JP7234635B2 - 蓄電デバイス用外装材 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の蓄電デバイス用外装材の一実施形態を模式的に表す断面図である。図1に示すように、本実施形態の外装材(蓄電デバイス用外装材)10は、基材層11と、該基材層11の一方の面側に設けられた接着層12と、該接着層12の基材層11とは反対側に設けられた、両面に腐食防止処理層14a,14bを有する金属箔層13と、該金属箔層13の接着層12とは反対側に設けられたシーラント接着層15と、該シーラント接着層15の金属箔層13とは反対側に設けられたシーラント層16と、が積層された積層体である。ここで、腐食防止処理層14aは金属箔層13の接着層12側の面に、腐食防止処理層14bは金属箔層13のシーラント接着層15側の面に、それぞれ設けられている。また、シーラント層16は、結晶性ポリエチレンテレフタレート層16aと、非晶性ポリエチレンテレフタレート層16bとを備えている。外装材10において、基材層11が最外層、シーラント層16(特に非晶性ポリエチレンテレフタレート層16b)が最内層である。すなわち、外装材10は、基材層11を蓄電デバイスの外部側、シーラント層16を蓄電デバイスの内部側に向けて使用される。以下、各層について説明する。
基材層11は、蓄電デバイスを製造する際のシール工程における耐熱性を付与し、成型加工や流通の際に起こりうるピンホールの発生を抑制する役割を果たす。特に大型用途の蓄電デバイスの外装材の場合等は、耐擦傷性、耐薬品性、絶縁性等も付与できる。
接着層12は、基材層11と金属箔層13とを接着する層である。接着層12は、基材層11と金属箔層13とを強固に接着するために必要な接着力を有すると共に、冷間成型する際において、基材層11によって金属箔層13が破断されることを抑制するための追随性も有する。なお、追随性とは、部材が伸縮等により変形したとしても、接着層12が剥離することなく部材上に留まる性質である。
金属箔層13としては、アルミニウム及びステンレス鋼等の各種金属箔が挙げられ、防湿性及び延展性等の加工性、並びにコストの面から、金属箔層13はアルミニウム箔であることが好ましい。アルミニウム箔は一般の軟質アルミニウム箔であってもよいが、耐ピンホール性及び成形時の延展性に優れる点から、鉄を含むアルミニウム箔であることが好ましい。
腐食防止処理層14a,14bは、電解液、又は、電解液と水分の反応により発生するフッ酸等の腐食性の液体若しくはガスによる金属箔層13の腐食を抑制する役割を果たす。また、腐食防止処理層14aは、金属箔層13と接着層12との密着力を高める役割を果たす。また、腐食防止処理層14bは、金属箔層13とシーラント接着層15との密着力を高める役割を果たす。腐食防止処理層14a及び腐食防止処理層14bは、同一の構成の層であってもよく、異なる構成の層であってもよい。
シーラント接着層15は、腐食防止処理層14bが形成された金属箔層13とシーラント層16を接着する層である。
シーラント層16は、外装材10に対し、ヒートシールによる封止性を付与する層であり、蓄電デバイスの組み立て時に内側に配置されてヒートシール(熱融着)される層である。
次に、外装材10の製造方法について説明する。なお、外装材10の製造方法は以下の方法に限定されない。
工程S11:金属箔層13の一方の面上に腐食防止処理層14aを形成し、金属箔層13の他方の面上に腐食防止処理層14bを形成する工程。
工程S12:腐食防止処理層14aの金属箔層13とは反対側の面と、基材層11とを、接着層12を介して貼り合わせる工程。
工程S13:腐食防止処理層14bの金属箔層13とは反対側の面上に、シーラント接着層15を介してシーラント層16を形成する工程。
工程S11では、金属箔層13の一方の面上に腐食防止処理層14aを形成し、金属箔層13の他方の面上に腐食防止処理層14bを形成する。腐食防止処理層14a及び14bは、それぞれ別々に形成されてもよく、両方が一度に形成されてもよい。具体的には、例えば、金属箔層13の両方の面に腐食防止処理剤(腐食防止処理層の母材)を塗布し、その後、乾燥、硬化、焼付けを順次行うことで、腐食防止処理層14a及び14bを一度に形成する。また、金属箔層13の一方の面に腐食防止処理剤を塗布し、乾燥、硬化、焼き付けを順次行って腐食防止処理層14aを形成した後、金属箔層13の他方の面に同様にして腐食防止処理層14bを形成してもよい。腐食防止処理層14a及び14bの形成順序は特に制限されない。また、腐食防止処理剤は、腐食防止処理層14aと腐食防止処理層14bとで異なるものを用いてもよく、同じのものを用いてもよい。腐食防止処理剤の塗布方法は、特に限定されないが、例えば、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、ダイコート法、バーコート法、キスコート法、コンマコート法、小径グラビアコート法等の方法を用いることができる。
