JP7233338B2 - ろ過膜の洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ろ過膜の洗浄方法に関するものである。
一般に、上水処理システム、下水処理システム、工業用水処理システム、排水処理システム、海水淡水化システムなどの各種水処理システムにおいて被処理水中の汚濁物質を分離除去する方法として、膜ろ過を用いた水処理方法が知られている。
ここで、膜ろ過を用いた水処理方法では、ろ過の継続に伴い、被処理水中の汚濁物質等がろ過膜に付着してろ過膜の目詰まりが生じ、ろ過性能が低下するため、定期的にろ過膜を逆流洗浄(以下、「逆洗」と称することがある。)して目詰まりを解消する必要がある。
そこで、例えば特許文献1,2では、被処理水の流量および濁度を用いて流入濁度負荷量を算出し、算出した流入濁度負荷量に基づいてろ過膜の逆洗を開始するタイミングを決定する技術が提案されている。
また、例えば特許文献3では、ろ過時の膜差圧の測定値に応じて、洗浄時間や逆洗に用いる洗浄水の操作圧力を制御する技術が提案されている。
特開2003-126855号公報 特開2007-245084号公報 特開平11-19485号公報
しかし、上記従来の技術では、ろ過膜の洗浄不足が生じることがあり、ろ過膜の洗浄が不足した場合には、目詰まりを十分に解消することができず、膜差圧が十分に回復しなかったり、ろ過の再開後に膜差圧が短期間で上昇してろ過の継続が困難になったりすることがあった。
そこで、本発明は、ろ過膜を不足なく効果的に逆洗する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行なった。そして、本発明者は、ろ過中にろ過膜に流入した懸濁物質(SS:Suspended Solids)の量と、ろ過中の差圧(=被処理水側(一次側)にかかる圧力-ろ過水側(二次側)にかかる圧力)の最大値と、最適な逆洗圧力との間に所定の関係が成立することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のろ過膜の洗浄方法は、被処理水をろ過した後のろ過膜を逆流洗浄するろ過膜の洗浄方法であって、ろ過中にろ過膜に流入した懸濁物質の量およびろ過中の差圧の最大値を求める工程(A)と、前記工程(A)で求めた前記懸濁物質の量および前記差圧の最大値を用いて最適逆洗圧力を決定する工程(B)と、前記工程(B)で決定した前記最適逆洗圧力以上の圧力でろ過膜を逆流洗浄する工程(C)とを含むことを特徴とする。このように、懸濁物質の量および差圧の最大値を用いて決定した最適逆洗圧力以上の圧力でろ過膜を逆洗すれば、ろ過膜を不足なく効果的に逆洗することができる。
ここで、本発明のろ過膜の洗浄方法では、ろ過中にろ過膜に流入した懸濁物質の量と、最適逆洗圧力をろ過中の差圧の最大値で除した値である圧力比との関係を予め求めておき、前記工程(B)では、前記関係を用いて前記工程(A)で求めた前記懸濁物質の量から圧力比を求めた後、前記工程(A)で求めた前記差圧の最大値と前記圧力比とから前記最適逆洗圧力を決定することが好ましい。このように、予め求めておいた懸濁物質の量と圧力比(=最適逆洗圧力/差圧の最大値)との関係を用いれば、最適逆洗圧力を容易に決定することができる。
また、本発明のろ過膜の洗浄方法は、前記ろ過膜の孔径が0.1μm以上1μm以下であることが好ましい。
なお、本発明において、ろ過膜の孔径は、AMST F316-86に準拠して測定することができる。
更に、本発明のろ過膜の洗浄方法は、前記最適逆洗圧力が、所定量の洗浄水を用いてろ過膜を逆流洗浄した際に洗浄排水中に含まれている懸濁物質の量とろ過中にろ過膜に流入した懸濁物質の量とが等しくなる圧力であることが好ましい。このように、洗浄排水中に含まれている懸濁物質の量とろ過中にろ過膜に流入した懸濁物質の量とが等しくなる圧力を最適逆洗圧力とすれば、ろ過膜を十分に効果的に洗浄することができる。
なお、「所定量」とは、ろ過膜を逆流洗浄する際に使用する量であり、被処理水の量と、所望の水回収率とに基づき定めることができる。
