JP7235345B2 - 高麗人参酢の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高麗人参を原料とした高麗人参酢に関する。また、この高麗人参酢の製造方法、および、この高麗人参酢を含有する飲料に関する。
従来、食酢として、穀類、果実、野菜などの原料を酢酸発酵させた醸造酢が知られている。醸造酢としては、主に、米酢、米黒酢、大麦黒酢などの穀物酢や、りんご酢、ぶどう酢などの果実酢が知られている。近年では、口当たりの良さから健康飲料として様々な果実酢が市販されている。食酢に含まれる酢酸によって、疲労回復や、血糖値の低下、新陳代謝の向上といった効果が期待される。
一方、古くから高麗人参は薬用として用いられており、現在でも健康食品などに用いられている。高麗人参は、オタネニンジンの和名をもつウコギ科の多年草で、日本では朝鮮人参とも呼ばれている。高麗人参の効能としては、滋養強壮などがよく知られているが、抗酸化作用、血圧調整作用、抗炎症作用など様々な薬理活性を示す。しかし、高麗人参を原料とした食酢は、現在のところ知られていない。
ところで、高麗人参の主要成分は、サポニンの一種であるジンセノサイド(ginsenoside)である。ジンセノサイドは、グルコースなどの糖類が結合した配糖体であり、多種類のジンセノサイドが知られている。高麗人参の抽出物に含まれる主なジンセノサイド(一般ジンセノサイドともいう)としては、ジンセノサイドRb、ジンセノサイドRg、ジンセノサイドReなどが挙げられる。これらのジンセノサイドについては、ヒトの腸内細菌叢による代謝経路などが報告されている(非特許文献1参照)。
また、一般ジンセノサイドなどから脱グリコシル化によって誘導されるジンセノサイドRg、ジンセノサイドF、ジンセノサイドRh、およびジンセノサイドRgは、希少ジンセノサイドとも呼ばれ、高麗人参の抽出物における希少ジンセノサイドの含有量は僅かである。
一方、近年の研究により、希少ジンセノサイドは、様々な薬理活性を示すことが報告されている。例えば、ジンセノサイドRgは、ジンセノサイドの中でも、特に優れた抗がん活性を示すことが報告されている(例えば、特許文献1参照)。また、ジンセノサイドFは、肝がんの形成および増殖を抑制する作用を示すことが報告されている(特許文献2参照)。そのため、希少ジンセノサイドの含有量が高められた高麗人参由来の組成物を摂取することは、健康増進の面から期待される。
特表2017-529350号公報 特開2018-021005号公報
「和漢医薬学雑誌」,1994,Vol.11,p.241-245
本発明は、希少ジンセノサイドの含有量を高めた高麗人参酢およびその製造方法、並びに高麗人参酢を含有する飲料を提供することを目的とする。
本発明の高麗人参酢は、高麗人参の抽出物を酢酸発酵させた高麗人参酢であり、ジンセノサイドRg、ジンセノサイドF、ジンセノサイドRh、およびジンセノサイドRgの合計量が、総ジンセノサイドに対して50質量%以上であることを特徴とする。本発明における「総ジンセノサイド」とは、本発明の高麗人参酢に含まれる多種のジンセノサイド(ジンセノサイドRgなども含む)の総量である。この総ジンセノサイドには、検出濃度が0.001mg/ml以下のジンセノサイドは含まれない。また、本発明において、ジンセノサイドRg、ジンセノサイドF、ジンセノサイドRh、およびジンセノサイドRgを希少ジンセノサイドという。
上記ジンセノサイドRgと上記ジンセノサイドFの含有比が質量比で3:1~10:1であることを特徴とする。
ジンセノサイドRbの含有量が、総ジンセノサイドに対して15質量%以下であることを特徴とする。
上記高麗人参酢の酸度が酢酸換算で4.0%以上であることを特徴とする。
