JP2021055302A - 作業機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】姿勢センサの交換に伴うキャリブレーション作業に要する時間を短縮する。【解決手段】作業機械は、流体圧シリンダがストロークエンドの状態における、流体圧シリンダに対応するフロント部材の相対角度が記憶される記憶装置と、姿勢センサが交換されたか否かを判定し、姿勢センサが交換されたと判定された場合、交換されたと判定された姿勢センサが取り付けられているフロント部材を特定し、特定されたフロント部材に対応する流体圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否かを判定し、特定されたフロント部材に対応する流体圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、特定されたフロント部材に取り付けられた姿勢センサの出力信号から得られる角度情報と、記憶装置に記憶されている特定されたフロント部材の相対角度と、に基づいて、角度情報を補正するための補正量を演算する制御装置と、を備える。【選択図】図14

Description

本発明は、作業機械に関する。
複数のフロント部材が連結されてなるフロント作業装置を備えた油圧ショベルが知られている。そして、油圧ショベルには、オペレータの掘削操作を補助する制御システムが備えられることがある。この制御システムは、例えば、操作装置によって掘削操作がなされた場合に、フロント部材の角度情報及びフロント部材の寸法情報等に基づいてフロント作業装置の先端(例えばバケットの爪先)の位置を演算する。そして、バケットの爪先と目標面との位置関係に基づいて、フロント作業装置の先端の位置が目標面上及びその上方の領域内に保持されるように、フロント作業装置の動作を制御する。このような制御システムを用いることにより、油圧ショベルによる掘削面の仕上げ作業や法面の成形作業を容易に行うことができる。
この種の制御システムでは、各部材に取り付けられる姿勢センサの出力信号に基づいて各部材の角度情報を取得する。ここで、各部材の角度情報を適切に得るためには、予め、フロント部材の角度とそのフロント部材に取り付けられる姿勢センサの取付角度との差を計測する。そして、その計測結果を補正量として記憶装置に記憶させておき、姿勢センサの出力信号から得られる角度情報を記憶装置に記憶されている補正量で補正する必要がある。
このように、姿勢センサの出力信号に基づいてフロント部材の角度情報を適切に得るために、予め補正量を計測しておく作業のことをキャリブレーション作業という。キャリブレーション作業は、油圧ショベルの製造工場において姿勢センサを取り付けたとき、及び、現場で姿勢センサを新しいものに交換したとき等に行われる。
特許文献1には、測量装置によって油圧ショベルの複数の測定点の座標を測量し、測量した結果に基づいて、油圧ショベルのブーム、アーム及びバケット等のフロント部材の傾斜角度を取得し、フロント部材の傾斜角度と、フロント部材の取り付けられた傾斜センサの出力値と、に基づいて、傾斜センサの補正量を取得する方法が開示されている。
特開2018−146408号公報
しかしながら、測量装置によって補正量を取得する場合には、測量装置の準備、設置作業及び測量作業等に手間がかかり、現場において姿勢センサを交換したときのキャリブレーション作業に時間を要するという問題がある。キャリブレーション作業が完了するまでは油圧ショベルによる作業を行うことができないため、工期が延びてしまうおそれがある。
本発明は、姿勢センサの交換に伴うキャリブレーション作業に要する時間を短縮することを目的とする。
本発明の一態様による作業機械は、回動可能に連結される複数のフロント部材及びフロント部材を駆動する複数の流体圧シリンダを有する多関節型の作業装置と、作業装置が回動可能に連結されるベース部材と、複数のフロント部材のそれぞれに取り付けられ複数のフロント部材のそれぞれの姿勢に関する情報を取得する複数の姿勢センサと、情報が記憶される記憶装置と、作業機械を制御する制御装置と、を備える。記憶装置には、流体圧シリンダがストロークエンドの状態における、流体圧シリンダに対応するフロント部材の相対角度が記憶される。制御装置は、姿勢センサが交換されたか否かを判定し、姿勢センサが交換されたと判定された場合、交換されたと判定された姿勢センサが取り付けられているフロント部材を特定し、特定されたフロント部材に対応する流体圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否かを判定し、特定されたフロント部材に対応する流体圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、特定されたフロント部材に取り付けられた姿勢センサの出力信号から得られる角度情報と、記憶装置に記憶されている特定されたフロント部材の相対角度と、に基づいて、角度情報を補正するための補正量を演算する。
本発明によれば、姿勢センサの交換に伴うキャリブレーション作業に要する時間を短縮することができる。
図1は、第1実施形態に係る油圧ショベルの側面図である。 図2は、運転室の内部を運転席の後側から前方に向かって見たときの概略図である。 図3は、油圧ショベルが備える油圧システムについて示す図である。 図4は、油圧ショベルの制御装置に接続される装置について説明する図である。 図5は、第1実施形態に係る油圧ショベルの姿勢について説明する図である。 図6は、第1実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 図7は、第1実施形態に係る制御装置により実行される演算処理の内容を示すフローチャートである。 図8は、第1実施形態に係る制御装置により実行されるストロークエンド状態フラグの設定処理の内容を示すフローチャートである。 図9は、第1実施形態に係る制御装置により実行される取付部材特定処理の内容を示すフローチャートである。 図10は、第1実施形態に係る制御装置により実行される取付部材特定(2部材)処理の内容を示すフローチャートである。 図11は、第1実施形態に係る制御装置により実行される取付部材特定(3部材)処理の内容を示すフローチャートである。 図12は、第1実施形態に係る制御装置により実行される補正量設定処理の内容を示すフローチャートである。 図13は、第1実施形態に係る制御装置により実行される補正量設定(1部材)処理の内容を示すフローチャートである。 図14は、第1実施形態に係る制御装置により実行されるブームIMUの補正量設定処理の内容を示すフローチャートである。 図15は、第1実施形態に係る制御装置により実行されるアームIMUの補正量設定処理の内容を示すフローチャートである。 図16は、第1実施形態に係る制御装置により実行されるバケットIMUの補正量設定処理の内容を示すフローチャートである。 図17は、第1実施形態に係る制御装置により実行される補正量設定(2部材)処理の内容を示すフローチャートである。 図18は、第1実施形態に係る制御装置により実行される補正量設定(3部材)処理の内容を示すフローチャートである。 図19は、第2実施形態に係る油圧ショベルの姿勢について説明する図である。 図20は、第2実施形態に係る制御装置により実行される補正量設定処理の内容を示すフローチャートである。 図21は、変形例1に係る制御装置により実行される補正量設定処理の内容を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
図面を参照して、本発明の実施形態に係る作業機械について説明する。本実施形態では、作業機械が、クローラ式の油圧ショベルである例について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1の側面図である。説明の便宜上、図1に示すように油圧ショベル1の前後および上下方向を規定する。つまり、本実施形態では、特に断り書きのない場合は、運転席の前方(同図中では左方向)を油圧ショベル1の前方とする。油圧ショベル1は、走行体2と、走行体2上に旋回可能に搭載された旋回体3とを備える。走行体2は、左右一対のクローラを走行モータ2a,2b(図3参照)によって駆動することにより走行する。
旋回体3は、ベース部材となる旋回フレーム8と、旋回フレーム8の前部左側に設けられる運転室7と、旋回フレーム8の後部に設けられるカウンタウエイト32と、旋回フレーム8における運転室7の後側に設けられるエンジン室33と、を有する。エンジン室33には、動力源であるエンジンや油圧機器等が収容されている。旋回フレーム8の前部中央にはフロント作業装置10が回動可能に連結されている。
フロント作業装置10は、回動可能に連結される複数のフロント部材及びフロント部材を駆動する複数の油圧シリンダ(流体圧シリンダ)を有する多関節型の作業装置である。本実施形態では、3つのフロント部材としてのブーム11、アーム12及びバケット13が、直列的に連結される。ブーム11は、その基端部が旋回フレーム(ベース部材)8の前部においてブームピン11b(図5参照)によって回動可能に連結される。アーム12は、その基端部がブーム11の先端部においてアームピン12bによって回動可能に連結される。バケット13は、アーム12の先端部においてバケットピン13bによって回動可能に連結される。フロント部材(11,12,13)同士を連結する連結軸及びフロント部材であるブーム11とベース部材である旋回フレーム8を連結する連結軸は、互いに平行に配置され、それぞれの部材(8,11,12,13)は同一面内で相対回転可能とされている。
ブーム11は、アクチュエータである油圧シリンダ(以下、ブームシリンダ11aとも記す)によって駆動され、旋回フレーム8に対して回動する。アーム12は、アクチュエータである油圧シリンダ(以下、アームシリンダ12aとも記す)によって駆動され、ブーム11に対して回動する。バケット13は、アクチュエータである油圧シリンダ(以下、バケットシリンダ13aとも記す)によって駆動され、アーム12に対して回動する。油圧シリンダ11a,12a,13aは、一端が閉塞された有底筒状のシリンダチューブと、シリンダチューブの他端の開口を塞ぐヘッドカバーと、ヘッドカバーを貫通し、シリンダチューブに挿入されるシリンダロッドと、シリンダロッドの先端に設けられ、シリンダチューブ内をロッド側室とボトム側室とに区画するピストンと、を備える。ブームシリンダ11aは、その一端側がブーム11に接続され他端側が旋回フレーム8に接続されている。アームシリンダ12aは、その一端側がアーム12に接続され他端側がブーム11に接続されている。バケットシリンダ13aは、その一端側がリンク部材を介してバケット13に接続され他端側がアーム12に接続されている。
ベース部材(旋回フレーム8)と、複数のフロント部材(ブーム11、アーム12及びバケット13)のそれぞれには、それらの部材のそれぞれの姿勢に関する情報(以下、姿勢情報と記す)を取得する姿勢センサとしてのIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)50a〜50dが取り付けられている。なお、本実施形態では旋回フレーム8にIMU50dを取り付けているが、これに限定されることはない。IMU50dは、旋回フレーム8に対して回動不能に取り付けられた部材であれば、旋回体3の任意の部材(例えば、エンジン室33のカバー、カウンタウエイト32等)に取り付けてもよい。
図2は、運転室7の内部を運転席75の後側から前方に向かって見たときの概略図である。図2に示すように、運転室7内には、オペレータが着座する運転席75と、油圧ショベル1の各部を操作するための操作レバー(B1〜B4)と、油圧ショベル1の動作を制御する制御装置100と、制御装置100からの信号に基づいて表示画像を表示画面に表示させる表示装置18と、が設けられている。運転席75の右側には、バケット操作及びブーム操作を行うための右操作レバーB1が設けられ、運転席75の左側には、旋回操作及びアーム操作を行うための左操作レバーB2が設けられている。運転席75の前側には左右一対の走行レバー(左走行レバーB4及び右走行レバーB3)が設けられている。左走行レバーB4は左側のクローラ操作を行うための操作レバーであり、右走行レバーB3は右側のクローラ操作を行うための操作レバーである。
表示装置18は、例えば、液晶パネル等から構成され、制御装置100に接続されており、制御装置100からの表示制御信号に基づき、所定の表示画像を表示画面に表示させる。表示装置18は、運転席75側からみて右側のピラー76に取り付けられている。制御装置100は、運転室7における運転席75の後方に設けられている。
図3は、油圧ショベル1が備える油圧システムについて示す図である。油圧ショベル1は、複数の操作レバー装置A1〜A6を備える。操作レバー装置A1,A3は、右操作レバーB1を共有している。右操作レバーB1で操作レバー装置A1を操作するとブームシリンダ11aが駆動され、ブーム11が旋回体3に対して回動する。右操作レバーB1で操作レバー装置A3を操作するとバケットシリンダ13aが駆動され、バケット13がアーム12に対して回動する。操作レバー装置A2,A4は、左操作レバーB2を共有している。左操作レバーB2で操作レバー装置A2を操作するとアームシリンダ12aが駆動され、アーム12がブーム11に対して回動する。左操作レバーB2で操作レバー装置A4を操作すると旋回モータ3aが駆動され、旋回体3が旋回する。
操作レバー装置A5は右走行レバーB3を有し、右走行レバーB3で操作レバー装置A5を操作すると右側の走行モータ2aが駆動される。操作レバー装置A6は左走行レバーB4を有し、左走行レバーB4で操作レバー装置A6を操作すると左側の走行モータ2bが駆動される。
旋回体3には、エンジンによって駆動される油圧ポンプ(メインポンプ48及びパイロットポンプ49)、及びバルブ等の油圧機器が搭載されている。メインポンプ48は、可変容量型の油圧ポンプであり、複数の油圧アクチュエータ(ブームシリンダ11a、アームシリンダ12a、バケットシリンダ13a等)を駆動する圧油を吐出する。パイロットポンプ49は固定容量型の油圧ポンプであり、パイロットポンプ49から吐出される作動油は、各操作レバー装置A1〜A6に導かれる。なお、メインポンプ48と油圧アクチュエータとを接続する回路の最高圧力は、リリーフ弁45によって規定される。
