JP7236022B1 - フラックス、ソルダペースト及び接合体の製造方法 - Google Patents

フラックス、ソルダペースト及び接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フラックス残渣を低減できるとともに、加熱だれを抑制することができるフラックス、ソルダペースト及び接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】第1の溶剤と、チキソ剤とを含有するフラックスを採用する。第1の溶剤は、30℃での粘度が10Pa・s以上であるか、又は、30℃で固体であり、沸点が200℃以上であり、230℃まで加熱した際の重量減少率が96質量%未満である。チキソ剤は、脂肪族カルボン酸とアミンとの縮合物、及び、脂肪族カルボン酸とヒドロキシ基含有脂肪族カルボン酸とアミンとの縮合物からなる群より選択される一種以上であるポリアミドを含む。第1の溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、30質量%以上である。ポリアミドの含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、2質量%超である。
【選択図】なし

Description

本発明は、フラックス、ソルダペースト及び接合体の製造方法に関する。
基板に対する部品の固定、及び、基板に対する部品の電気的な接続は、一般に、はんだ付けにより行われる。はんだ付けにおいては、フラックス、はんだ粉末、並びに、フラックス及びはんだ粉末を混合したソルダペーストが用いられる。
フラックスは、はんだ付けの対象となる接合対象物の金属表面及びはんだに存在する金属酸化物を化学的に除去し、両者の境界で金属元素の移動を可能にする効能を持つ。このため、フラックスを使用してはんだ付けを行うことで、両者の間に金属間化合物が形成されるようになり、強固な接合が得られる。
ソルダペーストを使用したはんだ付けでは、まず、基板にソルダペーストが印刷された後、部品が搭載され、リフロー炉と称される加熱炉で、部品が搭載された基板が加熱される。これにより、ソルダペーストに含まれるはんだ粉末は溶融し、部品が基板に対してはんだ付けされる。
リフローはんだ付けに用いられるフラックスには、一般に、樹脂成分、溶剤、活性剤、チキソ剤等が含まれる。フラックスの粘度、チキソ比等のレオロジー特性を適切なものとするために、フラックスには樹脂成分としてロジンが添加されている。ロジンは、リフロー後に、フラックス残渣として残存してしまう。
これに対し、特許文献1には、ロジンを含有しないことによって、フラックス残渣が低減されたソルダペーストが提案されている。
特開2006-289497号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたフラックスを用いたソルダペーストでは、加熱だれを抑制することが難しい。
そこで、本発明は、フラックス残渣を低減できるとともに、加熱だれを抑制することができるフラックス、ソルダペースト及び接合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]第1の溶剤と、チキソ剤とを含有し、前記第1の溶剤は、30℃での粘度が10Pa・s以上であるか、又は、30℃で固体であり、前記第1の溶剤は、沸点が200℃以上であり、前記第1の溶剤は、230℃まで加熱した際の重量減少率が96質量%未満であり、前記チキソ剤は、脂肪族カルボン酸とアミンとの縮合物、及び、脂肪族カルボン酸とヒドロキシ基含有脂肪族カルボン酸とアミンとの縮合物からなる群より選択される一種以上であるポリアミドを含み、前記第1の溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、30質量%以上であり、前記ポリアミドの含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、2質量%超である、フラックス。
[2]さらに、第2の溶剤(ただし、第1の溶剤に該当する溶剤を除く)を含有し、前記第2の溶剤は、沸点が250℃以上であり、かつ、比誘電率が6.0以上である、[1]に記載のフラックス。
[3]前記第2の溶剤は、下記一般式(1)で表される化合物である、[2]に記載のフラックス。
Figure 0007236022000001
[式中、Rは、炭素数2~4の炭化水素基を表す。Rは、炭素数4~10の炭化水素基を表す。mは、1~3である。]
[4]前記第1の溶剤と、前記第2の溶剤との質量比は、第2の溶剤/第1の溶剤で表される質量比として、0.1~1.0である、[2]に記載のフラックス。
[5]前記ポリアミドと、前記第2の溶剤との質量比は、ポリアミド/第2の溶剤で表される質量比として、0.15~0.4である、[2]に記載のフラックス。
[6]前記脂肪族カルボン酸は、ジカルボン酸を含む、[1]に記載のフラックス。
[7]はんだ合金粉末と、[1]~[6]のいずれか一項に記載のフラックスと、を含有する、ソルダペースト。
[8]部品と、基板とを、はんだ付けすることにより、接合体を得る工程を含み、前記はんだ付けの際、[7]に記載のソルダペーストを用いて、還元性ガス雰囲気でリフローを行う、接合体の製造方法。
本発明によれば、フラックス残渣を低減できるとともに、加熱だれを抑制することができるフラックス、ソルダペースト及び接合体の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るフラックスに含まれるポリアミドのDSC曲線を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るフラックスに含まれるポリアミドの吸熱量の割合と温度との関係を示すグラフである。 加熱だれ抑制能の評価における、Iのパターン孔を模式的に示す図である。
(フラックス)
本実施形態にかかるフラックスは、特定の溶剤と、特定のチキソ剤とを含有する。本実施形態にかかるフラックスは、特定の溶剤として第1の溶剤を採用し、特定のチキソ剤として特定のポリアミドを採用する。本実施形態にかかるフラックスは、リフローはんだ付けに好適に用いられる。
本実施形態にかかるフラックスは、ロジンを含有しなくても、第1の溶剤及び特定のポリアミドを含有することにより、フラックスに所定のレオロジー特性を付与しやすくなる。
リフローはんだ付けは、例えば、次に挙げる工程を含む。部品が搭載された基板は、まず、150~180℃で1~2分間、加熱される(これをプレヒートという)。次いで、はんだ合金の液相線温度から液相線温度よりも約20℃高い温度までの温度(これをピーク温度という)で、約1分間、加熱される(これを本加熱という)。
本実施形態にかかるフラックスは、プレヒートにおいて揮発しにくいため、プレヒートの後、かつ、本加熱の前において、第1の溶剤が残存しやすい。そのため、チキソ剤、活性剤等が乾固してフラックス残渣となることを抑制しやすくなる。本実施形態にかかるフラックスは、プレヒートにおいて揮発しにくいため、活性剤等の揮発が抑制されやすくなる。その結果、活性剤等の作用を維持しやすくなる。言い換えれば、フラックスの耐熱性を高めやすくなる。
さらに、本実施形態にかかるフラックスは、リフローの本加熱において、ピーク温度近傍の温度で第1の溶剤が揮発しやすい。これにより、リフロー後に残存する溶剤の量が低減されるため、フラックス残渣を低減しやすくなる。
また、本実施形態にかかるフラックスは、特定のポリアミドを含有することにより、加熱だれを抑制しやすくなる。特定のポリアミドは、加熱だれ抑制能を高めやすいため、所定の加熱だれ抑制能を得るために必要な添加量を低減できる。その結果、フラックス残渣を低減することが可能となる。
<溶剤>
≪第1の溶剤≫
第1の溶剤は、30℃での粘度が10Pa・s以上であるか、又は、30℃で固体である。第1の溶剤は、沸点が200℃以上である。第1の溶剤は、230℃まで加熱した際の重量減少率が96質量%未満である。第1の溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、30質量%以上である。
第1の溶剤は、30℃での粘度が10Pa・s以上であるか、又は、30℃で固体である。第1の溶剤は、30℃での粘度は、10Pa・s以上5000Pa・s以下であってもよいし、10Pa・s以上2000Pa・s以下であってもよいし、10Pa・s以上1000Pa・s以下であってもよい。
これにより、本実施形態にかかるフラックスは、前記フラックスがロジンを含有しない場合であっても、前記フラックスのレオロジー特性を所定のものにしやすくなる。
本明細書において、「溶剤が、特定温度で固体である」とは、「その溶剤の融点が、その特定温度以上である」ことを意味する。
また、本明細書において、融点とは、固体が融解し液体になる時の温度を意味する。本明細書における化合物の融点の値は、主に、「化学便覧 基礎編 改訂5版」に記載の値である。
第1の溶剤の沸点は、200℃以上であり、250℃以上であることが好ましく、300℃以上であることがより好ましい。
第1の溶剤の沸点が前記下限値以上であることにより、プレヒートの後、かつ、本加熱の前において、第1の溶剤が残存しやすい。そのため、チキソ剤、活性剤等の作用を維持しやすくなる。その結果、プレヒートの後、かつ、本加熱の前において、フラックスの耐熱性を高めやすくなるとともに、チキソ剤、活性剤等が固化してフラックス残渣となることを抑制しやすくなる。
第1の溶剤の沸点は、450℃以下であることが好ましく、410℃以下であることがより好ましく、370℃以下であることが更に好ましく、330℃以下であることが特に好ましい。
第1の溶剤の沸点が前記上限値以下であることにより、本加熱において、フラックスが揮発しやすくなる。これにより、本加熱後において、フラックス残渣を低減しやすくなる。
第1の溶剤の沸点は、200℃以上450℃以下であることが好ましく、250℃以上410℃以下であることがより好ましく、300℃以上370℃以下であることが更に好ましい。
本明細書において、沸点とは、対象の液体の飽和蒸気圧が1気圧(すなわち、1013hPa)と等しくなるときの、その液体の温度を意味する。
第1の溶剤は、230℃まで加熱した際の重量減少率が96質量%未満であり、93質量%未満であることが好ましく、90質量%未満であることがより好ましく、87質量%未満であることが更に好ましく、84質量%未満であることが特に好ましい。