本発明の高麗人参酢の製造方法は、上述した本発明の高麗人参酢を製造する方法であって、容器に、少なくとも高麗人参の抽出物と、水と、醸造用アルコールと、酢酸菌とを添加して酢酸発酵させることを特徴とする。
本発明の飲料は、上述した本発明の高麗人参酢を含有することを特徴とする。
本発明の高麗人参酢は、高麗人参の抽出物を酢酸発酵させた高麗人参酢であり、ジンセノサイドRg、ジンセノサイドF、ジンセノサイドRh、およびジンセノサイドRgの合計量が、総ジンセノサイドに対して50質量%以上であるので、高麗人参の抽出物中の含有量が少ない希少ジンセノサイドを容易に摂取しやすくなる。また、希少ジンセノサイドは、一般ジンセノサイドから誘導(低分子化)されるジンセノサイドであり、これらを多く含むことで体内への吸収率が高まると考えられる。そのため、本発明の高麗人参酢を例えば酸味調味料や飲料に用いることで、ジンセノサイドRgなどの希少ジンセノサイドの薬理活性が期待される。
本発明の高麗人参酢の製造方法は、容器に、少なくとも高麗人参の抽出物と、水と、醸造用アルコールと、酢酸菌とを添加して酢酸発酵させるので、希少ジンセノサイドの含有量を高めた高麗人参酢を簡易な方法で製造できる。
本発明の高麗人参酢の製造方法の概略を示す図である。 実施例1における希少ジンセノサイドの濃度変化などを示す図である。 実施例1におけるPD系ジンセノサイドの濃度変化などを示す図である。 実施例2における希少ジンセノサイドの濃度変化などを示す図である。 実施例3における希少ジンセノサイドの濃度変化などを示す図である。 PD系ジンセノサイドの代謝経路の概要を示す図である。 PT系ジンセノサイドの代謝経路の概要を示す図である。
本発明の高麗人参酢は、一般的な高麗人参およびその抽出物に比べて、希少ジンセノサイドの含有量が高められている。本発明の高麗人参酢は、希少ジンセノサイドとして、ジンセノサイドRg、ジンセノサイドF、ジンセノサイドRh、およびジンセノサイドRgを含む。また、希少ジンセノサイド以外にも、他のジンセノサイド(例えば、ジンセノサイドRb、Rg、Re、Rc、Rdなど)を含む。これらの化学構造式は、後述の図6および図7に記載している。
ジンセノサイドは、アグリコンの構造によって、主に、PD系(Protopanaxadiol系、ジオール系ともいう)と、PT系(Protopanaxatriol系、トリオール系ともいう)に分けられる。これらは、構造中の環の3位の炭素、6位の炭素、および20位の炭素位置にグリコシド結合によって結合される糖部分の位置や数によって分類される。PD系は、中枢神経に抑制的に働き、リラックスした状態に導くとされ、PT系は中枢神経に興奮的に作用し、活力を生み出すとされている。例えば、上記に列挙したジンセノサイドのうち、ジンセノサイドRg、F、Rb、Rc、RdはPD系ジンセノサイドに分類され、ジンセノサイドRh、Rg、Rg、ReはPT系ジンセノサイドに分類される。
本発明の高麗人参酢において、希少ジンセノサイドの含有量は、総ジンセノサイドに対して、50質量%以上である。総ジンセノサイドには、該高麗人参酢中の多種のジンセノサイドが含まれる。また、後述の実施例で示すように、高麗人参の酢酸発酵では、発酵の進行に伴って希少ジンセノサイドの含有量を高めることができ、高麗人参酢中の希少ジンセノサイドの含有量は、総ジンセノサイドに対して60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。なお、希少ジンセノサイドの含有量の上限は、例えば98質量%である。これにより、希少ジンセノサイドをより効率的に摂取できる。
