以下、図面を参照して本開示に係る動作識別装置の一実施形態を説明する。
[実施形態1]
図1は、本開示の実施形態1に係る動作識別装置100を備えた油圧ショベルの側面図である。図2は、図1の油圧ショベル10に搭載された動作識別装置100のブロック図である。図3は、図1の油圧ショベル10の油圧駆動装置17の構成の一例を示すブロック図である。
詳細については後述するが、本実施形態に係る動作識別装置100は、次の構成を主な特徴としている。動作識別装置100は、波形生成部111と、波形記憶部121と、動作識別部112と、を備える。波形生成部111は、建設機械に作用する力を検出する力センサの信号に基づく力波形と、建設機械の姿勢を検出する姿勢センサの信号に基づく姿勢波形とを生成する。波形記憶部121には、建設機械の特定の動作に対応する力波形および姿勢波形の組み合わせである参照波形Wr1,Wr2,Wr3(図5参照)が記憶されている。動作識別部112は、建設機械の任意の動作に対応する力波形および姿勢波形の組み合わせである動作波形Wm(図6参照)と、波形記憶部121に記憶された参照波形Wr1,Wr2,Wr3とを比較して、建設機械の任意の動作に含まれる特定の動作を識別する。
動作識別装置100によって特定の動作を識別する建設機械は、特に限定はされないが、たとえば、油圧ショベル10である。油圧ショベル10は、たとえば、鉱山で使用される超大型油圧ショベルである。なお、図1に示す油圧ショベル10はバックホーであるが、動作識別装置100によって特定の動作を識別する対象の建設機械がローダーであってもよいことは言うまでもない。以下では、まず建設機械の一例である油圧ショベル10の構成の一例を説明し、次に本実施形態の動作識別装置100の各部の構成を詳細に説明する。
(油圧ショベル)
油圧ショベル10は、たとえば、図1に示すように、下部走行体11と、上部旋回体12と、キャブ13と、フロント作業機14と、コントローラ15と、を備えている。また、油圧ショベル10は、図2に示すセンサ18、送信機19A、およびモニタ19Bと、図3に示す操作レバー装置13aおよび油圧駆動装置17と、を備えている。以下の説明では、油圧ショベル10の前後方向に平行なX軸、油圧ショベル10の幅方向平行なY軸、油圧ショベル10の高さ方向に平行なZ軸からなる三次元の直交座標系を参照しながら、油圧ショベル10の各部を説明する場合がある。
下部走行体11は、たとえば、油圧ショベル10の幅方向(Y方向)に一対のクローラ式の走行装置11aを有している。下部走行体11は、たとえば、油圧駆動装置17によって駆動され、油圧ショベル10を走行させる。
上部旋回体12は、下部走行体11の上に旋回可能に取り付けられている。上部旋回体12は、たとえば、図示を省略する油圧モータまたは電動モータによって駆動され、油圧ショベル10の高さ方向(Z方向)に平行な回転軸を中心に、下部走行体11に対して旋回する。上部旋回体12は、たとえば、図示を省略する原動機や、後述する油圧ポンプ、複数の弁等の各種の機器を収容している。
キャブ13は、たとえば、油圧ショベル10を操作するオペレータが搭乗する運転席が収容された油圧ショベル10の車室である。キャブ13は、たとえば、上部旋回体12の前側の部分の上部に、フロント作業機14に隣接して設けられている。
フロント作業機14は、たとえば、上部旋回体12の前側に設けられ、油圧駆動装置17によって駆動されて掘削作業などの作業を行う。フロント作業機14は、たとえば、ブーム14aと、アーム14bと、バケット14cとを有する。
ブーム14aの基端部は、たとえば、油圧ショベル10の幅方向(Y方向)に平行な回転軸を介して、上部旋回体12に連結されている。ブーム14aは、たとえば、アクチュエータによって駆動され、上部旋回体12に取り付けられた回転軸を中心に所定の角度範囲で回動する。ブーム14aを駆動するアクチュエータとしては、たとえば、油圧シリンダ1が用いられる。油圧シリンダ1は、作動油の供給によって駆動される油圧アクチュータである。
油圧シリンダ1は、たとえば、シリンダチューブ1aと、ピストン1bと、ロッド1cとを有している。油圧シリンダ1は、たとえば、ロッド1cがシリンダチューブ1aの片側に突出する片ロッド型の油圧シリンダである。ブーム14aを駆動する油圧シリンダ1は、たとえば、ブームシリンダ1Aと称される場合もある。
ブームシリンダ1Aにおいて、シリンダチューブ1aの一端は、たとえばブーム14aの中間部に油圧ショベル10の幅方向(Y方向)に平行な回転軸を介して連結されている。また、ピストン1bは、シリンダチューブ1aに収容され、シリンダチューブ1aの内周面に沿ってロッド1cの軸方向に滑動する。ロッド1cの一端は、シリンダチューブ1aの内部でピストン1bに連結されている。ブームシリンダ1Aにおいて、ロッド1cの他端は、シリンダチューブ1aの内部から外部へ延び、たとえば、油圧ショベル10の幅方向(Y方向)に平行な回転軸を介して、上部旋回体12に連結されている。
アーム14bの基端部は、たとえば、油圧ショベル10の幅方向(Y方向)に平行な回転軸を介してブーム14aの先端部に連結されている。アーム14bは、たとえば、アクチュエータによって駆動され、ブーム14aに取り付けられた回転軸を中心に所定の角度範囲で回動する。アーム14bを駆動するアクチュエータとしては、たとえば、ブームシリンダ1Aと同様の油圧シリンダ1が用いられる。アーム14bを駆動する油圧シリンダ1は、たとえば、アームシリンダ1Bと称される場合もある。
アームシリンダ1Bにおいて、シリンダチューブ1aの一端は、たとえばブーム14aの中間部に油圧ショベル10の幅方向(Y方向)に平行な回転軸を介して連結されている。アームシリンダ1Bにおいて、ピストン1bに連結されたロッド1cの一端と反対側のロッド1cの他端は、油圧ショベル10の幅方向(Y方向)に平行な回転軸を介して、アーム14bの基端部に連結されている。アームシリンダ1Bのロッド1cは、たとえば、ブーム14aの先端よりも、アーム14bの基端側に連結されている。
バケット14cの基端部は、たとえば、油圧ショベル10の幅方向(Y方向)に平行な回転軸を介してアーム14bの先端部に連結されている。バケット14cは、たとえば、アクチュエータによって駆動され、アーム14bに取り付けられた回転軸を中心に所定の角度範囲で回動する。バケット14cを駆動するアクチュエータとしては、たとえば、ブームシリンダ1Aと同様の油圧シリンダ1が用いられる。バケット14cを駆動する油圧シリンダ1は、たとえば、バケットシリンダ1Cと称される場合もある。
バケットシリンダ1Cにおいて、シリンダチューブ1aの一端は、たとえばアーム14bの基端部に、油圧ショベル10の幅方向(Y方向)に平行な回転軸を介して連結されている。バケットシリンダ1Cにおいて、ピストン1bに連結されたロッド1cの一端と反対側のロッド1cの他端は、たとえば、リンクを介してバケット14cの基端部に連結されている。リンクは、たとえば、油圧ショベル10の幅方向(Y方向)に平行な回転軸を介して、ロッド1cに連結されている。
