JP7234762B2 - 固体電解質及びその製造方法、並びに、電池 - Google Patents

固体電解質及びその製造方法、並びに、電池 Download PDF

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Description

本発明は、固体電解質及びその製造方法、並びに、電池に関する。
太陽光エネルギー、振動エネルギー、人及び動物の体温などの微小なエネルギーから発電した電気を蓄え、センサー、無線発信電力などに利用する環境発電技術には、あらゆる地球環境下において安全で信頼性の高い二次電池が必要である。
広く利用されてきている、有機電解液を用いた液系電解質の二次電池では、サイクルを重ねると正極活物質が劣化し、電池容量低下が起こることが懸念される。また、前記液系電解質の二次電池では、デンドライト形成による電池短絡によって前記二次電池内の前記有機電解液に引火し、発火することが懸念される。そのため、例えば10年以上の利用が考えられている環境発電デバイスに用いるには、前記液系電解質の二次電池では信頼性及び安全性に乏しい。
液漏れや発火などの恐れがない点で、構成材料をすべて固体にした全固体リチウム二次電池が注目されてきている。一般に、前記全固体リチウム二次電池においては、前記液系電解質の二次電池に比し、電池の内部抵抗値が高くなりやすく、大きな電流を取り出し難かった。そこで、前記液系電解質の二次電池に匹敵する前記内部抵抗値を実現し得る、硫化物系固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池も提案されている。しかし、前記硫化物系固体電解質は大気下で不安定で大気に触れると有毒な硫化水素ガスを発生し得るため、安全性や取扱性に劣ることが指摘されている。
近時、大気下において安定な酸化物系固体電解質として、リチウム(Li)と、アルミニウム(Al)と、チタン(Ti)又はゲルマニウム(Ge)と、リン(P)と、マグネシウム(Mg)とを含む5元素含有酸化物系固体電解質(例えば、特許文献1参照)が提案されている。また、リチウム(Li)と、アルミニウム(Al)と、チタン(Ti)と、リン(P)と、亜鉛(Zn)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)又は銅(Cu)とを含む5元素含有酸化物系固体電解質(例えば、特許文献2参照)なども提案されている。
WO2013/100000 WO2018/062092A1
しかしながら、これらの固体電解質の場合、構成元素数が多く安価にかつ容易に製造できない。また、300~500℃程度の中温領域で良好なイオン導電性が得られることは知られていない。
本発明は、大気下において安定であり、安価にかつ容易に製造でき、イオン導電性に優れた、固体電解質及びその製造方法、並びに、前記固体電解質を備えた電池を提供することを目的とする。
1つの態様では、固体電解質は、
次の組成式、Li3-2XPOで表される(ただし、前記組成式中、Xは、0超0.15以下であり、Mは、二価以上の金属元素を表す。)。
1つの態様では、固体電解質の製造方法は、
次の組成式、Li3-2XPOで表される固体電解質(ただし、前記組成式中、Xは、0超0.15以下であり、Mは、二価以上の金属元素を表す。)の製造方法であって、
リチウム源、リン酸源、及び二価以上の金属源を混合し熱処理を行う工程を含む。
1つの態様では、電池は、
正極活物質層と、
負極活物質層と、
前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配され、次の組成式、Li3-2XPOで表される固体電解質(ただし、前記組成式中、Xは、0超0.15以下であり、Mは、二価以上の金属元素を表す。)と、
を有する。
1つの態様では、電池の製造方法は、
次の組成式、Li3-2XPOで表される固体電解質(ただし、前記組成式中、Xは、0超0.15以下であり、Mは、二価以上の金属元素を表す。)による固体電解質層における、一方の表面上に正極活物質層を形成し、他方の表面上に負極活物質層を形成することを含む。
1つの側面として、大気下において安定であり、安価にかつ容易に製造でき、イオン導電性に優れた、固体電解質を提供できる。
また、1つの側面として、大気下において安定であり、安価にかつ容易に製造でき、イオン導電性に優れた、固体電解質の製造方法を提供できる。
また、1つの側面として、大気下において安定であり、安価にかつ容易に製造でき、イオン導電性に優れた、電池を提供できる。