上記高麗人参酢では、ジンセノサイドの成分として、ジンセノサイドRg、特に20(S)-Rgが最も多く含まれることが好ましい。ジンセノサイドRgは、ジンセノサイドRbの20位の炭素位置におけるグリコシド結合が分解されて水酸基に置換されたものである(図6参照)。上述したように、ジンセノサイドRgは、優れた抗がん活性を示すことが知られている。また、ジンセノサイドRgは、神経保護活性、血小板凝集抑制活性、抗酸化活性、抗炎症活性、腎臓保護活性などの様々な薬理活性を示すことも報告されている。また、近年では、高麗人参を9回蒸して9回乾燥させて加工した黒高麗人参に特徴的に含まれる成分としても注目されている。しかしながら、後述の図6に示すように、ジンセノサイドRgは、ヒトの腸内細菌叢の代謝によって生成されず、一般的な高麗人参の加工品を摂取しても、体内に吸収されるものではない。そのため、ジンセノサイドRgの含有量が高められた高麗人参酢は、高麗人参の加工品として、特に有用である。
なお、本発明におけるジンセノサイドRgは、20(S)-Rgと、20位の炭素原子の立体異性体である20(R)-Rgとを含むものである。
上記高麗人参酢におけるジンセノサイドRgの含有量は、希少ジンセノサイドの合計量に対して50質量%~80質量%であることが好ましい。また、ジンセノサイドRgとジンセノサイドFの含有比は、質量比で3:1~10:1であることが好ましく、5:1~10:1であることがより好ましい。また、20(S)-RgとジンセノサイドFの含有比は、質量比で2:1~10:1であることが好ましい。
高麗人参の抽出物に多く含まれる一般ジンセノサイドは、醸造によって脱グリコシル化されるため、高麗人参酢中の含有量は、抽出物中の含有量に比べて少なくなる。例えば、高麗人参酢において、ジンセノサイドRbの含有量は、総ジンセノサイドに対して20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。また、ジンセノサイドRgの含有量は、総ジンセノサイドに対して15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
本発明の高麗人参酢の酸度は、特に限定されないが、日本農林規格(JAS)の食酢品質表示基準に規定されている醸造酢に分類されるため、4.0%以上であることが好ましい。酸度は、醸造酢の日本農林規格に規定されている方法によって算出できる。また、酸度の上限は、特に限定されず、例えば15.0%に設定される。好ましい範囲として、酸度は酢酸換算で4.0%~8.0%に設定される。
上記高麗人参酢の製造過程において、醸造酢由来の発酵物を種酢として用いる場合には、高麗人参酢中に、大麦、粟、きび、稗、小豆、米などの穀物由来の成分が含まれていてもよい。
本発明の高麗人参酢を製造する際には、原材料として、少なくとも、高麗人参の抽出物と、水と、醸造用アルコールと、酢酸菌が用いられる。これらの原材料を容器に添加することで、醸造前の高麗人参溶液(以下、原液という)が得られる。
高麗人参の抽出物は、高麗人参を水、有機溶媒、水および有機溶媒などを用いて抽出することで得られる。高麗人参は、一般に、植物の根を栽培したもの(水参)、水参を常温で乾燥させたもの(白参)、蒸して乾燥したもの(紅参)の形態で流通しており、高麗人参としてはいずれの形態も用いることができる。抽出に用いる有機溶媒は、特に、限定されず、エタノール、メタノール、ブタノール、エーテル、酢酸エチルなどを用いることができる。なお、白参などに多く含まれるジンセノサイドRb、Rg、Re、Rc、Rdは水溶性であるため、抽出溶媒として、水およびエタノールの混合溶媒(例えば、10~50v/v%エタノール水溶液)を用いることが好ましい。
抽出方法は、高麗人参に含まれる成分を抽出できる方法であればよく、撹拌や加圧などを適宜行ってもよい。抽出後、濃縮によって溶媒を除去して、ろ過を経て、抽出物として抽出エキスが取得される。なお、抽出物には、市販されている高麗人参の抽出物(例えば、食品原料用の高麗人参エキス)を用いてもよい。