コントローラ15は、たとえば、上部旋回体12に収容され、キャブ13に設けられた操作レバー装置13aの操作に基づくパイロット圧や、油圧ショベル10に搭載されたセンサ18からの信号に基づいて、油圧駆動装置17を制御する。コントローラ15は、たとえば、中央演算処理装置などの演算部15a、RAMやROMなどの記憶部15b、その記憶部15bに記憶されたプログラム、および信号の入出力を行う入出力部を含むコンピュータユニットである。
コントローラ15は、たとえば、本実施形態の動作識別装置100を構成している。動作識別装置100の詳細については後述する。なお、動作識別装置100は、たとえば、油圧駆動装置17を制御するコントローラ15とは別に設けられていてもよい。動作識別装置100は、たとえば、コントロールエリアネットワーク(CAN)などのネットワークを介して、センサ18、送信機19A、およびモニタ19Bに接続されている。
油圧駆動装置17は、たとえば、油圧シリンダ1と、油圧ポンプ2と、パイロットポンプ3と、ボトム圧センサ4aと、操作圧センサ4bと、作動油タンク5と、エンジン6と、を備えている。また、油圧駆動装置17は、たとえば、方向制御弁V1と、可変絞りV2と、可変絞り制御弁V3と、を備えている。なお、油圧ショベル10は、たとえば、ブームシリンダ1Aとアームシリンダ1Bとバケットシリンダ1Cの三つの油圧シリンダ1を備えている。しかし、各油圧シリンダ1の構成は、同様である。そのため、図3では、一つの油圧シリンダ1を図示し、他の二つの油圧シリンダ1の図示を省略する。
油圧シリンダ1は、前述のように、シリンダチューブ1aと、ピストン1bと、ロッド1cを備えている。シリンダチューブ1aの内部は、ピストン1bによって、シリンダチューブ1aの基端側に位置するボトム側油室1eと、シリンダチューブ1aの先端側に位置するロッド側油室1fとに区画されている。
油圧シリンダ1は、ボトム側油室1eに作動油が供給されることで、ピストン1bがシリンダチューブ1aの先端側に移動し、ロッド側油室1fから作動油が排出され、ロッド1cが伸長する。また、油圧シリンダ1は、ロッド側油室1fに作動油が供給されることで、ピストン1bがシリンダチューブ1aの基端側に移動し、ボトム側油室1eから作動油が排出され、ロッド1cが収縮する。
より具体的には、ブームシリンダ1Aは、ロッド1cを伸長させることで、ブーム14aの基端部に設けられた回転軸を中心にブーム14aを回動させ、ブーム14aの先端を油圧ショベル10の高さ方向(Z方向)の上方側へ移動させる。また、ブームシリンダ1Aは、ロッド1cを収縮させることで、ブーム14aの基端部に設けられた回転軸を中心にブーム14aを回動させ、ブーム14aの先端を油圧ショベル10の高さ方向(Z方向)の下方側へ移動させる。
また、アームシリンダ1Bは、ロッド1cを伸長させることで、アーム14bの基端部に設けられた回転軸を中心にアーム14bを回動させ、アーム14bの先端を油圧ショベル10の高さ方向(Z方向)の下方側へ移動させる。また、アームシリンダ1Bは、ロッド1cを収縮させることで、アーム14bの基端部に設けられた回転軸を中心にアーム14bを回動させ、アーム14bの先端を油圧ショベル10の高さ方向(Z方向)の上方側へ移動させる。
また、バケットシリンダ1Cは、ロッド1cを伸長させることで、バケット14cの基端部に設けられた回転軸を中心にバケット14cを回動させ、バケット14cの先端を油圧ショベル10の高さ方向(Z方向)の上方側へ移動させる。また、バケットシリンダ1Cは、ロッド1cを収縮させることで、バケット14cの基端部に設けられた回転軸を中心にアーム14bを回動させ、バケット14cの先端を油圧ショベル10の高さ方向(Z方向)の下方側へ移動させる。
第1油圧ポンプ2は、たとえば、斜板式、ラジアルピストン式または斜軸式の可変容量型の油圧ポンプである。油圧ポンプ2は、エンジン6によって回転駆動される。油圧ポンプ2は、たとえば、斜板または斜軸等からなる容量可変部2aと、その容量可変部2aを駆動する容量可変機構2bとを有している。容量可変機構2bは、コントローラ15の指令に基づいて容量可変部2aを駆動する。これにより、容量可変部2aの傾転角が変化し、油圧ポンプ2のポンプ容量を増減することができる。油圧ポンプ2は、吐出管路に圧油を吐出する。吐出管路は、方向制御弁V1よりも上流側で、センタバイパス管路と分岐管路とに分岐する。
パイロットポンプ3は、たとえば、固定容量型の油圧ポンプである。パイロットポンプ3も、エンジン6によって回転駆動される。パイロットポンプ3は、作動油タンク5と共にパイロット油圧源を構成する。パイロットポンプ3は、パイロット管路にパイロット圧油を吐出する。パイロット管路は、操作レバー装置13aよりも上流側で、可変絞り制御弁V3側にパイロット圧油を供給するための絞り用パイロット管路が分岐している。
方向制御弁V1は、油圧ポンプ2から油圧シリンダ1に供給する圧油を切換え、油圧シリンダ1に対する圧油の供給と排出を制御する。方向制御弁V1は、6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成されている。方向制御弁V1は、吐出管路を介して油圧ポンプ2と接続され、センタバイパス管路および戻り管路を介して作動油タンク5と接続されている。さらに、方向制御弁V1は、ボトム側管路を介して油圧シリンダ1のボトム側油室1eと接続され、ロッド側管路を介して油圧シリンダ1のロッド側油室1fと接続されている。
可変絞りV2は、センタバイパス管路の途中で方向制御弁V1より下流側に設けられている。可変絞りV2は、方向制御弁V1より下流側でセンタバイパス管路の流路面積を可変に絞る。可変絞りV2は、可変絞り制御弁V3から供給されるパイロット圧油によって制御される。可変絞りV2は、可変絞り制御弁V3のパイロット圧が大きくなる程、流路面積が小さくなり、パイロット圧が小さくなる程、流路面積が大きくなる。可変絞り制御弁V3のパイロット圧は、コントローラ15によって可変に制御される。
ボトム圧センサ4aは、油圧シリンダ1のボトム側油室1eの圧油の圧力を検出する圧力センサである。ボトム圧センサ4aは、たとえば、ボトム側油室1eまたはボトム側管路の圧力を検出する。ボトム圧センサ4aは、信号線を介してコントローラ15と接続され、検出したボトム側油室1eの圧力に対応する検出信号をコントローラ15に出力する。
操作圧センサ4bは、操作レバー装置13aの操作量を検出する圧力センサである。操作圧センサ4bは、たとえば、下げ側パイロット管路に設けられている。操作圧センサ4bは、下げ側パイロット管路の油圧、すなわち、ブーム下げのパイロット圧を検出する。操作圧センサ4bは、信号線を介してコントローラ15と接続され、ブーム下げ操作量に対応するブーム下げのパイロット圧を検出する。操作圧センサ4bは、ブーム下げのパイロット圧に対応する検出信号をコントローラ15に出力する。
センサ18は、油圧ショベル10の一部に取り付けられ、物理量を検出してコントローラ15に出力する。より具体的には、センサ18は、たとえば、建設機械である油圧ショベル10に作用する力を検出する力センサと、油圧ショベル10の姿勢を検出する姿勢センサとを含む。図2に示す例において、センサ18は、力センサとして油圧センサ18bを含み、姿勢センサとして、角度センサ18a、角速度センサ18c、加速度センサ18d、および傾斜角センサ18e、および、不図示のストロークセンサを含む。ストロークセンサは、ブームシリンダ1A、アームシリンダ1B、バケットシリンダ1Cのストロークを検出する。
