255の駆動により圧縮機251のインペラ251iが回転すると、吸入ダクト266を介して制御ケース217C内の空気が、圧縮機251に吸入される。
圧縮機251に吸入される空気は、制御ケース217C内のPCU217を経由するので、PCU217を冷却し、PCU217の温度上昇を抑制することができる。
圧縮機251に吸入された空気は圧縮されて圧縮空気として導入接続管264を介してボルテックスチューブ260に供給される。
熱管理システムの配線配管図を図13に示す。
図12および図13を参照して、スイングケース220の前後方向に長尺のケースの前側の内空間には、2ポート電磁切換弁である分流冷気開閉弁280と3ポート電磁切換弁である暖気切換弁290が配設されている。
前記ボルテックスチューブ260の冷気側チューブ部261bに接続された冷気供給接続管275から分岐して前方に突出する分岐冷気供給接続管275dには、上流側分流冷気導通管281aの上流端が接続され、上流側分流冷気導通管281aの下流端は分流冷気開閉弁280の一方のポートに接続される。
分流冷気開閉弁280の他方のポートは、下流側分流冷気導通管281bの上流端が接続され、下流側分流冷気導通管281bの下流端は、PCU217を収容する制御ケース217Cに接続される。
上流側分流冷気導通管281aと下流側分流冷気導通管281bにより構成される分流冷気導通路281が、ボルテックスチューブ260から排出される冷気を、冷気導通路270とは別に、分流して制御ケース217Cに導く。
そして、分流冷気導通路281の途中に、すなわち上流側分流冷気導通管281aと下流側分流冷気導通管281bの間に、分流冷気の連通を開閉する分流冷気開閉弁280が介装されている。
したがって、分流冷気開閉弁280を開弁することで、ボルテックスチューブ260から排出される冷気を分流した冷気を分流冷気導通路281を介して制御ケース217C内に導入して、PCU217をより一層冷却することができる。
図12、図13および図14を参照して、ボルテックスチューブ260の上方に延びる暖気側チューブ部261aの上端の暖気排出管265には、上流側暖気導通管291aの上流端が接続され、上流側暖気導通管291aの下流端は、3ポート電磁切換弁である暖気切換弁290の一方のポートに接続される。
暖気切換弁290の他方の1ポートからは下流側暖気導通管291bが前方に延出し、下流側暖気導通管291bはスイングケース220を前方に貫通して外部に出て、前方のステップ部に搭載されたバッテリ214を上方から覆うバッテリカバー214Cに下流端が接続される。
暖気切換弁290の他方の別の1ポートは排気管292に接続されて外部に開放されている。
上流側暖気導通管291aと下流側暖気導通管291bにより構成される暖気導通路291が、ボルテックスチューブ260から排出される暖気を、バッテリ214に導く。
そして、暖気導通路291の途中に、すなわち上流側暖気導通管291aと下流側暖気導通管291bの間に、導通を切り換えて外部に暖気を排出できる暖気切換弁290が介装されている。
したがって、暖気切換弁290の弁を切り換えることで、ボルテックスチューブ260から排出される暖気を暖気導通路291を介してバッテリカバー214C内に導き、バッテリ214を温めることができる。
なお、バッテリ214を温める必要がないときは、暖気切換弁290の弁を切り換えて、ボルテックスチューブ260から排出される暖気をバッテリ214に導くことなく排気管292から外部に排出できる。
図14を参照して、PCU217は、バッテリ214の蓄電力を走行用電動機230および圧縮機用電動機255に供給して駆動制御するとともに、電磁切換弁である分流冷気開閉弁280と暖気切換弁290の各コイルに電流を流して弁の切り換え制御を行っている。
PCU217に取り付けられたPCU温度センサ217sが検出したPCU温度tPおよびバッテリ214に取り付けられたバッテリ温度センサ214sが検出したバッテリ温度tは、PCU217に入力される。
PCU217は、入力されたPCU温度tPに基づいて分流冷気開閉弁280の弁開閉を制御するとともに、入力されたバッテリ温度tに基づいて暖気切換弁290の弁切換えを制御する。
本熱管理システムにおいて、PCU温度tPが所定の温度閾値T1を超えたときに、分流冷気開閉弁280を開弁して、分流冷気をPCU217に供給してPCU217を積極的に冷却する制御は、前記実施の形態と同じである。
また、低温環境にあって、入力したバッテリ温度tが所定の温度閾値T2を下回るときは、暖気切換弁290をオン状態にして、暖気をバッテリ214に供給するようにして、バッテリ214を加温して活性化を促進し、バッテリ温度tが所定の温度閾値T2以上の温度であれば、バッテリ14は活性化した状態で、これ以上加温する必要ないので、暖気切換弁90をオフ状態(図8に示す状態)とし、暖気を外部に排出して、暖気をバッテリ14に供給しない。