図1は、開示の全固体電池の一例の模式図である。 図2は、4配位四面体酸素酸塩(PO)と、(CaO)多面体とが、骨格構造を形成した結晶構造を有する固体電解質の一例の模式図である。 図3は、Li3-2XCaPOにおける、Xの値に対するイオン導電率(S/cm)の測定値をプロットした実験結果を表すグラフである。 図4は、実施例1~3及び比較例1~8で得られた固体電解質における結晶構造をX線回折測定により同定した結果を表すグラフである。 図5Aは、従来の固体電解質の性質の一例を示す図である。 図5Bは、開示の固体電解質の性質の一例を示す図である。 図6は、開示の固体電解質の性質の一例を示す図である。
本発明者らが鋭意検討を行ったところ、前記5元素含有酸化物系固体電解質では、電池に使用した場合に構成元素の種類(例えば、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)など)によっては還元されてショートを生じ得る問題がある。例えば、図5Aに示すように、ゲルマニウムを含有するLAGP(リチウム、アルミニウム、ゲルマニウム、りん)粉体は、リチウム金属に接触すると粉体に含有するゲルマニウムが黒色に変色(図5A中の11b参照)し、ゲルマニウムが還元されることがわかる。
一方、4元素含有酸化物系固体電解質では、300~500℃程度の中温領域でもイオン導電性に優れ、かつ図5Bに示すようにリチウム金属に接触しても変色(還元)せず(図5B中の11a参照)に安定であることを見出し、開示の技術の完成に至った。
(固体電解質)
開示の固体電解質は、酸化物系固体電解質である。
前記固体電解質は、構成元素として、リチウム(Li)、リン(P)、二価以上の金属元素(M)、及び酸素(O)を含み、次の組成式、Li3-2XPOで表される(ただし、前記組成式中、Xは、元素の存在比率、例えばmol比(モル比)を表し、0超0.15以下であり、Mは、二価以上の金属元素を表す。)。
開示の技術において、酸化物系固体電解質とは、リチウムイオンの対アニオンとして、中心元素に酸素原子が配位結合したオキソ酸イオンを骨格に有する固体電解質を指す。
前記固体電解質の結晶構造としては、例えば、(1)4配位四面体酸素酸塩(PO)と、(CaO)多面体とが、骨格構造を形成した結晶構造、(2)図2に示すような、4配位四面体酸素酸塩(PO)と、(CaO)多面体とが、骨格構造を形成した結晶構造、(3)4配位四面体酸素酸塩(PO)が3つ以上の点共有で群を形成した結晶構造、などが挙げられる。
前記固体電解質は、例えば、リン(P)のオキソ酸リチウムと、二価以上の金属元素(M)のオキソ酸化合物とを含む骨格を有する。
前記固体電解質の骨格を形成する、リンのオキソ酸基としては、例えば、PO基が挙げられる。
前記固体電解質の骨格を形成する、二価以上の金属元素(M)のオキソ酸基としては、例えば、MO基、MO基、MO基、MO基が挙げられる。なお、MO基は、PO基のリン(P)が二価以上の金属元素(M)に置換されることで形成されると考えられる。
前記固体電解質の好ましい態様においては、前記リン(P)のオキソ酸基、及び前記二価以上の金属元素(M)のオキソ酸基が、前記固体電解質の結晶構造の骨格を形成しており、キャリアであるリチウム(Li)イオンは、結晶構造の骨格の隙間に配置されている。
前記固体電解質において、前記二価以上の金属元素(M)としては、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、ケイ素(Si)、炭素(C)、硫黄(S)、インジウム(In)、スズ(Sn)などが挙げられる。従来のLiPOのみの結晶構造に比し、前記二価以上の金属元素(M)を含む結晶構造では、Liが入り込む空間が増えることから、イオン導電性を向上させることができる。前記二価以上の金属元素(M)の中でも、安全性に優れ、安価にかつ容易に製造でき、イオン導電性に優れる点で、カルシウム(Ca)が特に好ましい。
前記固体電解質において、イオン導電性、300~500℃程度の中温領域でもイオン導電性に優れる点で、前記二価以上の金属元素(M)の存在比率(X)が、0.005以上0.12以下が好ましく、0.01以上0.1以下がより好ましく、0.01以上0.05以下が最も好ましい。
前記固体電解質における、前記二価以上の金属元素(M)の存在比率(X)が、0超0.15以下であると、従来のLiPOのみの結晶構造よりもLiが入り込む空間が増えることから、イオン導電性を向上させることができる。一方、0.15を超えると、Liが不足してしまい、イオン導電性を向上させることができない。
前記固体電解質は、CuKα線を用いたX線回折において、2θ=31.8°、32.1°、33.0°、及び38.2°にピークを有することが好ましい(例えば、図6参照)。