油圧センサ18bは、たとえば、油圧ショベル10の油圧シリンダ1の油圧、すなわちボトム側油室1eの作動油の圧力を検出する圧力センサである。より具体的には、油圧センサ18bは、ブームシリンダ1Aと、アームシリンダ1Bと、バケットシリンダ1Cのそれぞれのボトム側油室1eの作動油の圧力を検出する圧力センサである。なお、油圧センサ18bは、たとえば、前述のボトム圧センサ4aであってもよい。また、油圧センサ18bは、下部走行体11、上部旋回体12が油圧モータによって駆動される場合には、その油圧モータの作動油の圧力を検出する。
角度センサ18aは、たとえば、建設機械の各部の回転角度を検出するセンサである。具体的には、角度センサ18aは、たとえば、油圧ショベル10の上部旋回体12と、フロント作業機14の各部の回転角度を検出するセンサである。より詳細には、角度センサ18aは、たとえば、上部旋回体12の回転軸と、ブーム14aの基端部の回転軸と、アーム14bの基端部の回転軸と、およびバケット14cの基端部の回転軸に、それぞれ設けられている。角度センサ18aは、たとえば、下部走行体11に対する上部旋回体12の回転角と、上部旋回体12に対するブーム14aの回転角と、ブーム14aに対するアーム14bの回転角と、アーム14bに対するバケット14cの回転角を検出する。
角速度センサ18cは、たとえば、上部旋回体12、ブーム14a、アーム14b、およびバケット14cのそれぞれに取り付けられ、上部旋回体12、ブーム14a、アーム14b、およびバケット14cのそれぞれの角速度を検出する。加速度センサ18dは、たとえば、上部旋回体12、ブーム14a、アーム14b、およびバケット14cのそれぞれに取り付けられ、上部旋回体12、ブーム14a、アーム14b、およびバケット14cのそれぞれの加速度を検出する。傾斜角センサ18eは、たとえば、上部旋回体12、ブーム14a、アーム14b、およびバケット14cのそれぞれに取り付けられ、上部旋回体12、ブーム14a、アーム14b、およびバケット14cのそれぞれの傾斜角を検出する。
送信機19Aは、たとえば、コントローラ15に接続され、コントローラ15から出力された油圧ショベル10の動作と疲労インデックス値に関する情報を外部に送信する。また、送信機19Aは、たとえば、油圧ショベル10の識別情報を送信してもよい。また、油圧ショベル10が、たとえば全地球航法衛星システム(GNSS)などの測位装置を備える場合、送信機19Aは、油圧ショベル10の位置情報を送信してもよい。
モニタ19Bは、たとえば、キャブ13内に配置された液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置である。モニタ19Bは、たとえば、タッチパネルなどの入力装置を含んでもよい。モニタ19Bは、たとえば、コントローラ15から出力された油圧ショベル10の動作と疲労インデックス値に関する情報を表示する。
以上の構成により、油圧ショベル10は、オペレータが操作レバー装置13aを操作すると、パイロットポンプ3からの圧油により方向制御弁V1が動き、油圧ポンプ2の圧油が油圧シリンダ1のボトム側油室1eまたはロッド側油室1fに導かれる。これにより、油圧ショベル10は、前述のように、操作レバー装置13aの操作量に応じて、ブームシリンダ1A、アームシリンダ1B、およびバケットシリンダ1Cのそれぞれのロッド1cを伸縮させ、ブーム14a、アーム14b、およびバケット14cの各部を操作することができる。
また、コントローラ15は、操作レバー装置13aからの操作信号に応じて、下部走行体11と上部旋回体12との間の油圧モータまたは電動モータを制御する。これにより、油圧ショベル10は、操作レバー装置13aの操作量に応じて、上部旋回体12を下部走行体11に対して旋回させることができる。
(動作識別装置)
次に、本実施形態の動作識別装置100の各部の構成を詳細に説明する。本実施形態の動作識別装置100は、前述の波形生成部111と、動作識別部112と、波形記憶部121とに加えて、たとえば、動作記憶部122を備えている。また、本実施形態の動作識別装置100は、たとえば、応力演算部113と、損傷度演算部114と、インデックス値演算部115とを備えている。さらに、本実施形態の動作識別装置100は、たとえば、演算式記憶部123と、S‐N線図記憶部124と、インデックス値記憶部125とを備えている。
本実施形態の動作識別装置100は、図1および図2に示すように、油圧ショベル10に搭載されたコントローラ15によって構成することができる。なお、コントローラ15は、必ずしも建設機械に搭載する必要はなく、建設機械の外部に設けられていてもよい。具体的には、コントローラ15は、たとえば、油圧ショベル10から送信機19Aを介してセンサ18の情報を受信可能な情報端末によって構成されていてもよい。
波形生成部111は、前述のように、建設機械に作用する力を検出する力センサの信号に基づく力波形と、建設機械の姿勢を検出する姿勢センサの信号に基づく姿勢波形とを生成する。具体的には、波形生成部111は、たとえば、油圧ショベル10の油圧シリンダ1の内部の作動油に作用する圧力を検出する油圧センサ18bの信号に基づいて、圧力の時系列データである力波形を生成する。また、波形生成部111は、たとえば、油圧ショベル10の各部の回転角度を検出する角度センサ18aの信号に基づいて、各部の回転角度の時系列データである姿勢波形を生成する。
なお、波形生成部111は、センサ18に含まれる角度センサ18aと油圧センサ18b以外のセンサの信号に基づいて力波形および姿勢波形を生成してもよい。また、波形生成部111は、たとえば、生成した力波形および姿勢波形に対し、たとえばノイズ除去やゲイン調整などの適当な前処理を行ってもよい。
図5は、波形記憶部121に記憶された参照波形Wr1,Wr2,Wr3の一例を示す図である。図5中、実線、破線、および一点鎖線の線種の異なる三つの波形は、少なくとも一つの力センサと少なくとも一つの姿勢センサを含む、異なる複数のセンサの信号に基づく力波形および姿勢波形の波形のデータである。なお、図5では、油圧ショベル10の各動作につき、力波形と姿勢波形を組み合わせた複数の波形データからなる、一つの参照波形Wr1,Wr2,Wr3を示している。しかし、実際には、油圧ショベル10の各動作の参照波形は、たとえば、油圧ショベル10の各関節や各部品に対応する複数の参照波形を含んでいる。
波形記憶部121には、前述のように、建設機械の特定の動作に対応する力波形および姿勢波形の組み合わせである参照波形Wr1,Wr2,Wr3が記憶されている。また、波形記憶部121には、たとえば、異なる複数の特定の動作に対応する異なる複数の参照波形Wr1,Wr2,Wr3が記憶されている。具体的には、波形記憶部121には、参照波形Wr1,Wr2,Wr3として、たとえば、油圧ショベル10の動作ごとの参照波形として下方掘削動作に対応する参照波形Wr1と、上方掘削動作に対応する参照波形Wr2と、ならし動作に対応する参照波形Wr3と、が記憶されている。