重量減少率が前記範囲内であることにより、プレヒートの後、かつ、本加熱の前において、第1の溶剤が残存しやすい。そのため、活性剤等の作用を維持しやすくなる。その結果、プレヒートの後、かつ、本加熱の前において、フラックスの耐熱性を高めやすくなるとともに、チキソ剤、活性剤等が固化してフラックス残渣となることを抑制しやすくなる。
第1の溶剤の230℃まで加熱した際の重量減少率の下限値は、本発明の効果が奏される限り特に限定されず、例えば、50質量%であってもよい。
第1の溶剤は、230℃まで加熱した際の重量減少率が、50質量%以上96質量%未満であり、60質量%以上93質量%未満であることが好ましく、65質量%以上90質量%未満であることがより好ましく、70質量%以上87質量%未満であることが更に好ましく、75質量%以上84質量%未満であることが特に好ましい。
本発明において、「特定温度まで加熱した際の重量減少率」とは、例えば、次のように測定されるものである。
示差熱-熱重量同時測定装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製、STA7200)を用いて、測定対象試料10mgをアルミパンに入れ、加熱を開始して特定温度まで10℃/minで昇温する。そして、加熱前の対象試料の質量Wと、対象試料が特定温度に達した時の、対象試料の質量Wとから、重量減少率を以下の計算式から算出する。
重量減少率(質量%)=100×(W-W)/W
さらに、第1の溶剤は、250℃まで加熱した際の重量減少率が、95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることが更に好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。
第1の溶剤の250℃まで加熱した際の重量減少率が前記範囲内であることにより、リフローにおいて、フラックスが揮発しやすくなる。これにより、リフロー後において、フラックス残渣をより一層低減しやすくなる。
第1の溶剤の250℃まで加熱した際の重量減少率の上限値は、本発明の効果が奏される限り特に限定されず、測定上100質量%であってもよい。
第1の溶剤の250℃まで加熱した際の重量減少率の上限値は、95質量%以上100質量%以下であることが好ましく、97質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、98質量%以上100質量%以下であることが更に好ましく、99質量%以上100質量%以下であることが特に好ましい。
第1の溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
第1の溶剤としては、例えば、イソボルニルシクロヘキサノール、トリメチロールプロパン等が挙げられ、イソボルニルシクロヘキサノールが好ましい。
第1の溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、30質量%以上であり、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、70質量%以上が特に好ましい。
第1の溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることが更に好ましく、80質量%以下であることが特に好ましい。
第1の溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、30質量%以上98質量%以下であり、40質量%以上95質量%以下であることが好ましく、50質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上85質量%以下であることが更に好ましく、70質量%以上80質量%以下であることが特に好ましい。
≪その他溶剤≫
本実施形態にかかるフラックスは、第1の溶剤以外に、その他溶剤を含有してもよい。
その他溶剤としては、例えば、グリコールエーテル系溶剤、アルコール系溶剤、テルピネオール類、エステル系溶剤が挙げられる。
その他溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
その他溶剤としては、例えば、以下ものが挙げられる。かっこ内は、その溶剤の沸点を意味する。
グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル(237℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(230.6℃)、プロピレングリコールモノフェニルエーテル(242℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(243℃)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(259℃)、ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル(275℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(256℃)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(278℃)、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(261℃)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(275℃)、トリ(プロピレングリコール)n-ブチルエーテルが挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、1,2-ブタンジオール(192℃)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(197℃)、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール(174℃)、1-エチニル-1-シクロヘキサノール(180℃)、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール(338℃)、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、が挙げられる。
テルピネオール類としては、例えば、α-テルピネオール(218℃)、β-テルピネオール(210℃)、γ-テルピネオール(218℃)、テルピネオール混合物(すなわち、その主成分がα-テルピネオールであり、β-テルピネオール又はγ-テルピネオールを含有する混合物)が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、ビス(2-エチルヘキシル)セバケートが挙げられる。
(第2の溶剤)
本実施形態にかかるフラックスは、第1の溶剤以外に、第2の溶剤を含有してもよい。
第2の溶剤は、沸点が250℃以上であり、かつ、比誘電率が6.0以上である。
第2の溶剤の沸点は、250℃以上350℃以下であることが好ましく、250℃以上300℃以下が好ましい。
第2の溶剤の比誘電率は、6.0以上50以下が好ましく、6.0以上30以下がより好ましく、6.0以上20以下が更に好ましく、6.0以上15以下が特に好ましい。
本実施形態にかかるフラックスは、第1の溶剤と第2の溶剤とを併用することにより、基板に印刷されたソルダペーストが、保管時に揮発しにくくなる。その結果、前記フラックスを含有するソルダペーストのタッキングの低下を抑制しやすくなるとともに、前記フラックスを含有するソルダペーストを印刷した基板に対する、部品のマウント性を高めやすくなる。
第2の溶剤としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007236022000002
[式中、Rは、炭素数2~4の炭化水素基を表す。Rは、炭素数4~10の炭化水素基を表す。mは、1~3である。]
における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよい。前記脂肪族炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよく、通常は飽和であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられ、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましい
前記直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が2~3であることが好ましく、炭素数が2であることがより好ましい。
における直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[-CH-]、エチレン基[-(CH-]、トリメチレン基[-(CH-]、テトラメチレン基[-(CH-]等が挙げられ、エチレン基[-(CH-]が好ましい。
における分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、-CH(CH)-、-CH-CH(CH)-、-CH(CHCH)-、-C(CH-、-C(CH)(CHCH)等のアルキルメチレン基;-CH(CH)CH-、-CH(CH)CH(CH)-、-C(CHCH-、-CH(CHCH)CH-等のアルキルエチレン基;-CH(CH)CHCH-、-CHCH(CH)CH-等のアルキルトリメチレン基等が挙げられ、-CH-CH(CH)-が好ましい。
における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよい。前記脂肪族炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよく、通常は飽和であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
における炭化水素基は、炭素数が4~8であることが好ましく、5~7がより好ましく、6が最も好ましい。
一般式(1)で表される化合物としては、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルが好ましい。
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルは、一般式(1)において、Rがエチレン基であり、Rが直鎖状のヘキシル基であり、mが2である。
