JP7057533B2 - はんだペースト及びはんだペースト用フラックス - Google Patents
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Description
はんだペーストは、プリント基板の電極上に印刷等によって供給される。はんだペーストの印刷は、開口部が設けられたメタルマスクをプリント基板上に置き、スキージをメタルマスクに押し付けながら移動させ、メタルマスクの開口部からはんだペーストをプリント基板上の電極に一括塗布することにより行われる。
[1]はんだ粉末と、フラックスと、を含有する、はんだペーストであって、前記はんだ粉末は、As:10質量ppm以上40質量ppm未満、並びにBi:0~25000質量ppmおよびPb:0~8000質量ppmの少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たすはんだ合金を含む、はんだペースト。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
本明細書において、はんだ合金組成に関する「ppm」は、特に指定しない限り「質量ppm」である。「%」は、特に指定しない限り「質量%」である。
本実施形態のはんだペーストは、特定のはんだ粉末と、フラックスと、を含有する。
本実施形態のはんだペーストに用いられるはんだ粉末は、As:10質量ppm以上40質量ppm未満、並びにBi:0~25000質量ppmおよびPb:0~8000質量ppmの少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たすはんだ合金を含む。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
(1)As:10質量ppm以上40質量ppm未満
Asは、はんだペーストの粘度の経時変化を抑制することができる元素である。
Asは、フラックスとの反応性が低く、また、Snに対して貴な元素であるために増粘抑制効果を発揮することができると推察される。Asが10質量ppm未満であると、増粘抑制効果を十分に発揮することができない。As含有量の下限は10質量ppm以上であり、好ましくは14質量ppm以上である。
一方、Asが多すぎると、フラックスの活性によってははんだ合金の濡れ性が劣化する。As含有量の上限は40質量ppm未満であり、好ましくは38質量ppm以下であり、より好ましくは25質量ppm未満であり、さらに好ましくは24質量ppm以下であり、特に好ましくは18質量ppm以下である。
BiおよびPbは、フラックスとの反応性が低く増粘抑制効果を示す元素である。また、これらの元素は、はんだ合金の液相線温度を下げるとともに、溶融はんだの粘性を低減させるため、Asによる濡れ性の劣化を抑えることができる元素である。BiおよびPbの少なくとも1種が存在すれば、Asによる濡れ性の劣化を抑えることができる。
このような観点から、本発明におけるはんだ合金がBiを含有する場合、Bi含有量の上限は25000質量ppm以下であり、好ましくは10000質量ppm以下であり、より好ましくは1000質量ppm以下であり、さらに好ましくは300質量ppm以下である。
本発明におけるはんだ合金がPbを含有する場合、Pb含有量の上限値は8000質量ppm以下であり、好ましくは5100質量ppm以下であり、より好ましくは1000質量ppm以下であり、さらに好ましくは300質量ppm以下である。
本発明におけるはんだ合金は、下記(1)式を満たす必要がある。
300≦3As+Bi+Pb (1)
上記(1)式中、As、BiおよびPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
(1)式中、As含有量を3倍にしたのは、BiおよびPbの少なくとも1種を含有する場合に、As含有量がこれらの含有量より少なく、また、AsがBiやPbと比較して増粘抑制効果が高いためである。
(1)式が300未満であると、増粘抑制効果が十分に発揮されない。(1)式の下限は300以上であり、好ましくは480以上であり、より好ましくは496以上であり、さらに好ましくは504以上であり、特に好ましくは522以上であり、最も好ましくは564以上である。一方、(1)式の上限は、増粘抑制効果の観点では特に限定されることはないが、ΔTを適した範囲にする観点から、好ましくは25114以下であり、より好ましくは25042以下であり、さらに好ましくは15214以下であり、特に好ましくは15172以下であり、最も好ましくは15142以下である。
上記好ましい態様の中から上限を適宜選択したものが、下記(1a)式である。
300≦3As+Bi+Pb≦25114 (1a)
上記(1a)式中、As、BiおよびPbは各々合金組成での含有量(ppm)を表す。
本発明におけるはんだ合金は、下記(2)式を満たす必要がある。
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(2)式中、BiおよびPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
(2)式の下限は0超えであり、好ましくは0.06以上であり、より好ましくは0.13以上であり、さらに好ましくは0.20以上であり、特に好ましくは0.28以上であり、最も好ましくは0.32以上である。
一方、(2)式が7を超えると、ΔTの温度域が広くなりすぎるため、溶融はんだの凝固時に、BiやPbの濃度が高い結晶相が偏析して機械的強度等が劣化する。
(2)の上限は7以下であり、好ましくは6.56以下であり、より好ましくは6.48以下であり、さらに好ましくは5.75以下であり、さらにより好ましくは1.05以下であり、特に好ましくは0.89以下であり、最も好ましくは0.48以下である。
上記好ましい態様の中から上限および下限を適宜選択したものが、下記(2a)式である。
0.06≦2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦6.56 (2a)
上記(2a)式中、BiおよびPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
FeとNiは、金属間化合物の成長を抑制することができる任意元素である。
Niは、本発明におけるはんだ合金がCu電極を接合する場合や、後述するようにCuを含有する場合には、接合界面に形成されるCu6Sn5層を(Cu、Ni)6Sn5層にして金属間化合物層の膜厚を薄くすることができる。また、Feは、溶融はんだの凝固時に結晶核の生成を促進し、Cu6Sn5、Cu3Sn、Ag3Snなどの金属間化合物相の成長を抑制することができる。これらの元素の含有量が所定の範囲内であれば、液相線温度が上昇し過ぎず、ΔTが許容範囲に収まり、高い機械的特性を維持することができる。
本発明におけるはんだ合金がFeを含有する場合には、Fe含有量の上限は、好ましくは100質量ppm以下であり、より好ましくは80質量ppm以下であり、さらに好ましくは50質量ppm以下である。
NiとFeの含有量の下限は、特に限定されないが、金属間化合物の成長を抑制する効果が十分に発揮されるため、Ni含有量の下限は、好ましくは10質量ppm以上であり、より好ましくは40質量ppm以上である。Fe含有量の下限は、好ましくは10質量ppm以上であり、より好ましくは20質量ppm以上である。
Inは、Snの固溶強化型元素体であるために、高い機械的特性を維持することができる任意元素である。In含有量が所定の範囲内であれば、ΔTが許容範囲に収まり、高い機械的特性を維持することができる。
本発明におけるはんだ合金がInを含有する場合には、In含有量の上限は、好ましくは1200質量ppm以下であり、より好ましくは100質量ppm以下である。
In含有量の下限は、特に限定されないが、十分に固溶体が形成されるようにするため、好ましくは20質量ppm以上であり、より好ましくは30質量ppm以上であり、さらに好ましくは50質量ppm以上である。
Ni、FeおよびInは、各々の含有量が所定の範囲内であれば、ΔTが許容範囲に収まりやすく、高い機械的特性を維持することができる。本発明では、これらの中から少なくとも2種以上を所定の範囲内で含有してもよく、3種を同時に含有してもよい。
本発明におけるはんだ合金は、NiおよびFeを所定量含有するとともに、下記(3)式を満たすことが好ましい。
0≦Ni/Fe≦50 (3)
(3)式中、NiおよびFeは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
本発明におけるはんだ合金は、NiおよびFeを所定量含有した上で、(3)式を満たすことが好ましい。このような効果を発揮するため、(3)式の下限は、好ましくは0以上であり、より好ましくは0.1以上であり、さらに好ましくは2以上であり、特に好ましくは7.5以上である。(3)式の上限は、好ましくは50以下であり、より好ましくは10以下であり、さらに好ましくは8.0以下である。
0≦Ni+Fe≦680 (4)
(4)式中、NiおよびFeは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
また、液相線温度が上昇し過ぎないようにするため、(4)式の上限は、好ましくは680質量ppm以下であり、より好ましくは500質量ppm以下であり、さらに好ましくは200質量ppm以下であり、特に好ましくは150質量ppm以下であり、最も好ましくは110質量ppm以下である。
Agは、結晶界面にAg3Snを形成して、はんだ合金の機械的強度等を向上させることができる任意元素である。また、Agは、イオン化傾向がSnに対して貴な元素であり、As、PbおよびBiと共存することにより、これらの増粘抑制効果を助長する。
Ag含有量の下限は、好ましくは0質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1.0質量%以上である。Ag含有量の上限は、好ましくは4質量%以下であり、より好ましくは3.5質量%以下であり、さらに好ましくは3.0質量%以下である。
Cuは、はんだ継手の接合強度を向上させることができる任意元素である。また、Cuはイオン化傾向がSnに対して貴な元素であり、As、PbおよびBiと共存することにより、これらの増粘抑制効果を助長する。
Cu含有量の下限は、好ましくは0質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.2質量%以上である。Cu含有量の上限は、好ましくは0.9質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.7質量%以下である。
本発明におけるはんだ合金の残部はSnである。前述の元素の他に不可避的不純物を含有してもよい。不可避的不純物を含有する場合であっても、前述の効果に影響することはない。また、後述するように、本発明では含有しない元素が不可避的不純物として含有されても、前述の効果に影響することはない。
本発明におけるはんだ粉末は、後述するはんだペーストに使用され、球状粉末であることが好ましい。球状粉末であることによりはんだ合金の流動性が向上する。本発明におけるはんだ粉末は、JIS Z 3284-1:2014における粉末サイズの分類(表2)において記号1~8を満たすサイズ(粒度分布)を満たしていることが好ましく、より好ましくは記号4~8を満たすサイズ(粒度分布)であり、さらに好ましくは記号5~8を満たすサイズ(粒度分布)である。粒径がこの条件を満たすと、粉末の表面積が大きすぎず粘度の上昇が抑制され、また、微細粉末の凝集が抑制されて粘度の上昇が抑えられることがある。このため、より微細な部品へのはんだ付けが可能となる。
はんだ粉末の真球度は0.90以上が好ましく、0.95以上がより好ましく、0.99以上が最も好ましい。本発明において、球状粉末の真球度は、最小領域中心法(MZC法)を用いるCNC画像測定システム(ミツトヨ社製のウルトラクイックビジョンULTRA QV350-PRO測定装置)を使用して測定する。
本発明において、真球度とは、真球からのずれを表し、例えば500個の各ボールの直径を長径で割った際に算出される算術平均値であり、値が上限である1.00に近いほど真球に近いことを表す。
本実施形態のはんだペーストに用いられるフラックスは、例えば、樹脂成分と活性成分と溶剤とを含むものが挙げられる。
ここでいう「アクリル系樹脂」とは、アクリル樹脂に加えてメタクリル樹脂、これらのエステルその他の誘導体を包含する概念をいう。
ここでいう「金属不活性化剤」とは、ある種の化合物との接触により金属が劣化することを防止する性能を有する化合物をいう。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアセチレングリコール類、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンエステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、脂肪族アルコールポリオキシエチレン付加体、芳香族アルコールポリオキシエチレン付加体、多価アルコールポリオキシエチレン付加体等が挙げられる。