図5において丸囲みの番号1で示す、下方掘削動作の参照波形Wr1は、たとえば、油圧ショベル10がキャブ13の下方を掘削する動作の参照波形である。図5において丸囲みの番号2で示す、上方掘削動作の参照波形Wr2は、たとえば、油圧ショベル10がキャブ13の上方を掘削する動作の参照波形である。図5において丸囲みの番号3で示す、ならし動作の参照波形Wr3は、たとえば、油圧ショベル10が土砂や砕石を平坦にならす動作の参照波形である。なお、波形記憶部121に記憶させる参照波形に対応する動作は、特に限定されず、任意の数の任意の動作に対応する参照波形を波形記憶部121に記憶させることができる。
図6は、動作識別部112による特定の動作の識別結果の一例を示す図である。図6において、実線で示すセンサ信号Aと、破線で示すセンサ信号Bと、一点鎖線で示すセンサ信号Cの波形の組み合わせが、油圧ショベル10を動作させたときの動作波形Wmである。動作波形Wmは、油圧ショベル10を動作させたときの任意の動作に対応する少なくとも一つの力波形と少なくとも一つの姿勢波形との組み合わせである。
動作識別部112は、前述のように、建設機械の任意の動作に対応する力波形および姿勢波形の組み合わせである動作波形Wmと、波形記憶部121に記憶された参照波形Wr1,Wr2,Wr3とを比較して、任意の動作に含まれる特定の動作を識別する。具体的には、動作識別部112は、たとえば、油圧ショベル10の任意の動作に対応する動作波形Wmと、図5において丸囲みの番号1から3で示す特定の動作の参照波形Wr1,Wr2,Wr3とを比較して、任意の動作に含まれる特定の動作を識別する。
動作識別部112は、たとえば、動作波形Wmの一部と、参照波形Wr1,Wr2,Wr3とを、順次、比較していくパターンマッチングによって、動作波形Wmに含まれる特定の動作、すなわち、図5に示す丸囲みの番号1から3の各動作を識別する。図6に示す例において、動作識別部112は、所定の期間の油圧ショベル10の動作波形Wmから、丸囲みの番号1で示される二回の下方掘削動作と、丸囲みの番号2で示される一回の上方掘削動作と、丸囲みの番号3で示される一回のならし動作と、を識別している。
動作識別部112は、たとえば、下方掘削動作、上方掘削動作、およびならし動作など、動作波形Wmから識別した特定の動作を、モニタ19Bおよび動作記憶部122へ出力する。また、動作識別部112は、たとえば、動作波形Wmに基づいて、油圧ショベル10の稼働時間と、その稼働時間内に識別した特定の動作の回数を、モニタ19Bおよび動作記憶部122へ出力する。また、動作記憶部122は、たとえば、動作波形Wmに基づいて、単位時間あたりの特定の動作の回数を、モニタ19Bおよび動作記憶部122へ出力する。
動作記憶部122は、たとえば、動作識別部112から出力された油圧ショベル10の特定の動作を記憶する。また、動作記憶部122は、たとえば、動作識別部112から出力された油圧ショベル10の稼働時間と、その稼働時間内に識別した特定の動作の回数を記憶する。また、動作記憶部122は、たとえば、動作識別部112から出力された単位時間あたりの特定の動作の回数を記憶する。
応力演算部113は、建設機械に作用する力を検出する力センサおよび建設機械の姿勢を検出する姿勢センサの出力に基づいて、建設機械の複数の部位に作用する応力を算出する。より具体的には、応力演算部113は、たとえば、油圧ショベル10のブーム14a、アーム14b、およびバケット14cに取り付けられたセンサ18の出力に基づいて、ブーム14a、アーム14b、およびバケット14cのそれぞれの複数の部位に作用する応力を算出する。特に限定されないが、たとえば、各部品に対して数十点から数百点の部位を設定することができる。
応力演算部113による応力の算出方法の一例は、次のとおりである。図2に示すように、応力演算部113は、たとえば、演算式記憶部123にあらかじめ記憶された応力演算式を用いて、油圧ショベル10を構成する各々の部品の複数の部位の各々に作用する応力を算出する。応力演算式は、たとえば、センサ18の出力と、油圧ショベル10を構成する部品の複数の部位の各々に作用する応力との関係を示す式である。応力演算式は、たとえば、重回帰式や機械学習を使った回帰式等を用いて、油圧ショベル10を構成する部品の各々の部位についてあらかじめ求め、演算式記憶部123に記憶させておく。
応力演算式の一例を、以下の式(1)~(3)に示す。式(1)~(3)において、σ1、σ2、…は、油圧ショベル10を構成する部品の複数の部位の各々に作用する応力である。また、式(1)~(3)において、s1、s2、…は、センサ18の出力であり、M、NおよびAは、各々の部位の特性に基づく定数であり、tは時刻である。このように、あらかじめ応力演算式を求めておくことで、センサ18の出力に基づいて、油圧ショベル10を構成する部品の多数の部位の各々に作用する応力および時刻歴応力波形を、単純な演算によって容易に求めることができる。
損傷度演算部114は、応力演算部113によって算出された各々の部位に作用する応力に基づいて各々の部位の累積損傷度を算出する。より具体的には、損傷度演算部114は、油圧ショベル10の各部品の各々の部位に作用する時刻歴応力波形と、S‐N線図記憶部124にあらかじめ記憶された応力振幅と繰り返し数のS‐N線図とに基づいて、各部品の各々の部位の累積損傷度Dを算出する。累積損傷度は、たとえば、レンジペア法、ピークバレー法、レインフロー法などによる時刻歴応力波形の頻度解析の後に、以下の式(4)に示すマイナー則や、修正マイナー則によって算出することができる。
インデックス値演算部115は、損傷度演算部114によって算出された累積損傷度に重み付けがされた疲労インデックス値を、油圧ショベル10の各部品の各々の部位に対して算出する。疲労インデックス値は、たとえば、油圧ショベル10の各部品の各々の部位について算出された累積損傷度に対し、各々の油圧ショベル10、各部品および各々の部位についての使用環境、材料特性、およびその他の条件に応じた重み付けを行うことで得られる、疲労度を示す指数であり、例えば1から増加する整数で表される。
疲労インデックス値の計算式の一例を、以下の式(5)に示す。式(5)において、i1、i2、…は、各部品の各々の部位の疲労インデックス値である。aは、任意の係数である。wa1、wa2、…およびwb1、wb2、…およびb1、b2、…は、油圧ショベル10の各部品の各々の部位に特有の重み付けのための数値である。d1、d2、…は、各部品の各々の部位の累積損傷度である。
各々の油圧ショベル10、各部品および各々の部位についての使用環境、材料特性、およびその他の条件に応じた重み付けwa1、wa2、…およびwb1、wb2、…およびb1、b2、…は、たとえば、式(5)のような演算式とともに、記憶部15bに記憶される。これらの重み付けは、たとえば、油圧ショベル10のユーザや販売者が、個別の要求や環境に応じて、モニタ19Bの入力装置や、図示を省略する情報端末の入力装置に情報を入力することで、任意に変更可能である。インデックス値演算部115は、たとえば、式(5)に示すような演算式を用い、損傷度演算部114によって算出された累積損傷度d1、d2、…から、疲労インデックス値i1、i2、…を算出する。