そして、本発明のろ過膜の洗浄方法では、ろ過膜に流入した懸濁物質の量および差圧の値を前記被処理水のろ過中に連続的に測定し、前記ろ過膜の逆流洗浄に用いる装置がろ過膜に負荷可能な最大圧力を前記最適逆洗圧力が超える前に逆流洗浄を開始することが好ましい。逆洗を開始するタイミングを、ろ過膜の逆洗に用いる装置がろ過膜に負荷可能な最大圧力を最適逆洗圧力が超える前にすれば、ろ過膜を十分に効果的に逆洗することができる。
本発明によれば、ろ過膜を不足なく効果的に逆洗することができる。
ろ過膜に流入した懸濁物質の量と圧力比との関係の一例を示すグラフである。 実施例および比較例の洗浄効果の違いを示すグラフである。 本発明のろ過膜の洗浄方法を用いてろ過膜を洗浄し得るろ過システムの一例の概略構成を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。
ここで、本発明のろ過膜の洗浄方法は、特に限定されることなく、上水処理システム、下水処理システム、工業用水処理システム、排水処理システム、海水淡水化システムなどの各種水処理システムにおいて用いられているろ過膜を逆流洗浄する際に用いることができる。
具体的には、本発明のろ過膜の洗浄方法は、例えば図3に示すようなろ過システム100に用いられているろ過膜31を不足なく効果的に逆洗する際に用いることができる。ここで、図3に示すろ過システム100は、懸濁物質を含む被処理水のろ過と、ろ過膜31の洗浄とを交互に繰り返して実施するものであり、被処理水を貯留する被処理水タンク10と、ろ過膜31を備えるろ過器30と、被処理水タンク10とろ過器30とを接続する被処理水ライン20と、被処理水をろ過膜31でろ過して得たろ過水がろ過器30から流出するろ過水ライン40とを備えている。また、被処理水ライン20には、被処理水タンク10からろ過器30へと被処理水を送出するポンプ21と、第1の弁22と、流量計23と、第1の圧力計24とが設けられており、ろ過水ライン40には、第2の圧力計41と、第2の弁42と、図示しない逆洗用設備とが設けられている。更に、被処理水ライン20からは、第3の弁61を備える排水ライン60が分岐して延びている。そして、ろ過システム100では、第1の弁22および第2の弁42を開き、第3の弁61を閉じた状態で被処理水をろ過することができる。また、ろ過システム100では、第1の弁22、第2の弁42および第3の弁61を開いた状態で、本発明のろ過膜の洗浄方法を使用し、ろ過膜31をろ過水で逆洗することができる。
なお、逆洗用設備としては、特に限定されることなく、洗浄水としてのろ過水を貯留しておく逆洗水槽と、逆洗水槽内のろ過水を圧縮空気などの加圧気体で加圧する加圧装置とを備え、逆洗時には加圧気体で加圧したろ過水をろ過膜へと送る気体加圧式の逆洗用設備や、逆洗ポンプを用いることができる。
そして、本発明のろ過膜の洗浄方法は、ろ過中(ろ過の開始(または再開)から洗浄開始までの間)にろ過膜に流入した懸濁物質の量(以下、「SS負荷量」と称することがある)およびろ過中の差圧の最大値(以下、「最大差圧」と称することがある。)を求める工程(A)と、工程(A)で求めたSS負荷量および最大差圧を用いて最適逆洗圧力を決定する工程(B)と、工程(B)で決定した最適逆洗圧力以上の圧力でろ過膜を逆流洗浄する工程(C)とを含むことを特徴とする。
本発明者の検討によれば、SS負荷量と、最大差圧と、最適逆洗圧力との間には、被処理水のろ過時の運転条件(例えば、ろ過流束など)に関係なく、所定の関係が成立するところ、このようにSS負荷量および最大差圧を用いて最適逆洗圧力を決定すれば、SS負荷量および最大差圧の一方のみに基づいて逆洗圧力を決定する場合や、差圧の回復割合に基づいて逆洗圧力を決定する場合と比較し、ろ過膜を不足なく効果的に逆洗することができる。
なお、本発明のろ過膜の洗浄方法を適用し得るろ過膜は、特に限定されない。中でも、ろ過時の懸濁物質の除去性能が高く、且つ、本発明の洗浄方法を適用した際に洗浄効果が顕著に表れる観点からは、ろ過膜としては、孔径が0.1μm以上1μm以下のろ過膜が好ましい。