弱カチオン系界面活性剤としては、末端ジアミンポリエチレングリコール、末端ジアミンポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体、脂肪族アミンポリオキシエチレン付加体、芳香族アミンポリオキシエチレン付加体、多価アミンポリオキシエチレン付加体等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、イソプロピルアルコール、1,2-ブタンジオール、イソボルニルシクロヘキサノール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタン、2-エチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2,2’-オキシビス(メチレン)ビス(2-エチル-1,3-プロパンジオール)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、1,2,6-トリヒドロキシヘキサン、ビス[2,2,2-トリス(ヒドロキシメチル)エチル]エーテル、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、エリトリトール、トレイトール、グアヤコールグリセロールエーテル、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、1-ヘキサデカノール、2-ヘキシルデカノール、イソヘキサデカノール、1-ヘプタデカノール、1-オクタデカノール、イソステアリルアルコール等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
有機酸エステル系溶剤としては、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジブチル、セバシン酸ジメチル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等が挙げられる。
炭化水素類としては、トルエン、キシレン、n-ヘキサン等が挙げられる。
例えば、有機酸の含有量は、フラックスの全質量に対して0質量%超え、15質量%以下が好ましく、0.2質量%以上10質量%以下がより好ましい。
例えば、アミンの含有量は、フラックスの全質量に対して0質量%以上8質量%以下が好ましく、1質量%以上6質量%以下がより好ましい。
例えば、アミンハロゲン化水素酸塩の含有量は、フラックスの全質量に対して0質量%以上8質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましい。
例えば、有機ハロゲン化合物の含有量は、フラックスの全質量に対して0質量%以上8質量%以下が好ましく、0.5質量%以上6質量%以下がより好ましい。
例えば、酸化防止剤の含有量は、フラックスの全質量に対して0質量%以上8質量%以下が好ましく、1質量%以上6質量%以下がより好ましい。
はんだペースト中のフラックスの含有量は、はんだペーストの全質量に対して5~95質量%であることが好ましく、5~15質量%であることがより好ましい。
はんだペースト中のフラックスの含有量がこの範囲であると、はんだ粉末に起因する増粘抑制効果が十分に発揮される。加えて、フラックスに配合する成分の効果、例えば、その使用条件や用途等に応じて、はんだの濡れ速度の向上、接合対象物の金属表面(例えば銅板)の腐食抑制、印刷性の向上、ボイド抑制などの種々の特性の向上が図られやすくなる。
本実施形態のはんだペーストは、当業界で一般的な方法により製造される。
まず、はんだ粉末の製造は、溶融させたはんだ材料を滴下して粒子を得る滴下法や、遠心噴霧する噴霧法、バルクのはんだ材料を粉砕する方法等、公知の方法を採用することができる。滴下法や噴霧法において、滴下や噴霧は、粒子状とするために不活性雰囲気や溶媒中で行うことが好ましい。そして、上記各成分を加熱混合してフラックスを調製し、フラックス中に上記はんだ粉末を導入し、場合によっては酸化ジルコニウム粉末を導入し、撹拌、混合して製造することができる。
本実施の形態のはんだペーストにおいては、Snとともに特定の元素(Bi及びPbの少なくとも一種並びにAs)を特定の割合で併用した合金組成を有するはんだ合金、を含むはんだ粉末を採用する。
かかるはんだ粉末と、フラックスとを組み合わせたはんだペーストでは、粘度上昇等の経時変化が起きにくく、濡れ性に優れ、高い機械的特性を示す。
更には、このはんだペーストによれば、フラックスに配合する成分を選択することで、はんだの濡れ速度の向上、接合対象物の金属表面(例えば銅板)の腐食抑制、印刷性の向上、ボイド抑制などの種々の特性をより高めることができる。
特定のはんだ粉末は、以下に示す、はんだ合金(S1)からはんだ合金(S5)のいずれか1つを含むはんだ粉末、が好適な実施形態として挙げられる。
As:10質量ppm以上40質量ppm未満、並びにBi:0~25000質量ppmおよびPb:0~8000質量ppmの少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たすはんだ合金。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
As:10質量ppm以上40質量ppm未満、並びにBi:0質量ppm超え25000質量ppm以下およびPb:0質量ppm超え8000質量ppm以下の少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たすはんだ合金。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
As:10質量ppm以上40質量ppm未満、並びにBi:50~25000質量ppmおよびPb:0質量ppm超え8000質量ppm以下の少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たすはんだ合金。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
As:10質量ppm以上40質量ppm未満、並びにBi:0質量ppm超え25000質量ppm以下およびPb:50~8000質量ppmの少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たすはんだ合金。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
As:10質量ppm以上40質量ppm未満、並びにBi:50~25000質量ppmおよびPb:50~8000質量ppmの少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たすはんだ合金。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
かかるフラックスは、以下に示す、フラックス(F1)からフラックス(F12)の各組成物、が好適な実施形態として挙げられる。
フラックス(F1)は、酸変性ロジンを含む組成物であり、例えば、酸変性ロジンとチキソ剤と溶剤とを含むものが挙げられる。
酸変性ロジンは、はんだ付けで想定される温度域での耐熱性を有し、はんだ付け時に活性剤として機能する。
フラックス(F1)が含有する酸変性ロジンは、アクリル酸変性ロジン、アクリル酸変性水添ロジン、マレイン酸変性ロジンおよびマレイン酸変性水添ロジンからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
酸変性ロジンの含有量は、フラックス(F1)全体の総量に対して、3.0質量%以上60.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上50.0質量%以下であることがより好ましく、10.0質量%以上50.0質量%以下であることが更に好ましい。
かかるチキソ剤の含有量は、フラックス(F1)の全質量に対して0.1~15.0質量%が好ましく、0.2質量%以上10.0質量%以下がより好ましい。
フラックス(F1)で用いられる溶剤としては、水、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、テルピネオール類等が挙げられる。
フラックス(F1)は、その他ロジンを0質量%超60.0質量%以下含むことが好ましく、0質量%超45質量%以下含むことがより好ましい。
フラックス(F1)は、酸変性ロジンとその他ロジンとを、合計で20質量%以上70質量%以下含むことが好ましく、合計で35質量%以上60質量%以下含むことがより好ましい。
フラックス(F1)は、有機酸、アミン、ハロゲン系活性剤、酸化防止剤を含有してもよい。フラックス(F1)は、更に、界面活性剤を含有してもよい。
また、フラックス(F1)によれば、熱負荷の大きい条件下でも良好な濡れ速度を得ることができる、はんだペースト用フラックスを提供することができる。
フラックス(F2)は、アクリル系樹脂を含む組成物であり、例えば、アクリル系樹脂と有機酸と溶剤とを含むものが挙げられる。
アクリル系樹脂は、はんだ付けで想定される温度域での耐熱性を有し、加熱後に硬化したフラックス残渣中に残存することで、フラックス残渣が軟残渣となる。これにより、温度の変化があってもフラックス残渣が割れることが抑制され、温度サイクル信頼性が向上する。
また、メタクリル酸の重合体、メタクリル酸エステルの重合体、メタクリル酸とメタクリル酸エステルとの重合体等が挙げられる。
さらに、アクリル酸とメタクリル酸との重合体、アクリル酸とメタクリル酸エステルとの重合体、メタクリル酸とアクリル酸エステルとの重合体、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの重合体、アクリル酸とメタクリル酸とアクリル酸エステルとの重合体、アクリル酸とメタクリル酸とメタクリル酸エステルとの重合体、アクリル酸とメタクリル酸とアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの重合体、アクリル酸とアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの重合体、メタクリル酸とアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの重合体等が挙げられる。
また、メタクリル酸エステルとして、例えばメタクリル酸ブチルエステルが挙げられ、メタクリル酸ブチルエステルをモノマーとしたアクリル系樹脂としては、メタクリル酸ブチルエステルの重合体、メタクリル酸ブチルエステル以外のメタクリル酸エステルとメタクリル酸ブチルエステルとの重合体、メタクリル酸とメタクリル酸ブチルエステルとの重合体、メタクリル酸とメタクリル酸ブチルエステル以外のメタクリル酸エステルとメタクリル酸ブチルエステルとの重合体等が挙げられる。
さらに、アクリル酸とメタクリル酸ブチルエステルとの重合体、アクリル酸とメタクリル酸ブチルエステル以外のメタクリル酸エステルとメタクリル酸ブチルエステルとの重合体、メタクリル酸とアクリル酸ブチルエステルとの重合体、メタクリル酸とアクリル酸ブチルエステル以外のアクリル酸エステルとアクリル酸ブチルエステルとの重合体、アクリル酸ブチルエステルとメタクリル酸ブチルエステルとの重合体、アクリル酸ブチルエステル以外のアクリル酸エステルとメタクリル酸ブチルエステルとの重合体、アクリル酸ブチルエステルとメタクリル酸ブチルエステル以外のメタクリル酸エステルとの重合体等が挙げられる。
また、上述したアルコールは、炭素鎖が直鎖状である炭素数が1~24のアルコール、あるいは、炭素鎖が分岐状である炭素数が3~24のアルコールであり、上述したアルコールとしては、炭素数1のメタノール、炭素数2のエタノール、炭素数3の1-プロパノール、炭素数3の2-プロパノール、炭素数3のエチレングリコールモノメチルエーテル、炭素数4の1-ブタノール、炭素数4の2-ブタノール、炭素数4のイソブタノール、炭素数6の1-ヘキサノール、炭素数6のジエチレングリコールモノエチルエーテル、炭素数7のベンジルアルコール、炭素数8の1-オクタノール、炭素数8の2-エチルヘキサノール、炭素数8のフェニルグリコール、炭素数9の1-デカノール、炭素数12のラウリルアルコール、炭素数16のセチルアルコール、炭素数18のステアリルアルコール、炭素数18のオレイルアルコール、炭素数22のベヘニルアルコール等が挙げられる。
また、アクリル系樹脂としては、上述したアクリル系樹脂と他の樹脂との重合体でもよく、例えば、上述した各アクリル系樹脂とポリエチレンとの共重合体でもよい。このようなアクリル・ポリエチレン共重合樹脂としてポリ2-エチルヘキシルアクリレート-ポリエチレン(Mw=12300)等が挙げられる。
フラックス(F2)で用いられる溶剤としては、水、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、テルピネオール類等が挙げられる。
また、ロジンを含む場合、1種のロジンまたは2種以上のロジンの合計の含有量と、1種のアクリル系樹脂または2種以上のアクリル系樹脂の合計の含有量との比率(ロジン合計量/アクリル樹脂合計量)は、0.1以上9.0以下であることが好ましい。
アミンを、フラックス(F2)の全質量に対して、好ましくは0質量%以上20.0質量%以下、より好ましくは0質量%以上5.0質量%以下、ハロゲンとしてアミンハロゲン化水素酸塩を、フラックス(F2)の全質量に対して、好ましくは0質量%以上2.0質量%以下、より好ましくは0質量%以上5.0質量%以下含む。