工程S12では、腐食防止処理層14aの金属箔層13とは反対側の面と、基材層11とが、接着層12を形成する接着剤を用いてドライラミネーション等の手法で貼り合わせられる。工程S12では、接着性の促進のため、室温~100℃の範囲でエージング(養生)処理を行ってもよい。エージング時間は、例えば、1~10日である。
工程S12後、基材層11、接着層12、腐食防止処理層14a、金属箔層13及び腐食防止処理層14bがこの順に積層された積層体の腐食防止処理層14bの金属箔層13とは反対側の面上に、シーラント接着層15を介してシーラント層16が形成される。シーラント層16は、ドライラミネーション及びサンドイッチラミネーション等によって積層されてもよく、シーラント接着層15とともに共押出し法によって積層されてもよい。シーラント層16は、接着性向上の点から、例えばサンドイッチラミネーションによって積層される、又は、シーラント接着層15とともに共押出し法によって積層されることが好ましく、共押出し法によって積層されることがより好ましい。
次に、外装材10を容器として備える蓄電デバイスについて説明する。蓄電デバイスは、電極を含む電池要素1と、上記電極から延在するリード2と、電池要素1を収容する容器とを備え、上記容器は蓄電デバイス用外装材10から、シーラント層16が内側となるように形成される。上記容器は、2つの外装材をシーラント層16同士を対向させて重ね合わせ、重ねられた外装材10の周縁部をヒートシールして得られてもよく、また、1つの外装材を折り返して重ね合わせ、同様に外装材10の周縁部をヒートシールして得られてもよい。リード2は、シーラント層16を内側として容器を形成する外装材10によって挟持され、密封されている。リード2は、タブシーラントを介して、外装材10によって挟持されていてもよい。
次に、上述した外装材10を用いて蓄電デバイスを製造する方法について説明する。なお、ここでは、エンボスタイプ外装材30を用いて二次電池40を製造する場合を例に挙げて説明する。図2は上記エンボスタイプ外装材30を示す図である。図3の(a)~(d)は、外装材10を用いた片側成型加工電池の製造工程を示す斜視図である。二次電池40としては、エンボスタイプ外装材30のような外装材を2つ準備し、それらをアライメントを調整しつつ貼り合わせて製造される、両側成型加工電池であってもよい。
工程S21:外装材10、電極を含む電池要素1、並びに上記電極から延在するリード2を準備する工程。
工程S22:外装材10の片面に電池要素1を配置するための凹部32を形成し、エンボスタイプ外装材30を得る工程(図3(a)及び図3(b)参照)。
工程S23:エンボスタイプ外装材30の成型加工エリア(凹部32)に電池要素1を配置し、凹部32を蓋部34が覆うようにエンボスタイプ外装材30を折り返し重ねて、電池要素1から延在するリード2を挟持するようにエンボスタイプ外装材30の一辺をヒートシールする工程(図3(b)及び図3(c)参照)。
工程S24:リード2を挟持する辺以外の一辺を残し、他の辺をヒートシールし、その後、残った一辺から電解液を注入し、真空状態で残った一辺をヒートシールする工程(図3(c)参照)。
工程S25:電流値や電圧値、環境温度などを所定の条件にして充放電を行い、化学変化を起こさせる(化成)工程。
工程S26:リード2を挟持する辺以外のヒートシールされた辺の端部をカットし、成型加工エリア(凹部32)側に折り曲げる工程(図3(d)参照)。
工程S21では、外装材10、電極を含む電池要素1、並びに上記電極から延在するリード2を準備する。外装材10は、上述した実施形態に基づき準備する。電池要素1及びリード2としては特に制限はなく、公知の電池要素1及びリード2を用いることができる。
工程S22では、外装材10のシーラント層16側に電池要素1を配置するための凹部32が形成される。凹部32の平面形状は、電池要素1の形状に合致する形状、例えば平面視矩形状とされる。凹部32は、例えば矩形状の圧力面を有する押圧部材を、外装材10の一部に対してその厚さ方向に押圧することで形成される。また、押圧する位置、すなわち凹部32は、長方形に切り出した外装材10の中央より、外装材10の長手方向の一方の端部に偏った位置に形成する。これにより、成型加工後に凹部32を形成していないもう片方の端部側を折り返し、蓋(蓋部34)とすることができる。