低温環境下にあって、バッテリ温度tが所定の温度閾値T2を下回るときに走行する場合は、バッテリ214による走行用電動機30の駆動で圧縮機251が駆動されボルテックスチューブ260から排出される暖気によりバッテリ214が加温されることになり、バッテリ214を加温により活性化を促進することで、低温下のバッテリ214により走行用電動機30を駆動する時間を、可及的に短くして、バッテリ214の劣化を抑制することができる。
ボルテックスチューブ260に圧縮空気を供給する圧縮機251は、走行用電動機230により駆動されるので、車両の走行に伴う走行用電動機の出力変動により圧縮機から排出される圧縮空気の圧力が変動するが、圧縮機251からボルテックスチューブ260に圧縮空気を導入する導入接続管264に、サージタンク258が設けられるので、圧縮空気の圧力変動を緩和して平準化することができ、ボルテックスチューブ260内の熱の移動による暖気と冷気の分離が安定して効果的に行え、冷却性および加温性を向上させることができる。
以上、本発明に係る実施の形態に係る車両の熱管理システムについて説明したが、本発明の態様は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むものである。
例えば、本発明の車両は、実施の形態の電動二輪車1に限らず、スクータ型および3輪、4輪の電動車両、さらには内燃機関等により走行する車両であってもよく、請求項1の要件を備える車両であればよい。
1…電動二輪車、2…車体フレーム、3…ヘッドパイプ、4…ダウンフレーム、5…ロアフレーム、6…シートレール、7…ステアリング軸、8…ハンドル、9…フロントフォーク、
10…前輪、11…ピボットプレート、12…ピボット軸、13…リヤクッション、14…バッテリ、14s…バッテリ温度センサ、15…後輪、16…後車軸、17…PCU(Power Control Unit)、17C…制御ケース、17s…PCU温度センサ、18…車体カバー、19…シート、
20…スイングケース、21…ケースカバー、22…減速機カバー、
30…走行用電動機、31…電動機出力軸、32…インナロータ、33…アウタステータ、33c…ステータコイル、34…電動機ケース、35…発進クラッチ、36…クラッチインナ、37…クラッチアウタ、
40…クラッチ出力軸、41…減速歯車機構、42…中間軸、
50…電動圧縮機、51…圧縮機、51i…インペラ、52…回転軸、53…圧縮機ケース、53e…排出筒部、54…圧縮機ケースカバー、54i…吸入筒部、55…圧縮機用電動機、56…電動機カバー、
60…ボルテックスチューブ、61…チューブ本体、61a…暖気側チューブ部、61b…冷気側チューブ部、61bj…導入筒部、62…ノズル、62h…冷気排出口、63…制御バルブ、64…導入接続管、65…暖気排出管、65h…暖気排出口、66…吸入ダクト(吸入通路)、66c…蓋部材、
70…冷気導通路、71…冷却ダクト、71a…冷媒導入管部、71b…円弧状分配管部、71j…噴射口、72x,72y,72z…取付ステー部、73…ボルト、75…冷気供給接続管、75d…分岐冷気供給接続管、
80…分流冷気開閉弁(2ポート電磁切換弁)、81…分流冷気導通路、81a…上流側分流冷気導通管、81b…下流側分流冷気導通管、
90…暖気切換弁(3ポート電磁切換弁)、91…暖気導通路、91a…上流側暖気導通管、91b…下流側暖気導通管、92…排気管、
214…バッテリ、214s…バッテリ温度センサ、215…後輪、216…後車軸、217…PCU(Power Control Unit)、217C…制御ケース、217s…PCU温度センサ、
220…スイングケース、221…ケースカバー、222…減速機カバー、
230…走行用電動機、231…電動機出力軸、232…、233…アウタステータ、241…減速歯車機構、242…中間軸、
251…圧縮機、251i…インペラ、253…圧縮機ケース、253e…排出筒部、258…サージタンク、
260…ボルテックスチューブ、261…チューブ本体、261a…暖気側チューブ部、261b…冷気側チューブ部、261bj…導入筒部、264…導入接続管(導入通路)、265…暖気排出管、266…吸入ダクト(吸入通路)、266c…蓋部材、
270…冷気導通路、271…冷却ダクト、271a…冷媒導入管部、271b…円弧状分配管部、271j…噴射口、275…冷気供給接続管、275d…分岐冷気供給接続管、
280…分流冷気開閉弁(2ポート電磁切換弁)、281…分流冷気導通路、281a…上流側分流冷気導通管、281b…下流側分流冷気導通管、
290…暖気切換弁(3ポート電磁切換弁)、291…暖気導通路、291a…上流側暖気導通管、291b…下流側暖気導通管、292…排気管。