チキソ剤としては、アミド系チキソ剤を含んでもよく、アミド系チキソ剤を、フラックス(F2)の全質量に対して、好ましくは0質量%以上10.0質量%以下、より好ましくは0質量%以上6.0質量%以下含む。
また、フラックス(F2)は、チキソ剤としてはエステル化合物を含んでもよく、エステル化合物を、フラックス(F2)の全質量に対して、好ましくは0質量%以上8.0質量%以下、より好ましくは0質量%以上4.0質量%以下含む。
さらに、フラックス(F2)は、チキソ剤としてはソルビトール系チキソ剤を含んでもよく、ソルビトール系チキソ剤を、フラックス(F2)の全質量に対して、好ましくは0質量%以上10.0質量%以下、より好ましくは0質量%以上6.0質量%以下含む。
複数のチキソ剤の合計の含有量は、フラックス(F2)の全質量に対して、好ましくは10.0質量%以下である。
また、フラックス(F2)によれば、残渣に柔軟性を持たせ、残渣が割れることを抑制でき、温度サイクル信頼性に優れる効果が得られる、はんだペースト用フラックスを提供することができる。
フラックス(F3)は、モノカルボン酸の反応物で2量体であるダイマー酸、ダイマー酸に水素を添加した水添ダイマー酸、モノカルボン酸の反応物で3量体であるトリマー酸、およびトリマー酸に水素を添加した水添トリマー酸からなる群より選択される少なくとも1種の有機酸を含む組成物である。
フラックス(F3)としては、例えば、前記ダイマー酸、前記水添ダイマー酸、前記トリマー酸および前記水添トリマー酸からなる群より選択される少なくとも1種の有機酸と、ロジンと、チキソ剤と、溶剤と、を含むものが挙げられる。
ダイマー酸及びトリマー酸は、はんだ付けで想定される温度域での耐熱性を有し、はんだ付け時に活性剤として機能する。
例えば、オレイン酸とリノール酸との反応物であるダイマー酸は、炭素数が36の2量体である。また、オレイン酸とリノール酸との反応物であるトリマー酸は、炭素数が54の3量体である。
ダイマー酸、水添ダイマー酸、トリマー酸及び水添トリマー酸からなる群より選択される少なくとも一種の含有量が、0.5質量%以上であると、はんだの濡れ広がり性、はんだの濡れ不良(ディウェット)の抑制の効果がより得られやすくなる。
これら以外の有機酸としては、コハク酸、グルタル酸及びアジピン酸からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。コハク酸、グルタル酸及びアジピン酸からなる群より選択される少なくとも一種の含有量は、フラックスの全質量に対して、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。
また、フラックス(F3)によれば、熱負荷の大きい条件下でも良好な濡れ広がりを示し、かつ、ディウェットの発生を抑制することができる、はんだペースト用フラックスを提供することができる。
フラックス(F4)は、下記一般式(1)で表される化合物を含む組成物である。
フラックス(F4)としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物と、ロジンと、溶剤と、を含むものが挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
フラックス(F4)において、一般式(1)で表される化合物と有機酸(一般式(1)で表される化合物を除く)とを併用しない場合、一般式(1)で表される化合物を、フラックス(F4)の全質量に対して1質量%以上7質量%以下含むことが好ましく、より好ましくは、一般式(1)で表される化合物を2質量%以上7質量%以下含み、さらに好ましくは、一般式(1)で表される化合物を3質量%以上7質量%以下含み、特に好ましくは、一般式(1)で表される化合物を3質量%以上5質量%以下含む。
フラックス(F4)は、有機酸を、フラックス(F4)の全質量に対して0質量%以上10質量%以下含むことが好ましく、0.2質量%以上10質量%以下含むことがより好ましく、0.5質量%以上8質量%以下含むことがさらに好ましく、1質量%以上6質量%以下含むことが特に好ましい。
また、フラックス(F4)は、さらにチキソ剤を含んでいてもよい。フラックス(F4)で用いられるチキソ剤としては、例えば、アミド系チキソ剤、ソルビトール系チキソ剤、ワックス系チキソ剤(エステル化合物)等が挙げられる。
かかるチキソ剤の含有量は、フラックス(F4)の全質量に対して0.1~15.0質量%が好ましく、0.2質量%以上10.0質量%以下がより好ましい。
また、フラックス(F4)によれば、増粘抑制効果を向上できるとともに、接合対象物の金属表面のはんだの濡れ性を高めることができる、はんだペースト用フラックスを提供することができる。
フラックス(F5)は、アゾール類を含む組成物である。
フラックス(F5)としては、例えば、アゾール類と有機酸とロジンと溶剤とを含むものが挙げられ、この形態によれば、接合対象物の金属表面(例えば銅板)の腐食抑制性を向上させることができる。
ここでいう「アゾール類」とは、窒素原子を1つ以上含む複素5員環構造を有する化合物を意味し、当該複素5員環構造と他の環構造との縮合環も包含する。
アゾール類は、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、ベンゾイミダゾール及び2-オクチルベンゾイミダゾールからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましく、2-フェニルイミダゾールを含むものがより好ましい。
フラックス(F5)は、アゾール類を、フラックス(F5)の全質量に対して0.1質量%以上10質量%以下含むことが好ましく、より好ましくは、フラックス(F5)の全質量に対して0.5質量%以上5.0質量%以下含む。
フラックス(F5)において、有機酸の含有量と、アゾール類の含有量との比率は、有機酸の含有量/アゾール類の含有量で表される質量比として、0.5以上10以下が好ましく、1以上9以下がより好ましい。この質量比が前記の好ましい範囲内であれば、接合対象物の金属表面(例えば銅板)の腐食抑制性がより高められやすくなる。
フラックス(F5)において、有機酸の含有量と、アゾール類の含有量との合計量は、フラックス(F5)の全質量に対して3質量%以上25質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましく、5質量%以上18質量%以下がさらに好ましく、5質量%以上15質量%以下が特に好ましい。
また、フラックス(F5)は、さらにチキソ剤を含んでいてもよい。フラックス(F5)で用いられるチキソ剤としては、例えば、アミド系チキソ剤、ソルビトール系チキソ剤、ワックス系チキソ剤(エステル化合物)等が挙げられる。
かかるチキソ剤の含有量は、フラックス(F5)の全質量に対して0.1~15.0質量%が好ましく、0.2質量%以上10.0質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下がさらに好ましく、2.0質量%以上8.3質量%以下が特に好ましい。
また、フラックス(F5)によれば、接合対象物の金属表面(例えば銅板)の腐食抑制性を高めることができる、はんだペースト用フラックスを提供することができる。
フラックス(F6)は、芳香族グアニジン化合物を含む組成物である。
フラックス(F6)としては、例えば、芳香族グアニジン化合物と、ロジンと、有機酸と、溶剤と、を含むものが挙げられる。
芳香族グアニジン化合物としては、例えば、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン等が挙げられる。
芳香族グアニジン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記芳香族グアニジン化合物は、ジフェニルグアニジン及びジトリルグアニジンからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましく、ジフェニルグアニジンを含むものがより好ましい。
フラックス(F6)は、芳香族グアニジン化合物を、フラックス(F6)の全質量に対して0.2質量%以上15質量%以下含むことが好ましく、より好ましくは、芳香族グアニジン化合物を0.5質量%以上7.0質量%以下含む。
フラックス(F6)において、有機酸と、芳香族グアニジン化合物とを、フラックス(F6)の全質量に対して、合計で2質量%以上18質量%以下含むことが好ましく、合計で3質量%以上18質量%以下含むことがより好ましい。
フラックス(F6)で用いられるチキソ剤としては、例えば、アミド系チキソ剤、ソルビトール系チキソ剤、ワックス系チキソ剤(エステル化合物)等が挙げられる。
かかるチキソ剤の含有量は、フラックス(F6)の全質量に対して0.1~15.0質量%が好ましく、0.2質量%以上10.0質量%以下がより好ましい。
また、フラックス(F6)は、例えば、ロジン以外の樹脂成分、界面活性剤、酸化防止剤などをさらに含んでもよい。
また、フラックス(F6)によれば、接合対象物の金属表面に対する、はんだの濡れ速度が高く、はんだ濡れ性の良好なはんだペースト用フラックスを提供することができる。
フラックス(F7)は、アミド化合物であるアミド系チキソ剤を含む組成物である。
フラックス(F7)としては、例えば、前記のアミド化合物であるアミド系チキソ剤と、有機酸と、ロジン系樹脂及びアクリル系樹脂からなる群より選択される少なくとも一種である樹脂成分と、溶剤と、を含むものが挙げられる。
アミド系チキソ剤(アミド化合物)としては、ポリアミド、ビスアミド、モノアミドが挙げられる。
本実施形態のフラックスは、チキソ剤であるアミド化合物と、エステル化合物とを合計で、前記フラックス(F7)の全質量に対して3.0質量%以上15.0質量%以下含むことが好ましく、5.0質量%以上10.0質量%以下含むことがより好ましい。
フラックス(F7)は、ロジン系樹脂及びアクリル系樹脂からなる群より選択される少なくとも一種である樹脂成分を、フラックス(F7)の全質量に対して15質量%以上70質量%以下含むことが好ましく、より好ましくは、フラックス(F7)の全質量に対して35質量%以上60質量%以下含む。
また、フラックス(F7)によれば、印刷ダレと称する印刷後のはんだペーストのダレや、加熱ダレと称する加熱により溶融する際のはんだペーストのダレを生じにくい、はんだペースト用フラックスを提供することができる。
フラックス(F8)は、ソルビトール化合物であるソルビトール系チキソ剤を含む組成物である。
フラックス(F8)としては、例えば、前記のソルビトール化合物であるソルビトール系チキソ剤と、ロジン系樹脂と、溶剤と、を含むものが挙げられる。
ソルビトール系チキソ剤(ソルビトール化合物)としては、ジベンジリデンソルビトール、ビス(4-メチルベンジリデン)ソルビトール等が挙げられる。
このソルビトール系チキソ剤の含有量は、フラックス(F8)の全質量に対して0.2質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上5.0質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以上3.5質量%以下が特に好ましい。
ソルビトール系チキソ剤以外のチキソ剤としては、例えば、ソルビトール系添加剤、その他チキソ剤等が挙げられる。
このソルビトール系添加剤の含有量は、フラックス(F8)の全質量に対して0質量%超え0.035質量%以下が好ましく、0.00025質量%以上0.035質量%以下がより好ましい。
その他チキソ剤であるワックス系チキソ剤としては、例えばエステル化合物が挙げられ、具体的にはヒマシ硬化油等が挙げられる。
その他チキソ剤であるアミド系チキソ剤(アミド化合物)としては、例えば、前記のポリアミド、ビスアミド、モノアミドが挙げられる。
かかるその他チキソ剤の含有量は、フラックス(F8)の全質量に対して0.5~15.0質量%が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
より好ましいチキソ剤は、前記ソルビトール系チキソ剤と、(D-)ソルビトール、モノベンジリデン(-D-)ソルビトール及びモノ(4-メチルベンジリデン)-(D-)ソルビトールからなる群より選択される少なくとも一種であるソルビトール系添加剤と、を含む。
前記ソルビトール系チキソ剤に対する、前記ソルビトール系添加剤の割合(質量比)が、0.03~1.50であることが好ましく、0.05~1.00であることがより好ましい。
また、フラックス(F8)によれば、充分なチキソ性を付与することができ、好ましくは結晶の析出が抑制され、ダマを生じにくい、はんだペースト用フラックスを提供することができる。
尚、はんだペーストのプリント基板の電極上への供給は、通常はディスペンサ吐出やスクリーン印刷により行われる。このため、はんだペーストには吐出性、版抜け等の印刷性が求められ、更には、供給された後はその形状が保たれることが必要とされる。はんだペーストにおいて、吐出・印刷時の流動性(低粘性)と、供給後の保形性(高粘性)とを併せ持つ流動特性(チキソ性)は、近年の高密度化が進む基板表面実装におけるファインピッチ印刷の際に重要な要素となる。
フラックス(F9)は、グリコール系溶剤と有機酸エステルとを併有する組成物である。