パイロットポンプ49の吐出配管であるポンプライン49aはロック弁39を経由し、複数に分岐して操作レバー装置A1〜A6及びマシンコントロール用の電磁弁ユニット16に接続される。本実施形態のロック弁39は電磁切換弁であり、そのソレノイドは運転室7に配置されたゲートロックレバー(不図示)の位置センサと電気的に接続されている。ゲートロックレバーのポジションは、位置センサで検出され、位置センサからゲートロックレバーのポジションに応じた信号がロック弁39に入力される。ゲートロックレバーのポジションがロック位置にあればロック弁39が閉じてポンプライン49aが遮断され、ロック解除位置にあればロック弁39が開いてポンプライン49aが開通する。ポンプライン49aが遮断された状態では操作レバー装置A1〜A6による操作が無効化され、旋回や掘削等の動作が禁止される。
上記の操作レバー装置A1〜A6はそれぞれ油圧パイロット方式の一対の減圧弁を含んで構成されている。これら操作レバー装置A1〜A6はパイロットポンプ49の吐出圧を元圧として、それぞれオペレータによる操作レバーB1〜B4の操作量と操作方向に応じて制御弁ユニット15を駆動するパイロット圧を生成し出力する。制御弁ユニット15は流量制御弁D1〜D6を有し、メインポンプ48からブームシリンダ11a、アームシリンダ12a、バケットシリンダ13a、旋回モータ3a及び走行モータ2a,2bに供給される作動油の流れを制御する。
流量制御弁D1は操作レバー装置A1からパイロットラインC1,C2を介して受圧室E1,E2に入力されるパイロット圧で駆動されてブームシリンダ11aを駆動する。流量制御弁D2は操作レバー装置A2からパイロットラインC3,C4を介して受圧室E3,E4に入力されるパイロット圧で駆動されてアームシリンダ12aを駆動する。流量制御弁D3は操作レバー装置A3からパイロットラインC5,C6を介して受圧室E5,E6に入力されるパイロット圧で駆動されてバケットシリンダ13aを駆動する。同様に流量制御弁D4〜D6は操作レバー装置A4〜A6からパイロットラインC7〜C12を介して受圧室E7〜E12に入力されるパイロット圧で駆動されて対応する油圧アクチュエータを駆動する。
図4は、油圧ショベル1の制御装置100に接続される装置について説明する図である。図4に示すように、制御装置100には、ブーム上げ操作が行われたときに操作レバー装置A1から出力されるパイロット圧を検出する圧力センサ61aと、ブーム下げ操作が行われたときに操作レバー装置A1から出力されるパイロット圧を検出する圧力センサ61bと、アームクラウド操作が行われたときに操作レバー装置A2から出力されるパイロット圧を検出する圧力センサ62aと、アームダンプ操作が行われたときに操作レバー装置A2から出力されるパイロット圧を検出する圧力センサ62bと、バケットクラウド操作が行われたときに操作レバー装置A3から出力されるパイロット圧を検出する圧力センサ63aと、バケットダンプ操作が行われたときに操作レバー装置A3から出力されるパイロット圧を検出する圧力センサ63bと、が接続されている。各圧力センサ(61a,61b,62a,62b,63a,63b)は、フロント部材を操作するためのパイロット圧力を検出するものであるため、総称してパイロット圧センサ60とも記す。
制御装置100には、ブームシリンダ11aのボトム側油室の圧力を検出する圧力センサ71aと、ブームシリンダ11aのロッド側油室の圧力を検出する圧力センサ71bと、アームシリンダ12aのボトム側油室の圧力を検出する圧力センサ72aと、アームシリンダ12aのロッド側油室の圧力を検出する圧力センサ72bと、バケットシリンダ13aのボトム側油室の圧力を検出する圧力センサ73aと、バケットシリンダ13aのロッド側油室の圧力を検出する圧力センサ73bと、が接続されている。各圧力センサ(71a,71b,72a,72b,73a,73b)は、フロント部材を駆動する油圧シリンダの圧力室(ボトム側油室及びロッド側油室)の圧力(以下、シリンダ圧力とも記す)を検出するものであるため、総称してシリンダ圧センサ70とも記す。
制御装置100には、ブームIMU50a、アームIMU50b、バケットIMU50c及び旋回体IMU50dが、車載ネットワーク90を介して制御装置100に接続されている。
以下の説明では、ブーム11に取り付けられているIMU50a、アーム12に取り付けられているIMU50b、バケットに取り付けられているIMU50c、及び旋回フレーム8に取り付けられているIMU50dを総称してIMU50とも記す。また、フロント部材に取り付けられているIMU50a,50b,50cを総称してフロントIMU50Fとも記す。
各IMU50には、それぞれ固有の識別情報としてのIDが割り当てられている。各IMU50は、姿勢情報に当該識別情報を付加した信号を車載ネットワーク90に出力することにより、車載ネットワーク90上を伝達される複数の姿勢情報がそれぞれどのIMU50で取得されたものであるかを識別することができる。
図5は、油圧ショベル1の姿勢について説明する図である。図5に示すように、油圧ショベル1の姿勢は、旋回体3を基準に設定されたローカル座標系で規定される。このローカル座標系では、ブームピン11bの中心に原点が設定され、旋回体3の旋回中心軸に平行となる軸がZ軸として設定され、Z軸と直交する方向(旋回体3の前後方向)に延在する軸がX軸として設定される。
IMU50は、部材の姿勢に関する情報として、部材の直交3軸の角速度及び加速度を検出して取得する。また、本実施形態では、IMU50は、検出した加速度に基づいて、部材の姿勢に関する情報(角度情報)としての対地角度を演算して取得する。例えば、IMU50が取り付けられた部材(ブーム11、アーム12、バケット13及び旋回体3)などの被搭載部材が静止しているときには、IMU50に作用する重力加速度の方向(つまり、鉛直下向き方向)に基づき、各部材に取り付けられたIMU50の対地角度θgi(j)を演算し、制御装置100に出力する。つまり、IMU50は、フロント部材の対地角度を取得するための対地角センサとして機能する。制御装置100は、IMU50の出力信号から得られる角度情報であるIMU50の対地角度θgi(j)を後述する記憶装置120に一時的に記憶する。
ここで、jは、各部材を表す符号であり、0から3までの整数である。j=0は旋回フレーム8(旋回体3)を表し、j=1はブーム11を表し、j=2はアーム12を表し、j=3はバケット13を表す。なお、本実施形態では、IMU50が対地角度θgi(j)を演算し、その演算結果を表す信号を制御装置100に出力する例について説明するが、対地角度θgi(j)の演算は、制御装置100が行ってもよい。つまり、IMU50から出力される加速度を表す信号に基づいて、制御装置100が対地角度θgi(j)を演算してもよい。
次に、IMU50の対地角度θgi(j)を補正することにより、各部材の対地角度θg(j)を取得する方法について説明する。対地角度θg(j)は、鉛直軸Vに直交する水平面(基準面)Hに対する部材の傾斜角度である。なお、対地角度θg(j)は、図5に示すように油圧ショベル1を左側から見たときに、フロント部材の回動支点を通る水平面Hを基準として、水平面Hにおける回動支点よりも前側から回動支点を中心とした周方向における時計回りに180度の範囲(例えば矢印81参照)までは正の値をとり、水平面Hにおける回動支点よりも前側から回動支点を中心とした周方向における反時計回りに180度の範囲(例えば矢印82参照)では負の値をとる。つまり、各部材の姿勢を表す直線(L1,L2,L3)が水平面Hよりも上方に位置する場合は、対地角度θg(j)は正の値となり、各部材の姿勢を表す直線(L1,L2,L3)が水平面Hよりも下方に位置する場合は、対地角度θg(j)は負の値となる。
旋回体3の対地角度θg(0)は、水平面(基準面)Hに対する旋回体3の傾斜角度、すなわち水平面HとX軸のなす角である。ブーム11の対地角度θg(1)は、ブームピン11bの中心からアームピン12bの中心に向かって延在する直線L1と、水平面Hとのなす角である。アーム12の対地角度θg(2)は、アームピン12bの中心からバケットピン13bの中心に向かって延在する直線L2と、水平面Hとのなす角である。バケット13の対地角度θg(3)は、バケットピン13bの中心からバケット13の先端(所定位置)に向かって延在する直線L3と、水平面Hとのなす角である。
ここで、IMU50が各部材の姿勢を表す直線(L1,L2,L3及びX軸)と平行にIMU50が取り付けられる場合、IMU50の対地角度θgi(j)と、各部材の対地角度θg(j)とは等しくなる。しかしながら、IMU50が各部材を表す直線(L1,L2,L3及びX軸)と平行に取り付けられていない場合、IMU50の取付角度、すなわち直線(L1,L2,L3及びX軸)に対するIMU50の傾斜角度の分だけ、対地角度θgi(j)と対地角度θg(j)との間に差が生じる。したがって、各部材の対地角度θg(j)を取得するためには、予めIMU50の取付角度を補正量θc(j)として記憶しておき、この補正量θc(j)によってIMU50の対地角度θgi(j)を補正する必要がある。
各部材(旋回体3、ブーム11、アーム12、バケット13)の対地角度θg(j)と、その部材に取り付けられるIMU50の対地角度θgi(j)と、そのIMU50の取付角度(すなわち、補正量)θc(j)との関係は、次式(1)で表される。
θg(j)=θgi(j)+θc(j) ・・・(1)
また、各部材間の相対角度(以下、フロント部材角度と記す)θr(k)は、次式(2)により表される。
θr(k)=θg(k)−θg(k−1) ・・・(2)
ここで、kは、1から3までの整数である。θr(1)は、X軸に対するブーム11の傾斜角度、すなわちブーム11と旋回体3との相対角度であり、以下、ブーム角度とも記す。θr(2)は、ブーム11に対するアーム12の傾斜角度、すなわちアーム12とブーム11との相対角度であり、以下、アーム角度とも記す。θr(3)は、アーム12に対するバケット13の傾斜角度、すなわちバケット13とアーム12との相対角度であり、以下、バケット角度θr(3)とも記す。このように、ブーム11の相対角度としては、ブーム11と旋回体3との相対角度とブーム11とアーム12との相対角度とがあり、アーム12の相対角度としては、アーム12とブーム11の相対角度とアーム12とバケット13との相対角度とがある。なお、バケット13の相対角度としては、バケット13とアーム12の相対角度のみとなる。
また、ブームシリンダ11aが最伸長状態となったとき、すなわちブーム11が旋回体3に対してその回動範囲における第1の回動限界に位置する状態(以下、第1のストロークエンドの状態とも記す)となったときのブーム角度θr(1)を第1角度θrx11とも記す。ブームシリンダ11aが最収縮状態となったとき、すなわちブーム11が旋回体3に対してその回動範囲における第2の回動限界に位置する状態(以下、第2のストロークエンドの状態とも記す)となったときのブーム角度θr(2)を第2角度θrx12とも記す。アームシリンダ12aが最収縮状態となったとき、すなわちアーム12がブーム11に対してその回動範囲における第1の回動限界に位置する状態(以下、第1のストロークエンドの状態とも記す)となったときのアーム角度θr(2)を第1角度θrx21とも記す。アームシリンダ12aが最伸長状態、すなわちアーム12がブーム11に対してその回動範囲における第2の回動限界に位置する状態(以下、第2のストロークエンドの状態とも記す)となったときのアーム角度θr(2)を第2角度θrx22とも記す。バケットシリンダ13aが最収縮状態、すなわちバケット13がアーム12に対してその回動範囲における第1の回動限界に位置する状態(以下、第1のストロークエンドの状態とも記す)となったときのバケット角度θr(3)を第1角度θrx31とも記す。バケットシリンダ13aが最伸長状態、すなわちバケット13がアーム12に対してその回動範囲における第2の回動限界に位置する状態(以下、第2のストロークエンドの状態とも記す)となったときのバケット角度θr(3)を第2角度θrx32とも記す。
図6は、制御装置100の機能ブロック図である。制御装置100は、動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)、情報が記憶される記憶装置120(図4参照)としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)、並びに入出力インタフェース(I/Oインタフェース)、その他の周辺回路を備えたマイクロコンピュータで構成される。制御装置100は、各種演算を行う演算装置として機能し、油圧ショベル1に搭載される各種機器を制御する。制御装置100は、1つのマイクロコンピュータで構成してもよいし、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。記憶装置120には、各種演算が実行可能なプログラムが格納されている。すなわち、記憶装置120は、本実施形態の機能を実現するプログラムを読み取り可能な記憶媒体である。なお、記憶装置120は、制御装置100内に設けてもよいし、その一部または全部を制御装置100の外部に設けてもよい。
図6に示すように、制御装置100は、記憶装置120に記憶されているプログラムを実行することにより、識別部111、取付部材特定部112、補正量取得部113、角度演算部114、角度記憶部115、補正量演算部116及びストロークエンド判定部117として機能する。また、制御装置100の記憶装置120には、識別テーブル121、補正量テーブル122及び角度テーブル123が記憶されている。
識別テーブル121は、IMU50のID(例えば、「01」,「02」,「03」,「04」)と、IMU50が取り付けられている部材名(例えば、「ブーム」、「アーム」、「バケット」、「旋回体」)と、が関連付けられているデータテーブルである。
識別部111は、識別テーブル121を参照し、IMU50から取得したIDと、識別テーブル121に存在するIDとを比較することによって、IMU50が交換されたか否かを判定する。なお、本実施形態では、交換対象となるIMU50がフロントIMU50Fである場合について説明する。