前記固体電解質のX線回折測定は、例えば、粉末X線回折測定装置(例えば、Rigaku, miniflex 600, CuK-alphaを使用)を用いて行うことができる。
前記固体電解質の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、粉末状であってもよいし、ペレット状であってもよい。
前記固体電解質は、全固体二次電池に好適に用いることができるほか、各種用途に用いることができ、例えば、シナプス素子(薄膜固体電池)などにも用いることができる。前記シナプス素子(薄膜固体電池)は、電池充放電量に伴う正極材料の電子伝導性変化(抵抗変化を応用し、抵抗変化素子とすることで脳内のシナプスを模倣したものである。前記シナプス素子(薄膜固体電池)の態様としては、例えば、ナノサイズまで加工することができる薄膜全固体二次電池が好ましい。
(固体電解質の製造方法)
開示の固体電解質の製造方法は、構成元素として、リチウム(Li)、リン(P)、二価以上の金属元素(M)、及び酸素(O)を混合して加熱し、固体電解質を得る工程を含む。
前記固体電解質は、開示の前記固体電解質である。
<固体電解質を得る工程>
前記混合の方法としては、例えば、リン(P)のオキソ酸リチウムと、二価以上の金属元素(M)のオキソ酸化合物とを混合して、前記混合物を得る方法である。
前記リン(P)のオキソ酸リチウムとしては、例えば、LiPOなどが挙げられる。
前記二価以上の金属元素(M)のオキソ酸化合物としては、例えば、M(POなどが挙げられ、Ca(POが好ましい。
前記混合の際には、適宜加熱をしてもよい。
前記混合の際には、各原料は所定の比率で混合される。
前記混合の方法の具体例としては、以下のとおりである。
LiPOなどのリン(P)のオキソ酸リチウムと、Ca(POなどの二価以上の金属元素(M)のオキソ酸化合物とを、所望の組成比となるように、mol比で秤量し、例えば、グローブボックス内でメノウ乳鉢等を用いて混合して、一軸成形機等を用いてペレット化して、加熱を行う前の前駆体とする。
なお、ここで得られた前駆体は、仮焼成(例えば、340℃で6時間加熱)した後、冷却し、仮焼成体としてもよい。
前記加熱を行う温度としては、酸化物系固体電解質が得られる温度であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な固溶体が得られる点で、500℃以上1,000℃以下が好ましく、550℃以上900℃以下がより好ましい。
前記混合物を加熱する時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1時間~168時間であってもよいし、1時間~48時間であってもよいし、5時間~24時間であってもよい。
(電池)
開示の電池は、正極活物質層と、固体電解質層と、負極活物質層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
開示の電池は、全固体電池とも呼ばれ、例えば、全固体リチウムイオン二次電池である。
前記全固体電池は、少なくとも前記正極活物質層、前記固体電解質層、及び前記負極活物質層に液体成分を含有しない。
<正極活物質層>
正極活物質層は、正極活物質を含有する層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極活物質層は、前記正極活物質自体であってもよいし、前記正極活物質と固体電解質との混合物であってもよい。
前記固体電解質としては、開示の前記固体電解質が好ましい。
前記正極活物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウム含有複合酸化物などが挙げられる。前記リチウム含有複合酸化物としては、リチウムと他の金属とを含有する複合酸化物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、LiCoO、LiNiO、LiCrO、LiVO、LiMMn2-x(Mは、Co、Ni、Fe、Cr及びCuの少なくともいずれかである。0≦x<2)、LiFePO、LiCoPOなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正極活物質層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm~100μmが好ましく、1μm~10μmがより好ましい。
前記正極活物質層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記正極活物質のターゲット材料を用いたスパッタリング、前記正極活物質を圧縮成形する方法などが挙げられる。