第2の溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが更に好ましく、30質量%以下であることが特に好ましく、25質量%以下であることが最も好ましい。
第2の溶剤の含有量が前記上限値以下であることにより、加熱だれ抑制能を高めやすくなるとともに、はんだボール発生抑制能を高めやすくなる。
第2の溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。
第2の溶剤の含有量が前記下限値以上であることにより、前記フラックスを含有するソルダペーストのタッキングを高めやすくなるとともに、前記フラックスを含有するソルダペーストを印刷した基板に対する、部品のマウント性を高めやすくなる。
第2の溶剤の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、5質量%以上60質量%以下であることが好ましく、5質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上40質量%以下であることが更に好ましく、10質量%以上30質量%以下であることが特に好ましく、10質量%以上25質量%以下であることが最も好ましい。
前記フラックスにおいて、第1の溶剤と、第2の溶剤との質量比は、第2の溶剤/第1の溶剤で表される質量比、すなわち、第1の溶剤の総質量に対する、第2の溶剤の総質量の割合として、0.1~1.0であることが好ましい。
第2の溶剤/第1の溶剤で表される質量比が上記範囲内であることにより、フラックスのタッキングを高めやすくなるとともに、前記フラックスを含有するソルダペーストを印刷した基板に対する、部品のマウント性を高めやすくなる。
<チキソ剤>
本実施形態にかかるフラックスは、特定のポリアミドを含有する。
≪ポリアミド≫
本明細書において、特定のポリアミドは、分子内に3個以上のアミド結合を有するアミドを意味する。
特定のポリアミドの含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、2質量%超である。
特定のポリアミドは、「脂肪族カルボン酸と、アミンとの縮合物」、及び、「ヒドロキシ基含有脂肪族カルボン酸と、脂肪族カルボン酸と、アミンとの縮合物」からなる群より選択される一種以上である。
特定のポリアミドが由来する前記脂肪族カルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記脂肪族カルボン酸としては、例えば、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸等が挙げられる。前記脂肪族カルボン酸は、モノカルボン酸又はジカルボン酸であることが好ましく、ジカルボン酸であることがより好ましい。
前記脂肪族カルボン酸の炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。前記炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。
前記炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよい。前記炭化水素基は、飽和炭化水素基であることが好ましい。
前記脂肪族モノカルボン酸の炭素数としては、12~22が好ましく、14~22がより好ましく、16~22が更に好ましい。
前記脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられる。前記脂肪族モノカルボン酸は、パルミチン酸又はステアリン酸であることが好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸の炭素数としては、2~20が好ましく、6~16がより好ましく、8~14が更に好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸等が挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸は、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸又はドデカン二酸であることが好ましく、セバシン酸又はドデカン二酸であることが更に好ましい。
前記脂肪族カルボン酸は、脂肪族ジカルボン酸を含むことが好ましい。前記脂肪族カルボン酸は、セバシン酸及びドデカン二酸からなる群より選択される1種以上と、パルミチン酸及びステアリン酸からなる群より選択される1種以上と、を含むものであってもよい。
特定のポリアミドが由来する前記ヒドロキシ基含有脂肪族カルボン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記ヒドロキシ基含有脂肪族カルボン酸の炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。前記炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。
前記炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよい。前記炭化水素基は、飽和炭化水素基であることが好ましい。
前記ヒドロキシ基含有脂肪族カルボン酸の炭素数としては、10~25が好ましく、15~21がより好ましい。
前記ヒドロキシ基含有脂肪族カルボン酸としては、例えば、ヒドロキシペンタデカン酸、ヒドロキシヘキサデカン酸、ヒドロキシヘプタデカン酸、ヒドロキシオクタデカン酸(ヒドロキシステアリン酸)、ヒドロキシエイコサン酸、ヒドロキシヘンエイコサン酸等が挙げられる。前記ヒドロキシ基含有脂肪族カルボン酸は、ヒドロキシステアリン酸であることが好ましく、12-ヒドロキシステアリン酸であることがより好ましい。
特定のポリアミドが由来するアミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記アミンとしては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミンが挙げられる。前記アミンは、脂肪族アミンであることが好ましい。
前記アミンとしては、例えば、モノアミン、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等が挙げられる。前記アミンは、ジアミンであることが好ましい。
前記脂肪族アミンの炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。前記炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。前記脂肪族アミンの炭素数としては、3~10が好ましく、4~8がより好ましい。
前記炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよい。前記炭化水素基は、飽和炭化水素基であることが好ましい。
前記アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ブタン-1,1,4,4-テトラアミン、ピリミジン-2,4,5,6-テトラアミン等が挙げられる。前記アミンは、ヘキサメチレンジアミンであることが好ましい。
特定のポリアミドの吸熱ピークの温度は、DSC(Differential Scanning Calorimetry、示差走査熱量測定)により測定することができる。
具体的な吸熱ピークの測定方法としては、窒素雰囲気下、約10mgのポリアミドを、昇温速度を20℃/minに設定し、25℃から350℃まで昇温することにより測定する方法とする。測定機器としては、DSC7020(日立ハイテクサイエンス製)を用いることができる。本明細書において、吸熱ピークの温度は、ピークトップの温度を意味する。
本実施形態のフラックスに用いられる特定のポリアミドは、120℃以上200℃以下の温度範囲において、1個又は2個以上の吸熱ピークを有する。
吸熱ピークの個数が1個の場合、その吸熱ピークの温度は、150℃以上200℃以下であることが好ましく、160℃以上200℃以下であることがより好ましく、170℃以上200℃以下であることが更に好ましく、180℃以上200℃以下であることが特に好ましい。
吸熱ピークの個数が2個以上の場合、特定のポリアミドは、例えば、最も低い温度の吸熱ピークが120℃以上200℃以下の範囲にあってもよいし、最も高い温度の吸熱ピークが120℃以上200℃以下の範囲にあってもよいし、全ての吸熱ピークが120℃以上200℃以下の範囲にあってもよい。
最も高い温度の吸熱ピークの温度は、150℃以上200℃以下であることが好ましく、160℃以上200℃以下であることがより好ましく、170℃以上200℃以下であることが更に好ましく、180℃以上200℃以下であることが特に好ましい。
特定のポリアミドのDSCによる測定で、160℃以上200℃以下の範囲における吸熱量の割合は、50℃以上200℃以下の範囲における総吸熱量に対して、30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、45%以上であることが更に好ましい。
特定のポリアミドのDSCによる測定で、160℃以上200℃以下の範囲における吸熱量の割合が、前記下限値以上であることにより、リフローの際の加熱だれを十分に抑制することができる。特に、予備加熱の温度が高められた場合でも、例えば、190℃以上、更に200℃以上の場合であっても、加熱だれを抑制することができる。
本明細書において、特定のポリアミドの吸熱量は、特定のポリアミドのDSC曲線のピーク面積から算出することができる。
特定のポリアミドのDSCによる測定で、50℃以上150℃以下の範囲における吸熱量の割合は、50℃以上200℃以下の範囲における総吸熱量に対して、80%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることが更に好ましい。
前記吸熱量の割合の下限値は、発明の効果が奏される限り特に限定されないが、例えば、10%以上であってもよいし、20%以上であってもよいし、30%以上であってもよい。
前記吸熱量の割合は、10%以上80%以下であることが好ましく、10%以上60%以下であることがより好ましく、10%以上50%以下であることが更に好ましい。あるいは、前記吸熱量の割合は、20%以上80%以下であることが好ましく、20%以上60%以下であることがより好ましく、30%以上50%以下であることが更に好ましい。