識別部111は、フロントIMU50Fから取得した全てのIDが識別テーブル121に存在する場合、フロントIMU50Fは交換されていないと判定する。識別部111は、フロントIMU50Fから取得したIDのうち、1つでも識別テーブル121に存在しない新たなIDがある場合、フロントIMU50Fは交換されたと判定する。
例えば、ブームIMU50aが、古いもの(ID=01)から新しいもの(ID=11)に交換された場合、識別テーブル121には、新しいブームIMU50aのIDが存在しないため、識別部111は、フロントIMU50Fが交換されたと判定する。
フロントIMU50Fは交換されていないと判定された場合、識別部111は、IMU50から取得したIDとそのIDに対応する部材名を補正量取得部113に出力する。フロントIMU50Fが交換されたと判定された場合、識別部111は、IMU50から取得したIDを取付部材特定部112に出力する。
取付部材特定部112は、フロントIMU50Fが交換されたと判定された場合、交換されたと判定されたフロントIMU50F、すなわち識別テーブル121に存在していないIDを有するフロントIMU50Fが取り付けられているフロント部材を特定する。取付部材特定部112は、特定したフロント部材の部材名と、特定したフロント部材に取り付けられているフロントIMU50FのIDとを関連付けて、識別テーブル121を更新する。
例えば、ブームIMU50aが、古いもの(ID=01)から新しいもの(ID=11)に交換された場合、取付部材特定部112は、新しいIDのIMU50が取り付けられたフロント部材はブーム11であると特定し、新しいID「11」と、部材名「ブーム」とを関連付けて、識別テーブル121に記憶する。
補正量テーブル122は、IMU50のIDと補正量θc(j)とが関連付けられているデータテーブルである。
補正量取得部113は、補正量テーブル122を参照し、識別部111から取得した全てのフロントIMU50FのIDと、補正量テーブル122に存在するIDとを比較することによって、全てのフロントIMU50Fに対する補正量が設定されているか否かを判定する。識別部111から取得した全てのフロントIMU50FのIDが補正量テーブル122に存在する場合、補正量取得部113は、フロントIMU50Fに対する補正量は設定されていると判定し、取得したIDに対応する補正量θc(j)を補正量テーブル122から取得する。補正量取得部113は、取得したIDと、そのIDに対応する補正量θc(j)を角度演算部114に出力する。補正量取得部113は、識別部111から取得したIDのうち、1つでも補正量テーブル122に存在しない新たなIDがある場合、フロントIMU50Fに対する補正量は設定されていないと判定し、新たなIDを未設定IDとして補正量演算部116に出力する。
角度演算部114は、IMU50の出力信号から得られる角度情報であるIMU50の対地角度θgi(j)と、補正量取得部113で取得された補正量θc(j)と、に基づいて、式(1)により、各部材の対地角度θg(j)を演算する。なお、演算された角度情報である対地角度θg(j)は記憶装置120に一時的に記憶される。そして、角度演算部114は、各部材の対地角度θg(k)に基づいて、式(2)により、フロント部材と、そのフロント部材に連結される部材との相対角度(フロント部材角度θr(k))を演算する。
具体的には、角度演算部114は、旋回体3の対地角度θg(0)とブーム11の対地角度θg(1)とに基づいて、旋回体3に対するブーム11の相対角度、すなわちブーム角度θr(1)を演算する。角度演算部114は、ブーム11の対地角度θg(1)とアーム12の対地角度θg(2)とに基づいて、ブーム11に対するアーム12の相対角度、すなわちアーム角度θr(2)を演算する。角度演算部114は、アーム12の対地角度θg(2)とバケット13の対地角度θg(3)とに基づいて、アーム12に対するバケット13の相対角度、すなわちバケット角度θr(3)を演算する。
角度演算部114で演算された角度情報であるフロント部材角度θr(k)は、記憶装置120(図4参照)に一時的に記憶される。記憶装置120に記憶されたフロント部材角度θr(k)は、バケット13の先端(バケット爪先)の位置を演算するのに用いられる。制御装置100は、操作レバー装置A1〜A3の少なくとも1つが操作された場合に、記憶装置120に記憶されている情報に基づいて、一定条件下でオペレータの操作に介入してフロント作業装置10の動作を制限制御するマシンコントロールを行う。
マシンコントロールは、目標面とバケット爪先の位置関係、及び操作状況に応じて制御装置100が電磁弁ユニット16を制御することで実行される。例えば、制御装置100は、ブーム下げ操作をする際に、バケット爪先が目標面よりも下方に侵入しないようにブーム下げ動作を停止させる停止制御を実行する。また、制御装置100は、バケット13の先端の位置が目標面上及びその上方の領域内に保持されるように、フロント作業装置10の動作を制御する領域制限制御(整地制御ともいう)を実行する。
領域制限制御では、目標面から下側の領域がフロント作業装置10によって掘削されないようにブームシリンダ11a、アームシリンダ12a及びバケットシリンダ13aの少なくとも1つを制御する。これにより、オペレータによるアーム操作によってバケット爪先が目標面に沿って移動する。具体的には、目標面に垂直な方向のバケット爪先の速度ベクトルがゼロになるように、アーム操作に伴うアーム動作中にブーム上げまたはブーム下げの微動が指令される。回動運動であるアーム動作によるバケット爪先の軌跡を目標面に沿って直線軌道に補正するためである。
ストロークエンド判定部117は、パイロット圧センサ60での検出結果に基づいて、操作されているフロント部材が1つであるか否かを判定する。ストロークエンド判定部117は、パイロット圧センサ60で検出されたパイロット圧力Ppのうち、閾値Pp0以上のものが1つである場合、操作されているフロント部材が1つであると判定する。ストロークエンド判定部117は、パイロット圧センサ60で検出されたパイロット圧力Ppのうち、閾値Pp0以上のものが2つ以上である場合、あるいは、1つもない場合、操作されているフロント部材は1つでないと判定する。なお、閾値Pp0は、操作レバーが操作されているか否かを判定する閾値であり、予め制御装置100の記憶装置120に記憶されている。
操作されているフロント部材が1つである場合、ストロークエンド判定部117は、そのフロント部材を駆動する油圧シリンダ(11a,12a,13a)の圧力に基づいて、その油圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否かを判定する。すなわち、ストロークエンド判定部117は、そのフロント部材を駆動するシリンダ圧力に基づいて、そのフロント部材がその基端側で連結される基端側の部材に対して、その回動支点を中心とする回動範囲における回動限界の状態にあるか否かを判定する回動限界状態判定部として機能する。
シリンダ圧センサ70で検出されたシリンダ圧力Paが閾値Pa0以上である場合、ストロークエンド判定部117は、その油圧シリンダはストロークエンド状態であり、その油圧シリンダによって駆動されるフロント部材は回動限界の状態にあると判定する。
シリンダ圧センサ70で検出されたシリンダ圧力Paが閾値Pa0未満である場合、ストロークエンド判定部117は、その油圧シリンダはストロークエンド状態ではなく、その油圧シリンダによって駆動されるフロント部材は回動限界の状態ではないと判定する。
なお、閾値Pa0は、メインポンプ48と油圧シリンダとを接続する油路に設けられるリリーフ弁45(図3参照)が作動していることを表す圧力値であり、予め制御装置100の記憶装置120に記憶されている。つまり、シリンダ圧力Paが閾値Pa0以上であるときとは、リリーフ弁45が作動し(すなわち開弁し)、作動油がリリーフ弁45を通じてタンクに排出されている状態であることを意味している。
例えば、ブームシリンダ11aのボトム側油室圧Paが閾値Pa0以上である場合、ブームシリンダ11aは、ストロークエンド状態(最伸長状態)であって、ブーム11が旋回体3に対して回動限界の状態(上限)にあると判定する。また、ブームシリンダ11aのロッド側油室圧Paが閾値Pa以上である場合、ブームシリンダ11aは、ストロークエンド状態(最収縮状態)であって、ブーム11が旋回体3に対して回動限界の状態(下限)にあると判定する。
所定の油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、ストロークエンド判定部117は、ストロークエンド状態フラグFをオンに設定する。油圧シリンダがストロークエンドの状態にないと判定されると、ストロークエンド判定部117は、ストロークエンド状態フラグFをオフに設定する。ストロークエンド状態フラグFは、フロント部材毎に設定される。ストロークエンド判定部117が設定したストロークエンド状態フラグFの情報及びストロークエンドの状態にある油圧シリンダに対応するフロント部材の部材名の情報は、角度記憶部115及び補正量演算部116に出力される。
油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、角度記憶部115は、角度演算部114で演算されたフロント部材角度θr(k)のうち、ストロークエンドの状態にあると判定された油圧シリンダに対応するフロント部材の相対角度(すなわち、回動限界の状態にあると判定されたフロント部材とそのフロント部材が回動限界の状態で連結される部材との相対角度)と、ストロークエンドの状態にある油圧シリンダに対応するフロント部材(すなわち、回動限界の状態にあるフロント部材)の部材名と、を関連付けて角度テーブル123に記憶する。なお、本実施形態では、ストロークエンドの状態にある油圧シリンダに対応するフロント部材とは、ストロークエンドの状態にあるブームシリンダ11aに対応するブーム11、ストロークエンドの状態にあるアームシリンダ12aに対応するアーム12、及び、ストロークエンドの状態にあるバケットシリンダ13aに対応するバケット13のことをいう。また、回動限界の状態にあるフロント部材とは、旋回フレーム8に対して回動限界の状態にあるブーム11、ブーム11に対して回動限界の状態にあるアーム12、アーム12に対して回動限界の状態にあるバケット13のことをいう。
なお、フロント部材がその基端側で連結される部材に対して回動限界の状態、すなわち油圧シリンダがストロークエンドの状態は、油圧シリンダが最伸長状態のときと最収縮状態のときとで、フロント部材毎に2つずつある。このため、角度テーブル123には、ブーム11が第1の回動限界の状態(第1のストロークエンドの状態)のときのブーム角度θr(1)である第1角度θrx11と、ブーム11が第2の回動限界の状態(第2のストロークエンドの状態)のときのブーム角度θr(1)である第2角度θrx12と、アーム12が第1の回動限界の状態(第1のストロークエンドの状態)のときのアーム角度θr(2)である第1角度θrx21、アーム12が第2の回動限界の状態(第2のストロークエンドの状態)のときのアーム角度θr(2)である第2角度θrx22、バケット13が第1の回動限界の状態(第1のストロークエンドの状態)のときのバケット角度θr(3)である第1角度θrx31、及び、バケット13が第2の回動限界の状態(第2のストロークエンドの状態)のときのバケット角度θr(3)である第2角度θrx32と、が記憶される。なお、第1角度θrx11及び第2角度θrx12を総称して、ブーム限界角度θrx1とも記す。第1角度θrx21及び第2角度θrx22を総称して、アーム限界角度θrx2とも記す。第1角度θrx31及び第2角度θrx32を総称して、バケット限界角度θrx3とも記す。
このように、角度テーブル123には、油圧シリンダがストロークエンドの状態における、油圧シリンダに対応するフロント部材の相対角度(すなわち、回動限界の状態にあるフロント部材と、そのフロント部材が回動限界の状態で連結される部材と、の相対角度)θrx1,θrx2,θrx3が記憶される。
補正量演算部116は、補正量取得部113から入力された未設定IDのIMU50に対する補正量θc(k)を演算し、演算した補正量θc(k)と未設定IDとを関連付けて、補正量テーブル122に記憶する。これにより、交換された新たなフロントIMU50Fに対する補正量θc(k)が設定される。
補正量θc(k)は、式(1)及び式(2)の関係から、次式(3)により演算される。
θc(k)=θr(k)−θgi(k)+θg(k−1) ・・・(3)
ここで、θr(k)には、角度テーブル123に記憶されている回動限界の状態にあるフロント部材と、そのフロント部材に回動限界の状態で連結される部材との相対角度(すなわち、油圧シリンダがストロークエンドの状態における、油圧シリンダに対応するフロント部材の相対角度)が用いられる。また、θgi(k)及びθg(k−1)には、フロント部材が回動限界の状態にあると判定されたとき(すなわち、フロント部材を駆動する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されたとき)に演算された値が用いられる。
このように、本実施形態に係る制御装置100は、フロントIMU50Fが交換されたか否かを判定し、フロントIMU50Fが交換されたと判定された場合、交換されたと判定されたフロントIMU50F(新たなフロントIMU50F)が取り付けられているフロント部材を特定し、特定されたフロント部材に対応する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否か(すなわち、特定されたフロント部材が回動限界の状態にあるか否か)を判定する。そして、制御装置100は、特定されたフロント部材がストロークエンドの状態にあると判定されると(すなわち、特定されたフロント部材が回動限界の状態にあると判定されると)、特定されたフロント部材に取り付けられた新たなフロントIMU50Fの出力信号から得られる角度情報である未補正の対地角度θgi(k)と、特定されたフロント部材が回動限界の状態で連結される部材の補正済みの対地角度θg(k−1)と、記憶装置120に記憶されている特定されたフロント部材の相対角度(すなわち、特定されたフロント部材とその特定されたフロント部材に回動限界の状態で連結される部材との相対角度)であるフロント部材角度θr(k)と、に基づいて、未補正の対地角度θgi(k)を補正するための補正量(フロントIMU50Fの取付角度)θc(k)を演算する。