ここで、工程(A)においてSS負荷量を求める方法としては、逆洗の直前のろ過期間中にろ過膜でろ過された被処理水の量と、被処理水中の懸濁物質の濃度とを用いる方法が挙げられる。具体的には、SS負荷量は、被処理水の流量および被処理水中の懸濁物質の濃度を連続的に測定し、測定された被処理水の流量と被処理水中の懸濁物質の濃度との乗算値を積算することにより、被処理水の流量や懸濁物質の濃度が経時変化する場合であっても正確に求めることができる。また、ろ過中に被処理水の流量および懸濁物質の濃度が殆ど変化しない場合には、SS負荷量は、被処理水の流量と、被処理水中の懸濁物質の濃度と、被処理水のろ過時間とを乗算することにより、簡便に求めることができる。
なお、懸濁物質の濃度を連続的に測定する場合、被処理水中の懸濁物質の濃度は、SS濃度計(例えば、赤外線式のSS濃度計である東亜ディーケーケー製のSSF-1600型など)を用いた測定や、濁度計で測定した濁度からの換算などの方法で求めることができる。また、懸濁物質の濃度が殆ど変化しない場合には、被処理水中の懸濁物質の濃度は、SS濃度計や濁度計を用いて測定してもよいし、「水質汚濁に関わる環境基準の付表9(環境省)」に記載の方法を用いて求めてもよい。
また、工程(A)において逆洗の直前のろ過期間中の最大差圧を求める方法としては、特に限定されることなく、ろ過膜の一次側(被処理水側)に設置した圧力計(図3では第1の圧力計24)で測定された圧力値P1と、ろ過膜の二次側(ろ過水側)に設置した圧力計(図3では第2の圧力計41)で測定された圧力値P2との差(=P1-P2)を連続的に求める方法が挙げられる。
更に、工程(B)では、工程(A)で求めたSS負荷量および最大差圧を使用し、SS負荷量と、最大差圧と、最適逆洗圧力との関係に基づき最適逆洗圧力を決定する。具体的には、工程(B)では、予備実験等により予め求めておいた、SS負荷量と、最適逆洗圧力を最大差圧で除した値である圧力比との関係を使用し、工程(A)で求めたSS負荷量から圧力比を求めた後、求められた圧力比に最大差圧を乗算することにより、最適逆洗圧力を決定することができる。本発明者の検討によれば、SS負荷量と圧力比との間には例えば図1に示すように一対一の対応関係が成立し得るところ、このようにSS負荷量と圧力比との関係を用いれば、簡便な作業で最適逆洗圧力を容易に決定することができる。
なお、工程(B)では、特に限定されることなく、SS負荷量と最大差圧との乗算値と、最適逆洗圧力との関係を予備実験等により予め求めておき、工程(A)で求めたSS負荷量および最大差圧の乗算値から最適逆洗圧力を求めてもよい。更に、工程(B)では、最大差圧と、最適逆洗圧力をSS負荷量で除した値との関係を予備実験等により予め求めておき、工程(A)で求めた最大差圧から最適逆洗圧力をSS負荷量で除した値を求めた後、求められた値にSS負荷量を乗算することにより、最適逆洗圧力を決定することができる。
ここで、工程(B)で決定する最適逆洗圧力は、ろ過膜に捕捉されている懸濁物質を十分に除去できる圧力であれば特に限定されないが、所定量の洗浄水を用いてろ過膜を逆流洗浄した際に、洗浄排水中に含まれている懸濁物質の量がろ過中にろ過膜に流入した懸濁物質の量の0.95倍以上になる圧力であることが好ましく、洗浄排水中に含まれている懸濁物質の量とろ過中にろ過膜に流入した懸濁物質の量とが等しくなる圧力であることがより好ましい。洗浄排水中に含まれている懸濁物質の量とろ過中にろ過膜に流入した懸濁物質の量とが上記関係となる圧力を最適逆洗圧力とすれば、ろ過膜を十分に効果的に洗浄することができる。
なお、洗浄排水中に含まれている懸濁物質の量は、洗浄排水の量と、洗浄排水中の懸濁物質の濃度とを測定し、それらの値を乗算することにより求めることができる。そして、洗浄排水中の懸濁物質の濃度は、SS濃度計(例えば、東亜ディーケーケー製のSSF-1600型など)や濁度計を用いて測定してもよいし、「水質汚濁に関わる環境基準の付表9(環境省)」に記載の方法を用いて求めてもよい。
