JP7205992B2 - 作業機 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された旋回作業機は、旋回操作を行うためのレバーの揺動に連動して作動する警報ブザーを備えている。
本発明は、このような従来技術に鑑みて、旋回時の安全性を確保することができるとともに、旋回操作時であっても警報が不要である作業中には警報が行われることを防ぐことができる作業機の提供を目的とする。
図5~図7は、本発明に係る作業機1の一実施形態を示す概略図であり、旋回作業機であるバックホーが例示されている。
作業機1は、機体(旋回台)2、キャビン3、走行装置4、作業装置5を備えている。以下、本実施形態において、作業機1の運転席7に着座した運転者(オペレータ)の前側
(図5の左側)を前方、運転者の後側(図5の右側)を後方、運転者の左側(図5の手前側)を左方、運転者の右側(図5の奥側)を右方として説明する。
機体2の前部には支持ブラケット14が設けられている。支持ブラケット14には、スイングブラケット15が枢支されている。スイングブラケット15は、旋回基板11に取り付けられたスイングシリンダ19の駆動により、縦軸回りに揺動可能となっている。
ブーム8の基端部は、スイングブラケット15に対して第1横軸21回りに揺動可能に枢支されている。スイングブラケット15とブーム8との間にはブームシリンダ16が設けられている。ブーム8は、ブームシリンダ16の伸縮により、第1横軸21回りに上下に揺動する。アーム9の基端部は、ブーム8の先端に対して第2横軸22回りに揺動可能に枢支されている。ブーム8とアーム9との間にはアームシリンダ17が設けられている。アーム9は、アームシリンダ17の伸縮により、第2横軸22回りに上下に揺動する。
(警報システム)
作業機1は、機体2の旋回時等に周囲に注意を喚起するための警報システム40を備えている。
。
以下、第1検知装置41、第2検知装置42、警報装置43、制御装置44、切換装置45、登録装置46、第3検知装置47について説明する。
(第1検知装置)
第1検知装置41は、機体2の旋回操作を検知する検知装置である。
第1検知装置41は、例えば、圧力検知スイッチ(圧力検知式のスイッチ)である。圧力検知スイッチである第1検知装置41は、機体2の旋回を制御するコントロールバルブCVに搭載された検知ポートから圧力を検出し、旋回レバーが操作されたときに、検知ポートから検出した圧力が所定値を超えて接点(スイッチ)が閉じることにより、機体2の旋回操作を検知する。
第2検知装置42は、対地作業具10の所定部分の高さを検知する検知装置である。
第1実施形態の第2検知装置42は、揺動体であるブーム8やアーム9等に取り付けられたポテンショメータと、ポテンショメータの検知値に基づいて対地作業具10の高さを算出する演算装置を有している。
対地作業具10の先端10aとは、枢軸23から最も離れた対地作業具10の端部である。例えば、対地作業具がバケットである場合は、バケット爪の先端である。
検知具42aは、例えば、スイングブラケット15に対するブーム8の回転角度を検知するポテンショメータと、ブーム8に対するアーム9の回転角度を検知するポテンショメータとを含む。
また、第2実施形態の第2検知装置42の変更例として、第2検知装置42は、対地作業具10の所定部分の高さとして対地作業具10の姿勢を考慮して対地作業具10の最も低い部位の高さを検知する構成としてもよい。この場合、第2検知装置42は、上述した第1実施形態の第2検知装置42が対地作業具10の枢軸23の高さを算出するために使用した値に加えて、検知具42aにより検知された枢軸位置と、アーム9に対する対地作業具10の枢軸23回りの回転角度と、対地作業具10の形状に基づいて、対地作業具10の最も低い部位の高さを検知する。
(第3検知装置)
第3検知装置47は、機体2の走行操作を検知する装置である。第3検知装置47は、走行装置4の駆動操作を検知することによって機体2の走行操作を検知する。
第3検知装置47は、例えば、磁石検知スイッチ(磁石検知式のスイッチ)である。磁石検知スイッチである第3検知装置47は、走行レバーのストローク(傾き)によりセンサが磁石からの磁気を感知して接点(スイッチ)が閉じることより、機体2の走行操作(走行装置4の駆動操作)を検知する。
(警報装置)
警報装置43は、警告音を発生可能な装置である。
第1警告音は、旋回操作が行われたことを報知する旋回警告音である。第2警告音は、走行操作が行われたことを報知する走行警告音である。