特定のポリアミドのDSCによる測定で、50℃以上180℃以下の範囲における吸熱量の割合は、50℃以上200℃以下の範囲における総吸熱量に対して、95%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましく、85%以下であることが更に好ましい。
前記吸熱量の割合の下限値は、発明の効果が奏される限り特に限定されないが、例えば、40%以上であってもよいし、50%以上であってもよいし、60%以上であってもよい。
前記吸熱量の割合は、40%以上95%以下であることが好ましく、40%以上90%以下であることがより好ましく、40%以上85%以下であることが更に好ましい。あるいは、前記吸熱量の割合は、50%以上95%以下であることが好ましく、50%以上90%以下であることがより好ましく、60%以上85%以下であることが更に好ましい。
本実施形態のフラックスに含まれる特定のポリアミドは、加熱だれ抑制能がより高められる観点から、脂肪族カルボン酸と、ヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸と、アミンとの縮合物であることが好ましい。
本実施形態のフラックスに含まれる特定のポリアミドは、脂肪族ジカルボン酸と、ヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸と、ジアミンとの縮合物であることがより好ましい。
本実施形態のフラックスに含まれる特定のポリアミドは、炭素数が8~14である脂肪族ジカルボン酸と、炭素数が15~21であるヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸と、炭素数が4~8である脂肪族ジアミンとの縮合物であることが更に好ましい。
これらの中でも、特定のポリアミドは、セバシン酸及びドデカン二酸からなる群より選択される1種以上と、12-ヒドロキシステアリン酸と、ヘキサメチレンジアミンとの縮合物であることが特に好ましい。
特定のポリアミドは、セバシン酸及びドデカン二酸からなる群より選択される1種以上と、パルミチン酸及びステアリン酸からなる群より選択される1種以上と、12-ヒドロキシステアリン酸と、ヘキサメチレンジアミンとの縮合物であってもよい。
特定のポリアミドは、脂肪族ジカルボン酸と、ヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸と、脂肪族ジアミンとの縮合物である場合、これら原料のモル比は以下のような関係式を満たすことが好ましい。
ここで、特定のポリアミドの原料として用いる、脂肪族ジカルボン酸をXモル、ヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸をYモル、脂肪族ジアミンをZモルとする。
原料に含まれている化合物のアミノ基の総モル数は、カルボキシ基の総モル数と等しいか、あるいは、原料に含まれている化合物のアミノ基の総モル数は、カルボキシ基の総モル数よりも少ないことが好ましい。具体的には、2Z≦2X+Yを満たすことが好ましい。
原料間のモル比の関係は、0.2Y≦X≦2Yであることが好ましく、0.4Y≦X≦1.5Yであることがより好ましい。
原料間のモル比の関係は、0.5Y≦Z≦2Yであることが好ましく、0.8Y≦Z≦1.8Yであることがより好ましい。
前記フラックス中の、特定のポリアミドの含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、2質量%超であり、3質量%以上であることがより好ましく、4質量%以上であることが更に好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。
特定のポリアミドの含有量が前記下限値以上であることにより、加熱だれ抑制能を高めやすくなるとともに、はんだボール発生抑制能を高めやすくなる。
前記フラックス中の、特定のポリアミドの含有量の上限値は、本発明の効果が奏される限り特に限定されず、特定のポリアミドの含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、15質量%であってもよく、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることが更に好ましい。
特定のポリアミドの含有量が前記上限値以下であることにより、フラックス残渣をより低減しやすくなる。
前記フラックス中の、特定のポリアミドの含有量は、前記フラックスの総量(100質量%)に対して、2質量%超15質量%以下であり、3質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、4質量%以上8質量%以下であることが更に好ましく、4質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。
前記フラックスにおいて、特定のポリアミドと、前記第2の溶剤との質量比は、特定のポリアミド/第2の溶剤で表される質量比、すなわち、第2の溶剤の総質量に対する、特定のポリアミドの総質量の割合として、0.08~0.4であることが好ましく、0.15~0.4であることがより好ましい。
特定のポリアミド/第2の溶剤で表される質量比が上記範囲内であることにより、加熱だれ抑制能を高めやすくなるとともに、はんだボール発生抑制能を高めやすくなる。
≪その他チキソ剤≫
チキソ剤は、ポリアミドに加えて、その他チキソ剤を含んでもよい。
その他チキソ剤としては、例えば、上記以外のアミド系チキソ剤、ワックス系チキソ剤、ソルビトール系チキソ剤等が挙げられる。
その他チキソ剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記以外のアミド系チキソ剤としては、例えば、モノアミド、ビスアミド、その他のポリアミドが挙げられる。
モノアミドとしては、例えば、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、飽和脂肪酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、p-トルアミド、p-トルエンメタンアミド、芳香族アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、置換アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールアミド、脂肪酸エステルアミド等が挙げられる。
ビスアミドとしては、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシ脂肪酸(脂肪酸の炭素数C6~24)アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、飽和脂肪酸ビスアミド、メチレンビスオレイン酸アミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、m-キシリレンビスステアリン酸アミド、芳香族ビスアミド等が挙げられる。
その他のポリアミドとしては、飽和脂肪酸ポリアミド、不飽和脂肪酸ポリアミド、芳香族ポリアミド、1,2,3-プロパントリカルボン酸トリス(2-メチルシクロヘキシルアミド)、環状アミドオリゴマー、非環状アミドオリゴマー等が挙げられる。
前記環状アミドオリゴマーは、ジカルボン酸とジアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、トリカルボン酸とジアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸とトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、トリカルボン酸とトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及びトリカルボン酸とジアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及びトリカルボン酸とトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸とジアミン及びトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、トリカルボン酸とジアミン及びトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー、ジカルボン酸及びトリカルボン酸とジアミン及びトリアミンとが環状に重縮合したアミドオリゴマー等が挙げられる。
また、前記非環状アミドオリゴマーは、モノカルボン酸とジアミン及び/又はトリアミンとが非環状に重縮合したアミドオリゴマーである場合、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸とモノアミンとが非環状に重縮合したアミドオリゴマーである場合等が挙げられる。モノカルボン酸又はモノアミンを含むアミドオリゴマーであると、モノカルボン酸、モノアミンがターミナル分子(terminal molecules)として機能し、分子量を小さくした非環状アミドオリゴマーとなる。また、非環状アミドオリゴマーは、ジカルボン酸及び/又はトリカルボン酸と、ジアミン及び/又はトリアミンとが非環状に重縮合したアミド化合物である場合、非環状高分子系アミドポリマーとなる。更に、非環状アミドオリゴマーは、モノカルボン酸とモノアミンとが非環状に縮合したアミドオリゴマーも含まれる。
ワックス系チキソ剤としては、例えばエステル化合物が挙げられ、具体的には硬化ひまし油等が挙げられる。
ソルビトール系チキソ剤としては、例えば、ジベンジリデン-D-ソルビトール、ビス(4-メチルベンジリデン)-D-ソルビトール、(D-)ソルビトール、モノベンジリデン(-D-)ソルビトール、モノ(4-メチルベンジリデン)-(D-)ソルビトール等が挙げられる。
<その他成分>
本実施形態にかかるフラックスは、溶剤及びチキソ剤以外に、必要に応じてその他成分を含んでもよい。
その他成分としては、有機酸、アミン、ハロゲン化合物等の活性剤、界面活性剤、金属不活性化剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、着色剤等が挙げられる。
≪活性剤≫
活性剤としては、例えば、有機酸、アミン、ハロゲン化合物等が挙げられる。
[有機酸]