そして、工程(C)では、工程(B)で決定した最適逆洗圧力以上の圧力でろ過膜を逆流洗浄する。なお、ろ過膜を逆流洗浄する際の圧力は、ろ過膜の過剰な洗浄を防止し、コストを削減すると共にろ過膜の破損を防止する観点からは、最適逆洗圧力の1.1倍以下であることが好ましく、最適逆洗圧力であることがより好ましい。
なお、本発明のろ過膜の洗浄方法を用いてろ過膜を逆流洗浄するタイミングは、特に限定されることなく、ろ過の開始(再開)から所定の時間が経過したタイミング、差圧が所定値まで上昇したタイミング、ろ過水が所定の水質になったタイミングなど、任意のタイミングとすることができる。但し、ろ過膜を逆流洗浄するタイミングは、ろ過膜の逆流洗浄に用いる装置(図3に示すろ過システム100では、図示しない逆洗用設備)がろ過膜に負荷可能な最大圧力(例えば、気体加圧式の逆洗用設備の場合には加圧気体でろ過水を加圧可能な最大圧力であり、逆洗ポンプの場合には最大吐出圧力である)を工程(B)で決定した最適逆洗圧力が超える前であることが好ましい。従って、本発明のろ過膜の洗浄方法を用いてろ過膜を逆流洗浄する場合には、ろ過膜に流入した懸濁物質の量および差圧の値を被処理水のろ過中に連続的に測定し、測定した値から当該値の測定時に本発明のろ過膜の洗浄方法に従ってろ過膜の逆洗を開始すると仮定した場合の最適逆洗圧力(仮定値)を工程(B)と同様にして求め、当該最適逆洗圧力(仮定値)がろ過膜に負荷可能な最大圧力を超える前に逆流洗浄を開始することが好ましい。即ち、予め定めた逆洗開始のタイミングが来る前であっても、最適逆洗圧力(仮定値)がろ過膜に負荷可能な最大圧力を超えそうになった場合には、本発明のろ過膜の洗浄方法に従ってろ過膜の逆洗を開始することが好ましい。
以上、本発明のろ過膜の洗浄方法について説明したが、本発明のろ過膜の洗浄方法は上述した内容に限定されるものではない。
以下、本発明について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(予備実験)
図3に示すろ過システム100を使用し、以下のようにして単位膜面積当たりのSS負荷量と圧力比との関係を調べた。なお、ろ過膜としてはセラミック膜(、孔径:0.1μm、膜面積:24m)を使用し、被処理水としては人口原水(水道水に対し懸濁物質としてカオリンとベントナイトとを1:1の質量比で合計25~238mg/L添加したもの)を使用した。また、SS負荷量は電磁式流量計で測定した被処理水の流量と、「水質汚濁に係る環境基準の付表9(環境省)」に記載の方法で測定した懸濁物質の濃度とから求めた。
具体的には、ろ過流束が5.0m/日、10m/日、3.0m/日、12m/日の各条件下で、単位膜面積当たりのSS負荷量および逆洗圧力を変化させてろ過および逆洗を行った際のSS回収率(=洗浄排水中に含まれている懸濁物質の量/ろ過膜に流入した懸濁物質の量)および差圧回復率(=逆洗直前の差圧/逆洗直後の差圧)を求めた。なお、逆洗に用いた洗浄水(ろ過水)の量は50Lで一定とした。結果を表1~4に示す。
Figure 0007233338000001
Figure 0007233338000002
Figure 0007233338000003
Figure 0007233338000004
ここで、表1~4より、差圧の回復率が1.0になってもSS回収率は1.00に到達しない場合があることが分かる。
また、表1~4より、SS負荷量が同じであれば、ろ過流束や最大差圧が異なっていてもSS回収率が1.00に到達する「逆洗圧力/最大差圧」の値が同一であることが分かる(例1-4および例4-3;例1-10、例2-3および例3-3;並びに、例1-13および例3-5を参照)。
そして、各SS負荷量について、SS回収率が1.00となる逆洗圧力を最適逆洗圧力とし、例1-1;例1-4および例4-3;例1-5;例1-6;例1-10、例2-3および例3-3;例1-11;並びに、例1-13および例3-5の「逆洗圧力/最大差圧」の値を圧力比(最適逆洗圧力/最大差圧)として単位膜面積当たりのSS負荷量との関係をグラフにプロットしたところ、図1に示すグラフが得られた。
(実施例)