原材料である醸造用アルコールには、例えば、99.5v/v%アルコール、95v/v%アルコール、焼酎、泡盛、スピリッツ類、清酒などを用いることができる。醸造用アルコールは、原液中のアルコール濃度が、例えば1%~15%、好ましくは1%~10%になるように添加される。
酢酸発酵に用いる酢酸菌は、特に限定されず、例えば、アセトバクター(Acetobacter)属に属する酢酸菌を用いることができる。具体的には、アセトバクター・アセチ(Acetobacter aceti)、アセトバクター・パスツリアヌス(Acetobacter pasteurianus)、アセトバクター・アセトサム(Acetobacter acetosum)などを用いることができる。酢酸菌は、原液に対して所定量添加してもよく、菌膜として原液の液面に移植することで添加してもよい。
また、いわゆる種酢を酢酸菌として用いてもよい。種酢としては、例えば、もろみまたはもろみから精製した精製アルコールに酢酸菌を添加、発酵して得た発酵液などを用いることができる。この発酵液には、醸造酢(日本農林規格の「食酢品質表示基準」に規定)の製造過程に生成されたものを用いてもよい。なお、醸造酢には、米酢、米黒酢、大麦黒酢などの穀物酢や、りんご酢、ぶどう酢などの果実酢などが含まれる。醸造酢由来の発酵液を種酢として用いる場合、該種酢は、原液中の酸度が、例えば0.20%~2.0%、好ましくは0.20%~1.5%になるように添加される。また、酢酸菌の添加と種酢の添加を併用してもよい。
高麗人参酢の原材料には、酢酸発酵で一般に用いられる添加物を用いてもよい。例えば、原材料として酒粕を用いてもよい。酒粕は、日本酒などのもろみを圧搾した後に残る固形物である。酒粕は、ビタミンなどの栄養成分を豊富に含むため、酒粕を添加することで、健康増進に好適である。
上述した各原材料が添加された容器を加温するなどして酢酸発酵を行う。図1は、その工程の概略を示している。図1は、小スケール(数L程度)で高麗人参酢を醸造する場合を想定している。酢酸発酵の進行には、40℃前後の液温が必要になるが、小スケールの場合にはそのままでは温度管理が困難であることから、大スケールの発酵槽(数トン程度)で別の酢を醸造する際に合わせて高麗人参酢の醸造を行うことで効率化を図っている。
具体的には、図1に示すように、原液1が入れられた容器2を、2トンの発酵槽3に浮かべた状態で醸造する。発酵槽3では、別の酢の原液4が入れられており、この酢の発酵熱によって容器2内の液温を安定させることができる。容器2および発酵槽3の上部を覆う蓋材5には、自然に吸排気可能なもの(藁など)が用いられる。図1に示す発酵法は静置発酵法であり、酢酸菌の作用によって空気に触れる上部から少しずつ発酵が始まる。発酵後1~2日で原液1の液面に菌膜が形成され、発酵熱が発生し始める。発酵期間中、液温は30~45℃(例えば40℃前後)に維持される。そして、発酵して比重が重くなった酢は、容器2の下部に沈むことで自然の対流が生まれて、容器2の中を循環することで、発酵が進行していく。
高麗人参酢の発酵期間は30~50日間程度が目安になる。高麗人参酢は、通常の醸造酢と比較して菌膜が生成されにくく、発酵が進行しにくい。そのため、通常の醸造酢よりも発酵に時間がかかる傾向がある。また、醸造の過程で高麗人参に含まれるジンセノサイドは代謝によって低分子化されていくが、醸造がある程度進むと、代謝がほぼ停止してしまう場合がある。そのような場合には、新鮮な菌膜を移植することで、ジンセノサイドの代謝を再開させることができる。酢酸発酵終了後、ろ過、殺菌などを経て高麗人参酢が得られる。なお、水に難溶性の希少ジンセノサイドが濾される可能性があることから、酢酸発酵後のろ過工程を省略してもよい。