有機酸としては、例えば、カルボン酸、有機スルホン酸等が挙げられる。カルボン酸としては、例えば、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、イソペラルゴン酸、カプリン酸、カプロレイン酸、ラウリン酸(ドデカン酸)、ウンデカン酸、リンデル酸、トリデカン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、イソパルミチン酸、パルミトレイン酸、ヒラゴン酸、ヒドノカーピン酸、マーガリン酸、イソステアリン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、モロクチン酸、エレオステアリン酸、タリリン酸、バクセン酸、リミノレイン酸、ベルノリン酸、ステルクリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、酒石酸、2,4-ジエチルグルタル酸、ジグリコール酸、2-メチルノナン二酸と、4-(メトキシカルボニル)-2,4-ジメチルウンデカン二酸と、4,6-ビス(メトキシカルボニル)-2,4,6-トリメチルトリデカン二酸と、8,9-ビス(メトキシカルボニル)-8,9-ジメチルヘキサデカン二酸等が挙げられる。
芳香族カルボン酸としては、例えば、サリチル酸、ジブチルアニリンジグリコール酸、テレフタル酸、パラヒドロキシフェニル酢酸、フェニルコハク酸、フタル酸、安息香酸、2,3-ジヒドロキシ安息香酸、2-キノリンカルボン酸、3-ヒドロキシ安息香酸、p-アニス酸等が挙げられる。
また、カルボン酸としては、イソシアヌル酸トリス(2-カルボキシエチル)、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
また、カルボン酸としては、下記一般式(c1)で表される化合物が挙げられる。
11-COOH ・・・(c1)
[式中、R11は、炭素数2~15の鎖状炭化水素基、炭素数3~15の脂環式炭化水素基、又は芳香族基を表す。ただし、R11は、ヒドロキシ基を有する。]
11における前記鎖状炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。
前記鎖状炭化水素基及び前記脂環式炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよく、飽和炭化水素基であることが好ましい。
前記鎖状炭化水素基の炭素数は、2~12であることが好ましく、3~9であることがより好ましく、3~7であることが特に好ましく、3~5であることが最も好ましい。
前記鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基等が挙げられる。
前記脂環式炭化水素基の炭素数は、3~12であることが好ましく、4~12であることがより好ましく、4~8であることが更に好ましい。
前記脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基等が挙げられる。
11における前記芳香族基は、芳香環を少なくとも1個有する基であり、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環、芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環、芳香族炭化水素環と芳香族複素環が縮合した縮合環等が挙げられる。
11における前記芳香族基が置換基を有する場合、前記置換基としては、炭素数1~20の炭化水素基、芳香族炭化水素基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられ、カルボキシ基又はヒドロキシ基が好ましい。
上記一般式(c1)で表される有機酸としては、ヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられ、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸が好ましい。
また、カルボン酸としては、ダイマー酸、トリマー酸、ダイマー酸に水素を添加した水添物である水添ダイマー酸、トリマー酸に水素を添加した水添物である水添トリマー酸等が挙げられる。
ダイマー酸、トリマー酸としては、例えば、オレイン酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸、アクリル酸の反応物であるダイマー酸、アクリル酸の反応物であるトリマー酸、メタクリル酸の反応物であるダイマー酸、メタクリル酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とメタクリル酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とメタクリル酸との反応物であるトリマー酸、オレイン酸の反応物であるダイマー酸、オレイン酸の反応物であるトリマー酸、リノール酸の反応物であるダイマー酸、リノール酸の反応物であるトリマー酸、リノレン酸の反応物であるダイマー酸、リノレン酸の反応物であるトリマー酸、アクリル酸とオレイン酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とオレイン酸との反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸、アクリル酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、アクリル酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とオレイン酸との反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とオレイン酸との反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸、メタクリル酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、メタクリル酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、オレイン酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、オレイン酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、リノール酸とリノレン酸との反応物であるダイマー酸、リノール酸とリノレン酸との反応物であるトリマー酸、上述した各ダイマー酸の水添物である水添ダイマー酸、上述した各トリマー酸の水添物である水添トリマー酸等が挙げられる。
例えば、オレイン酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸は、炭素数が36の2量体である。また、オレイン酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸は、炭素数が54の3量体である。
また、カルボン酸としては、下記一般式(a1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007236022000003
[式(a1)中、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4は、それぞれ独立に、炭化水素基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は水素原子を表す。]
a1、Ra2、Ra3及びRa4における炭化水素基としては、置換基を有してもよい炭素数1~20の鎖状炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数3~20の脂環式炭化水素基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記鎖状炭化水素基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。前記鎖状炭化水素基は、飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基であり、飽和炭化水素基であることが好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
a1、Ra2、Ra3及びRa4における炭化水素基が有し得る置換基としては、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アシル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
前記炭化水素基としては、置換基を有してもよい炭素数1~5の鎖状炭化水素基又はカルボキシ基であることが好ましい。前記鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。前記炭化水素基としては、カルボキシ基が好ましい。
上記一般式(a1)で表される化合物としては、例えば、ピコリン酸、ジピコリン酸、3-ヒドロキシピコリン酸等が挙げられる。
ピコリン酸は、上記一般式(a1)において、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4が水素原子である化合物である。
3-ヒドロキシピコリン酸は、上記一般式(a1)において、Ra1がヒドロキシ基であり、かつ、Ra2、Ra3及びRa4が水素原子である化合物である。
有機スルホン酸としては、例えば、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸等が挙げられる。脂肪族スルホン酸としては、例えば、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸等が挙げられる。
アルカンスルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1-プロパンスルホン酸、2-プロパンスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、2-ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸等が挙げられる。