<負極活物質層>
前記負極活物質層としては、負極活物質を含有する層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極活物質層は、前記負極活物質自体であってもよいし、前記負極活物質と固体電解質との混合物であってもよい。
前記固体電解質としては、開示の前記固体電解質が好ましい。
前記負極活物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウム、リチウムアルミニウム合金、LiTi12、非晶質カーボン、天然黒鉛、人造黒鉛などが挙げられる。
前記負極活物質層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm~100μmが好ましく、1μm~10μmがより好ましい。
前記負極活物質層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記負極活物質のターゲット材料を用いたスパッタリング、前記負極活物質を圧縮成形する方法、前記負極活物質を蒸着する方法などが挙げられる。
<固体電解質層>
前記固体電解質層は、開示の前記固体電解質である。
前記固体電解質層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm~500μmが好ましく、50μm~100μmがより好ましい。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極集電体、負極集電体、電池ケースなどが挙げられる。
<<正極集電体>>
前記正極集電体の大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正極集電体の材質としては、例えば、ダイス鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン合金、銅、金、ニッケルなどが挙げられる。
前記正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状などが挙げられる。
前記正極集電体の平均厚みとしては、例えば、10μm~500μmなどが挙げられる。
<<負極集電体>>
前記負極集電体の大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記負極集電体の材質としては、例えば、ダイス鋼、金、インジウム、ニッケル、銅、ステンレス鋼などが挙げられる。
前記負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状などが挙げられる。
前記負極集電体の平均厚みとしては、例えば、10μm~500μmなどが挙げられる。
<<電池ケース>>
前記電池ケースとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、従来の全固体電池で使用可能な公知のラミネートフィルムなどが挙げられる。前記ラミネートフィルムとしては、例えば、樹脂製のラミネートフィルム、樹脂製のラミネートフィルムに金属を蒸着させたフィルムなどが挙げられる。
電池の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円筒型、角型、ボタン型、コイン型、扁平型などが挙げられる。
図1は、開示の電池(全固体電池)の一例の断面模式図である。図1の電池においては、正極集電体1上に、正極活物質層2、固体電解質層3、負極活物質層4、及び負極集電体5がこの順で積層されている。
(電池の製造方法)
<一態様>
開示の電池の製造方法の一態様は、固体電解質層の一方の表面上に、負極活物質層を形成し、他方の表面上に正極活物質層を形成することを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記固体電解質層は、開示の前記固体電解質である。
開示の電池の製造方法は、開示の前記電池を製造する方法の一態様である。
<<負極活物質層の形成>>
前記負極活物質層を形成する方法としては、固体電解質層の一方の面に、負極活物質層を形成できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、負極活物質のターゲット材料を用いたスパッタリング、前記負極活物質を蒸着する方法などが挙げられる。以上により、前記固体電解質層の一方の面に、開示の前記電池の説明において説明した前記負極活物質層が形成される。
<<正極活物質層の形成>>