また、警報装置43は、3つ以上の異なる警告音を発生可能であってもよい。
さらに、警報装置43は、上述した警告音を発生させる装置と、光により警告を行う回転灯等の発光装置やディスプレイ等に警告の表示を行う表示装置等とを組み合わせた装置
であってもよい。
(切換装置)
切換装置45は、警報装置43を、当該警報装置43が旋回警告音を発生可能なオン状態と、旋回警告音を発生不能なオフ状態とに切り換える装置である。切換装置45の切り換えは、制御装置44により実行することができる。切換装置45は、例えば、ハーネスとリレーを使ったループ回路等である。また、作業機1に搭載されるECU(Electronic
Control Unit)を切換装置45として使用することもできる。
(登録装置)
登録装置46は、対地作業具10の形状(大きさを含む)を登録する装置である。
対地作業具10の形状は、少なくとも対地作業具10における枢軸23から先端10aまでの距離を含んでいることが好ましい。より好ましくは、対地作業具10の全体形状が3次元の形状データとして登録装置46に登録される。
(制御装置)
制御装置44は、第1検知装置41により旋回操作が検知され且つ第2検知装置42により検知された対地作業具10の高さが地表面以下の所定高さより高いときに警報装置43を作動して警告音を発生させる一方、第1検知装置41により旋回操作が検知された場合であっても第2検知装置42により検知された高さが所定高さ以下である場合は旋回警告音を発生させない第1旋回警告機能を有している。
図2(a)は、対地作業具10の高さが地表面GLより高い場合の一例を示している。この場合、第2検知装置42により検知される対地作業具10の高さ(対地作業具10の枢軸23又は先端10aの高さ)は、地表面GLより高い。そのため、制御装置44は、図2(a)に示す状態において第1検知装置41により機体2の旋回操作が検知されたとき、警報装置43を作動して警告音を発生させる。これにより、周囲の作業者に注意喚起がなされ、対地作業具10が周囲の作業者に接触する等の危険を回避することができる。
また、制御装置44は、第1検知装置41により旋回操作が検知され且つ第2検知装置42により検知された対地作業具10の高さが地表面より高いときに第1警告音(旋回警告音)を発生させ、第3検知装置47により走行操作が検知されたときに第2警告音(走行警告音)を発生させるように、警報装置43を制御することができる。この場合、周囲の作業者は、警告音の違いによって機体2が旋回操作されたのか機体2が走行操作された
のかを把握することができるため、安全性がより向上する。
また、制御装置44は、警報装置43がオフ状態において原動機20の駆動が停止した場合、原動機20を再駆動したときに切換装置45を作動して警報装置43をオン状態に切り換える制御を行うことが好ましい。この場合、作業機1のオペレータが警報装置43をオフ状態として原動機20の駆動を停止した場合でも、原動機20を再駆動して作業を再開するときには警報装置43がオン状態となる。そのため、例えば、作業機1のオペレータが警報装置43をオフ状態として原動機20の駆動を停止した後、交代した別のオペレータが警報装置43がオフ状態となっていることに気付かずに旋回操作を行ってしまい、周囲の作業者に危険が及ぶことを防止できる。
(第1実施形態の警報システムの動作)
図3は、第1実施形態の警報システム40の処理動作を示すフローチャートである。
警報装置43が切換装置45によりオン状態に切り換えられると、制御装置44による制御の実行が開始される(S1-1)。
第2検知装置42は、第2検知装置42が検知したスイングブラケット15に対するブーム8の回転角度及びブーム8に対するアーム9の回転角度と、ブーム8の長さ、アーム9の長さ、第1横軸21と作業機1の走行装置4の底面との距離(高さ)に基づき、対地作業具10の所定部分の高さとして、対地作業具10の枢軸23の高さを算出する(S1-2)。
また、第2検知装置42により検知された対地作業具10の枢軸23の高さが地表面以下の所定高さより高いときであっても、第1検知装置41により旋回操作が検知されていない場合(S1-3、No)、制御装置44は、警報装置43を作動させず、旋回警告音を発生させない(S1-5)。
上記S1-4、S1-5のいずれかのステップに制御処理が移行した後、制御装置44は、警報装置43がオン状態か否かを判定する(S1-6)。警報装置43がオン状態である場合(S1-6、Yes)、上記S1-2に戻って警報装置43の制御を続行する。一方、切換装置45によって警報装置43がオフ状態に切り換わっていた場合(S1-6、No)、制御装置44は警報装置43の制御を終了する。