アルカノールスルホン酸としては、例えば、2-ヒドロキシエタン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシブタン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシペンタン-1-スルホン酸、1-ヒドロキシプロパン-2-スルホン酸、3-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸、4-ヒドロキシブタン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシヘキサン-1-スルホン酸、2-ヒドロキシデカン-1-スルホン酸および2-ヒドロキシドデカン-1-スルホン酸等が挙げられる。
芳香族スルホン酸としては、例えば、1-ナフタレンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p-フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸およびジフェニルアミン-4-スルホン酸等が挙げられる。
有機酸は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
有機酸としては、脂肪族カルボン酸が好ましく、脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
有機酸としては、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、ジグリコール酸、2-メチルノナン二酸、4-(メトキシカルボニル)-2,4-ジメチルウンデカン二酸、4,6-ビス(メトキシカルボニル)-2,4,6-トリメチルトリデカン二酸、及び8,9-ビス(メトキシカルボニル)-8,9-ジメチルヘキサデカン二酸からなる群より選択される一種以上を含むことが好ましく、ジグリコール酸、及び、2-メチルノナン二酸と、4-(メトキシカルボニル)-2,4-ジメチルウンデカン二酸と、4,6-ビス(メトキシカルボニル)-2,4,6-トリメチルトリデカン二酸と、8,9-ビス(メトキシカルボニル)-8,9-ジメチルヘキサデカン二酸とからなる有機酸混合物からなる群より選択される一種以上を含むことがより好ましい。
[アミン]
アミンとしては、例えば、アゾール類、グアニジン類、アミノアルコール、アルキルアミン化合物、アミンポリオキシアルキレン付加体等が挙げられる。
アゾール類としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-s-トリアジン、エポキシ-イミダゾールアダクト、2-メチルベンゾイミダゾール、2-オクチルベンゾイミダゾール、2-ペンチルベンゾイミダゾール、2-(1-エチルペンチル)ベンゾイミダゾール、2-ノニルベンゾイミダゾール、2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,4-トリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール]、6-(2-ベンゾトリアゾリル)-4-tert-オクチル-6’-tert-ブチル-4’-メチル-2,2’-メチレンビスフェノール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2’-[[(メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1-(1’,2’-ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1-(2,3-ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-[(2-エチルヘキシルアミノ)メチル]ベンゾトリアゾール、2,6-ビス[(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]-4-メチルフェノール、5-メチルベンゾトリアゾール、5-フェニルテトラゾール等が挙げられる。
グアニジン類としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。
アミノアルコールとしては、例えば、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、1-アミノ-2-プロパノール、ビス(2-ヒドロキシプロピル)アミン、トリス(2-ヒドロキシプロピル)アミン等が挙げられる。
アルキルアミン化合物としては、例えば、エチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、シクロヘキシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン等が挙げられる。
アミンポリオキシアルキレン付加体としては、例えば、末端ジアミンポリアルキレングリコール、脂肪族アミンポリオキシアルキレン付加体、芳香族アミンポリオキシアルキレン付加体、多価アミンポリオキシアルキレン付加体等が挙げられる。
アミンポリオキシアルキレン付加体に付加されているアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
末端ジアミンポリアルキレングリコールは、ポリアルキレングリコールの両末端がアミノ化された化合物である。
末端ジアミンポリアルキレングリコールとしては、例えば、末端ジアミンポリエチレングリコール、末端ジアミンポリプロピレングリコール、末端ジアミンポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体等が挙げられる。
末端ジアミンポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体としては、例えば、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合物ビス(2-アミノプロピル)エーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合物ビス(2-アミノエチル)エーテルが挙げられる。
脂肪族アミンポリオキシアルキレン付加体、芳香族アミンポリオキシアルキレン付加体、及び多価アミンポリオキシアルキレン付加体は、アミンの窒素原子にポリオキシアルキレン基が結合したものである。前記アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂アミン、硬化牛脂アミン、牛脂プロピルジアミン、メタキシレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4-ジアミノジフェニルメタン、ブタン-1,1,4,4-テトラアミン、ピリミジン-2,4,5,6-テトラアミン等が挙げられる。
アミンは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態にかかるフラックスは、樹脂成分を含まないことが好ましい。樹脂成分を含まないことにより、フラックス残渣の量を低減しやすくなる。
本明細書において、樹脂成分としては、例えば、ロジン、ロジン以外の樹脂等が挙げられる。
本明細書において、「ロジン」とは、アビエチン酸を主成分とする、アビエチン酸とこの異性体との混合物を含む天然樹脂、及び天然樹脂を化学修飾したもの(ロジン誘導体と呼ぶ場合がある)を包含する。
ロジン誘導体としては、例えば、精製ロジン、変性ロジン等が挙げられる。
変性ロジンとしては、水添ロジン、重合ロジン、重合水添ロジン、不均化ロジン、酸変性ロジン、ロジンエステル、酸変性水添ロジン、無水酸変性水添ロジン、酸変性不均化ロジン、無水酸変性不均化ロジン、フェノール変性ロジン及びα,β不飽和カルボン酸変性物(アクリル化ロジン、マレイン化ロジン、フマル化ロジン等)、並びに該重合ロジンの精製物、水素化物及び不均化物、並びに該α,β不飽和カルボン酸変性物の精製物、水素化物及び不均化物、ロジンアルコール、ロジンアミン、水添ロジンアルコール、ロジンエステル、水添ロジンエステル、ロジン石鹸、水添ロジン石鹸、酸変性ロジン石鹸等が挙げられる。
ロジン以外の樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペンフェノール樹脂、スチレン樹脂、変性スチレン樹脂、キシレン樹脂、変性キシレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル-ポリエチレン共重合樹脂、その他熱硬化性樹脂等が挙げられる。
変性テルペン樹脂としては、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂等が挙げられる。変性テルペンフェノール樹脂としては、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。変性スチレン樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等が挙げられる。変性キシレン樹脂としては、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹脂、フェノール変性レゾール型キシレン樹脂、ポリオール変性キシレン樹脂、ポリオキシエチレン付加キシレン樹脂等が挙げられる。
その他熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF 型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アミノプロパン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、トリアジン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
従来、フラックス残渣を低減するために、フラックス中のロジンの含有量を低減することが提案されている。ロジンの含有量が低減されたフラックスにおいては、フラックスの粘度、チキソ比等のフラックスのレオロジー特性が得られにくくなる。
以上説明した本実施形態にかかるフラックスは、第1の溶剤と、特定のポリアミドとを含有することにより、フラックス残渣を低減できるとともに、加熱だれを抑制することができる。かかる効果が得られる理由は定かではないが、次のように推測される。
分子内に3個以上のアミド結合を有する特定のポリアミドは、モノアミド及びビスアミドに比べて、加熱だれ抑制能を高めやすい。本実施形態にかかるフラックスは、ロジンを含有しなくても、加熱だれを抑制することが可能である。