本実施形態の動作識別装置100は、たとえば、疲労インデックス値の時系列データに基づいて疲労度を比較する比較部を備えてもよい。比較部は、たとえば、インデックス値演算部115の一部であってもよい。すなわち、インデックス値演算部115は、たとえば、疲労インデックス値の時系列データに基づいて疲労度を比較する比較部としても機能する。比較部としてのインデックス値演算部115は、たとえば、疲労度の比較結果をモニタ19Bおよびインデックス値記憶部125に出力する。
以下、図4から図8を参照して、本実施形態の動作識別装置100の作用を説明する。図4は、図2の動作識別装置100の処理の一例を示すフロー図である。
動作識別装置100は、たとえば、オペレータが油圧ショベル10を始動させると、波形生成部111による力波形および姿勢波形の生成と、応力演算部113による疲労インデックス値の算出を開始する。まず、波形生成部111および応力演算部113は、センサ18から取得したデータのうち、未演算のデータの有無の判定P1を行う。具体的には、判定P1において、波形生成部111および応力演算部113は、センサ18から取得されたデータを検索し、過去に処理をしていない新規のデータが存在する場合(YES)、データを読み込む処理P2を行う。一方、判定P1において、過去に処理をしていない新規のデータが存在しない場合(NO)、波形生成部111および応力演算部113は、一定時間待機する処理P3を行った後、判定P1に戻る。
波形生成部111は、処理P2においてデータを読み込むと、波形記憶部121から図5に示すような参照波形Wr1,Wr2,Wr3を読み込む処理P4を行う。一方、応力演算部113は、処理P2においてデータを読み込むと、油圧ショベル10の各部品の複数の部位に対応する複数の評価点の中から、未演算の評価点を一点選択する処理を行う。この処理において、すべての評価点には個別の番号が割り振られており、応力演算部113は、番号の小さい未演算の評価点から一点ずつ昇順に選択する。
処理P4の終了後、波形生成部111は、処理P2で読み込んだデータに基づいて、力波形と姿勢波形を生成して油圧ショベル10の任意の動作に対応する動作波形Wmを生成する処理P5を行う。一方、応力演算部113は、たとえば前記式(1)から(3)のような演算式と処理P2で読み込んだデータを用い、選択された評価点における時系列の応力波形、すなわち、時刻歴応力波形を算出する処理を行う。
その後、動作識別部112は、処理P5で生成された動作波形Wmと、処理P4で読み込んだ参照波形Wr1,Wr2,Wr3とを比較する。そして、図5および図6に示すように、油圧ショベル10の任意の動作に対応する動作波形Wmの中から、たとえば、丸囲みの番号1の下方掘削動作、丸囲みの番号2の上方掘削動作、丸囲みの番号3のならし動作など、油圧ショベル10の特定の動作を識別する処理P6を行う。
一方、損傷度演算部114は、前述のように、応力演算部113が算出した時刻歴応力波形に基づいて、選択された評価点における累積損傷度を算出する処理を行う。さらに、インデックス値演算部115は、前述のように、損傷度演算部114が算出した累積損傷度を用いて、選択された評価点の疲労インデックス値を算出する処理を行う。
動作識別部112は、処理P6の終了後、たとえば、動作波形Wmから識別した特定の動作をモニタ19Bおよび動作記憶部122へ出力する処理P7を行う。また、動作識別部112は、処理P7において、たとえば、特定の動作とともに、油圧ショベル10の稼働時間、その稼働時間内に識別した特定の動作の回数、単位時間あたりの特定の動作の回数を、モニタ19Bおよび動作記憶部122へ出力する。判定P1から処理P7までは、たとえば、油圧ショベル10の起動スイッチがオンにされてからオフにされるまで、繰り返し行うことができる。以下の表1および表2に、モニタ19Bに表示された情報の一例を示す。なお、自機がA号機である場合には、自機のモニタ19Bには、A号機の情報のみ表示され、自機が他の車体情報を入手可能であれば下記のようにA号機~D号機までの情報を表示できる。なお、各機械の情報は、それぞれ送信機19Bによって外部の管理装置等に送信されて、下記表1、2のように複数の油圧ショベルの状態を確認することもできる。
このように、油圧ショベル10の任意の動作から特定の動作を識別することで、各々の油圧ショベル10における動作の偏りを明確にすることができる。また、特定の作業が一定の回数を超えたり、短時間当たりの特定の動作の回数がしきい値を超えたりした場合に、点検を推奨する警報などを発することが可能になる。
一方、インデックス値演算部115は、すべての評価点に対して、疲労インデックス値が算出されたか否かの判定を行う。この判定の結果、すべての評価点の演算が終了していない場合、インデックス値演算部115は、未演算の評価点を一点選択する処理へ戻る。一方、判定の結果、すべての評価点の演算が終了している場合、インデックス値演算部115は、たとえば、疲労インデックス値が、記憶部15bに記憶された各評価点のしきい値を超えているか否かの判定を行う。
この判定において、インデックス値演算部115は、すべての評価点の各々の疲労インデックス値を、各評価点のしきい値と比較してもよいし、あらかじめ選定された複数の評価点の各々の疲労インデックス値を、選定された各評価点のしきい値と比較してもよい。この判定の結果、いずれかの評価点において、疲労インデックス値がしきい値を超えていた場合、たとえば、インデックス値演算部115は、その評価点に対応する部位の点検を推奨する警報を、送信機19Aを介して情報端末に送信したり、モニタ19Bに表示させたりすることができる。
その後、インデックス値演算部115は、たとえば、すべての評価点の疲労インデックス値をモニタ19Bおよび記憶部15bに出力する処理を行って、判定P1へ戻る。判定P1から疲労インデックス値を出力する処理までは、たとえば、油圧ショベル10の起動スイッチがオンにされてからオフにされるまで、繰り返し行うことができる。
以上のように、本実施形態の動作識別装置100は、波形生成部111と、波形記憶部121と、動作識別部112と、を備える。波形生成部111は、建設機械に作用する力を検出する力センサの信号に基づく力波形と、建設機械の姿勢を検出する姿勢センサの信号に基づく姿勢波形とを生成する。波形記憶部121には、建設機械の特定の動作に対応する力波形および姿勢波形の組み合わせである参照波形Wr1,Wr2,Wr3が記憶されている。動作認識部112は、建設機械の任意の動作に対応する力波形および姿勢波形の組み合わせである動作波形Wmと、波形記憶部121に記憶された参照波形Wr1,Wr2,Wr3とを比較して、油圧ショベル10の任意の動作に含まれる特定の動作を識別する。
この構成により、建設機械に取り付けられたセンサ18の出力に基づいて、建設機械の動作の種別を従来よりも精度よく認識することが可能になる。したがって、本実施形態によれば、たとえば、油圧ショベル10の角度センサ18aおよび油圧センサ18bの出力に基づいて、油圧ショベル10の任意の動作から、下方掘削動作、上方掘削動作、およびならし動作などの特定の動作を、従来よりも精度よく認識することが可能な動作識別装置100を提供することができる。
より詳細には、前記従来のショベル支援装置では、管理装置がアタッチメントの姿勢の時刻歴に基づいてショベルの作業内容を推定している。そのため、実際にはショベルがその作業を行っていない場合にも、ショベルの作業内容に類似したアタッチメントの姿勢の時刻歴に基づいて、誤った作業内容が推定されるおそれがある。