図7は、制御装置100により実行される演算処理の内容を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートの処理は、例えば、図示しないイグニッションスイッチのオンにより開始され、図示しない初期設定が行われた後、所定の制御周期で繰り返し実行される。
図7に示すように、ステップS11において、制御装置100は、各種情報を取得し、ステップS16へ進む。各種情報には、IMU50のID、IMU50の対地角度θgi(j)、フロント部材毎のストロークエンド状態フラグFの設定情報等が含まれる。
ステップS16において、制御装置100は、ステップS11で取得したフロントIMU50FのIDに基づいて、フロントIMU50Fが新しいものに交換されたか否かを判定する。ステップS11で取得したフロントIMU50Fの全てのIDが識別テーブル121に存在する場合、制御装置100は、フロントIMU50Fは交換されていないと判定し、ステップS21へ進む。ステップS11で取得したフロントIMU50FのIDのうち、1つでも識別テーブル121に存在しない新たなIDがある場合、制御装置100は、フロントIMU50Fは交換されたと判定し、ステップS60へ進む。
ステップS21において、全てのフロントIMU50Fに対する補正量が設定されているか否かを判定する。ステップS11で取得したフロントIMU50Fの全てのIDが補正量テーブル122に存在する場合、制御装置100は、フロントIMU50Fに対する補正量は設定されていると判定し、ステップS23へ進む。ステップS11で取得したフロントIMU50FのIDのうち、1つでも補正量テーブル122に存在しない新たなIDがある場合、制御装置100は、フロントIMU50Fに対する補正量は設定されていないと判定し、ステップS70へ進む。
ステップS23において、制御装置100は、補正量テーブル122を参照し、ステップS11で取得したIMU50のIDに関連付けられた補正量θc(j)を取得し、ステップS26へ進む。
ステップS26において、制御装置100は、ステップS11で取得したIMU50の対地角度θgi(j)と、ステップS23で取得した補正量θc(j)と、に基づいて、式(1)により、各部材の対地角度θg(j)を演算し、ステップS31へ進む。
ステップS31において、制御装置100は、ステップS26で演算された各部材の対地角度θg(j)に基づいて、式(2)により、部材間の相対角度(フロント部材角度θr(k))を演算し、ステップS40へ進む。
ステップS40において、制御装置100は、各フロント部材を駆動する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否かを判定する。ステップS11で取得したストロークエンド状態フラグFのうちオンに設定されているものがある場合、制御装置100は、フラグFがオンに設定されている油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定し、ステップS51へ進む。ステップS11で取得したストロークエンド状態フラグFのうちオンに設定されているものがない場合、制御装置100は、各フロント部材を駆動する油圧シリンダがいずれもストロークエンドの状態にないと判定し、ステップS11へ戻る。
ここで、図8を参照して、制御装置100により実行されるストロークエンド状態フラグの設定処理の内容について説明する。図8は、制御装置100により実行されるストロークエンド状態フラグの設定処理の内容を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートの処理は、例えば、図示しないイグニッションスイッチのオンにより開始され、図示しない初期設定が行われた後、所定の制御周期で繰り返し実行される。
図8に示すように、ステップS41において、制御装置100は、パイロット圧センサ60で検出されるパイロット圧力Ppを取得し、ステップS43へ進む。ステップS43において、制御装置100は、ステップS41で取得したパイロット圧力Ppのうち、閾値Pp0以上のものが1つであるか否かを判定する。ステップS43において、パイロット圧力Ppが閾値Pp0以上のものが1つであると判定された場合、ステップS45へ進む。ステップS43において、パイロット圧力Ppが閾値Pp0以上のものが1つでないと判定された場合、ステップS49へ進む。
ステップS45において、制御装置100は、ステップS43において閾値Pp0以上のパイロット圧力Ppによって操作されるフロント部材(油圧シリンダ)を特定し、ステップS46へ進む。
ステップS46において、制御装置100は、シリンダ圧センサ70で検出されたシリンダ圧力のうち、操作されているフロント部材を駆動する油圧シリンダの圧力Paを取得し、ステップS47へ進む。
ステップS47において、制御装置100は、ステップS46で取得したシリンダ圧力Paが閾値Pa0以上であるか否かを判定する。ステップS47において、シリンダ圧力Paが閾値Pa0以上であると判定されると、ステップS48へ進む。ステップS47において、シリンダ圧力Paが閾値Pa0未満であると判定されると、ステップS49へ進む。
ステップS48において、制御装置100は、操作されているフロント部材に対応する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあるとして、その油圧シリンダに対するストロークエンド状態フラグFをオンに設定し、本制御周期における図8のフローチャートに示す処理を終了する。ステップS49において、制御装置100は、操作されているフロント部材に対応する油圧シリンダはストロークエンドの状態にないとして、その油圧シリンダに対するストロークエンド状態フラグFをオフに設定し、本制御周期における図8のフローチャートに示す処理を終了する。
図8に示す処理により、ストロークエンド状態フラグFがオンに設定されていると、図7に示すステップS40において、油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定され、ステップS51へ進む。ステップS51において、制御装置100は、ストロークエンドの状態の油圧シリンダに対応するフロント部材の相対角度(すなわち、ストロークエンドの状態の油圧シリンダに対応する回動限界の状態のフロント部材と、そのフロント部材に回動限界状態で連結される部材と、の相対角度)θr(k)と、その油圧シリンダに対応する回動限界の状態のフロント部材の部材名と、を関連付けて角度テーブル123に記憶し、本制御周期における図7のフローチャートに示す処理を終了する。
このように、制御装置100は、フロント部材を駆動する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否かを監視し、油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、その油圧シリンダに対応するフロント部材の相対角度(すなわち、回動限界の状態のフロント部材とそのフロント部材が回動限界の状態で連結される部材との相対角度)θr(k)を角度テーブル123に記憶する。このようにして記憶された相対角度θr(k)、すなわちブーム限界角度θrx1、アーム限界角度θrx2及びバケット限界角度θrx3は、フロントIMU50Fが交換されたとき、交換されたフロントIMU50Fに対する補正量θc(k)を設定する際に使用される。
次に、フロントIMU50Fが古いものから新しいものに交換された場合に、新しいフロントIMU50Fに対する補正量、すなわち新しいIMU50Fの出力信号から得られる対地角度θgi(k)を補正するための補正量θc(k)を設定する処理(補正量設定処理)について説明する。
補正量設定処理に先立って、交換されたフロントIMU50Fが取り付けられているフロント部材を特定する処理(取付部材特定処理)について説明する。図7に示すステップS16において、フロントIMU50Fが交換されたと判定されると、取付部材特定処理(S60)が実行される。
図9を参照して、制御装置100により実行される取付部材特定処理(S60)の内容について説明する。図9は、制御装置100により実行される取付部材特定処理(S60)の内容を示すフローチャートである。図9に示すように、取付部材特定処理(S60)が実行されると、まず、ステップS61において、制御装置100は、ステップS11で取得したIDのうち識別テーブル121に存在しないID、すなわち交換されたフロントIMU50のID(以下、新IDとも記す)の数が1つであるか否かを判定する。ステップS61において、新IDの数が1つでないと判定されると、ステップS62へ進む。ステップS62において、制御装置100は、交換されたフロントIMU50Fの新IDの数が2つであるか否かを判定する。
ステップS61において、新IDの数が1つであると判定されると、ステップS63へ進む。ステップS63において、制御装置100は、取付部材特定(1部材)処理を実行する。この処理では、識別テーブル121に存在するIDのうち、ステップS11で取得したIDと整合しなかったID(以下、未受信IDとも記す)を新IDに書き換える。つまり、ステップS63では、交換後の新しいフロントIMU50Fが取り付けられるフロント部材は、ブーム11、アーム12及びバケット13のうち、未受信IDに関連付けられたフロント部材であることが特定される。
ステップS62において、新IDの数が2つであると判定されると、ステップS65へ進む。ステップS65において、制御装置100は、取付部材特定(2部材)処理(図10参照)を実行する。ステップS62において、新IDの数が2つでないと判定されると、すなわち新IDの数は3つであると判定されると、ステップS67へ進む。ステップS67において、制御装置100は、取付部材特定(3部材)処理(図11参照)を実行する。
図10を参照して、制御装置100により実行される取付部材特定(2部材)処理について説明する。図10は、制御装置100により実行される取付部材特定(2部材)処理の内容を示すフローチャートである。図10に示すように、ステップS651において、制御装置100は、識別テーブル121を参照し、未受信IDに関連付けられている部材名(以下、不明部材名とも記す)に「バケット」があるか否かを判定する。ステップS651において、不明部材名に「バケット」があると判定されると、ステップS652へ進み、ステップS651において、不明部材名に「バケット」がないと判定されると、ステップS662へ進む。
ステップS652において、制御装置100は、表示制御信号を表示装置18に出力し、バケット13の操作のみを指示する表示画像を表示装置18の表示画面に表示させ、ステップS653へ進む。表示装置18の表示画面に、バケット13の操作のみを指示する表示画像が表示されるため、オペレータは、操作指示に従ってバケット13のみを操作する。
ステップS653において、制御装置100は、各フロントIMU50FのID及びフロントIMU50Fの対地角度θgi(j)を取得し、ステップS655へ進む。ステップS655において、制御装置100は、対地角度θgi(j)が変化したフロントIMU50FのIDと、部材名「バケット」とを関連付けて識別テーブル121に記憶し、ステップS657へ進む。本実施形態では、この記憶処理において、部材名「バケット」に関連付けられた未受信IDを、対地角度θgi(j)が変化したフロントIMU50Fの新IDで書き換える。このように、ステップS655では、交換後の新しいフロントIMU50Fのうちの一つが取り付けられるフロント部材が、バケット13であることが特定される。
ステップS662において、制御装置100は、表示制御信号を表示装置18に出力し、アーム12の操作のみを指示する表示画像を表示装置18の表示画面に表示させ、ステップS663へ進む。表示装置18の表示画面に、アーム12の操作のみを指示する表示画像が表示されるため、オペレータは、操作指示に従ってアーム12のみを操作する。
ステップS663において、制御装置100は、各フロントIMU50FのID及びフロントIMU50Fの対地角度θgi(j)を取得し、ステップS665へ進む。ステップS665において、制御装置100は、対地角度θgi(j)が変化したフロントIMU50FのIDと、部材名「アーム」とを関連付けて識別テーブル121に記憶し、ステップS669へ進む。本実施形態では、この記憶処理において、部材名「アーム」に関連付けられた未受信IDを、対地角度θgi(j)が変化したフロントIMU50Fの新IDで書き換える。このように、ステップS665では、交換後の新しいフロントIMU50Fのうちの一つが取り付けられるフロント部材が、アーム12であることが特定される。
ステップS657において、制御装置100は、識別テーブル121を参照し、未受信IDに関連付けられた不明部材名に「アーム」があるか否かを判定する。ステップS657において、不明部材名に「アーム」があると判定されると、ステップS659へ進み、ステップS657において、不明部材名に「アーム」がないと判定されると、ステップS669へ進む。
ステップS659において、制御装置100は、新IDのうち、ステップS655で特定されなかった残りの新IDと、部材名「アーム」とを関連付けて識別テーブル121に記憶し、図10に示す取付部材特定(2部材)処理を終了する。なお、本実施形態では、この記憶処理(ステップS659)において、部材名「アーム」に関連付けられた未受信IDを、残りの新IDで書き換える。このように、ステップS659では、交換後の新しいフロントIMU50Fのうちの残りの一つが取り付けられるフロント部材が、アーム12であることが特定される。
ステップS669において、制御装置100は、新IDのうち、ステップS655またはステップS665で特定されなかった残りの新IDと、部材名「ブーム」とを関連付けて識別テーブル121に記憶し、図10に示す取付部材特定(2部材)処理を終了する。なお、本実施形態では、この記憶処理(ステップS669)において、部材名「ブーム」に関連付けられた未受信IDを、残りの新IDで書き換える。このように、ステップS669では、交換後の新しいフロントIMU50Fのうちの残りの一つが取り付けられるフロント部材が、ブーム11であることが特定される。