酢酸発酵の方法は、図1の方法に限定されるものではない。例えば、発酵期間中、液温を30~45℃(例えば40℃前後)に維持できる方法が好ましく、容器2を恒温槽につけて温度管理下で酢酸発酵を行ってもよく、また、容器2の外周に断熱材などを巻き付けて酢酸発酵を行ってもよい。なお、発酵方法としては、静置発酵法に限定されず、通気発酵法などの周知の発酵方法を採用できる。
本発明の高麗人参酢は、酢酸を主成分とする酸味調味料として用いることができる。また、高麗人参酢は、健康効果を目的とする飲料の原料として用いることができる。
本発明の飲料は、上述した本発明の高麗人参酢を含むものであり、上記高麗人参酢を飲料に混ぜ込んだものである。飲料に混ぜ込む際には、香料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、果汁、蜂蜜などを併せて含有させることができる。例えば、果汁や甘味料などを含有させることで飲みやすくなり、希少ジンセノサイドを手軽に摂取することができる。特に、ジンセノサイドRgは、一般的な高麗人参の加工品を摂取しても、ヒトの腸内細菌叢によって生成されないことから、本発明の高麗人参酢を飲料に混ぜ込むことで、手軽に希少な成分を効率よく摂取できる。
実施例1
原材料として、人参抽出液(食品原料用;日本粉末薬品株式会社製)1L、および変性アルコール2Lをプラスチック製容器に添加した。変性アルコールは、水と、95v/v%醸造用アルコールと、種酢(醸造酢由来の発酵物)と、酒粕を含み、アルコール濃度が約8%、酸度が1.5%~1.8%に調整されたアルコールである。なお、上記人参抽出液は、乾燥オタネニンジン(白参)の根を25v/v%エタノールで抽出したものである。
上記の原材料が添加された容器を、図1に示すように、別の発酵槽(2トン)に浮かべた状態で醸造した。原材料の種酢に含まれる酢酸菌の作用により、醸造後1~2日で液面に菌膜が形成された。また、発酵熱によって液温が40℃前後まで上昇した。醸造の終了は、液温の低下によって判断し、合計で39日間醸造した。
醸造開始後は、約1週間おきに原液をサンプリングして、液中のジンセノサイドを以下の条件で定量分析した。分析の結果、ジンセノサイドの代謝が前回と比較して緩やかになっていたり、ほぼ停止してしまっている場合には、新鮮な菌膜を移植することとした。実施例1では、醸造後21日目に新鮮な菌膜を移植した。醸造終了後、ろ過を行わずに殺菌して、高麗人参酢を得た。得られた高麗人参酢の酸度は4.4%であった。
<ジンセノサイドの定量分析>
検出器:フォトダイオードアレイ検出器(測定波長203nm)
高速液体クロマトグラフィー(HPLC):Agilent 1100 Series(アジレント社製)
カラム:ZORBAX Eclipse XDB-C18(アジレント社製;カラム内径4.6mm、カラム長さ250mm、粒子径5μm)
カラム温度:30℃
移動相A:アセトニトリル(100%)
移動相B:超純水(100%)
流速:1.000ml/min
各移動相の送液:移動相Aおよび移動相Bの混合比を表1に示すように変更
Figure 0007235345000001
得られたクロマトグラムにおいて各ジンセノサイドの検出時間は以下のとおりである。
ジンセノサイドReおよびRg:約18.2min
ジンセノサイドRb:約24.2min
ジンセノサイドRc:約24.9min
ジンセノサイドRg:約25.7min
ジンセノサイドRh:約26.2min
ジンセノサイドRd:約36.4min
ジンセノサイドF:約33.0min
ジンセノサイド20(S)-Rg:約35.5min
ジンセノサイド20(R)-Rg:約35.8min
なお、上記の分析条件では、ジンセノサイドReおよびRgがほぼ同じ時間帯に検出されたため、これらについては、下記の表2に示す条件で移動相Aおよび移動相Bを変化させた。