フラックス(F9)としては、樹脂成分と、溶剤と、各種活性成分と、を含むものが挙げられる。好ましいフラックス(F9)としては、ロジン系樹脂と、有機酸と、溶剤としてグリコール系溶剤及び有機酸エステルと、を含むものが挙げられる。
フラックス(F9)中のロジン系樹脂の含有量は、特に限定はなく、例えば、フラックス(F9)の全質量に対して10~80質量%の範囲内が好ましく、20~70質量%の範囲内がより好ましく、30~60質量%の範囲内がさらに好ましい。
ここでいう「グリコール系溶剤」とは、グリコール(脂肪族又は脂環式炭化水素の2つの相異なる炭素原子に1つずつ水酸基が結合している構造を有する化合物)又はその誘導体からなる溶剤をいう。
これらのうち、炭素数2~24のアルコールのグリコールエーテル(具体的には、モノグリコールエーテル(炭素数:4~26)、ジグリコールエーテル(炭素数:6~28)、オリゴグリコールエーテル(炭素数:2+2×n~24+2×n))が好ましく、炭素数4~16のアルコールのグリコールエーテルがより好ましく、炭素数6~8のアルコールのグリコールエーテルが特に好ましい。
グリコール系溶剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
このような溶剤としては、例えば、ベンジルアルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、1,5-ペンタンジオール、オクタンジオール、テルピネオール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類;トルエン、キシレン、n-ヘキサン等の炭化水素類が挙げられ、これらの一種又は二種以上用いることができる。
また、フラックス(F9)によれば、製造効率や保存安定性を損なうことなく、ボイドの発生の少ないはんだ付けを実現できる、はんだペースト用フラックスを提供することができる。
フラックス(F10)は、グリコール系溶剤と、炭素数が16~18の一価のアルコールとを併有する組成物である。
フラックス(F10)としては、樹脂成分と、溶剤と、各種活性成分と、を含むものが挙げられる。好ましいフラックス(F10)としては、ロジン系樹脂と、有機酸と、溶剤としてグリコール系溶剤及び炭素数16~18の一価のアルコールと、を含むものが挙げられる。
フラックス(F10)中のロジン系樹脂の含有量は、特に限定はなく、例えば、フラックス(F10)の全質量に対して10~80質量%の範囲内が好ましく、20~70質量%の範囲内がより好ましく、30~60質量%の範囲内がさらに好ましい。
ここでいうグリコール系溶剤とは、グリコール(脂肪族又は脂環式炭化水素の2つの相異なる炭素原子に1つずつ水酸基が結合している構造を有する化合物)又はその誘導体からなる溶剤をいう。
これらのうち、炭素数2~24のアルコールのグリコールエーテル(具体的には、モノグリコールエーテル(炭素数:4~26)、ジグリコールエーテル(炭素数:6~28)、オリゴグリコールエーテル(炭素数:2+2×n~24+2×n))が好ましく、炭素数4~16のアルコールのグリコールエーテルがより好ましく、炭素数6~8のアルコールのグリコールエーテルが特に好ましい。
グリコール系溶剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
炭素数16~18の一価のアルコールとしては、1-ヘキサデカノール(炭素数16)、2-ヘキシルデカノール(炭素数16)、イソヘキサデカノール(炭素数16)、1-ヘプタデカノール(炭素数17)、1-オクタデカノール(炭素数18)、イソステアリルアルコール(炭素数18)等が挙げられ、一種のみ用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
この中でも、炭素数16のものが好ましく、とりわけ、2-ヘキシルデカノール(CAS番号:2425-77-6)は、ベタツキが少なく好ましい。2-ヘキシルデカノールとしては、例えば、ファインオキソコール1600(日産化学工業株式会社製、登録商標)などを使用することができる。
フラックスやはんだペーストのはんだ付け時の溶融粘度を低くするという点からは、フラックス(F10)中の炭素数16~18の一価のアルコールの含有量は多い方が好ましく、例えば、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。
一方、フラックスやはんだペーストの乾燥不良を無くし、べたつきを抑えるという点からは、フラックス(F10)中の炭素数16~18の一価のアルコールの含有量は少ない方が好ましく例えば、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。
このような溶剤としては、例えば、ベンジルアルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、1,5-ペンタンジオール、オクタンジオール、テルピネオール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類;トルエン、キシレン、n-ヘキサン等の炭化水素類;酢酸イソプロピル、安息香酸ブチル等のエステル類が挙げられ、これらの一種又は二種以上用いることができる。
また、フラックス(F10)によれば、製造効率や保存安定性を損なうことなく、ボイドの発生の少ないはんだ付けを実現できる、はんだペースト用フラックスを提供することができる。
フラックス(F11)は、ヒンダードフェノール系化合物を含む組成物である。
フラックス(F11)としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物と、有機酸と、ロジン系樹脂及びアクリル系樹脂からなる群より選択される少なくとも一種である樹脂成分と、溶剤と、を含むものが挙げられる。
ヒンダードフェノール系化合物としては、特に限定されず、例えば、ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)]、N,N’-ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、2,2’-メチレンビス[6-(1-メチルシクロヘキシル)-p-クレゾール]、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-p-クレゾール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、トリエチレングリコール-ビス〔3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサンジオール-ビス-〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルフォスフォネート-ジエチルエステル、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N’-ビス[2-[2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)エチルカルボニルオキシ]エチル]オキサミド、下記式(2)で表される化合物等が挙げられる。
フラックス(F11)は、ロジン系樹脂及びアクリル系樹脂からなる群より選択される少なくとも一種である樹脂成分を、フラックス(F11)の全質量に対して15質量%以上70質量%以下含むことが好ましく、より好ましくは、フラックス(F11)の全質量に対して20質量%以上60質量%以下含む。
また、フラックス(F11)によれば、はんだペーストの増粘抑制効果、信頼性及び濡れ性をバランス良く両立可能とする、はんだペースト用フラックスを提供することができる。
フラックス(F12)は、窒素化合物である金属不活性化剤、を含む組成物である。
フラックス(F12)としては、例えば、窒素化合物である金属不活性化剤と、ロジン系樹脂及びアクリル系樹脂からなる群より選択される少なくとも一種である樹脂成分と、溶剤と、を含むものが挙げられる。
より具体的には、例えば、トリスアミノトリアジン、アルキル化トリスアミノトリアジン、アルコキシアルキル化トリスアミノトリアジン、メラミン、アルキル化メラミン、アルコキシアルキル化メラミン、N2-ブチルメラミン、N2,N2-ジエチルメラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’-ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン等が挙げられる。
また、メラミン系窒素化合物としては市販品を用いてもよく、例えば、ADEKA社製 アデカスタブZS-27、ZS-90が挙げられ、アデカスタブZS-27がより好ましい。これらの具体的な市販品は、増粘抑制効果がより顕著となる観点から好ましい。
窒素化合物の含有量は、フラックス(F12)の全質量に対して0質量%を超え、10質量%以下であることが好ましく、0.05~5.0質量%であることがより好ましく、0.10~2.0質量%であることが更に好ましく、0.10~1.0質量%であることが特に好ましい。含有量が0質量%を超えることにより、はんだペーストは、増粘抑制効果に優れる。
金属不活性化剤として、ヒンダードフェノール系化合物をさらに用いることにより、はんだペーストは、増粘抑制効果がより優れる。
ヒンダードフェノール系化合物としては、特に限定されず、例えば上記フラックス(F11)についての説明の中で例示したヒンダードフェノール系化合物と同様のものが挙げられる。
ヒンダードフェノール系化合物の含有量は、フラックス(F12)の全質量に対して、例えば0~10質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましく、2~10質量%がさらに好ましい。
フラックス(F12)で用いられる溶剤としては、水、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、テルピネオール類等が挙げられる。
フラックス(F12)で用いられる有機酸の含有量は、フラックス(F12)の全質量に対して0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、フラックス(F12)の全質量に対して0.2質量%以上10質量%以下がより好ましく、1質量%以上8質量%以下がさらに好ましい。
また、フラックス(F12)によれば、はんだペーストの増粘抑制効果、信頼性及び濡れ性をバランス良く両立可能とする、はんだペースト用フラックスを提供することができる。
上記酸化ジルコニウム粉末の粒径は、酸化ジルコニウム粉末のSEM写真を撮影し、0.1μm以上の各粉末について画像解析により投影円相当径を求め、その平均値とする。
本実施の形態のはんだペースト用フラックスは、上述した特定のはんだ粉末を採用したはんだペーストに用いられる。かかるフラックスとして、好ましくは、樹脂成分と活性成分と溶剤とを含有する。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
まず、表1~14に示す合金組成を有し、JIS Z 3284-1:2014における粉末サイズの分類(表2)において記号4を満たすサイズ(粒度分布)のはんだ粉末(試験例1~258、試験例301~354)を作製した。
樹脂成分としてロジンを用いた。
活性成分としてチキソ剤、有機酸、アミンおよびハロゲン系活性剤を用いた。
溶剤としてグリコール系溶剤を用いた。
ロジン42質量部と、グリコール系溶剤35質量部と、チキソ剤8質量部と、有機酸10質量部と、アミン2質量部と、ハロゲン系活性剤3質量部と、を混合してフラックス(F0)を調製した。
(1)検証方法
作製直後の各はんだペーストについて、株式会社マルコム社製:PCU-205を用い、回転数:10rpm、25℃、大気中で12時間粘度を測定した。
A:12時間後の粘度が、はんだペーストを作製後30分経過した時の粘度と比較して1.2倍以下である。
B:12時間後の粘度が、はんだペーストを作製後30分経過した時の粘度と比較して1.2倍を超える。
(1)検証方法
フラックス(F0)と混合する前のはんだ粉末について、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、型番:EXSTAR DSC7020を用い、サンプル量:約30mg、昇温速度:15℃/minにてDSC測定を行い、固相線温度及び液相線温度を得た。得られた液相線温度から固相線温度を引いてΔTを求めた。
A:ΔTが10℃以下である。
B:ΔTが10℃を超える。
(1)検証方法
作製直後の各はんだペーストをCu板上に印刷し、リフロー炉でN2雰囲気中、1℃/sの昇温速度で25℃から260℃まで加熱した後、室温まで冷却した。冷却後のはんだバンプの外観を光学顕微鏡で観察することで濡れ性を評価した。
A:溶融しきれていないはんだ粉末が観察されない場合。
B:溶融しきれていないはんだ粉末が観察された場合。
A:表1~14において、経時変化、ΔT、濡れ性の各評価が、いずれもAである。
B:表1~14において、経時変化、ΔT、濡れ性の各評価のうち、少なくとも1つがBである。
これらの、試験例1~258の合金組成を有するはんだ粉末と、フラックス(F0)とを含有するはんだペーストは、本発明を適用した実施例のはんだペーストである。