特定のポリアミドは、モノアミド及びビスアミドに比べて、加熱だれ抑制能を高めやすい。しかしながら、特定のポリアミドを含有するフラックスは、一般に、リフロー後に、フラックス残渣を生じやすい。
特定のポリアミドは、加熱だれ抑制能を高めやすいため、所定の加熱だれ抑制能を得るために必要な添加量を低減できる。また、本実施形態にかかるフラックスは、プレヒートの後、かつ、本加熱の前において、第1の溶剤が残存しやすいため、チキソ剤、活性剤等が乾固することを抑制しやすい。加えて、本実施形態にかかるフラックスは、リフローの本加熱において第1の溶剤が揮発しやすい。これらの相乗効果により、本実施形態にかかるフラックスは、特定のポリアミドを含有しても、第1の溶剤を含有することにより、チキソ剤、活性剤、第1の溶剤等に由来するフラックス残渣を低減することが可能となる。
(ソルダペースト)
第2の態様にかかるソルダペーストは、はんだ合金粉末と、上述したフラックスと、を含有する。
はんだ合金粉末は、Sn単体のはんだの粉体、または、Sn-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Ag-Cu系、Sn-Bi系、Sn-In系等、あるいは、これらの合金にSb、Bi、In、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Fe、Ni、Co、Au、Ge、P等を添加したはんだ合金の粉体で構成されてもよい。
はんだ合金粉末は、Sn-Pb系、あるいは、Sn-Pb系にSb、Bi、In、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Fe、Ni、Co、Au、Ge、P等を添加したはんだ合金の粉体で構成されてもよい。
はんだ合金粉末は、Pbを含まないはんだであることが好ましい。
はんだ合金粉末としては、例えば、その溶融温度が150~250℃のものを用いることができる。
フラックスの含有量:
ソルダペースト中、フラックスの含有量は、ソルダペーストの全質量に対して5~30質量%であることが好ましく、5~15質量%であることがより好ましい。
以上説明した本実施形態にかかるソルダペーストは、フラックス残渣を低減できるとともに、加熱だれを抑制することができる。
(接合体の製造方法)
第3の態様にかかる接合体の製造方法は、部品と、基板とを、はんだ付けすることにより、接合体を得る工程を含む。
以下、第3の態様にかかる接合体の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態にかかる接合体の製造方法は、ソルダペースト塗布工程、部品取付け工程、リフロー工程を、この順に有する方法である。
ソルダペースト塗布工程においては、第2の態様にかかるソルダペーストを、基板の表面に塗布する。
基板としては、例えば、プリント配線基板、ウエハ等が挙げられる。
ソルダペーストを塗布する方法としては、例えば、開口部を有するマスクを用いてソルダペーストを印刷塗布する方法、ディスペンサ等を用いてソルダペーストを吐出する方法、プローブピン等を用いてソルダペーストを転写する方法等が挙げられる。
部品取付け工程においては、ソルダペーストが印刷された基板に、部品を取り付ける。
基板としては、例えば、プリント配線基板などが挙げられる。
部品としては、例えば、チップ、集積回路、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、及びコンデンサ等が挙げられる。
リフロー工程の雰囲気は、本発明の効果が奏される限り特に限定されないが、例えば、窒素ガス雰囲気又は還元性ガス雰囲気であってもよい。
還元性ガス雰囲気は、例えば、リフロー炉において還元性化合物を揮発させて形成されるものであってもよいし、液体の還元性化合物に対して窒素を通気させることにより得られる還元性ガスを、リフロー炉へ供給して形成されるものであってもよい。還元性化合物としては、ギ酸が好ましい。
リフロー工程の雰囲気が還元性ガス雰囲気である場合、用いるソルダペーストは、活性剤の量を低減させてもよく、活性剤を含有しなくてもよい。これにより、フラックス残渣をより低減することが可能である。
リフロー工程においては、リフロー炉において、ソルダペーストに含まれるはんだ粉末の融点よりも高い温度(すなわち、ピーク温度)で、部品取り付け後の基板を加熱する(これを本加熱工程という)。加熱温度としては、例えば、はんだ粉末の融点よりも5~30℃高い温度であってもよい。加熱時間としては、例えば、10秒~2分であってもよい。
リフロー工程は、本加熱工程の前に、プレヒート工程を有するものであってもよい。
プレヒート工程は、リフロー炉において、ソルダペーストに含まれるはんだ粉末の融点よりも低い温度で、部品取り付け後の基板を加熱する。加熱温度としては、例えば、150~180℃であってもよい。加熱時間としては、例えば、30秒~2分であってもよい。
プレヒート工程において、リフロー炉の炉内は、上述した窒素ガス雰囲気であってもよいし、還元性ガス雰囲気であってもよい。
以上説明した本実施形態にかかる接合体の製造方法によれば、フラックス残渣が低減されるとともに、加熱だれを抑制することができるため、得られる接合体の接合強度を高められる。加えて、基板において短絡が生じるおそれを低減することが可能である。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<フラックスの調製>
(実施例1~23、比較例1~4)
表1~4に示す組成で実施例及び比較例の各フラックスを調合した。
使用した原料を以下に示した。
溶剤:
第1の溶剤:
イソボルニルシクロヘキサノール:沸点318℃、30℃粘度10Pa・s以上
トリメチロールプロパン:融点60℃、沸点295℃
第2の溶剤:
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(比誘電率6.58、沸点259℃)
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルは、一般式(1)において、Rがエチレン基であり、Rが直鎖状のヘキシル基であり、mが2である。
その他溶剤:
エチレングリコールモノフェニルエーテル(比誘電率6.01、沸点237℃)
プロピレングリコールモノフェニルエーテル(比誘電率4.47、沸点243℃)
ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル(比誘電率5.04、沸点272℃)
トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル(比誘電率4.48、沸点274℃)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(比誘電率8.37、沸点231℃)
イソステアリルアルコール(比誘電率2.67、沸点304℃)
2-メチルペンタンー2,4-ジオール(比誘電率4.47、沸点197℃)
αーテルピネオール(比誘電率3.04、沸点218℃)
チキソ剤:
ポリアミド:
ポリアミドは、次の方法により得られたものを用いた。
12-ヒドロキシステアリン酸とドデカン二酸を加えて約100℃まで加熱し、その後ヘキサメチレンジアミンを加えて約220℃まで加熱して3時間保持し、調製例1のポリアミドを得た。
原料として用いた、ドデカン二酸をXモル、12-ヒドロキシステアリン酸をYモル、ヘキサメチレンジアミンをZモルとする。原料のモル数は、2Z=2X+Yの関係を満たすものであった。
その他チキソ剤:
ステアリン酸アミド、N,N’-メチレンビス(ステアロアミド)、硬化ひまし油
活性剤:
有機酸混合物(2-メチルノナン二酸と、4-(メトキシカルボニル)-2,4-ジメチルウンデカン二酸と、4,6-ビス(メトキシカルボニル)-2,4,6-トリメチルトリデカン二酸と、8,9-ビス(メトキシカルボニル)-8,9-ジメチルヘキサデカン二酸とからなる有機酸混合物)
ジグリコール酸
実施例で用いた化合物の沸点の値は、対象の液体の飽和蒸気圧が1気圧(すなわち、1013hPa)と等しくなるときの、その液体の温度を測定した値である。
重量減少率:
溶剤の重量減少率は、次のように測定した。
示差熱-熱重量同時測定装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製、STA7200)を用いて、測定対象試料10mgをアルミパンに入れ、加熱を開始して特定温度まで10℃/minで昇温した。そして、加熱前の対象試料の質量Wと、対象試料が特定温度に達した時の、対象試料の質量Wとから、重量減少率を以下の計算式から算出した。
重量減少率(質量%)=100×(W-W)/W
230℃まで加熱した際の重量減少率
イソボルニルシクロヘキサノール:81質量%
トリメチロールプロパン:94質量%
250℃まで加熱した際の重量減少率
イソボルニルシクロヘキサノール:99質量%以上
トリメチロールプロパン:99質量%以上
比誘電率:
溶剤の比誘電率は、JISC 2565に準拠し、測定周波数を1GHzに設定して、測定した。
ポリアミドの吸熱ピーク
調製例1のポリアミドの吸熱ピークの温度は、DSC(Differential Scanning Calorimetry、示差走査熱量測定)により測定した。
より具体的な吸熱ピークの測定方法としては、窒素雰囲気下、約7mgの調製例1のポリアミドを、昇温速度を20℃/minに設定し、30℃から220℃まで昇温することにより測定した。測定機器としては、DSC7020(日立ハイテクサイエンス製)を用いた。ピークトップの温度を、吸熱ピークの温度と定義した。測定結果を図1に示す。
得られたポリアミドは、全ての吸熱ピークのピークトップの温度が120℃以上200℃以下であった。
ポリアミドの吸熱量の割合
調製例1のポリアマイドについて、ある特定温度における吸熱量の割合を次のように算出した。
ポリアマイドの吸熱量は、ポリアマイドのDSC曲線のピーク面積から算出した。
ここで、「ある特定温度における吸熱量の割合」とは、50℃以上200℃以下の範囲における総吸熱量に対する、50℃以上特定温度以下の範囲における吸熱量を意味する。結果を図2に示す。
<ソルダペーストの調製>
実施例1~22、比較例1~4のフラックスと、下記のはんだ合金粉末(1)と、をそれぞれ混合してソルダペーストを調合した。調合したソルダペーストは、いずれも、フラックスを10質量%、はんだ合金粉末を90質量%とした。