上述した第1実施形態の警報システム40によれば、第2検知装置42が対地作業具10の所定部分の高さとして対地作業具10の枢軸23の高さを算出するため、対地作業具
10の概略高さを対地作業具10の大きさや形状と関係なく算出することができる。そのため、対地作業具10が地表面より高い位置にあるか否かを複雑な計算を必要とせずに簡単に判定することができる。
(第2実施形態の警報システムの動作)
図4は、第2実施形態の警報システム40の処理動作を示すフローチャートである。
警報装置43が切換装置45によりオン状態に切り換えられると、制御装置44による制御の実行が開始される(S2-1)。
第2検知装置42は、第2検知装置42(検知具42aを含む)が検知したスイングブラケット15に対するブーム8の回転角度及びブーム8に対するアーム9の回転角度と、ブーム8の長さ、アーム9の長さ、第1横軸21と作業機1の走行装置4の底面との距離(高さ)に基づき、対地作業具10の高さとしての対地作業具10の枢軸23の位置(枢軸位置)を算出する(S2-2)。また、第2検知装置42は、算出された枢軸位置と、アーム9に対する対地作業具10の枢軸23回りの回転角度と、登録装置46に登録された対地作業具10の形状に基づいて、対地作業具10の先端10aの高さを算出する(S2-3)。
また、第2検知装置42により検知された対地作業具10の先端10aの高さが地表面以下の所定高さより高いときであっても、第1検知装置41により旋回操作が検知されていない場合(S2-4、No)も、制御装置44は、警報装置43を作動させず、旋回警告音を発生させない(S2-6)。
上記S2-5、S2-6のいずれかのステップに制御処理が移行した後、制御装置44は、警報装置43がオン状態か否かを判定する(S2-7)。警報装置43がオン状態である場合(S2-7、Yes)、上記S2-2に戻って警報装置43の制御を続行する。一方、切換装置45によって警報装置43がオフ状態に切り換わっていた場合(S2-7、No)、制御装置44は警報装置43の制御を終了する。
上述した第2実施形態の警報システム40によれば、第2検知装置42が対地作業具10の所定部分の高さとして対地作業具10の先端10aの高さを算出するため、対地作業具10が地表面より高い位置にあるか否かを精度良く判定することができる。
(変更例)
上記実施形態では、第2検知装置42が対地作業具10の高さを算出する演算を行う演算装置を備えている構成について説明したが、第2検知装置42の代わりに制御装置44が対地作業具10の高さを算出する演算を行う演算装置を備えている構成としてもよい。
また、制御装置44は、第1検知装置41により旋回操作が検知された場合に、第2検知装置42の検知結果にかかわらず旋回警告音を発生させる第2旋回警告機能を有していてもよい。この場合、制御装置44が、第1検知装置41により旋回操作が検知され且つ第2検知装置42により検知された高さが地表面以下の所定高さより高いときに、旋回警告音を発生させる一方、第1検知装置41により旋回操作が検知された場合であっても第2検知装置42により検知された高さが所定高さ以下である場合は旋回警告音を発生させない第1旋回警告機能と、第1検知装置41により旋回操作が検知された場合に、第2検知装置42の検知結果にかかわらず旋回警告音を発生させる第2旋回警告機能とをオペレータの指示(操作)に応じて切り換え可能な構成としてもよい。また、その場合、制御装置44が、原動機20の再起動時に、常に第2状態に切り換えるようにしてもよく、第1状態及び第2状態のうち前回の原動機の停止時に選択されていた状態を維持するようにしてもよい。
2 機体
4 走行装置
8 揺動体(ブーム)
9 揺動体(アーム)
10 対地作業具
10a 対地作業具の先端
20 原動機
23 対地作業具の枢軸
41 第1検知装置
42 第2検知装置
43 警報装置
44 制御装置
45 切換装置
46 登録装置
47 第3検知装置
Claims (8)
- 上下方向に延伸する旋回軸心回りに旋回可能な機体と、
前記機体に取り付けられ且つ上下方向に揺動可能な揺動体と、
前記揺動体の先端に取り付けられた対地作業具と、
前記機体の旋回操作を検知する第1検知装置と、
前記対地作業具の所定部分の高さを検知する第2検知装置と、