図3に示すろ過システム100を使用し、被処理水のろ過と、ろ過膜の逆流洗浄とを交互に繰り返し行った。なお、ろ過膜としてはセラミック膜(孔径:0.1μm、膜面積:24m)を使用し、被処理水としては人口原水(水道水に対し懸濁物質としてカオリンとベントナイトとを1:1の質量比で合計38~50mg/L添加したもの)を使用した。また、ろ過流束は12m/日とし、逆洗は、ろ過時の単位膜面積当たりのSS負荷量および最大差圧を測定しておき、6時間ごとに図1に示すグラフを用いて単位膜面積当たりのSS負荷量(電磁式流量計で測定した被処理水の流量と、「水質汚濁に係る環境基準の付表9(環境省)」に記載の方法で測定した懸濁物質の濃度とから算出)と最大差圧とから求めた最適逆洗圧力で行った(洗浄水の量:50L)。
逆洗前後の差圧の値および差圧の回復率などを表5に示し、ろ過の経過時間と差圧との関係を図2に示す。
Figure 0007233338000005
(比較例1)
逆洗を常に圧力400kPaで行った以外は実施例と同様にして被処理水のろ過と、ろ過膜の逆流洗浄とを交互に繰り返し行った。
逆洗前後の差圧の値および差圧の回復率などを表6に示し、ろ過の経過時間と差圧との関係を図2に示す。
Figure 0007233338000006
(比較例2)
逆洗を、差圧の回復率が1.00になる圧力で行った以外は実施例と同様にして被処理水のろ過と、ろ過膜の逆流洗浄とを交互に繰り返し行った。なお、差圧の回復率が1.00になる圧力は、逆洗圧力を変化させ、差圧回復率を評価した実験の結果から求めた。また、48時間以上経過した後は、差圧の回復率が1.00になる圧力の大きさが逆洗ポンプの最大吐出圧力(500kPa)を超えたため、逆洗は500kPaで行った。
逆洗前後の差圧の値および差圧の回復率などを表7に示し、ろ過の経過時間と差圧との関係を図2に示す。
Figure 0007233338000007
表5~7および図2より、実施例では逆洗毎に確実に差圧が回復して安定した処理が可能であるのに対し、比較例1,2では時間の経過に伴って差圧の回復率が低下すると共に、ろ過の再開後に差圧が短期間で上昇し、運転継続が困難となることが分かる。
本発明のろ過膜の洗浄方法によれば、ろ過膜を不足なく効果的に逆洗することができる。
10 被処理水タンク
20 被処理水ライン
21 ポンプ
22 第1の弁
23 流量計
24 第1の圧力計
30 ろ過器
31 ろ過膜
40 ろ過水ライン
41 第2の圧力計
42 第2の弁
60 排水ライン
61 第3の弁
100 ろ過システム

Claims (5)

  1. 被処理水をろ過した後のろ過膜を逆流洗浄するろ過膜の洗浄方法であって、
    ろ過中にろ過膜に流入した懸濁物質の量およびろ過中の差圧の最大値を求める工程(A)と、
    前記工程(A)で求めた前記懸濁物質の量および前記差圧の最大値を用いて最適逆洗圧力を決定する工程(B)と、
    前記工程(B)で決定した前記最適逆洗圧力以上の圧力でろ過膜を逆流洗浄する工程(C)と、
    を含む、ろ過膜の洗浄方法。
  2. ろ過中にろ過膜に流入した懸濁物質の量と、最適逆洗圧力をろ過中の差圧の最大値で除した値である圧力比との関係を予め求めておき、前記工程(B)では、前記関係を用いて前記工程(A)で求めた前記懸濁物質の量から圧力比を求めた後、前記工程(A)で求めた前記差圧の最大値と前記圧力比とから前記最適逆洗圧力を決定する、請求項1に記載のろ過膜の洗浄方法。
  3. 前記ろ過膜の孔径が0.1μm以上1μm以下である、請求項1または2に記載のろ過膜の洗浄方法。
  4. 前記最適逆洗圧力が、所定量の洗浄水を用いてろ過膜を逆流洗浄した際に洗浄排水中に含まれている懸濁物質の量とろ過中にろ過膜に流入した懸濁物質の量とが等しくなる圧力である、請求項1~3のいずれかに記載のろ過膜の洗浄方法。
  5. ろ過膜に流入した懸濁物質の量および差圧の値を前記被処理水のろ過中に連続的に測定し、
    前記ろ過膜の逆流洗浄に用いる装置がろ過膜に負荷可能な最大圧力を前記最適逆洗圧力が超える前に逆流洗浄を開始する、請求項1~4のいずれかに記載のろ過膜の洗浄方法。
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