工程S23では、エンボスタイプ外装材30の成型加工エリア(凹部32)内に、正極、セパレータ及び負極等から構成される電池要素1が配置され。また、電池要素1から延在し、正極と負極にそれぞれ接合されたリード2が成型加工エリア(凹部32)から外に引き出される。その後、エンボスタイプ外装材30は、長手方向の略中央で折り返され、シーラント層16同士が内側となるように重ねられ、エンボスタイプ外装材30のリード2を挟持する一辺がヒートシールされる。ヒートシールは、温度、圧力及び時間の3条件で制御され、適宜設定される。ヒートシールの温度は、シーラント層16(非晶性ポリエチレンテレフタレート)を融解する温度以上であることが好ましく、具体的には180℃以上とすることができる。
工程S24では、リード2を挟持する辺以外の一辺を残し、他の辺のヒートシールが行われる。その後、残った一辺から電解液を注入し、残った一辺が真空状態でヒートシールされる。ヒートシールの条件は工程S23と同様である。
工程S25では、工程S23までに得られた二次電池40に対して充放電を行い、化学変化を起こさせる(化成:40℃環境にて3日間)。そして、化成によって発生したガスの除去や電解液の補充のため、二次電池40を一度開封し、その後最終シールを行う。なお、この工程S25は省略することができる。
リード2を挟持する辺以外のヒートシール辺の端部がカットされ、端部からははみだしたシーラント層16が除去される。その後、ヒートシール部を成型加工エリア32側に折り返し、折り返し部42を形成することで、二次電池40が得られる。
以下の手法により、蓄電デバイス用外装材10を作製した。まず、金属箔層13として、厚さ35μmの軟質アルミニウム箔8079材(東洋アルミニウム株式会社製)を準備した。金属箔層13の両面に、グラビアコートにより、溶媒として蒸留水を使用し、かつ固形分濃度を10質量%に調整したポリリン酸ナトリウム安定化酸化セリウムゾル(腐食防止処理剤)を塗布した。このとき、酸化セリウム100質量部に対して、リン酸は10質量部とした。
各層の構成を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして蓄電デバイス用外装材10を作製した。なお、比較例1については、シーラント接着層15としてポリプロピレン系樹脂を用い、シーラント層16(ポリプロピレンフィルム)を熱ラミネートにより積層した。
以下の方法に従って各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
各例で得られた外装材10を、120mm×60mmサイズに切り出し、シーラント層が内側になるように半分に折りたたみ、折りたたんだ部分とは反対側の端部を190℃/0.5MPa/3secで10mm幅にヒートシールした。その後、外装材10全体をさらに150℃にて熱処理した(キュア工程)。そして、低温でのヒートシールの可否について以下の基準にて評価した。
A:低温にてヒートシールができた。
B:低温ではヒートシールができなかった。
ヒートシール性評価後、ヒートシール部の長手方向中央部を幅15mm×長さ300mmで切り出し、ヒートシール強度測定用サンプルを製作した。このサンプルを150℃の試験環境に5分間放置した後、サンプルのヒートシール部に対し、引張速度50mm/minの条件にて、引張試験機(株式会社島津製作所社製)を用いてT字剥離試験を行った。そして、得られたヒートシール強度に基づき、環境信頼性について以下の基準にて評価を行った。
A:ヒートシール強度が10N/15mm以上であった。
B:ヒートシール強度が10N/15mm未満であった。
ヒートシール性評価後、目視にて基材層の外観を観察したところ、いずれの例においても基材層の融解は認められなかった。
Claims (6)
- 少なくとも基材層、接着層、金属箔層、シーラント接着層、及び前記シーラント接着層に接してシーラント層がこの順で積層された構造を備え、
前記シーラント層が非晶性ポリエチレンテレフタレート層からなり、
前記シーラント層の厚さが10~100μmである、蓄電デバイス用外装材。 - 前記金属箔層の一方又は両方の面上に、さらに腐食防止処理層を備える、請求項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記接着層がウレタン系接着剤の硬化物である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記シーラント接着層がウレタン系接着剤の硬化物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 前記ウレタン系接着剤が、ポリエステルポリオール及びイソシアネート化合物を含む、請求項3又は4に記載の蓄電デバイス用外装材。
- 全固体電池用である、請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用外装材。
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