これに対し、本実施形態の動作識別装置100では、波形生成部111によって、油圧ショベル10の油圧シリンダ1に作用する油圧を検出する油圧センサ18bの信号に基づく力波形と油圧ショベル10の各部の回転角度を検出する角度センサ18aの信号に基づく姿勢波形とを生成する。そして、波形記憶部121には、油圧ショベル10の特定の動作に対応する力波形および姿勢波形の組み合わせである参照波形Wr1,Wr2,Wr3が記憶されている。さらに、動作認識部112は、油圧ショベル10の任意の動作に対応する力波形および姿勢波形の組み合わせである動作波形Wmと、波形記憶部121に記憶された参照波形Wr1,Wr2,Wr3とを比較して、油圧ショベル10の任意の動作に含まれる特定の動作を識別する。
この構成により、油圧ショベル10が特定の動作を行っていない場合には、油圧ショベル10の動作波形Wmに含まれる油圧センサ18bの信号に基づく力波形が、参照波形Wr1,Wr2,Wr3に含まれる力波形と異なる波形になる。そのため、油圧ショベル10が特定の作業を行っていない場合に、動作波形Wmに含まれる角度センサ18a等の信号に基づく姿勢波形が、参照波形Wr1,Wr2,Wr3に含まれる姿勢波形と類似または同一であったとしても、誤って特定の動作が識別されるのを防止できる。したがって、本実施形態の動作識別装置100によれば、油圧ショベル10に取り付けられたセンサ18の出力に基づいて、油圧ショベル10の動作の種別を従来よりも精度よく識別することができる。
また、本実施形態の動作識別装置100は、波形記憶部121に異なる複数の特定の動作に対応する異なる複数の参照波形Wr1,Wr2,Wr3が記憶されている。この構成により、油圧ショベル10の任意の動作の中から複数の参照波形Wr1,Wr2,Wr3に対応する複数の特定の動作を識別することが可能になる。また、波形記憶部121に新たな特定の動作に対応する参照波形を記憶させるだけで、油圧ショベル10の任意の動作の中から、新たな特定の動作を容易に識別することが可能になる。
また、本実施形態の動作識別装置100において、建設機械に作用する力を検出する力センサは、建設機械の油圧シリンダ1の油圧を測定する油圧センサ18bである。この構成により、たとえば、油圧ショベル10の油圧駆動装置17に従来から設けられているボトム圧センサ4aなどを油圧センサ18bとして用いることができる。したがって、たとえばひずみゲージなど、新たに力を測定するためだけのセンサを追加する必要がなく、油圧ショベル10などの建設機械に対する動作識別装置100の適用が容易になる。さらに、油圧センサ18bの出力に基づいて、油圧ショベル10の各部に作用する応力を、より精度よく算出することが可能になる。
また、本実施形態の動作識別装置100において、建設機械の姿勢を検出する姿勢センサは、建設機械の各部の回転角度を検出する角度センサ18aである。より具体的には、本実施形態の動作識別装置100において、油圧ショベル10の姿勢を検出する姿勢センサは、下部走行体11と上部旋回体12との間、上部旋回体12とブーム14aとの間、ブーム14aとアーム14bとの間、およびアーム14bとバケット14cとの間のそれぞれの相対的な回転角度を検出する角度センサ18aである。
この構成により、たとえば、油圧ショベル10に従来から設けられている角度センサ18aを姿勢センサとして用いることができる。したがって、油圧ショベル10などの建設機械に対する動作識別装置100の適用が容易になる。さらに、角度センサ18aの出力に基づいて、油圧ショベル10の各部に作用する応力を、より精度よく算出することが可能になる。
また、本実施形態の動作識別装置100において、建設機械の姿勢を検出する姿勢センサは、加速度センサ18d等を含む。この構成により、建設機械の姿勢をより正確に測定することが可能になり、建設機械の動作の種別をより精度よく識別することが可能になる。
また、本実施形態の動作識別装置100は、応力演算部113と、損傷度演算部114と、インデックス値演算部115と、を備えている。応力演算部113は、力センサおよび姿勢センサの出力に基づいて建設機械の複数の部位に作用する応力を算出する。損傷度演算部114は、応力演算部113が算出した応力に基づいて各々の部位の累積損傷度を算出する。インデックス値演算部115は、累積損傷度に重み付けがされた疲労インデックス値を各々の部位に対して算出する。
この構成により、動作識別装置100は、たとえば、各々の建設機械、その建設機械の各部品、および、その各部品の複数の部位の各々に特有の条件に応じて、建設機械の部位ごとの疲労を、従来よりも精度よく管理することが可能になる。
より具体的には、前記従来のショベル支援装置において直接的に用いられている累積損傷度は、経験則である線形累積損傷則に基づくものであり、1に達したときに物体が疲労破壊に至ると仮定するものである。しかし、累積損傷度は本質的にばらつきを含む値であり、実際には、累積損傷度が1に達する前に物体が疲労破壊に至ったり、累積損傷度が1を超えても物体が疲労破壊に至らなかったりする。そのため、前記従来のショベル支援装置のように、累積損傷度をそのまま用いると、ショベルの部位ごとの点検のタイミングを適切に定められなくなるおそれがある。
これに対し、本実施形態の動作識別装置100は、インデックス値演算部115によって累積損傷度に重み付けがされた疲労インデックス値を、各々の部位に対して算出する。これにより、たとえば、各々の油圧ショベル10、その油圧ショベル10の上部旋回体12、ブーム14a、アーム14b、バケット14c、およびこれらの部品の複数の部位の各々に特有の条件に応じて、各々の部位の疲労を管理することができる。
より詳細には、たとえば、油圧ショベル10の各部品のうち、破壊を生じるリスクが高い部品やその部品の特定の部位の疲労インデックス値が、他の部品や他の部位の疲労インデックス値よりも高くなるように、累積損傷度に重み付けをすることができる。そのため、インデックス値演算部115によって算出された疲労インデックス値を用いることで、破壊を生じるリスクが高い部品および特定の部位の疲労を、より高精度かつ安全に管理することができる。
図7Aから図7Cは、図2に示す動作識別装置100によってモニタ19Bに表示させる画像Gの一例を示す画像図である。本実施形態の動作識別装置100は、たとえば、インデックス値演算部115によって算出した疲労インデックス値をモニタ19Bに表示させることができる。
図7Aに示す例において、モニタ19Bは、油圧ショベル10のアーム14bの複数の部位の各々と、疲労インデックス値を関連付けた画像Gを表示している。画像Gでは、アーム14bの複数の部位の中から、たとえば、任意の点aから点jまでの10点が選択されている。疲労インデックス値は、指数であり、例えば1から増加する整数で表されるが、ここでは、その指数をたとえば、アーム14bの点aから点jまでの部位の各々に対して、レベルLv.1からレベルLv.5までの5段階の「インデックス」として表示するものである。レベルLv.1は、疲労インデックス値が5段階で最も小さく、レベルLv.5は、疲労インデックス値が5段階で最も大きい。