旋回操作が行われたことを周囲の作業者に報知するための旋回警告音を発生可能な警報装置と、
前記警報装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記第1検知装置により旋回操作が検知され且つ前記第2検知装置により検知された高さが地表面以下の所定高さより高いときに前記旋回警告音を発生させる一方、前記第1検知装置により旋回操作が検知された場合であっても前記第2検知装置により検知された高さが前記所定高さ以下である場合は前記旋回警告音を発生させない第1旋回警告機能を有している作業機。 - 上下方向に延伸する旋回軸心回りに旋回可能な機体と、
前記機体に取り付けられ且つ上下方向に揺動可能な揺動体と、
前記揺動体の先端に取り付けられた対地作業具と、
前記機体の旋回操作を検知する第1検知装置と、
前記対地作業具の所定部分の高さを検知する第2検知装置と、
旋回警告音を発生可能な警報装置と、
前記警報装置を制御する制御装置と、
前記機体に搭載された原動機と、
を備え、
前記制御装置は、
前記第1検知装置により旋回操作が検知され且つ前記第2検知装置により検知された高さが地表面以下の所定高さより高いときに旋回警告音を発生させる一方、前記第1検知装置により旋回操作が検知された場合であっても前記第2検知装置により検知された高さが前記所定高さ以下である場合は旋回警告音を発生させない第1旋回警告機能を有し、
さらに前記制御装置は、
オペレータの指示に応じて旋回警告音を発生可能なオン状態と旋回警告音を発生不能なオフ状態とに前記警報装置を切り換え可能であり、且つ、
前記原動機の起動時に前記警報装置をオン状態に切り換える作業機。 - 前記揺動体は、前記機体に取り付けられたブームと、前記ブームの先端に取り付けられたアームとを有し、
前記対地作業具は、前記アームの先端に枢軸を介して揺動可能に取り付けられ、
前記第2検知装置は、前記対地作業具の前記所定部分の高さとして前記枢軸の高さを検知する請求項1又は2に記載の作業機。 - 前記第2検知装置は、前記対地作業具の前記所定部分の高さとして前記対地作業具の先端の高さを検知する請求項1又は2に記載の作業機。
- 前記対地作業具の形状を登録する登録装置を備え、
前記揺動体は、前記機体に取り付けられたブームと、前記ブームの先端に取り付けられたアームとを有し、
前記対地作業具は、前記アームの先端に枢軸を介して揺動可能に取り付けられ、
前記第2検知装置は、前記対地作業具の枢軸位置を検知する検知具を有するとともに、当該検知具により検知された前記枢軸位置と、前記枢軸回りにおける前記アームに対する前記対地作業具の回転角度と、前記登録装置に登録された形状に基づいて前記対地作業具の先端の高さを検知する請求項4に記載の作業機。 - 前記機体に設けられた走行装置と、
前記走行装置の走行操作を検知する第3検知装置と、
を備え、
前記警報装置は、旋回警告音と走行警告音とを発生可能であり、
前記制御装置は、前記第3検知装置により走行操作が検知されたときに前記走行警告音を発生させるように、前記警報装置を制御する請求項1~5のいずれか1項に記載の作業機。 - 上下方向に延伸する旋回軸心回りに旋回可能な機体と、
前記機体に取り付けられ且つ上下方向に揺動可能な揺動体と、
前記揺動体の先端に取り付けられた対地作業具と、
前記機体の旋回操作を検知する第1検知装置と、
前記対地作業具の所定部分の高さを検知する第2検知装置と、
旋回警告音を発生可能な警報装置と、
前記警報装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記第1検知装置により旋回操作が検知され且つ前記第2検知装置により検知された高さが地表面以下の所定高さより高いときに旋回警告音を発生させる一方、前記第1検知装置により旋回操作が検知された場合であっても前記第2検知装置により検知された高さが前記所定高さ以下である場合は旋回警告音を発生させない第1旋回警告機能と、
前記第1検知装置により旋回操作が検知された場合に、前記第2検知装置の検知結果にかかわらず旋回警告音を発生させる第2旋回警告機能と、を有し、
前記第1旋回警告機能を実行する第1状態と前記第2旋回警告機能を実行する第2状態とをオペレータの指示に応じて切り換える作業機。 - 前記機体に搭載された原動機を備え、
前記制御装置は、前記原動機の起動時に前記第2状態に切り換える請求項7に記載の作
業機。
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