実施例23のフラックスと、下記のはんだ合金粉末(2)と、を混合してソルダペーストを調合した。調合したソルダペーストは、フラックスを12.5質量%、はんだ合金粉末を87.5質量%とした。
はんだ合金粉末(1)は、Agが3質量%、Cuが0.5質量%、残部がSnのはんだ合金からなる粉末である。このはんだ合金の固相線温度は217℃であり、液相線温度は219℃である。はんだ合金粉末(1)のサイズは、JIS Z 3284-1:2014における粉末サイズの分類(表2)において、記号4を満たすサイズ(粒度分布)である。
記号4を満たすサイズ(粒度分布):
粉末の短径に対する長径の比が、1.2以下である。
粉末の短径の長さは、40μm以下である。
粉末の短径の長さが38μmを超える粉末の含有量は、粉末の総量(100質量%)に対して、1質量%以下である。
粉末の短径の長さが20μm以上38μm以下の粉末の含有量は、粉末の総量(100質量%)に対して、80質量%以上である。
粉末の短径の長さが20μm未満の粉末の含有量は、粉末の総量(100質量%)に対して、10質量%以下である。
はんだ合金粉末(2)は、Sbが5質量%、残部がSnのはんだ合金からなる粉末である。このはんだ合金の固相線温度は240℃であり、液相線温度は243℃である。はんだ合金粉末(2)のサイズは、はんだ合金粉末(1)のサイズと同一である。
下記の<評価>に記載した評価方法にしたがって、≪フラックス残渣量の評価≫、≪加熱だれ抑制能の評価≫、≪はんだボール発生抑制能の評価≫、≪タッキングの評価≫、≪部品のマウント性の評価≫を行った。これらの評価結果を表1~4に示した。
<評価>
≪フラックス残渣量の評価≫
検証方法:
示差熱-熱重量同時測定装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製、STA7200)を用いて、各例のフラックス10mgをアルミパンに入れ、加熱を開始して250℃まで10℃/minで昇温した。そして、加熱前の対象試料の質量Wと、対象試料が250℃に達した時の、対象試料の質量Wとから、残存率を以下の計算式から算出した。
残存率(%)=100×W/W
判定基準:
A:残存率が10%未満である。
B:残存率が10%以上である。
評価結果が、Aであったフラックスは合格であり、Bであったフラックスは不合格であるとした。
≪加熱だれ抑制能の評価≫
検証方法:
調製したソルダペーストについて、JIS Z 3284-3:2014の「加熱時のだれ試験」に記載された方法に従って、加熱だれを評価した。まず、「印刷時のだれ試験」の図6中のI(孔のサイズ 3.0×0.7)に示すパターン孔を配したメタルマスクを用いて、ソルダペーストを印刷して試験板を得た。得られた試験板を、150℃で3分間、恒温槽中で静置した。上記のIのパターンの模式図を図3に示す。図3において、0.2~1.2の数値は、パターン孔とパターン孔との間の距離を表している。加熱後の試験板について、印刷されたソルダペースト全てが一体にならない最小間隔を評価した。
≪はんだボール発生抑制能の評価≫
検証方法:
調製したソルダペーストを、メタルマスクを用いて、チップ部品搭載用のランドパターンを持つプリント基板上に、φ1.6mm、厚さ0.12mmのパターンを印刷した。次いで、マウンター(パナソニック社製、NPM-W2)を用いて、印刷後のプリント基板上に、30個の3216チップコンデンサを搭載した。次いで、チップ部品の周辺に、はんだボール(これをチップサイドボール又はキャピラリボールという)が発生したか否かを検証した。
判定基準:
A:チップコンデンサの周囲に、φ0.1mm以上のはんだボールが発生しなかった。
B:チップコンデンサの周囲に、φ0.1mm以上のはんだボールが発生した。
評価結果が、Aであったフラックスは合格であり、Bであったフラックスは不合格であるとした。
≪タッキングの評価≫
検証方法:
JIS Z 3284-3(2014) 4.5に記載の評価方法に従って、保管後のフラックスの粘着力を評価した。測定装置としては、タッキネステスター TK-1(マルコム社製)を用いた。
メタルマスクを用いて、アルミナ板上に、各例のソルダペーストを印刷し、φ6.5mm、厚さ0.2mmの印刷パターンを4個作製した。次いで、ソルダペーストを印刷したアルミナ板を密閉容器にいれ、温湿度管理室において、25℃、湿度50%で、8時間静置した。次いで、印刷パターンをタッキング試験機のプローブの下に置いた後、パターンの中心とプローブの中心とを合わせた。次いで、プローブを2.0mm/sの速度でペースト中へ降下させ、0.05±0.005Nの一定加圧力で加圧した。次いで、加圧後0.2秒以内に、10mm/sの速度でプローブを引き上げた。4個の印刷パターンについて、プローブを引きはがす際の力を測定し、そのうちの最大の力を粘着力とした。表中、粘着力の単位は、[N]である。
≪部品のマウント性の評価≫
検証方法:
調製したソルダペーストを、メタルマスクを用いて、チップ部品搭載用のランドパターンを持つプリント基板上に、φ1.6mm、厚さ0.12mmのパターンを印刷した。次いで、ソルダペーストを印刷したプリント基板を密閉容器にいれ、温湿度管理室において、25℃、湿度50%で、8時間静置した。次いで、マウンター(パナソニック社製、NPM-W2)を用いて、印刷後のプリント基板上に、30個の3216チップコンデンサを搭載した。
判定基準:
A:基板に対してずれた、又は基板から脱落したコンデンサは、なかった。
B:基板に対してずれた、又は基板から脱落したコンデンサの個数は、1個以上であった。
評価結果が、Aであったフラックスは合格であり、Bであったフラックスは不合格であるとした。
Figure 0007236022000004
Figure 0007236022000005
Figure 0007236022000006
Figure 0007236022000007
第1の溶剤を含有する実施例1~23のフラックスは、フラックス残渣量の評価結果がAであった。
ポリアミドを含有する実施例1~23のフラックスは、加熱だれ抑制能の評価結果が0.5mm未満であり、はんだボール発生抑制能の評価結果がAであった。
ポリアミドを含有しない比較例1、3~4のフラックスは、加熱だれ抑制能の評価結果が0.6mm以上であり、はんだボール発生抑制能の評価結果がBであった。
ポリアミドの含有量が2質量%である、比較例2のフラックスは、加熱だれ抑制能の評価結果が0.5mmであり、はんだボール発生抑制能の評価結果がBであった。
ポリアミド/第2の溶剤で表される質量比が0.15未満である、実施例18のフラックスは、加熱だれ抑制能の評価結果が0.4mmであった。
ポリアミド/第2の溶剤で表される質量比が0.15~0.40である、実施例16~17のフラックスは、加熱だれ抑制能の評価結果が0.2mmであった。
すなわち、ポリアミド/第2の溶剤で表される質量比が0.15~0.40であることにより、加熱だれ抑制能をより高めやすくなることが確認された。
イソボルニルヘキサノールを含有する実施例19のフラックスは、加熱だれ抑制能の評価結果が0.3mmであった。
トリメチロールプロパンを含有する実施例22のフラックスは、加熱だれ抑制能の評価結果が0.4mmであった。
すなわち、第1の溶剤としてイソボルニルヘキサノールを含むフラックスは、加熱だれ抑制能をより高めやすくなることが確認された。
第2の溶剤を含有する、実施例1、9~11、14~23、比較例1~4のフラックスは、タッキングの評価結果が0.3N以上であり、部品のマウント性の評価結果がAであった。
第2の溶剤を含有しない、実施例2~8、12のフラックスは、タッキングの評価結果が0.1Nであり、部品のマウント性の評価結果がBであった。
第2の溶剤/第1の溶剤で表される質量比が0.1~1.0である、実施例16~18のフラックスは、タッキングの評価結果が0.6Nであり、部品のマウント性の評価結果がAであった。
すなわち、第2の溶剤/第1の溶剤で表される質量比が0.1~1.0であることにより、タッキングの評価結果をより高めやすくなることが確認された。
本発明によれば、フラックス残渣を低減できるとともに、加熱だれを抑制することができるフラックス及びソルダペーストを提供することができる。このフラックスは、フラックス残渣を洗浄する工程が無いはんだ付けに好適に用いられる。

Claims (6)

  1. イソボルニルシクロヘキサノール及びトリメチロールプロパンからなる群より選択される一種以上と、沸点が250℃以上であり、かつ、比誘電率が6.0以上である下記一般式(1)で表される化合物と、チキソ剤とを含有し、
    樹脂成分を含有せず、
    前記チキソ剤は、脂肪族カルボン酸とヒドロキシ基含有脂肪族カルボン酸とアミンとの縮合物であるポリアミドを含み、
    イソボルニルシクロヘキサノール及びトリメチロールプロパンからなる群より選択される一種以上の含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、30質量%以上であり、
    前記ポリアミドの含有量は、フラックスの総質量(100質量%)に対して、2質量%超である、フラックス。
    Figure 0007236022000008
    [式中、R は、炭素数2~4の炭化水素基を表す。R は、炭素数4~10の炭化水素基を表す。mは、1~3である。]
  2. イソボルニルシクロヘキサノール及びトリメチロールプロパンからなる群より選択される一種以上である第1の溶剤と、沸点が250℃以上であり、かつ、比誘電率が6.0以上であり、前記一般式(1)で表される化合物である第2の溶剤との質量比は、第2の溶剤/第1の溶剤で表される質量比として、0.1~1.0である、請求項に記載のフラックス。
  3. 前記ポリアミドと、沸点が250℃以上であり、かつ、比誘電率が6.0以上であり、前記一般式(1)で表される化合物である第2の溶剤との質量比は、ポリアミド/第2の溶剤で表される質量比として、0.15~0.4である、請求項に記載のフラックス。
  4. 前記脂肪族カルボン酸は、ジカルボン酸を含む、請求項1に記載のフラックス。
  5. はんだ合金粉末と、請求項1~のいずれか一項に記載のフラックスと、を含有する、ソルダペースト。
  6. 部品と、基板とを、はんだ付けすることにより、接合体を得る工程を含み、
    前記はんだ付けの際、請求項に記載のソルダペーストを用いて、還元性ガス雰囲気でリフローを行う、接合体の製造方法。
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