次に、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、表15~23に示す配合例(F1-1)~(F1-55)の各フラックスを用いた場合について、上記<はんだペーストにおける粘度の経時変化の評価>を行った。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定して上記<ΔTの評価>を行った。更に、作製直後のはんだペーストを用いて上記<濡れ性の評価>を行った。
これらの結果、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F1-1)~(F1-55)の各フラックスを用いた場合のはんだペーストは、いずれも、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことが確認された。
(1)検証方法
はんだの濡れ速度(はんだ濡れ性)の評価試験を以下のようにして行った。
メニスコグラフ試験の方法に準拠し、幅5mm×長さ25mm×厚さ0.5mmの銅板を150℃で1時間酸化処理し、試験板である酸化銅板を得て、試験装置としてSolder Checker SAT-5200(RHESCA社製)を用い、はんだとして試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末を用いて、次のように評価した。
まず、ビーカーに測り取った、配合例(F1-1)~(F1-55)の各フラックスに対して、試験板を3mm浸漬させ、試験板にフラックスを塗布した。続いて、フラックスを塗布後、速やかにフラックスが塗布された試験板を、試験例1に示す合金組成のはんだ槽に浸漬させ、ゼロクロスタイム(sec)を得た。
続いて、各配合例のフラックスにつき5回の測定を行い、得られた5個のゼロクロスタイム(sec)の平均値を算出した。試験条件を以下のように設定した。
はんだ槽への浸漬速度:5mm/sec(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽への浸漬深さ:2mm(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽への浸漬時間:10sec(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽温度:245℃(JIS C 60068-2-69:2019 附属書B) ゼロクロスタイム(sec)の平均値が短いほど、濡れ速度は高くなり、はんだ濡れ性が良いことを意味する。
A:ゼロクロスタイム(sec)の平均値が2.5秒以下であった。
B:ゼロクロスタイム(sec)の平均値が2.5秒超であった。
一方、試験例301~354の合金組成を有するはんだ粉末を含有するはんだペーストの場合においては、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、および優れた濡れ性の少なくとも1つが劣る結果を示した。
次に、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、表24~36に示す配合例(F2-1)~(F2-62)の各フラックスを用いた場合について、上記<はんだペーストにおける粘度の経時変化の評価>を行った。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定して上記<ΔTの評価>を行った。更に、作製直後のはんだペーストを用いて上記<濡れ性の評価>を行った。
これらの結果、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F2-1)~(F2-62)の各フラックスを用いた場合のはんだペーストは、いずれも、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことが確認された。
(1)検証方法
温度サイクル信頼性の評価は、配合例(F2-1)~(F2-62)の各フラックスをCu板上に塗布し、Cu板上に残渣を形成した。このCu板上に形成された残渣を、-30℃と+110℃でそれぞれ30分ずつ保持する処理を繰り返す試験を500サイクル行った際の残渣の割れの有無を目視で評価した。
A:残渣に亀裂の発生が見られず、温度サイクル信頼性に優れる。
B:残渣に亀裂の発生が見られ、温度サイクル信頼性に劣る。
各表において、アクリル樹脂Aは、ポリ2-エチルヘキシルアクリレート(Mw=8300)である。アクリル樹脂Bは、分子量が異なるポリ2-エチルヘキシルアクリレート(Mw=11700)である。アクリル樹脂Cは、ポリラウリルメタクリレート(Mw=10080)である。アクリル樹脂Dは、ポリ2-エチルヘキシルアクリレート-ポリエチレン(Mw=12300)である。
各表において、ポリアミドとして脂肪族ポリアミドを用い、ビスアミドとしてヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドを用い、モノアミドとしてp-トルアミドを用いた。
一方、試験例301~354の合金組成を有するはんだ粉末を含有するはんだペーストの場合においては、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、および優れた濡れ性の少なくとも1つが劣る結果を示した。
次に、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、表37~44に示す配合例(F3-1)~(F3-51)の各フラックスを用いた場合について、上記<はんだペーストにおける粘度の経時変化の評価>を行った。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定して上記<ΔTの評価>を行った。更に、作製直後のはんだペーストを用いて上記<濡れ性の評価>を行った。
これらの結果、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F3-1)~(F3-51)の各フラックスを用いた場合のはんだペーストは、いずれも、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことが確認された。
(1)検証方法
はんだの濡れ広がりの評価試験を以下のようにして行った。
各はんだペーストを、JIS Z 3284-3:2014に記載の所定のパターンで、はんだペーストの印刷部が形成されたステンレス製のマスクを使用して、縦50mm×横50mm×厚さ0.5mmのBare-Cu板に印刷した。
上述した所定の間隔で印刷されたはんだペーストが、リフロー後に、濡れ広がって接触して融合された箇所の間隔を確認した(N=4)。
A:間隔Lが0.8mm以下の箇所が全て融合している。
B:1箇所でも間隔Lが0.8mm以下の箇所で融合していない。
(1)検証方法
はんだのディウェット抑制能の評価試験を以下のようにして行った。
各はんだペーストを、縦0.8mm×横0.8mmのCu-OSPランド上に印刷し、リフローを実施した。はんだペーストの印刷厚さは0.12mmとした。リフローの条件は、大気雰囲気下に190℃で120秒間の予備加熱を行った後、昇温速度を1℃/秒とし、190℃から260℃まで温度を上昇させて本加熱を行った。
リフロー後における、濡れ不良(ディウェット)の発生の有無について、光学顕微鏡を用いて観察した(N=12)。
A:はんだペーストを塗布した部分はすべて、はんだで濡れた状態である。
B:はんだペーストを塗布した部分の大半は、はんだで濡れた状態(ディウェッティングも含まれる。)であるが、濡れ不良も発生している。又は、はんだで濡れた様子はなく、溶融したはんだは一つもしくは複数のはんだボールとなった状態(ノンウェッティング)である。
A:表37~44において、はんだの濡れ広がり性、ディウェット抑制能の各評価が、いずれもAである。
B:表37~44において、はんだの濡れ広がり性、ディウェット抑制能の各評価のうち、少なくとも1つがBである。
一方、試験例301~354の合金組成を有するはんだ粉末を含有するはんだペーストの場合においては、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、および優れた濡れ性の少なくとも1つが劣る結果を示した。
次に、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、表45~56に示す配合例(F4-1)~(F4-58)の各フラックスを用いた場合について、上記<はんだペーストにおける粘度の経時変化の評価>を行った。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定して上記<ΔTの評価>を行った。更に、作製直後のはんだペーストを用いて上記<濡れ性の評価>を行った。
これらの結果、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F4-1)~(F4-58)の各フラックスを用いた場合のはんだペーストは、いずれも、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことが確認された。
(1)検証方法
フラックスの濡れ速度は、メニスコグラフ試験の方法に準拠し、幅5mm×長さ25mm×厚さ0.5mmの銅板を、150℃で1時間酸化処理し、試験板である酸化銅板を得て、試験装置としてSolder Checker SAT-5200(RHESCA社製)を用い、はんだとして試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末を用いて、次のように評価した。
まず、ビーカーに測り取った配合例(F4-1)~(F4-58)の各フラックスに対して、試験板を5mm浸漬させ、試験板に各フラックスを塗布した。続いて、フラックスを塗布後、速やかにフラックスが塗布された試験板をはんだ槽に浸漬させ、ゼロクロスタイム(sec)を得た。続いて、配合例(F4-1)~(F4-58)の各フラックスにつき5回の測定を行い、得られた5個のゼロクロスタイム(sec)の平均値を算出した。試験条件を以下のように設定した。
はんだ槽への浸漬速度:5mm/sec(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽への浸漬深さ:2mm(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽への浸漬時間:10sec(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽温度:245℃(JIS C 60068-2-69:2019 附属書B) ゼロクロスタイム(sec)の平均値が短いほど、濡れ速度は高くなり、はんだ濡れ性が良いことを意味する。
A:ゼロクロスタイム(sec)の平均値が6秒以下である。
B:ゼロクロスタイム(sec)の平均値が6秒を超える。
一方、試験例301~354の合金組成を有するはんだ粉末を含有するはんだペーストの場合においては、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、および優れた濡れ性の少なくとも1つが劣る結果を示した。
次に、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、表57~68に示す配合例(F5-1)~(F5-62)の各フラックスを用いた場合について、上記<はんだペーストにおける粘度の経時変化の評価>を行った。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定して上記<ΔTの評価>を行った。更に、作製直後のはんだペーストを用いて上記<濡れ性の評価>を行った。
これらの結果、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F5-1)~(F5-62)の各フラックスを用いた場合のはんだペーストは、いずれも、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことが確認された。
(1)検証方法
銅板腐食抑制能の評価は、JIS Z 3197:2012 8.4.1に準拠し、下記の銅板腐食試験により行った。
次に、温度40℃、相対湿度90%の加湿条件に設定した恒温恒湿槽中に試験銅板を投入し、槽内に72時間放置した。各例のフラックスごとに、試験銅板を2個とし、1個のブランクを加えた。
槽内に96時間放置した後、恒温恒湿槽から取り出し、30倍の顕微鏡で腐食の跡をブランクと比較した。以下に示す判定基準に基づき、銅板腐食抑制能を評価した。
A:変色なし
B:変色がある
一方、試験例301~354の合金組成を有するはんだ粉末を含有するはんだペーストの場合においては、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、および優れた濡れ性の少なくとも1つが劣る結果を示した。
次に、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、表69~77に示す配合例(F6-1)~(F6-60)の各フラックスを用いた場合について、上記<はんだペーストにおける粘度の経時変化の評価>を行った。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定して上記<ΔTの評価>を行った。更に、作製直後のはんだペーストを用いて上記<濡れ性の評価>を行った。