図7Aに示す例において、画像Gは、アーム14bの画像と、アーム14bの点aから点jまでの部位から引き出された引き出し線と、その引き出し線の先端に表示されて各部位を示す文字を含む円を表示している。この円は、たとえば、インデックスのレベルに応じた直径と色で表示される。具体的には、たとえば、インデックスのレベルが高く疲労インデックス値が高い場合には、各部位に対応する円の直径が大きく表示され、インデックスのレベルが低く疲労インデックス値が低い場合には、各部位に対応する円の直径が小さく表示される。また、たとえば、インデックスのレベルが高く疲労インデックス値が高い場合には、各部位に対応する円および表のセルが濃色になり、インデックスのレベルが低く疲労インデックス値が低い場合には、各部位に対応する円および表のセルが淡色になる。これにより、油圧ショベル10の各部品の各々の部位の疲労インデックス値を視覚的に示すことができる。
図7Bに示す例において、モニタ19Bは、油圧ショベル10の上部旋回体12を構成する構造体の複数の部位の各々と、疲労インデックス値を関連付けた画像Gを表示している。また、図7Cに示す例において、モニタ19Bは、油圧ショベル10の下部走行体11を構成する構造体の複数の部位の各々と、疲労インデックス値を関連付けた画像Gを表示している。これらの例においても、図7Aに示す例と同様に、油圧ショベル10の各部品の各々の部位の疲労インデックス値を視覚的に示すことができる。
また、本実施形態の動作識別装置100は、たとえば、僻地の鉱山などのアクセスが困難な現場では、アクセスが容易な現場よりも疲労インデックス値が大きくなるように、応力演算部113による累積損傷度の重み付けを設定することも可能である。これにより、アクセスが困難な現場では、アクセスが容易な現場よりも早い時期に建設機械の点検を要請することが可能になり、現場の環境に応じた精度の高い建設機械の疲労管理が可能になる。
また、本実施形態の動作識別装置100は、たとえば、建設機械において、交換や修理に時間のかかる部品や、メンテナンスが困難な部位において、他の部品や部位よりも疲労インデックス値が大きくなるように、応力演算部113による累積損傷度の重み付けを設定することも可能である。これにより、建設機械の各部品の特性や各部位のメンテナンスの容易性に応じた精度の高い建設機械の疲労管理が可能になる。
また、本実施形態の動作識別装置100において、センサ18は、建設機械に作用する力を検出する力センサと、建設機械の姿勢を検出する姿勢センサとを含む。このような力センサや姿勢センサは、たとえば、建設機械の稼働状況把握や事故抑止など、建設機械の複数の部位に作用する応力を算出する目的とは異なる目的で従来から建設機械に取り付けられている。そのため、たとえばひずみゲージなど、応力を算出するためだけのセンサを建設機械に取り付ける必要がなくなる。
また、本実施形態の動作識別装置100は、疲労インデックス値の時系列データに基づいて疲労度を比較する比較部として機能するインデックス値演算部115を備えている。この構成により、たとえば、建設機械の特定の部位の疲労度とそのしきい値を比較して、建設機械の特定の部位の疲労度をより精度よく管理することができる。また、複数の建設機械の間で、疲労度を比較することができる。
図8は、複数の建設機械の疲労インデックス値の時系列データの一例を示すグラフである。より具体的には、図8は、たとえば、複数の油圧ショベル10のうち、A号機からD号機までの4台の油圧ショベル10のそれぞれのブーム14aにおける特定の部位の疲労インデックス値の時系列データである。図8に示す例において、比較部であるインデックス値演算部115は、A号機からD号機までの4台の油圧ショベル10の疲労インデックス値の時系列データに基づいて、各油圧ショベル10の疲労度を比較する。これにより、B号機の疲労度が最も高く、C号機の疲労度が最も低いことが分かる。
また、本実施形態の動作識別装置100は、たとえば、特定の動作と、疲労インデックス値との相関を明確にすることができる。これにより、たとえば、疲労度の高い油圧ショベル10を負荷の低い作業に配置し、疲労度の低い油圧ショベル10を負荷の高い作業に配置するなど、各油圧ショベル10の疲労度に応じた適切な作業計画を立てることが可能になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、建設機械に取り付けられたセンサの出力に基づいて建設機械の動作の種別を従来よりも精度よく識別することが可能な動作識別装置100を提供することができる。また、本実施形態によれば、疲労インデックス値を用いることで、建設機械の部位ごとの疲労を従来よりも精度よく管理することが可能な動作識別装置100を提供することができる。
[実施形態2]
次に、図2を援用し、図9から図12を参照して、本開示に係る動作識別装置の実施形態2について説明する。図9は、本開示の実施形態2に係る動作識別装置100を備えたダンプトラック20の側面図である。
本実施形態の動作識別装置100は、管理対象の建設機械がダンプトラック20である点で、前述の実施形態1の動作識別装置100と異なっている。本実施形態の動作識別装置100のその他の点は、前述の実施形態1の動作識別装置100と同様であるので、同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。以下では、まずダンプトラック20の構成の一例を説明し、次に本実施形態の動作識別装置100の作用を説明する。
(ダンプトラック)
図9に示すダンプトラック20は、たとえば、鉱山で採掘した砕石物等の運搬対象物を運搬する大型の運搬車両である。ダンプトラック20は、たとえば、車体フレーム21と、左右の前輪22Fと、左右の後輪22Rと、左右の前輪側サスペンション装置23Fと、左右の後輪側サスペンション装置23Rと、荷台24と、左右のホイストシリンダ25と、キャブ26と、走行駆動装置27と、建屋28と、を有している。
車体フレーム21は、たとえば、前輪22F、後輪22R、前輪側サスペンション装置23F、後輪側サスペンション装置23R、荷台24、ホイストシリンダ25、キャブ26、走行駆動装置27、および建屋28を支持する枠状の構造体である。
左右の前輪22Fは、車体フレーム21の前部に回転可能に支持された操舵輪である。左右の後輪22Rは、車体フレーム21の後部に回転可能支持された駆動輪である。左右の前輪側サスペンション装置23Fは、車体フレーム21の前部に取り付けられ、左右の前輪22Fを弾性的に支持している。
左右の後輪側サスペンション装置23Rは、車体フレーム21の後部に設けられ、左右の後輪22Rを弾性的に支持している。左右の後輪側サスペンション装置23Rの上端は、車体フレーム21の後部に設けられた左右のブラケット21bに取り付けられている。左右の後輪側サスペンション装置23Rの下端は、走行駆動装置27のアクスルハウジング27aに取り付けられている。
また、ダンプトラック20の前輪側サスペンション装置23Fおよび後輪側サスペンション装置23Rのシリンダには、油圧ショベル10の油圧センサ18bと同様の油圧センサが設けられている。ダンプトラック20の油圧センサは、たとえば、前輪側サスペンション装置23Fおよび後輪側サスペンション装置23Rに作用する力を検出する力センサである。