図11を参照して、制御装置100により実行される取付部材特定(3部材)処理について説明する。図11は、制御装置100により実行される取付部材特定(3部材)処理の内容を示すフローチャートである。図11に示すように、ステップS672において、制御装置100は、表示制御信号を表示装置18に出力し、バケット13の操作のみを指示する表示画像を表示装置18の表示画面に表示させ、ステップS673へ進む。表示装置18の表示画面に、バケット13の操作のみを指示する表示画像が表示されるため、オペレータは、操作指示に従ってバケット13のみを操作する。
ステップS673において、制御装置100は、各フロントIMU50FのID及びフロントIMU50Fの対地角度θgi(j)を取得し、ステップS675へ進む。ステップS675において、制御装置100は、対地角度θgi(j)が変化したフロントIMU50FのIDと、部材名「バケット」とを関連付けて識別テーブル121に記憶し、ステップS682へ進む。本実施形態では、この記憶処理において、部材名「バケット」に関連付けられた未受信IDを、対地角度θgi(j)が変化したフロントIMU50Fの新IDで書き換える。このように、ステップS675では、交換後の新しいフロントIMU50Fのうちの一つが取り付けられるフロント部材が、バケット13であることが特定される。
ステップS682において、制御装置100は、表示制御信号を表示装置18に出力し、アーム12の操作のみを指示する表示画像を表示装置18の表示画面に表示させ、ステップS683へ進む。表示装置18の表示画面に、アーム12の操作のみを指示する表示画像が表示されるため、オペレータは、操作指示に従ってアーム12のみを操作する。
ステップS683において、制御装置100は、各フロントIMU50FのID及びフロントIMU50Fの対地角度θgi(j)を取得し、ステップS685へ進む。ステップS685において、制御装置100は、対地角度θgi(j)が変化したフロントIMU50FのIDと、部材名「アーム」とを関連付けて識別テーブル121に記憶し、ステップS689へ進む。このように、ステップS685では、交換後の新しいフロントIMU50Fのうちの一つが取り付けられるフロント部材が、アーム12であることが特定される。
ステップS689において、制御装置100は、新IDのうち、ステップS675及びステップS685で特定されなかった残りの新IDと、部材名「ブーム」とを関連付けて識別テーブル121に記憶し、図11に示す取付部材特定(3部材)処理を終了する。なお、本実施形態では、この記憶処理(ステップS689)において、部材名「ブーム」に関連付けられた未受信IDを、残りの新IDで書き換える。このように、ステップS689では、交換後の新しいフロントIMU50Fのうちの残りの一つが取り付けられるフロント部材が、ブーム11であることが特定される。
以上のとおり、取付部材特定処理(S60)が実行されることにより、新IDと、そのIDに対応する部材名が識別テーブル121に記憶されるが、交換されたフロントIMU50Fに対する補正量は未だ設定されていない。次に、交換されたフロントIMU50Fに対する補正量を設定する処理(補正量設定処理)について説明する。図7に示すステップS21において、IMU50の補正量が設定されていないと判定されると、補正量設定処理(S70)が実行される。
図12を参照して、制御装置100により実行される補正量設定処理(S70)の内容について説明する。図12は、制御装置100により実行される補正量設定処理(S70)の内容を示すフローチャートである。図12に示すように、補正量設定処理(S70)が実行されると、まず、ステップS71において、制御装置100は、ステップS11で取得したIDのうち補正量テーブル122に存在しないID、すなわち補正量が設定されていないIDである未設定IDの数が1つであるか否かを判定する。ステップS71において、未設定IDの数が1つでないと判定されると、ステップS72へ進む。ステップS72において、制御装置100は、未設定IDの数が2つであるか否かを判定する。
ステップS71において、未設定IDの数が1つであると判定されると、ステップS110へ進む。ステップS110において、制御装置100は、補正量設定処理(1部材)処理(図13参照)を実行する。ステップS72において、未設定IDの数が2つであると判定されると、ステップS120へ進む。ステップS120において、制御装置100は、補正量設定(2部材)処理(図17参照)を実行する。ステップS72において、未設定IDの数が2つでないと判定されると、すなわち未設定IDの数は3つであると判定されると、ステップS130へ進む。ステップS130において、制御装置100は、補正量設定(3部材)処理(図18参照)を実行する。
図13を参照して、制御装置100により実行される補正量設定(1部材)処理について説明する。図13は、制御装置100により実行される補正量設定(1部材)処理の内容を示すフローチャートである。図13に示すように、ステップS1101において、制御装置100は、識別テーブル121を参照し、未設定IDに関連付けられている部材名(以下、未設定部材名とも記す)に「ブーム」があるか否かを判定する。ステップS1101において、未設定部材名に「ブーム」がないと判定されると、ステップS1102へ進む。ステップS1102において、制御装置100は、識別テーブル121を参照し、未設定部材名に「アーム」があるか否かを判定する。
ステップS1101において、未設定部材名に「ブーム」があると判定されると、ステップS1110へ進む。ステップS1110において、制御装置100は、ブームIMU50aの対地角度θgi(1)を補正するための補正量θc(1)を設定する処理(ブームIMUの補正量設定処理)を実行する(図14参照)。ステップS1102において、未設定部材名に「アーム」があると判定されると、ステップS1140へ進む。ステップS1140において、制御装置100は、アームIMU50bの対地角度θgi(2)を補正するための補正量θc(2)を設定する処理(アームIMUの補正量設定処理)を実行する(図15参照)。ステップS1102において、未設定部材名に「アーム」がないと判定されると、すなわち未設定部材名に「バケット」があると判定されると、ステップS1170へ進む。ステップS1170において、制御装置100は、バケットIMU50cの対地角度θgi(3)を補正するための補正量θc(3)を設定する処理(バケットIMUの補正量設定処理)を実行する(図16参照)。
図14を参照して、制御装置100により実行されるブームIMUの補正量設定処理(S1110)の内容について説明する。図14は、制御装置100により実行されるブームIMUの補正量設定処理(S1110)の内容を示すフローチャートである。なお、ブームIMUの補正量設定処理(S1110)における補正量の演算は、ブームシリンダ11aを第1のストロークエンド状態(すなわち、ブーム11を第1の回動限界の状態)にしてから行ってもよいし、ブームシリンダ11aを第2のストロークエンド状態(すなわち、ブーム11を第2の回動限界の状態)にしてから行ってもよいが、以下では、前者の場合の例について説明する。
図14に示すように、ステップS1111において、制御装置100は、角度テーブル123からブーム限界角度θrx1(θrx11)と、旋回体IMU50dから旋回体IMU50dの対地角度θgi(0)と、補正量テーブル122から旋回体IMU50dに対する補正量θc(0)と、を取得し、ステップS1114に進む。
ステップS1114において、制御装置100は、表示制御信号を表示装置18に出力し、ブームシリンダ11aがストロークエンド(第1のストロークエンド)の状態となるまでブーム11を操作させる操作指示を表す表示画像を表示装置18の表示画面に表示させ、ステップS1117へ進む。表示装置18の表示画面に、ブームシリンダ11aがストロークエンド(第1のストロークエンド)の状態となるまでブーム11を操作させる操作指示を表す表示画像が表示されるため、オペレータは、操作指示に従ってブーム11の操作(ブーム上げ操作)を行う。
ステップS1117において、制御装置100は、ストロークエンド状態フラグFの情報及びストロークエンドの状態の油圧シリンダに対応するフロント部材(すなわち、回動限界の状態にあるフロント部材)の部材名の情報を取得し、ステップS1120へ進む。ステップS1120において、制御装置100は、ステップS1117で取得した情報に基づいて、ブームシリンダ11aがストロークエンドの状態(第1のストロークエンドの状態)であるか否かを判定する。ステップS1120において、ブームシリンダ11aがストロークエンドの状態(第1のストロークエンドの状態)であると判定されると、ステップS1123へ進み、ブームシリンダ11aはストロークエンドの状態(第1のストロークエンドの状態)でないと判定されると、ステップS1117へ戻る。
ステップS1123において、制御装置100は、旋回体IMU50dの対地角度θg(0)と補正量θc(0)に基づいて、式(1)により旋回体3の対地角度θg(0)を演算する。また、ステップS1123において、制御装置100は、ブームIMU50aの出力信号からブームIMU50aの対地角度θgi(1)を取得し、ステップS1126へ進む。
ステップS1126において、制御装置100は、ステップS1111で取得したストロークエンドの状態(第1のストロークエンドの状態)におけるブーム角度θr(1)=θrx1(θrx11)と、ステップS1123で取得したブームIMU50aの対地角度θgi(1)と、ステップS1123で演算した旋回体3の対地角度θg(0)と、に基づいて、式(3)により補正量θc(1)を演算し、ステップS1129へ進む。
ステップS1129において、制御装置100は、識別テーブル121において「ブーム」に関連付けられた未設定IDと、ステップS1126で演算された補正量θc(1)とを関連付けて補正量テーブル122に記憶し、図14に示すブームIMUの補正量設定処理を終了する。なお、図14に示す処理は、ブームシリンダ11aを第2のストロークエンドの状態にして行う場合も同様であるため、説明を省略する。
図15を参照して、制御装置100により実行されるアームIMUの補正量設定処理(S1140)の内容について説明する。図15は、制御装置100により実行されるアームIMUの補正量設定処理(S1140)の内容を示すフローチャートである。なお、アームIMUの補正量設定処理(S1140)における補正量の演算は、アームシリンダ12aを第1のストロークエンド状態(すなわち、アーム12を第1の回動限界の状態)にしてから行ってもよいし、アームシリンダ12aを第2のストロークエンド状態(すなわち、アーム12を第2の回動限界の状態)にしてから行ってもよいが、以下では、前者の場合の例について説明する。
図15に示すように、ステップS1141において、制御装置100は、角度テーブル123からアーム限界角度θrx2(θrx21)と、ブームIMU50aからブームIMU50aの対地角度θgi(1)と、補正量テーブル122からブームIMU50aに対する補正量θc(1)と、を取得し、ステップS1144に進む。
ステップS1144において、制御装置100は、表示制御信号を表示装置18に出力し、アームシリンダ12aがストロークエンド(第1のストロークエンド)の状態となるまでアーム12を操作させる操作指示を表す表示画像を表示装置18の表示画面に表示させ、ステップS1147へ進む。表示装置18の表示画面に、アームシリンダ12aがストロークエンド(第1のストロークエンド)の状態となるまでアーム12を操作させる操作指示を表す表示画像が表示されるため、オペレータは、操作指示に従ってアーム12の操作(アームダンプ操作)を行う。
ステップS1147において、制御装置100は、ストロークエンド状態フラグFの情報及びストロークエンドの状態の油圧シリンダに対応するフロント部材(すなわち、回動限界の状態にあるフロント部材)の部材名の情報を取得し、ステップS1150へ進む。ステップS1150において、制御装置100は、ステップS1147で取得した情報に基づいて、アームシリンダ12aがストロークエンドの状態(第1のストロークエンドの状態)であるか否かを判定する。ステップS1150において、アームシリンダ12aがストロークエンドの状態(第1のストロークエンドの状態)であると判定されると、ステップS1153へ進み、アームシリンダ12aはストロークエンドの状態(第1のストロークエンドの状態)でないと判定されると、ステップS1147へ戻る。
ステップS1153において、制御装置100は、ブームIMU50aの対地角度θgi(1)と補正量θc(1)に基づいて、式(1)によりブーム11の対地角度θg(1)を演算する。また、ステップS1153において、制御装置100は、アームIMU50bの出力信号からアームIMU50bの対地角度θgi(2)を取得し、ステップS1156へ進む。
ステップS1156において、制御装置100は、ステップS1141で取得したストロークエンドの状態(第1のストロークエンドの状態)におけるアーム角度θr(2)=θrx2(θrx21)と、ステップS1153で取得したアームIMU50bの対地角度θgi(2)と、ステップS1153で演算したブーム11の対地角度θg(1)と、に基づいて、式(3)により補正量θc(2)を演算し、ステップS1159へ進む。
ステップS1159において、制御装置100は、識別テーブル121において「アーム」に関連付けられた未設定IDと、ステップS1156で演算された補正量θc(2)とを関連付けて補正量テーブル122に記憶し、図15に示すアームIMUの補正量設定処理を終了する。なお、図15に示す処理は、アームシリンダ12aを第2のストロークエンドの状態にして行う場合も同様であるため、説明を省略する。
図16を参照して、制御装置100により実行されるバケットIMUの補正量設定処理(S1170)の内容について説明する。図16は、制御装置100により実行されるバケットIMUの補正量設定処理(S1170)の内容を示すフローチャートである。なお、バケットIMUの補正量設定処理(S1170)における補正量の演算は、バケットシリンダ13aを第1のストロークエンド状態(すなわち、バケット13を第1の回動限界の状態)にしてから行ってもよいし、バケットシリンダ13aを第2のストロークエンド状態(すなわち、バケット13を第2の回動限界の状態)にしてから行ってもよいが、以下では、前者の場合の例について説明する。