これらの結果、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F6-1)~(F6-60)の各フラックスを用いた場合のはんだペーストは、いずれも、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことが確認された。
(1)検証方法
はんだの濡れ速度(はんだ濡れ性)の評価試験を以下のようにして行った。
メニスコグラフ試験の方法に準拠し、幅5mm×長さ25mm×厚さ0.5mmの銅板を150℃で1時間酸化処理し、試験板である酸化銅板を得て、試験装置としてSolder Checker SAT-5200(RHESCA社製)を用い、はんだとして試験例1に示す合金組成からなるはんだ粉末を用いて、次のように評価した。
まず、ビーカーに測り取った、各例のフラックスに対して、試験板を5mm浸漬させ、試験板にフラックスを塗布した。続いて、フラックスを塗布後、速やかにフラックスが塗布された試験板を、試験例1に示す合金組成のはんだ槽に浸漬させ、ゼロクロスタイム(sec)を得た。
続いて、各例のフラックスにつき5回の測定を行い、得られた5個のゼロクロスタイム(sec)の平均値を算出した。試験条件を以下のように設定した。
はんだ槽への浸漬速度:5mm/sec(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽への浸漬深さ:2mm(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽への浸漬時間:10sec(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽温度:245℃(JIS C 60068-2-69:2019 附属書B) ゼロクロスタイム(sec)の平均値が短いほど、濡れ速度は高くなり、はんだ濡れ性が良いことを意味する。
A:ゼロクロスタイム(sec)の平均値が6秒以下である。
B:ゼロクロスタイム(sec)の平均値が6秒を超える。
一方、試験例301~354の合金組成を有するはんだ粉末を含有するはんだペーストの場合においては、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、および優れた濡れ性の少なくとも1つが劣る結果を示した。
次に、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、表78~85に示す配合例(F7-1)~(F7-54)の各フラックスを用いた場合について、上記<はんだペーストにおける粘度の経時変化の評価>を行った。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定して上記<ΔTの評価>を行った。更に、作製直後のはんだペーストを用いて上記<濡れ性の評価>を行った。
これらの結果、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F7-1)~(F7-54)の各フラックスを用いた場合のはんだペーストは、いずれも、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことが確認された。
(1)検証方法
チキソ性の評価は、JIS Z3284-3:2014 4.2に準拠し、スパイラル方式粘度計を用いて行った。粘度計の回転速度を3rpmと30rpmに設定し、所定時間回転後の粘度を読み取ってチキソ比を算出した。
A:チキソ比が0.30以上
B:チキソ比が0.30未満
(1)検証方法
はんだペースト(フラックス:はんだ粉末=11:89の質量比)の印刷ダレ抑制能の評価は、JIS Z3284-3:2014 4.3に準拠し、所定のパターンではんだペースト印刷部が形成されたステンレス製メタルマスクを使用して銅板にはんだペーストを印刷し、メタルマスクを取り除いた後、室温25±5℃、相対湿度50±10%で10~20分間保管し、印刷された各パターンのうち、印刷されたはんだペースト全てが一体にならない最小間隔を目視により確認した。メタルマスクの厚みは0.2mm、はんだペースト印刷部は四角形の開口で、大きさは3.0×1.5mmとなっている。はんだペースト印刷部は、同じ大きさの複数の開口が間隔を異ならせて並び、開口の間隔Lは0.2-0.3-0.4-0.5-0.6-0.7-0.8-0.9-1.0-1.1-1.2mmとなっている。
A:印刷後、一体にならない最小間隔が0.2mm以下
B:印刷後、一体にならない最小間隔が0.2mm超
(1)検証方法
はんだペースト(フラックス:はんだ粉末=11:89の質量比)の加熱ダレ抑制能の評価は、JIS Z3284-3:2014 4.4に準拠し、所定のパターンではんだペースト印刷部が形成されたステンレス製メタルマスクを使用して銅板にはんだペーストを印刷し、メタルマスクを取り除いた後、150±10℃にて10分間加熱を行い、印刷された各パターンのうち、印刷されたはんだペースト全てが一体にならない最小間隔を目視により確認した。メタルマスクの厚みは0.2mm、はんだペースト印刷部は四角形の開口で、大きさは3.0×1.5mmとなっている。はんだペースト印刷部は、同じ大きさの複数の開口が間隔を異ならせて並び、開口の間隔Lは0.2-0.3-0.4-0.5-0.6-0.7-0.8-0.9-1.0-1.1-1.2mmとなっている。
A:一体にならない最小間隔が1.0mm以下
B:一体にならない最小間隔が1.0mm超
A:表78~85において、フラックスのチキソ性、はんだペーストの印刷ダレ抑制能、はんだペーストの加熱ダレ抑制能の各評価が、いずれもAである。
B:表78~85において、フラックスのチキソ性、はんだペーストの印刷ダレ抑制能、はんだペーストの加熱ダレ抑制能の各評価のうち、少なくとも1つがBである。
また、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F7-1)~(F7-52)の各フラックスを用いた場合には、いずれも、配合例(F7-54)のフラックスを用いた場合に比べて、はんだ付け時の加熱によるはんだペーストの加熱ダレが抑制されること、が確認された。
これらのうち、試験例1の合金組成を有するはんだ粉末と、配合例(F7-1)~(F7-52)の各フラックスとを含有するはんだペーストは、フラックス(F7)を含有する実施形態に係るはんだペーストである。
一方、試験例301~354の合金組成を有するはんだ粉末を含有するはんだペーストの場合においては、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、および優れた濡れ性の少なくとも1つが劣る結果を示した。
また、試験例2~258のはんだ粉末のそれぞれに対し、配合例(F7-1)~(F7-52)の各フラックスを用いた場合には、いずれも、配合例(F7-54)のフラックスを用いた場合に比べて、はんだ付け時の加熱によるはんだペーストの加熱ダレが抑制されること、が確認された。
次に、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、表86~94に示す配合例(F8-1)~(F8-54)の各フラックスを用いた場合について、上記<はんだペーストにおける粘度の経時変化の評価>を行った。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定して上記<ΔTの評価>を行った。更に、作製直後のはんだペーストを用いて上記<濡れ性の評価>を行った。
これらの結果、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F8-1)~(F8-54)の各フラックスを用いた場合のはんだペーストは、いずれも、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことが確認された。
また、試験例1に示す合金組成からなるはんだ粉末に対し、表87~94に示す配合例(F8-8)~(F8-54)の各フラックスを用いた場合について、さらに、フラックス及びはんだペースト中の結晶の析出・ダマの発生の評価を行った。
(1)検証方法
チキソ性の評価は、二重円筒管型回転粘度計Malcom Viscometer PCU-205(マルコム社製)を用いて行った。
各はんだペーストについて、前記二重円筒管型回転粘度計を用い、25℃の条件下で、以下に示す回転数(rpm)及び計測時間(min)で順次、粘度を測定した。
チキソ比=Log(3回転時の粘度/30回転時の粘度)
A:チキソ比が0.40以上
B:チキソ比が0.40未満
(1)検証方法
表87~94に示す各例のフラックス、及びこれらを用いたはんだペースト(フラックス:はんだ粉末=11:89の質量比)のそれぞれについて、以下に示す方法により、結晶の析出・ダマの発生の評価を行った。そして、以下の判定基準に沿って評価を行った。 表86に示す各例のフラックス、及びこれらを用いたはんだペーストについては、結晶の析出・ダマの発生の評価を行っていない。
それぞれのフラックス100mLを採取し、200mL容量のガラスビーカー容器に入れ、薬さじで10回撹拌し、目視観察用の試料を作製した。同様の操作を行い、各フラックスについて、目視観察用の試料3個を用意した。
各試料について、10回撹拌した後の外観を目視観察し、結晶の析出・ダマの発生の状態を評価した。
それぞれのはんだペーストに対し、グラインドメーターGS-2256M(太佑機材株式会社製、測定レンジ:0~100μm)を用いて3回測定を行った。そして、3回の測定値の平均値を算出し、この平均値を、はんだペーストに含まれる凝集物の大きさ(粒度)とした。
A:フラックス中に結晶及びダマが目視で確認されず、かつ、はんだペースト中に結晶及びダマが目視で確認されない。
B:フラックス中に結晶及びダマが目視で確認されず、かつ、はんだペースト中に50μm以上の結晶又はダマはないが、50μm未満の結晶又はダマがある。
C:フラックスの試料3個のいずれかに結晶及びダマが目視で確認され、又は、はんだペースト中に50μm以上の結晶又はダマがある。
A:表87~94において、チキソ性の評価がAであり、かつ、結晶の析出・ダマの発生の評価がAである。
B:表87~94において、チキソ性の評価がAであり、かつ、結晶の析出・ダマの発生の評価がBである。
C:表87~94において、チキソ性の評価が少なくともBである。
また、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F8-8)~(F8-54)の各フラックスを用いた場合には、いずれも、フラックス及びはんだペーストにおける結晶の析出・ダマの発生が抑制されること、が確認された。
これらのうち、試験例1の合金組成を有するはんだ粉末と、配合例(F8-1)~(F8-52)、(F8-54)の各フラックスとを含有するはんだペーストは、フラックス(F8)を含有する実施形態に係るはんだペーストである。
一方、試験例301~354の合金組成を有するはんだ粉末を含有するはんだペーストの場合においては、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、および優れた濡れ性の少なくとも1つが劣る結果を示した。
また、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F8-8)~(F8-54)の各フラックスを用いた場合には、いずれも、フラックス及びはんだペーストにおける結晶の析出・ダマの発生が抑制されること、が確認された。
次に、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、表95~109に示す配合例(F9-1)~(F9-76)の各フラックスを用いた場合について、上記<はんだペーストにおける粘度の経時変化の評価>を行った。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定して上記<ΔTの評価>を行った。更に、作製直後のはんだペーストを用いて上記<濡れ性の評価>を行った。
これらの結果、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F9-1)~(F9-76)の各フラックスを用いた場合のはんだペーストは、いずれも、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことが確認された。
(1)ボイド発生率
はんだペーストを、8mm×8mmのCu-OSP電極(N=15)の上にメタルマスクを用いて120μm高さに印刷した。その後、大気雰囲気下にてリフローした。リフロープロファイルは、190℃で2分保持し、その後260℃まで1.5℃/秒で昇温、とした。
リフロー後のはんだ付け部(はんだバンプ)の透過画像をUNi-HiTE SYSTEM社製Microfocus X-ray System XVR-160を用いて観察し、ボイド発生率を求めた。
具体的には、はんだバンプについて上部から下部に向かって透過観察を行い、円形のはんだバンプ透過画像を得、その色調のコントラストに基づき金属充填部とボイド部を識別して自動解析によりボイド面積率を算出し、これをボイド発生率とした。このようにして求めたボイド発生率を用いて、以下の基準でボイドの発生しにくさを評価した。