Claims (5)

  1. 空気を圧縮して排出する圧縮機(51;251)と、
    前記圧縮機(51;251)から排出された圧縮空気を導入し、暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出するボルテックスチューブ(60;260)と、を備え、
    前記ボルテックスチューブ(60;260)から排出される暖気と冷気を、それぞれ車両に備わるバッテリ(14;214)や回転電機(30;230)に導き熱管理をする車両の熱管理システムにおいて、
    前記圧縮機(51;251)に空気を吸入する吸入通路(66;266)を有し、
    前記吸入通路(66;266)は、前記回転電機(30;230)を制御する制御装置(17;217)が収納される制御ケース(17C;217C)に接続され、前記圧縮機(51;251)に吸入される空気が前記制御装置(17;217)を経由し、
    前記ボルテックスチューブ(60;260)から排出された冷気を、前記回転電機(30;230)に導く冷気導通路(70;270)と、
    前記ボルテックスチューブ(60;260)から排出された冷気を、前記冷気導通路(70;270)とは別に、分流して前記制御ケース(17C;217C)に導く分流冷気導通路(81;281)とを備え、
    前記分流冷気導通路(81;281)の途中に分流冷気の連通を開閉する分流冷気開閉弁(80;280)が設けられることを特徴とする車両の熱管理システム。
  2. 前記制御装置(17;217)には、同制御装置(17;217)の温度を検出する制御装置温度センサ(17s;217s)が設けられ、
    前記制御装置(17;217)は、前記制御装置温度センサ(17s;217s)が検出した前記制御装置(17;217)の温度(tP)が所定の温度閾値(T1)を超えたときに、前記分流冷気開閉弁(80;280)を開弁して冷気を前記制御装置(17;217)に流すことを特徴とする請求項1に記載の車両の熱管理システム。
  3. 前記制御装置(17;217)には、同制御装置(17;217)の温度を検出する制御装置温度センサ(17s;217s)が設けられ、
    前記制御装置(17;217)は、前記制御装置温度センサ(17s;217s)が検出した前記制御装置(17;217)の温度の温度上昇率(ΔtP)が所定の温度上昇率閾値(ΔT1)を超えたときに、前記分流冷気開閉弁(80;280)を開弁して冷気を前記制御装置(17;217)に流すことを特徴とする請求項1に記載の車両の熱管理システム。
  4. 空気を圧縮して排出する圧縮機(51;251)と、
    前記圧縮機(51;251)から排出された圧縮空気を導入し、暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出するボルテックスチューブ(60;260)と、を備え、
    前記ボルテックスチューブ(60;260)から排出される暖気と冷気を、それぞれ車両に備わるバッテリ(14;214)や回転電機(30;230)に導き熱管理をする車両の熱管理システムにおいて、
    前記圧縮機(51;251)に空気を吸入する吸入通路(66;266)を有し、
    前記吸入通路(66;266)は、前記回転電機(30;230)を制御する制御装置(17;217)が収納される制御ケース(17C;217C)に接続され、前記圧縮機(51;251)に吸入される空気が前記制御装置(17;217)を経由し、
    前記回転電機(30)は、車両を走行させる走行用電動機(30)であり、
    前記圧縮機(51)は、圧縮機用電動機(55)を一体に備えた電動圧縮機であり、
    前記ボルテックスチューブ(60)から排出された暖気を前記バッテリ(14)に導く暖気導通路(91)を備え、
    前記暖気導通路(91)の途中に導通を切り換えて外部に暖気を排出できる暖気切換弁(90)が設けられ、
    前記バッテリ(14)には、同バッテリ(14)の温度を検出するバッテリ温度センサ(14s)が設けられ、
    前記制御装置(17)は、前記バッテリ温度センサ(14s)が検出した前記バッテリ(14)の温度(t B )が所定の温度閾値(T2)を下回る状態では、前記走行用電動機(30)の駆動による走行開始前に、前記圧縮機用電動機(55)を駆動させ、かつ前記暖気切換弁(90)を切り換えて前記ボルテックスチューブ(60)から排出された暖気を前記バッテリ(14)に供給することを特徴とする車両の熱管理システム。
  5. 空気を圧縮して排出する圧縮機(51;251)と、
    前記圧縮機(51;251)から排出された圧縮空気を導入し、暖気と冷気とに分離してそれぞれ排出するボルテックスチューブ(60;260)と、を備え、
    前記ボルテックスチューブ(60;260)から排出される暖気と冷気を、それぞれ車両に備わるバッテリ(14;214)や回転電機(30;230)に導き熱管理をする車両の熱管理システムにおいて、
    前記圧縮機(51;251)に空気を吸入する吸入通路(66;266)を有し、
    前記吸入通路(66;266)は、前記回転電機(30;230)を制御する制御装置(17;217)が収納される制御ケース(17C;217C)に接続され、前記圧縮機(51;251)に吸入される空気が前記制御装置(17;217)を経由し、
    前記回転電機(230)は、車両を走行させる走行用電動機(230)であり、
    前記圧縮機(251)は、前記走行用電動機(230)により駆動され、
    前記圧縮機(251)から圧縮空気を前記ボルテックスチューブ(260)に導入する導入通路(264)の途中に、サージタンク(258)が設けられることを特徴とする車両の熱管理システム。
JP2019050395A 2019-03-18 2019-03-18 車両の熱管理システム Active JP7236891B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019050395A JP7236891B2 (ja) 2019-03-18 2019-03-18 車両の熱管理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019050395A JP7236891B2 (ja) 2019-03-18 2019-03-18 車両の熱管理システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020153544A JP2020153544A (ja) 2020-09-24
JP7236891B2 true JP7236891B2 (ja) 2023-03-10