図16に示すように、ステップS1171において、制御装置100は、角度テーブル123からバケット限界角度θrx3(θrx31)と、アームIMU50bからアームIMU50bの対地角度θgi(2)と、補正量テーブル122からアームIMU50bに対する補正量θc(2)と、を取得し、ステップS1174に進む。
ステップS1174において、制御装置100は、表示制御信号を表示装置18に出力し、バケットシリンダ13aがストロークエンド(第1のストロークエンド)の状態となるまでバケット13を操作させる操作指示を表す表示画像を表示装置18の表示画面に表示させ、ステップS1177へ進む。表示装置18の表示画面に、バケットシリンダ13aがストロークエンド(第1のストロークエンド)の状態となるまでバケット13を操作させる操作指示を表す表示画像が表示されるため、オペレータは、操作指示に従ってバケット13の操作(バケットダンプ操作)を行う。
ステップS1177において、制御装置100は、ストロークエンド状態フラグFの情報及びストロークエンドの状態の油圧シリンダに対応するフロント部材(すなわち、回動限界の状態にあるフロント部材)の部材名の情報を取得し、ステップS1180へ進む。ステップS1180において、制御装置100は、ステップS1177で取得した情報に基づいて、バケットシリンダ13aがストロークエンドの状態(第1のストロークエンドの状態)であるか否かを判定する。ステップS1180において、バケットシリンダ13aがストロークエンドの状態(第1のストロークエンドの状態)であると判定されると、ステップS1183へ進み、バケットシリンダ13aはストロークエンドの状態(第1のストロークエンドの状態)でないと判定されると、ステップS1177へ戻る。
ステップS1183において、制御装置100は、アームIMU50bの対地角度θgi(2)と補正量θc(2)に基づいて、式(1)によりアーム12の対地角度θg(2)を演算する。また、ステップS1183において、制御装置100は、バケットIMU50cの出力信号からバケットIMU50cの対地角度θgi(3)を取得し、ステップS1186へ進む。
ステップS1186において、制御装置100は、ステップS1171で取得したストロークエンドの状態(第1のストロークエンドの状態)におけるバケット角度θr(3)=θrx3(θrx31)と、ステップS1183で取得したバケットIMU50cの対地角度θgi(3)と、ステップS1183で演算したアーム12の対地角度θg(2)と、に基づいて、式(3)により補正量θc(3)を演算し、ステップS1189へ進む。
ステップS1189において、制御装置100は、識別テーブル121において「バケット」に関連付けられた未設定IDと、ステップS1186で演算された補正量θc(3)とを関連付けて補正量テーブル122に記憶し、図16に示すバケットIMUの補正量設定処理を終了する。なお、図16に示す処理は、バケットシリンダ13aを第2のストロークエンドの状態にして行う場合も同様であるため、説明を省略する。
図17を参照して、制御装置100により実行される補正量設定(2部材)処理について説明する。図17は、制御装置100により実行される補正量設定(2部材)処理の内容を示すフローチャートである。図17に示すように、ステップS1201において、制御装置100は、識別テーブル121を参照し、未設定IDに関連付けられている部材名である未設定部材名に「ブーム」があるか否かを判定する。
ステップS1201において、未設定部材名に「ブーム」があると判定されると、ステップS1204へ進み、ブームIMUの補正量設定処理を実行する。ステップS1204におけるブームIMUの補正量設定処理は、上述したブームIMUの補正量設定処理(S1110)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS1201において、未設定部材名に「ブーム」がないと判定されると、ステップS1211へ進み、アームIMUの補正量設定処理を実行する。ステップS1211におけるアームIMUの補正量設定処理は、上述したアームIMUの補正量設定処理(S1140)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS1204において、ブームIMUの補正量設定処理が終了すると、ステップS1207へ進む。ステップS1207において、制御装置100は、識別テーブル121を参照し、未設定IDに関連付けられている部材名である未設定部材名に「アーム」があるか否かを判定する。
ステップS1207において、未設定部材名に「アーム」があると判定されると、ステップS1209へ進み、アームIMUの補正量設定処理を実行する。ステップS1209におけるアームIMUの補正量設定処理は、上述したアームIMUの補正量設定処理(S1140)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS1207において、未設定部材名に「アーム」がないと判定されると、すなわち未設定部材名に「バケット」があると判定されると、ステップS1215へ進み、バケットIMUの補正量設定処理を実行する。ステップS1215におけるバケットIMUの補正量設定処理は、上述したバケットIMUの補正量設定処理(S1170)と同様であるため、説明を省略する。
アームIMUの補正量設定処理(S1209)またはバケットIMUの補正量設定処理(S1215)が終了すると、図17に示す補正量設定(2部材)処理を終了する。
図18を参照して、制御装置100により実行される補正量設定(3部材)処理について説明する。図18は、制御装置100により実行される補正量設定(3部材)処理の内容を示すフローチャートである。
図18に示すように、補正量設定(3部材)処理では、ステップS1301において、制御装置100は、設定済みの補正量θc(0)によって得られる旋回体3の対地角度θg(0)に基づいて、未設定のブームIMU50aの補正量θc(1)を設定するためのブームIMUの補正量設定処理を実行する。ステップS1301におけるブームIMUの補正量設定処理は、上述したブームIMUの補正量設定処理(S1110)と同様であるため、説明を省略する。
ブームIMUの補正量設定処理(S1301)が終了すると、ステップS1304へ進む。ステップS1304において、制御装置100は、ステップS1301で設定済みの補正量θc(1)によって得られるブーム11の対地角度θg(1)に基づいて、未設定のアームIMU50bの補正量θc(2)を設定するためのアームIMUの補正量設定処理を実行する。ステップS1304におけるアームIMUの補正量設定処理は、上述したアームIMUの補正量設定処理(S1140)と同様であるため、説明を省略する。
アームIMUの補正量設定処理(S1304)が終了すると、ステップS1307へ進む。ステップS1307において、制御装置100は、ステップS1304で設定済みの補正量θc(2)によって得られるアーム12の対地角度θg(2)に基づいて、未設定のバケットIMU50cの補正量θc(3)を設定するためのバケットIMUの補正量設定処理を実行する。ステップS1307におけるバケットIMUの補正量設定処理は、上述したバケットIMUの補正量設定処理(S1170)と同様であるため、説明を省略する。
バケットIMUの補正量設定処理(S1307)が終了すると、図18に示す補正量設定(3部材)処理を終了する。
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)作業機械が備える制御装置100は、姿勢センサ(フロントIMU50F)が交換されたか否かを判定し、姿勢センサ(フロントIMU50F)が交換されたと判定された場合、交換されたと判定された姿勢センサ(フロントIMU50F)が取り付けられているフロント部材(例えばブーム11)を特定する。制御装置100は、特定されたフロント部材(例えばブーム11)に対応する油圧シリンダ(例えばブームシリンダ11a)がストロークエンドの状態にあるか否かを判定し、特定されたフロント部材(例えばブーム11)に対応する油圧シリンダ(例えばブームシリンダ11a)がストロークエンドの状態にあると判定されると、特定されたフロント部材(例えばブーム11)に取り付けられた姿勢センサ(例えばブームIMU50a)の出力信号から得られる角度情報(例えばブームIMU50aの対地角度θgi(1))と、記憶装置120に記憶されている特定されたフロント部材(例えばブーム11)の相対角度(例えば、ブーム11とブーム11に回動限界の状態で連結される旋回体3(部材)との相対角度であるブーム角度θr(1))と、に基づいて、角度情報(例えばブームIMU50aの対地角度θgi(1))を補正するための補正量(例えばθc(1))を演算し、記憶装置120に記憶する。
つまり、本実施形態では、姿勢センサ(フロントIMU50)を交換した場合に、作業機械(油圧ショベル1)が備える制御装置100によって、補正量θc(k)の演算が可能であるため、姿勢センサ(フロントIMU50F)の交換の都度、測量装置による測量作業によって補正量θc(k)を計測する必要がない。したがって、本実施形態によれば、姿勢センサ(フロントIMU50F)の交換に伴うキャリブレーション作業に要する時間を短縮することができる。その結果、作業現場において姿勢センサ(フロントIMU50F)を交換する場合であっても、キャリブレーション作業に起因して、工期が延びてしまうことを防止することができる。
(2)そして、掘削作業時には、制御装置100は、交換後の新たな姿勢センサ(フロントIMU50F)の出力信号から得られる角度情報(未補正の対地角度θgi(k)を補正量θc(k)で補正し、補正した角度情報(補正済みの対地角度θg(k))から得られるフロント部材角度(相対角度θr(k))に基づいて、作業装置(フロント作業装置)10の動作を制御する。例えば、補正されたフロント部材角度θrは、バケット13の先端等の位置の演算に用いられ、その演算結果に基づいて、フロント作業装置10の動作の制御(マシンコントロール)が行われる。本実施形態によれば、フロントIMU50Fが交換された場合に、補正量を精度よく演算することができるので、フロント作業装置10の動作の制御についても、長期に亘って精度よく制御することができる。
(3)制御装置100は、フロント部材の相対角度(すなわち、フロント部材とそのフロント部材に連結される部材との相対角度)を演算し、油圧シリンダ(例えばブームシリンダ11a)がストロークエンドの状態にあると判定されると、その油圧シリンダに対応するフロント部材(例えばブーム11)の相対角度θr(k)を記憶装置120に記憶する。したがって、油圧ショベル1を長期間に亘って使用すること等に起因して、油圧シリンダがストロークエンドの状態となったときのフロント部材の相対角度にずれが生じた場合であっても、フロントIMU50を交換した場合に、補正量を精度よく演算することができる。
<第2実施形態>
図19及び図20を参照して、第2実施形態に係る油圧ショベル201について説明する。なお、図中、第1実施形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。図19は、第2実施形態に係る油圧ショベル201の姿勢について説明する図である。第1実施形態では、姿勢センサとして、フロント部材の対地角度を取得するための対地角センサ(フロントIMU50F)が各フロント部材に取り付けられる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
上記第1実施形態で説明した対地角センサ(フロントIMU50F)に代えて、回転角センサを各フロント部材に取り付けるようにしてもよい。回転角センサを設ける場合にも、その取付角度によっては、回転角センサの出力信号から得られる回転角度と、実際のフロント部材の回転角度との間に差が生じるため、取付角度に応じた補正量による補正が必要である。以下、姿勢センサが、フロント部材の回転角度を取得するための回転角センサである場合について説明する。
図19に示すように、第2実施形態に係る油圧ショベル201は、フロント部材の姿勢情報(回転角度)を取得する複数の姿勢センサとしての回転角センサ250と、油圧ショベル201の各部の動作を制御する制御装置200と、を備える。ブーム11の回動支点に設けられる回転角センサ250は、ブーム角度θr(1)に応じた信号(電圧)を制御装置200に出力するポテンショメータであり、ブーム角センサ250aとも記す。アーム12の回動支点に設けられる回転角センサ250は、アーム角度θr(2)に応じた信号(電圧)を制御装置200に出力するポテンショメータであり、アーム角センサ250bとも記す。バケット13の回動支点に設けられる回転角センサ250は、バケット角度θr(3)に応じた信号(電圧)を制御装置200に出力するポテンショメータである。
制御装置200は、上記第1実施形態と同様、回転角センサ(姿勢センサ)250が交換されたか否かを判定し、回転角センサ(姿勢センサ)250が交換されたと判定された場合、交換されたと判定された新たな回転角センサ(姿勢センサ)250が取り付けられているフロント部材を特定する。
制御装置200は、特定されたフロント部材に対応する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、特定されたフロント部材に取り付けられた回転角センサ(姿勢センサ)250の出力信号(電圧)から得られる角度情報である未補正の回転角度θru(k)と、記憶装置120に記憶されている特定されたフロント部材の相対角度(すなわち、特定されたフロント部材と、その特定されたフロント部材に回動限界の状態で連結される部材との相対角度)θr(k)と、の差を、未補正の回転角度θru(k)を補正するための補正量θc(k)として設定する。つまり、補正量θc(k)は、次式(4)で表される。
θc(k)=θru(k)−θr(k) ・・・(4)
図20を参照して、制御装置200により実行される補正量設定処理について説明する。図20は、制御装置200により実行される補正量設定処理の内容を示すフローチャートである。