Figure 0007235345000002
得られたクロマトグラムにおいてジンセノサイドReおよびRgの検出時間は以下のとおりである。
ジンセノサイドRe:約3.4min
ジンセノサイドRg:約3.5min
<検量線の作成>
以下には、ジンセノサイドRbの検量線の作成について記載するが、他のジンセノサイドについても、同様に検量線を作成した。ジンセノサイドRbの所定量(mg)を量り、超純水を所定量(ml)加えて標準原液を調整した。この標準原液を2倍希釈、4倍希釈して標準溶液を得た。標準原液および標準溶液をそれぞれ上記条件に付してHPLCにより分析を行った。得られたクロマトグラムのピーク面積を縦軸に、ジンセノサイドRbの濃度(mg/ml)を横軸にとって検量線を作成した。他のジンセノサイドの溶媒には適宜、超純水、メタノール、または50%メタノールを用いた。
上記定量分析によって得られたクロマトグラムから各ジンセノサイドのピーク面積を求めて、作成した検量線より各ジンセノサイドの濃度(mg/ml)を求めた。結果を表3に示す。ジンセノサイドとしては、ジンセノサイドRe、Rg、Rb、Rc、Rd、Rh、Rg、F、20(S)-Rg、20(R)-Rgを検出した。また、これらジンセノサイドを一般ジンセノサイド、希少ジンセノサイドに分けるとともに、それぞれPD系、PT系に分けて評価した。
なお、ジンセノサイドRb、ジンセノサイド20(S)-Rh、ジンセノサイドCK、ジンセノサイドF、およびPPTについては分析したが、原液中にも高麗人参酢中にも検出されなかった。
Figure 0007235345000003
表3に示すように、原液中(醸造日数:0日)には、一般ジンセノサイド(Re、Rg、Rb、Rc、Rd)が、希少ジンセノサイド(Rh、Rg、F、20(S)-Rg、20(R)-Rg)に比べて、多量に含まれていた。また、今回測定したジンセノサイド10種のうち、ジンセノサイドRbが最も多く含まれ、次にジンセノサイドRgが多く含まれていた。
表3の一般ジンセノサイドおよび希少ジンセノサイドの濃度変化と割合をそれぞれグラフ化したものを図2(a)、(b)に示す。図2(a)、(b)に示すように、醸造が進むにつれて、希少ジンセノサイドの割合が上昇するとともに、一般ジンセノサイドの割合は減少した。最終的には、希少ジンセノサイドの合計量は、総ジンセノサイドに対して65質量%程度になった。また、希少ジンセノサイドの中でも、PD系ジンセノサイドの濃度の上昇が顕著であった。
続いて、PD系ジンセノサイドの各濃度変化を図2(c)に示す。図2(c)に示すように、醸造開始時において最も多く含まれていたRbは、醸造が進むにつれて濃度が低下していった。また、ジンセノサイドRcも同様に濃度が低下した。一方、醸造開始時においてほとんど含まれていなかった20(S)-Rgは、発酵が進むにつれて濃度が大きく増加した。醸造開始時に比べるとジンセノサイドFも増加したが、20(S)-Rgと比較すると低濃度であった。なお、実施例1の高麗人参酢において、ジンセノサイドRg(20(S)-Rgおよび20(R)-Rgの合計量)とジンセノサイドFの含有比は質量比で約4:1であった。
次に、表3のPD系ジンセノサイドおよびPT系ジンセノサイドの濃度変化をそれぞれグラフ化したものを図3(a)、(b)に示す。図3(a)に示すように、PD系ジンセノサイドは、醸造開始時と醸造終了後において、PD系ジンセノサイドの合計量にほとんど変化はなく、構成成分が変化することが分かった。具体的には、ジンセノサイドRbおよびRcから、ジンセノサイド20(S)-Rg、20(R)-Rg、およびFに誘導されると考えられる。一方、図3(b)に示すように、PT系ジンセノサイドは、醸造が進むにつれて、希少ジンセノサイドであるジンセノサイドRhおよびRgは増加するものの、PT系ジンセノサイドの合計量が大幅に減少した。その結果、実施例1の高麗人参酢では、PD系ジンセノサイドが、PT系ジンセノサイドに対して2倍以上(具体的には3倍~5倍程度)含まれる成分組成になった。