Family

ID=72558375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019050395A Active JP7236891B2 (ja) 2019-03-18 2019-03-18 車両の熱管理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7236891B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113696788B (zh) * 2021-08-31 2023-01-13 中国第一汽车股份有限公司 一种动力电池行车控制方法及动力电池行车控制系统

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20180290547A1 (en) 2017-04-05 2018-10-11 Ford Global Technologies, Llc Vehicle thermal management system with vortex tube

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20180290547A1 (en) 2017-04-05 2018-10-11 Ford Global Technologies, Llc Vehicle thermal management system with vortex tube

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020153544A (ja) 2020-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6561771B2 (ja) 鞍乗型車両
US10308315B2 (en) Saddle-ridden vehicle
US20130270940A1 (en) Saddle-Type Vehicle
EP3133007B1 (en) Radiator for saddled vehicle
JP7113740B2 (ja) 鞍乗り型電動車両
JP6601149B2 (ja) 鞍乗型車両
JP6657775B2 (ja) 鞍乗型車両
JP7236891B2 (ja) 車両の熱管理システム
US20170114709A1 (en) Saddle-ridden type vehicle
JP6582870B2 (ja) 鞍乗型車両
JP7308638B2 (ja) 鞍乗型電動車両
JP6620515B2 (ja) 鞍乗型車両
JP6610165B2 (ja) 鞍乗型車両
CN1886559B (zh) 用于鼓风机的冷却系统
JP4545013B2 (ja) 自動2輪車の排気2次エア導入構造
JP6657776B2 (ja) 鞍乗型車両
JP6627414B2 (ja) 自動二輪車
JP6682803B2 (ja) 鞍乗型車両
JP6668680B2 (ja) 鞍乗型車両
JP6668681B2 (ja) 鞍乗型車両
WO2020066340A1 (ja) 車両用電動機の冷却構造および車両用電動機の冷却構造の冷却ダクトの製造方法
JP6601150B2 (ja) 過給機付きエンジン用吸気装置および鞍乗型車両
JP6582869B2 (ja) 鞍乗型車両
JP6657774B2 (ja) 鞍乗型車両
JP4576995B2 (ja) 2サイクルエンジンの冷却構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220921

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20221114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7236891

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150