A:15個のはんだ付け部全てにおいてボイド発生率が15%以下である場合
B:15個のはんだ付け部中にボイド発生率が15%超のものが含まれるが、いずれも20%以下である場合
C:15個のはんだ付け部中にボイド発生率が20%超のものが含まれる場合
JIS Z 3198-4:2003に準じて、フラックスのはんだ濡れ性を評価した。
具体的には、150℃で1時間焼成した幅5mm×長さ25mm×厚み0.5mmの銅板の表面の長さ方向の下端から3mmまでの部分に各配合例のフラックスを針先で塗布し、下記の条件ではんだ槽に浸せきし、ゼロクロスタイムを測定した。
<浸せき条件>
はんだ槽への浸漬速度:5mm/sec(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽への浸漬深さ:2mm(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽への浸漬時間:10sec(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽温度:250℃(JIS C 60068-2-69:2019 附属書B)
A:ゼロクロスタイムが5.5秒以下
B:ゼロクロスタイムが5.5秒超
A:ボイド発生の評価がAもしくはBであるか、及びはんだの濡れ速度(はんだ濡れ性)の評価がAである場合
B:ボイド発生の評価がCであるか、又ははんだの濡れ速度(はんだ濡れ性)の評価がBであるか、の少なくとも一方の場合
また、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F9-1)~(F9-74)の各フラックスを用いた場合には、いずれも、配合例(F9-76)のフラックスを用いた場合に比べて、ボイドの発生が抑制されること、が確認された。
これらのうち、試験例1の合金組成を有するはんだ粉末と、配合例(F9-1)~(F9-74)の各フラックスとを含有するはんだペーストは、フラックス(F9)を含有する実施形態に係るはんだペーストである。
一方、試験例301~354の合金組成を有するはんだ粉末を含有するはんだペーストの場合においては、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、および優れた濡れ性の少なくとも1つが劣る結果を示した。
また、試験例2~258のはんだ粉末のそれぞれに対し、配合例(F9-1)~(F9-74)の各フラックスを用いた場合には、いずれも、配合例(F9-76)のフラックスを用いた場合に比べて、ボイドの発生が抑制されること、が確認された。
次に、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、表110~115に示す配合例(F10-1)~(F10-30)の各フラックスを用いた場合について、上記<はんだペーストにおける粘度の経時変化の評価>を行った。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定して上記<ΔTの評価>を行った。更に、作製直後のはんだペーストを用いて上記<濡れ性の評価>を行った。
これらの結果、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F10-1)~(F10-30)の各フラックスを用いた場合のはんだペーストは、いずれも、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことが確認された。
JIS Z 3197: 2012, 8.5.1乾燥度試験に準拠して、フラックスの乾燥度を評価した。
具体的には、配合例(F10-1)~(F10-30)の各フラックスと、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末(平均粒子径φ:21μm)と、をフラックス:はんだ粉末=11:89の質量比で混合したはんだペーストを作製した。
次いで、上記JIS試験方法に従って試験片を作製し、試験を行い、フラックスの乾燥度(フラックスの乾燥のしやすさ、具体的にはフラックス残渣の粘着性)を、試験片上のフラックス残渣表面に振りかけた粉末タルクの付着度合いで評価した。
評価は、粉末タルクがブラッシングで除去できた場合をA、除去できなかった場合をBとした。
乾燥度試験と同様にして作製したはんだペーストを、8mm×8mmのCu-OSP電極(N=15)の上にメタルマスクを用いて120μm高さに印刷した。その後、大気雰囲気下にてリフローした。リフロープロファイルは、190℃で2分保持し、その後260℃まで1.5℃/秒で昇温、とした。
リフロー後のはんだ付け部(はんだバンプ)の透過画像をUNi-HiTE SYSTEM社製Microfocus X-ray System XVR-160を用いて観察し、ボイド発生率を求めた。
具体的には、はんだバンプについて上部から下部に向かって透過観察を行い、円形のはんだバンプ透過画像を得、その色調のコントラストに基づき金属充填部とボイド部を識別して自動解析によりボイド面積率を算出し、これをボイド発生率とした。このようにして求めたボイド発生率を用いて、以下の基準でボイドの発生しにくさを評価した。
A:15個のはんだ付け部全てにおいてボイド発生率が15%以下である場合
B:15個のはんだ付け部中にボイド発生率が15%超のものが含まれるが、いずれも20%以下である場合
C:15個のはんだ付け部中にボイド発生率が20%超のものが含まれる場合
JIS Z 3198-4:2003に準じて、フラックスのはんだ濡れ性を評価した。
具体的には、150℃で1時間焼成した幅5mm×長さ25mm×厚み0.5mmの銅板の表面の長さ方向の下端から3mmまでの部分に各配合例のフラックスを針先で塗布し、下記の条件ではんだ槽に浸せきし、ゼロクロスタイムを測定した。
<浸せき条件>
はんだ槽への浸漬速度:5mm/sec(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽への浸漬深さ:2mm(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽への浸漬時間:10sec(JIS Z 3198-4:2003)
はんだ槽温度:250℃(JIS C 60068-2-69:2019 附属書B)
A:ゼロクロスタイムが5.5秒以下
B:ゼロクロスタイムが5.5秒超
A:ボイド発生の評価がAもしくはBであるか、並びに、乾燥度及びはんだの濡れ速度(はんだ濡れ性)の評価がAである場合
B:ボイド発生の評価がCであるか、又は、
乾燥度もしくははんだの濡れ速度(はんだ濡れ性)の評価がBであるか、の少なくとも一つの場合
表中、ビスアミドとして、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドを用いた。
また、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F10-1)~(F10-28)の各フラックスを用いた場合には、いずれも、配合例(F10-30)のフラックスを用いた場合に比べて、ボイドの発生がより抑制されること、が確認された。 これらのうち、試験例1の合金組成を有するはんだ粉末と、配合例(F10-1)~(F10-28)の各フラックスとを含有するはんだペーストは、フラックス(F10)を含有する実施形態に係るはんだペーストである。
一方、試験例301~354の合金組成を有するはんだ粉末を含有するはんだペーストの場合においては、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、および優れた濡れ性の少なくとも1つが劣る結果を示した。
また、試験例2~258はんだ粉末に対し、配合例(F10-1)~(F10-28)の各フラックスを用いた場合には、いずれも、配合例(F10-30)のフラックスを用いた場合に比べて、ボイドの発生がより抑制されること、が確認された。
次に、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、表116~118に示す配合例(F11-1)~(F11-18)の各フラックスを用いた場合について、上記<はんだペーストにおける粘度の経時変化の評価>を行った。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定して上記<ΔTの評価>を行った。更に、作製直後のはんだペーストを用いて上記<濡れ性の評価>を行った。
これらの結果、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F11-1)~(F11-18)の各フラックスを用いた場合のはんだペーストは、いずれも、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことが確認された。
得られたはんだペーストについて、JIS Z 3284-3:2014の「4.2 粘度特性試験」に記載された方法に従って、回転粘度計(PCU-205、株式会社マルコム製)を用い、回転数:10rpm、測定温度:25℃にて、粘度を12時間測定し続けた。そして、初期粘度(撹拌30分後の粘度)と13時間後の粘度とを比較し、以下の基準に基づいて増粘抑制効果の評価を行った。
13時間後の粘度 ≦ 初期粘度×1.2 :経時での粘度上昇が小さく良好(A)
13時間後の粘度 > 初期粘度×1.2 :経時での粘度上昇が大きく不良(B)
上記の<増粘抑制評価>と同様にして、配合例(F11-1)~(F11-18)の各フラックスを、Cu板上に開口径6.5mm、開口数4個、マスク厚0.2mmのメタルマスクを用いて印刷し、リフロー炉において、N2雰囲気下、昇温速度1℃/secで25℃から260℃まで加熱した後、室温(25℃)まで空冷し、4個のはんだバンプを形成した。光学顕微鏡(倍率:100倍)を用いて、得られたはんだバンプの外観を観察し、以下の基準に基づいて評価を行った。
4個のはんだバンプの全てにおいて溶融しきれないはんだ粒子が観察されなかった:はんだ濡れ性が良好(A)
4個のはんだバンプのうちの1個以上において溶融しきれないはんだ粒子が観察された:はんだ濡れ性が不良(B)
・「金属不活性化剤A」
試薬名:ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)];CAS No.36443-68-2。
・「金属不活性化剤B」
試薬名:N,N’-ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド];CAS No.23128-74-7。
・「金属不活性化剤C」
試薬名:1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート];CAS No.35074-77-2。
・「金属不活性化剤D」
試薬名:2,2’-メチレンビス[6-(1-メチルシクロヘキシル)-p-クレゾール];CAS No.77-62-3。
・「金属不活性化剤E」
試薬名:2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-p-クレゾール);CAS No.119-47-1。
・「金属不活性化剤F」
試薬名:2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール);CAS No.88-24-4。
・「金属不活性化剤G」
試薬名:N-(2H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)サリチルアミド;CAS No.36411-52-6。
・「金属不活性化剤H」
試薬名:N,N’-ビス[2-[2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)エチルカルボニルオキシ]エチル]オキサミド;CAS No.70331-94-1。
このうち、試験例1の合金組成を有するはんだ粉末と、配合例(F11-1)~(F11-17)の各フラックスとを含有するはんだペーストは、フラックス(F11)を含有する実施形態に係るはんだペーストである。
一方、試験例301~354の合金組成を有するはんだ粉末を含有するはんだペーストの場合においては、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、および優れた濡れ性の少なくとも1つが劣る結果を示した。
次に、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、表119に示す配合例(F12-1)~(F12-8)の各フラックスを用いた場合について、上記<はんだペーストにおける粘度の経時変化の評価>を行った。また、はんだ粉末の液相線温度及び固相線温度を測定して上記<ΔTの評価>を行った。更に、作製直後のはんだペーストを用いて上記<濡れ性の評価>を行った。
これらの結果、試験例1に示す合金組成を有するはんだ粉末に対し、配合例(F12-1)~(F12-8)の各フラックスを用いた場合のはんだペーストは、いずれも、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、及び優れた濡れ性を示すことが確認された。