制御装置200は、各フロント部材の回転角センサ250が交換されたと判定された場合、上記第1実施形態と同様の取付部材特定処理を実行し、その後、図20に示す補正量設定処理を実行する。
図20に示すように、ステップS210において、制御装置200は、表示制御信号を表示装置18に出力し、未設定部材を駆動する油圧シリンダがストロークエンドの状態となるまで未設定部材を操作させる操作指示を表す表示画像を表示装置18の表示画面に表示させ、ステップS220へ進む。例えば、ブーム角センサ250a、アーム角センサ250b及びバケット角センサ250cが全て交換された場合、表示装置18の表示画面には、ブームシリンダ11a,アームシリンダ12a及びバケットシリンダ13aがストロークエンドの状態となるまで、ブーム11、アーム12及びバケット13を操作させる操作指示を表す表示画像が表示される。
操作指示の表示処理が完了すると、制御装置200は、ステップS222からステップS248までの処理を繰り返し行うループ処理を実行する(ステップS220,S260)。このループ処理は、交換された全ての回転角センサ250に対する補正量の設定が完了すると終了し、ループ処理が終了すると図20に示す補正量設定処理が終了する。
ループ処理では、ステップS222において、制御装置200は、ストロークエンド状態フラグFの情報及びストロークエンドの状態にある油圧シリンダに対応するフロント部材(すなわち、回動限界の状態にあるフロント部材)の部材名の情報を取得し、それらの情報に基づいて、ブームシリンダ11aがストロークエンドの状態にあるか否か(すなわち、ブーム11が回動限界の状態にあるか否か)を判定する。ステップS222において、ブームシリンダ11aがストロークエンドの状態にあると判定されると、ステップS225へ進み、ブームシリンダ11aはストロークエンドの状態にないと判定されると、ステップS260へ進む。
ステップS225において、制御装置200は、ブーム角センサ250aの出力信号から得られた未補正の回転角度θru(1)と、角度テーブル123に記憶されている回動限界の状態におけるブーム11の相対角度(すなわち、ストロークエンドの状態にあるブームシリンダ11aに対応するブーム11の相対角度)であるブーム角度θr(1)(=ブーム限界角度θrx1)と、に基づいて、式(4)により補正量θc(1)を演算し、補正量テーブル122に記憶する。
ステップS225において、ブーム角センサ250aに対する補正量θc(1)の設定が完了すると、ステップS228へ進み、表示装置18の表示画面に表示されている表示画像のうち、ブーム11に対する操作指示の表示画像を非表示化し、ステップS232へ進む。
ステップS232において、制御装置200は、ストロークエンド状態フラグFの情報及びストロークエンドの状態にある油圧シリンダに対応するフロント部材(すなわち、回動限界の状態にあるフロント部材)の部材名の情報を取得し、それらの情報に基づいて、アームシリンダ12aがストロークエンドの状態にあるか否か(すなわち、アーム12が回動限界の状態にあるか否か)を判定する。ステップS232において、アームシリンダ12aがストロークエンドの状態にあると判定されると、ステップS235へ進み、アームシリンダ12aはストロークエンドの状態にないと判定されると、ステップS260へ進む。
ステップS235において、制御装置200は、アーム角センサ250bの出力信号から得られた未補正の回転角度θru(2)と、角度テーブル123に記憶されている回動限界の状態におけるアーム12の相対角度(すなわち、ストロークエンドの状態にあるアームシリンダ12aに対応するアーム12の相対角度)であるアーム角度θr(2)(=アーム限界角度θrx2)と、に基づいて、式(4)により補正量θc(2)を演算し、補正量テーブル122に記憶する。
ステップS235において、アーム角センサ250bに対する補正量θc(2)の設定が完了すると、ステップS238へ進み、表示装置18の表示画面に表示されている表示画像のうち、アーム12に対する操作指示の表示画像を非表示化し、ステップS242へ進む。
ステップS242において、制御装置200は、ストロークエンド状態フラグFの情報及びストロークエンドの状態にある油圧シリンダに対応するフロント部材(すなわち、回動限界の状態にあるフロント部材)の部材名の情報を取得し、それらの情報に基づいて、バケットシリンダ13aがストロークエンドの状態にあるか否か(すなわち、バケット13が回動限界の状態にあるか否か)を判定する。ステップS242において、バケットシリンダ13aがストロークエンドの状態にあると判定されると、ステップS245へ進み、バケットシリンダ13aはストロークエンドの状態にないと判定されると、ステップS260へ進む。
ステップS245において、制御装置200は、バケット角センサ250cの出力信号から得られた未補正の回転角度θru(3)と、角度テーブル123に記憶されている回動限界の状態におけるバケット13の相対角度(すなわち、ストロークエンドの状態にあるバケットシリンダ13aに対応するバケット13の相対角度)であるバケット角度θr(3)(=バケット限界角度θrx3)と、に基づいて、式(4)により補正量θc(3)を演算し、補正量テーブル122に記憶する。
ステップS245において、バケット角センサ250cに対する補正量θc(3)の設定が完了すると、ステップS248へ進み、表示装置18の表示画面に表示されている表示画像のうち、バケット13に対する操作指示の表示画像を非表示化し、ステップS260へ進む。
このような第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、上述の異なる実施形態で説明した構成同士を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせることも可能である。
<変形例1>
第1実施形態では、未設定部材に取り付けられる姿勢センサに対する補正量θc(k)は、未設定部材の基端側で連結されている基端側の部材の対地角度θg(k−1)と、記憶装置120に記憶されている未設定部材とその未設定部材の基端側で連結されている部材との相対角度θr(k)と、に基づいて、式(3)によって演算する例について説明した。つまり、未設定部材の基端側で連結されている基端側の部材の対地角度θg(k−1)と、未設定部材とその未設定部材の基端側で連結されている基端側の部材との相対角度θr(k)が既知である場合に、未設定部材の姿勢センサに対する補正量θc(k)を演算する例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
未設定部材の先端側で連結されている先端側の部材の対地角度θg(k+1)と、未設定部材とその未設定部材の先端側で連結されている先端側の部材との相対角度θr(k+1)が既知である場合、次式(3a)によって、未設定部材に取り付けられている姿勢センサに対する補正量θc(k)を演算してもよい。
θc(k)=θg(k+1)−θr(k+1)−θgi(k) ・・・(3a)
この場合、制御装置100は、図21に示すフローチャートのような補正量設定処理を実行することにより、補正量を演算することができる。図21は、変形例1に係る制御装置100により実行される補正量設定処理の内容を示すフローチャートである。
制御装置100は、IMU50が交換されたと判定された場合、上記第1実施形態と同様の取付部材特定処理を実行し、その後、図21に示す補正量設定処理を実行する。
図21に示すように、ステップS310において、制御装置100は、表示制御信号を表示装置18に出力し、未設定部材及び未設定部材の先端側の部材を回動限界まで操作させる操作指示を表す表示画像を表示装置18の表示画面に表示させ、ステップS320へ進む。
操作指示の表示処理が完了すると、制御装置100は、ステップS330からステップS360までの処理及びステップS335からステップS365までの処理を並列に繰り返し行うループ処理を実行する(ステップS320,S370)。このループ処理は、交換された全てのIMU50に対する補正量の設定が完了すると終了し、ループ処理が終了すると図21に示す補正量設定処理が終了する。
ループ処理では、ステップS330において、制御装置100は、未設定部材の先端側の部材のIMU50に対する補正量が設定されているか否かを判定する。ステップS330において、未設定部材の先端側の部材のIMU50に対する補正量が設定されていると判定されると、ステップS340へ進み、未設定部材の先端側の部材のIMU50に対する補正量が設定されていないと判定されると、ステップS370へ進む。
ステップS340において、制御装置100は、ストロークエンド状態フラグFの情報及びストロークエンドの状態にある油圧シリンダに対応するフロント部材(すなわち、回動限界の状態にあるフロント部材)の部材名の情報を取得し、それらの情報に基づいて、未設定部材とその先端側で連結される先端側の部材とを接続する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否か、すなわち未設定部材の先端側の部材が回動限界の状態にあるか否かを判定する。この判定処理(S340)は、未設定部材の先端側の部材が、その基端側で連結される基端側の部材に対して回動限界の状態にあるか否かを判定する処理、換言すれば、未設定部材がその先端側で連結される先端側の部材に対して回動限界の状態にあるか否かを判定する処理といえる。ステップS340において、未設定部材の先端側の部材が回動限界の状態にあると判定されると、すなわち未設定部材がその先端側で連結される先端側の部材に対して回動限界の状態にあると判定されるとステップS350へ進む。また、別の言い方をすれば、ステップS340において、未設定部材とその先端側で連結される先端側の部材とを接続する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されるとステップS350へ進む。ステップS340において、未設定部材の先端側の部材は回動限界の状態にないと判定されると、すなわち未設定部材はその先端側で連結される先端側の部材に対して回動限界の状態にないと判定されると、ステップS370へ進む。また、別の言い方をすれば、ステップS340において、未設定部材とその先端側で連結される先端側の部材とを接続する油圧シリンダがストロークエンドの状態にないと判定されるとステップS370へ進む。
ステップS350において、制御装置100は、未設定部材に取り付けられている新しいIMU50の対地角度θgi(k)と、未設定部材の先端側の部材の対地角度θg(k+1)と、記憶装置120に記憶されている未設定部材とその先端側の部材との相対角度θr(k+1)と、に基づき、式(3a)によって、未設定部材に取り付けられている新しいIMU50に対する補正量θc(k)を演算する。そして、制御装置100は、演算した補正量θc(k)を記憶装置120に記憶し、ステップS360へ進む。
ステップS360において、制御装置100は、表示装置18の表示画面に表示されている表示画像のうち、ステップS350で補正量が設定された部材の先端側の部材に対する操作指示の表示画像を非表示化し、ステップS370へ進む。
また、ループ処理では、ステップS335において、制御装置100は、未設定部材の基端側の部材のIMU50に対する補正量が設定されているか否かを判定する。ステップS335において、未設定部材の基端側の部材のIMU50に対する補正量が設定されていると判定されると、ステップS345へ進み、未設定部材の基端側の部材のIMU50に対する補正量が設定されていないと判定されると、ステップS370へ進む。
ステップS345において、制御装置100は、ストロークエンド状態フラグFの情報及びストロークエンドの状態にある油圧シリンダに対応するフロント部材(すなわち、回動限界の状態にあるフロント部材)の部材名の情報を取得し、それらの情報に基づいて、未設定部材がその基端側で連結される基端側の部材に対して回動限界の状態にあるか否か、すなわち未設定部材とその基端側で連結される基端側の部材とを接続する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否かを判定する。ステップS345において、未設定部材が回動限界の状態にあると判定されると、すなわち未設定部材とその基端側で連結される基端側の部材とを接続する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、ステップS355へ進む。ステップS345において、未設定部材は回動限界の状態にないと判定されると、すなわち未設定部材とその基端側で連結される基端側の部材とを接続する油圧シリンダがストロークエンドの状態にないと判定されると、ステップS370へ進む。
ステップS355において、制御装置100は、未設定部材に取り付けられている新しいIMU50の対地角度θgi(k)と、未設定部材の基端側の部材の対地角度θg(k−1)と、記憶装置120に記憶されいている未設定部材とその未設定部材の基端側の部材との相対角度θr(k)と、に基づき、式(3)によって、未設定部材に取り付けられている新しいIMU50に対する補正量θc(k)を演算する。そして、制御装置100は、演算した補正量θc(k)を記憶装置120に記憶し、ステップS365へ進む。
ステップS365において、制御装置100は、表示装置18の表示画面に表示されている表示画像のうち、ステップS355で補正量が設定された部材に対する操作指示の表示画像を非表示化し、ステップS370へ進む。
上記実施形態では、オペレータは、補正量の設定作業(キャリブレーション作業)において、制御装置100は、基端側のフロント部材から先端側に向かって順番に補正量を設定する処理を実行していたのに対し(図17及び図18参照)、本変形例1では、補正量の設定順序の自由度が向上する。例えば、ブームIMU50a及びアームIMU50bが交換された場合について説明する。
この場合、表示装置18の表示画面には、ブーム11を回動限界まで操作させる操作指示、アーム12を回動限界まで操作させる操作指示及びバケット13を回動限界まで操作させる操作指示を表す表示画像が表示される(ステップS310)。
そして、オペレータは、次の4パターンの操作手順により、補正量θc(1),θc(2)を設定することができる。