荷台24は、車体フレーム21の上に傾動可能に取り付けられ、たとえばダンプトラック20の前後方向における長さが10メートルを超えるような大型の容器であり、採掘された大量の砕石等を積載する。荷台24は、たとえば、底部の後方側の部分が車体フレーム21の左右のブラケット21bに連結ピン21pを介して連結され、底部の前方側の部分がホイストシリンダ25の上端に連結されている。
左右のホイストシリンダ25は、下端が車体フレーム21に回動可能に連結され、上端が荷台24に回動可能に連結されている。ホイストシリンダ8は、たとえば油圧シリンダである。これにより、荷台24は、ホイストシリンダ25が伸長すると、連結ピン21pを中心に回動して、前部が上方に位置し、後部が下方に位置する排出位置に傾動する。またこの状態からホイストシリンダ25が収縮すると、荷台24は、連結ピン21pを中心に逆方向に回動して、図9に示す積載位置に戻る。
走行駆動装置27は、左右の後輪22Rに接続されてこれらを回転駆動する。走行駆動装置27は、たとえば、アクスルハウジング27aと、ブラケット27bとを有している。アクスルハウジング27aは、たとえば、図示を省略する走行モータおよび減速装置等を収容して左右に延びる円筒状に設けられている。ブラケット27bは、たとえば、アクスルハウジング27aから前方に突出するように設けられている。ブラケット27bの前端部は、車体フレーム21のマウント部材21mに対して回動可能に取り付けられている。
建屋28は、車体フレーム21の前部に機械室を画定する。建屋28は、その内部に図示を省略するエンジン、油圧ポンプ等を収容している。キャブ26は、建屋28の上部に位置する平坦なフロアの上に設けられている。キャブ26は、ボックス状に設けられオペレータが搭乗する運転室を画定する。図示を省略するが、キャブ26内には、オペレータが着座する運転席、ステアリングホイール、操作ペダル等が設けられている。
ダンプトラック20は、たとえば、図2に示す油圧ショベル10のコントローラ15と同様のコントローラを備えている。ダンプトラック20のコントローラは、たとえば波形生成部111と動作識別部112と、波形記憶部121とを構成する。また、ダンプトラック20は、そのダンプトラック20の姿勢を検出する姿勢センサを備えている。姿勢センサは、たとえば、加速度センサなどによって構成することができる。また、ダンプトラック20は、たとえば、図2に示す送信機19Aおよびモニタ19Bを備えている。
図10は、図2の動作識別装置100の波形記憶部121に動作ごとの参照波形として記憶された力波形と姿勢波形を組み合わせた複数の波形データからなる参照波形Wr1’,Wr2’,Wr3’の一例を示す図である。図10において丸囲みの番号1で示す、段差乗り越え動作の参照波形Wr1’は、たとえば、ダンプトラック20の前輪22Fおよび後輪22Rが段差に乗り上げ、その段差を乗り越える動作の参照波形である。図10において丸囲みの番号2で示す、旋回動作の参照波形Wr2’は、たとえば、ダンプトラック20が操舵輪である前輪22Fを切って方向を転換する動作の参照波形である。図10において丸囲みの番号3で示す、ブレーキ動作の参照波形Wr3’は、たとえば、ダンプトラック20が減速する動作の参照波形である。なお、波形記憶部121に記憶させる参照波形に対応する動作は、特に限定されず、任意の動作に対応する参照波形を波形記憶部121に記憶させることができる。
図11は、図2の動作識別装置100の動作識別部112による特定の動作の識別の一例を示す図である。図11において、実線で示すセンサ信号Aと、破線で示すセンサ信号Bと、一点鎖線で示すセンサ信号Cの波形の組み合わせが、ダンプトラック20を動作させたときの動作波形Wm’である。動作波形Wm’は、ダンプトラック20の任意の動作に対応する少なくとも一つの力波形と少なくとも一つの姿勢波形との組み合わせである。
動作識別部112は、実施形態1と同様に、動作波形Wm’に含まれる特定の動作、すなわち、図10に示す丸囲みの番号1から3の各動作を識別する。図11に示す例において、動作識別部112は、所定の期間のダンプトラック20の動作波形Wm’から、丸囲みの番号1で示される二回の段差乗り越え動作と、丸囲みの番号2で示される一回の旋回動作と、丸囲みの番号3で示される一回のブレーキ動作と、を識別している。
(動作識別装置)
次に、本実施形態の動作識別装置100の作用を説明する。本実施形態の動作識別装置100によれば、前述の油圧ショベル10と同様に、ダンプトラック20についても、動作の種別を従来よりも精度よく識別することができる。
より詳細には、本実施形態の動作識別装置100は、前述のように、波形生成部111と、動作識別部112と、波形記憶部121と、を備えている。動作識別装置100は、波形生成部111によって、ダンプトラック20の前輪側サスペンション装置23Fおよび後輪側サスペンション装置23Rに作用する油圧を検出する油圧センサ18bの信号に基づく力波形とダンプトラック20の姿勢を検出する姿勢センサの信号に基づく姿勢波形とを生成する。そして、動作識別部112には、ダンプトラック20の特定の動作に対応する力波形および姿勢波形の組み合わせである参照波形Wr1’,Wr2’,Wr3’が記憶されている。さらに、応力演算部113は、ダンプトラック20の任意の動作に対応する力波形および姿勢波形の組み合わせである動作波形Wm’と、波形記憶部120に記憶された参照波形Wr1’,Wr2’,Wr3’とを比較して、ダンプトラック20の任意の動作に含まれる特定の動作を識別する。
この構成により、ダンプトラック20が特定の動作を行っていない場合には、ダンプトラック20の動作波形Wm’に含まれる油圧センサ18bの信号に基づく力波形が、参照波形Wr1’,Wr2’,Wr3’に含まれる力波形と異なる波形になる。そのため、ダンプトラック20が特定の作業を行っていない場合に、動作波形Wm’に含まれる加速度センサ等の信号に基づく姿勢波形が、参照波形Wr1’,Wr2’,Wr3’に含まれる姿勢波形と類似または同一であったとしても、誤って特定の動作が識別されるのを防止できる。したがって、本実施形態の動作識別装置100によれば、ダンプトラック20に取り付けられたセンサ18の出力に基づいて、ダンプトラック20の動作の種別を従来よりも精度よく識別することができる。
さらに、動作識別装置100は、応力演算部113と、損傷度演算部114と、インデックス値演算部115とを備えている。したがって、本実施形態の動作識別装置100によれば、前述の油圧ショベル10と同様に、たとえば、各々のダンプトラック20、そのダンプトラック20の各部品、および、その各部品の複数の部位の各々に特有の条件に応じて、ダンプトラック20の部位ごとの疲労を、従来よりも精度よく管理することが可能になる。
図12は、本実施形態の動作識別装置100のモニタ画像の一例を示す画像図である。図12に示す例において、モニタ19Bは、ダンプトラック20の車体フレーム21の複数の部位の各々と、疲労インデックス値を関連付けた画像Gを表示している。本実施形態の動作識別装置100においても、図7Aから図7Cに示す例と同様に、ダンプトラック20の各部品の各々の部位の疲労インデックス値を視覚的に示すことができる。
以上、図面を用いて本開示に係る動作識別装置の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。