得られたはんだペーストについて、JIS Z 3284-3:2014の「4.2 粘度特性試験」に記載された方法に従って、回転粘度計(PCU-205、株式会社マルコム製)を用い、回転数:10rpm、測定温度:25℃にて、粘度を12時間測定し続けた。そして、初期粘度(撹拌30分後の粘度)と13時間後の粘度とを比較し、以下の基準に基づいて増粘抑制効果の評価を行った。
13時間後の粘度 ≦ 初期粘度×1.2 :経時での粘度上昇が小さく良好(A)
13時間後の粘度 > 初期粘度×1.2 :経時での粘度上昇が大きく不良(B)
上記の<増粘抑制評価>と同様にして、配合例(F12-1)~(F12-8)の各フラックスを、Cu板上に開口径6.5mm、開口数4個、マスク厚0.2mmのメタルマスクを用いて印刷し、リフロー炉において、N2雰囲気下、昇温速度1℃/secで25℃から260℃まで加熱した後、室温(25℃)まで空冷し、4個のはんだバンプを形成した。光学顕微鏡(倍率:100倍)を用いて、得られたはんだバンプの外観を観察し、以下の基準に基づいて評価を行った。
4個のはんだバンプの全てにおいて溶融しきれないはんだ粒子が観察されなかった:はんだ濡れ性が良好(A)
4個のはんだバンプのうちの1個以上において溶融しきれないはんだ粒子が観察された:はんだ濡れ性が不良(B)
・「金属不活性化剤A」
試薬名:N-(2H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)サリチルアミド;CAS No.36411-52-6
・「金属不活性化剤B」
試薬名:ドデカン二酸ビス[N2-(2-ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド];CAS No.63245-38-5
・「金属不活性化剤C」
試薬名:メラミン
・「金属不活性化剤D」
試薬名:ADEKA社製 商品名「アデカスタブZS-27」
・「金属不活性化剤E」
試薬名:ADEKA社製 商品名「アデカスタブZS-90」
・「金属不活性化剤F」
試薬名:ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)];CAS No.36443-68-2
このうち、試験例1の合金組成を有するはんだ粉末と、配合例(F12-1)~(F12-7)の各フラックスとを含有するはんだペーストは、フラックス(F12)を含有する実施形態に係るはんだペーストである。
一方、試験例301~354の合金組成を有するはんだ粉末を含有するはんだペーストの場合においては、増粘抑制効果、ΔTの狭窄化、および優れた濡れ性の少なくとも1つが劣る結果を示した。
また、本発明によれば、特定のはんだ粉末と組み合わせるとともに、配合する成分を選択することにより、はんだの濡れ速度の向上、接合対象物の金属表面(例えば銅板)の腐食抑制、印刷性の向上、ボイド抑制などの種々の特性をより高めることができる、はんだペースト用フラックスを提供することができる。
Claims (45)
- はんだ粉末と、フラックスと、を含有する、はんだペーストであって、
前記はんだ粉末は、As:10質量ppm以上40質量ppm未満、並びにBi:0~25000質量ppmおよびPb:0~8000質量ppmの少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たすはんだ合金を含む、はんだペースト。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。 - はんだ粉末と、フラックスと、を含有する、はんだペーストであって、
前記はんだ粉末は、As:10質量ppm以上40質量ppm未満、並びにBi:0質量ppm超え25000質量ppm以下およびPb:0質量ppm超え8000質量ppm以下の少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たすはんだ合金を含む、はんだペースト。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。 - はんだ粉末と、フラックスと、を含有する、はんだペーストであって、
前記はんだ粉末は、As:10質量ppm以上40質量ppm未満、並びにBi:50~25000質量ppmおよびPb:0質量ppm超え8000質量ppm以下の少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たすはんだ合金を含む、はんだペースト。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。 - はんだ粉末と、フラックスと、を含有する、はんだペーストであって、
前記はんだ粉末は、As:10質量ppm以上40質量ppm未満、並びにBi:0質量ppm超え25000質量ppm以下およびPb:50~8000質量ppmの少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たすはんだ合金を含む、はんだペースト。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。 - はんだ粉末と、フラックスと、を含有する、はんだペーストであって、
前記はんだ粉末は、As:10質量ppm以上40質量ppm未満、並びにBi:50~25000質量ppmおよびPb:50~8000質量ppmの少なくとも1種、並びに残部がSnからなる合金組成を有し、下記(1)式および(2)式を満たすはんだ合金を含む、はんだペースト。
300≦3As+Bi+Pb (1)
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(1)式および(2)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。 - 更に、前記合金組成は、Ni:0~600質量ppmを含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のはんだペースト。
- 更に、前記合金組成は、Fe:0~100質量ppmを含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のはんだペースト。
- 更に、前記合金組成は、In:0~1200質量ppmを含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のはんだペースト。
- 更に、前記合金組成は、Ni:0~600質量ppm、Fe:0~100質量ppm、およびIn:0~1200質量ppmの少なくとも2種を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のはんだペースト。
- 更に、前記合金組成は、Ni:0~600質量ppmおよびFe:0~100質量ppmを含有し、下記(3)式を満たす、請求項1~5のいずれか1項に記載のはんだペースト。
0≦Ni/Fe≦50 (3)
上記(3)式中、NiおよびFeは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。 - 更に、前記合金組成は、下記(1a)式を満たす、請求項1~10のいずれか1項に記載のはんだペースト。
300≦3As+Bi+Pb≦25114 (1a)
上記(1a)式中、As、BiおよびPbは各々前記合金組成での含有量(質量ppm)を表す。 - 更に、前記合金組成は、Ag:0~4質量%およびCu:0~0.9質量%の少なくとも1種を含有する、請求項1~11のいずれか1項に記載のはんだペースト。
- 前記合金組成におけるAsが、10質量ppm以上25質量ppm未満である、請求項1~12のいずれか1項に記載のはんだペースト。
- 前記フラックスは、樹脂成分と活性成分と溶剤とを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のはんだペースト。
- 前記フラックスは、ヒンダードフェノール系化合物を含む、請求項14に記載のはんだペースト。
- 前記ヒンダードフェノール系化合物の含有量が、前記フラックスの全質量に対して0.5質量%以上10質量%以下である、請求項15に記載のはんだペースト。
- 前記フラックスは、窒素化合物である金属不活性化剤を含有する、請求項14に記載のはんだペースト。
- 前記金属不活性化剤が、ヒドラジド系窒素化合物、アミド系窒素化合物、トリアゾール系窒素化合物およびメラミン系窒素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の窒素化合物である、請求項17に記載のはんだペースト。
- 前記金属不活性化剤の含有量が、前記フラックスの全質量に対して0質量%を超え、10質量%以下である、請求項17または18に記載のはんだペースト。
- 前記フラックスは、酸変性ロジンを含む、請求項14に記載のはんだペースト。
- 前記酸変性ロジンが、アクリル酸変性ロジン、アクリル酸変性水添ロジン、マレイン酸変性ロジンおよびマレイン酸変性水添ロジンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項20に記載のはんだペースト。
- 前記酸変性ロジンの含有量が、前記フラックスの全質量に対して3質量%以上60質量%以下である、請求項20または21に記載のはんだペースト。
- 前記フラックスは、アクリル系樹脂を含む、請求項14に記載のはんだペースト。
- 前記アクリル系樹脂の含有量が、前記フラックスの全質量に対して5質量%以上50質量%以下である、請求項23に記載のはんだペースト。
- 前記フラックスは、モノカルボン酸の反応物で2量体であるダイマー酸、ダイマー酸に水素を添加した水添ダイマー酸、モノカルボン酸の反応物で3量体であるトリマー酸、およびトリマー酸に水素を添加した水添トリマー酸からなる群より選択される少なくとも1種の有機酸を含む、請求項14に記載のはんだペースト。
- 前記ダイマー酸、前記水添ダイマー酸、前記トリマー酸および前記水添トリマー酸からなる群より選択される少なくとも1種の有機酸の含有量が、前記フラックスの全質量に対して0.5質量%以上20質量%以下である、請求項25に記載のはんだペースト。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、ピコリン酸である、請求項27に記載のはんだペースト。
- 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、前記フラックスの全質量に対して0.5質量%以上7質量%以下である、請求項27または28に記載のはんだペースト。
- 前記フラックスは、アゾール類を含む、請求項14に記載のはんだペースト。
- 前記アゾール類が、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、ベンゾイミダゾールおよび2-オクチルベンゾイミダゾールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項30に記載のはんだペースト。
- 前記アゾール類の含有量が、前記フラックスの全質量に対して0.1質量%以上10質量%以下である、請求項30または31に記載のはんだペースト。
- 前記フラックスは、芳香族グアニジン化合物を含む、請求項14に記載のはんだペースト。
- 前記芳香族グアニジン化合物が、ジフェニルグアニジンおよびジトリルグアニジンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項33に記載のはんだペースト。
- 前記芳香族グアニジン化合物の含有量が、前記フラックスの全質量に対して0.2質量%以上15質量%以下である、請求項33または34に記載のはんだペースト。
- 前記フラックスは、アミド化合物であるアミド系チキソ剤を含む、請求項14に記載のはんだペースト。
- 前記アミド系チキソ剤が、ポリアミド、ビスアミドおよびモノアミドからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項36に記載のはんだペースト。
- 前記アミド系チキソ剤の含有量が、前記フラックスの全質量に対して0質量%を超え、15質量%以下である、請求項36または37に記載のはんだペースト。
- 前記フラックスは、ソルビトール化合物であるソルビトール系チキソ剤を含む、請求項14に記載のはんだペースト。
- 前記ソルビトール系チキソ剤が、ジベンジリデンソルビトールおよびビス(4-メチルベンジリデン)ソルビトールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項39に記載のはんだペースト。
- 前記ソルビトール系チキソ剤の含有量が、前記フラックスの全質量に対して0.2質量%以上5質量%以下である、請求項39または40に記載のはんだペースト。
- 前記フラックスは、グリコール系溶剤と有機酸エステルとを併有する、請求項14に記載のはんだペースト。
- 前記フラックスは、グリコール系溶剤と、炭素数が16~18の一価のアルコールとを併有する、請求項14に記載のはんだペースト。
- 更に、酸化ジルコニウム粉末を含有する、請求項1~43のいずれか1項に記載のはんだペースト。
- 前記酸化ジルコニウム粉末の含有量が、前記はんだペーストの全質量に対して0.05~20.0質量%である、請求項44に記載のはんだペースト。
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