第1の操作手順のパターンは、以下のとおりである。オペレータは、バケット13を回動限界まで操作することにより、アームIMU50bに対する補正量θc(2)を設定し(S330でY→S340でY→S350)、次に、アーム12を回動限界まで操作することにより、ブームIMU50aに対する補正量θc(1)を設定する(S330でY→S340でY→S350)ことができる。
第2の操作手順のパターンは、以下のとおりである。オペレータは、ブーム11を回動限界まで操作することにより、ブームIMU50aに対する補正量θc(1)を設定し(S335でY→S345でY→S355)、次に、アーム12を回動限界まで操作することにより、アームIMU50bに対する補正量θc(2)を設定する(S335でY→S345でY→S355)ことができる。
第3の操作手順のパターンは、以下のとおりである。オペレータは、ブーム11を回動限界まで操作することにより、ブームIMU50aに対する補正量θc(1)を設定し(S335でY→S345でY→S355)、次に、バケット13を回動限界まで操作することにより、アームIMU50bに対する補正量θc(2)を設定する(S330でY→S340でY→S350)ことができる。
第4の操作手順のパターンは、以下のとおりである。オペレータは、バケット13を回動限界まで操作することにより、アームIMU50bに対する補正量θc(2)を設定し(S330でY→S340でY→S350)、次に、ブーム11を回動限界まで操作することにより、ブームIMU50aに対する補正量θc(1)を設定する(S335でY→S345でY→S355)ことができる。
このように、本変形例1に係る制御装置100は、姿勢センサ(IMU50)が交換されたとして特定されたフロント部材とその基端側で連結される基端側の部材とを接続する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、特定されたフロント部材に取り付けられた姿勢センサ(IMU50)の出力信号から得られる角度情報である未補正の対地角度θgi(k)と、特定されたフロント部材の基端側で回動限界の状態で連結される基端側の部材の対地角度θg(k−1)と、記憶装置120に記憶されている特定されたフロント部材と特定されたフロント部材の基端側で回動限界の状態で連結される基端側の部材との相対角度θr(k)と、に基づいて、未補正の対地角度を補正するための補正量θc(k)を演算する。また、制御装置100は、姿勢センサ(IMU50)が交換されたとして特定されたフロント部材とその先端側で連結される先端側の部材とを接続する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、特定されたフロント部材に取り付けられた姿勢センサ(IMU50)の出力信号から得られる角度情報である未補正の対地角度θgi(k)と、特定されたフロント部材の先端側で回動限界の状態で連結される先端側の部材の対地角度θg(k+1)と、記憶装置120に記憶されている特定されたフロント部材と特定されたフロント部材の先端側で回動限界の状態で連結される先端側の部材との相対角度θr(k+1)と、に基づいて、未補正の対地角度を補正するための補正量θc(k)を演算する。したがって、本変形例1によれば、キャリブレーション作業における操作の自由度を向上することができる。
<変形例2>
なお、制御装置100は、姿勢センサ(IMU50)が交換されたとして特定されたフロント部材とその基端側で連結される基端側の部材とを接続する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されたときに、特定されたフロント部材に取り付けられた姿勢センサ(IMU50)の出力信号から得られる角度情報である未補正の対地角度θgi(k)と、特定されたフロント部材の基端側で回動限界の状態で連結される基端側の部材の対地角度θg(k−1)と、記憶装置120に記憶されている特定されたフロント部材と特定されたフロント部材の基端側で回動限界の状態で連結される基端側の部材との相対角度θr(k)と、に基づいて、未補正の対地角度を補正するための補正量θc(k)を演算しないようにしてもよい。この場合、制御装置100は、姿勢センサ(IMU50)が交換されたとして特定されたフロント部材とその先端側で連結される先端側の部材とを接続する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、特定されたフロント部材に取り付けられた姿勢センサ(IMU50)の出力信号から得られる角度情報である未補正の対地角度θgi(k)と、特定されたフロント部材の先端側で回動限界の状態で連結される先端側の部材の対地角度θg(k+1)と、記憶装置120に記憶されている特定されたフロント部材と特定されたフロント部材の先端側で回動限界の状態で連結される先端側の部材との相対角度θr(k+1)と、に基づいて、未補正の対地角度を補正するための補正量θc(k)を演算する。
<変形例3>
上記実施形態では、フロント部材を駆動する油圧シリンダのシリンダ圧力に基づいて、その油圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否か(すなわち、フロント部材が回動限界の状態にあるか否か)を判定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。IMU50等の姿勢センサの検出結果に基づいて、油圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否かを判定してもよい。この場合、制御装置100は、フロント部材を操作しているにもかかわらず、そのフロント部材に取り付けられているIMU50により検出される姿勢情報に変化がない場合に、そのフロント部材を駆動する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定する。また、油圧シリンダのストロークをストロークセンサにより検出し、その検出結果に基づいて油圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否かを判定してもよい。さらに、フロント部材またはフロント部材を駆動する油圧シリンダにリミットスイッチを設け、リミットスイッチの検出結果に基づいて油圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否かを判定してもよい。
<変形例4>
上記実施形態では、制御装置100が、フロント部材を駆動する油圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否かを判定し、油圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、ストロークエンドの状態にあると判定された油圧シリンダに対応するフロント部材の相対角度θr(k)を記憶装置120に記憶する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、製造工場において測量により得られた相対角度θr(k)を記憶装置120に記憶させておいてもよい。この場合においても、現場等でフロントIMU50Uを交換した際に、キャリブレーション作業に要する時間を短縮することができる。
なお、上記実施形態で説明したように、IMU50の補正量が全て既知であるときに、ストロークエンドの状態の油圧シリンダに対応するフロント部材の相対角度θr(k)を演算し、記憶できる構成とすることにより、製造工場での測量作業を省略または簡略化でき、製造工数の低減を図ることができるため、好適である。
<変形例5>
上記第1実施形態では、フロント部材の対地角度を取得するための対地角センサとして、IMU50を設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。IMU50に代えて、振り子式の傾斜角センサを設けてもよい。
<変形例6>
上記実施形態では、フロント作業装置10が、ブーム11、アーム12及びバケット13で構成される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。作業装置の構造、関節の数等は、任意に構成することができる。例えば、バケット13の代わりに油圧で開閉して物体を把持するグラップルを装備してもよい。
<変形例7>
上記実施形態では、作業機械がクローラ式の油圧ショベル1である場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。ホイール式の油圧ショベル等、多関節式の作業装置を備える種々の作業機械に本発明を適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1,201・・・油圧ショベル(作業機械)、8・・・旋回フレーム(ベース部材)、10・・・フロント作業装置(作業装置)、11・・・ブーム(フロント部材)、11a・・・ブームシリンダ(流体圧シリンダ)、12・・・アーム(フロント部材)、12a・・・アームシリンダ(流体圧シリンダ)、13・・・バケット(フロント部材)、13a・・・バケットシリンダ(流体圧シリンダ)、50・・・IMU(姿勢センサ)、100,200・・・制御装置、120・・・記憶装置、250・・・回転角センサ(姿勢センサ)、θc・・・補正量、θg・・・対地角度、θgi・・・対地角度(未補正の対地角度)、θr・・・相対角度、θru・・・回転角度(未補正の回転角度)

Claims (5)

  1. 回動可能に連結される複数のフロント部材及び前記フロント部材を駆動する複数の流体圧シリンダを有する多関節型の作業装置と、前記作業装置が回動可能に連結されるベース部材と、前記複数のフロント部材のそれぞれに取り付けられ前記複数のフロント部材のそれぞれの姿勢に関する情報を取得する複数の姿勢センサと、情報が記憶される記憶装置と、作業機械を制御する制御装置と、を備えた作業機械において、
    前記記憶装置には、前記流体圧シリンダがストロークエンドの状態における、前記流体圧シリンダに対応する前記フロント部材の相対角度が記憶され、
    前記制御装置は、
    前記姿勢センサが交換されたか否かを判定し、
    前記姿勢センサが交換されたと判定された場合、前記交換されたと判定された前記姿勢センサが取り付けられているフロント部材を特定し、
    前記特定されたフロント部材に対応する前記流体圧シリンダがストロークエンドの状態にあるか否かを判定し、
    前記特定されたフロント部材に対応する前記流体圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、前記特定されたフロント部材に取り付けられた前記姿勢センサの出力信号から得られる角度情報と、前記記憶装置に記憶されている前記特定されたフロント部材の相対角度と、に基づいて、前記角度情報を補正するための補正量を演算する、
    ことを特徴とする作業機械。
  2. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記制御装置は、
    前記フロント部材の相対角度を演算し、
    前記流体圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、その流体圧シリンダに対応する前記フロント部材の相対角度を前記記憶装置に記憶する、
    ことを特徴とする作業機械。
  3. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記姿勢センサは、フロント部材の対地角度を取得するための対地角センサであり、
    前記制御装置は、
    前記特定されたフロント部材に対応する前記流体圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、前記特定されたフロント部材に取り付けられた前記姿勢センサの出力信号から得られる角度情報である未補正の対地角度と、前記特定されたフロント部材が連結される部材の対地角度と、前記記憶装置に記憶されている前記特定されたフロント部材の相対角度と、に基づいて、前記未補正の対地角度を補正するための補正量を演算する
    ことを特徴とする作業機械。
  4. 請求項3に記載の作業機械において、
    前記制御装置は、
    前記特定されたフロント部材とその基端側で連結される基端側の部材とを接続する前記流体圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、前記特定されたフロント部材に取り付けられた前記姿勢センサの出力信号から得られる角度情報である未補正の対地角度と、前記基端側の部材の対地角度と、前記記憶装置に記憶されている前記特定されたフロント部材と前記基端側の部材との相対角度と、に基づいて、前記未補正の対地角度を補正するための補正量を演算し、
    前記特定されたフロント部材とその先端側で連結される先端側の部材とを接続する前記流体圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、前記特定されたフロント部材に取り付けられた前記姿勢センサの出力信号から得られる角度情報である未補正の対地角度と、前記先端側の部材の対地角度と、前記記憶装置に記憶されている前記特定されたフロント部材と前記先端側の部材との相対角度と、に基づいて、前記未補正の対地角度を補正するための補正量を演算する、
    ことを特徴とする作業機械。
  5. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記姿勢センサは、前記フロント部材の回転角度を取得するための回転角センサであり、
    前記制御装置は、
    前記特定されたフロント部材に対応する前記流体圧シリンダがストロークエンドの状態にあると判定されると、前記特定されたフロント部材に取り付けられた前記姿勢センサの出力信号から得られる角度情報である未補正の回転角度と、前記記憶装置に記憶されている前記特定されたフロント部材の相対角度と、の差を、前記未補正の回転角度を補正するための補正量として設定する、
    ことを特徴とする作業機械。
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