前記正極活物質層を形成する方法としては、前記固体電解質層の前記一方の面の反対側の面に、正極活物質層を形成できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極活物質のターゲット材料を用いたスパッタリングなどが挙げられる。以上により、前記固体電解質層の前記一方の面の反対側の面に、開示の前記電池の説明において説明した前記正極活物質層が形成される。
<他の態様>
開示の電池の製造方法の他の態様としては、正極活物質層と、固体電解質層と、負極活物質層とを積層した状態で一体焼成することにより、前記電池を得る方法が挙げられる。
前記正極活物質層は、例えば、正極活物質と、固体電解質と、任意に導電助剤とを混合して得られる混合物である。前記混合物に含有される前記固体電解質は、開示の前記固体電解質であることが好ましい。
前記固体電解質層は、開示の前記固体電解質である。
前記負極活物質層は、例えば、負極活物質と、固体電解質と、任意に導電助剤とを混合して得られる混合物である。前記混合物に含有される前記固体電解質は、開示の前記固体電解質であることが好ましい。
前記正極活物質としては、例えば、開示の前記電池の説明において例示した正極活物質などが挙げられる。
前記負極活物質としては、例えば、開示の前記電池の説明において例示した負極活物質などが挙げられる。
前記導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト、ニードルコークス等の無定形炭素の微粒子、カーボンナノファイバー等のカーボン粉末(炭素粉末)などが挙げられる。
前記一体焼成は、例えば、正極活物質層と、固体電解質層と、負極活物質層とを加圧積層して得られた積層体を加熱することで行われる。
前記積層体を加熱する際の加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、500℃以上が好ましく、550℃以上がより好ましい。前記加熱温度の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記加熱温度は、1,000℃以下が好ましい。
前記積層体を加熱する際の加熱時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1時間~168時間であってもよいし、1時間~48時間であってもよいし、5時間~24時間であってもよい。
以下、開示の技術の実施例を説明するが、開示の技術は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実験1)
得られる固体電解質における、カルシウム(Ca)の存在比率を表す前記Xの値が表1に示す値、すなわち、「0」<比較例1>、「0.01」<実施例1>、「0.05」<実施例2>、「0.1」<実施例3>、「0.25」<比較例2>、「0.5」<比較例3>、「0.75」<比較例4>、「1」<比較例5>、「1.25」<比較例6>、「1.5」<比較例7>となるように、LiPO粉末(株式会社豊島製作所製)と、Ca(PO粉末(シグマアルドリッチ社製)とを、表1に示す配合量(g)で配合し、グローブボックス内でメノウ乳鉢を用いて混合した。その後、0.5gを秤取り一軸成形機により加圧し、厚み5mm、10mmφ(直径)に成型し、ペレットを得た。
次に、得られたペレットを、乾燥アルゴンで完全に置換した電気炉にて、昇温しながら1,000℃に加熱し、12時間保持した。加熱保持後は、室温まで自然冷却し、実施例1~3及び比較例1~7の固体電解質(リチウムイオン導電体)を得た。
なお、実施例1~3及び比較例1~7の固体電解質(リチウムイオン導電体)における結晶構造を確認するために、得られた固体電解質をメノウ乳鉢で粉砕し、粉末X線回折測定(Rigaku, miniflex 600, CuK-alphaを使用)を行った。X線回折<XRD>測定の結果を図4に示した。
Figure 0007234762000001
[固体電解質の評価]
<イオン導電率測定>
上述のようにして得た固体電解質ペレットの両面にAuを蒸着し、前記固体電解質について以下のようにしてイオン導電率を評価した。交流インピーダンス法により7MHz~100mHzの範囲で1-50mVを印加し電流応答をプロットした。測定雰囲気は300℃の乾燥アルゴンフロー下で行なった。評価装置としてバイオロジック社のVMP-300マルチチャンネル電気化学測定システムに組み込まれた周波数応答解析装置を用いた。
測定結果を、表2に示した。また、表1の結果を、図3にグラフ化した。
Figure 0007234762000002
得られた固体電解質における、カルシウム(Ca)の存在比率(X)が、0超0.15以下の場合には、中温領域である300℃における交流インピーダンス測定から算出したイオン導電率の値が、0の場合及び0.15超の場合に比し、優れていた。