実施例2
原材料として、人参抽出液0.5L、および変性アルコール2.5Lをプラスチック製容器に添加した。人参抽出液および変性アルコールには、実施例1と同様のものを用いた。これら原材料が添加された容器を、実施例1と同様に、別の発酵槽(2トン)に浮かべた状態で44日間醸造した。醸造終了後、ろ過を行わずに殺菌して、高麗人参酢を得た。得られた高麗人参酢の酸度は4.8%であった。
なお、醸造後23日目に新鮮な菌膜を移植した。醸造開始後は、約1週間おきに原液をサンプリングして、液中のジンセノサイドを上記の条件で定量分析した。結果を表4および図4に示す。
Figure 0007235345000004
表4および図4に示すように、実施例2においても、醸造が進むにつれて、希少ジンセノサイドの割合が上昇するとともに、一般ジンセノサイドの割合は減少した。最終的には、希少ジンセノサイドの合計量が、総ジンセノサイドに対して94質量%程度になった。実施例2は、実施例1に比べると、発酵の進行が速やかであり、16日目ですでに希少ジンセノサイドの割合は50質量%を上回った。また、実施例1と同様に、希少ジンセノサイドの中でも、特に20(S)-Rgが大きく増加した。なお、実施例2の高麗人参酢において、ジンセノサイドRgとジンセノサイドFの含有比は質量比で約8:1であった。
実施例3
上記実施例1および実施例2では、種酢として醸造酢由来の発酵物を用いたが、実施例3では、種酢として実施例1の高麗人参酢由来の発酵物(殺菌前)を用いた。原材料として、人参抽出液1.0L、種酢0.8L、95%醸造用アルコール0.3L、水1.2Lをプラスチック製容器に添加した。なお、人参抽出液には、実施例1と同様のものを用いた。これら原材料が添加された容器を、実施例1と同様に、別の発酵槽(2トン)に浮かべた状態で39日間醸造した。醸造終了後、ろ過を行わずに殺菌して、高麗人参酢を得た。得られた高麗人参酢の酸度は4.0%であった。
なお、醸造後21日目に新鮮な菌膜を移植した。醸造開始後は、約1週間おきに原液をサンプリングして、液中のジンセノサイドを上記の条件で定量分析した。結果を表5および図5に示す。
Figure 0007235345000005
表5および図5に示すように、実施例3においても、醸造が進むにつれて、希少ジンセノサイドの割合が上昇するとともに、一般ジンセノサイドの割合は減少した。最終的には、希少ジンセノサイドの合計量が、総ジンセノサイドに対して71質量%程度になった。種酢として、高麗人参酢由来の発酵物を用いても、同様の結果が得られることが分かった。
以下では、上記実施例1~3の結果を踏まえて、ジンセノサイドの代謝経路について考察する。図6には、PD系ジンセノサイドの代謝経路の概略を示し、図7には、PT系ジンセノサイドの代謝経路の概略を示す。各図において、黒塗り矢印が高麗人参酢を製造する際に想定されるジンセノサイドの代謝経路であり、白抜き矢印が、ヒトの腸内細菌叢における代謝経路を示している。
図6に示すように、PD系ジンセノサイドは、ヒトの腸内細菌叢において、ジンセノサイドRbから、ジンセノサイドRd、ジンセノサイドF、ジンセノサイドCK、ジンセノサイドPPDへと代謝される。ジンセノサイドRbは比較的高分子であるため、そのままの構造ではヒトは吸収できないとされている。それが代謝によって、低分子化されていくことで吸収性が向上すると考えられている。また、ジンセノサイドRcも、ヒトの腸内細菌叢によって、ジンセノサイドCKを経て、最終的にはジンセノサイドPPDへと代謝される。