更に以下の付記を開示する。
(付記1)
次の組成式、Li3-2XPOで表されることを特徴とする固体電解質。
ただし、前記組成式中、Xは、0超0.15以下であり、Mは、二価以上の金属元素を表す。
(付記2)
前記Xが0.01以上0.05以下である付記1に記載の固体電解質。
(付記3)
前記Mがカルシウム(Ca)である付記1から2のいずれかに記載の固体電解質。
(付記4)
4配位四面体酸素酸塩(PO)と、(CaO)多面体とが、骨格構造を形成した結晶構造を有する付記1から3のいずれかに記載の固体電解質。
(付記5)
4配位四面体酸素酸塩(PO)と、(CaO)多面体とが、骨格構造を形成した結晶構造を有する付記1から3のいずれかに記載の固体電解質。
(付記6)
4配位四面体酸素酸塩(PO)が3つ以上の点共有で群を形成した結晶構造を有する付記1から5のいずれかに記載の固体電解質。
(付記7)
次の組成式、Li3-2XPOで表される固体電解質(ただし、前記組成式中、Xは、0超0.15以下であり、Mは、二価以上の金属元素を表す。)の製造方法であって、
リチウム源、リン酸源、及び二価以上の金属源を混合し熱処理を行う工程を含むことを特徴とする固体電解質の製造方法。
(付記8)
前記熱処理が500℃以上1,000℃以下で行われる付記7に記載の固体電解質の製造方法。
(付記9)
前記二価以上の金属源がカルシウム(Ca)源である付記7から8のいずれかに記載の固体電解質の製造方法。
(付記10)
前記カルシウム(Ca)源がリン酸化合物である付記9に記載の固体電解質の製造方法。
(付記11)
前記リチウム源がリン酸化合物である付記7から10のいずれかに記載の固体電解質の製造方法。
(付記12)
正極活物質層と、
負極活物質層と、
前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配され、次の組成式、Li3-2XPOで表される固体電解質(ただし、前記組成式中、Xは、0超0.15以下であり、Mは、二価以上の金属元素を表す。)と、
を有することを特徴とする電池。
(付記13)
前記Xが0.01以上0.05以下である付記12に記載の電池。
(付記14)
前記Mがカルシウム(Ca)である付記12から13のいずれかに記載の電池。
(付記15)
4配位四面体酸素酸塩(PO)と、(CaO)多面体とが、骨格構造を形成した結晶構造を有する付記12から14のいずれかに記載の電池。
(付記16)
4配位四面体酸素酸塩(PO)と、(CaO)多面体とが、骨格構造を形成した結晶構造を有する付記12から14のいずれかに記載の電池。
(付記17)
4配位四面体酸素酸塩(PO)が3つ以上の点共有で群を形成した結晶構造を有する付記12から16のいずれかに記載の電池。
1 正極集電体
2 正極活物質層
3 固体電解質層
4 負極活物質層
5 負極集電体

Claims (9)

  1. 次の組成式、Li 3-2X Ca PO で表されることを特徴とする固体電解質。
    ただし、前記組成式中、Xは、0超0.15以下であ
  2. 前記Xが0.01以上0.05以下である請求項1に記載の固体電解質。
  3. 4配位四面体酸素酸塩(PO)と、(CaO)多面体とが、骨格構造を形成した結晶構造を有する請求項1又は2に記載の固体電解質。
  4. 4配位四面体酸素酸塩(PO)と、(CaO)多面体とが、骨格構造を形成した結晶構造を有する請求項1又は2に記載の固体電解質。
  5. 4配位四面体酸素酸塩(PO)が3つ以上の点共有で群を形成した結晶構造を有する請求項1からのいずれかに記載の固体電解質。
  6. 次の組成式、Li 3-2X Ca PO で表される固体電解質(ただし、前記組成式中、Xは、0超0.15以下であ。)の製造方法であって、
    リチウム源、リン酸源、及び二価以上の金属源を混合し熱処理を行う工程を含むことを特徴とする固体電解質の製造方法。
  7. 前記熱処理が500℃以上1,000℃以下で行われる請求項に記載の固体電解質の製造方法。
  8. 正極活物質層と、
    負極活物質層と、
    前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配され、次の組成式、Li 3-2X Ca PO で表される固体電解質(ただし、前記組成式中、Xは、0超0.15以下であ。)と、
    を有することを特徴とする電池。
  9. 前記Xが0.01以上0.05以下である請求項8に記載の電池。
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