ここで、上記実施例1~3では、発酵が進むにつれて、ジンセノサイド20(S)-Rgが大幅に増加する結果になった。一般に、ヒトの腸内細菌叢では、ジンセノサイドRdまたはジンセノサイドRcから、ジンセノサイド20(S)-Rgに至る代謝は起こらないとされている。また、発酵が進むにつれて、ジンセノサイド20(R)-Rgも大幅に増加したことから、高麗人参の酢酸発酵では、ヒトの腸内細菌叢での代謝とは異なる代謝が起こっていることが示唆された。また、ジンセノサイド20(S)-Rgから誘導されるジンセノサイドRhは、今回検出されなかった。その結果、特にジンセノサイド20(S)-Rgが多く含まれる高麗人参酢が得られたと考えられる。
続いて、図7に示すPT系ジンセノサイドでは、醸造開始時に最も多く検出されたジンセノサイドはRgであった。ジンセノサイドRgは、グルコースが2個結合したジンセノサイドで、そのままの構造でもヒトは吸収することができるとされている。ヒトの腸内細菌叢では、図7に示すように、ジンセノサイドRgから、ジンセノサイドRh、PPTへと代謝される。上記実施例1~3では、高麗人参の発酵において、ジンセノサイドRgは大幅に低下したが、ジンセノサイドRhの増加は僅かであった。また、ジンセノサイドReも減少したが、ジンセノサイドRgの増加はそれほど多くはなかった。PT系ジンセノサイドが、酢酸発酵においてどのような代謝を受けているのかについて、詳細は不明であるが、ヒトの腸内細菌叢での代謝とは異なる代謝が起こっていることが示唆された。
また、上記実施例1~3に示すように、高麗人参酢を醸造する過程において、酢酸菌が比較的高分子のジンセノサイドを代謝して低分子化することから、本発明の高麗人参酢は、ヒトが摂取したときに吸収されやすいジンセノサイドを多く含む高麗人参由来の組成物であるといえる。特に、この高麗人参酢は、様々な薬理活性を有し、ヒトの腸内細菌叢では生成されないジンセノサイド20(S)-Rgを多く含むことから、健康効果を目的とした酸味調味料や飲料として有用である。
本発明の高麗人参酢は、希少ジンセノサイドを多く含むので、様々な薬理活性が発揮されることが期待され、健康増進に寄与できる。
1 原液
2 容器
3 発酵槽
4 原液
5 蓋材

Claims (4)

  1. 高麗人参の抽出物を酢酸発酵させた高麗人参酢の製造方法であり、
    前記高麗人参酢は、ジンセノサイドRg、ジンセノサイドF、ジンセノサイドRh、およびジンセノサイドRgの合計量が、総ジンセノサイドに対して50質量%以上であり、
    前記製造方法は、容器に、高麗人参を10~50v/v%エタノール水溶液で抽出した抽出物と、水と、醸造用アルコールと、種酢とを添加して、原液中のアルコール濃度が1%~15%、原液中の酸度が0.20%~2.0%になるようにした原液を、30~45℃で30~50日静置発酵により酢酸発酵する醸造工程を有し、
    前記醸造工程は、発酵期間中に原液の表面に新鮮な菌膜を移植する工程を含むことを特徴とする高麗人参酢の製造方法
  2. 前記高麗人参酢において、前記ジンセノサイドRgと前記ジンセノサイドFの含有比が質量比で3:1~10:1であることを特徴とする請求項1記載の高麗人参酢の製造方法
  3. 前記高麗人参酢において、ジンセノサイドRbの含有量が、総ジンセノサイドに対して15質量%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の高麗人参酢の製造方法
  4. 前記高麗人参酢の酸度が酢酸換算で4.0%以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の高麗人参酢の製造方法
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